JP2001308168A - 半導体製造・検査装置用セラミック基板 - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミック基板

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JP2001308168A
JP2001308168A JP2001030991A JP2001030991A JP2001308168A JP 2001308168 A JP2001308168 A JP 2001308168A JP 2001030991 A JP2001030991 A JP 2001030991A JP 2001030991 A JP2001030991 A JP 2001030991A JP 2001308168 A JP2001308168 A JP 2001308168A
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JP
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ceramic substrate
ceramic
weight
electrostatic
electrostatic chuck
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Application number
JP2001030991A
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English (en)
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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最大気孔の気孔径が50μm以下と従来より
も大きくても、耐電圧を充分に大きく保つことができ、
また、気孔を有するため破壊靱性値を大きくすることが
でき、熱衝撃に耐えられ、さらに、高温での反り量も小
さくすることができるセラミック基板を提供すること。 【解決手段】 セラミック基板の表面または内部に導電
体が形成されてなるセラミック基板であって、上記セラ
ミック基板は、酸素を含有する窒化物セラミックからな
るとともに、最大気孔の気孔径が50μm以下であるこ
とを特徴とするセラミック基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】半導体は種々の産業において必要とされ
る極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、
シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウ
エハを作製した後、このシリコンウエハに複数の集積回
路等を形成することにより製造される。
【0003】この半導体チップの製造工程においては、
静電チャック上に載置したシリコンウエハに、エッチン
グ、CVD等の種々の処理を施して、導体回路や素子等
を形成する。その際に、デポジション用ガス、エッチン
グ用ガス等として腐食性のガスを使用するため、これら
のガスによる腐食から静電電極層を保護する必要がある
こと、また、吸着力を誘起するために静電電極層は、通
常、セラミック誘電体膜等により被覆されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このセラミック誘電体
膜として、従来から窒化物セラミックが使用されている
が、従来は、酸化物等を加えずに焼成を行って誘電体膜
を形成していたため、誘電体膜の内部に形成される気孔
は殆どが連通しており、また、開気孔も多かった。この
ような気孔が存在すると、高温時に誘電体層の体積抵抗
率が減少すると、電圧印加によって気孔中の空気を電子
が飛跳しやすくなり、いわゆるスパークを起こしてしま
うため、最大気孔の気孔径を小さくしないと、セラミッ
ク誘電体膜の耐電圧を高く保つことが難しいという問題
があった。
【0005】例えば、特開平5−8140号公報には、
最大気孔の気孔径が5μm以下と気孔径を極めて小さく
した窒化物を使用した静電チャックが開示されている。
このような問題は、静電チャックに限らず、セラミック
基板の表面または内部に導体が形成されている半導体製
造・検査装置用セラミック基板に見られることが判っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、窒化物セラミック
に酸化物を添加して焼成することにより、焼結を進行さ
せることができ、連通した気孔が殆どなくなり、独立し
た気孔が形成され、また、酸化物をセラミック粒子境界
に存在させることにより、気孔径が大きくなっても、高
温での耐電圧を確保できることを新規に知見するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、セラミック基板の表面
または内部に導電体が形成されてなるセラミック基板で
あって、上記セラミック基板は、酸素を含有する非酸化
物セラミックからなるとともに、最大気孔の気孔径が5
0μm以下であることを特徴とする半導体製造・検査装
置用セラミック基板である。
【0008】上記非酸化物セラミックは、窒化物セラミ
ック、または、炭化物セラミックであることが好まし
い。上記セラミック基板は、0.05〜10重量%の酸
素を含有していることが好ましい。上記セラミック基板
は、気孔率が5%以下であることが好ましい。上記セラ
ミック基板は、100〜700℃の温度領域で使用され
ることが好ましい。上記セラミック基板は、厚さ25m
m以下、直径200mm以上であることが好ましい。上
記セラミック基板は、半導体ウエハのリフタピンを挿入
