JP5306683B2 - 組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無の判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無の判定方法に関する。
ヒトパピローマウイルス(以下、「HPV」という)は、乳頭腫を形成するウイルスである。HPVは、100種以上のサブタイプに分類されている。また、HPVのサブタイプ間には、共通する遺伝子領域が保存されていることが知られている。HPVが感染した細胞には、ゲノムDNAに組み込まれているHPV(組み込み型HPV)や、二本鎖環状DNAの状態で存在しているHPV(エピゾーマル型HPV)が存在する。HPVのサブタイプであるHPV16は、子宮頸部に生じる頸部上皮内癌の組織や口腔癌の組織などの癌組織において、組み込み型HPVとして存在する場合が多いことが知られている(例えば、非特許文献1〜3を参照)。そのため、被験者から採取した細胞における、組み込み型HPVの有無の判定は、細胞の癌化の状態を調べる上で重要である。
非特許文献1及び2には、定量的リアルタイムPCRを用いて、細胞のゲノムDNAへのHPV16の組み込みを判定する方法が記載されている。具体的には、非特許文献1及び2に記載の方法では、まず、細胞から得られたDNAを含有する試料中の、HPV16のE2遺伝子領域のDNAの量とHPV16のE6遺伝子領域のDNAの量とを測定する。つぎに、HPV16のE2遺伝子領域のDNAの量とE6遺伝子領域のDNAの量とを比較する。そして、比較結果に基づいて、細胞のゲノムDNAへのHPV16の組み込みを判定する。E2遺伝子領域は、ゲノムDNAへのHPV16のDNAの組み込みにより、開裂することが多い領域である。そのため、非特許文献1及び2に記載の方法によれば、E2遺伝子領域のDNAの量の変動に基づき、ゲノムDNAへのHPV16の組み込みの有無を判定することができる。
しかしながら、ゲノムDNAへのHPV16の組み込みに際して、HPV16のDNAが、E2遺伝子領域で開裂しない場合もある。そのため、HPV16のDNAが、細胞のゲノムDNAに組み込まれていても、該E2遺伝子領域の開裂によるDNAの量の変動が生じない場合もある。したがって、非特許文献1及び2に記載の方法は、ゲノムDNAへのHPV16のDNAの組み込みの検出の精度が低いという欠点がある。
また、非特許文献3には、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションにより、ゲノムDNAへのHPV16のDNAの組み込みを検出する方法が記載されている。
しかしながら、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションでは、操作が複雑であり、また結果の判定には熟練が必要である。そのため、迅速かつ簡便に、ゲノムDNAへのHPV16のDNAの組み込みを検出することができないという欠点がある。
パヌ・ペイツァロ(Panu Peitsaro)ほか2名、「組み込み型16型ヒトパピローマウイルスは、新規定量的リアルタイムPCR技術により示されるように子宮頸癌前駆体に高頻度で見出される(Integrated Human Papillomavirus Type 16 Is Frequently Found inCervical Cancer Precursors as Demonstrated by a Novel Quantitative Real-TimePCR Technique)」、ジャーナル オブ クリニカル マイクロバイオロジー(Journal ofClinical Microbiology)、2002年3月、第40巻、p.886-891 フーゴ・アリアス−プリド(Hugo Arias-Pulido)ほか4名、「インサイチュ頸癌及び侵襲性頸癌における16型ヒトパピローマウイルス組み込み(Human Papillomavirus Type 16 Integration in Cervical Carcinoma InSitu and in Invasive Cervical Cancer)」、2006年5月、第44巻、p.1755-1762 レンスケ・ディー.エム.ステーンベルヘン(Renske D. M.Steenbergen)ほか6名、「組み込み型16型ヒトパピローマウイルス並びに口腔癌及びその派生細胞株における11q22及び18q21での異型接合性の喪失(Integrated Human Papillomavirus Type 16 and Loss of Heterozygosityat 11q22 and 18q21 in an Oral Carcinoma and Its Derivative Cell Line)」、キャンサー リサーチ(Cancer Research)、1995年11月15日、第55巻、p.5465-5471
本発明は、高い精度で、迅速かつ簡便に組み込み型HPVの有無を判定することができる判定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1) (A)被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する第一試料を得るステップ、
(B)前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理して第二試料を得るステップ、
(C)前記ステップ(A)の第一試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第一情報と、前記ステップ(B)の第二試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第二情報とを取得するステップ、及び
(D)前記ステップ(C)で得られた第一情報と第二情報とに基づいて、前記細胞中の組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無を判定するステップ
を含む、組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無の判定方法、
(2) 前記ステップ(D)において、第二試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量が、第一試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量よりも少ないとき、細胞中に組み込み型ヒトパピローマウイルスが存在すると判定する、前記(1に記載の判定方法、
(3) 第一情報が、第一試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつヒトパピローマウイルスのDNAを増幅するためのプライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得られた情報であり、前記第二情報が、第二試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつ該プライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得られた情報である、前記(1又は2に記載の判定方法、
(4) 前記ヒトパピローマウイルスのDNA配列を増幅するためのプライマーセットが、組み込み型ヒトパピローマウイルスのDNA配列において、開裂の頻度が低い領域である、低開裂領域のDNA配列を増幅可能なプライマーセットである、前記(3)に記載の判定方法、
(5) 前記DNAの増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応法、鎖置換反応法又はリガーゼ連鎖反応法により行なわれる、前記(3)又は(4)に記載の判定方法、
(6) 前記被験者の細胞が、子宮頸部の細胞又は口腔咽頭部の細胞である、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の判定方法、
(7) 前記ヒトパピローマウイルスが、ハイリスク型ヒトパピローマウイルスである、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の判定方法、
(8) 前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が、ATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、T7エキソヌクレアーゼ、又はラムダエキソヌクレアーゼである、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の判定方法、
(9) (E)第一試料及び/又は第二試料中におけるハウスキーピング遺伝子のDNAの有無の情報を取得するステップ、及び
(F)前記ステップ(E)で取得された情報に基づいて、前記ステップ(D)の判定の精度管理を行なうステップ
をさらに含む、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の判定方法、
(10) 前記ステップ(B)において、前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と、ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とで処理して第二試料を得る、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の判定方法、
(11) 前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理した後、得られた産物を、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素でさらに処理する、前記(10)に記載の判定方法、並びに
(12) 前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とで同時に処理する、前記(10)に記載の判定方法、
に関する。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法によれば、高い精度で、迅速かつ簡便に組み込み型HPVの有無を判定することができるという優れた効果が奏される。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法は、
