JP5304271B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものであり、特に、駆動信号に含まれる駆動パルスを圧力発生素子に印加することにより液体の吐出を制御可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものである。
液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを記録紙等の記録媒体(着弾対象物)に対して吐出・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
例えば、上記プリンターは、吐出駆動パルスを圧力発生素子(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加してこれを駆動することにより圧力発生室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力発生室に連通したノズルから液体を吐出させるように構成されたものがある。このようなプリンターでは、吐出したインクの後端部が尾のように伸びる現象(尾引)が生じる。特に、例えば水ベースの染料インクなど、従来家庭などで使用されていたインクジェットプリンターのインクよりも粘度の高い液体(以下、高粘度液体ともいう。)を吐出する試みがなされており、この高粘度液体では上記の尾がより長くなる傾向にある。そして、この尾の部分が液滴本体から分離して飛翔し、着弾対象物において正規の位置(望ましい位置)に着弾しない虞があった。例えば、インクジェットプリンターでは、尾の部分がミストになって正規の位置からずれて着弾してドットが分離し、これにより、画質の劣化が生じるという問題があった。特に、高粘度液体では、尾の部分が幾つにも分離することにより、これらの複数に分離した部分(サテライトインク滴或いはミスト)が画質を著しく低下させる原因となっていた。
上記のミスト等の発生を抑制するために、特許文献1の構成では、記録ヘッドのノズルから記録紙の記録面までの距離に応じて吐出パルスを使い分けるようにし、例えば、上記の距離が長い場合には、吐出される液体の飛翔速度が低くなるような吐出駆動パルスを用いている。
特開2006−212920号公報
しかしながら、吐出される液体の飛翔速度を低下させると、ミスト等の発生を低減することができる一方で、記録紙に到達するまでの間に外乱を受けて飛行曲がり等が生じ、着弾精度が低下する虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高粘度液体を吐出する場合に着弾精度を向上させることが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
圧力発生素子を駆動してノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを複数含む駆動信号を繰り返し発生する駆動信号発生手段と、
を備え、前記駆動信号に含まれる吐出駆動パルスを複数連続して前記圧力発生素子に順次印加することで着弾対象物上に規定のドットを形成する液体吐出装置であって、
前記各吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させてノズルに露出したメニスカスを引き込む圧力発生室膨張要素と、当該圧力発生室の膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素と、膨張状態の圧力発生室を収縮させてノズルから液体を吐出させる吐出要素と、を含むパルス波形であり、
前後に連続する吐出駆動パルスにおける後側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅を、前側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅よりも長くし、
後側の吐出駆動パルスの圧力発生室膨張要素、又は膨張維持要素うち少なくとも一つの波形要素の時間幅を、当該波形要素に対応する前側の吐出駆動パルスの波形要素の時間幅を基準として変更することにより、後側の吐出駆動パルス吐出される液体の重量が前側の吐出駆動パルスの場合よりも増加するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明は、ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、圧力発生素子を駆動してノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを複数含む駆動信号を繰り返し発生する駆動信号発生手段と、を備え、前記駆動信号に含まれる吐出駆動パルスを複数連続して前記圧力発生素子に順次印加することで着弾対象物上に規定のドットを形成する液体吐出装置の制御方法であって、
前記各吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させてノズルに露出したメニスカスを引き込む圧力発生室膨張要素と、当該圧力発生室の膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素と、膨張状態の圧力発生室を収縮させてノズルから液体を吐出させる吐出要素と、を含むパルス波形であり、
前後に連続する吐出駆動パルスにおける後側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅を、前側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅よりも長くし、
後側の吐出駆動パルスの圧力発生室膨張要素、又は膨張維持要素うち少なくとも一つの波形要素の時間幅を、当該波形要素に対応する前側の吐出駆動パルスの波形要素の時間幅を基準として変更することにより、後側の吐出駆動パルスによって吐出される液体の重量が前側の吐出駆動パルスの場合よりも増加するようにしたことを特徴とする。
