JP5402656B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものであり、特に、駆動信号に含まれる駆動パルスを圧力発生手段に印加することにより液体の吐出を制御可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものである。
液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを記録紙等の記録媒体(着弾対象物)に対して吐出・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
上記プリンターは、吐出駆動パルスを圧力発生手段(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加してこれを駆動することにより圧力室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力室に連通するノズルから液滴を吐出させるように構成されたものがある。例えば、特許文献1に開示されているプリンターでは、ノズルのメニスカスを圧力室側に最大限引き込む準備の膨張工程と、この状態を保持してインク滴の吐出のタイミングを図るホールド工程と、圧力室の収縮によってインク滴を吐出させるための第1の収縮工程と、吐出動作の反動によるメニスカスの引き込みを低減するための第2の収縮工程と、を含む駆動パルス(駆動波形)が用いられている。即ち、膨張工程でメニスカスを圧力室側に引き込んだ後、圧力室側を収縮させることにより、メニスカスの引き込みの反動を利用してインク滴を吐出させることができるようになっている。
ところで、上記の駆動パルスのように、圧力室を単に膨張・収縮させてインクを吐出する構成では、従来家庭などで使用されていたインクジェットプリンターにおけるインク等の液体よりも粘度の高い液体(以下、高粘度液体ともいう)を用いたときに微小な液滴を吐出することが困難であった。即ち、膨張工程においてメニスカスが急激に圧力室側に引き込まれると、ノズル内周面の影響を受け難い中央部ほどより速い速度で圧力室側に移動する一方、ノズル内周面に近い部分(以下、この部分を境界層と呼ぶ)ほどその粘性が影響して圧力変化に追従し難いため移動速度が遅くなる。このため、従来の膨張工程では境界層を含めてメニスカス全体を大きく引き込むことができない。
数ngの微小なインク滴を吐出するには、境界層を含めてメニスカス全体を大きく引き込み、その反動でメニスカス中央部を吐出側に押し出して、この中央部だけを切り離して吐出させる必要がある。しかしながら、メニスカス全体を圧力室側に大きく引き込めないと、メニスカスの中央部を押し出して吐出する際に、中央部だけでなくその周囲の部分も一緒に吐出されることになる。このため、インク滴の微小化が困難となる。また、境界層の圧力室側への慣性移動により中央部分がつられて引っ張られてしまい、インク滴の飛翔速度が低下する虞がある。インク滴の飛翔速度が低下すると飛翔方向が曲がり、記録紙等の着弾対象において正規の着弾位置(本来目標とする着弾位置)から離れた位置にインク滴が着弾する可能性があった。また、吐出されたインク滴が着弾対象に着弾せずにミスト化してしまう可能性もあった。
また、高粘度のインクでは、ノズルから吐出された際にインクの進行方向における後端部が尾のように伸びる現象(尾曳)がより顕著になる傾向にある。そして、この尾の部分がインク滴本体から分離して飛翔し、着弾対象物において正規の位置に着弾しない虞があった。例えば、インクジェットプリンターでは、尾の部分がミストになって正規の位置からずれて着弾してドットが分離し、これにより、画質の劣化が生じるという問題があった。特に、高粘度液体では、尾の部分が幾つにも分離することにより、これらの複数に分離した部分(サテライトインク滴或いはミスト)が画質を著しく低下させる原因となっていた。
このため、より効果的に微小なインク滴を吐出するべく、上記の膨張工程を2回に分けて行い、1回目の膨張工程では比較的緩やかに圧力室の膨張を行い、2回目の膨張工程では1回目の膨張工程よりも強い圧力で圧力室の膨張を行う構成の駆動パルスが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この構成では、1回目の膨張工程でメニスカス全体を圧力室側に大きく引き込むことができ、その後の2回目の膨張工程でメニスカスの中央部分を急激に引き込んでから吐出することでインク滴を微小化することができる。
特許第3412682号公報 特開2003−118116号公報
しかしながら、同種の記録ヘッドに対して一律に同一の駆動パルスを使用した場合、吐出特性、具体的には、吐出されるインク滴の飛翔速度や重量が、記録ヘッド間でばらつくという問題がある。これは、記録ヘッド毎に圧力室内に生じる圧力振動の周期(固有振動周期Tc)が異なることに起因している。つまり、同種の記録ヘッドであっても、製造時時の寸法誤差等に応じて固有の振動周期Tcがそれぞれ異なる。この振動周期Tcは、次式(1)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc]・・・(1)