する貫通孔を複数有してなることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の半導体製造・検査装置用
セラミック基板は、セラミック基板の表面または内部に
導電体が形成されてなるセラミック基板であって、上記
セラミック基板は、酸素を含有する非酸化物セラミック
からなるとともに、最大気孔の気孔径が50μm以下で
あることを特徴とする。
【0010】本発明のセラミック基板では、気孔が全く
存在しないか、気孔が存在する場合はその最大気孔の気
孔径は50μm以下である。気孔が存在しない場合は、
高温での耐電圧が特に高くなり、逆に気孔が存在する場
合は、破壊靱性値が高くなる。このためどちらの設計に
するかは、要求特性を考慮して決定すればよい。気孔の
存在によって破壊靱性値が高くなる理由は明確ではない
が、クラックの伸展が気孔によって止められるからであ
ると推定している。
【0011】本発明のセラミック基板では、酸素を含有
する窒化物セラミックまたは炭化物セラミックを使用す
ることが好ましい。酸素を含有することで焼結を進行さ
せることができ、連通した気孔が殆どなくなり、独立し
た気孔が形成されるため、腐食性ガスが導電体を浸食す
ることがないからである。また、独立気孔の方が連通気
孔よりも、気孔内を電子が飛跳しにくくなるからであ
る。さらに、酸化物をセラミック粒子境界に存在させる
ことにより、気孔径が大きくなっても、高温での耐電圧
を確保することができる。
【0012】本発明のセラミック基板では、最大気孔の
気孔径が50μm以下であることが必要である。最大気
孔の気孔径が50μmを越えると、100〜700℃、
特に200℃以上での高温での耐電圧特性を確保できな
くなるからである。また、最大気孔の気孔径は、10μ
m以下が望ましい。100〜700℃、特に200℃以
上での反り量が小さくなるからである。
【0013】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加
圧時間、圧力、温度で調製するが、窒化物セラミックに
対してはSiCやBNなどの添加物で調整する。SiC
やBNは焼結を阻害するため、気孔を導入させることが
できるからである。
【0014】最大気孔の気孔径の測定は、試料を5個用
意し、その表面を鏡面研磨し、2000から5000倍
の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影することによ
り行う。そして、撮影された写真で最大の気孔径を選
び、50ショットの平均を最大気孔の気孔径とした。
【0015】上記セラミック基板中には0.05〜10
重量%、特に望ましくは、0.1〜5重量%の酸素を含
有してなることが望ましい。0.1重量%未満では、耐
電圧を確保することができない場合があり、逆に5重量
%を超えると酸化物の高温耐電圧特性の低下により、耐
電圧はやはり低下してしまう場合があるからである。ま
た、酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低下して昇
温降温特性が低下する場合があるからである。
【0016】また、上記セラミック基板は、気孔率が5
%以下であることが望ましい。5%を超えると、気孔数
が増え、また、気孔径が大きくなりすぎ、その結果、気
孔同士が連通しやすくなり、耐電圧が低下してしまうか
らである。なお、上記気孔率は、アルキメデス法により
測定する。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中
に粉砕物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積か
ら真比重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計
算するのである。
【0017】上記セラミック基板は、100〜700℃
の温度領域で使用されることが望ましい。このような温
度領域では、耐電圧が低下してしまうため、本発明の構
成が特に有利だからである。上記セラミック基板は、1
00〜700℃での反り量が、小さいことが望ましい。
上記セラミック基板をヒータや静電チャックに使用した
場合に、半導体ウエハを均一に加熱することができるか
らである。反り量が大きい場合、半導体ウエハがヒータ
の加熱面に密着せず、半導体ウエハを均一に加熱できな
かったり、半導体ウエハと加熱面との間を離間して加熱
する場合には、半導体ウエハと加熱面との距離が不均等
になり、半導体ウエハを均一に加熱できないからであ
る。なお、セラミック基板を100〜700℃に昇温し
て、常温(25℃)に戻した場合の反り量(即ち、昇温
前後の反り量の差)は、7μm以下が望ましい。
【0018】本発明のセラミック基板は、半導体製造・
検査用に使用でき、静電チャック、ホットプレート(セ
ラミックヒータ)、ウエハプローバ用セラミック板(以
下、単にウエハプローバという)などに使用することが
できる。
【0019】本発明のセラミック基板は、その厚さは、
50mm以下、特に25mm以下が望ましい。特にセラ
ミック基板の厚さが25mmを超えると、セラミック基
板の熱容量が大きくなり、特に温度制御手段を設けて加
熱、冷却すると、熱容量の大きさに起因して温度追従性
が低下してしまうからである。また、本発明のセラミッ
ク基板が解決する気孔の存在に起因する反りの問題は、
厚さが25mmを超えるような厚いセラミック基板では
発生しにくいからである。特に5mm以下が最適であ
る。なお、厚みは、1mm以上が望ましい。
【0020】本発明のセラミック基板の直径は200m
m以上が望ましい。特に12インチ(300mm)以上
であることが望ましい。次世代のシリコンウエハの主流
となるからである。また、本発明が解決する温度が高い
領域での反りの問題は、直径が200mm以下のセラミ
ック基板では発生しにくいからである。
【0021】上記セラミック基板は、半導体ウエハのリ
