JP6092906B2 - ヒトパピローマウイルスを検出するための遺伝子マーカー - Google Patents

ヒトパピローマウイルスを検出するための遺伝子マーカー Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2008年10月31日に出願された米国仮出願第61/197,850号に対する優先権およびその利益を主張する。この出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
発明の分野
本発明は、医学および分子生物学の分野に関する。より具体的には、本発明は、最も一般的な高リスクHPV遺伝子型を低リスクの対応物に対して検出することによる鑑別診断のための特異的マーカーとしてのパピローマウイルスゲノムのE1遺伝子フラグメントの使用に関する。
最新の世界的な概算によると、女性の間では毎年新たに493,000人の子宮頸癌の患者が生じ、年に274,000人の女性が当該疾患で死亡している(Jacques Ferlayら、2002,GLOBOCAN)。当該疾患は長年にわたって進行するため、全世界で推定140万人の女性が子宮頸癌を抱えて生活しており、また2〜5倍、すなわち全世界で最大700万人の女性が同定および処置される必要のある前癌症状を有している可能性がある(Ferlayら、2002,GLOBOCAN;非特許文献1)。
有効なスクリーニングおよび処置ストラテジーの欠如が、先進国と比較して発展途上国において子宮頸癌率が有意に高いことの主要な原因である。
スクリーニングの取り組みは、異常な子宮頸部細胞を検出するために1940年代に開発された臨床検査である子宮頸部細胞診に大きく依存している。当該検査は、定期的な質の高いスクリーニングを提供する先進工業国において驚異的な成功を収めている。しかしながら、子宮頸部細胞診プログラムは複雑でかつ実行するのに費用がかかり、保健システムおよびインフラが脆弱である発展途上国では、かなりの割合の女性に到達していない。重要なことには、ある国では女性が文化的制限のために子宮頸部細胞診の手法を実施または承諾しない。さらに、子宮頸部細胞診検査にともなう分析の問題がある。子宮頸部細胞診は、すべての症例の子宮頸部異形成または前悪性腫瘍を検出するわけではない。医師が医学的な勧告をするのを導く検査の偽陰性に対して、現在の許容され得る割合はおよそ5〜10%であるが、最近の調査では子宮頸部細胞診の実際の割合ははるかに高い可能性があることが示唆されている(非特許文献2;非特許文献3)。子宮頸部細胞診は、およそ7〜8%の症例を意義不明な異型扁平上皮(ASCUS)として定義する。さらなる20〜30%の症例では、子宮頸部細胞診は、炎症細胞の存在のために解釈には不十分であり得る。現在、子宮頸部細胞診検査にともなう欠点を克服するために、女性における頸部前悪性腫瘍症状を早期発見するための、分析上より信頼性のある新しいアッセイを開発するより多くの研究が進行中である。そのアプローチの一つは、子宮頸部の一致したHPV感染と浸潤性子宮頸癌の発生との間の広く受け入れられている関連性に基づき、当該ウイルスの検出に向けられている。
Boschら、J Clin Pathol.(2002)55: 244−265 Nanda K.ら、Ann Intern Med.(2000 )132:810−819 Kulasingam S.ら、JAMA.(2002)288: 1749−1757
本発明は、高リスク型HPVを分別検出するための組成物および方法を提供する。具体的には、新規に同定されたHPVゲノムのフラグメントを、この高リスク型ウイルスを分別検出するためのマーカーとして用いる。このマーカーフラグメントを標的とするオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ組成物を用いて、尿などの臨床サンプル中の高リスクHPVを検出する。
具体的には、本発明は、配列番号:69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、または97によってコードされる配列を含むヒトパピローマウイルス(HPV)に対する単離した遺伝子マーカーを含む組成物を提供する。あるいは、または加えて、本発明は、配列番号:69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、または97の相補的配列を含む組成物を提供する。好ましい態様において、本発明は、配列番号:69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、または85によってコードされる配列を含有する高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)に対する単離した遺伝子マーカーを含む組成物を提供する。
本発明はさらに、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15による配列によってコードされるオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。あるいは、または加えて、本発明は、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の相補的配列を含む組成物を提供する。
さらに本発明は、HPVのE1遺伝子に対して相同な配列を含むヒトパピローマウイルス(HPV)に対する単離した遺伝子マーカーを含む組成物を提供する。一態様において、当該配列はHPVのE1遺伝子のヌクレオチド987〜1135を含む。別の態様において、当該配列は配列番号:69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、または97によってコードされる。本発明は、HPVのE1遺伝子に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%同一である、またはその間の任意のパーセンテージポイントである配列を包含する。好ましい実施形態において、当該配列はHPVのE1遺伝子に対して少なくとも70%同一である。本発明は、HPVのE1遺伝子に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%相同である、またはその間の任意のパーセンテージポイントである配列を包含する。好ましい実施形態において、当該配列はHPVのE1遺伝子に対して少なくとも70%相同である。
本発明は、患者におけるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を診断する方法であって、(a)前記患者から尿サンプルを入手する工程;および(b)前記尿サンプルにおいてHPVのE1遺伝子の1つ以上の配列を検出する工程;を含めており、HPVのE1遺伝子の1つ以上の配列を検出することが、少なくとも1つのヒトパピローマウイルスの存在を示し、それによって患者におけるHPV感染を診断する方法を提供する。この方法によれば、当該核酸はDNAまたはRNAである。この方法の好ましい実施形態において、当該DNAは経腎臓性(transrenal)DNAである。この方法は、経腎臓性DNAを含むHPV DNAを検出する。あるいはこの方法は、経腎臓性DNAだけを検出する。
この方法のある実施形態において、当該検出工程は、ハイブリダイゼーション;ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);ネステッドプライマーPCR;リアルタイムPCR;NAハイブリダイゼーション;サイクリックプローブ反応(Cyclic Probe Reaction);一本鎖高次構造多型(Single−Strand Conformation Polymorphism)(SSCP);鎖置換増幅(Strand Displacement Amplification)(STA);および制限断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism)(RFLP)からなる群から選択される技術を含む。
当該検出工程は、HPVのE1遺伝子中の配列とハイブリダイズするのに十分に相補的なプライマーの対を使用するポリメラーゼ連鎖反応を含む。さらに、当該検出工程は、配列番号:69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、または97によってコードされる配列とハイブリダイズするのに十分に相補的なプライマーの対を使用するポリメラーゼ連鎖反応を含む。あるいは、または加えて、当該検出工程は、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15によってコードされる配列、あるいはその相補的な配列とハイブリダイズするのに十分に相補的なプライマーの対を使用するポリメラーゼ連鎖反応を含む。本明細書に記載される方法がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法を用いてHPVを検出する場合、当該ポリメラーゼ連鎖反応は配列番号:41および42のプライマーの対を使用する。配列番号:41および42のプライマーの対は、高リスク形態のHPVを分別して検出する。あるいは、当該ポリメラーゼ連鎖反応は、以下の配列番号:43と55、44と56、45と30、46と57、47と58、48と33、49と34、50と36、51と59、52と38、53と39、または54と40によってコードされるプライマーの対の少なくとも1つを使用する。ある実施形態において、当該ポリメラーゼ連鎖反応は、配列番号:43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群から選択される少なくとも1つの正方向プライマー、ならびに配列番号:55、56、30、57、58、33、34、35、36、59、38、39、および40からなる群から選択される少なくとも1つの逆方向プライマーを使用する。当該ポリメラーゼ連鎖反応は、さらに、以下の配列番号:43と55、44と56、45と30、46と57、48と33、50と36、51と59、および52と38によってコードされるプライマーの対の少なくとも1つを使用する。ある態様において、当該ポリメラーゼ連鎖反応は、配列番号:43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、および54からなる群から選択される少なくとも1つの正方向プライマー、ならびに配列番号:55、56、30、57、58、33、35、36、59、38、および39からなる群から選択される少なくとも1つの逆方向プライマーを使用する。
本発明のある実施形態において、1本のチューブに含有されるPCR反応液に複数のプライマーの対を添加する。集団PCR反応には、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25対、またはその間の任意の数のプライマーが含まれる。集団PCR反応を用いて、生物学的または臨床の尿サンプル中に存在する可能なすべての形態のHPVを同定する。例えば、表3、表4、または表5において一覧にしたプライマーを、単一PCR反応の下で任意の所与のサンプルに適用する。
この方法のある態様に従って、前記尿サンプルにおける核酸分解を減少させる。核酸分解を減少させることには、上昇させたpH、増大させた塩濃度、熱不活性化によって、または前記尿サンプルを、エチレンジアミン四酢酸、グアニジンHCI、グアニジンイソチオシアネート、N−ラウロイルサルコシン、およびドデシル硫酸ナトリウムからなる群から選択される化合物で処理することによって、ヌクレアーゼ活性を阻害することが含まれる。
この方法の検出工程は、前記尿サンプル中の前記核酸を実質的に単離することをさらに含めている。単離は、沈降によってまたは固形吸着物質を用いることによって行われる。
この方法は、夾雑物を除去するために当該尿サンプルを濾過することをさらに含む。一態様において、濾過によって、約1000超のヌクレオチドを含む核酸が除去される。別の態様において、濾過によって、約300超のヌクレオチドを含む核酸が除去される。
またこの方法は、前記核酸を定量化する工程をさらに含めている。定量化は、当該技術分野において既知の方法によって達成される。
特に定義されていない限り、本明細書において使用したすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載したものと類似のまたは同等の方法および材料を本発明の実施または試験で使用することができるが、適切な方法および材料は以下に記載されている。すべての刊行物、特許出願、特許、および本明細書において言及した他の参考文献は、参照することによりそれらの全体として組み込まれているものとする。対立した場合、定義を含む本明細書が制御するであろう。さらに、当該材料、方法、および実施例は一例にすぎず、制限することを意図するものではない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
図1は、HPV16のゲノムにおけるオープン・リーディング・フレーム(ORF)の概略図または地図である。 図2は、HPVのE1遺伝子に位置するプライマーを用いて増幅された、個 々のHPV遺伝子型のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。 図3は、HPVのE1遺伝子に位置する配列番号:41および配列番号:42の単一のプライマーの対を用いて増幅された、個々のHPV遺伝子型のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。 図4は、HPVのE1遺伝子に位置する配列番号:41および配列番号:42の単一のプライマーの対を用いて増幅された、子宮頸癌を有する患者から回収された尿DNAについて行われたHPV PCR検査のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。 図5は、HPVのE1遺伝子に位置するすべての高リスク特異的プライマー(表4を参照されたい)を用いて増幅された、個々のHPV遺伝子型のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。 図6は、単一チューブのPCR反応においてすべての高リスク特異的プライマーの混合物を用いて増幅された、子宮頸癌を有する患者から回収された尿DNAについて行われたHPV PCR検査のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。当該プライマーはHPVのE1遺伝子に位置するものであった。 図7は、HPVのE1遺伝子に位置する高リスク特異的プライマーの一部(表5を参照されたい)を用いることによる、個々のHPV遺伝子型のPCR産物を図示しているゲル電気泳動分析の写真である。
詳細な説明
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚および粘膜上皮の良性および悪性病変に関連する上皮親和性ウイルスである(当該ウイルスの遺伝子地図についての図1)。HPV感染とそれに続く子宮頸癌の発生との間には、十分に立証された因果関係が存在する。また、HPV感染と頭頸部、呼吸器組織、および***の癌とを関連づける観察結果も存在する(Braakhuisら、2004,J.Natl.Cancer Inst.96(13):998−1006;Dahlstrandら、2004,Anticancer Res.24(3b):1829−35;Dalingら、2004,Cancer 101(2):270−80;Haら、2004,Crit.Rev.Oral Biol.Med.15(4):188−96;Hafkampら、Acta Otolaryngol.124(4):520−6;Harwoodら、2004,Br.J.Dermatol.150(5):949−57;Reesら、2004,Clin.Otolaryngol.29(4):301−6;Widschwendterら、2004,J.Clin.Virol.31(4):292−7)。