上記構成を採用することにより、先に吐出される液滴の慣性質量よりも、後から吐出される液滴の慣性質量を大きくすることができる。これにより、ミストの発生を抑制するべく後側の吐出駆動パルスによって吐出される液滴の飛翔速度を前側の吐出駆動パルスの場合よりも低下させるように構成した場合においても、液滴の慣性質量をより大きくすることで安定して飛翔させることができる。その結果、着弾精度を向上させることができる。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。駆動信号の構成を説明する波形図である。 プリンターの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する図である。 (a)〜(d)は各駆動パルスの構成を説明する波形図である。 ノズルからインクが吐出される状態を説明する模式図である。 第2実施形態における駆動信号の構成を説明する図である。 第3実施形態における駆動信号の構成を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体吐出ヘッドとして記録ヘッド2が取り付けられると共に、インクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4(記録ヘッド2)を記録紙6(着弾対象物の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8とを備えて概略構成されている。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルスがプリンターコントローラーの制御部41(図3参照)に送信される。これにより、制御部41はこのリニアエンコーダー10からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(吐出動作)等を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右手前側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート21:図2参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4(記録ヘッド2)が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
図2は、上記記録ヘッド2の構成を説明する要部断面図である。この記録ヘッド2は、ケース13と、このケース13内に収納される振動子ユニット14と、ケース13の底面(先端面)に接合される流路ユニット15等を備えて構成されている。上記のケース13は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット14を収納するための収納空部16が形成されている。振動子ユニット14は、圧力発生素子の一種として機能する圧電振動子17と、この圧電振動子17が接合される固定板18と、圧電振動子17に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル19とを備えている。圧電振動子17は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。
流路ユニット15は、流路形成基板20の一方の面にノズルプレート21を、流路形成基板20の他方の面に弾性板22をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット15には、リザーバー23と、インク供給口24と、圧力発生室25と、ノズル連通口26と、ノズル27とが設けられている。そして、インク供給口24から圧力発生室25及びノズル連通口26を経てノズル27に至る一連のインク流路が、ノズル27毎に対応して形成されている。
上記ノズルプレート21は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル27が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート21には、ノズル27の列(ノズル列)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル27によって構成される。そして、本実施形態における記録ヘッド2は、それぞれ異なる色のインク(本発明における液体の一種)、具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の合計4色のインクを貯留する4つのインクカートリッジ3を装着可能に構成されており、これらの色に対応させて合計4列のノズル列がノズルプレート21に形成されている。
上記弾性板22は、支持板28の表面に弾性体膜29を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板28とし、この支持板28の表面に樹脂フィルムを弾性体膜29としてラミネートした複合板材を用いて弾性板22を作製している。この弾性板22には、圧力発生室25の容積を変化させるダイヤフラム部30が設けられている。また、この弾性板22には、リザーバー23の一部を封止するコンプライアンス部31が設けられている。
上記のダイヤフラム部30は、エッチング加工等によって支持板28を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部30は、圧電振動子17の先端面が接合される島部32と、この島部32を囲う薄肉弾性部33とからなる。上記のコンプライアンス部31は、リザーバー23の開口面に対向する領域の支持板28を、ダイヤフラム部30と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー23に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部32には圧電振動子17の先端面が接合されているので、この圧電振動子17の自由端部を伸縮させることで圧力発生室25の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力発生室25内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル27からインク滴を吐出させる。