被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する第一試料を得るステップ、
前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理して第二試料を得るステップ、
前記第一試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第一情報と、前記第二試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第二情報とを取得するステップ、及び
前記第一情報と前記第二情報とに基づいて、前記細胞中の組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無を判定するステップ
を含む。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、第一試料と第二試料が用いられる。第一試料は、被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する試料である。第二試料は、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理したDNAを含有する試料である。すなわち、第一試料と第二試料の調製において、エピゾーマル型HPVのDNAと組み込み型HPVのDNAとを、それぞれ単離しなくてもよい。したがって、迅速かつ簡便に、組み込み型HPVの有無を判定することができる。
本明細書において、エピゾーマル型HPVとは、細胞のゲノムDNAに組み込まれていないHPVをいう。また、組み込み型HPVとは、細胞のゲノムDNAに組み込まれているHPVをいう。
HPVは、約8kbの環状DNAウイルスである。HPVゲノムは、初期遺伝子のオープンリーディングフレーム(E1遺伝子領域、E2遺伝子領域、E4遺伝子領域、E5遺伝子領域、E6遺伝子領域及びE7遺伝子領域)、後期遺伝子のオープンリーディングフレーム(L1遺伝子領域及びL2遺伝子領域)、及びLCRを有している(図1及び図2参照)。
E1遺伝子領域は、ウイルスゲノムの複製に関与する領域である。E2遺伝子領域は、ウイルスの転写の調節に関与する領域である。E5遺伝子領域、E6遺伝子領域及びE7遺伝子領域は、がん化に関与する領域である。E6遺伝子領域は、がん抑制遺伝子であるp53と結合し、p53の分解を促進するタンパク質をコードする領域である。E7遺伝子領域は、がん抑制遺伝子であるRbと結合し、Rbを不活化するタンパク質をコードする領域である。L1遺伝子領域及びL2遺伝子領域は、キャプシド形成に関与する領域である。なお、LCR(Long control region)は、ウイルス遺伝子の発現調節に関与する領域である。
ここで、E6遺伝子領域、E7遺伝子領域、L1遺伝子領域及びL2遺伝子領域は、低開裂領域である。低開裂領域とは、組み込み型ヒトパピローマウイルスのDNA配列において、開裂の頻度が低い領域を示す。なお、E6遺伝子領域及びE7遺伝子領域は、開裂の頻度が極めて低い領域である。
なお、HPVとしては、ハイリスク型HPVが好ましい。ハイリスク型HPVは、細胞のゲノムDNAに組み込まれることにより、細胞を癌化する可能性が高いHPVである。具体的なハイリスク型HPVとしては、HPV16、HPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV39、HPV45、HPV51、HPV52、HPV56、HPV58、HPV59、HPV68、HPV73及びHPV82が挙げられる。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、まず、被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する第一試料を得る。
被験者の細胞からのDNAの抽出は、公知の方法などにより行なえばよい。例えば、DNAは、被験者の細胞を溶解して細胞内のDNAを可溶化し、得られた溶解物から、フェノールなどを用いてタンパク質を除去することで、被験者の細胞から抽出することができる。また、DNAは、市販のDNAを抽出するためのキットを用いて、被験者の細胞から抽出してもよい。
抽出したDNAは、水や緩衝液に溶解してDNA溶液とすることができる。このDNA溶液を分注し、第一試料や第二試料の調製に用いることができる。ここで、抽出したDNAを溶解するための水や緩衝液としては、溶解したDNAが安定なものが好ましい。例えば、ヌクレアーゼを含まないPCRグレードの水や、TE溶液〔10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA〕などが挙げられる。なお、DNAの抽出は、第一試料及び第二試料の調製ごとに行ってもよい。
第一試料は、被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する試料である。第一試料は、後述する第二試料と異なりエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理されない。しかし、酵素処理以外は、第二試料と同じ条件で調製することが好ましい。すなわち、第一試料は、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を添加せずに、第二試料と同じ条件で処理した試料が好ましい。これにより、本発明の判定の信頼性を向上することができる。
被験者の細胞としては、HPVが感染する対象となる細胞又はHPVが潜伏する対象となる細胞であればよい。被験者の細胞としては、特に限定されないが、例えば、粘膜の細胞、皮膚の細胞などが挙げられる。粘膜としては、例えば、泌尿生殖器、消化器、呼吸器などの管腔臓器の内腔面が挙げられる。より具体的な粘膜としては、子宮頸部、口腔咽喉部などが挙げられる。本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、被験者の細胞は、子宮頸部の細胞又は口腔咽頭部の細胞が好ましい。子宮頸部の細胞は、被験者の子宮頸部から採取することができる細胞である。また、口腔咽頭部の細胞は、被験者の口腔咽頭部から採取することができる細胞である。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、つぎに、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理してDNAを含有する第二試料を得る。
第二試料は、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理することで得られたDNAを含有する試料である。
エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で、被験者の細胞から抽出されたDNAを処理すると、該DNAに含まれるゲノムDNAが分解される。そのため、第二試料は、ゲノムDNAを実質的に含まず、二本鎖環状DNAを選択的に含む。すなわち、第二試料は、組み込み型HPVのDNAを実質的に含まず、エピゾーマル型HPVのDNAを選択的に含むことになる。
本明細書において、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とは、直鎖状DNAの5’末端側から3’末端側まで又は該直鎖状DNAの3’末端側から5’末端側まで、糖残基とリン酸残基との間のホスホジエステル結合を順次加水分解する活性を有する酵素であればよい。なかでも、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素は、二本鎖DNAに対してエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が望ましい。エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の具体例としては、ATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼなどが挙げられる。これらのなかでは、ポリメラーゼ活性を有さない、ATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、T7エキソヌクレアーゼ及びラムダエキソヌクレアーゼが好ましい。
DNAの処理に際して、用いられるエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の量は、用いられる酵素の種類や第一試料に含まれるDNAの量などに応じて適宜決定すればよい。エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素によるDNAの処理は、使用するエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の種類に応じた反応条件下で行なえばよい。エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素によるDNAの処理は、細胞中における組み込み型HPVの有無の判定結果をより高い精度で得る観点から、好ましくはDNAを十分に消化するまで行なわれる。なお、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素がエキソヌクレアーゼ活性以外に生物学的活性を有する酵素である場合、該エキソヌクレアーゼ活性以外の生物学的活性を有する酵素によるDNAの処理は、該エキソヌクレアーゼ活性を発現し、該エキソヌクレアーゼ活性以外の生物学的活性を抑制する反応条件下で行なうことができる。
第二試料を得るに際しては、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素に加え、ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理することが好ましい。これにより、より効率的に、被験者の細胞から抽出されたDNAに含まれるゲノムDNAを分解することができる。
ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素は、ヒトパピローマウイルスのDNAの塩基配列中に認識配列を有していない酵素であればよい。例えば、ヒトパピローマウイルスがHPV16の場合、ClaI、EcoRV、HindIII、NheI、NotI、SacI、SacII、SalI、SmaI、XbaI及びXhoIが挙げられる。なお、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と、ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とで処理して第二試料を得る場合、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理した後、得られた産物を、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素でさらに処理することができる。この場合、用いられるエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素及びエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素それぞれの活性が十分に発揮される条件でそれぞれの酵素による処理を行なうことができる点で有利である。
DNAの処理に際して、用いられるエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素の量は、用いられる酵素の種類第一試料に含まれるDNAの量などに応じて適宜決定すればよい。エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素によるDNAの処理は、使用するエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素の種類に応じた反応条件下で行なえばよい。
なお、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理した後に、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素を熱などにより失活させることが好ましい。これにより、その後のエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による処理の際に、残存するエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素のスター活性によるエピゾーマル型HPVの切断を防ぐことができる。
また、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と、ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とで処理して第二試料を得る場合、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とで同時に処理することができる。この場合、一回の操作で第二試料を得ることができるため、操作が容易になる点で有利である。
被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とで同時に処理する場合、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素及びエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の組み合わせは、互いに同じ反応条件下でそれぞれの活性が十分に保たれる組み合わせであるのが望ましい。エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素及びエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の組み合わせとしては、例えば、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素として、SacI及び/又はXhoIと、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素として、ATP依存型デオキシリボヌクレアーゼとの組み合わせ等が挙げられる。
DNAの処理に際して、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素及びエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の組み合わせにおけるエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素の量及びエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素の量は、用いられる酵素の種類や第一試料に含まれるDNAの量などに応じて適宜決定すればよい。また、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素及びエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の組み合わせの反応条件は、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素の活性及びエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素の活性が十分に保たれる反応条件であればよい。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、第一試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する第一情報と、第二試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する第二情報とを取得する。
上述のように、第二試料は、組み込み型HPVのDNAを実質的に含まず、エピゾーマル型HPVのDNAを選択的に含んでいる。したがって、第二試料から得られる第二情報は、エピゾーマル型HPVのDNAの量に関する情報である。一方、第一試料に含まれるDNAは、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理されていないDNAである。そのため、第一試料は、組み込み型HPVのDNAとエピゾーマル型HPVのDNAを両方含んでいる。したがって、第一試料から得られる第一情報は、ピゾーマル型HPVと組み込み型HPV両方のDNAの量に関する情報である。
試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報とは、試料中に含まれるHPVのDNAの量と相関関係がある情報をいう。例えば、後述するリアルタイムPCRの場合、試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報は、検量線に基づいて算出されたHPVのDNAの定量値だけでなく、所定のサイクル数における増幅産物の量や増幅産物の増幅曲線のグラフをも含む。すなわち、試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報は、試料中のDNAの量を直接的に示す情報だけでなく、間接的に示す情報をも含む。
ここで、試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報は、核酸増幅法やDNAチップなどを用いた、公知のDNA量の測定方法により取得することができる。特に、被験者の細胞から抽出されたDNAが少量であっても、細胞中の組み込み型HPVの有無を判定することができることから、核酸増幅法を用いた方法が望ましい。なお、本明細書において、核酸増幅法とは、鋳型となるDNAとプライマーセットとを用いてDNAを増幅する方法をいう。
HPVのDNAの量の測定に用いることのできるDNAチップとしては、HPVのDNAにハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドを固定化した基板が挙げられる。DNAチップを用いたDNAの測定は、公知の方法により行なうことができる。例えば、DNAチップを用いたDNAの測定は、以下のようにして行なうことができる。まず、試料中に含まれるHPVのDNAを鋳型として、ビオチンでラベルした一本鎖DNAのプローブ(ビオチン標識プローブ)を作製する。つぎに、ビオチン標識プローブと、上記のHPVのDNAにハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドを固定化した基板とを接触させる。これにより、ビオチン標識プローブと、基板上のポリヌクレオチドとで二本鎖を形成させる。さらに、基板上のポリヌクレオチドと二本鎖を形成したビオチン標識プローブを、蛍光標識したアビジンで染色する。その後、基板上の蛍光強度を測定することで、試料中のHPVのDNAを測定することができる。この方法で、第一試料及び第二試料に含まれるHPVのDNAを測定することにより、第一情報及び第二情報を取得することができる。
核酸増幅法による、試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報の取得は、HPVのDNAを増幅するためのプライマーセットを用いる核酸増幅法により行なう。すなわち、第一情報は、該第一試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつHPVのDNAを増幅するためのプライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得ることができる。また、第二情報は、該第二試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつ該プライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得ることができる。上述のように、第一情報及び第二情報は、試料中のDNAの量の測定値でもよい。また、第一情報及び第二情報は、前記測定値の算出に利用した、所定のサイクル数における増幅されたDNAの量や増幅曲線のグラフなどでもよい。