100種を超える異なる型のHPVがこれまでに同定されており(Antonsson,A.ら、2000,J.Virol.74:11636−11641;Chan,S. Y.ら、1995,J.Virol.69:3074−3083;de Villiers,E.M.ら、2004,Virology 324:17−27)、そのうちの40種は肛門性器系感染で報告されている(de Villiers E−M.2001,Papillomavirus Rep.12:57−63;Villiers EMら、2004,Virology.Jun 20;324(1):17−27)。HPVの疫学的分類に基づき、15種の高リスクおよび5種の低リスクのウイルス遺伝子型が存在する(Munoz Nら、2003,N Engl J Med.,348,518−527)。100%近くの浸潤性子宮頸癌および高悪性度の前癌性上皮内新生物は、高リスクのHPV感染による感染と関連していることが認められている。このことが、女性のスクリーニングおよびそれに続く子宮頸癌の発生の危険性がある個体の同定のために、高リスクHPVの検出を使用する論理的根拠である。
HPVをin vitroで培養することはできず、また血清学的アッセイがまだ無効であるため、HPV感染の診断は分子ツールの使用に基づいている。直接的なドット・スポット検出およびin situハイブリダイゼーションアッセイが記載されているが(Melchers WJら、1988,J Med Virol 25:11−16; Melchers WJ,1989,J Clin Microbiol,27:106−110)、これらの方法は冗長であり、また感度および特異性を欠いているように思われる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等のDNA増幅法は、ウイルスDNAのより高感度な検出を可能にする。個々のHPV遺伝子型に対する型特異的なPCRプライマーに加えて(Baay MFら、1996,J Clin Microbiol,34:745−747;van den Brule AJら、1989,J Med Virol,29:20−27)、MY11/MY09(Manos MMら、1989,Cancer Cells,7:209−214)、OBI/II(Jenkins Aら、1991,APMIS,99:667−673)、CPI/CPIIG(Tieben LMら、1993,J Virol Methods,42:265−279)、GP5+/6+(de Roda Husman AMら、1995,J Gen Virol,76:1057−1062)、SPFプライマー(Kleter Bら、1998,Am J Pathol.Dec;153(6):1731−9)、およびSPFプライマー由来のHPプライマー(Payan Cら、2007,J Clin Microbiol.,45(3):897−901)を含めた、いくつかのユニバーサルPCRプライマーセットが開発されている。これらすべてのプライマーは、特異的プローブを用いて、低リスク型から高リスク型というその後の分化を有するHPVサブタイプすべての検出を目的としたものであった。同様に、臨床試料中のHPVを検出するためのプライマーおよびプローブを開示している交付済み特許が多数存在する(6,583,278,2003年6月,Carter;N.M.(E6およびE7);6,503,704,2003年1月,Mahonyら(L1);6,355,424,2002年3月,Lorinczら;6,228,577,2001年5月,Mahonyら;6,218,104,2001年4月,Morrisら;6,045,993,2000年4月,Mahonyら;5,888,724,1999年3月,Silversteinら;5,783,412,1998年7月,Morrisら;5,705,627,1998年1月,Manosら;5,639,871,1997年6月,Bauerら;5,527,898,1996年6月,Bauerら;5,447,839,1995年9月,Manosら;5,283,171,1994年2月,Manosら;5,182,377,1993年1月,Manosら;5,501,947,1996年3月,Emeryら)。
本発明は、あらゆる様式:(i)核酸(NA)増幅または他の分析方法のみを用いることによる最も高頻度な高リスク型の直接的検出;(ii)2段階プロセス(ハイブリダイゼーションによる産物のその後の分析をともなうNA増幅)を用いることによる最も高頻度な高リスク型の直接的検出;ならびに(iii)単一反応での高リスクおよび低リスクのHPV型の増幅および分析;でHPVを検出するプライマーおよびプローブを提供する。本発明はさらに、HPVのE1遺伝子領域に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを設計および使用するための方法を提供する。重要なことには、本発明の組成物および方法は、HPV感染にともなう疾患の検出、スクリーニングおよびモニタリングの長年にわたる必要性に対処する。
HPVスクリーニングに対する現在利用可能な検査の欠点の一つは、DNAの供給源、つまり子宮頸部細胞である。患者由来の子宮頸部細胞の回収は、診療所への訪問および少なくとも熟練技術者、しかしよりふさわしくは試料回収を行う資格を持つ医師を必要とする。さらに、当該手法は患者にとって侵襲的かつ不快なものである。子宮頸部細胞の回収に先行する障害は、アメリカ合衆国における女性の約30%が定期的に子宮頸部細胞診の診察を受けないという理由であり得ると示唆されている(Ackermann SPら、1992,MMWR CDC Surveill Summ,41:17−25;Anderson,LM,May DS.1995,Am J Public Health,85:840−2)。さらに、子宮頸部の試料採取および一般的な膣内診のための産婦人科への女性の訪問を制限する宗教的および他の文化的な理由が存在する。
本発明は、前述の子宮頸部細胞の回収に対する障害に対処するための解決法を提供する。本発明の方法は、異なるHPV DNAの供給源を使用し、子宮頸部の掻爬を必要としない。むしろ、本発明の組成物および方法は、患者から入手した尿サンプル中のHPV DNAを検出する。HPV DNAを、遠心分離した尿の細胞ペレット(Payan Cら、2007,J Clin Microbiol.,45(3):897−901;Forslund Oら、1993,J Clin Microbiol.,31(8):1975−9;Song ESら、2007,J Korean Med Sci.,22(1):99−104)または尿全体(50,51,52 Brinkman JAら、2002,J Clin Microbiol.,40(9):3155−61;Sellors JWら、2000,CMAJ.163(5):513−8;Smits PHら、2005,J Clin Microbiol.2005,43(12):5936−9)において検出する。しかしながら、先行する公開された検査はPCRに基づくものである。これらの報告における臨床的感度は、100〜500塩基対(bp)に及ぶアンプライマーのサイズのために十分ではない。
現在、(i)尿生殖路から尿中に流れた細胞であって、そのNAは通常高分子量である細胞;および(ii)血流から腎臓の障壁を越えて尿中に入る経腎臓性NA(Tr−DNA)であって、通常低分子量フラグメントであるもの:という2つの供給源由来の尿中にNAが現れることが当該技術分野において認められている。低分子量の経腎臓性NAのサイズは、約20〜150bpに及ぶ(Chan KCら、2008,Clin Cancer Res.,14(15):4809−13;Su YHら、2004,Ann NY Acad Sci.,1022:81−9;Umansky SR,Tomei LD.2006,Expert Rev Mol Diagn.,6(2):153−63)。アンプリコンサイズの縮小により、検査の感度が10倍増大する(Melkonyan HSら、2008,Ann.N.Y.Acad.Sci.1137:73−81)。
したがって、本発明は、非常に短い(約30〜50bp)アンプリコンを標的とするオリゴヌクレオチドプライマーを設計および使用するための方法を提供する。本発明のオリゴヌクレオチドプライマー組成物は、尿中のTr−DNAとともに、流れた細胞から放出されたHPV DNAの両方を効果的に検出する。
重要なことには、本発明のオリゴヌクレオチドプライマー組成物は、HPVのE1遺伝子中の新規に同定された非常に特異的な遺伝子マーカーを標的とする(表1)。E1遺伝子内のこのマーカーを標的とすることによって、臨床または生物学的サンプルにおける高リスクHPV遺伝子型を特異的に検出するためのPCRプライマーおよびプローブの設計が可能となる。本発明はまた、尿のTr−DNA画分に存在するHPVゲノムフラグメントを検出するために非常に短いDNAフラグメントを増幅する、E1遺伝子の領域に位置する高リスクHPV特異的プライマーを提供する。
表1に特定されているHPVのE1遺伝子の領域から選択されるオリゴヌクレオチドまたは相補的配列を、生物学的または臨床サンプル中のHPV検出に用いる。さらに、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%相同または同一である、あるいはその間の任意のパーセンテージポイントであるオリゴヌクレオチドまたは相補的配列を、生物学的または臨床サンプル中のHPV検出に用いる。HPVを、以下の例示的技術:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびこの方法のすべての変形型;リアルタイムPCR;NAハイブリダイゼーション;サイクリックプローブ反応;一本鎖高次構造多型(SSCP);鎖置換増幅(STA);制限断片長多型(RFLP);およびナノテクノロジーが関与するNA分析の技術が含まれるが、これに制限されない技術を用いることによって生物学的または臨床サンプルから検出する。プライマーは、標的配列上で互いに直接隣接しているまたはわずかに重複している(プライマー結合部位の間に介在する配列がない)結合部位にハイブリダイズし得る。
さらに、HPVのE1遺伝子の領域(表1に提示されている)から選択されるオリゴヌクレオチドは、逆転写PCR反応によってE1遺伝子の特異的RNA転写産物を検出する。本発明の生物学的および臨床サンプルには、血液、尿、唾液、痰、涙、***、母乳、または膣分泌物を含めた身体中の任意の流体が含まれるが、これに制限されない。本発明の好ましい実施形態において、当該生物学的または臨床サンプルは尿である。
さらに、尿由来の長さ20〜500ヌクレオチドのDNAの単離を容易にする試薬;ポリメラーゼ連鎖反応による長さ20〜500ヌクレオチドのDNAの増幅を容易にする試薬;熱安定性DNAポリメラーゼ;およびHPVのE1遺伝子にのみ存在するマーカー配列に特異的なオリゴヌクレオチドを含む、HPVを検出するための診断キットが本発明に包含される。
本発明の実施に有用な核酸操作のための技術には、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Vol.1−3,eds.Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);およびCurrent Protocols in Molecular Biology,eds.Ausubelら、Greene Publishing and Wiley−Interscience:New York(1987)、ならびに定期的に更新したものが含まれるが、これに制限されない様々な参考文献に記載されている。特定の記載は、本発明の範囲を制限することを意図するものではないが、本発明のある態様を実施する際に指針を提供する。
DNAは、尿などの体液中に存在するDNaseによって分解を受ける。尿中では以下に記載するような既知のDNA検出方法によって、検出のために十分に大きな配列が利用可能であるが、本発明は、DNAの分解を阻止するまたは減少させるためのいくつかの方法を包含する。一実施形態においては尿が膀胱内に留まって12時間未満である場合に、特定の実施形態においては尿が膀胱内に留まって5時間未満、より好ましくは2時間未満である場合に、尿のサンプルを採取する。尿サンプルが長時間膀胱内に留まる前に、尿サンプルを回収および分析することによって、尿中に存在する任意のDNaseへのDNAの暴露を減少させる。
本発明の別の実施形態において、回収後、DNase活性を阻害する1つ以上の方法を用いて尿サンプルを処理する。DNase活性を阻害する方法には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グアニジンHCl、GITC(グアニジンイソチオシアネート)、N−ラウロイルサルコシン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の使用、高塩濃度、およびDNaseの熱不活性化が含まれるが、これに制限されない。
さらに別の実施形態において、回収後、DNAを捕捉する吸着剤で尿サンプルを処理し、その後、吸着剤をサンプルから除去し、リンスし、そして検出および分析のために捕捉されたDNAを放出するための処理をする。この方法は、尿サンプルからDNAを単離するだけでなく、Hybond Nメンブレン(Amersham Pharmacia Biotech Ltd.,Piscataway,N.J.)を含むが、これに制限されないいくつかの吸着剤を用いた場合には、DNase活性による分解からDNAを保護する。
ある場合には、尿サンプル中のDNAの量は限られている。したがって、ある程度の応用のために、本発明は、1つ以上の以下の方法を含むが、これに制限されない当該技術分野において既知の任意の方法によって、検出の感度を増大させる実施形態を包含する。
DNAが尿中に微量に存在する場合には、より大量の尿サンプルを回収し、その後、サンプル中に存在するDNAの検出に影響を及ぼさない任意の手段によって濃縮することができる。ある実施例は、本発明の広さを制限することなく、ブタノール濃縮またはSephadex G−25(Pharmacia Biotech社,Piscataway N.J.)を用いた濃縮によって、サンブル中に存在する液体を減少させることを含む。
ネステッドPCRを用いて、桁違いに感度を高めることができる。DNAの混入が原因によるネステッドPCRの不正確な結果に対する脆弱性のために、本発明の一実施形態において、サンプルのDNA混入を回避するために予防策を講じる。例えば、本発明を制限することなく、PCR試薬を検査用DNAサンプルに添加する前に、標的配列内を切断する制限エンドヌクレアーゼでPCR試薬を処理することができる。
一実施形態において、本発明は、検出の前にサンプルから核酸を実質的に精製または単離することを包含する。当該技術分野において周知である多くの手法のいずれかを用いることによって、尿から核酸分子を単離することができる。標的核酸の検出を容易にする単離のための任意の方法が許容され得る。例えば、Ishizawaら、Nucleic Acids Res.19,5972(1991)によって記載されているような沈降によって、DNAを単離することができる。尿のように、大量のサンプルが低濃度のDNAを含有する場合、DNAを単離する好ましい方法が包含される。この方法では、DNAを濃縮するように作用する吸着剤でサンプルを処理する。例えば、DEAE Sephadex A−25(Pharmacia Biotech社,Piscataway N.J.)、DNAフィルター、および/またはガラスミルク等であるが、これに制限されないDNAを吸着する固形物質でサンプルを処理することができる。他の組成物質を洗い流した後、サンプルDNAを吸着剤から溶出する。