但し、式(1)において、Mnはノズルにおけるイナータンス、Msはリザーバーから圧力室に通じるインク供給口におけるイナータンス、Ccは圧力室のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。上記式(1)において、イナータンスMとは、流路におけるインクの移動し易さを示し、単位断面積あたりのインクの質量である。そして、インクの密度をρ、流路のインク流れ方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(2)で近似して表すことができる。
イナータンスM=(密度ρ×長さL)/断面積S ・・・ (2)
なお、Tcは上記式(1)に限らず、記録ヘッドの構造によっては異なる場合がある。
そして、圧力室の膨張又は収縮にメニスカスの動きを追従させて効率良く動かすには、上記Tcを考慮しつつ圧力室の膨張速度又は収縮速度を設定する必要がある。即ち、例えば、ある記録ヘッド(以下、基準ヘッド)の固有振動周期Tcxに基づいて、最適な吐出特性が得られるように圧力室膨張工程における圧力室の膨張速度が定められた場合、このTcxよりも小さい固有振動周期Tcの記録ヘッドでは、圧力室を膨張させたときのメニスカスの中央部の反応が大きい(即ち、圧力室側に素早く引き込まれる)のに対し、境界層は粘性により中央部よりも遅れて圧力室側に引き込まれる傾向にある。そして、この記録ヘッドでは、基準ヘッドの場合と比較して、境界層が圧力室側に十分に引き込まれない状態でインク滴を吐出することになるので、境界層の圧力室側への慣性力がメニスカス中央部に作用することによりインク滴の飛翔速度が不足する。一方、上記Tcxよりも大きい固有振動周期Tcを持つ記録ヘッドでは、圧力室の膨張時にメニスカス全体がゆっくり引き込まれる傾向にあるので、中央部と境界層の両方が圧力室側に十分に引き込まれた状態でインク滴の吐出が行われるが、基準ヘッドの場合と比較してノズルから吐出される部分が多くなるため、吐出されるインク滴の重量が過多になってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吐出ヘッドの個体差に拘わらず安定して液滴の微小化を図ることが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
[適用例1]ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、前記圧力発生手段の作動によって前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備え、前記吐出駆動パルスは、前記圧力室を膨張させて前記ノズルにおけるメニスカスを前記圧力室側に引き込む圧力室膨張要素と、前記圧力室膨張要素によって膨張された前記圧力室を収縮させて前記メニスカスを吐出側に押し出す圧力室収縮要素と、前記圧力室を再度膨張させる再膨張要素と、を少なくとも含む電圧波形であり、前記圧力室膨張要素は、第1の電位変化率で電位が変化することで前記圧力室を膨張させる前側膨張要素と、前記前側膨張要素の後に発生し、前記第1の電位変化率よりも大きい第2の電位変化率で電位が変化することで前記圧力室をさらに膨張させる後側膨張要素と、前記前側膨張要素と前記後側膨張要素との間に発生し、前記前側膨張要素の終了時の電位を維持する膨張維持要素と、を含み、前記前側膨張要素の開始時から前記後側膨張要素の開始時までの時間Tが、前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて、以下の式を満たすように定められるとともに、前記膨張維持要素の開始時から終了時までの時間tが、前記後側膨張要素の開始時における前記メニスカスの中央部の移動方向と前記メニスカスの前記ノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められることを特徴とする液体吐出装置。
0.5Tc≦T≦Tc …(1)
この構成によれば、圧力室膨張要素が、第1の電位変化率で電位が変化して圧力室を膨張させる前側膨張要素と、前側膨張要素の後に発生し、第1の電位変化率よりも大きい第2の電位変化率で電位が変化して圧力室をさらに膨張させる後側膨張要素と、を含み、前側膨張要素の開始時点から後側膨張要素の開始時点までの時間Tが、圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて定められる。これにより、液体吐出ヘッドの吐出特性のばらつきを抑制しつつ吐出される液滴の微小化をより図ることができる。特に、吐出する際の粘度が十数mPas以上の高粘度の液体を吐出する場合に、液体の粘性の影響を抑えて液滴の微小化を図ることができる。
