JP5302115B2 - ラチェット - Google Patents

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Description

本発明は、ラチェットに関するものである。
特許文献1には、家庭用洗濯機の排水弁の開閉に用いられるモータ式駆動装置が開示されている。
このモータ式駆動装置では、モータにより減速歯車列を介して出力部材を駆動させて、出力部材に連結された排水弁を、初期位置(閉位置)から作動位置(閉位置)に駆動変位させると共に、減速歯車列に設けられたラチェット機構により、排水弁を作動位置で保持させるようになっている。
特開2006−029538号公報
図9の(a)は、特許文献1のモータ式駆動装置が備えるラチェット機構200の平面図であり、(b)は、(a)におけるA―A断面図である。
ラチェット機構200は、第1歯車201と一体回転するラチェット部材210と、第2歯車220の周壁部221に設けられて、ラチェット部材210の係合爪212が弾性係合する係合歯222と、から構成される。
このラチェット機構200では、第1歯車201を時計回り方向に回転させる回転トルクが入力されて、ラチェット部材210が、第1歯車201と共に時計回り方向に回転しようとすると、ラチェット部材210の係合爪212が係合歯222の歯溝223と係合して、第1歯車201と第2歯車220とが一体に回転する。
また、第1歯車201を反時計回り方向に回転させる回転トルクが入力されて、ラチェット部材210が、反時計回り方向に回転しようとすると、ラチェット部材210が、腕部211の先端側を回転中心O側に弾性変形させて、係合爪212を係合歯222の傾斜面222aを摺動させながら回転することで、ラチェット部材210と第1歯車201とが、第2歯車220に対して相対回転する。
ここで、第1歯車201と第2歯車220とが相対回転する場合、ラチェット部材210の係合爪212は、弾性変形した腕部211により径方向外側に付勢されているので、ラチェット部材210は、係合歯222の歯溝223に係合爪212を周期的に係合させながら、すなわち係合爪212の歯溝223への係脱を繰り返しながら回転する。
そのため、従来のクラッチ機構では、係合爪212と歯溝223の摩耗の防止と、係合時の衝撃力と係合に起因するノイズの緩和を目的として、少なくとも係合爪212にグリスが塗布されている。
しかし、係合爪212に塗布されたグリスは、係合爪212と歯溝223との係合による衝撃で飛散するため、従来のクラッチ機構を備える複合歯車の場合、長期間に亘って使用すると、係合爪212に塗布されたグリス量の減少により、グリスの効果が低下してしまう。
よって、グリスの飛散を抑えて、長期間に亘って使用してもグリスの効果が低下しないようにすることが求められている。
第1の回転体と同軸に設けられた第2の回転体に、第1の回転体と一体に回転する回転部材の外周を所定間隔で囲む周壁が設けられて、回転部材を収容する有底筒状の収容室が形成されており、回転部材から径方向に延出する係合爪と、周壁の内周に設けられて係合爪が前記径方向で弾性係合する係合歯と、から構成され、係合爪と係合歯とのうちの少なくとも一方に粘稠性の潤滑剤が塗布されたラチェット機構により、第1の回転体と第2の回転体とが、係合爪を係合歯に係脱させながら支持軸周りで相対回転するようにされたラチェットにおいて、収容室の開口を塞ぐ蓋部材を設けると共に、当該蓋部材に、周壁に全周に亘って嵌合する環状の嵌合壁部を形成した構成とした。
蓋部材、支持軸を支持する軸受と一体に形成されている構成としたので、支持軸の軸受が設けられている既存の部材を用いて蓋部材が構成される。これにより、潤滑剤の飛散を防止するための蓋部材を別途設ける必要がない。
よって、部品点数の増加を防止できると共に、部品点数の増加に伴う作製コストの上昇も防止できる。
また、蓋部材と軸受とが一体に形成されているので、蓋部材を、軸受を基準として位置精度良く設けることができ、係合歯と蓋部材の位置精度が向上する。
蓋部材には、周壁に全周に亘って嵌合する環状の嵌合壁部が形成されているので、支持軸の軸方向で、第2歯車と蓋部材とが互いに離れる方向に移動しても、支持軸の径方向から見て、第2歯車の周壁と蓋部材との間に隙間を生じさせない。これにより、係合爪と係合歯との係合による衝撃で飛散した潤滑剤を、収容室を蓋部材で塞いで形成した空間内に確実に留まらせることができる。
蓋部材の第2の回転体との対向面のうち、嵌合壁部で囲まれた内側の領域は、外側の領域よりも、軸方向で第2の回転体から離れる方向にオフセットしている構成とした。
このように構成すると、収容室を蓋部材で塞いで形成される空間を、蓋部材側にオフセットさせることができるので、オフセットさせた分だけ、第2の回転体における周壁の高さを低くして、第2の回転体の厚みを薄くすることができる。
第2の回転体は、収容室の開口を重力方向における上側に向けて配置される構成とした。
このように構成すると、係合爪と係合歯との係合による衝撃で、潤滑剤が、重力方向における上側に位置する蓋部材側に飛散しても、飛散した潤滑剤が、自重により、蓋部材よりも重力方向における下側に位置する係合爪の周囲に戻るようになる。
また、例えば周囲の環境が高温となることなどにより、潤滑剤の粘度が低下して流動性が高くなったとしても、有底筒状の収容室は、断面視においてカップ形状を成しているので、流動性が高くなった潤滑剤が外部に漏出することを好適に防止できる。