PCR等の様々な核酸分析技術の感度を考慮して、本発明はまた、尿サンプル中の混入核酸の存在を減少させる方法も包含する。腎臓の障壁を越えない核酸配列による尿サンブルの汚染は、尿路内膜から剥がれ落ちる細胞によって、***によって、または対象のDNA配列を検出する前に尿サンプルを処理する間に取り込まれ得る。本発明を任意のメカニズムに制限することを意図するものではなく、腎臓の障壁を通過し、また尿中に現れるDNAは、血中および尿中のDNaseの作用と組み合わさった、身体におけるアポトーシス細胞および壊死細胞で生じる断片化のために、汚染源から取り込まれたDNAより平均して短い長さを有する可能性が高いと考えられる。
より短い配列のDNAを選択することによって、濾過を用いて、検出前に尿サンプル中の混入DNAの量を減少させることができる。本発明の一実施形態において、変性させた場合に約1000超の塩基対、すなわち1000超のヌクレオチドを含有する核酸を、検出前にサンプルから除去する。本発明の特定の実施形態において、PCRによる増幅前に、変性させた場合に300より大きい塩基対、すなわち300より大きいヌクレオチドを含む実質的にすべてのDNAを除去するために、尿サンプルを濾過する。本発明を特定のメカニズムに制限することなく、そのような濾過によって、尿道/膀胱壁から剥がれ落ちた、または***の間に尿道内に取り込まれた細胞由来の混入DNAが除去されることが提案される。そのような汚染源由来のDNAの大部分は、当該DNAはほとんどがアポトーシス細胞死の結果としての核酸の断片化の産物ではないため、300bp超のヌクレオチドを含む可能性が高い。核酸分子をゲル電気泳動によって単離することもでき、それによって核酸のフラグメントが分子量に応じて分離される。制限断片長多型(RFLP)の技術を電気泳動による分離の方法に適用し、その後に、特定の遺伝子配列の2つ以上のアレル由来のフラグメントの分子量による比較を可能にする核酸の検出が続く。
前述の精製の方法は、本発明における使用に適した方法を記載することを意味するものであって、制限するものではない。核酸を単離する方法は、当業者の能力の範囲内であり、本明細書に詳細に記載されない。
本発明はさらに、一実施形態において、エチレンジアミン四酢酸、グアニジンHCl、グアニジンイソチオシアネート、N−ラウロイルサルコシン、およびドデシル硫酸ナトリウムを含む群から選択される化合物を用いた処理を包含する、前記尿サンプル中のDNA分解を減少させる工程を有する方法を包含する。膀胱内に留まって12時間未満である尿サンプルを採取することによって、DNA分解をさらに減少させることができる。一実施形態において、HPV核酸配列の存在について尿をアッセイする前に、腎臓の障壁を越える前記核酸配列を実質的に単離することが有益である。代替の実施形態において、沈降によってまたは固形吸着物質を用いた処理によって、核酸配列を実質的に単離する。別の実施形態において、汚染物質を除去するために尿サンプルを濾過し、また特定の実施形態において、濾過によって約1000超のヌクレオチドを含むDNAが除去される。好ましくは、濾過によって約300超のヌクレオチドを含むDNAが除去される。
核酸配列との関連での「検出する」および「分析する」という用語は、サンプル中の標的核酸配列の存在、あるいはサンプル中のその標的核酸配列の絶対量または相対量を示すシグナルを観察、確認、または定量化する任意の方法を使用することを表す。方法を、例えば:蛍光、放射能、比色定量、重量測定、X線回折またはX線吸収、磁性、酵素活性等によってシグナルを出す核酸標識法と組み合わせることができる。次いで、対象の特定DNA配列の有無を決定するために、シグナルの種類に適した方法によってシグナルを検出および/または定量化することができる。
核酸配列との関連で「定量化する」こととは、核酸配列のコピー数を測定するための、または核酸配列の経時的なコピー量の変化を測定するための、または別の配列と比較した場合の配列の相対的濃度を測定するための方法を含むが、これに制限されない特定の核酸配列の量を調べるための任意の方法を使用することを表す。
検出および分析を補助するために、サイクリングプローブ反応(Bekkaoui,F.ら、BioTechniques 20,240−248(1996))、ポリメラーゼポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ネステッドPCR、PCR−SSCP(一本鎖高次構造多型)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(F.Barany、Proc.Natl.Acad.Sci USA 88:189−93(1991))、クローニング、鎖置換増幅(SDA)(G.K.Terrance Walkerら、Nucleic Acids Res.22:2670−77(1994))、およびアレル特異的増幅(ASA)等の変形型を含むが、これに制限されない多くの方法で特定DNA配列を「増幅する」ことができる。
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
「遺伝子」という用語は、RNA配列の転写に必要な制御およびコード配列を含むDNA配列を表す。「ゲノム」という用語は、真核生物における染色体の1セットに含有される生物の完全な遺伝子相補体を表す。
「野生型」の遺伝子または遺伝子配列は、集団において最も高頻度に観察されるものであり、ゆえに任意に当該遺伝子の「正常な」または「野生型」の形態を意図するものである。対照的に、「改変された」、「変異体」、「異常」、または「変化した」という用語は、野生型の遺伝子、配列、または遺伝子産物と比較した場合に、配列および/または機能的特性の改変(すなわち変化した特徴)を示す遺伝子、配列、または遺伝子産物を表す。天然に存在する変異体を単離することができ、それらは野生型の遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に変化した特徴を有するという事実によってそれらが同定されるということに留意されたい。本発明を任意の特定の型の異常の検出に制限することなく、変異は、付加、付加−欠失、欠失、フレームシフト、ミスセンス、点、リーディングフレームシフト、復帰、転移、および転換の変異、ならびにマイクロサテライト変化を含めた多くの形態をとり得る。
「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」および「ポリマー」核酸という用語は代替可能であり、2つ以上、好ましくは3個超、通常10個超のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドから構成された分子として定義される。正確なサイズは多くの要素によって決まり、結果として、当該オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用によって決まる。オリゴヌクレオチドを、化学合成、DNAの複製、逆転写、またはその組み合わせを含めた任意の方法で作製することができる。
モノヌクレオチドは、1個のモノヌクレオチドのペントース環の5’リン酸が一方向にあるその近隣の3’酸素にホスホジエステル結合を介して接着するような方法で反応してオリゴヌクレオチドを作るため、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’リン酸がモノヌクレオチドのペントース環の3’酸素に連結していない場合には「5’末端」、その3’酸素がそれに続くモノヌクレオチドのペントース環の5’リン酸に連結していない場合には「3’末端」と呼ばれる。本明細書において使用する場合、核酸配列は、たとえより大きなオリゴヌクレオチドに対する内部にあるものであっても、5’および3’末端を有するともいえる。
2つの異なる重複しないオリゴヌクレオチドが、同一の線状の相補的核酸配列の異なる領域にアニールし、また一方のオリゴヌクレオチドの3’末端がもう一方のものの5’末端の方向に向いている場合、前者を「上流」のオリゴヌクレオチド、後者を「下流」のオリゴヌクレオチドと称することができる。
「プライマー」という用語は、プライマーの伸長が開始される条件下に置かれた場合に、合成の開始地点として作用し得るオリゴヌクレオチドを表す。オリゴヌクレオチド「プライマー」は、精製した制限酵素消化物中に見られるように天然に存在し得、または合成によって作製することもできる。
テンプレートの特定の配列の鎖に「実質的に」相補的であるように、プライマーを選択する。プライマーは、プライマーの延長が生じるために、テンプレート鎖とハイブリダイズするのに十分に相補的でなければならない。プライマー配列は、テンプレートの正確な配列を反映する必要はない。例えば、プライマー配列の残りが当該鎖に実質的に相補的であれば、相補的でないヌクレオチドフラグメントは当該プライマーの5’末端に接着することができる。プライマー配列が、ハイブリダイズし、またそれによってプライマーの伸長産物の合成のためのテンプレート・プライマー複合体を形成するのに十分なテンプレートの配列との相補性を有するならば、相補的でない塩基またはより長い配列を当該プライマーに組み入れることができる。
「標的」核酸は、ハイブリダイゼーション、増幅、または分析方法の組み合わせを含めた核酸配列を分析する他の任意の手段によって評価され得る核酸配列である。
「ハイブリダイゼーション」法は、標的核酸(分析される配列)に相補的な配列のアニーリングをともなう。相補的配列を含有する核酸の2つのポリマーが互いを見つけ、また塩基対合の相互作用を介してアニールする能力は、周知の現象である。MarmurおよびLane,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:453(1960)、ならびにDotyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:461(1960)による「ハイブリダイゼーション」手法の最初の観察に続いて、この手法の近代生物学の不可欠なツールへの改良が行われている。ハイブリダイゼーションは、スロット、ドット、およびブロットハイブリダイゼーション技術を包含するが、これに制限されない。
ある診断的適用にとって、ハイブリダイゼーションが完全または部分的な相補性を示すかどうかを決定することが重要である。例えば、病原体DNA(ウイルス、細菌、菌類、マイコプラズマ、原生動物等)の有無を単に検出することが所望される場合には、関連配列が存在し、部分的に相補的なプローブおよび完全に相補的なプローブの両方がハイブリダイズする条件を選択することができる場合に、ハイブリダイゼーション法によってハイブリダイゼーションを確実にすることのみが重要である。しかしながら、他の診断的適用では、ハイブリダイゼーション法によって部分的および完全な相補性を区別することが必要とされ得る。遺伝的多型を検出することは興味深いかもしれない。
部分的および完全な相補性の両方の場合で同レベルのハイブリダイゼーションを可能にする方法は、プローブが正常および変異型の標的配列の両方にハイブリダイズするような適用には典型的には不適である。本発明は、ある診断目的のために、ハイブリダイゼーションを他の技術(制限酵素分析等)と組み合わせることを検討する。用いる方法にかかわらず、ハイブリダイゼーションは、分析される配列(標的配列)と検査を行うために用いられるDNAのフラグメント(プローブ)との間にある程度の相補性を必要とする。(もちろん、相補性なしで結合を得ることができるが、この結合は非特異的であり、回避されるべきである。)
本明細書において使用する場合、核酸配列の相補体とは、一方の配列の5’末端がもう一方のものの3’末端と対合するように核酸配列と整列させた場合に、「逆平行な関係」の状態にあるオリゴヌクレオチドを表す。天然の核酸に一般に見られない特定の塩基を本発明の核酸中に含めることができ、例えば、イノシンおよび7−デアザグアニンを含めることができる。相補性は完全である必要はなく、安定な二本鎖はミスマッチ塩基対または不適合塩基を含有し得る。核酸技術の分野における当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成およびオリゴヌクレオチドの配列、イオン強度、ならびにミスマッチ塩基対の出現率を含めた多くの変数を経験的に考慮して、二本鎖の安定性を判断することができる。
本明細書において使用する場合、「Tm」という用語は、「融解温度」に関連して用いられる。融解温度とは、二本鎖核酸分子の集団が半分だけ一本鎖に解離する温度である。核酸のTmを算出するための方程式は、当該技術分野において周知である。標準的参考文献に示されているように、Tm値の簡単な概算は、核酸が1M NaClで水溶液の状態にある場合、方程式:Tm=81.5+0.41(% G+C)によって算出することができる(例えば、AndersonおよびYoung、Quantitative Filter Hybridisation,in Nucleic Acid Hybridisation(1985)を参照されたい)。他の参考文献には、Tmの算出のために構造的および配列の特性を考慮に入れる、より洗練された計算が含まれる。
本明細書において使用する場合、「プローブ」という用語は、精製した制限酵素消化物中に見られるように天然に存在する、または合成によって作製されたにかかわらず、プローブ中の少なくとも1つの配列ともう一方の核酸中の配列の相補性または他の再現可能な引力相互作用の手段によって、もう一方の核酸中の配列と二本鎖構造または他の複合体を形成するオリゴヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を表す。プローブは、特定の遺伝子配列の検出、同定、および単離に有用である。本発明で用いる任意のプローブを任意の「レポーター分子」で標識し、それによって、酵素(例えば、ELISAおよび酵素に基づく組織化学的アッセイ)、蛍光、放射性、および発光システムを含むが、これに制限されない任意の検出システムでそれが検出可能になることが検討される。対象の(すなわち、検出されるべき)オリゴヌクレオチドをレポーター分子で標識することがさらに検討される。プローブおよび対象のオリゴヌクレオチドの両方を標識することも検討される。それは、本発明が任意の特定の検出システムまたは標識に制限されることを意図するものではない。
本明細書において使用する場合、「標識」という用語は、検出可能な(好ましくは定量可能な)シグナルを提供するために用いることができ、また核酸またはタンパク質に接着できる任意の原子または分子を表す。標識は、蛍光、放射能、比色定量、重量測定、X線回折またはX線吸収、磁性、および酵素活性を含むが、これに制限されないあらゆる方法によって検出可能なシグナルを提供する。
核酸標的に関連して用いられる場合、「実質的に一本鎖の」という用語は、鎖間塩基対合の相互作用によって結びついている二本鎖の核酸として存在する二本鎖標的とは対照的に、標的分子が主に一本鎖の核酸として存在することを意味する。
本明細書において使用する場合、「配列変異」という用語は、2つの核酸テンプレートの間の核酸配列の相違を表す。例えば、野生型の構造遺伝子およびこの野生型の構造遺伝子の変異型の形態は、一塩基置換および/または1つ以上のヌクレオチドの欠失もしくは挿入の存在によって配列が異なり得る。当該構造遺伝子のこれら2つの形態を、互いに配列が異なるという。当該構造遺伝子の第二の変異型の形態が存在し得る。この第二の変異型の形態を、当該野生型遺伝子および当該遺伝子の第一の変異型の形態の両方と配列が異なるという。
「構造プローブ特徴」、「ハイブリダイゼーション特徴」、および「ハイブリダイゼーションプロファイル」という用語は、標的核酸およびプローブまたはプローブセットの間での複合体形成の測定レベルを示すために、本明細書において代替可能に用いられるものであって、かかる測定レベルは、参照標的またはプローブをともなう複合体形成のレベルと比較した場合に当該標的核酸に特有である。