また、前側膨張要素と後側膨張要素との間に発生し、前側膨張要素の終了時の電位を維持する膨張維持要素を含み、膨張維持要素の開始時から終了時までの時間tが、後側膨張要素の開始時におけるメニスカスの中央部の移動方向とメニスカスのノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められる。これにより、前側膨張要素により主にメニスカスの中央部が圧力室側に引き込まれた後に、膨張状態を維持することにより、メニスカスの中央部の振動の位相とメニスカスの境界層の振動の位相とが揃うタイミングを計ることができる。
[適用例2]ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、前記圧力発生手段の作動によって前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、前記圧力室を膨張させて前記ノズルにおけるメニスカスを前記圧力室側に引き込む圧力室膨張工程と、前記圧力室膨張工程によって膨張された前記圧力室を収縮させて前記メニスカスを吐出側に押し出す圧力室収縮工程と、前記圧力室を再度膨張させる再膨張工程と、を少なくとも含み、前記圧力室膨張工程は、第1の膨張速度で前記圧力室を膨張させる前側膨張工程と、前記前側膨張工程の後に実行し、前記第1の膨張速度よりも速い第2の膨張速度で前記圧力室を膨張させる後側膨張工程と、前記前側膨張工程と前記後側膨張工程との間に実行し、前記前側膨張工程の終了時の電位を維持する膨張維持工程と、を含み、前記前側膨張工程の開始時から前記後側膨張工程の開始時までの時間Tが、前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて、以下の式を満たすように定められるとともに、前記膨張維持工程の開始時から終了時までの時間tが、前記後側膨張工程の開始時における前記メニスカスの中央部の移動方向と前記メニスカスの前記ノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められることを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
0.5Tc≦T≦Tc …(1)
この構成によれば、圧力室膨張工程が、第1の膨張速度で圧力室を膨張させる前側膨張工程と、当該前側膨張工程の後に実行され、第1の膨張速度よりも速い第2の膨張速度で圧力室を膨張させる後側膨張工程と、を含み、前側膨張工程の開始時から後側膨張工程の開始時までの時間が、圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて定められる。これにより、液体吐出ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑制しつつ吐出される液滴の微小化をより図ることができる。特に、吐出する際の粘度が十数mPas以上の高粘度の液体を吐出する場合に、液体の粘性の影響を抑えて液滴の微小化を図ることができる。
また、前側膨張工程と後側膨張工程との間に実行し、前側膨張工程の終了時の電位を維持する膨張維持工程を含み、膨張維持工程の開始時から終了時までの時間tが、後側膨張工程の開始時におけるメニスカスの中央部の移動方向とメニスカスのノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められる。これにより、前側膨張工程により主にメニスカスの中央部が圧力室側に引き込まれた後に、膨張状態を維持することにより、メニスカスの中央部の振動の位相とメニスカスの境界層の振動の位相とが揃うタイミングを計ることができる。
プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 吐出駆動パルスの構成を説明する波形図である。 時間Tを変えたときの吐出特性の変化を観察した結果を示す表である。 (a)〜(d)は、インク滴を吐出する際のメニスカスの動きを示す模式図である。 (a)、(b)は、インク滴を吐出する際のメニスカスの動きを示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンターの電気的な構成を示すブロック図である。このプリンターは、プリンターコントローラー1とプリントエンジン2とで概略構成されている。プリンターコントローラー1は、ホストコンピューター等の外部装置との間でデータの授受を行う外部インターフェース(外部I/F)3と、各種データ等を記憶するRAM4と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM5と、各部の制御を行う制御部6と、クロック信号を発生する発振回路7と、記録ヘッド10へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路8と、ドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド10に出力するための内部インターフェース(内部I/F)9とを備えている。
