JP5302900B2 - 脂肪性肝疾患の治療用医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪性肝疾患の治療用医薬組成物、特に特定のフェニルグルシトール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。
脂肪性肝疾患(fatty liver disease)とは、脂肪肝とも呼ばれ、肝細胞に脂肪(トリグリセライド等)が異常蓄積することに起因して肝障害をきたす疾患である。脂肪性肝疾患の初期病態は、肝細胞に脂肪沈着のみを認める単純性脂肪肝であり、その後に脂肪肝炎(肝線維症を含む)、さらに肝硬変や肝細胞癌に病態が進行することが知られている。一般に、肝臓に脂肪が沈着する原因としては、アルコール摂取、肥満、糖尿病、脂質代謝異常、薬剤(ステロイド、テトラサイクリンなど)、Cushing症候群、中毒(黄燐など)、高度の栄養障害などが挙げられる。脂肪性肝疾患の原因は大きくアルコール性と非アルコール性に分けられ、前者を原因とする肝疾患をアルコール性肝疾患(アルコール性肝障害とも呼ばれる)、後者を原因とする肝疾患を非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)と呼ぶ。アルコール性肝疾患は、初期の単純性脂肪肝から進行性に脂肪肝炎、肝硬変へと移行する。非アルコール性脂肪性肝疾患は、単純性脂肪肝にとどまり病態は進行しないと考えられていたが、近年、非アルコール性脂肪性肝疾患においても、単純性脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変へと病態が進行する場合があることが明らかとなった。非アルコール性脂肪性肝疾患は肝障害を惹起するほどのアルコール摂取歴がなく、ウィルス性肝炎や自己免疫性肝炎など原因の明らかなものを排除した肝への脂肪沈着を認める疾患と定義される。非アルコール性脂肪性肝疾患は、単純性脂肪肝、脂肪肝炎及び肝硬変に大別される。非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)とは、アルコール性肝炎(alcoholic steatohepatitis:ASH)に類似した炎症、肝細胞壊死、風船様変化、線維化を伴う病態をいう。非アルコール性単純性脂肪肝の発症は、肝細胞への脂肪の沈着により引き起こされるが、この脂肪の蓄積は、増加要因(肝細胞への脂肪の流入と合成)と減少要因(脂肪の異化と肝細胞からの放出)のバランスにより規定される。この脂肪の沈着に肝細胞障害が加わることにより、非アルコール性脂肪肝炎に進展すると考えられている。非アルコール性脂肪肝炎は進行性であり、最終的には肝硬変並びに肝細胞癌へ進展する可能性があり、非アルコール性脂肪肝炎は非アルコール性脂肪性肝疾患の重症型と考えられている。上記のように、脂肪性肝疾患はアルコール性肝疾患又は非アルコール性脂肪性肝疾患に区別されるが、例えば単純性脂肪肝、脂肪肝炎及び肝硬変などの各病態においては、両疾患の病理組織所見が極めて類似していることから共通の病態機序が想定されている。
脂肪性肝疾患の治療では、その発症要因を取り除いて肝臓中の脂肪蓄積を改善することが重要である。アルコール性肝疾患の治療には断酒が不可欠であるが、その実施は難しい。一方、非アルコール性脂肪性肝疾患については、非アルコール性脂肪性肝疾患の発症機序仮説から想定されるように、大部分の非アルコール性脂肪性肝疾患ではインスリン抵抗性、肥満、糖尿病及び高脂血症を伴っている。これらの合併症が存在する場合には、まずその治療を行うことが必要である。非アルコール性脂肪性肝疾患に対する治療の原則は、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善であるが、確実に実行するのは難しいのが現状である。非アルコール性脂肪肝炎においては、肝硬変・肝細胞癌へと進展する可能性が高いことから、より積極的な薬物治療が必要である。非アルコール性脂肪肝炎の病態発症・進行に重要と考えられている酸化ストレスやインスリン抵抗性などの改善を目指した治療も試みられているが、十分な科学的根拠が確立した治療法がないのが現状である。本邦において、単純性脂肪肝に保険適応となっている薬剤として、polyenylphosphatidylcholine (EPL)が存在するが、非アルコール性脂肪肝炎に対する治療効果は明らかになっていない。以上のように、脂肪性肝疾患に対しては十分な治療方法が確立されていないのが現状であり、脂肪性肝疾患に対して有効性の高い治療薬の開発が望まれている。
このような状況下、ナトリウム/グルコース共輸送体(以下、SGLT)2阻害薬を有効成分として含有する、肝臓脂肪の異常蓄積に起因する疾患の進展抑制剤に関して開示する文献がある(特許文献1)。当該文献では、SGLT2阻害薬として、多数のO-グリコシド化合物が列挙されているが、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩については何ら開示されていない。また、非アルコール性脂肪肝炎の治療に対する有効性を具体的に示すデータは記載されていない。
また、SGLT阻害剤とPPAR作動薬の併用療法について開示する文献がある(特許文献2)。当該文献には、SGLT阻害剤として知られるT-1095が、db/dbマウスの血中トリグリセライド濃度を減少させたことが開示されている。しかし、脂肪性肝疾患の治療に対する有効性については、開示されていない。
式(I)の化合物のうち、式中のR3がアズレン-2-イルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトールは、SGLT阻害活性及び血糖降下作用を示し、各種糖尿病関連疾患の治療剤として有用であることが開示されている(特許文献3)。また、そのコリン塩が医薬品原薬として好適な性質を有することが開示されている(特許文献4)。しかし、脂肪性肝疾患の治療に対する有効性については、開示されていない。