「遺伝子配列に適合しているまたは相補的なオリゴヌクレオチドプライマー」とは、一本鎖または二本鎖の核酸のテンプレート依存的合成を容易にし得るオリゴヌクレオチドプライマーを表す。遺伝子配列に適合しているまたは相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを、PCR、RT−PCR等に用いることができる。
本明細書において使用する場合、「核酸配列」とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、およびそのフラグメントまたは一部、ならびに一本鎖または二本鎖であり得、またセンスまたはアンチセンス鎖に相当し得るゲノムまたは合成由来のDNAまたはRNAを表す。
「欠失」とは、それぞれ1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が欠けている、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列の変化として定義される。
「挿入」または「付加」とは、天然に存在する配列と比較して、それぞれ1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の付加をもたらす、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列の変化のことである。
「置換」は、1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸をそれぞれ異なるヌクレオチドまたはアミノ酸で交換することによって生じる。
核酸配列における「改変」とは、欠失、付加、付加−欠失、置換、挿入、復帰、転換、点変異、マイクロサテライト変化、メチル化、またはヌクレオチド付加物形成を含むが、これに制限されない核酸配列に対する任意の変化を表す。
本明細書において使用する場合、「精製された」、「汚染除去された」、および「滅菌された」という用語は、サンプルからの夾雑物の除去を表す。
本明細書において使用する場合、「実質的に精製された」および「実質的に単離された」という用語は、天然の環境から取り出され、単離または分離され、またそれらが天然に関わる他の成分が好ましくは60%存在しない、より好ましくは75%存在しない、また最も好ましくは90%存在しない核酸配列を表す。したがって、「単離されたポリヌクレオチド」とは、実質的に精製されたポリヌクレオチドである。本発明の方法を実施するために、ポリヌクレオチドを実質的に精製し得るが、必ずしもそうする必要はないことが検討される。精製されていない形態の核酸配列を検出するための様々な方法が、当該技術分野において既知である。
「増幅」とは、核酸配列のさらなるコピーの生成として定義され、通常、ポリメラーゼ連鎖反応または当該技術分野において周知の他の技術(例えば、DieffenbachおよびDveksler、PCR Primer,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview,N.Y.[1995])を用いて行われる。本明細書において使用する場合、「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)という用語は、K.B.Mullis(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号、参照することにより本明細書に組み込まれている)の方法を表すものであって、それらは、クローニングまたは精製なしで、ゲノムDNAの混合物中の標的配列の断片の濃度を増加させる方法を記載している。標的配列を増幅するためのこの手法は、所望の標的配列を含有するDNA混合物に大過剰の2種のオリゴヌクレオチドプライマーを入れ、その後、DNAポリメラーゼの存在下での正確な順序の熱サイクルが続く工程からなる。当該2種のプライマーは、二本鎖の標的配列のそれぞれの鎖に相補的である。増幅を引き起こすために、混合物を変性させ、次いでプライマーを標的分子内のそれらの相補的な配列にアニールさせる。アニーリングの後、新しい相補鎖の対を形成するためにプライマーをポリメラーゼで伸長させる。高濃度の所望の標的配列の増幅断片を得るために、変性、プライマーのアニーリング、およびポリメラーゼによる伸長の工程を何度も繰り返すことができる(すなわち、変性、アニーリング、および伸長が1回の「サイクル」を構成し、多数の「サイクル」が起こり得る)。所望の標的配列の増幅断片の長さはプライマーの互いの相対的位置によって決定し、それゆえ、この長さは制御可能なパラメーターである。当該プロセスの繰り返す様相に基づいて、当該方法は「ポリメラーゼ連鎖反応」(以下、「PCR」)と呼ばれる。標的配列の所望の増幅断片は混合物中で優勢な配列(濃度の観点から)となるため、それらは「PCR増幅された」といわれる。
本明細書において使用する場合、「ポリメラーゼ」という用語は、対象の核酸の増幅における使用に適した任意の酵素を表す。他のポリメラーゼもまた熱安定性でも熱不安定性でもこの定義に包含されるが、この用語は、Thermus aquaticusから得られたTaq DNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼを包含することを意図する。PCRに関して、ゲノムDNA中の特定の標的配列の単一コピーを、いくつかの異なる方法論(例えば、染色;標識したプローブを用いたハイブリダイゼーション;ビオチン化プライマーの取り込みの後にアビジン−酵素の接合体による検出;増幅断片内へのdCTPまたはdATP等の32P標識したデオキシヌクレオチド三リン酸の取り込み)によって検出され得るレベルまで増幅することが可能である。ゲノムDNAに加えて、任意のオリゴヌクレオチド配列を適切なプライマー分子のセットで増幅することができる。特に、PCRプロセス自体によって作られた増幅断片は、それら自体がそれに続くPCR増幅のための効率的なテンプレートである。増幅された標的配列を用いて、組換えベクター内への挿入用のDNAの断片(例えば、遺伝子)を得ることができる。
本明細書において使用する場合、「PCR産物」および「増幅産物」という用語は、変性、アニーリング、および伸長という2サイクル以上のPCR工程が完了した後に、結果として生じた化合物の混合物を表す。これらの用語は、1つ以上の標的配列の1つ以上の断片の増幅が生じている状況を包含する。
本明細書において使用する場合、「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」という用語は、それぞれが特定のヌクレオチド配列の位置または付近で二本鎖DNAを切断する細菌酵素を表す。
本明細書において使用する場合、「相補的」または「相補性」という用語は、塩基対合則によって結びついたポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)に関して用いられる。例えば「A−G−T」という配列は、「T−C−A」という配列に相補的である。相補性は、核酸の塩基の一部のみが塩基対合則に従って適合している「部分的」であり得る。あるいは、核酸間には「完全な」または「全くの」相補性が存在し得る。核酸鎖の間の相補性の程度は、核酸鎖の間のハイブリダイゼーションの効率および強さに重要な影響をもたらす。このことは、増幅反応、および核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である。
「相同性」という用語は、相補性の程度を表す。部分的相同性または完全な相同性(すなわち、同一性)があり得る。部分的に相補的な配列とは、完全に相補的な配列が標的核酸にハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害し、「実質的に相同な」という機能的用語を用いることをいうものである。完全に相補的な配列の標的配列へのハイブリダイゼーションの阻害は、低ストリンジェントな条件下で、ハイブリダイゼーションアッセイ(サザンまたはノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いることによって検証することができる。実質的に相同な配列またはプローブは、低ストリンジェントな条件下で、完全に相同なものの標的への結合(すなわち、ハイブリダイゼーション)を競合および阻害するであろう。このことは、低ストリンジェントな条件とは非特異的結合が許容され、低ストリンジェントな条件には2つの配列の互いへの結合が特異的な(すなわち、選択的な)相互作用であることが必要とされるというわけではない。非特異的結合が存在しないことは、部分的な程度の相補性(例えば、約30%未満の同一性)さえ欠いている第二の標的を使用することによって確かめることができ、非特異的結合がない場合には、プローブは当該第二の相補的でない標的にハイブリダイズしないであろう。
多くの同等な条件を利用して、低ストリンジェントまたは高ストリンジェントな条件を構成することができ、プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)ならびに標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中に存在するまたは固定化されている等)ならびに塩の濃度および他の成分(例えば、ホルムアミド、硫酸デキストラン、ポリエチレングリコールの有無)等の要素を考慮し、上記の条件とは異なるがそれと同等な低ストリンジェントまたは高ストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件を生み出すために、ハイブリダイゼーション溶液を変えることができる。本明細書において使用する場合、「ハイブリダイゼーション」という用語は、「塩基対合を介して核酸の鎖が相補鎖と合体する任意のプロセス」を含む(Coombs,Dictionary of Biotechnology,Stockton Press,New York N.Y.[1994])。
「ストリンジェンシー」は、典型的には、約Tm−5℃(プローブのTmより5℃下回る)からTmより約20℃〜25℃下回る範囲で生じる。当業者に理解されるであろうとおり、ストリンジェントなハイブリダイゼーションを用いて、同一のポリヌクレオチド配列を同定または検出、あるいは類似または関連したポリヌクレオチド配列を同定または検出することができる。
本明細書において使用する場合、「ハイブリダイゼーション複合体」という用語は、相補的なGとCの塩基間、および相補的なAとTの塩基間の水素結合の形成によって、2つの核酸配列の間で形成される複合体を表し、この水素結合は塩基のスタッキング相互作用によってさらに安定化され得る。2つの相補的な核酸配列の水素結合は逆平行の配置にある。ハイブリダイゼーション複合体は、溶液中(例えば、C0tまたはR0t分析)、または溶液中に存在する一方の核酸配列と、固形担体(例えば、サザンおよびノーザンブロッティング、ドットブロッティングで利用されるようなナイロンメンブレンまたはニトロセルロースフィルター、あるいはFISH[蛍光in situハイブリダイゼーション]を含めたin situハイブリダイゼーションで利用されるようなスライドガラス)に固定化されたもう一方の核酸配列との間で形成され得る。
本明細書において使用する場合、「アンチセンス」という用語は、特定のRNA(例えば、mRNA)またはDNA配列に相補的であるRNA配列に関して用いられる。アンチ-センスRNAは、対象の遺伝子をコード鎖の合成を可能にするウイルスプロモーターに対して逆方向に接合することによる合成を含めた任意の方法によって生成され得る。一度細胞内に導入されると、この転写鎖は当該細胞によって生成される天然のmRNAと組み合わさり、二本鎖を形成する。次いで、これら二本鎖はmRNAのさらなる転写またはその翻訳をブロックする。このようにして、突然変異表現型を作り出すことができる。「アンチセンス鎖」という用語は、「センス」鎖に相補的である核酸鎖に関して用いられる。(−)という記号(すなわち、「マイナス」)がアンチセンス鎖に関して時々用いられ、(+)という記号がセンス(すなわち、「プラス」)鎖に関して時々用いられる。
本明細書において使用する場合、「サンプル」という用語は、その最も広い意味において用いられる。核酸を含有していると推測される生物学的サンプルには、ゲノムDNA(溶液中にある、またはサザンブロット分析用等の固形担体に結合している)、cDNA(溶液中にある、または固形担体に結合している)等が含まれ得るが、これに制限されない。
本明細書において使用する場合、「尿路」という用語は、身体からの尿の分泌および***に関与する器官および管を表す。
本明細書において使用する場合、「経腎臓性DNA」および「経腎臓性核酸」という用語は、腎臓の障壁を越える核酸を表す。本明細書において使用する経腎臓性DNAは、miRNAとは異なる。具体的には、経腎臓性DNAは、miRNAには存在しない3’および5’末端におけるランダム性を含む。
以下の実施例によって、本発明を以下にさらに記載する。また実施例によって、本発明を実施するための有用な方法論も説明する。これらの実施例は、特許請求される発明を制限するものではない。
実施例1:全尿核酸の精製
尿の調製
尿試料を、少なくとも100mlの容量を入れることが可能な容器中に回収した。
排尿の前に、回収カップに容器が満たされた場合に50mMの最終濃度に達するのに十分なEDTAをあらかじめ注いだ(例えば、尿で100mlまで希釈された場合、10mlの0.5M EDTA=50mM)。尿試料を−80℃で保存した。凍結した尿を室温で解凍した。
Q−Sepharose工程
10mlの尿(希釈前)の標準的なバッチサイズに、1.0mlのQ−Sepharoseスラリー(Q−Sepharoseストック:GE Healthcare製の25mlサイズ;250μL樹脂)を用いた。
Q−Sepharoseへの尿NAの結合を、回転させながら50mLチューブ中で室温(20〜25℃)にて30分間行った。室温での遠心(5分間の800〜1000×g)によって樹脂を回収し、空の使い捨てカラムに移した。樹脂を、少なくとも1mLの0
.3M LiCl/10mM NaOAc(pH5)で2回洗浄した。NAを、750μ
Lの2M LiCl/10mM NaOAcで溶出した。
シリカ精製
750μlバッファー中のQ−Sepharose NAから溶出したDNAに2.25mLの95% EtOHを補充し、シリカカラム(Qiagenまたは同等物)に適用した。カラムエクステンションを用いた場合には、1回のロードで全混合液が取り込まれ、そうでない場合には、数回のロードを行った。卓上微小遠心機(Eppendorf)中でカラムを1分間遠心分離した。あるいは、吸引マニホールドを用いた。
シリカカラムを、70% EtOH中2M LiClを500μL用いて、5000rpmにて1分間遠心分離することによって洗浄した。続いて、75mM KOAc pH5.0,80% EtOHで2回の洗浄を行った。NAを、100μLの1mM Tris−HCl(pH8.0)/0.025mM EDTA(pH8.0)で溶出した。
25μlのPCR反応に対して、規定どおりに5μlを用いた。
実施例2:HPVの個別の遺伝子型を増幅するための、E1遺伝子に位置する特異的PCRプライマーの使用
単一の型の高リスクHPVに特異的であり、また開示されたE1遺伝子のフラグメント中に位置するように設計したプライマーを検査した。これらのプライマーを表3に一覧にする。当該PCRにおいて、それぞれの正方向プライマーは500nMの濃度で対応する逆方向プライマーと対合した。PCRごとに、MgCl2の最終濃度は2mMであり、JumpStart Taq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。高リスクHPV型に対応する個々のオリゴヌクレオチドを、1反応につき1000コピーでテンプレートとして用いた(表2を参照されたい)。PCR産物の予想されるサイズは47塩基対(bp)であった。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−2分間(酵素活性化)