図3はプリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。このプリンター1は、プリンターコントローラー35とプリントエンジン36とで概略構成されている。プリンターコントローラー35は、ホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)37と、各種データ等を記憶するRAM38と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM39と、各部の制御を行う制御部41と、クロック信号を発生する発振回路42と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路43(本発明における駆動信号発生手段の一種)と、印刷データをドット毎に展開することで得られる画素データや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)45と、を備えている。
制御部41は、記録ヘッド2の動作を制御するためのヘッド制御信号を記録ヘッド2に出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路9に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば、転送クロックCLK、画素データSI、ラッチ信号LAT、第1チェンジ信号CH1、第2チェンジ信号CH2である。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COM1,COM2を構成する各パルスの供給タイミングを規定する。
また、制御部41は、上記印刷データに基づき、RGB表色系からCMY表色系への色変換処理、多階調のデータを所定階調まで減少させるハーフトーン処理、ハーフトーニングされたデータを、インク種類毎(ノズル列毎)に所定の配列で並べてドットパターンデータに展開するドットパターン展開処理等を経て、記録ヘッド2の吐出制御に用いる画素データSIを生成する。この画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータであり、吐出制御情報の一種である。ここで、画素とは、着弾対象物である記録紙等の記録媒体上に仮想的に定められたドット形成領域を示す。そして、本発明に係る画素データSIは、記録媒体上に形成されるドットの有無(又はインクの吐出の有無)及びドットの大きさ(又は吐出されるインクの量)に関する階調データからなる。本実施形態において、画素データSIは合計2ビットの2値階調データによって構成されている。2ビットの階調値には、インクを吐出しない非記録(微振動)に対応する[00]と、小ドットの記録に対応する[01]と、中ドットの記録に対応する[10]と、大ドットの記録に対応する[11]とがある。従って、本実施形態におけるプリンターは4階調で記録ができる。
駆動信号発生回路43は、制御部41によって制御され、各種の駆動信号を発生する。図4は、駆動信号生成回路9が発生する駆動信号COMの構成の一例を説明する図である。第1駆動信号COM1は、複数のミドルドット吐出駆動パルスDPM(本発明における吐出駆動パルスの一種)を単位記録周期(吐出周期)T内に有する一連の信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。本実施形態において、第1駆動信号COM1の一記録周期Tは、2つのパルス発生期間T1,T2に区分されている。そして、期間T1で第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が発生され、期間T2で第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が発生される。一方、第2駆動信号COM2は、スモール吐出駆動パルスDPSと微振動パルスDPPを記録周期T内に有する一連の信号である。この第2駆動信号COM2の一記録周期Tも第1駆動信号COM1と同様にT1とT2の2つのパルス発生期間に区分されており、期間T1でスモール吐出駆動パルスDPSが発生され、期間T2で微振動パルスDPPが発生される。即ち、微振動パルスDPP(非吐出駆動パルス)は、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の発生期間に対応する期間に発生される。
次に、プリントエンジン36側の構成について説明する。プリントエンジン36は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8と、リニアエンコーダー10と、から構成されている。記録ヘッド2は、シフトレジスター(SR)48、ラッチ49、デコーダー50、レベルシフター(LS)51、スイッチ52、及び圧電振動子17を、各ノズル開口27に対応させて複数備えている。プリンターコントローラー35からの画素データ(SI)は、発振回路42からのクロック信号(CK)に同期して、シフトレジスター48にシリアル伝送される。
シフトレジスター48には、ラッチ49が電気的に接続されており、プリンターコントローラー35からのラッチ信号(LAT)がラッチ49に入力されると、シフトレジスター48の画素データをラッチする。このラッチ49にラッチされた画素データは、デコーダー50に入力される。このデコーダー50は、2ビットの画素データを翻訳してパルス選択データを生成する。本実施形態におけるパルス選択データは、各駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データは、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1(期間T1)、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2(期間T2)に対応する合計2ビットのデータによって構成されている。また、第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データは、スモールドット吐出駆動パルスDPS(期間T1)、微振動パルスDPP(期間T2)に対応する合計2ビットのデータによって構成されている。