回転部材は、第1の回転体と同軸に設けられて第1の回転体と一体に回転する本体部と、本体部の外周から延出し、係合爪を有する先端側が径方向に変位可能な腕部を備えており、蓋部材の第2の回転体との対向面には、回転部材の回転中心を所定間隔で囲む凹溝が設けられており、腕部の少なくとも先端側は、支持軸の軸方向から見て凹溝と重なる位置を、本体部の外周に沿って延びている構成とした。
このように構成すると、回転部材が蓋部材側に移動しても、腕部の少なくとも先端側の軸方向から見て凹溝と重なる部分は、蓋部材の第2の回転体との対向面に接触しないので、腕部の先端側の径方向の変位が阻害されることがない。
支持軸の軸方向において、第2の回転体は、蓋部材と第1の回転体との間に位置しており、第1の回転体は、第2の回転体を軸方向に貫通して、先端側が収容室内に位置する貫通部を有しており、回転部材は、収容室を蓋部材で塞いで形成される空間内で、貫通部に連結されている構成とした。
このように構成すると、支持軸の軸方向で、第1の回転体と第2の回転体との間に回転部材を設ける場合に比べて、第1の回転体と第2の回転体とを近接させて設けることができる。
また、第2の回転体に対して固定側の部材である蓋部材で、収容室の開口が塞がれるので、収容室を蓋部材で塞いで形成される空間を、ほぼ密閉された空間にすることができ、潤滑剤の外部への漏出をより好適に防止できるようになる。
第1歯車と第2歯車とが相対回転する際に、有底筒形状の収容室の開口を蓋部材で塞いで形成された空間内で、係合爪と係合歯との係脱が行われるので、係合爪と係合歯との係合による衝撃で潤滑剤が飛散しても、潤滑剤を収容室の開口を蓋部材で塞いで形成された空間内に留まらせることができる。
よって、長期間に亘って使用しても、従来のクラッチ機構を備える複合歯車のように、係合爪と係合歯とを潤滑する潤滑剤の量が減少しないので、潤滑剤の効果を持続させることができる。
ラチェット機構を適用したモータ式駆動装置の輪列展開図である。 図1における第2車の部分を拡大した図である。 第2車の分解斜視図である。 ラチェット機構を説明する図である。 ラチェット部材の説明図である。 第2歯車の説明図である。 第2ピニオンの説明図である。 蓋部の説明図である。 従来例にかかるラチェット機構を説明する図である。
本発明に係るラチェットの実施形態として、ラチェット機構付き複合歯車を適用したモータ式駆動装置を例に挙げて説明する。
実施形態にかかるラチェット機構付き複合歯車を適用したモータ式駆動装置1は、例えば洗濯機の排水弁の開閉に用いられている。
図1の輪列展開図に示すように、モータ式駆動装置1は、洗濯機本体に取り付けられるケース2を有しており、ケース2には、モータMと、減速歯車列Gと、出力車70と、出力部材80とが、組み込まれている。
このモータ式駆動装置1では、モータMの回転が、減速歯車列Gを介して、出力車70に伝達されて、出力車70に連結された出力部材80の連結部82が、支持軸S6回りに一方向に回転駆動されるようになっている。
図示しない排水弁は、閉方向に付勢されており、回転駆動される連結部82に連結され、連結部82の回転駆動によって開閉駆動される。
該排水弁の返戻付勢力が、連結部82をボルトB2側から見て時計方向(ラチェット部材110を反時計方向)に回転させる方向に働く状態では、モータMと連結部82が継状態となり、連結部82の回転駆動によって該排水弁は返戻付勢力に抗して開作動させられるようになっている。
また、該排水弁の返戻付勢力が、連結部82をボルトB2側から見て反時計方向(ラチェット部材110を時計方向)に回転させる方向に働く状態では、モータMと連結部82が断状態となり、連結部82は該排水弁の返戻付勢力によって閉作動させられるようになっている。
ケース2は、有底箱形状の本体部3と、本体部3の上端にインロー嵌合したカバー4とを備えて構成され、ケース2内には、本体部3の上端開口を塞ぐカバープレート5と、本体部3内を上下二つに区画する仕切壁6とが設けられている。
モータMは、仕切壁6により本体部3の底側に形成される空間内に設けられており、ロータ10と、ステータ20とを備えて構成される。
ロータ10は、円環ブロック形状の永久磁石11と、外周面に永久磁石11が外挿固定された軸部材12とから構成される。
軸部材12は、貫通孔12aに挿通した支持軸S1回りで回転可能に支持されている。
軸部材12は、その先端側の縮径部12bが仕切壁6を貫通して設けられており、縮径部12bの仕切壁6側の領域には、モータピニオン13が、外周面の全周に亘って形成されている。
ステータ20は、有底円筒形状を有しており、強磁性材料から構成される。ステータ20の周壁部20aは、永久磁石11の外周面を所定間隔で囲んでいる。
ステータ20の径方向外側には、絶縁性材料で形成された糸巻き形状のボビン22が位置しており、ボビン22に対してワイヤが巻き回されてコイル21が構成されている。
減速歯車列Gは、モータM側から順に、第1車30、第2車40、第3車50、第4車60と、を備えて構成される。
第1車30は、支持軸S2で回転可能に支持された第1歯車31と、第1歯車31と同軸に設けられた第1ピニオン32とを備え、これらは一体に形成されている。
第1歯車31の外周面に形成された歯部31aは、モータピニオン13に噛合しており、第1ピニオン32の外周面に形成された歯部32aは、第2歯車41の歯部41aに噛合している。
図2は、図1における第2車40の部分を拡大して示す図である。
第2車40は、第1車30を介してモータMの回転が入力される第2歯車41と、第2歯車41と同軸に設けられた第2ピニオン42とを備える。