5サイクル
94℃−30秒間
65℃−2分間

5サイクル
94℃−30秒間
60℃−1分間

35サイクル
94℃−30秒間
55℃−1分間

1サイクル
72℃−5分間
4℃−永久 。
当該反応の産物を図2に提示するものであって、レーン数1〜13は以下の高リスクHPV遺伝子型:16;18;31;33;35;39;45;51;52;56;58;59;68にそれぞれ対応する。分子量マーカー(「M」)は25bpラダーである。
実施例3:13種すべての高リスクHPV遺伝子型を検出するための、単一のPCRプライマーの対の使用
この実験の目的は、13種の高リスクHPV株のすべてまたは大部分を特異的に検出するために、低リスクの対応物とは反応しない、HPVのE1遺伝子の対象のフラグメント中に位置する単一のプライマーの対を使用することであった。配列番号41:5’−CAGGCAGAATTAGAGRCAGC−3’を正方向プライマーとして用い、配列番号42:5’−tccaccacaWACTTTCGTTTTA−3’を逆方向プライマーとして用いた。逆方向プライマー中の小文字のヌクレオチドは、プライマーの融解温度(Tm)を調節するためにランダムに選択されたテイルである。
特異的産物の期待されるサイズは97bpであった。当該PCRにおいて、正方向プライマーは800nMの濃度で逆方向プライマーと対合した。この反応では、MgCl2の最終濃度は3mMであり、JumpStart Taq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。高リスクおよび低リスクのHPV型に対応する個々のオリゴヌクレオチドを、1反応につき1000コピーでテンプレートとして用いた(表2を参照されたい)。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−2分間(酵素活性化)
40サイクル
94℃−30秒間
50℃−30秒間
72℃−30秒間