そして、デコーダー50は、ラッチ信号(LAT)又はチャンネル信号(CH)の受信を契機にパルス選択データをレベルシフター51に出力する。この場合、パルス選択データは、上位ビットから順にレベルシフター51に入力される。このレベルシフター51は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合、スイッチ52を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフター51で昇圧された「1」のパルス選択データは、スイッチ52に供給される。このスイッチ52の入力側には、駆動信号発生回路43からの駆動信号COM1,COM2が供給されており、スイッチ52の出力側には、圧電振動子17が接続されている。
そして、パルス選択データは、スイッチ52の作動、つまり、駆動信号中の吐出パルスの圧電振動子17への供給を制御する。例えば、スイッチ52に入力されるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ52が接続状態になって、対応する吐出パルスが圧電振動子17に供給され、この吐出パルスの波形に倣って圧電振動子17の電位レベルが変化する。一方、パルス選択データが「0」である期間中は、レベルシフター51からはスイッチ52を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ52は切断状態となり、圧電振動子17へは吐出パルスが供給されない。
すなわち、第1駆動信号COM1や第2駆動信号COM2の一部分を、選択的に圧電振動子17へ印加させることができる。この例では、繰り返し周期(記録周期)Tの開始タイミング(ラッチ信号LATのラッチパルスのタイミング)で、圧電振動子17に印加させる駆動信号COMを、第1駆動信号COM1から第2駆動信号COM2へ又はその逆へと切り替えることができる。同様に、第1駆動信号COM1におけるT1,T2間の境界のタイミング、又は、第2駆動信号COM2におけるT1,T2間の境界のタイミング(第1チェンジ信号CH1のチェンジパルスのタイミング,第2チェンジ信号CH2のチェンジパルスのタイミング)で、圧電振動子17に印加させるパルスを切り替えることができる。
ここで、駆動信号発生回路43が発生する各駆動信号COM1,COM2に含まれる各駆動パルスについて説明する。
まず、第1駆動信号COM1において期間T1で発生する第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1について説明する。図5(a)に示すように、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1は、第1膨張要素P11(圧力発生室膨張要素)と、第1膨張ホールド要素P12(膨張維持要素)と、第1収縮要素P13(吐出要素)とからなる。第1膨張要素P11は、基準電位VHBから第1膨張電位VH1までインクを吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、第1膨張ホールド要素P12は、第1膨張電位VH1で一定な波形要素である。また、第1収縮要素P13は、第1膨張電位VH1から基準電位VHBまで急勾配で電位を下降させる波形要素である。
このように構成された第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が圧電振動子17に供給されると、まず、第1膨張要素P11によって圧電振動子17は素子長手方向に収縮し、圧力発生室25が基準電位VHBに対応する基準容積から第1膨張電位VH1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズル27に露出したインクの表面(メニスカス)が圧力発生室25側に大きく引き込まれると共に、圧力発生室25内にはリザーバー23側からインク供給口24を通じてインクが供給される。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第1膨張ホールド要素P12の供給期間中に亘って維持される。その後、第1収縮要素P13が供給されて圧電振動子17が伸長する。この圧電振動子17の伸長により、圧力発生室25は、膨張容積から基準電位VHBに対応する基準容積まで急激に収縮される。この圧力発生室25の急激な収縮により圧力発生室25内のインクが加圧され、ノズル27からミドルドットに対応する量のインクが吐出される。
また、第1駆動信号COM1において期間T2で発生する第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2は、図5(b)に示すように、第1膨張要素P11と、第1膨張ホールド要素P12と、第1収縮要素P13と、から成り、基本的な構成は第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1と共通しているが、その第1膨張要素P11の時間幅Pw1′(第1膨張要素P11の始端から終端までの時間)が、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張要素P11の時間幅Pw1よりも短く設定されている点が異なっている。即ち、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張要素P11の時間幅を基準として、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張要素P11の時間幅が変更されている。本実施形態においては、Pw1′がPw1の70〜80%に設定されている。