JP5300363B2 - 保持用治具およびそれを用いた搬送装置 - Google Patents

保持用治具およびそれを用いた搬送装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、半導体ウエハ、ガラス基板、樹脂板等を保持するための保持用治具およびそれを用いた搬送装置に関し、特に、物体を吸着保持して搬送するのに好適な保持用治具およびそれを用いた搬送装置に関する。
従来より、半導体ウエハやガラス基板等の物体(以下、被保持体という)を保持し搬送することを目的として保持用治具が使用されている(特許文献1を参照)。図4(a),(b)および図5に特許文献1に開示された保持用治具400の斜視図を示す。図4(a)は保持用治具の平面図、同図(b)は同図(a)のX−X’断面図である。
これら図に示すように、この保持用治具は、板状体の支持部材43に、その表側の一方端に形成された吸引孔42から裏面側の他方端に形成された吸着孔44まで連通となる流路45を形成し、吸引孔44から例えば空気を吸引することにより吸着孔42の周囲の吸着面41にて保持可能とするものである。
図4(a)、(b)に示す保持用治具400は、支持部材43の保持面41が炭化珪素などからなる体積固有抵抗が10Ω・cm以下の硬質薄膜40で被覆されたものである。図5のものでは、アルミナ/炭化チタン複合材料からなる支持部材43に有機接着剤などの接着材でステンレス製のライナ46を接合し、吸引孔44から吸着孔42までを連通可能とするよう流路45を確保して封止している。保持用治具400は、不図示の取付孔にて不図示の搬送装置に取り付けられ、この搬送装置から真空吸引が行われ、吸引孔44から流路45を介して吸着孔42から物体を吸着し、物体は保持面41にて吸着保持される。
保持用治具400は、容易な加工が可能となり、静電気による帯電防止を防止し、静電破壊の防止とパーティクルの吸引を防止できるとされる。
特開平5−275513号公報
しかしながら、保持用部材400は、例えば、支持部材43をアルミナ/炭化チタン複合材料のみで形成した場合は、体積固有抵抗が10−2Ω・cm程度と低いため、静電気が一気に除電される。これにより、急激な放電が発生し、そのために半導体ウエハが絶縁破壊されることがあった。さらに、材料中に含有されるTi、Fe、Cu、Znなどの遷移金属が半導体ウエハの表面に付着した場合は、コンタミネーションとなり、pn接合リーク不良を発生させることがあった。なお、このpn接合リーク不良は、pn接合に逆バイアス電流が印加されたときに流れるリーク電流によって起こる素子の誤作動をいう。
次に、支持部材43が炭化珪素の場合は、体積固有抵抗が10〜10Ω・cm程度であり、半導電性を有している。これにより、静電気が一気に除電されることによる絶縁破壊は防止されるが、除電の速度が遅いため帯電することがあり、半導体ウエハが絶縁破壊することがあった。
また、保持面にパーティクルが多い場合は、ボイド内にパーティクルが堆積し、それが半導体ウエハなどの物体に転写し、汚染することがあった。
近年、半導体ウエハの大口径化に伴い、保持用治具400も大型化する傾向があるので、除電速度が遅い材料を用いた場合、保持用治具400が帯電し、絶縁破壊が発生しやすい傾向がある。さらに、保持用治具400が帯電することによって、パーティクルが保持用治具400に付着し、それが半導体ウエハなどの物体に転写し、汚染されることがある。
特に特許文献1の技術は、体積固有抵抗の値が10Ω・cm以下の硬質薄膜40で被覆しているので、静電気が一気に除去されることがあり、放電のために絶縁破壊されることがある。また、硬質薄膜40の剥離によるパーティクルが発生したり、長期に使用することが困難である。さらに、硬質薄膜自体が剥離した場合は、保持面自体の除電効果がなくなる。
以上のように、保持面での静電気が一気に除去でき、半導体ウエハなどの被吸着物を絶縁破壊することなく、また、保持用治具の内部では静電気を速やかに通電させて除電可能とすることが可能な保持用治具が必要とされてきた。