制御部6は、各部の制御を行うほか、外部装置から外部I/F3を通じて受信した印刷データを、ドットパターンデータに変換し、このドットパターンデータを内部I/F9を通じて記録ヘッド10側に出力する。このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。また、制御部6は、発振回路7からのクロック信号に基づいて記録ヘッド10に対してラッチ信号やチャンネル信号等を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号に含まれるラッチパルスやチャンネルパルスは、駆動信号を構成する各パルスの供給タイミングを規定する。
駆動信号発生回路8は、制御部6によって制御され、圧電振動子20を駆動するための駆動信号を発生する。本実施形態における駆動信号発生回路8は、インク滴(液滴の一種)を吐出して記録紙(着弾対象物の一種)上にドットを形成するための吐出駆動パルスや、ノズル37(図2参照)に露出したインク(液体の一種)の自由表面、即ち、メニスカスを微振動させてインクを攪拌するための微振動パルス等を一記録周期内に含む駆動信号COMを発生するように構成されている。
次に、プリントエンジン2側の構成について説明する。プリントエンジン2は、記録ヘッド10と、キャリッジ移動機構12と、紙送り機構13と、リニアエンコーダー14とから構成されている。記録ヘッド10は、シフトレジスター(SR)15、ラッチ16、デコーダー17、レベルシフター(LS)18、スイッチ19、及び圧電振動子20を備えている。プリンターコントローラー1からのドットパターンデータSIは、発振回路7からのクロック信号CKに同期して、シフトレジスター15にシリアル伝送される。このドットパターンデータは、2ビットのデータであり、例えば、非記録(微振動)、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調の記録階調(吐出階調)を表す階調情報によって構成されている。具体的には、非記録は階調情報「00」、小ドットは階調情報「01」、中ドットが階調情報「10」、大ドットが階調情報「11」と表される。
シフトレジスター15には、ラッチ16が電気的に接続されており、プリンターコントローラー1からのラッチ信号(LAT)がラッチ16に入力されると、シフトレジスター15のドットパターンデータをラッチする。このラッチ16にラッチされたドットパターンデータは、デコーダー17に入力される。このデコーダー17は、2ビットのドットパターンデータを翻訳してパルス選択データを生成する。このパルス選択データは、駆動信号COMを構成する各パルスに各ビットを夫々対応させることで構成されている。そして、各ビットの内容、例えば、「0」,「1」に応じて圧電振動子20に対する吐出駆動パルスの供給又は非供給が選択される。
そして、デコーダー17は、ラッチ信号(LAT)又はチャンネル信号(CH)の受信を契機にパルス選択データをレベルシフター18に出力する。この場合、パルス選択データは、上位ビットから順にレベルシフター18に入力される。このレベルシフター18は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合、スイッチ19を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフター18で昇圧された「1」のパルス選択データは、スイッチ19に供給される。このスイッチ19の入力側には、駆動信号発生回路8からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ19の出力側には、圧電振動子20が接続されている。
そして、パルス選択データは、スイッチ19の作動、つまり、駆動信号中の駆動パルスの圧電振動子20への供給を制御する。例えば、スイッチ19に入力されるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ19が接続状態になって、対応する吐出駆動パルスが圧電振動子20に供給され、この吐出駆動パルスの波形に倣って圧電振動子20の電位レベルが変化する。一方、パルス選択データが「0」である期間中は、レベルシフター18からはスイッチ19を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ19は切断状態となり、圧電振動子20へは吐出駆動パルスが供給されない。
このような動作を行うデコーダー17、レベルシフター18、スイッチ19、制御部6、及び駆動信号発生回路8は、吐出制御手段として機能し、ドットパターンデータに基づき、駆動信号の中から必要な吐出駆動パルスを選択して圧電振動子20に印加(供給)する。その結果、圧電振動子20が伸長又は収縮し、この圧電振動子20の伸縮に伴って圧力室35(図2参照)が膨張又は収縮することにより、ドットパターンデータを構成する階調情報に応じた量のインク滴がノズルから吐出される。