これにより、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張要素P11の電位変化の傾きが、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の場合よりも急峻になっている。このように第1膨張要素P11の電位変化の傾きを急峻にすると、圧力発生室25が短い時間でより急激に膨張するため、メニスカスをより大きく引き込むことができる。そして、この引き込みの反動により、ノズル27からは、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1により吐出されるインクの重量よりも大きい重量のインクが吐出される。例えば、大ドットの形成に必要なインクの総重量を100%とした場合に、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって吐出されるインク滴の重量が40%、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって吐出されるインク滴の重量が60%となるように、Pw1′を設定している。勿論、この比率は一例であって、これには限られない。
また、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1収縮要素P13の時間幅Pw3′が、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1収縮要素P13の時間幅Pw3よりも長く設定されている。これにより、第1収縮要素P13による圧力発生室25の収縮速度が緩やかになり、第2ドット吐出駆動パルスDPM2によって吐出されるインク滴の飛翔速度は、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって吐出されるインク滴の飛翔速度Vm1よりも低くなる。
次に、上記第2駆動信号COM2において期間T1で発生するスモールドット吐出駆動パルスDPSについて説明する。図5(c)に示すように、スモールドット吐出駆動パルスDPSは、第2膨張要素P21と、第2膨張ホールド要素P22と、第2収縮要素P23と、収縮ホールド要素P24と、第3膨張要素P25と、第3膨張ホールド要素P26と、第3収縮要素P27とから構成されている。第2膨張要素P21は、基準電位VHBから第3膨張電位VH3まで電位を上昇させる波形要素であり、第2膨張ホールド要素P22は、第3膨張電位VH3で一定な波形要素である。また、第2収縮要素P23は第3膨張電位VH3から第1中間電位VM1まで急激に電位を下降させる波形要素、収縮ホールド要素P24は第1中間電位VM1で一定な波形要素、第3膨張要素P25は第1中間電位VM1から第2中間電位VM2まで電位を上昇させる波形要素、第3膨張ホールド要素P26は第2中間電位VM2で一定な波形要素である。そして、第3収縮要素P27は第2中間電位VM2から基準電位VHBまで一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。
このように構成されたスモールドット吐出駆動パルスDPSが圧電振動子17に供給されると、まず、第2膨張要素P21によって圧電振動子17は素子長手方向に急速に収縮し、これに伴い島部32が圧力発生室25から離隔する方向に変位する。この島部32の変位により、圧力発生室25が基準容積から第3膨張電位VH3に対応する膨張容積まで急速に膨張する。この圧力発生室25の膨張により、圧力発生室25内には比較的強い負圧が発生し、メニスカスが圧力発生室25側に引き込まれると共に、リザーバー23側から圧力発生室25にインクが供給される。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第2膨張ホールド要素P22の供給期間中に亘って維持される。
その後、第2収縮要素P23が供給されて圧電振動子17が伸長する。この圧電振動子17の伸長により、島部32が圧力発生室25に近接する方向に急激に変位する。この島部32の変位により、圧力発生室25は、膨張容積から第1中間電位VM1に対応する吐出容積まで急激に収縮される。そして、この圧力発生室25の急激な収縮により圧力発生室25内のインクが加圧されてメニスカスの中央部分が吐出側に押し出される。続いて、収縮ホールド要素P24が供給され、吐出容積が僅かの間維持される。続いて、第3膨張要素P25により圧電振動子17が収縮することにより圧力発生室25の容積が再度僅かに膨張し、第3膨張ホールド要素P26を経て、第3収縮要素P27によって圧電振動子17が伸長し、圧力発生室25の容積が再度急激に収縮する。これらの収縮ホールド要素P24から第3収縮要素P27の供給期間中に、メニスカス中央部分が途中でちぎれ、この部分がスモールドットに対応する量のインクとして吐出される。
図5(d)は、第2駆動信号COM2において期間T2で発生される微振動パルスDPPの波形を示している。この微振動パルスDPPは、第4膨張要素P31と、第4膨張ホールド要素P32と、第4収縮要素P33とからなる。第4膨張要素P31は、基準電位VHBから第4膨張電位VH4までインクを吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、第4膨張ホールド要素P32は、第4膨張電位VH4で一定な波形要素である。第4収縮要素P33は、第4膨張電位VH4から基準電位VHBまで緩やかな一定勾配で電位を下降させる波形要素である。
このように構成された微振動パルスDPPが圧電振動子17に供給されると、まず、第4膨張要素P31によって圧電振動子17は素子長手方向に収縮し、圧力発生室25が基準電位VHBに対応する基準容積から第4膨張電位VH4に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、メニスカスが圧力発生室25側に引き込まれる。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第4膨張ホールド要素P32の供給期間中に亘って維持される。その後、第4収縮要素P33が供給されて圧電振動子17が伸長する。この圧電振動子17の伸長により、圧力発生室25は、膨張容積から基準電位VHBに対応する基準容積まで収縮される。ここで、基準電位VHBから第4膨張電位VH4までの電位差、すなわち微振動パルスDPPの駆動電圧は、スモールドット吐出駆動パルスDPSやミドルドット吐出駆動パルスDPMの駆動電圧よりも十分に低い値に設定されている。このため、この微振動パルスDPPを圧電振動子17に供給した場合、圧力発生室25には、ノズル27からインクが吐出されない程度の圧力振動が生じる。