そこで本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体ウエハなどの被吸着物を絶縁破壊することなく、且つ、パーティクルを付着させない保持用治具および搬送装置を提供することにある。
本発明の保持用治具は、半導電性セラミックスからなる保持部材と、該保持部材より体積固有抵抗が低く該保持部材に接する板状のセラミックスからなる支持部材と、前記保持部材と前記支持部材とを接合するとともに前記保持部材の体積固有抵抗と同等かそれ以下の接着材と、該支持部材の一方端部に形成された吸引孔から他方端部に形成された吸着孔まで連通する流路とを有し、前記保持部材は、前記吸着孔の周囲に位置するとともに、該吸着孔によって吸着される被保持体を保持することを特徴とする。
本発明の搬送装置は、上記保持用治具を前記被保持体の吸着手段および搬送手段として用いたことを特徴とする。
記保持用治具によれば、前記保持部に静電気が帯電することが無くなり、静電破壊が発生しない。また、除電速度が速いので、大型の保持用治具となっても、帯電することが無く、除電経路を確保可能となり、静電破壊が発生しにくくなる。さらに、保持部などの表面では一気に除電されないので、静電破壊を防止することが可能となる。そして、静電気を除電できることから、周囲のパーティクルを寄せ付けないので、例えば保持用治具の保持部のパーティクルが転写して、半導体ウエハなどの被吸着物にパーティクルを付着させることがない。
特に、上記保持用治具によれば、保持部材から支持部材への電荷の流れを阻害することが無いので、半導通性セラミックスで構成された保持部材に帯電した電荷を速やかに、体積固有抵抗の低い支持部材に導くことが可能となり、保持部に静電気が発生することが無い。
本発明の吸着装置によれば、前記保持用治具を用いた生産性の高い吸着保持装置を得ることが可能となり、また、吸着される半導体ウエハなどを高精度に加工することが可能となる。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の保持用治具の実施形態を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。
本発明の保持用治具100は、セラミックスからなる保持部と、この保持部に接してなりこの保持部より体積固有抵抗が低い部分とを有する。または、セラミックスからなる保持部材と、これより体積固有抵抗が低く、これを搭載する支持部材とが、保持部材の体積固有抵抗と同等かそれ以下の接着材で接合されている。
また、このような構成において、特に、保持部または保持部材は炭化珪素や不純物をドープして半導体化させたシリコン等からなり、それに接する部分はアルミナ/炭化チタン(Al−TiC)複合材料、Fe−Nb−Mn−Al系酸化物セラミックス(例えばFeをFe換算で30〜35モル%、NbをNb換算で3〜6モル%、MnをMnO換算で47〜52モル%、AlをAl換算で10〜20モル%それぞれ含有するセラミックス)等からなる。これにより、保持部が半導電性であるために、表面では一気に除電されることがなく、静電破壊することがない。そして、保持部の周囲の体積固有抵抗の値が導電性であるために、保持用治具内部の除電速度が速く、大型化しても、保持用治具中で帯電することがない。
また特に、保持部または保持部材に被保持体を吸着するように成すとよい。これにより、保持部においては、一気に除電することが無く、さらに、内部では除電速度が速く、帯電しにくい保持用治具とすることができる。
また特に、保持部または保持部材は炭化珪素からなり、その表面の最大ボイド径が5μm以下で且つボイド占有率が0.1%未満であることとする。これにより、保持部のボイド内に残存しているパーティクルが、半導体ウエハに付着することが無い。
また特に、前記セラミックスの体積固有抵抗は10〜10Ω・cmの範囲であり、支持部材の表面が絶縁性であることとする。これにより、例えばアルミナ/炭化チタン複合材料の表面に、絶縁膜を形成することによって、保持部で支持された半導体ウエハなどの物体と支持部材間のクリアランスが小さい場合でも、支持部材の表面から一気に放電することを防止することでき、物体の静電破壊を防止することができる。