式(I)の化合物のうち、式中のR3が1-ベンゾチオフェン-2-イルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールは、SGLT阻害活性及び血糖降下作用を示し、各種糖尿病関連疾患の治療剤として有用であることが開示されている(特許文献5、特許文献6)。また、そのフリー体とL-プロリンの共結晶(モル比1:1)が医薬品原薬として好適な性質を有することが開示されている(特許文献7)。しかし、脂肪性肝疾患の治療に対する有効性については、開示されていない。
式(I)の化合物のうち、式中のR3が4-エトキシフェニルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールが、SGLT阻害剤として、肥満や2型糖尿病の治療に使用できることが開示されている(特許文献8)。また、そのプロリン共結晶や、そのプロピレングリコール水和物も報告されている(特許文献9)。しかし、脂肪性肝疾患の治療に対する有効性については、開示されていない。
国際公開第06/009149号パンフレット 国際公開第02/080936号パンフレット 国際公開第04/013118号パンフレット 国際公開第07/007628号パンフレット 国際公開第04/080990号パンフレット 国際公開第05/012326号パンフレット 国際公開第07/114475号パンフレット 国際公開第03/099836号パンフレット 国際公開第08/002824号パンフレット
本発明は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、特に、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎の治療用医薬組成物を提供する。
本発明者らは、脂肪性肝疾患を改善させる薬剤について鋭意検討した結果、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、肝臓中トリグリセライドの異常蓄積の改善作用を有し、優れた脂肪性肝疾患の治療効果を発現することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
[1] 式(I)の化合物
Figure 0005302900
(式中、R3は、アズレン-2-イル、1-ベンゾチオフェン-2-イル、若しくは4-エトキシフェニルであり、R3がアズレン-2-イルの場合、R1は-OH、R2は-Hであり、R3が1-ベンゾチオフェン-2-イルの場合、R1は-H、R2は-Fであり、R3が4-エトキシフェニルの場合、R1は-H、R2は-Clである。)
又はその製薬学的に許容される塩を含有する、脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物。
[2] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[1]に記載の医薬組成物。
[3] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩である、[2]に記載の医薬組成物。
[4] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[1]に記載の医薬組成物。
[5] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールである、[4]に記載の医薬組成物。
[6] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶である、[5]に記載の医薬組成物。
[7] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[1]に記載の医薬組成物。
[8] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールである、[7]に記載の医薬組成物。
[9] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1若しくは1:2の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶、又は(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物である、[8]に記載の医薬組成物。
[10] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[11] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性単純性脂肪肝である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪肝炎である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[13] 式(I)の化合物
Figure 0005302900
(式中、R3は、アズレン-2-イル、1-ベンゾチオフェン-2-イル、若しくは4-エトキシフェニルであり、R3がアズレン-2-イルの場合、R1は-OH、R2は-Hであり、R3が1-ベンゾチオフェン-2-イルの場合、R1は-H、R2は-Fであり、R3が4-エトキシフェニルの場合、R1は-H、R2は-Clである。)
又はその製薬学的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、脂肪性肝疾患の治療方法。
[14] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[13]に記載の治療方法。
[15] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩である、[14]に記載の治療方法。
[16] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[13]に記載の治療方法。
[17] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールである、[16]に記載の治療方法。