図1に示すように、第2歯車41の外周面に形成された歯部41aは、第1ピニオン32の歯部32aに噛合しており、第2ピニオン42の外周面に形成された歯部42aは、第3歯車51の歯部51aに噛合している。
実施の形態において第2車40では、第2歯車41と第2ピニオン42との間の回転の伝達が、後記するラチェット機構100を介して行われるようになっている。
図1に示すように、第3車50は、支持軸S4で回転可能に支持された第3歯車51と、第3歯車51と同軸に設けられた第3ピニオン52とを備え、これらは一体に形成されている。
第3歯車51の外周面に形成された歯部51aは、第2ピニオン42の歯部42aに噛合しており、第3ピニオン52の外周面に形成された歯部52aは、第4歯車61の歯部61aに噛合している。
第4車60は、支持軸S5で回転可能に支持された第4歯車61と、第4歯車61と同軸に設けられた第4ピニオン62とを備え、これらは一体に形成されている。
第4歯車61の外周面に形成された歯部61aは、第3ピニオン52の歯部52aに噛合しており、第4ピニオン62の外周面に形成された歯部62aは、出力歯車71の歯部71aに噛合している。
出力車70は、支持軸S6で回転可能に支持された出力歯車71と、出力歯車71のカバー4側の上面から軸方向に突出するボス部72と、を備え、出力歯車71とボス部72とは一体に形成されている。
ボス部72には、ボルト挿入孔72bが設けられており、このボルト挿入孔72bは、出力歯車71の支持軸S6を挿入する挿入孔71bと同軸に設けられている。
ボス部72の上端側の縮径部72aには、出力部材80の厚肉円筒部81が外挿されており、出力部材80とボス部72とは、ボス部72のボルト挿入孔72bに螺入されたボルトB2により、一体回転可能に連結されている。
なお、出力部材80の厚肉円筒部81よりも径方向外側の上端には、図示しない排水弁が連結される連結部82が設けられている。
以下、第2車40と、この第2車40が備えるラチェット機構100とを詳細に説明する。図3は、図2に示した第2車40の部分を、カバー4(図1参照)側の上方から見た分解斜視図である。
図2および図3に示すように、第2車40は、第2歯車41と、第2ピニオン42と、ラチェット部材110とを、同軸上で互いに組み付けて構成される。
ラチェット部材110は、第2ピニオン42の嵌合部143に取り付けられて、第2ピニオン42と連結されており、ラチェット部材110と第2ピニオン42とが一体回転可能に設けられている。
第2車40は、ラチェット部材110の係合爪113と、第2歯車41の係合歯122と、から構成されるラチェット機構100を備えており、第2歯車41と第2ピニオン42とは、このラチェット機構100により、回転方向に応じて、一体に回転(継状態)または相対的に回転(断状態)するようになっている。
図4は、第2歯車41と、第2ピニオン42と、ラチェット部材110とを組み付けた状態を、カバープレート5側の上方から見た平面図である。
例えば第2ピニオン42が、第2歯車41に対して反時計回り方向に回転する場合には、第2ピニオン42と一体に回転するラチェット部材110の係合爪113が、係合歯122の歯溝122cに係合して、第2ピニオン42と第2歯車41とが一体に回転し、時計回り方向に回転する場合には、ラチェット部材110の腕部112の先端112a側が回転中心O側に弾性変形して、係合爪113が係合歯122の傾斜面122bを摺動することで、第2ピニオン42と第2歯車41とが相対回転するようになっている。
図5の(a)は、ラチェット部材110をカバープレート5(図1参照)側から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
ラチェット部材110は、軸方向から見て略円形の本体部111と、本体部111の外周面111aから延びる腕部112とを備えている。
本体部111の中央には、第2ピニオン42の嵌合部143(図2参照)を嵌入する嵌合穴115が、本体部111を厚み方向(回転中心Oの軸方向)に貫通して設けられている。
嵌合穴115には、嵌合部143の断面に整合させた2面幅部115aが形成されており、嵌合穴115に嵌合部143を嵌入して、ラチェット部材110と第2ピニオン42とを連結すると、ラチェット部材110が第2ピニオン42と共に一体に回転するように連結される。
図5の(b)に示すように、本体部111の後記する蓋部150(図2参照)側の上面111bには、蓋部150側の上方に突出する突出壁114が、外周縁の全周に亘って同じ高さで形成されている。
図2に示す第2車40が組み付けられた状態において、ラチェット部材110は、支持軸S3の軸方向に多少のガタを持って設けられているので、ラチェット部材110が蓋部150側に移動した場合に、突出壁114のみが蓋部150に当接することで、ラチェット部材110と蓋部150との接触面積が小さくなるようにしている。
ラチェット部材110が回転中心O周りで回転する際の摺動抵抗が、本体部111の上面111bの総てが蓋部150に接している場合に比べて、小さくなるからである。
図5に示すように、腕部112は、本体部111の外周面111aから径方向外側に延びており、外周面111aから所定距離離間した位置から先は、外周面111aに沿って反時計回り方向に延びている。
腕部112の本体部111側の内周面112cのうち、先端112a側と基端112b側を除いた部分は、回転中心Oを中心とする仮想円Ima上に位置しており、腕部112の本体部111とは反対側の外周面112dのうち、先端112a側と基端112b側を除く大部分は、仮想円Imaと同心で、かつ仮想円Imaよりも径の大きい仮想円Imb上に位置している。