1サイクル
72℃−5分間
4℃−永久 。
当該反応の産物を図3に提示するものであって、レーン数1〜13は以下の高リスクHPV遺伝子型:16;18;31;33;35;39;45;51;52;56;58;59;68にそれぞれ対応し、レーン14および15は低リスク遺伝子型6および11にそれぞれ対応する。分子量マーカー(「M」)は25bpラダーである。
実施例4:子宮頸癌を有する患者由来の尿サンプルを分析するための、単一のPCRプライマーの対の使用
HPVのE1遺伝子の対象のフラグメント中に位置する単一のプライマーの対を、高リスクHPV遺伝子型のDNAを特異的に検出するために用いた。具体的には、配列番号41:5’−CAGGCAGAATTAGAGRCAGC−3’を正方向プライマーとして用い、配列番号42:5’−tccaccacaWACTTTCGTTTTA−3’を逆方向プライマーとして用いた。逆方向プライマー中の小文字のヌクレオチドは、プライマーのTmを調節するために用いられたランダムに選択されたテイルである。当該PCRにおいて、正方向プライマーは800nMの濃度で逆方向プライマーと対合した。この反応では、MgCl2の最終濃度は3mMであり、JumpStart Taq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。
尿サンプル由来のDNAを、実施例1に記載されたプロトコールに従って抽出した。患者に、2種の尿サンブル:朝に自己回収した第一のサンプル、および同日の後で(24時間以内に)診療所において回収した第二のサンプルを提供するように求めた。子宮頸部サンプルをDigene検査のために採取した。10mlの尿由来のDNAを、100μlの溶出バッファー中に抽出し、そのうちの5μlをPCRに用いた。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−2分間(酵素活性化)

40サイクル
94℃−30秒間
50℃−30秒間
72℃−30秒間

1サイクル
72℃−5分間
4℃−永久 。
当該反応の産物を図4に提示するものであって、レーン数1〜18は子宮頸部の癌を有する患者の尿サンプルを示す。奇数のレーン数は自己回収した朝の尿サンプルを示し、一方で偶数のレーン数は同日の後で診療所において当該患者によって提供された尿サンプルを示す。具体的には、レーン19は健常ボランティア由来の尿サンプルを含有していた。レーン20は尿DNAの精製に対するコントロールとしての水を含有していた。レーン21は陽性コントロールとしてのHPV16ゲノムDNAを含有していた。レーン22はヒトゲノムDNA(20,000ゲノム相当)を含有していた。レーン23は低リスクHPV6および11テンプレートの不明瞭な混合物を含有していた。また、レーン24はオリゴヌクレオチドまたはDNAテンプレートを含有していない反応コントロールであった。
実施例5:ウイルスを検出するための、単一チューブのPCRにおけるすべての高リスクHPV特異的PCRプライマーの対の使用
高リスク遺伝子型を示すオリゴヌクレオチドテンプレート(表2を参照されたい)を、すべての高リスク特異的プライマーの対の混合物を有するPCRによって増幅した。それぞれの反応には、計25のPCRプライマーが含まれていた(表4を参照されたい)。当該PCRにおいて、それぞれ200nMの濃度で用いられた正方向プライマーは、それぞれ300nMの濃度で用いられた逆方向プライマーとそれぞれ組み合わさった。この反応では、MgCl2の最終濃度は2mMであり、AmpliTaq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。高リスクおよび低リスクのHPV型に対応する個々のオリゴヌクレオチドを、1反応につき1000コピーでテンプレートとして用いた(表3を参照されたい)。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−10分間(酵素活性化)

40サイクル
94℃−30秒間
60℃−30秒間
72℃−30秒間

1サイクル
72℃−2分間
4℃−永久 。
産物の期待されるサイズは62bpであった。標的の痕跡は51bpであった。結果を図5に図示するものであって、レーン数1〜13は以下の高リスクHPV遺伝子型:16;18;31;33;35;39;45;51;52;56;58;59;68にそれぞれ対応し、レーン15および16は低リスク遺伝子型6および11にそれぞれ対応する。分子量マーカー(「M」)は25bpラダーである。
実施例6:ウイルスを検出するための、単一チューブのPCRにおけるすべての高リスクHPV特異的PCRプライマーの対の使用
子宮頸癌を有する患者由来の尿サンプルを、すべての高リスク特異的プライマーの対の混合物を用いることによって検査した。したがって、当該PCRはそれぞれの反応に計25のPCRプライマーを含有していた(表4を参照されたい)。当該PCRにおいて、それぞれ200nMの濃度で用いられた正方向プライマーは、それぞれ300nMの濃度で用いられた逆方向プライマーと組み合わさった。この反応では、MgCl2の最終濃度は2mMであり、AmpliTaq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。尿サンプル由来のDNAを、実施例1に記載されたプロトコールに従って抽出した。診療所への訪問時に回収された尿サンプルを用いた(実施例5を参照されたい)。10mlの尿由来のDNAを、100μlの溶出バッファー中に抽出し、そのうちの5μlをPCRに用いた。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−10分間(酵素活性化)

40サイクル
94℃−30秒間
60℃−30秒間
72℃−30秒間

1サイクル
72℃−2分間
4℃−永久。
産物の期待されるサイズは62bpであった。結果を図6に図示するものであって、レーン数1〜10は子宮頸部の癌を有する患者の尿を示す。具体的には、レーン11はヒトゲノムDNA(20,000ゲノム相当)を含有していた。レーン12は陽性コントロールとしてのHPV18ゲノムDNAを含有していた。レーン13はオリゴヌクレオチドまたはDNAテンプレートを含有していない反応コントロールを示した。
実施例7:ウイルスを検出するための、単一チューブのPCRにおける高リスクHPV特異的プライマーの一部の使用
高リスクHPV遺伝子型を示すオリゴヌクレオチド(表3)を、高リスクHPの一部を用いたPCRによって増幅し、それぞれ200nMの濃度で用いられた正方向プライマーは、300nMの濃度で用いられた逆方向プライマーとそれぞれ組み合わさった。この反応では、計20のプライマーを用いた(表5)。この反応では、MgCl2の最終濃度は2mMであり、AmpliTaq DNAポリメラーゼの最終濃度は1.25U/反応であった。高リスクおよび低リスクのHPV型に対応する個々のオリゴヌクレオチドを、1反応につき1000コピーで用いた(表2)。
以下のプログラムに従って、増幅を行った。
1サイクル
94℃−10分間(酵素活性化)