HPVのDNAを増幅するためのプライマーセットは、組み込み型HPVの検出をより高い精度で行なう観点から、好ましくは低開裂領域のDNA配列を増幅可能なプライマーセットである。低開裂領域の具体例としては、L1遺伝子領域、L2遺伝子領域、E6遺伝子領域及びE7遺伝子領域が挙げられる。なかでも、E6遺伝子領域及びE7遺伝子領域は、組み込み型HPVのDNA配列において、開裂の頻度が極めて低い領域である。したがって、HPVのDNAを増幅するためのプライマーセットは、好ましくはE6遺伝子領域及びE7遺伝子領域を増幅できるプライマーセットである。
なお、HPVのDNAを増幅するためのプライマーセットは、使用する核酸増幅法の種類に応じて、公知の方法で作製することができる。また、核酸増幅法の種類に応じた、プライマーセットを作製するためのソフトウエアも市販されている。リアルタイムPCRに用いるプライマーセットを作製するためのソフトウエアとしては、例えば、ソフトウエア開発株式会社製の商品名:GENETYX、ソフトウエア開発株式会社製の商品名:primer3などが挙げられる。また、LAMP法に用いるプライマーセットを作製するためのソフトウエアとしては、例えば、栄研化学株式会社・富士通株式会社・株式会社富士通システムソリューションズ提供の商品名:Primer Explorerなどが挙げられる。HPVのDNAを増幅するためのプライマーセットは、このようなソフトウエアを利用して作製することができる。
例えば、第一情報及び第二情報の取得に、リアルタイムPCRを用いた場合のプライマーセットの具体例としては、HPV18L1/LCR−F:5'-tgctccatctgccactacgtc-3'(配列番号:1)とHPV18L1/LCR−R:5'-tagggcgcaaccacataaca-3'(配列番号:2)とのプライマーセット、HPV16E7−F:5'-tgcatggagatacacctacattg-3'(配列番号:3)とHPV16E7−R:5'-tagtgtgcccattaacaggtcttc-3'(配列番号:4)とのプライマーセット、MY09:5'-cgtccmarrggawactgatc-3'(配列番号:5)とMY11:5'-gcmcagggwcataayaatgg-3'(配列番号:6)とのプライマーセット、GP5+:5'-tttgttactgtggtagatactac-3'(配列番号:7)とGP6+:5'-gaaaaataaactgtaaatcatattc-3'(配列番号:8)とのプライマーセット、HPV18E7−F:5'-caagacattgtattgcatttagagcc-3'(配列番号:9)とHPV18E7−R:5'-tgctggaatgctcgaaggtc-3'(配列番号:10)とのプライマーセット、HPV16L1−F:5'-gtaggtgttgaggtaggtcgtgg-3'(配列番号:11)とHPV16L1−R:5'-ggacaatcacctggatttactgc-3'(配列番号:12)とのプライマーセット、HPVpU−1M:5'-tgtcaaaaaccgttgtgtcc-3'(配列番号:13)とHPVpU−2R:5'-gagctgtcgcttaattgctc-3'(配列番号:14)とのプライマーセットなどが挙げられる。
DNAの増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応法、鎖置換反応法又はリガーゼ連鎖反応法により行なわれることが好ましい。ポリメラーゼ連鎖反応法としては、例えば、リアルタイムPCR法などが挙げられる。また、鎖置換反応法としては、例えば、LAMP法、ICAN(登録商標)法、SMAP法などが挙げられる。なかでも、好ましくは、リアルタイムPCR及びLAMP法である。
ここで、リアルタイムPCRとしては、増幅産物であるHPVのDNAは、蛍光を発するインターカレーターを用いる方法(インターカレーター法)、及び増幅産物の配列に特異的な蛍光色素標識オリゴヌクレオチドからなるプローブ(例えば、TaqManプローブ、サイクリングプローブなど)を用いる方法(プローブ法)がある。これらのなかでは、増幅産物であるHPVのDNAの検出及び定量を簡便に行なうことができる観点から、好ましくはインターカレーター法である。
インターカレーター法では、インターカレーターは、ポリメラーゼ連鎖反応により合成された二本鎖DNAに結合し、励起光の照射により蛍光を発する物質である。インターカレーター法では、二本鎖DNAとして得られる増幅産物に結合しているインターカレーターの蛍光に基づく蛍光強度を検出することにより、増幅産物の生成量をモニターすることができる。インターカレーターとしては、例えば、モレキュラープローブインコーポレーティッド製SYBR(登録商標) greenなどが挙げられる。
リアルタイムPCRでは、増幅産物であるHPVのDNAをリアルタイムでモニタリングし、指数関数的増幅領域で、該HPVのDNAの定量を行なうため、ポリメラーゼ連鎖反応における増幅速度論に基づき、正確に、該HPVのDNAを定量することができる。リアルタイムPCRでは、第一試料中に含まれるDNAの量及び第二試料に含まれるDNAの量が多いほど、増幅産物であるHPVのDNAの量は、より早いサイクルの段階で、検出可能な量に達する。そのため、例えば、蛍光強度を縦軸とし、サイクル数を横軸とするグラフに、増幅産物の増幅曲線を描いた場合、第一試料中に含まれるDNAの量及び第二試料に含まれるDNAの量が多いほど、それぞれの増幅曲線は、より早いサイクルから指数関数的に蛍光強度の増加を示す曲線となる。また、増幅曲線のグラフ上に適切に設定された蛍光強度の閾値と増幅曲線とが交わる点でのサイクル数の値(Ct(Threshold Cycle))は、第一試料中に含まれるDNAの量又は第二試料に含まれるDNAの量と直線関係がある。したがって、第一試料中に含まれるDNA中のHPVのDNAの量又は第二試料に含まれるDNA中のHPVのDNAの量は、Ct値と、標準DNA試料の量との関係を占めす検量線に基づいて算出される。
LAMP法の場合、HPVのDNAの増幅に伴い副産物としてピロリン酸マグネシウムが多量に生成される。このピロリン酸マグネシウムは不溶性であるため、ピロリン酸マグネシウムの増加に伴って反応液が白濁する。よって、反応液の濁度(又は吸光度)をリアルタイムで光学的に測定することにより、試料中に含まれるHPVのDNAの量に関する情報を取得することができる。また、LAMP法においても、モレキュラープローブインコーポレーティッド製SYBR(登録商標) greenを用いることができる。なお、試料中のHPVのDNAの量は、反応液の濁度、吸光度、蛍光強度などが所定の値に達するまでの時間に基づいて、算出することができる。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、前記第一情報と第二情報とに基づいて、細胞中のゲノムDNAに組み込まれているHPV(組み込み型HPV)の有無を判定する。
上述のように、第一情報には、組み込み型HPVとエピゾーマル型HPVの両方のDNAの量に関する情報が含まれている。一方、第二情報には、エピゾーマル型HPVのみのDNAの量に関する情報が含まれている。したがって、第一情報と第二情報とを比較することで、被験者の細胞から抽出されたDNA中における組み込み型HPVの有無を判定することができる。すなわち、第一情報と第二情報から、第二試料中に含まれるHPVのDNAの量が、第一試料中に含まれるHPVのDNAの量よりも少ないという情報が得られた場合、細胞中に組み込み型HPVが存在すると判定することができる。逆に、第一情報と第二情報とから、第二試料中に含まれるHPVのDNAの量が、第一試料中に含まれるHPVのDNAの量と実質的に同一であるという情報が得られた場合、細胞中に組み込み型HPVが存在しないと判定することができる。
前記第一情報及び第二情報が、例えば、HPVのDNA量の測定値である場合、第二情報のHPVのDNA量の測定値が、第一情報のHPVのDNA量の測定値よりも低ければ、組み込み型HPVが存在すると判定することができる。また、第一情報及び第二情報のHPVのDNA量の測定値が、実質的に同一であれば、組み込み型HPVが存在しないと判定することができる。
また、第一情報及び第二情報が、上述の核酸増幅法における増幅産物の量(増幅されたHPVのDNA量)である場合、第二情報の増幅産物の量が、第一情報の増幅産物の量よりも低ければ、組み込み型HPVが存在すると判定することができる。また、第一情報及び第二情報の増幅産物の量が、実質的に同一であれば、組み込み型HPVが存在しないと判定できる。
さらに、第一情報及び第二情報が、核酸増幅反応における増幅曲線(例えば、増幅曲線のグラフ)である場合、第二情報の増幅曲線が、第一情報の増幅曲線よりも、上述した濁度、吸光度、蛍光強度などが所定の値に達するまでの時間が遅ければ、組み込み型HPVが存在すると判定することができる。また、第一情報及び第二情報の増幅率が、実質的に同一であれば、組み込み型HPVが存在しないと判定することができる。
また、第二情報において、HPVのDNAが存在しないという情報が得られた場合、被験者の細胞にはエピゾーマル型HPVが存在しないと判定することができる。ここで、第一情報においても、HPVのDNAが存在しないという情報が得られた場合、被験者の細胞は、HPVに感染していないと判定することができる。一方、第一情報において、HPVのDNAが存在するという情報が得られた場合、被験者の細胞中のHPVは、すべて組み込み型HPVであると判定することができる。ここで、HPVのDNAが存在しないという情報としては、例えば、試料中のHPVのDNA量が測定限界以下である場合の情報や、核酸増幅方法においてHPVのDNAが増幅されない場合の情報が挙げられる。一方、HPVのDNAが存在するという情報としては、試料中のHPVのDNA量の測定値が得られる場合の情報や、核酸増幅反応においてHPVのDNAが増幅される場合の情報が挙げられる。なお、上記のHPVのDNAが存在する又は存在しないという情報は、試料中に含まれるHPVのDNA量に関する情報に含まれる。
第二情報において、HPVのDNAが有るという情報が得られ、かつ組み込み型HPVが有ると判定された場合、被験者の細胞のHPVは、組み込み型HPVとエピゾーマル型HPVの両方が存在すると判定することもできる。
本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法は、より一層判定結果の精度を向上させる観点から、