そのため、軸方向から見て腕部112の径方向の幅Wは、先端112a側と基端112b側を除いた大部分の範囲で同じ幅で形成されている。
腕部112は、本体部111で片持ち支持されており、腕部112の先端112a側は、本体部111と接続する基端112bを支点として、本体部111側に弾性変形可能になっている。
そのため、カバープレート5側から見た図4において、ラチェット部材110を第2歯車41に対して時計回り方向に回転させる回転トルクが入力されると、図5に示すように、ラチェット部材110が腕部112の先端112a側を図中矢印αで示す本体部111側に変位させて、係合爪113を図中2点差線で示す係合歯122の傾斜面122bを摺動させながら、時計回り方向に回転できるようになっている。
回転中心Oの軸方向から見て尖形状の係合爪113は、径方向外側に延びている。係合爪113は、腕部112が弾性変形していない状態において、係合歯122の歯溝122cに係合する長さで、腕部112の外周面112dよりも径方向外側に突出している。
そのため、図4に示すように、係合爪113が係合歯122の傾斜面122bと当接する位置にある場合には、腕部112の先端112a側は、常に径方向内側の本体部111側に弾性変形させられた状態となり、係合爪113は、この弾性変形により生ずる反力により径方向外側の係合歯122側に付勢された状態となっている。
よって、ラチェット部材110が時計回り方向に回転する際には、係合歯122の傾斜面122bを係合爪113が摺動するので、ラチェット部材110は、係合爪113に作用する付勢力に応じたブレーキ力を受けながら回転するようになっている。
図5に示すように、腕部112は、本体部111の回転中心O回りの周方向において、3つ設けられている。各腕部112の周方向長さL1〜L3は、それぞれ異なる長さで形成されており、腕部112を弾性変形させながらラチェット部材110が時計回り方向に回転する際に、腕部112の先端の係合爪113の各々が、係合歯122の歯溝122c(図4参照)に同時に落ち込まないようにしている。
係合爪113の各々が歯溝122cに同時に落ち込むと、落ち込みに起因するノイズがほぼ同時に起こり、大きなノイズとなるが、同時に落ち込まないようにすることで、ノイズを抑えることができるからである。
なお、実施の形態では、少なくとも係合爪113の部分に、粘稠性の潤滑剤であるグリスが塗布されており、このグリスにより、係合爪113と係合歯122の摩耗が防止されると共に、係合爪113が歯溝122cに落ち込む際の衝撃とノイズが緩衝されるようになっている。
図6の(a)は、第2歯車41をカバープレート5側から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図6に示すように、第2歯車41は、軸方向から見てリング形状を有しており、外周面には、第1ピニオン32の歯部32a(図1参照)が噛合する歯部41aが設けられている。
第2歯車41の中央部には、第2ピニオン42のボス部142(図2参照)を挿通させる挿通穴123が、第2歯車41を厚み方向(回転中心Oの軸方向)に貫通して設けられている。
第2歯車41のカバープレート5側の上面41bには、挿通穴123を所定間隔で囲む周壁121が、カバープレート5側の上方に突出して設けられており、ラチェット部材110を収容する収容室120が、周壁121の内側(回転中心O側)に有底円筒形状で形成されている。
収容室120の底面120aは、歯部41aの上面41bよりもカバープレート5から離れる下方側に(図中下側の方向)にオフセットしている。
周壁121の収容室120の底面120aからの高さh1は、全周に亘って同じ高さであり、図2に示すように、少なくともラチェット部材110の腕部112が、周壁121の高さ範囲内に収まるように設定されている。
図6の(b)に示すように、周壁121の外周面121aは、歯部41aが形成された外周よりも径方向内側(回転中心O側)にオフセットしている。
周壁121の外径D1は、後記する蓋部150の開口径D2(図8の(b)参照)よりも若干小さい径に設定されており、図2に示すように、第2車40を組み付けた際に、周壁121が蓋部150の嵌合壁部152に内嵌された状態で、第2歯車41が回転可能に設けられるようになっている。
図6に示すように、収容室120内には、中央の挿通穴123を囲む囲繞壁124が、周壁121と同方向に突出して設けられている。
囲繞壁124の収容室120の底面120aからの高さh2は、全周に亘って同じ突出高さであり、図2に示すように、第2車40が組み付けられた状態において、囲繞壁124の上端124aと、ラチェット部材110の本体部111の下面111cとの間に、僅かな隙間が確保される高さに設定されている。囲繞壁124と本体部111とが接触していると、ラチェット部材110が回転する際に抵抗となるからである。
図6の(a)に示すように、周壁121の回転中心O側の内周面には、係合歯122が全周に亘って設けられている。
係合歯122は、軸方向から見て鋸歯形状を有しており、カバープレート5側から見て、ラチェット部材110が第2歯車41に対して反時計回り方向に回転する際に、ラチェット部材110の係合爪113が当接する当接面122aと、時計回り方向に回転する際に係合爪113が摺動する傾斜面122bとを有する。
当接面122aは、第2歯車41の回転中心Oを通る直線Yにほぼ沿って形成されており、傾斜面122bは、基端である歯溝122cから離れるにつれて、周壁121から離れるように、回転中心O周りの時計回り方向に延びている。