フタピンを挿入する貫通孔を複数有してなることが望ま
しい。貫通孔の存在により、特に高温でヤング率が低下
した場合に、加工時のひずみが開放されて反りが発生し
やすいからであり、本発明が最も効果を発揮する構造で
あると考えられる。
【0022】本発明のセラミック基板を構成する窒化物
セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。
【0023】本発明のセラミック基板においては、セラ
ミック基板中に焼結助剤を含有することが望ましい。焼
結助剤としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金
属酸化物、希土類酸化物を使用することができ、これら
の焼結助剤のなかでは、特にCaO、Y、Na
O、LiO、RbOが好ましい。また、アルミナを
使用してもよい。これらの含有量としては、0.1〜2
0重量%が望ましい。
【0024】本発明のセラミック基板においては、セラ
ミック基板中に5〜5000ppmのカーボンを含有し
ていることが望ましい。カーボンを含有させることによ
り、セラミック基板を黒色化することができ、セラミッ
クヒータとして使用する際に輻射熱を充分に利用するこ
とができるからである。カーボンは、非晶質のものであ
っても、結晶質のものであってもよい。非晶質のカーボ
ンを使用した場合には、高温における体積抵抗率の低下
を防止することができ、結晶質のものを使用した場合に
は、高温における熱伝導率の低下を防止することができ
るからである。従って、用途によっては、結晶質のカー
ボンと非晶質のカーボンの両方を併用してもよい。ま
た、カーボンの含有量は、50〜2000ppmがより
好ましい。
【0025】セラミック基板にカーボンを含有させる場
合には、その明度がJIS Z 8721の規定に基づ
く値でN6以下となるようにカーボンを含有させること
が望ましい。この程度の明度を有するものが輻射熱量、
隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のNは、理想
的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、
これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさ
の知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜
N10の記号で表示したものである。実際の明度の測定
は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この
場合の小数点1位は0または5とする。
【0026】なお、本発明のセラミック基板では、シリ
コンウエハをセラミック基板のウエハ載置面に接触させ
た状態で載置するほか、シリコンウエハをリフターピン
などで支持し、図13に示すようにセラミックス基板と
の間に一定の間隔を保って保持する場合もある。図13
は、本発明のセラミック基板の一例である、セラミック
ヒータを模式的に示した、部分拡大断面図である。
【0027】図13では、貫通孔95にリフターピン9
6が挿通されてシリコンウエハ99を保持している。リ
フターピン96を上下することにより、搬送機からシリ
コンウエハ99を受け取ったり、シリコンウエハ99を
セラミック基板91上に載置したり、シリコンウエハ9
9を支持したまま加熱したりできる。また、セラミック
基板91の底面91aには、発熱体92が形成され、そ
の発熱体92の表面には金属被覆層92aが設けられて
いる。また、有底孔94が設けられているが、ここには
熱電対を挿入する。シリコンウエハ99は、ウエハ加熱
面91b側で加熱される。なお、本発明の半導体製造・
検査装置用セラミック基板を、セラミックヒータに使用
する場合は、半導体ウエハと加熱面を離間させることが
できる。離間距離は50〜5000μmが望ましい。ま
た、このように離間させる場合には、特に本発明は有効
である。セラミック基板の高温での反り量が小さく、半
導体ウエハと加熱面との距離が均一になるからである。
【0028】本発明のセラミック基板が、ホットプレー
ト(セラミックヒータ)として使用される場合は、導電
体は、発熱体であり、0.1〜100μm程度の金属層
であってもよく、発熱線でもよい。また、静電チャック
として使用される場合は、導電体は静電電極であり、R
F電極や発熱体が静電電極の下部であって、セラミック
基板内に導電体として形成されていてもよい。さらに、
ウエハプローバとして使用される場合は、表面に導電体
としてチャックトップ導体層が形成されており、内部に
はガード電極、グランド電極が導電体として形成されて
いる。また、本発明のセラミック基板は、100℃以
上、望ましくは200℃以上で使用されることが最適で
ある。
【0029】以下、ホットプレート機能を備えた静電チ
ャック、ウエハプローバを例にして本発明を説明する。
【0030】本発明に係る静電チャックは、セラミック
基板上に静電電極が形成され、上記静電電極を被覆する
セラミック誘電体膜が酸素を含有する非酸化物セラミッ
ク、例えば窒化物セラミック、炭化物セラミックからな
り、また、気孔率が5%以下であり、最大気孔の気孔径
が50μm以下であるため、この誘電体膜中の気孔は、
お互いに独立した気孔により構成されている。従って、
耐電圧を低下させるガス等がセラミック誘電体膜を透過
して静電電極を腐食させたり、高温でもセラミック誘電
体膜の耐電圧が低下することがない。また、セラミック
誘電体膜の厚さも50〜5000μmとすることで、チ
ャック力を低下させずに充分な耐電圧を確保できる。
【0031】図1は、本発明のセラミック基板の一実施
形態である静電チャックを模式的に示した縦断面図であ
り、図2は、図1に示した静電チャックにおけるA−A
線断面図であり、図3は、図1に示した静電チャックに