第一試料及び/又は第二試料中におけるハウスキーピング遺伝子のDNAの有無の情報を取得するステップ、及び
前記ステップで取得された情報に基づいて、上述の組み込み型HPVの有無を判定するステップの判定の精度管理を行なうステップ
をさらに含むことが好ましい。
ハウスキーピング遺伝子は、細胞の種類に応じて適宜選択することができる。ハウスキーピング遺伝子としては、例えば、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、β−アクチンなどが挙げられる。
ハウスキーピング遺伝子のDNAの有無の情報は、公知のDNA量の測定方法を用いて取得することができる。例えば、ハウスキーピング遺伝子のDNAの有無の情報は、試料中に含まれるDNAを鋳型として、ハウスキーピング遺伝子のDNAを増幅するためのプライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得られる。このDNAの増幅の結果に基づいて、ハウスキーピング遺伝子のDNAの有無の情報を取得することができる。例えば、ハウスキーピング遺伝子のDNAが増幅された場合、試料中にハウスキーピング遺伝子のDNAが存在するという情報が取得できる。逆に、ハウスキーピング遺伝子のDNAが増幅されない場合、試料中にハウスキーピング遺伝子のDNAが存在しないという情報が取得できる。
なお、HPVのDNAには、ハウスキーピング遺伝子のDNAは含まれていない。一方、細胞のゲノムDNAには、ハウスキーピング遺伝子が含まれている。ここで、第一試料中のDNAは、ゲノムDNAを含む。それに対し、第二試料中のDNAは、エキソヌクレアーゼで処理されているため、ゲノムDNAを含まない。すなわち、第一試料の調製が良好に行なわれていれば、第一試料中にはハウスキーピング遺伝子のDNAが存在するという情報が取得される。一方、第二試料の調製が良好に行なわれていれば、第二試料中にはハウスキーピング遺伝子のDNAが存在しないという情報が取得される。つまり、細胞中の組み込み型HPVの有無を判定するステップで得られた判定の精度管理は、第一試料及び第二試料におけるハウスキーピング遺伝子の有無に基づいて行なうことができる。
例えば、ハウスキーピング遺伝子のDNAが、第一試料に検出され、第二試料からは検出されない場合、判定の結果の信頼性が高いことを示す指標となる。一方、ハウスキーピング遺伝子のDNAが、第一試料及び第二試料のいずれからも検出されない場合、被験者の細胞からのDNAの抽出などのDNAの調製時の操作、第一試料及び第二試料の取り扱いなどが適切に行なわれていない可能性があり、判定結果の信頼性が低いことを示す指標となる。また、ハウスキーピング遺伝子のDNAが、第一試料に検出され、かつ第二試料にも検出される場合、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による処理が不十分である可能性があり、判定結果の信頼性が低いことを示す指標となる。本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法では、指標に基づいて、判定結果の精度を管理することができる。
以上のように、本発明の組み込み型HPVの有無の判定方法によれば、高い精度で、迅速かつ簡便に組み込み型HPVの有無を判定することができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
HPV16が染色体に組み込まれている子宮頸部由来細胞株であるSiHa細胞(1×106個細胞)のゲノムDNAを、DNA抽出キット〔キアジェン(QIAGEN)社製、商品名:QIAamp DNAミニキット〕を用いて抽出した。抽出したSiHa細胞のゲノムDNAに、ヌクレアーゼを含まないPCRグレードの水を添加し、SiHa細胞のゲノムDNAの水溶液(0.1μg/μL)を得た。
得られたSiHa細胞のゲノムDNAの水溶液(10μL)を用いて、1μgのSiHa細胞のゲノムDNAを含む緩衝液〔組成:66.8mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、30mM塩化マグネシウム、8.4mM 2−メルカプトエタノール、0.5mM γATP、1μgのSiHa細胞のゲノムDNA、残部ヌクレアーゼフリーの精製水〕50μLを調製した。調製したゲノムDNAを含む緩衝液を、37℃で2.5時間インキュベーションした後、75℃で20分間インキュベーションし、第一試料(50μL)を得た。
また、前記SiHa細胞のゲノムDNAの水溶液(10μL)を用いて、1μgのSiHa細胞のゲノムDNAと20UのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:ATP−Dependent Deoxyribonuclease、コード番号:ADD−101)とを含む緩衝液〔組成:66.8mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、30mM塩化マグネシウム、8.4mM 2−メルカプトエタノール、0.5mM γATP、1μgのSiHa細胞のゲノムDNA、20UのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、残部ヌクレアーゼフリーの精製水〕50μLを調製した。調製したゲノムDNAとγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼとを含む緩衝液を、37℃で、2.5時間インキュベーションした。つぎに、75℃で20分間インキュベーションし、第二試料(50μL)を得た。
鋳型である第一試料1μLに対して、リアルタイムPCR用キット〔キアジェン社製、商品名:Brilliant(登録商標) SYBR(登録商標) Green QPCR Master Mix、カタログ番号:#600548〕に含まれている試薬(商品名:×2 Master Mix)12.5μLと、参照用色素(商品名:Reference dye)0.4μLと、プライマーHPV16E7−F(10μM、配列番号:3、5'-tgcatggagatacacctacattg-3')水溶液1μLとプライマーHPV16E7−R(10μM、配列番号:4、5'-tagtgtgcccattaacaggtcttc-3')水溶液1μLと、水9.1μLとを添加して、25μLのリアルタイムPCR用反応液1を調製した。プライマーHPV16E7−FとプライマーHPV16E7−Rとからなるプライマーセットは、HPV16のE7遺伝子領域を増幅するためのプライマーセットである。
前記と同様にして、鋳型として第二試料を用いて、リアルタイムPCR用反応液2を調製した。
その後、リアルタイムPCR用反応液1及びリアルタイムPCR用反応液2それぞれを用いて、リアルタイムPCRシステム(STRATAGENE社製、商品名:Mx3005P)により、リアルタイムPCRを行なった。リアルタイムPCRのサーマルプロファイルは、95℃10分間の保温後、95℃30秒間と58℃15秒間と72℃30秒間とを1サイクルとする30サイクルの反応とした。リアルタイムPCRに際して、増幅産物である二本鎖DNA中に挿入された蛍光色素〔キアジェン社製、商品名:Brilliant(登録商標) SYBR(登録商標) Green〕に基づく蛍光強度を、リアルタイムPCRシステム(STRATAGENE社製、商品名:Mx3005P)の検出器(波長516nm)で測定した。その結果を図3に示す。図3は、実施例1のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
図3に示されるように、20サイクル目以降から第一試料中におけるHPV16のE7遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量が、指数関数的に増加しているのに対して、第二試料中におけるHPV16のE7遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量は、ほとんど変化していないことがわかる。これは、第二試料では、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより、直鎖状のDNAであるゲノムDNAが分解されるため、第二試料中にリアルタイムPCRの鋳型となるDNAがなくなることが原因であると考えられる。
したがって、第一試料中に含まれるHPV16のDNAの量と第二試料中に含まれるHPV16のDNAの量との差を求め、第一試料中に含まれるHPV16のDNAの量を指標として、第二試料中に含まれるHPV16のDNAの量が、第一試料中に含まれるHPV16のDNAの量よりも少ないとき、細胞中に組み込み型HPV16が存在すると判定することができることが示唆される。また、第一試料中に含まれるHPV16のDNAの量を指標とすることにより、細胞中の組み込み型HPV16の有無を判定することができることが示唆される。
(実施例2)
SiHa細胞に代えて、HPV18が染色体に組み込まれている子宮頸部由来細胞株であるHeLa細胞(1×106個細胞)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、HeLa細胞のゲノムDNAの水溶液を得た。
また、環状二本鎖DNAであるHPVのモデルとして、HPV18ゲノムのL1遺伝子領域からE6遺伝子領域の範囲のDNAが、ベクター(インビトロジェン社製、商品名:pCEP4ベクター、カタログ番号:V044−50)に連結されたプラスミドを用いた。
SiHa細胞のゲノムDNA1μgに代えて、HeLa細胞のゲノムDNA1μgと上記のプラスミド500pgとを用いた以外は、実施例1と同様にして、第一試料及び第二試料を得た。
プライマーHPV16E7−F溶液とプライマーHPV16E7−R溶液とに代えて、プライマーHPV18L1/LCR−F(配列番号:1、5'-tgctccatctgccactacgtc-3')溶液とプライマーHPV18L1/LCR−R(配列番号:2、5'-tagggcgcaaccacataaca-3')溶液とを用いたことを除き、実施例1と同様にして、第一試料に対応するリアルタイムPCR用試料1と、第二試料に対応するリアルタイムPCR用試料2とを得た。なお、プライマーHPV18L1/LCR−FとプライマーHPV18L1/LCR−Rとからなるプライマーセットは、HPV18のL1遺伝子領域を増幅するためのプライマーセットである。