前記したように、実施の形態では、ラチェット部材110の係合爪113に少なくともグリスが塗布されていれば良いが、係合爪113が摺動する係合歯122にもグリスが塗布されていることが好ましい。係合爪113と係合歯122の摩耗がいっそう防止されると共に、係合爪113が歯溝122cに落ち込む際の衝撃とノイズがより緩衝されるようになるからである。
図7の(a)は、第2ピニオン42をカバープレート5側から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
第2ピニオン42は、外周に歯部42aが形成された円盤形状の基部141と、基部141から回転中心Oの軸方向に延出するボス部142と、ラチェット部材110が外嵌する嵌合部143と、基部141からボス部142とは反対側に延出する支持部144と、を備えており、これらは一体に形成されている。
第2ピニオン42には、回転中心Oの軸方向に沿って貫通孔145が設けられており、図2に示すように、ケース2において第2ピニオン42は、貫通孔145に挿通した支持軸S3で回転可能に支持されている。
図7に示すように、嵌合部143は、円筒形状のボス部142の上端側を、回転中心Oを挟んで対象、かつ平行な2面に沿って切り落として形成されており、互いに平行な平面部143aを有している。
嵌合部143は、ラチェット部材110の嵌合穴115(図5参照)と整合する断面形状を有しており、図2に示すように、第2ピニオン42は、嵌合部143を嵌合穴115に嵌合することで、ラチェット部材110と一体回転可能に連結される。
嵌合部143の軸方向高さh3は、ラチェット部材110の本体部111の厚みW1(図5の(b)参照)とほぼ同じ高さに設定されており、第2車40が組み付けられた状態において、ボス部142の軸方向の上端面142aでラチェット部材110の本体部111が支持されるようになっている。
図7に示すようにボス部142は、円筒形状を有しており、軸方向から見た外形は、第2歯車41の挿通穴123(図6参照)に挿通可能な円形形状を有している。
図2に示すように、第2車40が組み付けられた状態において、ボス部142には、第2歯車41の囲繞壁124が外挿されており、ボス部142において第2歯車41は、回転中心O周りに回転可能に支持されている。
ボス部142の軸方向高さh4は、ボス部142の上端面142aが、第2歯車41の囲繞壁124の上端124aから僅かに上方に突出する高さで設定されている。
ここで、囲繞壁124は、回転中心Oの軸方向に所定長さを有しており、ボス部142の軸方向におけるほぼ全域に亘って接しているので、第2歯車41と第2ピニオン42とが回転中心O周りに回転する際の第2歯車41の軸ブレが囲繞壁124により抑えられるようになっている。
支持部144は、回転中心Oの軸方向に沿って、ボス部142とは反対側に延びており、先端144aを仕切壁6(図2参照)に当接させて設けられている。
図8の(a)は、カバープレート5の蓋部150を、仕切壁6側の下方から見た図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であって、第2歯車41と第2ピニオン42とを仮想線で示した図である。
図8の(b)に示すように、カバープレート5には、第2歯車41の収容室120のカバープレート5側の開口を塞ぐ蓋部150が設けられている。
図3および図8の(a)に示すように、蓋部150は、有底円筒形状を有しており、底壁部150aをカバー4(図1参照)側の上方に突出させて、カバープレート5と一体に形成されている。
蓋部150は、第2歯車41の周壁121に全周に亘って外嵌する嵌合壁部152を有しており、図8の(a)に示すように、嵌合壁部152は、軸方向から見てリング形状を有している。
図8の(b)に示すように、嵌合壁部152の仕切壁6(図1参照)側の先端152aは、カバープレート5の仕切壁6側の面5aよりも仕切壁6側の下方に突出しており、第2車40が組み付けられた状態において、第2歯車41の上面41bに当接可能な高さを有している。
第2車40が組み付けられた状態において、嵌合壁部152には、第2歯車41の周壁121が仕切壁6側の下方から内嵌して、収容室120の蓋部150側の開口が蓋部150で塞がれており、カバープレート5と第2歯車41との間に、ほぼ密閉された空間Sが形成されている。
実施の形態では、この密閉された空間S内に、ラチェット部材110の係合爪113と、周壁121の内周の係合歯122とから構成されるラチェット機構100(図3参照)が設けられており、係合爪113の係合歯122への係脱による衝撃で、係合爪113や係合歯122に塗布されたグリスが、密閉された空間Sの外部に飛散しないようになっている。
蓋部150において底壁部150aの中央には、支持軸S3の上端を支持する軸受部151が、カバー4側の上方に突出して、蓋部150と一体に設けられている。
さらに、図8の(a)に示すように、底壁部150aの仕切壁6(図1参照)側の面には、軸方向から見てリング形状の凹溝153が、嵌合壁部152から径方向内側に所定距離離間した位置に設けられており、凹溝153は、全周に亘って同じ幅W2で形成されている。
この凹溝153の幅W2は、ラチェット部材110の腕部112の幅Wよりも大きい幅寸法(W2>W)で形成されており、第2車40が組み付けられた状態において、図中2点差線で示すように、ラチェット部材110の腕部112の基端112b側と先端112a側の係合爪113とを除いたほぼ全領域が、軸方向から見て凹溝153と重なる位置に配置されるようになっている。