図2は、上記記録ヘッド10(液体吐出ヘッドの一種)の構成を説明する要部断面図である。この記録ヘッド10は、ケース23と、このケース23内に収納される振動子ユニット24と、ケース23の底面(先端面)に接合される流路ユニット25等を備えている。上記のケース23は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット24を収納するための収納空部26が形成されている。振動子ユニット24は、圧力発生手段の一種として機能する圧電振動子20と、この圧電振動子20が接合される固定板28と、圧電振動子20に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル29とを備えている。圧電振動子20は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向(電界方向)に直交する方向に伸縮可能(電界横効果型)な縦振動モードの圧電振動子である。
流路ユニット25は、流路形成基板30の一方の面にノズルプレート31を、流路形成基板30の他方の面に振動板32をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット25には、リザーバー33(共通液体室)と、インク供給口34と、圧力室35と、ノズル連通口36と、ノズル37とを設けている。そして、インク供給口34から圧力室35及びノズル連通口36を経てノズル37に至る一連のインク流路が、各ノズル37に対応して形成されている。
上記ノズルプレート31は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル37が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート31には、ノズル37を列設してノズル列(ノズル群)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル37によって構成される。
上記振動板32は、支持板38の表面に弾性体膜39を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板38とし、この支持板38の表面に樹脂フィルムを弾性体膜39としてラミネートした複合板材を用いて振動板32を作製している。この振動板32には、圧力室35の容積を変化させるダイヤフラム部40が設けられている。また、この振動板32には、リザーバー33の一部を封止するコンプライアンス部41が設けられている。
上記のダイヤフラム部40は、エッチング加工等によって支持板38を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部40は、圧電振動子20の自由端部の先端面が接合される島部42と、この島部42を囲う薄肉弾性部43とからなる。上記のコンプライアンス部41は、リザーバー33の開口面に対向する領域の支持板38を、ダイヤフラム部40と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー33に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部42には圧電振動子20の先端面が接合されているので、この圧電振動子20の自由端部を伸縮させることで圧力室35の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室35内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド10は、この圧力変動を利用してノズル37からインク滴を吐出させるようになっている。
図3は、上記構成の駆動信号発生回路8が発生する駆動信号COMに含まれる吐出駆動パルスDPの構成を説明する波形図である。例示した吐出駆動パルスDPは、本実施形態におけるプリンターにおいて吐出可能なインク滴のうち最もサイズの小さいインク滴を吐出するための吐出駆動パルス(小ドット吐出駆動パルス)である。この吐出駆動パルスDPは、基準電位VLから第1膨張電位VH1まで電位が上昇して圧力室35を基準容積から最大膨張容積まで膨張させる圧力室膨張要素p1と、圧力室35の膨張状態を一定時間維持する第1膨張電位VH1で一定な第1ホールド要素p2と、第1膨張電位VH1から収縮電位VL2まで一定勾配で電位が降下して圧力室35を収縮させる第1収縮要素p3(圧力室収縮要素)と、圧力室35の収縮状態を維持する収縮電位VL2で一定な第2ホールド要素p4と、収縮電位VL2から第2膨張電位VH2まで電位が上昇して圧力室35を再度膨張させる再膨張要素p5と、圧力室35の膨張状態を一定時間維持する第2膨張電位VH2で一定な第3ホールド要素p6と、第2膨張電位VH2から基準電位VLまで一定勾配で電位が降下して圧力室35を収縮させて基準容積まで復帰させる第2収縮要素p7と、を含んで構成されている。