次に、上記構成において画素データSIがデータ[11]の場合について説明する。この場合、本実施形態では、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データが[11]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データが[00]とされる。これにより、図4に示すように、期間T1では、第1駆動信号COM1の第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が、期間T2では、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が圧電振動子17にこの順で印加される。一方、この場合では第2駆動信号COM2の駆動パルスは何れも圧電振動子17に印加されない。その結果、記録周期Tにおいてノズル27からインクが2回連続して吐出され、これらのインクが着弾対象物上の画素領域に対して着弾することで大ドットが形成される。
ここで、上述したように、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張要素P11の時間幅Pw1′が、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張要素P11の時間幅Pw1よりも短く設定されているので、図6に示すように、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって先に吐出されるインク滴D1の重量(慣性質量)よりも、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって後から吐出されるインク滴D2の重量(慣性質量)の方が大きくなる。また、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1収縮要素P13の時間幅Pw3′が、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1収縮要素P13の時間幅Pw3よりも長く設定されているので、インク滴D2の飛翔速度Vm2は、インク滴D1の飛翔速度Vm1よりも低くなる。飛翔速度が遅いと、記録紙等の着弾対象物に着弾するまでの間に空気抵抗やその他の外乱を受け易いため着弾位置が安定しない傾向にあるが、このインク滴D2については、慣性質量が、先に吐出されるインク滴D1の慣性質量よりも大きいので、外乱の影響を受けにくくなり、その分、飛翔が安定する。これにより、着弾精度を向上させることができる。また、飛翔速度が遅いことから、インク滴D2の後端部が尾のように伸びること(尾引)が抑制されるので、ミストの発生を防止することができる。そして、インク滴D2は、先行するインク滴D1の尾を表面張力によって吸収しつつ着弾対象物上の画素領域に対して着弾して、これらのインク滴D1,D2によって大ドットが形成される。
画素データSIがデータ[10]の場合、本実施形態では、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データが[10]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データが[01]とされる。これにより、図2に示すように、期間T1では、第1駆動信号COM1の第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が、期間T2では、第2駆動信号COM2の微振動パルスDPPが圧電振動子17に順次印加される。その結果、記録周期Tにおいてノズル27からは中ドットに対応する量のインクが1回吐出され、着弾対象物上の画素領域に対して着弾して中ドットが形成される。そして、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によるインクの吐出後、微振動パルスDPPの第4膨張要素P31により、ノズル27のメニスカスが圧力発生室25側に速やかに引き込まれる。これにより、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって吐出されたインクの尾引が低減される。
次に、画素データSIがデータ[01]の場合、本実施形態では、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データが[00]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データが[11]とされる。これにより、図2に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2のスモールドット吐出駆動パルスDPSが、期間T2では、第2駆動信号COM2の微振動パルスDPPが圧電振動子17に順次印加される。その結果、記録周期Tにおいてノズル27からは小ドットに対応する量のインクが1回吐出され、着弾対象物上の画素領域に対して着弾して小ドットが形成される。この場合も、スモールドット吐出駆動パルスDPSによるインクの吐出後、微振動パルスDPPの第4膨張要素P31により、ノズル27のメニスカスが圧力発生室25側に速やかに引き込まれる。これにより、スモールドット吐出駆動パルスDPSによって吐出されたインクの尾引が低減される。