実施の形態では、ラチェット部材110と第2ピニオン42もまた、軸方向に多少のガタを持って設けられているので、ラチェット部材110が第2歯車41と共に蓋部150側に移動しても、ラチェット部材110の腕部112の大部分が底壁部150aの第2歯車41との対向面150bに接触しないようにするために、凹溝153が設けられている。
腕部112と蓋部150の底壁部150aとが広範囲に亘って接触していると、ラチェット部材110が、腕部112の先端112a側を図中符号αで示す方向へ弾性変形させながら、第2歯車41に対して相対回転する際に、腕部112と底壁部150aとの間の摩擦により、腕部112の弾性変形が阻害されてしまうからである。
かかる構成のラチェット機構100によると、図4に示すように、カバープレート5側から見て、ラチェット部材110を第2歯車41に対して時計回り方向に回転させる回転トルクが第2ピニオン42に入力されると、入力された回転トルクが、腕部112の先端112a側を本体部111(回転中心O)側に弾性変形させて係合爪113を係合歯122の傾斜面122bを摺動させながら、ラチェット部材110が回転するのに必要なトルク(応力)よりも大きくなった時点で、ラチェット部材110が時計回り方向に回転する。
また、カバープレート5側から見て、ラチェット部材110を第2歯車41に対して反時計回り方向に回転させる回転トルクが第2ピニオン42に入力されると、ラチェット部材110の係合爪113が、係合歯122の歯溝122cに係合して、ラチェット部材110は第2歯車と一体に反時計回り方向に回転する。
実施の形態では、図2に示すように、ラチェット部材110は、カバープレート5の蓋部150と第2歯車41の周壁121との間に形成された密閉された空間S内に位置しているので、係合爪113を係脱させながら回転しても、係合爪113や係合歯122に塗布されたグリスが、係合爪113と係合歯122の歯溝122cとの係合による衝撃で外部に飛散することがない。
ここで、実施の形態における第2ピニオン42が、発明における第1の回転体に相当し、実施の形態における第2歯車41が、発明における第2の回転体に相当し、実施の形態におけるラチェット部材110が、発明における回転部材に相当する。
さらに、実施の形態における軸受部151が、発明における軸受に相当し、実施の形態におけるボス部142が、発明における貫通部に相当する。
以上の通り、実施形態では、図2から図4に示すように、第2ピニオン42と同軸に設けられた第2歯車41に、第2ピニオン42と一体に回転するラチェット部材110の外周を所定間隔で囲む周壁121が設けられて、この周壁121の内側にラチェット部材110を収容する有底筒状の収容室120が形成されており、ラチェット部材110の腕部112から径方向に延出する係合爪113と、周壁121の内周に設けられて係合爪113がラチェット部材110の径方向で弾性係合する係合歯122と、から構成され、係合爪113と係合歯122とのうちの少なくとも一方に粘稠性のグリスが塗布されたラチェット機構100により、第2ピニオン42と第2歯車41とが、係合爪113を係合歯122に対して係脱させながら共通の支持軸S3周りで相対回転するようにされたラチェットにおいて、収容室120の開口を塞ぐ蓋部150を設けて、係合爪113の係合歯122に対する係脱が、有底筒形状の収容室120の開口を蓋部150で塞いで形成されたほぼ密閉された空間S内で行われるようにした。
これにより、係合爪113と係合歯122との係合による衝撃でグリスが飛散しても、空間Sは、ほぼ密閉された空間であるので、グリスを空間S内に留まらせることができる。
よって、長期間に亘って使用しても、従来のクラッチ機構を備える複合歯車のように、少なくとも係合爪113と係合歯122との接触部分を潤滑するグリスの量が大きく減少しないので、グリスの効果を持続させることができる。
さらに、図8に示すように、蓋部150は、第2ピニオン42および第2歯車41の共通の支持軸S3を支持する軸受部151と一体に形成されている構成とした。
これにより、モータ式駆動装置1において支持軸S3の支持に用いられている既存の部材を用いて蓋部150が構成されるので、グリスの飛散を防止するための蓋となる部材を別途設ける必要がない。よって、部品点数の増加を防止できると共に、部品点数の増加に伴う作製コストの上昇も防止できる。
また、蓋部150と軸受部151とが一体に形成されているので、蓋部150を、軸受部151を基準として位置精度良く設けることができ、係合歯122と蓋部150の位置精度が向上する。
さらに、蓋部150を別体で構成すると、収容室120の開口を蓋部150で塞いで空間Sを形成するために、第2歯車41の周壁121に蓋部150を組み付ける工程が必要となり、作業コストが上昇する。蓋部150と軸受部151とが一体に形成されていると、かかる組み付ける工程が不要となるので、別体で構成する場合に比べて作業コストの低減が可能となる。
また、図8に示すように、蓋部150には、第2歯車41の周壁121に全周に亘って外嵌する環状の嵌合壁部152が、支持軸S3の軸方向に沿って第2歯車41側に突出して形成されており、嵌合壁部152の先端152aは、第2歯車41の上面41bの近傍まで及んでいる構成とした。
一般に、第2歯車41は、係合爪113と係合歯122とに支持軸S3の軸方向のガタを持たせるために、軸方向の僅かな範囲内で移動できるように設けられている。