その後、リアルタイムPCRのサーマルプロファイルを、95℃10分間の保温後、95℃30秒間と63℃15秒間と72℃30秒間とを1サイクルとする30サイクルの反応としたことを除き、実施例1と同様にして、リアルタイムPCRを行なった。その結果を図4に示す。図4は、実施例2のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
図4に示されるように、18サイクル目以降から第一試料中におけるHPV18のL1遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量及び第二試料中におけるHPV18のL1遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量のいずれもが、指数関数的に増加することがわかる。したがって、第一試料及び第二試料のいずれにも、HPV18のDNAが存在することがわかる。
また、図4に示されるように、18サイクル以降では、第一試料中におけるHPV18のL1遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量に比べ、第二試料中におけるHPV18のL1遺伝子領域のDNAに対応する増幅産物の量が少なくなっているため、第二試料には、直鎖状のゲノムDNAに組み込まれたHPV18のDNAは存在しないが、環状二本鎖DNAが存在していることがわかる。
したがって、第一試料中に含まれるHPV18のDNAの量と第二試料中に含まれるHPV18のDNAの量との差を求め、第一試料中に含まれるHPV18のDNAの量を指標として、第二試料中に含まれるHPV18のDNAの量が、第一試料中に含まれるHPV18のDNAの量よりも少ないとき、細胞中に組み込み型HPV18が存在すると判定することができることが示唆される。また、第一試料中に含まれるHPV18のDNAの量を指標とすることにより、細胞中の組み込み型HPV18の有無を判定することができることが示唆される。
(実施例3)
実施例1の第一試料及び第二試料について、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAを増幅するためのプライマーセット(配列番号:15、5'-ggcaccctatggacacgc-3'、配列番号:16、5'-ggaaagccagtccccagaac-3')を用いて、実施例1と同様にして、リアルタイムPCRを行なった。その結果を図5に示す。図5は、実施例3のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
図5に示されるように、21サイクル目以降から第一試料中におけるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAに対応する増幅産物の量が、指数関数的に増加しているため、第一試料中に、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAが存在することがわかる。一方、図5に示されるように、第二試料中におけるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAに対応する増幅産物の量は、ほとんど変化していないことがわかる。この結果より、第二試料では、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより、直鎖状のDNAであるゲノムDNAが分解されるため、該第二試料中にリアルタイムPCRの鋳型となるDNAがなくなり、該ゲノムDNA中のグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAを増幅することができないことがわかる。したがって、実施例1の判定結果の信頼性が高いことがわかる。
このように、第一試料及び第二試料それぞれに含まれるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子などのハウスキーピング遺伝子のDNAに対応する増幅産物の有無により、実施例1の判定結果の精度を評価することができることがわかる。
(実施例4)
実施例2の第一試料及び第二試料について、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAを増幅するためのプライマーセット(配列番号:15及び配列番号:16)を用いて、実施例2と同様にして、リアルタイムPCRを行なった。その結果を図6に示す。図6は、実施例4のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
図6に示されるように、22サイクル目以降から第一試料中におけるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAに対応する増幅産物の量が、指数関数的に増加しているため、第一試料中に、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAが存在することがわかる。一方、図6に示されるように、第二試料中におけるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAに対応する増幅産物の量は、ほとんど変化していないことがわかる。この結果より、第二試料では、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより、直鎖状のDNAであるゲノムDNAが分解されるため、該第二試料中にリアルタイムPCRの鋳型となるDNAがなくなり、該ゲノムDNA中のグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするDNAを増幅することができないことがわかる。したがって、実施例2の判定結果の信頼性が高いことがわかる。
このように、第一試料及び第二試料それぞれに含まれるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子などのハウスキーピング遺伝子のDNAに対応する増幅産物の有無により、実施例2の判定結果の精度を評価することができることがわかる。
以上のように、被験者の細胞から抽出されたDNAを含有する第一試料中に含まれるHPVのDNAの量と、該被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理して得られた第二試料中に含まれるHPVのDNAの量との差を求め、第一試料中に含まれるHPVのDNAの量を指標とすることにより、細胞中の組み込み型HPVの有無を、迅速かつ簡便に判定することができることがわかる。また、第一試料及び第二試料それぞれに含まれるハウスキーピング遺伝子のDNAに対応する増幅産物の有無により、細胞中の組み込み型HPVの有無の判定結果の精度を評価することができることがわかる。
(製造例1)
ヒト胃癌細胞株であるKATOIII細胞(1×106個細胞)のゲノムDNAを、DNA抽出キット〔キアジェン(QIAGEN)社製、商品名:QIAamp DNAミニキット〕を用いて抽出した。
(比較例1)
製造例1で得られたKATOIII細胞のゲノムDNAを5μg含む緩衝液〔組成:10mMTris−HCl(pH7.5)、10mM塩化マグネシウム、1mMジチオスレイトール、5μgのKATOIII細胞のゲノムDNA、残部ヌクレアーゼフリーの精製水〕30μLを調製した。調製したゲノムDNAを含む緩衝液を、37℃で一晩インキュベーションした。つぎに、得られた産物を60℃で15分間インキュベーションし、非処理試料を得た。
非処理試料(30μL)に、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液〔×5 buffer(組成:334mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、150mM塩化マグネシウム、42mM 2−メルカプトエタノール、2.5mM rATP)〕10μLを添加した。得られた混合物にヌクレアーゼフリーの精製水を添加して、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、6時間インキュベーションした後、75℃で15分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、比較例1の試料を得た。
(実施例5)
比較例1と同じ操作により得られた非処理試料(30μL)に、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液〔×5 buffer(組成:334mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、150mM塩化マグネシウム、42mM 2−メルカプトエタノール、2.5mM rATP)〕10μLと、5UのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:ATP−Dependent Deoxyribonuclease、コード番号:ADD−101)とを添加した。得られた混合物にヌクレアーゼフリーの精製水を添加して、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、6時間インキュベーションした後、75℃で15分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実施例5の試料を得た。
(比較例2)
製造例1で得られたKATOIII細胞のゲノムDNA5μgと、5UのSacI(タカラバイオ株式会社製)とを含む緩衝液〔組成:10mMTris−HCl(pH7.5)、10mM塩化マグネシウム、1mMジチオスレイトール、5μgのKATOIII細胞のゲノムDNA、5UのSacI、残部ヌクレアーゼフリーの精製水〕30μLを調製した。調製したゲノムDNAとSacIとを含む緩衝液を、37℃で一晩インキュベーションした。つぎに、得られた産物を60℃で15分間インキュベーションし、SacI処理試料を得た。