ここで、吐出駆動パルスDPにおける圧力室膨張要素p1は、圧力室35の膨張の過程で膨張速度を変えるように構成されている。即ち、圧力室膨張要素p1は、第1の変化率で電位が変化する前側膨張要素p1aと、この前側膨張要素p1aよりも後で発生されて第1の変化率よりも大きい第2の変化率、例えば、従来の微小インク用吐出駆動パルスの圧力室膨張要素の電位変化率と同程度の変化率で電位が変化する後側膨張要素p1bと、前側膨張要素p1aと後側膨張要素p1bとの間に発生されて前側膨張要素p1aの終了時の電位を時間tに示す一定時間維持する膨張維持要素p1cと、から構成されている。前側膨張要素p1aは、基準電位VLから中間電位VM1まで電位が上昇して圧力室35を基準容積(膨張又は収縮の基準となる容積)から第1中間膨張容積まで比較的緩やかに膨張させる波形要素である。膨張維持要素p1cは、中間電位VM1で一定な波形要素であり、圧力室35の第1中間膨張容積を一定時間維持する。後側膨張要素p1bは、中間電位VM1から第1膨張電位VH1まで電位を上昇させて圧力室35を第1中間膨張容積から最大膨張容積まで比較的急峻に膨張させる波形要素である。
また、前側膨張要素p1aの始端から後側膨張要素p1bの始端までの時間T、つまり、前側膨張工程の開始時から後側膨張工程の開始時までの時間Tが、以下の式(A)を満たすように定められる。なお、前側膨張要素p1aの始端電位(基準電位VL)から終了時の電位(中間電位VM1)までの電位差は、固有振動周期Tcに拘わらず一定に維持される。
0.5Tc≦T≦Tc …(A)
即ち、この時間Tは、圧力室内のインクに生じる固有振動周期Tcに応じて定められている。
図5(a)〜(d)は、インク滴を吐出する際のメニスカスの動きを示す模式図である。図における矢印はメニスカスの移動方向を示す。時間Tが上記式(A)の範囲内に設定されるのは、ノズル37におけるストレート部37a(図5(a)参照)においてメニスカスを圧力室35側に移動させる(引き込む)際に、圧力室内の圧力変化に対するメニスカスの反応速度を考慮して、速く引き過ぎる又は遅く引き過ぎることを防止するためである。より詳しくは、メニスカスの中央部と境界層との速度差を抑えつつメニスカス全体を圧力室側へ引き込むことを目的としている。この時間Tにおいて、膨張維持要素p1cの発生時間tについては、前側膨張要素p1aの発生時間に対して十分短く設定される。なお、固有振動周期Tcの測定方法については、種々の周知の方法を用いることができる。
上記吐出駆動パルスDPが圧電振動子20に印加されると次のように作用する。まず、圧力室膨張要素p1の前側膨張要素p1aにより圧電振動子20が収縮して、基準電位VLに対応する最小容積から中間電位VM1で規定される第1中間膨張容積まで圧力室35が緩やかに膨張する(前側緩膨張工程)。これにより、図5(a)に示すように、メニスカスが圧力室35側に比較的ゆっくりとした速度で引き込まれる。このようにメニスカスをゆっくり引き込むことにより、メニスカスにおける中央部とノズル内周面近傍の境界層との移動速度差を抑えつつメニスカスを全体的に圧力室側に移動させることができる。
この膨張の後、膨張維持要素p1cによって圧力室35の膨張状態が一定時間維持される。この一定時間は、後述する後側膨張要素p1bの開始時において、メニスカスの中央部の移動方向とメニスカスのノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対の状態でなくなる期間である。これにより、図5(b)に示すように、メニスカスの中央部と境界層の振動の位相が揃うまで待つことができる。
続いて、内径が一定なストレート部37aと圧力室35側に向けて次第に内径が大きくなるテーパー部37bとの境界を越える程度までメニスカスが引き込まれたタイミングで、圧力室膨張要素p1の後側膨張要素p1bが圧電振動子20に印加される。この後側膨張要素p1bにより、圧電振動子20が収縮して圧力室35が第1中間膨張容積から最大膨張容積まで急激に膨張する(後側膨張工程)。これにより、図5(c)に示すように、メニスカス全体が、前側緩膨張工程よりも速い速度で圧力室35側に大きく引き込まれる。この圧力室35の膨張状態は、第1ホールド要素p2の供給期間中に亘って維持される。その後、第1収縮要素p3が圧電振動子20に印加されることにより圧電振動子20が急激に伸長して圧力室35の容積が最大膨張容積から収縮電位VL2に対応する収縮容積まで収縮する(第1の収縮工程。圧力室収縮工程に相当)。この圧力室35の急激な収縮によって圧力室35内のインクが加圧され、これにより、図5(d)に示すように、圧力変動に追従し易いメニスカスの中心部分が吐出側に押し出されて柱状に盛り上がる(以下、この部分を柱状部という。)。そして、圧力室35の収縮状態は、第2ホールド要素p4の供給期間に亘って維持される。
その後、再膨張要素p5が圧電振動子20に印加され、これにより、圧電振動子20が収縮して圧力室35が収縮容積から第2膨張電位VH2に対応する第2膨張容積まで急激に再度膨張する(再膨張工程)。これにより、図6(a)に示すように、メニスカスにおける柱状部の周囲の部分が、比較的速い速度で圧力室35側に引き込まれる。一方、柱状部は、第1の収縮工程で吐出側に押し出されたときの慣性力により、吐出側に移動を続ける。この際、柱状部は、最大限まで伸びる。このときの圧力室35の膨張状態は、第3ホールド要素p6の供給期間中に亘って維持される。