[18] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶である、[17]に記載の治療方法。
[19] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[13]に記載の治療方法。
[20] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールである、[19]に記載の治療方法。
[21] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1若しくは1:2の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶、又は(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物である、[20]に記載の治療方法。
[22] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患である、[13]〜[21]のいずれかに記載の治療方法。
[23] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性単純性脂肪肝である、[13]〜[21]のいずれかに記載の治療方法。
[24] 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪肝炎である、[13]〜[21]のいずれかに記載の治療方法。
[25] 脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物を製造するための、式(I)の化合物
Figure 0005302900
(式中、R3は、アズレン-2-イル、1-ベンゾチオフェン-2-イル、若しくは4-エトキシフェニルであり、R3がアズレン-2-イルの場合、R1は-OH、R2は-Hであり、R3が1-ベンゾチオフェン-2-イルの場合、R1は-H、R2は-Fであり、R3が4-エトキシフェニルの場合、R1は-H、R2は-Clである。)
又はその製薬学的に許容される塩の使用。
[26] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[25]に記載の使用。
[27] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩である、[26]に記載の使用。
[28] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[25]に記載の使用。
[29] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールである、[28]に記載の使用。
[30] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶である、[29]に記載の使用。
[31] 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、[25]に記載の使用。
[32] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールである、[31]に記載の使用。
[33] (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1若しくは1:2の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶、又は(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物である、[32]に記載の使用。
[34] 脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物が、非アルコール性脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物である、[25]〜[33]のいずれかに記載の使用。
[35] 脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物が、非アルコール性単純性脂肪肝治療用の医薬組成物である、[25]〜[33]のいずれかに記載の使用。
[36] 脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物が、非アルコール性脂肪肝炎治療用の医薬組成物である、[25]〜[33]のいずれかに記載の使用。
本発明は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、特に、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎の治療用医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩を含有する治療剤、特に、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎の治療剤を包含する。
また、本発明は、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎治療用医薬組成物を製造するための式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩の使用に関する。
また、本発明は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎の治療方法に関する。
式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、肝臓中トリグリセライドの異常蓄積の改善作用を有し、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎治療用の医薬組成物として使用できる。