SacI処理試料(30μL)に、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液〔×5 buffer(組成:334mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、150mM塩化マグネシウム、42mM 2−メルカプトエタノール、2.5mM rATP)〕10μLを添加した。得られた混合物に、ヌクレアーゼフリーの精製水10μLを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、6時間インキュベーションした後、75℃で15分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、比較例2の試料を得た。
(実施例6)
比較例2と同じ操作により得られたSacI処理試料(30μL)に、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、5UのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:ATP−Dependent Deoxyribonuclease、コード番号:ADD−101)とを添加した。得られた混合物に、ヌクレアーゼフリーの精製水を添加して50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、6時間インキュベーションした後、75℃で15分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実施例6の試料を得た。
(試験例1)
実施例5の試料1μLに対して、リアルタイムPCR用キット〔キアジェン社製、商品名:Brilliant(登録商標) SYBR(登録商標) Green QPCR Master Mix、カタログ番号:#600548〕に含まれている試薬(商品名:×2 Master Mix)12.5μLと、参照用色素(商品名:Reference dye)0.4μLと、プライマーGADPH/DNA−F(10μM、配列番号:17、5'-ggcaccctatggacacgc-3')水溶液1μLとプライマーGADPH/DNA−R(10μM、配列番号:18、5'-ggaaagccagtccccagaac-3')水溶液1μLと、水9.1μLとを添加して、25μLのリアルタイムPCR用反応液を調製した。プライマーGADPH/DNA−FとプライマーGADPH/DNA−Rプライマーとからなるプライマーセットは、ゲノムDNAのグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のDNAの一部を増幅するためのプライマーセットである。
実施例5の試料に代えて、実施例6の試料、比較例1の試料又は比較例2の試料を用いたことを除き、前記と同様の操作を行なった。
その後、リアルタイムPCR用反応液を用いて、リアルタイムPCRシステム(STRATAGENE社製、商品名:Mx3005P)により、リアルタイムPCRを行なった。リアルタイムPCRのサーマルプロファイルは、95℃10分間の保温後、95℃30秒間と58℃15秒間と72℃30秒間とを1サイクルとする40サイクルの反応とした。リアルタイムPCRに際して、増幅産物である二本鎖DNA中に挿入された蛍光色素〔キアジェン社製、商品名:Brilliant(登録商標) SYBR(登録商標) Green〕に基づく蛍光強度を、リアルタイムPCRシステム(STRATAGENE社製、商品名:Mx3005P)の検出器(波長516nm)で測定した。
それぞれの増幅産物量に基づき、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより処理していない試料中におけるGAPDH遺伝子の残存量を100とし、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより処理した試料中におけるGAPDH遺伝子の残存量の割合〔GAPDH残存割合(%)〕を求めた。その結果を図7に示す。図7は、試験例1のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、パネル(A)のバー1は、比較例1の試料、バー2は、実施例5の試料、パネル(B)のバー1は、比較例2の試料、バー2は、実施例6の試料を示す。
図7に示される結果から、KATOIII細胞のDNAをSacIにより処理した後に、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより処理して得られた試料におけるGAPDH残存割合〔パネル(B)のバー2〕は、KATOIII細胞のDNAをSacIにより処理せずに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより処理して得られた試料におけるGAPDH残存割合〔パネル(A)のバー2〕に比べて、小さいことがわかる。かかる結果から、被験者の細胞から得られたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素により処理した後に、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素により処理することにより、ゲノムDNAの残存量が著しく低減することがわかる。
(実験例1)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液〔×5 buffer(組成:334mMグリシン−水酸化ナトリウム(pH9.4)、150mM塩化マグネシウム、42mM 2−メルカプトエタノール、2.5mM rATP)〕10μLと、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液(東洋紡績株式会社製、商品名:ATP−Dependent Deoxyribonuclease、コード番号:ADD−101)1μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水36μLとを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で3時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例1の試料を得た。
(実験例2)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液1μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水35μLとを添加し、反応用混合物を得た。得られた反応混合物を37℃で、1時間インキュベーションした。得られた産物に、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液1μLをさらに添加し、2時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例2の試料を得た。
(実験例3)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液2μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水35μLとを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、3時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例3の試料を得た。
(実験例4)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液1μLと、10U/μLのSacI(タカラバイオ株式会社製)2μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水34μLとを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、3時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例4の試料を得た。
(実験例5)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、10U/μLのγATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ溶液1μLと、10U/μLのXhoI(タカラバイオ株式会社製)2μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水34μLとを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、3時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例5の試料を得た。
(実験例6)
KATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(0.3μg/μL)3μLに、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ用緩衝液10μLと、ヌクレアーゼフリーの精製水37μLとを添加し、50μLの反応用混合物を得た。得られた反応用混合物を、37℃で、3時間インキュベーションした後、75℃で10分間インキュベーションした。得られた産物を、核酸精製用スピンカラム〔ジーイー・ヘルスケア(GE healthcare)社製、商品名:MicroSpin S-300 HR Column〕に供して精製し、実験例6の試料を得た。
(試験例2)
試験例1において、実施例5の試料、実施例6の試料、比較例1の試料又は比較例2の試料に代えて、実験例1〜実験例5の試料それぞれを用いたことを除き、試験例1と同様に操作を行ない、増幅産物である二本鎖DNA中に挿入された蛍光色素〔キアジェン社製、商品名:Brilliant(登録商標) SYBR(登録商標) Green〕に基づく蛍光強度を、リアルタイムPCRシステム(STRATAGENE社製、商品名:Mx3005P)の検出器(波長516nm)で測定した。