40サイクル
94℃−30秒間
62℃−30秒間

1サイクル
72℃−2分間
4℃−永久 。
産物の期待されるサイズは62bpであった。標的の痕跡は51bpであった。結果を図7に図示するものであって、レーン数1〜13は以下の高リスクHPV遺伝子型:16;18;31;33;35;39;45;51;52;56;58;59;68にそれぞれ対応し、レーン15および16は低リスク遺伝子型6および11にそれぞれ対応する。分子量マーカー(「M」)は25bpラダーである。
実施例8:インドにおける高リスクおよび低リスクの集団の尿において高リスクHPVを検出するための、改良された分子スクリーニング検査
Xenomicsの経腎臓性DNA(Tr−DNA)技術は、身体全体にわたる死にかけている細胞由来のDNAフラグメントに基づいている。このDNAは血流中に現れ、尿中に排出される。尿サンプルの分析を、男性胎児を有する女性由来のY染色体特異的DNA配列、結腸直腸癌患者における変異型K−ras、および肺結核を有する患者におけるMycobacterium tuberculosisの検出に適用した。
この調査で用いたHPV DNA検査は、子宮頸癌に関連している高リスクHPV型の存在を検出するために、尿由来のDNAの単離およびHPV E1領域の特異的増幅をともなう。これらの高リスク型には、HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59および68が含まれる。FAM標識した正方向プライマーおよび標識していない逆方向プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってDNAを増幅する。これらのプライマーにより、キャピラリー電気泳動(CE)によって決定される93〜96塩基対(bp)のアンプリコンが生成される。低リスクHPV型6および11との交差反応は観察されなかった。得られたデータにより、この検査の感度および特異性は、子宮頸部の掻爬に基づく臨床用途の現在のアッセイのものと同等またはより優れていることが証明された。
方法
サンプル回収
Simbiosys Biowares社およびMetropolis社によって病期分類された癌患者由来のものを含む、インドにおける高リスクおよび低リスクの集団からサンプルを回収した。高リスクの被験者を、病院のSTD外来またはインド東部にある西ベンガルの売春街から募集した。具体的には、この集団由来の事前スクリーニングした270のサンプルをこの調査に用い、当該270のうちの51サンプル(18.9%)がQIAGEN hc2検査によって陰性であることが分かった。既知の疾病素因を有さない50人の低リスクの被験者を、ムンバイにあるヘルスキャンプから募集した。50の尿サンプルを、インドの一般集団からの妊娠女性から入手した。インド医学研究評議会を含めた独立倫理委員会によって審査されたプロトコールに従い、また当該被験者のインフォームド・コンセントを得て、細胞診試料および尿サンプルを入手した。市販の回収カップ中に尿を回収した。尿サンプルを少なくとも50mMのEDTAの状態にし、ドライアイス上で運搬し、さらなる使用まで−80℃で保存した。
子宮頸部細胞診およびhc2検査
子宮頸部細胞診およびhc2検査を、Simbiosys Biowares社およびMetropolis社によって行った。回収した子宮頸部サンプルの一部を用いて、直ちに細胞診検査のための塗抹標本を作製し、残りをQIAGEN hc2によるHPV検査のためのバッファー溶液に移した。HR HPVプローブカクテルを用いて、hc2検査をメーカーの使用説明書どおりに行い、分析した。1pg/mlの推奨される陽性閾値をカットオフとして用い、1.00以上の相対発光量/コントロール(RLU/CO)の比率を有するすべてのサンプルを陽性とみなした。
DNAの単離
−80℃で保存した尿サンプルを解凍し、穏やかに反転させることによって混合した。以前に記載されているプロトコールどおりにDNAの単離を実施した(Shekhtman E.M.ら、Clin Chem 2009;55:723−729)。簡潔には、1:1の尿:水のサンプルをQ−Sepharose樹脂のスラリー(GE Healthcare,Piscataway,NJ)とインキュベーションした。樹脂を沈殿させ、上清を捨てた。沈殿させた樹脂を再懸濁し、スピンカラムに移した。再懸濁バッファーを除去し、樹脂を洗浄した。2M LiClによって、DNAを樹脂から溶出した。溶出液を70%エタノールの状態にし、QIAquickカラム(QIAGEN,Hilden,Germany)に適用した。カラムを、2M LiCl/70% EtOHで、続いて75mM KOAc(pH5.0)/80% EtOHで洗浄した。DNAをEBバッファー(QIAGEN,Hilden,Germany)で溶出し、−20℃で保存した。単離したDNAサンプルをPicogreenアッセイ(Life Technologies)によって定量化した。
PCRおよび検出
XEN−HPV−FAM−FおよびXEN−HPV−Rのプライマー(表6)をPCRアッセイに用いた。AmpErase(登録商標)UNG(Life Technologies)で10分間処理した後、25μL中に600nMの各プライマー、3mM MgCl2、1.25ユニットのAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(Life Technologies)、200μMの各dATP、dCTP、dGTP;および400μM dUTPを用いて、40サイクルで増幅を実施した。各サイクルは、95℃で15秒間(s)および50℃で60sであった。反応産物をGENEWIZ(South Plainfield,NJ)によるキャピラリー電気泳動にかけた。
DNAシークエンシング
JumpStart(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ(Sigma−Aldrich)および様々な濃度のMgCl2(MY09/MY11およびGP5+/GP6+に対しては2mM、XEN−HPV−F/−Rに対しては3mM)とともに、種々のプライマーセット(表6)を用いて、PCR増幅を行った。反応混合物をそれぞれのプライマーの対に対して様々なサイクル工程:95℃30秒間,55℃45秒間,72℃20秒間で37サイクルの増幅(MY09/MY11);95℃15秒間,40℃30秒間,72℃10秒間で50サイクルの増幅(GP5+/GP6+);95℃15秒間,50℃60秒間で45サイクルの増幅(XEN−HPV−F/−R)にかけた。PCR産物を、10%ポリアクリルアミドゲル(Bio−Rad)上での電気泳動によって分析した。ゲル切片を切り出し、QIAEX IIゲル抽出キット使用説明書(QIAGEN)に従って精製し、PCR増幅に用いたプライマーの一つを用いて配列決定した。DNAシークエンシングをGENEWIZ社(South Plainfield,New Jersey)によって行った。生のPCR産物の配列を、特定のヒトパピローマウイルス株と適合させるために、NCBIのBlastnアルゴリズムによって分析した。
統計分析
標準的な分割表の方法(Excel 2003,Microsoft社)を用いてデータを分析した。本発明者らの方法の有用性を特徴付けするために、本発明者らは、hc2検査ならびに/あるいはシークエンシングならびに診断の感度、特異性、ならびに陽性および陰性適中率(PPVおよびNPV)とのその一致率を算出した(Altman,D.G.およびBland,J.M.BMJ 1994;309:102)。上記パラメーターのそれぞれに対して、Java(登録商標)Statによって95%の信頼区間を算出した。比較される分析方法間の周辺同等性を、McNemar検定によって評価した(X2)。<0.05のP値を統計的に有意であるとみなした。検査間の一致度を、Cohenのκ統計量を用いて評価した(K)。0.4〜0.6間のK値を中程度の一致度を有するとみなし、0.61〜0.8の値をかなりの一致度を有するとみなした(Landis,JR;Koch,GG.Biometrics.1977;33:159−174.doi:10.2307/2529310)。
結果
計320の尿サンプルを、対応する子宮頸部試料のhc2アッセイおよび細胞診検査の結果と比較するために、XenomicsのCEアッセイによって分析した。hc2に関する比較の結果を表7に示す。一致率は248/320(77.5%)であった。320の尿サンプルのうち、72は適合させた子宮頸部試料のhc2アッセイと不一致の結果を出し、DNAシークエンシングによってさらに検証された。
不一致物(discordant)のDNAシークエンシング
まず、約450bpの産物を生成するプライマーMY09/MY11を用いることによって、代替的な増幅およびシークエンシングを試みた。高リスクのHPV産物が得られないまたは配列決定されない場合、次いで、約150bpのフラグメントを作り出すGP5+/GP6+プライマーを用いることによってシークエンシングを試みた。これらプライマーの対の両方は、CEアッセイによるHPV検出に用いられたものから独立した部位であるHPV L1領域を検証する。MY09/MY11および/またはGP5+/GP6+プライマーが低リスクHPVの配列のみを作り出す、あるいは特定の産物を作り出さない場合には、XEN−HPV−F/−Rプライマーを用いて、サンプル中にわずかでも存
在していれば高リスクHPV DNA配列の証拠を提供し得る、E1遺伝子の88bpの
痕跡を増幅した。
CEによって反応性であり、またhc2によって非反応性である38の不一致サンプル
のうち、18サンプル(47.4%)において、高リスクHPV型がL1領域のDNAシ
ークエンシング(MY09/MY11および/またはGP5+/GP6+プライマー)に
よって証明された。さらには、XEN−HPV−F/−Rプライマーを用いることによっ
て、さらなる13サンプルが高リスクHPVを有することが示され、計31/38(81
.6%)が高リスクHPVを含有することになった(表8)。
hc2によって反応性であるがCEによって非反応性である34の不一致サンプルのうち、4サンプルにおいて、高リスクHPV型がL1領域のDNAシークエンシング(MY09/MY11および/またはGP5+/GP6+プライマー)によって証明された。XEN−HPV−F/−Rプライマーを用いることによって、さらなる6サンプルが高リスクHPV型を有することが示された。この後者のプライマーは、おそらくHPVの低力価のために、CEによってサンプルを検出できなかったが、シークエンシングに対しては産物を増幅した。これは、XEN−HPV−F/−Rプライマーを用いたPCRが、シークエンシングには45サイクルに対して、検出には40サイクルで実施されたからかもしれない。後者の6サンプルを、MY09/11および/またはGP5+/GP6+プライマーの対を用いて増幅した場合、HPV産物が生じないまたは低リスク型が生じた。合計で、hc2によって反応性であるがCEによってはそうでない34サンプルのうちの10(29.4%)が、高リスクHPVを含有することが示された(表8)。
シークエンシングとともにXEN−HPV−F/−Rプライマーを使用した結果により、hc2アッセイはCE検査よりも多くの偽陽性および偽陰性の結果をもたらすことが示されている(表8)。このグループの患者に対する、Xenomicsおよびhc2検査とシークエンシング結果との一致率は、それぞれ55/72(76.4%)および17/72(23.6%)である。CEアッセイは、HPV16を有する5サンプル、1つのHPV18、1つのHPV33、1つのHPV35、1つのHPV51、および複数の高リスクHPV型(16+33)を含有する1つを検出しなかった(表9)。しかしながら、それはHPV51を除くそれぞれの型を有する他のサンプルを検出したため、これらの偽陰性は低力価による可能性がある(表10)。本発明者らは、本発明者らの患者のサンプルセットにおいて、HPV51についての他の例を見出していないが、HPV51はXEN−HPV−F/−Rプライマーを用いることによってのみ増幅され、また配列決定されたことに留意すべきである。
それに対し、hc2アッセイは、HPV16を有する13サンプル、6つのHPV18、1つのHPV31、1つのHPV35、2つのHPV45、1つのHPV52、1つのHPV58、および2つのHPV59、および複数の高リスクHPV型(16+45、16+33、16+56および18+31)を含有する4つを検出しなかった(表10)。hc2検査によって非反応性である38サンプルのうちの31(81.6%)は、高リスクHPVを含有していた。表11は、高リスク型を明らかにするのにXEN−HPV−F/−Rプライマーを用いることを必要とした31サンプルのうちの13を一覧にしている。L1領域のプライマー(MY09/MY11および/またはGP5+/GP6+プライマー)を用いた第二のシークエンシングでは、HPVが検出されないまたは低リスク型を生じた。
低リスクのサンプル
CEアッセイは、ASCUSおよび正常として記された多くを含めた高リスクHPV陽性の女性をhc2アッセイよりも多く検出した(表10)。Simbiosysによって提供されたサンプルの中には、正常な細胞診の結果を有するがhc2の結果を入手できないコントロールとして分類されたものがあった。他のものは、子宮頸部細胞診によって正常として記され、またhc2によって非反応性であった。これらのグループ由来のサンプルは、STD外来および売春宿を含めた高リスク集団から入手したものであった。本発明者らは、正常または悪性でないという臨床診断を受けた、Metropolisによって低リスクとして指定された50サンプルを検査した。50のうちの3つ(6.0%)はhc2によって反応性であり、6つ(12.0%)はCEによって反応性であった。この後者の6サンプルのうち、4つはシークエンシングによって高リスクHPV(型:16、18、および31)を含有しており、2つはHPV DNAの証拠を含有していなかった。
低リスクと推定される集団におけるHPV感染の有病率をさらに検証するために、本発明者らは、インドにおける一般集団から入手した妊娠女性由来の50の尿サンプルをアッセイした。細胞診およびhc2の結果は、これらの患者から入手できなかった。50のうち、1つはXenomics CEアッセイによって反応性であった。DNAシークエンシングによって、このサンプルが高リスクHPV45を含有していることを確認した。
高リスクHPVを検出するためのサンプルマトリックスとして尿を用いることの実現可能性を検証した。その結果、Xenomics HPV検査を定性的スクリーニング検査として提案することができ、それによって細胞診検査またはスクリーニングのための他の分子検査の必要性を排除し得る。
Xenomics HPV検査をhc2検査と比較した場合の一致率は77.5%(248/320,K=0.5;p=0.7)であり、全体的な感度および特異性はそれぞれ75.0%(102/136)および79.3%(146/184)であった(表7)。0.5というκ係数は、2つの検査間の中程度の一致度を示す。分析した320の尿サンプルのうち、72が子宮頸部試料に基づくhc2アッセイと不一致の結果を出し、解決のためにDNAシークエンシングによってさらに検証された。DNAシークエンシングを究極の判断基準として用いると、CE検査は、証明された偽陰性率および偽陽性率がそれぞれ10/180(5.6%)および7/140(5.0%)で、より高感度かつ特異性が高かった。それに対してhc2アッセイは、それぞれ31/184(16.8%)および24/136(17.6%)の偽陰性率および偽陽性率を有した(表7および8)。
hc2検査によって非反応性であり、またXenomics検査によって反応性であるサンプルの大部分は、細胞診検査によってASCUSまたは正常な細胞学的所見であった。サンプルの16/38(42%)、7/38(18.4%)および4/38(10.5%)を占めるHPV型16、18および45は失敗した。インドの集団における正常な細胞学的所見を有する女性の間での高リスクのヒトパピローマウイルス型16/18感染の有病率は以前に報告されている(Gupta S.ら、Cytopathology 2008;doi:10.1111/j.1365−2303.2008.00611)。その調査における細胞学的に正常な女性の間での全HPV有病率は16.6%であった。HPV16は10.1%で検出され、一方でHPV18は女性の1%で検出された。QIAGEN hc2検査は、他のPCRに基づく検査と比較した場合、正常またはCIN1細胞学的所見を有する30歳を超えた女性において高リスクHPVをより低く検出するという知見も以前に報告された(Stevens M.P.ら、J Clin Microbiol 2007;45:2130−2137)。本発明者らのサンプル集団の80%超も30歳を超えていた。
細胞診検査によって正常であり、またhc2検査によって非反応性であるがXenomics検査によって反応性であるサンプルの中には、高リスクおよび低リスクのHPV型での混合感染を有するものがあった。このことは、本発明者らのHPVのE1領域を標的とするプライマーが、現在使用されている標準的な検査では不可能な条件下で、高リスクHPVを検出し得るという見解を強めるものである。L1領域を標的とするプライマーが、ある高リスクHPV型(HPV48、51、52、68)を検出できないことは以前に報告されている(Depuydt C.E.ら、J Cell Mol Med 2007;11:881−891)。このことは、これらのサンプルにおけるL1領域の欠失によって説明できる。あるいは、MY09/MY11およびGP5+/GP6+プライマーの対は非特異的であり、それゆえ、低リスクHPV型の有無により、任意の潜在する高リスクHPVを配列決定する試みが混乱する可能性がある。
Xenomics HPV検査は、DNAシークエンシングによって確認されたhc2反応性の10サンプルにおいて高リスクHPV型を検出することができなかった(表9)。当該10サンプルのうちの6つは、CIN2およびそれ以上に病期分類されていた。考えられる説明は、HPV E1領域の欠失である(Arias−Pulido H.ら、J Clin Microbiol 2006;44:1755−1762)。当該6サンプルのうちの3つにおいて、XEN−HPV−F/−Rプライマーのみが、シークエンシングすると高リスクHPVを含有するPCR産物をもたらした。第4のサンプルにおいて、XEN−HPV−F/−Rプライマーにより高リスクHPV33の存在が確認された。このことは、ゆえにE1領域が欠失していなかったことを示している。検出とは対照的に、JumpStartDNAポリメラーゼおよびサイクル数を含めたシークエンシングに用いられたPCR条件は、より高感度の増幅システムを提供し得る。HPV DNA CEアッセイは、いくつかの低力価のHPVサンプルが検出され得ないように、感度および特異性のバランスを保つ。当該結果は、市販のアッセイと比較して、より低い偽陽性および偽陰性の結果を有するアッセイである。
表12は、不一致サンプルを解決するために、hc2の結果を文献プライマー(MY09/MY11および/またはGP5+/GP6+プライマー)およびXEN−HPV−F/−Rプライマーの両方を用いたDNAシークエンシングと組み合わせた場合のアッセイ比較を考察するものである。この場合には、一致率は94.7%(303/320,K=0.89,p=0.6)である。アッセイの感度は93.0%(133/143)であり、特異性は96.0%(170/177)である。陽性および陰性適中率は、それぞれ95.0%(133/140)および94.4%(170/180)である。0.89というκ値は、2つの方法間の優れた一致度を示す。それゆえ、HPVゲノムのL1およびE1領域の両方を標的とするプライマーを用いたシークエンシング結果と組み合わせたQIAGEN hc2検査は、本発明者らのCEアッセイと同等であると考えられる(p=0.6)。
したがって、尿に基づくHPV検査の感度は、現在用いられている子宮頸部細胞の分析に基づいたhc2検査と同様またはより優れている。他の尿DNAに基づく調査と比較して、CE検査のより高い感度は、いくつかの要素によって説明できる。第一に、本発明者らの実験において、DNAは細胞画分ではなく尿全体から単離された。このことは、HPV DNAの全回収に重要である。死にかけている子宮頸部細胞由来のクロマチンフラグメントを交差するだけでなく、HPV DNA配列は経腎臓性DNA(Tr−DNA)によっても寄与され得る(Melkonyan H.S.ら、Ann NY Acad Sci 2008;1137:73−81)。この意見は、シークエンシング実験において、より短いアンプリコン(88bp)を増幅するように設計された本発明者らのプライマーが、より大きい450bpのアンプリコンを増幅するように設計されたMY09/MY11プライマーよりも高リスクHPVを検出したという事実によって裏付けられている。これらの結果はまた、より短いDNA標的をPCRに用いることが、尿サンプルにおけるHPV検出の感度を増大させることを証明している。第二に、尿DNAのためのQ樹脂に基づく技術は、シリカに基づく方法よりも、短いDNAフラグメントの単離により効果的である。
いくらかの高リスクHPVの検出の差は、尿および子宮頸部細胞のサンプリングの比較から生じ得る。残念なことには、この調査において子宮頸部細胞を直接比較に利用できなかった。CEアッセイによって非反応性であるいくつかのサンプルは、病院の患者に適用される種々の衛生上のルールの結果であり得ると仮定する人もいるかもしれない。
hc2アッセイを他の分子アッセイと比較する多くの報告が発表されているが、しかしながら、これらのアッセイのすべては患者由来の子宮頸部細胞に基づいている。これは、HPVゲノムのE1領域を標的とするプライマーを用いることによって尿由来のHPV DNAを検出する最初の報告である。この報告はまた、インドおよび他の発展途上国の女性における高リスクHPVのスクリーニングに細胞診およびhc2検査を用いることについて疑問を提起するものである。これらの国々では、主にスクリーニングプログラムの欠如または無効性のために、子宮頸癌の発生率と死亡率はほとんど抑制できないままである。サンプル回収の非侵襲性および簡潔性はスクリーニング検査の受け入れに重要であるため、子宮頸部細胞の掻爬の代わりに簡潔な尿回収を用いることは、先進国および発展途上国の両方において、子宮頸癌のためのHPVスクリーニング検査の実行を促進し得る。