図1は、炎症性細胞浸潤病理の評価結果(MCD食負荷ラット)を示す。各評価結果の中央値を、図中に「−(ライン)」で示した。なお、図中の「*」は第二群に対して統計学有意差があることを示す。 図2は、肝線維化病理の評価結果(MCD食負荷ラット)を示す。各評価結果の中央値を、図中に「−(ライン)」で示した。なお、図中の「*」は第二群に対して統計学有意差があることを示す。 図3は、肝線維化病理の評価結果(CDAA食負荷ラット)を示す。各評価結果の中央値を、図中に「−(ライン)」で示した。なお、図中の「*」は第二群に対して統計学有意差があることを示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、脂肪性肝疾患(fatty liver disease)とは、背景技術の項でも記載したとおり、脂肪肝とも呼ばれ、肝細胞に脂肪が異常蓄積することに起因して肝障害をきたす疾患を意味する。また、脂肪性肝疾患は、アルコール性肝疾患と非アルコール性脂肪性肝疾患に分類することができる。本明細書において、脂肪性肝疾患に含まれる疾患を以下にまとめる。
脂肪性肝疾患に含まれる疾患
(1)アルコール性肝疾患:アルコール性肝障害とも呼ばれ、アルコール摂取を原因とした肝細胞への脂肪蓄積に起因する疾患であり、アルコール性の単純性脂肪肝、アルコール性肝炎(alcoholic steatohepatitis:ASH)、アルコール性肝線維症、アルコール性肝硬変等の疾患を含む。なお、アルコール性肝炎とは、アルコール性脂肪肝炎とも呼ばれ、アルコール性肝線維症を含む。
(2)非アルコール性脂肪性肝疾患:非アルコール性脂肪性肝疾患は肝障害を惹起するほどのアルコール摂取歴がなく、ウィルス性肝炎や自己免疫性肝炎など原因の明らかなものを排除した肝への脂肪沈着を認める疾患であり、非アルコール性単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)、非アルコール性の肝線維症、非アルコール性の肝硬変等の疾患を含む。
(2−1)非アルコール性単純性脂肪肝:肝細胞への脂肪沈着のみを認める疾患。
(2−2)非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH):脂肪化に、アルコール性肝炎に類似した炎症、肝細胞壊死、風船様変化、線維化を伴う疾患であり、非アルコール性の肝線維症も含む。
(2−2−1)非アルコール性の肝線維症:肝組織内の繊維化が進み、コラーゲンおよび他の細胞外基質の構成分が過剰に産生・蓄積された疾患。
(2−3)非アルコール性の肝硬変:進展した線維化により肝小葉構造が改築された疾患。
本発明の医薬組成物の有効成分である、式(I)の化合物のうち、式中のR3がアズレン-2-イルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール(以下、化合物Aということがある)又はその製薬学的に許容される塩は、例えば前述の特許文献3に記載の方法、若しくは当業者にとって自明である方法、又はそれらの変法によって容易に入手可能である。
また、本発明の医薬組成物の有効成分である、式(I)の化合物のうち、式中のR3が1-ベンゾチオフェン-2-イルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール(以下、化合物Bということがある)又はその製薬学的に許容される塩は、例えば前述の特許文献5に記載の方法、若しくは当業者にとって自明である方法、又はそれらの変法によって容易に入手可能である。
また、本発明の医薬組成物の有効成分である、式(I)の化合物のうち、式中のR3が4-エトキシフェニルである化合物、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール(以下、化合物Cということがある)又はその製薬学的に許容される塩は、例えば前述の特許文献8に記載の方法、若しくは当業者にとって自明である方法、又はそれらの変法によって容易に入手可能である。
化合物A、化合物B、及び化合物Cの構造式を下記に示す。
Figure 0005302900
(式中、Etはエチル基を示す。)
本明細書における「製薬学的に許容される塩」とは、例えば前述の特許文献3又は特許文献5に記載の酸付加塩又は塩基との塩を意味し、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基;リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
「(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩」については、別の態様として、前述の特許文献4に記載の、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩が挙げられる。
また、「式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩」は、各種の水和物や溶媒和物、結晶多形の物質、及び共結晶のいずれであってもよく、本発明の医薬組成物の有効成分に包含される。「(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩」については、別の態様として、前述の特許文献7に記載の、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶(モル比1:1)が挙げられる。「(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩」については、別の態様として、前述の特許文献9に記載の形態、例えば、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶(モル比1:1(特許文献9に記載のCompound Ii)若しくはモル比1:2(特許文献9に記載のCompound Ih))、さらに別の態様として、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物(特許文献9に記載のCompound Ia及びIb)などが挙げられる。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物を含有する医薬組成物をも包含する。