さらに特に、前記セラミックスの体積固有抵抗は10〜10Ω・cmの範囲であり、支持部材の表面が導電性であることとする。これにより、保持用治具の内部が絶縁性セラミックスであっても、導電膜によって吸着部に帯電した静電気を除電することが可能となり、静電気の帯電による絶縁破壊を防止することができる。
具体的には、図1に示すように、保持用治具100は、板状の支持部材3を有し、支持部材3の表側の一方端部に形成された吸引孔から裏側の他方端部に形成された吸着孔まで連通する流路5を有している。このような構成において、吸引孔4から例えば空気を吸引することにより、吸着孔2の周囲の吸着面1にて被保持体を保持可能とするものである。そして、保持部である保持面1および保持部材7が半導電性セラミックスから形成されるが、保持部がその周囲より体積固有抵抗が高い半導電性セラミックスからなる。例えば、図1に示す支持部材3は、前記半導性セラミックスよりも、体積固有抵抗が低い材質で構成されている。そのため、保持部での静電気が一気に除去されて絶縁破壊することなく、また、保持用治具100の内部では静電気を速やかに通電させて除電可能とすることが可能となる。なお、半導電性セラミックスとは、10−1〜10Ω・cmの範囲(より好適には10〜10Ω・cm)の体積固有抵抗を有するものとする。
また、本発明の保持面1は炭化珪素とし、保持部の周囲をアルミナ/炭化チタン複合材料から構成されることが好ましい。その理由は、炭化珪素は体積固有抵抗が10〜10Ω・cmで半導電性を有するのと同時に、高硬度で耐摩耗性に優れており、被保持体を複数吸着および搬送した場合でも、磨耗することが無く、高精度な吸着面を維持することが可能である。また、アルミナ/炭化チタン複合材料は、体積固有抵抗が10−2Ω・cmと金属と同程度であり、且つ、比剛性が金属と比較して高いため、自重たわみが少ないためである。
ところで、静電破壊は、吸着される被保持体と保持面間に発生する放電現象によって発生する。この放電現象には、以下の2通りの形態の形態がある。(1)帯電した被保持体が、抵抗値の低いアースされた被保持体と接触した場合と、(2)帯電した被保持体が、電気的に帯電した別の被保持体と接触した場合である。
本発明では、物体の保持部が半導通セラミックスで形成され且つ、前記保持部材を主に構成する基体の体積固有抵抗が、前記保持部の材質の体積固有抵抗よりも低い値であることを特徴としている。
そのため、保持部において、静電気が一気に除去されることによる、急激な放電現象が発生することが無く、上記(1)に起因した静電破壊を防止することができる。さらに、支持部材は保持部よりも、体積固有抵抗が低い材料で形成されているため、すばやく除電することができる。そのため、被加工物保持部材が帯電することが無く、静電破壊を防止することができ、上記(2)に起因した静電破壊を防止することができる。
次に、保持面1がある保持部材7は、導通性のある接着材8で、支持部材3に接合されている。さらに、支持部材3の内部に有機接着剤などの接着材で支持部材3に接合されたライナ6と支持部材3で形成される流路5を有している。ここで、接着材には、導電性のエポキシ系樹脂としては、例えば、ドータイトA−3/C−3(藤倉化成社製)、高電導性高熱伝導性エポキシ接着剤(エス・エス・アイ社製)、Duralco 120(COTRONICS社製)、Duralco 4461(COTRONICS社製)等が使用可能である。また、その他の材料としてはAg−Cu−Tiを用いたロウ付け等が使用可能である。
保持用治具100は、取付孔9にて不図示の搬送装置に取り付けられる。この搬送装置は、流路5に連通した吸引孔4から流路5を介し吸着孔2から真空吸引され、保持面1で半導体ウエハなどの被保持体を吸着するものである。
保持部材7の体積固有抵抗は10−1〜10Ω・cmの半導電性セラミックスからなることが好ましい。この材質は半導電性セラミックスであれば、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、炭化珪素、アルミナ/炭化チタン複合材料などを用いることができるが、被保持体が半導体ウエハの場合は、炭化珪素を用いることが好ましい。