おけるB−B線断面図である。
【0032】この静電チャック101では、平面視円形
状のセラミック基板1の表面に、チャック正極静電層2
とチャック負極静電層3とからなる静電電極層が形成さ
れ、この静電電極層を被覆するように、酸素を含有する
窒化物セラミックからなるセラミック誘電体膜4が形成
されている。また、静電チャック101上には、シリコ
ンウエハ9が載置され、接地されている。
【0033】図2に示したように、チャック正極静電層
2は、半円弧状部2aと櫛歯部2bとからなり、チャッ
ク負極静電層3も、同じく半円弧状部3aと櫛歯部3b
とからなり、これらのチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とは、櫛歯部2b、3bを交差するように
対向して配置されており、このチャック正極静電層2お
よびチャック負極静電層3には、それぞれ直流電源の+
側と−側とが接続され、直流電圧Vが印加されるよう
になっている。
【0034】また、セラミック基板1の内部には、シリ
コンウエハ9の温度をコントロールするために、図3に
示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体5が設けら
れており、抵抗発熱体5の両端には、外部端子ピン6が
接続、固定され、電圧Vが印加されるようになってい
る。図1、2には示していないが、このセラミック基板
1には、図3に示したように、測温素子を挿入するため
の有底孔11とシリコンウエハ9を支持して上下させる
リフターピン(図示せず)を挿通するための貫通孔12
が形成されている。なお、抵抗発熱体5は、セラミック
基板の底面に形成されていてもよい。
【0035】この静電チャック101を機能させる際に
は、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3とに
直流電圧Vを印加する。これにより、シリコンウエハ
9は、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3と
の静電的な作用によりこれらの電極にセラミック誘電体
膜4を介して吸着され、固定されることとなる。このよ
うにしてシリコンウエハ9を静電チャック101上に固
定させた後、このシリコンウエハ9に、CVD等の種々
の処理を施す。
【0036】本発明に係る静電チャックは、例えば、図
1〜3に示したような構成を有するものである。以下に
おいて、上記静電チャックを構成する各部材、および、
本発明に係る静電チャックの他の実施形態について、順
次、詳細に説明していくことにする。
【0037】本発明に係る静電チャックで使用されるセ
ラミック誘電体膜は、酸素を含有する窒化物セラミック
からなることが好ましく、最大気孔の気孔径が50μm
以下である。また、その厚さは50〜1500μmであ
り、気孔率は5%以下であることが望ましい。
【0038】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられ、これらのな
かでは、窒化アルミニウムが最も好適である。耐電圧が
高く、熱伝導率も180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0039】上記窒化物セラミックは、酸素を含有して
いる。このため、窒化物セラミックは、焼結が進行しや
すくなり、気孔を含んでいる場合にも、この気孔は独立
した気孔となり、従って、上述したような理由により耐
電圧が向上する。
【0040】上記窒化物セラミックに酸素を含有させる
ため、通常、窒化物セラミックの原料粉末を酸素中また
は空気中で加熱するか、窒化物セラミックの原料粉末中
に金属酸化物を混合して焼成を行う。上記金属酸化物と
しては、例えば、イットリア(Y)、アルミナ
(Al)、酸化ルビジウム(RbO)、酸化リ
チウム(LiO)、炭酸カルシウム(CaCO)等
が挙げられる。これらの金属酸化物の添加量は、窒化物
セラミック100重量部に対して、0.1〜10重量部
が好ましい。
【0041】上記セラミック誘電体膜の気孔率は5%以
下であることが望ましい。また、その厚さが50〜50
00μmであり、最大気孔の気孔径が50μm以下であ
ることが望ましい。上記セラミック誘電体膜の厚さが5
0μm未満であると、膜厚が薄すぎるために充分な耐電
圧が得られず、シリコンウエハを載置し、吸着した際に
セラミック誘電体膜が絶縁破壊する場合があり、一方、
上記セラミック誘電体膜の厚さが5000μmを超える
と、シリコンウエハと静電電極との距離が遠くなるた
め、シリコンウエハを吸着する能力が低くなってしま
う。セラミック誘電体膜の厚さは、100〜1500μ
mがより好ましい。
【0042】また、上記気孔率が5%を超えると、気孔
数が増え、また、気孔径が大きくなりすぎ、その結果、
気孔同士が連通しやすくなる。このような構造のセラミ
ック誘電体膜では、耐電圧が低下してしまう。さらに、
最大気孔の気孔径が50μmを超えると、酸化物が粒子
境界に存在していても、高温での耐電圧を確保できな
い。気孔率は、気孔が存在する場合には、0.001〜
3%がより好ましく、最大気孔の気孔径は、0.1〜1
0μmがより好ましい。
【0043】上記セラミック誘電体膜中には、カーボン
が50〜5000ppm含有されていることが望まし
い。静電チャック中に設けられた電極パターンを隠蔽す
ることができ、かつ、高輻射熱が得られるからである。
また、体積抵抗率が低い方が、低温域においては、シリ
コンウエハの吸着能力が高くなる。
【0044】なお、本発明に係る静電チャックで、セラ
ミック誘電体膜中にある程度の気孔が存在してもよいと
しているのは、破壊靱性値を高くすることができるから
であり、熱衝撃性を改善することができる。
【0045】セラミック基板上に形成される静電電極と
しては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結