さらに、「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、水酸基等に変換され得る基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
本発明のある態様を以下に示す。
(1)本発明の、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む治療方法、又は医薬組成物を製造するための式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用のうち、式(I)の化合物が、R1が-OHであり、R2が-Hであり、R3がアズレン-2-イルである化合物、別の態様としては、R1が-Hであり、R2が-Fであり、R3が1-ベンゾチオフェン-2-イルである化合物、さらに別の態様としては、R1が-Hであり、R2が-Clであり、R3が4-エトキシフェニルである化合物である、医薬組成物、治療方法、又は使用。
(2)本発明の、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む治療方法、又は医薬組成物を製造するための式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用のうち、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶(モル比1:1)、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールと、L-プロリンとの共結晶(モル比1:1)、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールと、L-プロリンとの共結晶(モル比1:2)、さらに別の態様としては、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物である、医薬組成物、治療方法、又は使用。
(3)本発明の、脂肪性肝疾患の治療用医薬組成物、脂肪性肝疾患の治療方法、又は脂肪性肝疾患の治療用医薬組成物を製造するための使用のうち、脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患、別の態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝、さらに別の態様としては、非アルコール性脂肪肝炎、さらに別の態様としては、非アルコール性の肝線維症、さらに別の態様としては、非アルコール性の肝硬変である、医薬組成物、治療方法、又は使用。
(4)上記(1)〜(3)のうち二以上の組み合わせである医薬組成物、治療方法、又は使用。
本発明の医薬組成物を用いた医薬は、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩と、通常製剤化に用いられる、薬剤用担体、賦形剤、その他添加剤を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、静注、筋注等の注射剤、又は坐剤、経鼻、経粘膜、経皮などによる非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、少なくとも1種の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、線維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性のフィルムで被覆してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、EtOH等のアルコール類、ポリソルベート80等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤、溶解補助剤等の補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。例えば、軟膏又はローション基剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、白色ワセリン、サラシミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウロマクロゴール、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、若しくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
なお、本発明の医薬組成物を用いた医薬は、脂肪性肝疾患の治療に用いられる他の薬剤と併用することができる。例えば、この医薬と併用することが可能である薬剤として、メトフォルミン等のビグアナイド薬、塩酸ピオグリタゾン等のチアゾリジン誘導体、ボグリボース等のα-グルコシダーゼ阻害薬、ナテグリニド等のインスリン分泌促進薬、ビタミン、エイコサペンタエン酸(EPA)、ベタイン、N-アセチルシステイン(NAC)、ベザフィブラート等のフィブラート系薬剤、アトルバスタチン等のHMG-CoA還元酵素阻害薬、プロブコール、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウリン、強力ネオミノファーゲンシー、ポリエンフォスファチジルコリン、ロサルタン等のアンギオテンシンII受容体拮抗薬又は防風通聖散等を挙げることができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
実施例1:
非アルコール性単純性脂肪肝モデル(KK-Ayマウス)に対する効果(1)
<試験方法>