これらは、アルミナセラミックスであればアルミ成分、ジルコニアセラミックスであれば、安定化材であるイットリウムが、半導体ウエハに悪影響を与える場合があり、さらに、アルミナ/炭化チタン複合材料では、遷移金属であるTiが、コンタミネーションとなり、pn接合リーク不良などの問題を発生させる場合があるためである。
また、炭化珪素の表層部の最大ボイド径が5μm以下で且つボイド占有率が0.1%未満であることが好ましい。これは、保持部材7のボイド内に残存しているパーティクルが、半導体ウエハに付着しにくいためである。
さらには、保持部材7の体積固有抵抗は10〜10Ω・cmの範囲がさらに好ましい。体積固有抵抗が10Ω・cmより高い場合、除電効果が小さくなるおそれがあり、保持面1に静電気が帯電する恐れがある。体積固有抵抗が10Ω・cmよりも低い場合、静電気が一気に除電されやすくため、静電破壊が発生するおそれがある。
次に、吸着時に被保持体を傷つけてしまうことを防止するため、保持面1の表面粗さは、算術平均高さ(Ra)で0.8μm以下にすることが好ましい。さらに、被保持体が半導体ウエハの場合は、算術平均高さ(Ra)0.2μm以下とすることが好ましい。
支持部材3は、保持部よりも体積固有抵抗が低い材質で構成されていることが好ましい。支持部材3は、保持部よりも体積固有抵抗が低い材質であれば金属材料、樹脂、セラミックス等、いずれの材質を用いても良い。肉厚が薄く、変形が少ない保持用治具100とするためには、支持部材3は、比剛性が高いセラミックスを用いることが好ましい。特に、支持部材3は、セラミックスの中でも体積固有抵抗が低いアルミナ/炭化チタン複合材料を用いることが好ましい。アルミナ/炭化チタン複合材料からなる支持部材3は、内部の通電が速やかに行われ、保持用治具100が大型化しても除電が可能となる。
また、支持部材3の体積固有抵抗の値は、保持部材3よりも低くければ良いが、静電気の除電速度が良好となる10−2Ω・cm以下がより好ましい。
さらに、流路5は、支持部材3と任意の接合剤(エポキシ接着剤など)で接着されたライナ6との間で形成されているが、ライナ6を用いずに、支持部材3が貫通孔で形成したものであっても構わない。
次に、接着材8としては、保持部材7の体積固有抵抗が同等かそれ以下であれば良い。接合方法は、導電性接着による接合およびロウ付けによる方法が好ましい。
アルミナ/炭化チタン複合材料にて支持部材3を形成する場合は、アルミナ(Al)を主成分とし、炭化チタン(TiC)および焼結助剤を含有してなる組成とすれば良い。さらにAlを主成分とし、TiCの含有量を全体の12〜30質量%とし、その他に必要に応じて、8〜25質量%のBC、25〜45質量%のSiC等を含有する組成とすることもできる。
以下、製造方法について具体的に説明する。
まず支持部材3の製造方法について説明する。上記組成となるように原料粉末を調合し、プレス成形や射出成形等の公知の方法で所定の形状に成形し、還元雰囲気で1600〜1900℃で焼成すればよい。そして、公知の方法で、研削加工で所望の寸法になるように加工する。その際、保持部材7を接合するザグリ部分、流路5、ライナ6を接着する溝、取付孔9を吸引孔4、吸着孔2を加工する。
次に、保持部材7の製造方法について説明する。保持部材7は例えば以下のように作製する。SiCにて保持部材7を形成する場合、平均粒径が0.4μmのα型炭化珪素粉末100質量部に対してBCを0.4質量部を添加し充分に混合した後、炭化率40%のフェノール樹脂を用いて炭素換算量が2質量部となるように添加する。この混合粉末をゴム型に入れ、冷間等方静水圧プレス法にて、成形圧70〜130MPaにて成形することによって生密度2.1g/cmの生成形体を得る。そして、この生成形体を1800〜2100℃で仮焼処理した後、アルゴン雰囲気中で、1900〜2100℃×2時間で一次焼成する。