嵌合壁部152が周壁121の全周に亘って外嵌していると、第2歯車41が蓋部150から離れる方向に移動しても、支持軸S3の径方向から見て、周壁121と嵌合壁部152との間に、収容室120を蓋部150で塞いで形成された空間Sと外部とを連通させる隙間が生じないので、係合爪113と係合歯122との係合による衝撃で飛散したグリスを、空間S内に確実に留まらせることができる。
これにより、グリスの空間Sからの漏出を好適に防止でき、長期間に亘って使用しても、従来のクラッチ機構を備える複合歯車のように、係合爪113と係合歯122との接触部分を潤滑するグリスの量が大きく減少しないので、グリスの効果を持続させることができる。
さらに、図8の(b)に示すように、第2歯車41との対向面のうち、嵌合壁部152で囲まれた内側の領域(対向面150b)は、外側の領域(面5a)よりも、支持軸S3の軸方向で第2歯車41から離れる方向にオフセットしている構成とした。
これにより、収容室120を蓋部150で塞いで形成される空間Sを、蓋部150側にオフセットさせて設けることができるので、オフセットさせた分だけ、第2歯車41の軸方向の厚みを薄くすることができる。
また、図2に示すように、第2歯車41は、収容室120の開口を重力方向における上側に向けて配置される構成とした。
これにより、係合爪113と係合歯122との係合(図4参照)による衝撃で、係合爪113と係合歯122とのうちの少なくとも一方に塗布されたグリスが、重力方向における上側に位置する蓋部150側に飛散しても、飛散したグリスが、重力により重力方向における下側に位置する収容室120内に戻って、係合爪113と係合歯122の接触領域などを潤滑するようになる。
また、例えば周囲の環境が高温となることなどにより、グリスの粘度が低下して流動性が高くなったとしても、有底円筒形状の収容室120は、断面視においてカップ形状を成しているので、流動性が高くなったグリスが外部に漏出することを好適に防止できる。
さらに、図5に示すように、ラチェット部材110は、第2ピニオン42と同軸に設けられて第2ピニオン42と一体に回転する本体部111と、本体部111の外周面111aから延出し、係合爪113を有する先端112a側が径方向に変位可能な腕部112を備えており、図8に示すように、蓋部150の第2歯車41との対向面には、支持軸S3の軸方向から見て、ラチェット部材110の回転中心Oを所定間隔で囲む凹溝153がリング形状で設けられており、腕部112の少なくとも先端112a側は、支持軸S3の軸方向から見て凹溝153と重なる位置を、本体部111の外周面111aに沿って延びている構成とした。
このように構成すると、支持軸S3の軸方向に多少のガタを持たせて設けられたラチェット部材110が、蓋部150側に移動しても、腕部112における支持軸S3の軸方向から見て凹溝153と重なる部分は、蓋部150の第2歯車41との対向面150bに接触しないので、腕部112の本体部111側への変位が阻害されることがない。また、腕部112の本体部111側への変位が阻害されないようにするために、空間Sの軸方向の厚みを大きく確保する必要がない。
また、図2に示すように、支持軸S3の軸方向において、第2歯車41は、蓋部150と第2ピニオン42との間に位置しており、第2ピニオン42は、第2歯車41を軸方向に貫通して、先端側が収容室120内に位置するボス部142を有しており、ラチェット部材110は、収容室120を蓋部150で塞いで形成される空間S内で、ボス部142の先端の嵌合部143に連結されて、第2ピニオン42と一体回転可能に設けられている構成とした。
これにより、支持軸S3の軸方向で、第2ピニオン42と第2歯車41との間にラチェット部材110を設ける場合に比べて、第2ピニオン42と第2歯車41とを近接させて設けることができるので、第2車40の軸方向の厚みを薄くすることができる。
また、第2歯車41に対して固定側の部材である蓋部150で、収容室120の開口が塞がれるので、収容室120を蓋部150で塞いで形成される空間Sを、ほぼ密閉された空間にすることができ、グリスの空間Sの外部への漏出をより好適に防止できるようになる。
なお、実施の形態では、第2歯車41の蓋部150との対向面に有底円筒形状の収容室120を設けた場合を例示したが、収容室120は、第2ピニオン42との対向面に設けられていても良い。
かかる場合、第2ピニオン42の歯部42aの直径を収容室120の開口径よりも大きくする、第2歯車41と第2ピニオン42との間に、収容室120の開口径よりも大きい直径の円板形状の蓋部材を第2ピニオン42または第2歯車41と一体回転可能に設けることなどにより、収容室120の開口を塞ぐことで、グリスの飛散を防止できる。
実施の形態では、カバープレート5側から見て、ラチェット部材110を第2歯車41に対して時計回り方向に回転させる回転トルクが入力された場合に、ラチェット部材110(第2ピニオン42)と第2歯車41とが相対回転をし、反時計回り方向に回転させる回転トルクが入力された場合に、ラチェット部材110(第2ピニオン42)と第2歯車41とが一体に回転するようにしたラチェット機構100の場合を例示した。
しかし、係合爪113の係合歯122に対する係脱が、蓋部150と周壁121との間の密閉された空間S内で行われるのであれば、ラチェット部材110を第2歯車41に対して時計回り方向に回転させる回転トルクが入力された場合に、ラチェット部材110(第2ピニオン42)と第2歯車41とが一体に回転し、反時計回り方向に回転させる回転トルクが入力された場合に、ラチェット部材110(第2ピニオン42)と第2歯車41とが相対回転をするようにしたラチェット機構であっても良い。