その後、図6(b)に示すように、柱状部分が途中で千切れて、メニスカスから分離した部分が、ノズル37の内径よりも小さい径の微小な数pl(pico liter)のインク滴としてノズル37から吐出される。そして、第3ホールド要素p6の後に続いて、インク滴の吐出による反動でメニスカスが圧力室35側に引き込まれるタイミングで、第2収縮要素p7が圧電振動子20に印加されて圧電振動子20が伸長すると、圧力室35が第2膨張電位VH2で規定される第2膨張容積から基準容積まで収縮する(第2の収縮工程)。これにより、メニスカスが圧力室側に引き込まれることが抑えられて、メニスカスの残留振動が抑制されると共に、メニスカスが吐出されたインク滴に近づけられることで余分なインクがメニスカスに吸収され、これにより、吐出されたインク滴の後端部の尾のように伸びること(尾曳)が抑制される。
ここで、記録ヘッド10の流路中で最も内径が小さい部分、即ち、ノズル37のストレート部37a内でメニスカスを移動させるときに、メニスカス中央部と境界層の引き込み速度に差が生じやすい。このため、上記のように、ストレート部37a内でメニスカスを移動させる工程(波形要素)に係る時間Tを固有振動周期Tcに応じて定めることにより、記録ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑制しつつインク滴の微小化を図ることが可能となる。この点について、以下に具体例を挙げて説明する。
図4は、例えば、記録ヘッド10の固有振動周期Tcが8μsである場合に、上記時間Tを変えたときの吐出特性の変化を観察した結果を示す表である。なお、合否判定の記号は、吐出特性の記録画像等の画質への影響について示すものである。具体的には、×は記録画像等の画質を損なう可能性があることを示す判定である。△は、記録画像等の画質に影響が生じる可能性があるが、許容される程度であることを示す判定である。○は、記録画像の理想的な画質が得られることを示す判定である。
上記表において、上記式(A)を満たすのは、Tが4〜8の場合である(適用範囲)。この適用範囲においては、吐出されるインク滴の飛翔速度に関し、許容範囲内(6〜8.7(m/s))の値が得られた。また、この適用範囲において、吐出されるインク滴の重量に関しても、許容範囲内(3.2〜5ng)の値が得られた。そして、適用範囲内の場合には、記録画像等の画質についても、概ね良好な結果が得られた。
これに対し、Tが上記式(A)で規定されている範囲よりも小さい場合(T<Tc/2)、特にインク滴の飛翔速度が不足する傾向にあり、記録画像等の画質が損なわれる、若しくは、記録画像に影響が生じる可能性がある結果となった。この場合、圧力室35を膨張させたときのメニスカスの中央部の反応が大きい(即ち、圧力室側に素早く引き込まれる)のに対し、ノズル内周面に近い境界層は、粘性の影響により中央部よりも遅れて圧力室側に引き込まれる傾向となる。そして、適用範囲の場合と比較して、境界層が圧力室側に十分に引き込まれない状態でインク滴が吐出されるので、境界層の圧力室側への慣性力がメニスカス中央部に作用することによりインク滴の飛翔速度が不足する。
また、Tが上記式(A)で規定されている範囲よりも大きい場合、特にインク滴の重量が過多となる傾向にあり、記録画像等の画質が損なわれる結果となった。この場合、圧力室35の膨張時にメニスカス全体がゆっくり引き込まれる傾向にあるので、メニスカス中央部と境界層の両方が圧力室側に十分に引き込まれた状態でインク滴の吐出が行われるものの、適用範囲の場合と比較して中央部と一緒にノズル37から吐出される部分が多くなるため、吐出されるインク滴の重量が多くなってしまう。
以上により、本発明によれば、記録ヘッド10毎に固有の振動周期Tcに応じて時間Tを固有振動周期Tcに応じて定めることにより、記録ヘッドの個体差に拘わらずノズル37におけるメニスカスを引き込む際に、中央部と境界層との引き込み速度の差を抑制することができるので、記録ヘッド毎の吐出特性のばらつきを抑制しつつインク滴の微小化を図ることが可能となる。特に、吐出する際の粘度が十数mPas以上の高粘度の液体を吐出する場合に、液体の粘性の影響を抑えて液滴の微小化を図ることができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記実施形態では、本発明における吐出駆動パルスの一例として、図3に示す吐出駆動パルスDPを挙げて説明したが、吐出駆動パルスの形状はこれには限られない。要は、少なくとも、圧力室を予備的に膨張させるための圧力室膨張要素p1と、膨張した圧力室を収縮させてメニスカスを押し出すための第1収縮要素p3(圧力室収縮要素)と、その後圧力室を膨張させる再膨張要素p5とを含み、圧力室膨張要素p1が前側膨張要素と後側膨張要素とを含む構成の吐出駆動パルスであれば、任意の波形のものを用いることができる。