さらに、保持部を緻密化するために処理温度1900〜2100℃で、圧力180〜200MPaにてHIPを行う。次に、研削加工を行い所望の寸法になるように加工し、保持面1、吸着孔2を形成する。
得られた支持部材3に保持部材7を接着材8で接合する。接着材8には、導電性エポキシ接着剤を使用する。この際、他の接着材などと合わせて接着することによって、接合部からのエアリークを防止することもできる。接着材が硬化した後、保持面1をラップ加工などで仕上げると同時に、平面度などの精度を向上させるための加工を行う。支持部材3にライナ6を接着する。
ところで、支持部材3の体積固有抵抗は、四端子法で測定すればよい。例えば、三菱化学株式会社のLorestaHP(MCP−T410)を用いて測定する。具体的には、製品の概略寸法を前記測定器に入力し、前記測定器に接続されたプローブを支持部材3に押し当てることによって体積固有抵抗を測定する。
保持部材7の体積固有抵抗は、上記四端子法で測定すればよい。保持部材7のボイドは、LUZEX社の画像処理装置にて、例えば、倍率200倍で測定範囲を任意の1.8mmの条件で測定可能である。
具体的には、保持部材7部分を画像処理装置に接続された金属顕微鏡の試料台上に載せ、保持部材7の表面を画像データで取り込む。次に、この画像データを、ボイド部分を黒色、その他の部分を白色とする二値化処理を行い、ボイド部分の黒色の径を測定することによって、最大ボイド径、ボイド占有率を求めることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の保持用治具の他の実施形態について説明する。
図2(a)、(b)は、図1(a)、(b)に示す実施形態と同様の構造を示している。図2(a)は本発明の保持用治具200の正面図、(b)は、(a)のX−X’線における断面図である。支持部材3の表面に絶縁膜20を形成した構造した点が異なっている。絶縁膜20を形成することにより、支持部材3と被保持体とのクリアランスが小さくなった場合でも、被保持体と支持部材3のアース放電現象を防止することができる。
図2(a)、(b)の保持用治具200の製造方法は、図1(a)、(b)の保持用治具100の製造方法と次の点が異なる。組み立て前にアルミナ/炭化チタン複合材料からなる支持部材3を酸化炉にて、600〜1100℃で熱処理し、表面に酸化膜を形成する。その後、酸化膜の一部を研削加工などで除去して表面を平滑にし、酸化膜20とする。次に、支持部材3と保持部材7を組み立てる。
<実施形態3>
次に、本発明の保持用治具のさらに他の形態について説明する。図3(a)、(b)は、支持部材3に導電膜30を形成したものである。
図3(a)、(b)は、図1(a)、(b)に示す保持用治具と、支持部材3の表面に導電膜30を形成した構造した点が異なっている。この場合、支持部材3の内部の材質は、アルミナなどの絶縁性セラミックスでも良く、導電膜30としては、炭化チタン、窒化チタン等を用いることができる。そして、このような導電膜30を形成することによって、支持部材3の内部が絶縁材料であっても支持部材3が、導電性を有するので、除電の効果を得ることができる。
図3(a)、(b)の保持用治具300の製造方法に関して説明する。図3(a)、(b)の保持用治具300に示す実施例の製造方法は、図1(a)、(b)の保持用治具100の製造方法と次の点が異なる。すなわち、組み立て前に、支持部材3上に導電膜30を形成する。導電膜30としては、炭化チタン、窒化チタン等を用いることができる。なお、前記導電膜は、PVD法(物理的気相蒸着法)、CVD法(化学的気相蒸着法)により支持部材3上に形成することができ、その膜厚は1〜800μmとする。なお、その膜厚は、1〜10μmが好ましい。その後、支持部材3と保持部材7を組み立てる。
<吸着装置>
また、本実施形態の吸着装置は、上述の保持用治具を吸着手段として用いる。これにより、上述した種々の保持用治具を用いた、生産性の高い吸着保持装置を得ることが可能となり、また、吸着される半導体ウエハなどを高精度に加工することが可能となる。
以下、本発明の実施例を説明する。