KK-Ayマウス(雌、日本クレア株式会社より購入)を用いた。餌はCMF(特殊繁殖用、オリエンタル酵母工業株式会社より購入)を自由に摂食させた。14週齢時に、体重、血糖値、血漿インスリン値、血漿トリグリセライド値及び血漿アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を測定し、これらの項目が均一になるように2群に群分けを行った(各群8匹)。第一群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)10 mL/kg、第二群には(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩(化合物Aのコリン塩)を、3 mg/kg(化合物A換算)の用量で、1日1回で二週間経口投与した。最終投与の翌日にエーテル麻酔下で肝臓を採取し、液体窒素で凍結後に-80℃に保存した。
肝臓のトリグリセライド含量は以下の手順で測定した。
1.-80℃に凍結保存しておいた肝臓の一部(50〜150 mg)をアシストチューブへ分取した。
2.メタノール2 mLを添加し、POLYTRON(KINEMATICA社)で破砕した。
3.そこへクロロホルムを4 mL添加し、室温で10分間激しく攪拌した。
4.さらにmilliQ水を1 mL添加し激しく攪拌した。
5.低速遠心機(株式会社日立製作所)で遠心分離した(2,500 rpm,5 min,室温)。
6.下層(全量4.5 mL)の一部をエッペンチューブへ分取し、遠心エバポレーター(株式会社佐久間製作所)を用いて溶媒を除去した。
7.エッペンチューブへエタノールを10 μL加えて再溶解させた。
8.そこへトリグリセライドE-テストワコー試薬(和光純薬工業株式会社)を1 mL加え、トリグリセライドを定量した。
9.以上より、肝臓1 g当たりのトリグリセライド含量を算出した。データは平均値±標準誤差で示した。
<結果>
結果は表1の通りであった。正常マウスの肝臓中トリグリセライド含量は5〜10(mg/g liver)であるので、KK-Ayマウスの肝臓中トリグリセライド含量は高値であり、脂肪肝を呈していると言える。KK-Ayマウスへ化合物Aを投与することにより、肝臓中トリグリセライド含量が有意に改善された。本結果は、化合物Aが非アルコール性単純性脂肪肝の治療薬として有用であることを示すものである。
Figure 0005302900
実施例2:
非アルコール性単純性脂肪肝モデル(KK-Ayマウス)に対する効果(2)
<試験方法>
実施例1と同様に試験を実施した。ただし、本試験では、3群に群分け(各群8匹)を行い、第一群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)10 mL/kg、第二群には(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール(化合物B)とL-プロリンの共結晶(モル比1:1)を3 mg/kg(化合物B換算)、第三群には比較化合物として前述の特許文献1に開示された2-(4-メトキシベンジル)フェニル6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノシド(以下、化合物Xということがある。構造式を下記に示す)を36 mg/kgの用量で、1日1回で二週間経口投与した。そして、実施例1と同様に肝臓のトリグリセライド含量を測定した。
Figure 0005302900
(式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。)
<結果>
結果は表2の通りであった。KK-Ayマウスにおいては、実施例1と同様に脂肪肝を呈していたが、化合物Bの投与により、肝臓中トリグリセライド含量が有意に改善された。本結果は、化合物Bが非アルコール性単純性脂肪肝の治療薬として有用であることを示すものである。
一方、化合物Xは化合物Bの10倍以上の用量を投与しているにもかかわらず、有意な作用を示さなかった。
Figure 0005302900
実施例3:
非アルコール性単純性脂肪肝モデル(KK-Ayマウス)に対する効果(3)
<試験方法>
実施例1と同様に試験を実施した。ただし、本試験では、3群に群分け(各群8匹)を行い、第一群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)10 mL/kg、第二群には化合物BとL-プロリンの共結晶(モル比1:1)を3 mg/kg(化合物B換算)、第三群には比較化合物として前述の特許文献2に開示されたT-1095、即ち、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イル)-2',6'-ジヒドロキシ-4'-メチルプロピオフェノン 2'-O-(6-O-メトキシカルボニル)-β-D-グリコピラノシド(以下、化合物Yということがある。構造式を下記に示す)を34 mg/kgの用量で、1日1回で二週間経口投与した。そして、実施例1と同様に肝臓のトリグリセライド含量を測定した。
Figure 0005302900
(式中、Meはメチル基を示す。)
<結果>
結果は表3の通りであった。KK-Ayマウスにおいては、実施例1と同様に脂肪肝を呈していたが、化合物Bの投与により、肝臓中トリグリセライド含量が有意に改善された。
一方、化合物Yは化合物Bの10倍以上の用量を投与しているにもかかわらず、有意な作用を示さなかった。
Figure 0005302900
実施例4:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(メチオニン・コリン欠乏食(MCD食)負荷ラット)に対する効果(1)
<試験方法>