それぞれの増幅産物量に基づき、実験例6の試料中におけるGAPDH遺伝子の残存量を100とし、実験例1〜5それぞれの試料中におけるGAPDH遺伝子の残存量の割合〔GAPDH残存割合(%)〕を求めた。その結果を図8に示す。図8は、試験例2のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、バー1〜5は、それぞれ、実験例1〜5の試料を示す。
図8に示される結果から、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼのみで処理して得られた試料におけるGAPDH残存割合に比べ、SacI又はXhoIにより処理し、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼにより処理して得られた試料におけるGAPDH残存割合が、より小さいことがわかる。かかる結果から、被験者の細胞から得られたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とにより同時に処理することにより、ゲノムDNAの残存量が著しく低減することがわかる。
試験例1及び2の結果から、本発明の判定方法において、被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とで処理して第二試料を得ることで、細胞中の組み込み型HPVの有無を、より高い精度で、迅速かつ簡便に判定することができることが示唆された。
(実験例7)
製造例1と同様の操作を行なうことにより得られたKATOIII細胞のゲノムDNAの水溶液(3μg相当量)を、表1に示される条件で、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:ATP−Dependent Deoxyribonuclease、コード番号:ADD−101)、エキソヌクレアーゼ(ノバジェン社製、商品名:RingMasterTM Nuclease)、エキソヌクレアーゼIII(ニューイングランドバイオラボ社製)、T7エキソヌクレアーゼ(ニューイングランドバイオラボ社製)又はラムダエキソヌクレアーゼ(ニューイングランドバイオラボ社製)で処理した。
得られた産物を、0.5質量%アガロースゲル電気泳動に供した。その結果を図9に示す。図9は、実験例7において、各種エキソヌクレアーゼによる処理により得られた産物の電気泳動パターンを示す図面代用写真である。図中、レーン1は、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、レーン2は、エキソヌクレアーゼ(ノバジェン社製、商品名:RingMasterTM Nuclease)、レーン3は、エキソヌクレアーゼIII、レーン4は、T7エキソヌクレアーゼ、レーン5は、ラムダエキソヌクレアーゼを示す。また、(A)は0時間反応した場合の電気泳動パターンを示し、(B)は7時間反応した場合の電気泳動パターンを示す。
図9に示される結果から、本発明においては、種々のエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が、γATP依存型デオキシリボヌクレアーゼと同様に使用することができることが明らかとなった。
HPVの構造の概略説明図である。
HPVの構造の概略説明図である
実施例1のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
実施例2のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
実施例3のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
実施例4のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。図中、黒丸は、第一試料を示し、白抜き四角は、第二試料を示す。
試験例1のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。
試験例2のリアルタイムPCRによる測定結果を示すグラフである。
実験例7において、各種エキソヌクレアーゼによる処理により得られた産物の電気泳動パターンを示す図面代用写真である。
配列番号:1は、プライマーの配列である。
配列番号:2は、プライマーの配列である。
配列番号:3は、プライマーの配列である。
配列番号:4は、プライマーの配列である。
配列番号:5は、プライマーの配列である。
配列番号:6は、プライマーの配列である。
配列番号:7は、プライマーの配列である。
配列番号:8は、プライマーの配列である。
配列番号:9は、プライマーの配列である。
配列番号:10は、プライマーの配列である。
配列番号:11は、プライマーの配列である。
配列番号:12は、プライマーの配列である。
配列番号:13は、プライマーの配列である。
配列番号:14は、プライマーの配列である。
配列番号:15は、プライマーの配列である。
配列番号:16は、プライマーの配列である。
配列番号:17は、プライマーの配列である。
配列番号:18は、プライマーの配列である。

Claims (11)

  1. (A)被験者から採取された細胞から抽出されたDNAを含有する第一試料を得るステップ、
    (B)前記被験者から採取された細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理して第二試料を得るステップ、
    (C)前記ステップ(A)の第一試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第一情報と、前記ステップ(B)の第二試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量に関する第二情報とを取得するステップ、及び
    (D)前記ステップ(C)で得られた第一情報と第二情報とに基づいて、前記細胞中の組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無を判定するステップ
    を含み、
    前記ステップ(D)において、第二試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量が、第一試料中に含まれるヒトパピローマウイルスのDNAの量よりも少ないとき、細胞中に組み込み型ヒトパピローマウイルスが存在すると判定する、組み込み型ヒトパピローマウイルスの有無の判定方法。
  2. 第一情報が、第一試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつヒトパピローマウイルスのDNAを増幅するためのプライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得られた情報であり、前記第二情報が、第二試料に含まれるDNAを鋳型として用い、かつ該プライマーセットを用いてDNAを増幅することにより得られた情報である、請求項1に記載の判定方法。
  3. 前記ヒトパピローマウイルスのDNA配列を増幅するためのプライマーセットが、L1遺伝子領域、L2遺伝子領域、E6遺伝子領域又はE7遺伝子領域のDNA配列を増幅可能なプライマーセットである、請求項に記載の判定方法。
  4. 前記DNAの増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応法、鎖置換反応法又はリガーゼ連鎖反応法により行なわれる、請求項又はに記載の判定方法。
  5. 前記被験者の細胞が、子宮頸部の細胞又は口腔咽頭部の細胞である、請求項1〜のいずれか1項に記載の判定方法。
  6. 前記ヒトパピローマウイルスが、ハイリスク型ヒトパピローマウイルスである、請求項1〜のいずれか1項に記載の判定方法。
  7. 前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素が、ATP依存型デオキシリボヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、T7エキソヌクレアーゼ、又はラムダエキソヌクレアーゼである、請求項1〜のいずれか1項に記載の判定方法。
  8. (E)第一試料及び/又は第二試料中に含まれるDNAを鋳型として、ハウスキーピング遺伝子のDNAを増幅するためのプライマーセットを用いてDNAを増幅し、ハウスキーピング遺伝子のDNAが増幅された場合、試料中にハウスキーピング遺伝子のDNAが存在するという情報を得、ハウスキーピング遺伝子のDNAが増幅されない場合、試料中にハウスキーピング遺伝子のDNAが存在しないという情報を得るステップ、及び
    (F)前記ステップ(E)で取得された情報に基づいて、前記ステップ(D)の判定の精度管理を行なうステップ
    をさらに含み、
    前記ステップ(F)において、ハウスキーピング遺伝子のDNAが第一試料に検出され、かつ第二試料からは検出されない場合を、判定の結果の信頼性が高いことを示す指標とし、ハウスキーピング遺伝子のDNAが第一試料及び第二試料のいずれからも検出されない場合又はハウスキーピング遺伝子のDNAが第一試料に検出され、かつ第二試料にも検出される場合を、判定結果の信頼性が低いことを示す指標とし、当該指標に基づいて、判定結果の精度を管理する、請求項1〜のいずれか1項に記載の判定方法。
  9. 前記ステップ(B)において、前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と、ヒトパピローマウイルスのDNAを切断しないエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とで処理して第二試料を得る、請求項1〜のいずれかに記載の判定方法。
  10. 前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素で処理した後、得られた産物を、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素でさらに処理する、請求項に記載の判定方法。
  11. 前記被験者の細胞から抽出されたDNAを、エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素とで同時に処理する、請求項10に記載の判定方法。
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