まず、図1〜3に示す保持用治具を作製した(下記表1のサンプルNo.1,4(図番1に対応)およびNo.2,3(図番2に対応)。また、比較例として図4に示す保持用治具および支持部材と保持部材とを既述した導電性のエポキシ系樹脂で接合して一体とした保持用治具ならびにアルミナ製保持用治具を作製した(表1のサンプルNo.5〜7)。
表1のNo.4のセラミックスは、FeをFe換算33モル%、NbをNb換算で4モル%、MnをMnO換算で48モル%、AlをAl換算で15モル%含む酸化物セラミックスとした。
また、保持用治具を次のように評価した。
保持部材の先端から1000Vの直流電圧を加え、電圧の印加を止めた後で、静電気除去の度合いを評価した。ここで、静電気の除去効果は、電圧減衰時間を次のようにして測定して評価した。
初期の印加電圧Vp(1000V)に対して、残留電圧Veが37%以下、すなわちVe/Vpが0.37以下になるまでの時間tを測定し、時間tが50ms未満を△、50ms〜3000msを◎、3000msより長かった場合を×とした。
絶縁膜またはTiNを被覆した支持部材の体積固有抵抗は、絶縁膜またはTiNを被覆しない状態での値を示す。
これらの結果を表1に示す。
表1に示すように、ボイドの評価は、前記LUZEX社の画像処理装置にて、倍率200倍で、任意の範囲0.09mmを20視野測定した。また、パーティクル評価は、製作した保持用治具で吸着後のシリコン半導体ウエハに付着したパーティクルを、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のウエハ表面検査装置にてカウントして評価した。なお、この結果得られたパーティクル数は十の位を四捨五入して求めた。
Figure 0005300363
サンプルNo.1に示す図1の保持部材は、静電気をすみやかに除去することができ、同時に放電の恐れはなく、確実に静電気を除去することができた。さらに、保持部材が帯電することが無いため、パーティクルの付着が無かった。また、保持部材の炭化珪素のボイドが最大ボイド径4.0μm、ボイド率0.04%と良好であるため、半導体ウエハへのパーティクルの付着が2900個と少なかった。
サンプルNo.2に示す図2の保持部材は、静電気をすみやかに除去することができ、同時に放電の恐れはなく、確実に静電気を除去することができた。さらに、保持部材が帯電することが無いため、パーティクルの付着が無く、また、保持部材の炭化珪素のボイド特性が良好であるため、半導体ウエハへのパーティクルの付着が少なかった。ここで、サンプルNo.2の絶縁膜は、融点800℃の硼珪酸ガラスペーストをアルミナ/炭化チタン複合材料に塗布した後、800℃で熱処理して形成した。
サンプルNo.3に示す図3の保持部材は、保持部材の表面のみ導電性を有するため、静電気の除去速度は、No.1、No.2よりも劣るが、静電気を除去することができ、同時に放電の恐れはなく、静電気を除去することができた。さらに、保持部材が帯電することが無いため、パーティクルの付着が3800個と少なく、また、保持部材の炭化珪素のボイド特性が最大ボイド径4.8μm、ボイド率0.05%と良好であるため、半導体ウエハへのパーティクルの付着が少なかった。ここで、TiN皮膜は次のようにして形成した。アーク放電式イオンプレート装置を用いてその操作条件を10−4Paまで排気し、工業用純チタン(純度99.5質量%以上)を電子銃を用いて溶解し、窒素ガスを2×10−2Pa導入し、イオン化電圧40V、アルミナ/炭化チタン基板電圧−500Vとして、窒化チタン(TiN)の被膜を厚み約3μm形成した。
サンプルNo.4は、図1に示す保持部材、支持部材の組合せとした。サンプルNo.3と同程度に静電気を除去することができた。さらに、保持部材が帯電することが無いため、パーティクルの付着が4500個と少なく、また、保持部材の炭化珪素のボイド特性が最大ボイド径4.8μm、ボイド率0.05%と良好であるため、半導体ウエハへのパーティクルの付着が少なかった。