本試験は、文献(J Hepatol., 2003, 39, 756-764.)を参考に試験を実施した。Wistarラット(雄、日本チャールス・リバー株式会社より購入)を用いた。餌はMCD飼料(メチオニン・コリン欠乏食(METHIONINE / CHOLINE DEFICIENT DIET、MPbiochemicals社製))又は正常コントロール飼料(METHIONINE / CHOLINE CONTROL DIET、MPbiochemicals社製)を自由に摂食させた。9週齢時に、体重を測定し、均一になるように群分けを行い試験を開始した(各群10匹)。第一群には正常コントロール食を与え、vehicle(0.5%メチルセルロース)5 mL/kgを投与した。第二群及び第三群にはMCD食を与え、第二群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)5 mL/kgを投与し、第三群には化合物BとL-プロリンの共結晶(モル比1:1)を3 mg/kg(化合物B換算)で投与した。薬剤は1日1回で16週間経口投与した。最終投与の翌日にエーテル麻酔下で肝臓を採取し、肝臓の一部を10%中性緩衝ホルマリンにて固定した。定法によりパラフィン切片(3 μm)を作製し、HE染色とワンギーソン(van Gieson)染色を施した。HE染色標本を用いて炎症巣を、ワンギーソン染色標本を用いて線維化をそれぞれ評価した。評価は、炎症巣に関してはNASH activity score(NAS)を、線維化に関してはBrunt分類をそれぞれ参考(日本肝臓学会 編、NASH・NAFLDの診療ガイド、2006年)に、それぞれ0、1、2、3、4の五段階(表4参照)で評価した。なお、表4において、「200倍の拡大」での視野は、「100倍の拡大」での視野の4分の1の面積となる。
Figure 0005302900
<結果>
結果は図1及び図2の通りであった。MCD食を与えたラットでは、正常コントロール食を与えたラットに比べて、炎症性細胞浸潤病理スコア及び肝線維化病理スコアが有意に上昇し、非アルコール性脂肪肝炎の病態を呈していた。本モデルへ化合物Bを投与することにより、炎症性細胞浸潤病理スコア及び肝線維化病理スコアが有意に改善された。本結果は、化合物Bが非アルコール性脂肪肝炎の治療薬として有用であることを示すものである。
実施例5:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(コリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA食)負荷ラット)に対する効果(1)
<試験方法>
本試験は、文献(Biochem Biophys Res Commun., 2004, 315(1), 187-195.)を参考に試験を実施した。Wistarラット(雄、日本チャールス・リバー株式会社より購入)を用いた。餌はCDAA飼料(コリン欠乏アミノ酸置換食(Choline Deficient and Iron Supplemented L-Amino Acid Defined Rat Diet、Dyets社製))又は正常コントロール飼料(Choline and Iron Supplemented L-Amino Acid Defined Rat Diet、Dyets社製)を自由に摂食させた。9週齢時に、体重を測定し、均一になるように群分けを行い試験を開始した(各群10匹)。第一群には正常コントロール食を与え、vehicle(0.5%メチルセルロース)5 mL/kgを投与した。第二群および第三群にはCDAA食を与え、第二群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)5 mL/kgを投与し、第三群には化合物BとL-プロリンの共結晶(モル比1:1)を3 mg/kg(化合物B換算)で投与した。薬剤は1日1回で5週間経口投与した。最終投与の翌日にエーテル麻酔下で肝臓を採取した。肝臓の一部を10%中性緩衝ホルマリンにて固定後、定法によりパラフィン切片(3 μm)を作製し、ワンギーソン(van Gieson)染色を施した。線維化の評価はBrunt分類を参考(日本肝臓学会 編、NASH・NAFLDの診療ガイド、2006年)に、0、1、2、3、4の五段階(表4参照)で評価した。
<結果>
結果は図3の通りであった。CDAA食を与えたラットでは、正常コントロール食を与えたラットに比べて肝線維化病理スコアが有意に上昇し、非アルコール性脂肪肝炎の病態を呈していた。本モデルへ化合物Bを投与することにより、肝線維化病理スコアが有意に改善された。本結果は、化合物Bが非アルコール性脂肪肝炎の治療薬として有用であることを示すものである。
実施例6:
非アルコール性単純性脂肪肝モデル(KK-Ayマウス)に対する効果(4)
<試験方法>
実施例1と同様に試験を実施した。第一群にはvehicle(0.5%メチルセルロース)10 mL/kg、第二群には(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール(化合物C)を3 mg/kgの用量で、1日1回で二週間経口投与した。そして、実施例1と同様に肝臓のトリグリセライド含量を測定した。
<結果>
結果は表5の通りであった。KK-Ayマウスにおいては、実施例1と同様に脂肪肝を呈していたが、化合物Cの投与により、肝臓中トリグリセライド含量が有意に改善された。本結果は、化合物Cが非アルコール性単純性脂肪肝の治療薬として有用であることを示すものである。
Figure 0005302900
実施例7:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(メチオニン・コリン欠乏食(MCD食)負荷ラット)に対する効果(2)
<試験方法>
本発明の医薬組成物の有効成分である(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩についても、実施例4と同様に試験を実施し、効果を確認することができる。
実施例8:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(コリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA食)負荷ラット)に対する効果(2)
<試験方法>
本発明の医薬組成物の有効成分である(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩についても、実施例5と同様に試験を実施し、効果を確認することができる。