Claims (21)

  1. 配列5′-CAGGCAGAATTAGAGRCAGC (SEQ ID NO:41)を有するフォワードプライマー、ここで、RはAまたはGである、及び、
    配列5′-TCCACCACAWACTTTCGTTTTA (SEQ ID NO:42)を有するリバースプライマー、ここで、WはTまたはAである、
    とを含む
    対をなすオリゴヌクレオチドプライマー。
  2. 前記オリゴヌクレオチドプライマーの一つが蛍光標識されている、請求項1に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマー。
  3. 前記フォワードプライマーが、XEN-HPV-FAM-Fである請求項2に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマー。
  4. 前記フォワードプライマーが蛍光標識されている、請求項2に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマー
  5. 請求項1に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマーを含むキット
  6. 請求項2に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマーを含むキット
  7. 請求項3に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマーを含むキット
  8. 請求項4に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマーを含むキット
  9. 患者におけるヒトパピローマウイルス(HPV)の存在を示す方法であって、該患者から採取した核酸を含む尿サンプルにおいて、HPVのE1遺伝子の1つ以上の配列を検出する工程を含み、ここで、前記検出は、請求項1に記載の対をなすオリゴヌクレオチドプライマーへの1以上の前記E1遺伝子の配列のハイブリダイゼーションを含み、そして、HPVのE1遺伝子の1つ以上の配列を検出することが、該患者における少なくとも1つのヒトパピローマウイルスの存在を示す、方法。
  10. 前記検出が、(a)前記対をなすオリゴヌクレオチドプライマーで、増幅されたE1遺伝子配列を生成するため、前記患者から採取した尿サンプル由来の核酸を増幅する工程、及び(b)該増幅されたE1遺伝子配列を検出する工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ネステッドプライマーPCR、リアルタイムPCR、NAハイブリダイゼーション、サイクリックプローブ反応、一本鎖高次構造多型(SSCP)、鎖置換増幅(STA)、および制限断片長多型(RFLP)からなる群から選択される技術を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記増幅が、さらに、対をなすオリゴヌクレオチドプライマーの一つが蛍光標識されている、請求項10に記載の方法。
  13. 前記フォワードプライマーが蛍光標識されている、請求項12に記載の方法。
  14. 前記核酸が、トランスレナル(transrenal)DNAを含む、請求項9に記載の方法。
  15. さらに、前記尿サンプルにおける核酸分解を減少させる工程を含む、請求項9に記載の方法。
  16. 前記核酸分解を減少させる工程が、上昇させたpHによって、増大させた塩濃度によって、熱不活性化によって、または、処理をすることによって、ヌクレアーゼ活性を阻害することを含む方法であって、該処理は、前記尿サンプルを、エチレンジアミン四酢酸、グアニジンHCI、グアニジンイソチオシアネート、N−ラウロイルサルコシン、またはドデシル硫酸ナトリウムで処理するものである、請求項15に記載の方法。
  17. さらに、前記増幅の前に、前記尿サンプル由来の前記核酸を実質的に単離する工程を含む、請求項10に記載の方法。
  18. 前記単離が、沈降によるまたは固形吸着物質を用いることによるものである、請求項17に記載の方法。
  19. さらに、前記増幅されたE1遺伝子配列を定量化する工程を含む、請求項10に記載の方法。
  20. 前記検出が、さらに、ハイブリダイゼイション後の前記対をなすオリゴヌクレオチドプライマーの拡張(extension)を含む、請求項9に記載の方法。
  21. 前記フォワードプライマーが、XEN-HPV-FAM-Fである請求項13に記載の方法。
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