一方、サンプルNo.5(TiNはサンプルNo.3と同様な方法で被覆した。)に示す図4の保持部材は、静電気を除去することができたが、保持部材の体積固有抵抗が低いため、静電気が一気に除去されて、放電現象が生じた。
サンプルNo.6の保持用治具は、静電気を除去することができたが、保持用治具を構成する材質の体積固有抵抗が低いため、静電気が一気に除去されて、放電現象が生じた。さらに、半導体ウエハに、遷移金属であるTiが検出され、半導体ウエハ上に形成されたデバイスにpn接合リーク不良を発生させる可能性があった。
サンプルNo.7の保持部材は、体積固有抵抗が低いため、静電気を除去することができず、放電現象が発生した。さらに、保持部材が帯電しやすいため、パーティクルの付着が30700個発生した。
以上の結果から、本発明の保持用部材は、保持部での静電気が一気に除去されて、被保持体を絶縁破壊することなく、また、保持用治具の内部では静電気を速やかに通電させて除電可能とすることが判り、比較例に対して、優れていることが判明した。
本発明の保持用治具の実施形態1を説明する図であり、(a)は保持用治具の上面図、(b)は同図(a)のX−X’線における断面である。 本発明の保持用治具の実施形態2を説明する図であり、(a)は保持用治具の上面図、(b)は同図(a)のX−X’線における断面である。 本発明の保持用治具の実施形態3を説明する図であり、(a)は保持用治具の上面図、(b)は同図(a)のX−X’線における断面である。 従来の保持用治具を説明する図であり、(a)は保持用治具の上面図、(b)は同図(a)のX−X’線における断面である。 従来の保持用治具を説明する斜視図である。
符号の説明
1、41・・・保持面(保持部)
2、42・・・吸着孔
3、43・・・支持部材
4、44・・・吸引孔
5、45・・・流路
6・・・ライナ
7・・・吸着部材
8・・・接着材
9・・・取付孔
20・・・絶縁膜
30・・・導電膜
100・・・保持用治具

Claims (8)

  1. 半導電性セラミックスからなる保持部材と、該保持部材より体積固有抵抗が低く該保持部材に接する板状のセラミックスからなる支持部材と、前記保持部材と前記支持部材とを接合するとともに前記保持部材の体積固有抵抗と同等かそれ以下の接着材と、該支持部材の一方端部に形成された吸引孔から他方端部に形成された吸着孔まで連通する流路とを有し、
    前記保持部材は、前記吸着孔の周囲に位置するとともに、該吸着孔によって吸着される被保持体を保持することを特徴とする保持用治具。
  2. 記保持部材は炭化珪素からなり、前記支持部材はアルミナ/炭化チタン複合材料からなることを特徴とする請求項1に記載の保持用治具。
  3. 記保持部材は、前記支持部材のザグリ部分に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の保持用治具。
  4. 記保持部材は炭化珪素からなり、その表面の最大ボイド径が5μm以下で且つボイド占有率が0.1%未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の保持用治具。
  5. 前記半導電性セラミックスの体積固有抵抗は10〜10Ω・cmの範囲であり、前記支持部材の表面に絶縁性領域を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の保持用治具。
  6. 前記半導電性セラミックスの体積固有抵抗は10〜10Ω・cmの範囲であり、前記支持部材の表面に導電性領域を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の保持用治具。
  7. 前記支持部材の一方端部に形成された、搬送装置への取付部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の保持用治具。
  8. 請求項1乃至のいずれかの保持用治具を前記被保持体の吸着手段および搬送手段として用いたことを特徴とする搬送装置。
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