なお、ノズル27からインクを吐出しない非記録の場合、即ち、画素データSIがデータ[00]の場合、本実施形態では、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データが[00]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データが[01]とされる。これにより、図2に示すように、期間T1では、何れのパルスも圧電振動子17に印加されず、期間T2では、第2駆動信号COM2の微振動パルスDPPが圧電振動子17に印加される。これにより、記録周期Tにおいてノズル27ではインクが吐出されない程度の圧力振動が付与されてノズル27近傍のインクが攪拌され、インクの増粘が防止される。
以上のように、前後に連続する吐出駆動パルスDPM1,DPM2における後側の吐出駆動パルスである第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張要素P11の時間幅Pw1′を、前側の吐出駆動パルスである第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張要素P11の時間幅Pw1を基準として変更することにより、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって先に吐出されるインク滴D1の重量(慣性質量)よりも、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって後から吐出されるインク滴D2の重量(慣性質量)を大きくすることができ、これにより、ミストの発生を防止しつつ着弾精度を向上させることができる。その結果、記録画像等の画質の低下を防止することが可能となる。特に、尾引が生じやすいUVインク(紫外線硬化型インク)等の高粘度液体を吐出する構成に好適である。
また、上記実施形態では、規定のドットの一種である中ドットを形成するための第1駆動信号COM1の吐出駆動パルス(DPM1,DPM2)のうちの最も後側で圧電振動子に印加される吐出駆動パルスである第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の発生期間に対応する期間T2で第2駆動信号COM2の非吐出駆動パルスとしての微振動パルスDPPを発生する構成とし、これにより小ドット形成時と中ドット形成時には、吐出後のインクの尾引を微振動パルスDPPにより低減することができ、また、大ドット形成時には、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって慣性質量が大きいインク滴を吐出することで尾引を低減することができる。このため、大ドット形成時には微振動パルスDPPを用いる必要がなく、即ち、第1駆動信号COM1に微振動パルスDPPを含ませる必要がないので、その分、吐出周期を短くすることができる。これにより、駆動周波数を高めることができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
各駆動信号COM1,COM2の各駆動パルスの波形構成に関し、上記実施形態で例示したものには限られず、本発明は、種々の波形の駆動パルスを用いることができる。
また、上記実施形態では、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張要素P11の時間幅Pw1′を、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張要素P11の時間幅Pw1を基準として変更することにより、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1によって先に吐出されるインク滴D1の重量よりも、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって後から吐出されるインク滴D2の重量を大きくする構成を例示したが、これには限られない。
例えば、図7に示す第2実施形態では、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1膨張ホールド要素P12の時間幅Pw2′を、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1膨張ホールド要素P12の時間幅Pw2を基準として変更することにより、先に吐出されるインク滴D1の重量よりも、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって後から吐出されるインク滴D2の重量大きくする構成を採用することもできる。即ち、この構成では、第1膨張要素P11により圧力発生室25が膨張された後、第1収縮要素P13により圧力発生室25が収縮されるタイミングを、第1膨張ホールド要素P12の時間幅の設定により変えることで、ノズル27から吐出されるインクの重量を変化させることができる。より具体的には、第1膨張要素P11により圧力発生室25が膨張されたときに生じる圧力振動によってメニスカスがより圧力発生室側に引き込まれたタイミングで第1収縮要素P13により圧力発生室25を収縮するように時間幅Pw2′を設定することにより、ノズルから吐出されるインク滴の重量を増加させることができる。
また、図8に示す第3実施形態のように、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1収縮要素P13の時間幅Pw3′を、前側の吐出駆動パルスである第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の第1収縮要素P13の時間幅Pw3を基準として変更することにより、先に吐出されるインク滴D1の重量よりも、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって後から吐出されるインク滴D2の重量を大きくする構成を採用しても良い。この構成では、本実施形態においては、Pw3′をPw3の70〜80%に設定している。これにより、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2の第1収縮要素P13の電位変化の傾きが、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1の場合よりも急峻になる。このように第1収縮要素P13の電位変化の傾きを急峻にすると、圧力発生室25が短い時間でより急激に収縮するため、メニスカスが吐出側により大きく押し出される。これにより、ノズル27からは、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1により吐出されるインクの重量よりも大きい重量のインクが吐出される。この場合、第1膨張要素P11の時間幅或いは第1膨張ホールド要素P12の時間幅を調整することで、インクの飛翔速度を低下させることができる。