実施例9:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(メチオニン・コリン欠乏食(MCD食)負荷ラット)に対する効果(3)
<試験方法>
本発明の医薬組成物の有効成分である(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩についても、実施例4と同様に試験を実施し、効果を確認することができる。
実施例10:
非アルコール性脂肪肝炎モデル(コリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA食)負荷ラット)に対する効果(3)
<試験方法>
本発明の医薬組成物の有効成分である(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩についても、実施例5と同様に試験を実施し、効果を確認することができる。
上記の結果より、本発明の医薬組成物の有効成分である式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩を投与することにより、肝臓中トリグリセライドの異常蓄積(単純性脂肪肝)が改善され、さらに、肝臓中トリグリセライドの異常蓄積に起因する非アルコール性脂肪肝炎(炎症及び線維化)の病態が改善されることが示された。一般に、脂肪性肝疾患における単純性脂肪肝、脂肪肝炎(肝線維症を含む)、及び肝硬変などの各病態は、アルコール性肝疾患或いは非アルコール性脂肪性肝疾患を問わず、病理組織所見が極めて類似し共通の病態機序が想定されていることから、本発明の医薬組成物が脂肪性肝疾患の治療剤として有用であることは明らかである。また、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩の肝臓中トリグリセライドの異常蓄積の改善効果は、前述の特許文献1及び特許文献2に開示された化合物(化合物X及び化合物Y)を投与した場合と比較して、優れた効果を示すことが確認された。この結果より、式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩は、非アルコール性脂肪肝炎に対しても、前述の特許文献1及び特許文献2に開示された化合物(化合物X及び化合物Y)を投与した場合と比較して、優れた効果を示すことが期待できる。
式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩、即ち、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩、あるいは、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、肝臓中トリグリセライドの異常蓄積の改善作用を有し、脂肪性肝疾患、ある態様としては、非アルコール性脂肪性肝疾患、またある態様としては、非アルコール性単純性脂肪肝及び/又は非アルコール性脂肪肝炎治療用の医薬組成物として使用できる。

Claims (12)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 0005302900
    [式中、R3は、アズレン-2-イル、1-ベンゾチオフェン-2-イル、若しくは4-エトキシフェニルであり、R3がアズレン-2-イルの場合、R1は-OH、R2は-Hであり、R3が1-ベンゾチオフェン-2-イルの場合、R1は-H、R2は-Fであり、R3が4-エトキシフェニルの場合、R1は-H、R2は-Clである]
    又はその製薬学的に許容される塩を含有する、脂肪性肝疾患治療用の医薬組成物。
  2. 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[5-(アズレン-2-イルメチル)-2-ヒドロキシフェニル]-D-グルシトール コリン塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールである、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[3-(1-ベンゾチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 式(I)の化合物又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトール又はその製薬学的に許容される塩が、(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールである、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. (1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールが、モル比1:1若しくは1:2の(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールとL-プロリンとの共結晶、又は(1S)-1,5-アンヒドロ-1-[4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル]-D-グルシトールのプロピレングリコール水和物である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患である、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
  11. 脂肪性肝疾患が、非アルコール性単純性脂肪肝である、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
  12. 脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪肝炎である、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
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