さらに、時計回り方向と反時計回り方向の何れの回転トルクが入力された場合であっても、ラチェット部材110(第2ピニオン42)と第2歯車41とが相対回転をするように係合歯の形状を調整したラチェット機構であっても良い。
実施の形態では、ラチェット部材110の少なくとも係合爪113にグリスが塗布されている場合を例に挙げて説明をしたが、係合爪113が弾性係合する係合歯122、好ましくは係合歯122の全面に亘って、または係合歯122と係合爪113の両方に、グリスが塗布されていても良い。
このようにすることによっても、係合爪113と係合歯122の摩耗が防止されると共に、係合爪113が歯溝122cに落ち込む際の衝撃とノイズが緩衝される。
さらに、第2歯車41の収容室120内にグリスが充填されていてグリスの中にラチェット部材110が埋め込まれるように配置されていても良い。
かかる場合、第2ピニオン42が第2歯車41に対して相対回転する際に、ラチェット部材110がグリスをかき回しながら回転するので、グリスの高い粘性が、ラチェット部材110の回転を阻害して、ラチェット部材110の回転に常にブレーキ力が与えられるようになる。
実施の形態では、仕切壁6とカバープレート5の軸受部151とで両端が支持された支持軸S3で、ラチェット部材110と第2歯車41と第2ピニオン42とがそれぞれ回転可能に支持されており、支持軸S3が固定軸である場合を例示した。しかし、支持軸S3が、第2ピニオン42と一体回転可能に連結されて、支持軸S3の両端が、仕切壁6と軸受部151とでそれぞれ回転可能に支持された回転軸であっても良い。
実施の形態では、蓋部150の第2歯車41との対向面のうち、嵌合壁部152で囲まれた内側の領域(対向面150b)が、外側の領域(面5a)よりも、支持軸S3の軸方向で第2歯車41から離れる方向にオフセットしている場合を例示したが、対向面150bと面5aとがオフセットしておらず、面一に形成されているようにしても良い。
1 モータ式駆動装置
2 ケース
3 本体部
4 カバー
5 カバープレート
6 仕切壁
30 第1車
40 第2車
41 第2歯車
42 第2ピニオン
50 第3車
60 第4車
70 出力車
80 出力部材
82 連結部
100 ラチェット機構
110 ラチェット部材
111 本体部
112 腕部
112a 先端
112b 基端
113 係合爪
114 突出壁
115 嵌合穴
120 収容室
121 周壁
122 係合歯
122a 当接面
122b 傾斜面
122c 歯溝
123 挿通穴
124 囲繞壁
141 基部
142 ボス部
143 嵌合部
144 支持部
145 貫通孔
150 蓋部
151 軸受部
152 嵌合壁部
153 凹溝
G 減速歯車列
M モータ
S 空間
S1〜S6 支持軸

Claims (6)

  1. 第1の回転体と同軸に設けられた第2の回転体に、前記第1の回転体と一体に回転する回転部材の外周を所定間隔で囲む周壁が設けられて、前記回転部材を収容する有底筒状の収容室が形成されており、
    前記回転部材から径方向に延出する係合爪と、前記周壁の内周に設けられて前記係合爪が前記径方向で弾性係合する係合歯と、から構成され、前記係合爪と前記係合歯とのうちの少なくとも一方に粘稠性の潤滑剤が塗布されたラチェット機構により、
    前記第1の回転体と前記第2の回転体とが、前記係合爪を前記係合歯に係脱させながら支持軸周りで相対回転するようにされたラチェットにおいて、
    前記収容室の開口を塞ぐ蓋部材を設けると共に、前記蓋部材に、前記周壁に全周に亘って嵌合する環状の嵌合壁部を形成したことを特徴とするラチェット。
  2. 前記蓋部材は、前記支持軸を支持する軸受と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェット。
  3. 前記蓋部材の前記第2の回転体との対向面のうち、前記嵌合壁部で囲まれた内側の領域は、外側の領域よりも、前記軸方向で第2の回転体から離れる方向にオフセットしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラチェット。
  4. 前記第2の回転体は、前記収容室の開口を重力方向における上側に向けて配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のラチェット。
  5. 前記回転部材は、
    前記第1の回転体と同軸に設けられて前記第1の回転体と一体に回転する本体部と、
    前記本体部の外周から延出し、前記係合爪を有する先端側が前記径方向に変位可能な腕部を備えており、
    前記蓋部材の前記第2の回転体との対向面には、前記回転部材の回転中心を所定間隔で囲む凹溝が設けられており、
    前記腕部の少なくとも先端側は、前記支持軸の軸方向から見て前記凹溝と重なる位置を、前記本体部の外周に沿って延びていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のラチェット。
  6. 前記支持軸の軸方向において、前記第2の回転体は、前記蓋部材と前記第1の回転体との間に位置しており、
    前記第1の回転体は、前記第2の回転体を前記軸方向に貫通して、先端側が前記収容室内に位置する貫通部を有しており、
    前記回転部材は、前記収容室を前記蓋部材で塞いで形成される空間内で、前記貫通部に連結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載のラチェット。
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