例えば、吐出駆動パルスにおいて、第1収縮要素p3の終了時の電位である収縮電位VL2、第2収縮要素p7の終端電位が基準電位VLよりも低くてもよい。各要素の電位差は、吐出インク滴の量や、吐出後に圧力室35内のインクに生じる振動の大きさなどに応じて定められる。
また、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電振動子20を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電振動子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
さらに、ノズル37の形状に関し、上記実施形態では、内径が一定なストレート部37aと圧力室35側に向けて次第に内径が大きくなるテーパー部37bとから構成されるノズルを例示したがこれには限られない。要は、吐出側よりも圧力室側の断面積が大きくなっているような構造のノズルであれば良い。
そして、本発明は、吐出駆動パルスを用いて液体の吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンターコントローラー、2…プリントエンジン、6…制御部、8…駆動信号発生回路、10…記録ヘッド、20…圧電振動子、24…振動子ユニット、35…圧力室、37…ノズル、DP…吐出駆動パルス、p1…圧力室膨張要素、p1a…前側膨張要素、p1b…後側膨張要素、p1c…膨張維持要素、p3…第1収縮要素、p5…再膨張要素、T…時間、Tc…固有振動周期。

Claims (2)

  1. ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、前記圧力発生手段の作動によって前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備え、
    前記吐出駆動パルスは、前記圧力室を膨張させて前記ノズルにおけるメニスカスを前記圧力室側に引き込む圧力室膨張要素と、前記圧力室膨張要素によって膨張された前記圧力室を収縮させて前記メニスカスを吐出側に押し出す圧力室収縮要素と、前記圧力室を再度膨張させる再膨張要素と、を少なくとも含む電圧波形であり、
    前記圧力室膨張要素は、第1の電位変化率で電位が変化することで前記圧力室を膨張させる前側膨張要素と、
    前記前側膨張要素の後に発生し、前記第1の電位変化率よりも大きい第2の電位変化率で電位が変化することで前記圧力室をさらに膨張させる後側膨張要素と、
    前記前側膨張要素と前記後側膨張要素との間に発生し、前記前側膨張要素の終了時の電位を維持する膨張維持要素と、を含み、
    前記前側膨張要素の開始時から前記後側膨張要素の開始時までの時間Tが、前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて、以下の式を満たすように定められるとともに、前記膨張維持要素の開始時から終了時までの時間tが、前記後側膨張要素の開始時における前記メニスカスの中央部の移動方向と前記メニスカスの前記ノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められることを特徴とする液体吐出装置。
    0.5Tc≦T≦Tc …(1)
  2. ノズル、前記ノズルに連通する圧力室、及び、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、前記圧力発生手段の作動によって前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、
    前記圧力室を膨張させて前記ノズルにおけるメニスカスを前記圧力室側に引き込む圧力室膨張工程と、
    前記圧力室膨張工程によって膨張された前記圧力室を収縮させて前記メニスカスを吐出側に押し出す圧力室収縮工程と、
    前記圧力室を再度膨張させる再膨張工程と、を少なくとも含み、
    前記圧力室膨張工程は、第1の膨張速度で前記圧力室を膨張させる前側膨張工程と、
    前記前側膨張工程の後に実行し、前記第1の膨張速度よりも速い第2の膨張速度で前記圧力室を膨張させる後側膨張工程と、
    前記前側膨張工程と前記後側膨張工程との間に実行し、前記前側膨張工程の終了時の電位を維持する膨張維持工程と、を含み、
    前記前側膨張工程の開始時から前記後側膨張工程の開始時までの時間Tが、前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期Tcに応じて、以下の式を満たすように定められるとともに、前記膨張維持工程の開始時から終了時までの時間tが、前記後側膨張工程の開始時における前記メニスカスの中央部の移動方向と前記メニスカスの前記ノズル内周面近傍の境界層の移動方向とが少なくとも反対でないように定められることを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
    0.5Tc≦T≦Tc …(1)
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