要は、前後に連続する吐出駆動パルスにおける後側の吐出駆動パルスの第1膨張要素P11(圧力発生室膨張要素)、第1膨張ホールド要素P12(膨張維持要素)、又は第1収縮要素P13(吐出要素)のうち少なくとも一つの波形要素の時間幅を、当該波形要素に対応する前側の吐出駆動パルスの波形要素の時間幅を基準として変更することにより、後側の吐出駆動パルスによって吐出されるインクの重量が前側の吐出駆動パルスの場合よりも増加するように構成すれば良い。したがって、上記各実施形態の構成を組み合わせることも可能である。このような波形要素の設定の組み合わせにより、例えば、圧力発生室内のインクに生じる圧力振動の固有周期が記録ヘッド毎に異なる場合においても、固有周期に応じて波形要素を設定することにより柔軟に対応することができ、その結果、記録ヘッド間で吐出特性を揃えることが可能となる。
また、上記各実施形態では、大ドットを形成する場合、第1駆動信号COM1の2つのミドルドット吐出駆動パルスDPM1,DPM2を用いる構成を例示したが、これには限られず、例えば、3つ以上のミドルドット吐出駆動パルスを用いて大ドットを形成する構成においても本発明を適用することができる。
さらに、大ドットを形成する場合に限らず、中ドットや小ドットを形成する場合においても、複数の駆動パルスを用いる構成を採用することも可能である。つまり、例えば、中ドットを、複数の小ドット吐出駆動パルスによって形成する構成においても、本発明を適用することができる。つまり、規定のドットを形成するための複数の吐出駆動パルスのうち、より後側で圧電振動子17に印加される吐出駆動パルスほど、吐出されるインク滴の慣性質量が大きくなるように構成すれば良い。
また、上記各実施形態では、圧力発生素子として、所謂縦振動型の圧電振動子17を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
そして、本発明は、複数の駆動信号を用いて吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,17…圧電振動子,25…圧力発生室,27…ノズル,41…制御部,43…駆動信号発生回路

Claims (2)

  1. ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
    圧力発生素子を駆動してノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを複数含む駆動信号を繰り返し発生する駆動信号発生手段と、
    を備え、前記駆動信号に含まれる吐出駆動パルスを複数連続して前記圧力発生素子に順次印加することで着弾対象物上に規定のドットを形成する液体吐出装置であって、
    前記各吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む圧力発生室膨張要素と、当該圧力発生室の膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素と、膨張状態の圧力発生室を収縮させてノズルから液体を吐出させる吐出要素と、を含むパルス波形であり、
    前後に連続する吐出駆動パルスにおける後側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅を、前側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅よりも長くし、
    後側の吐出駆動パルスの圧力発生室膨張要素、又は膨張維持要素うち少なくとも一つの波形要素の時間幅を、当該波形要素に対応する前側の吐出駆動パルスの波形要素の時間幅を基準として変更することにより、後側の吐出駆動パルスによって吐出される液体の重量が前側の吐出駆動パルスの場合よりも増加するように構成されたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、圧力発生素子を駆動してノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを複数含む駆動信号を繰り返し発生する駆動信号発生手段と、を備え、前記駆動信号に含まれる吐出駆動パルスを複数連続して前記圧力発生素子に順次印加することで着弾対象物上に規定のドットを形成する液体吐出装置の制御方法であって、
    前記各吐出駆動パルスは、前記圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む圧力発生室膨張要素から始まるパルス波形であり、
    前後に連続する吐出駆動パルスにおける後側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅を、前側の吐出駆動パルスの吐出要素の時間幅よりも長くし、
    後側の吐出駆動パルスの圧力発生室膨張要素、又は膨張維持要素うち少なくとも一つの波形要素の時間幅を、当該波形要素に対応する前側の吐出駆動パルスの波形要素の時間幅を基準として変更することにより、後側の吐出駆動パルスによって吐出される液体の重量が前側の吐出駆動パルスの場合よりも増加するようにしたことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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