体、金属箔等が挙げられる。金属焼結体としては、タン
グステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種から
なるものが好ましい。金属箔も、金属焼結体と同じ材質
からなることが望ましい。これらの金属は比較的酸化し
にくく、電極として充分な導電性を有するからである。
また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリ
ブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用する
ことができる。
【0046】図8および図9は、他の静電チャックにお
ける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図8
に示す静電チャック20では、セラミック基板1の内部
に半円形状のチャック正極静電層22とチャック負極静
電層23とが形成されており、図9に示す静電チャック
では、セラミック基板1の内部に円を4分割した形状の
チャック正極静電層32a、32bとチャック負極静電
層33a、33bが形成されている。また、2枚の正極
静電層22a、22bおよび2枚のチャック負極静電層
33a、33bは、それぞれ交差するように形成されて
いる。なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形
成する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上
であってもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0047】本発明に係る静電チャックで使用されるセ
ラミック基板は、窒化物セラミック、または、炭化物セ
ラミックからなるものが好ましい。
【0048】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとして
は、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングス
テン等が挙げられる。また、セラミック誘電体膜とセラ
ミック基板とは同じ材料であることが望ましい。窒化物
セラミックは熱伝導率が高く、抵抗発熱体で発生した熱
を良好に伝達することができるからである。また、セラ
ミック誘電体膜とセラミック基板とが同じ材料である場
合、同じ方法で作製したグリーンシートを積層し、同一
条件で焼成することにより、容易に静電チャックを製造
することができるからである。また、窒化物セラミック
の中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率
が180W/m・Kと最も高いからである。
【0049】上記セラミック基板中には、カーボンを5
0〜5000ppm含むことが望ましい。高輻射熱が得
られるからである。カーボンとしては、X線回折で検出
可能な結晶質または検出不能な非晶質の一方を用いても
よく、結晶質および非晶質の両方を用いてもよい。
【0050】本発明に係る静電チャックでは、通常、図
1に示したように、抵抗発熱体等の温度制御手段が設け
られている。静電チャック上に載置したシリコンウエハ
の加熱等を行いながら、CVD処理等を行う必要がある
からである。
【0051】上記温度制御手段としては、図3に示した
抵抗発熱体5のほかに、ペルチェ素子(図6参照)が挙
げられる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に設け
てもよく、セラミック基板の底面に設けてもよい。抵抗
発熱体を設ける場合は、静電チャックを嵌め込む支持容
器に、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口など
を設けてもよい。
【0052】抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設け
る場合には、複数層設けてもよい。この場合は、各層の
パターンは相互に補完するように形成されて、加熱面か
らみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ま
しい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造であ
る。
【0053】抵抗発熱体としては、例えば、金属または
導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げら
れる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデン
から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属
は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有す
るからである。
【0054】また、導電性セラミックとしては、タング
ステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1
種を使用することができる。さらに、セラミック基板の
底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体とし
ては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケル
を使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジ
ウムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使
用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状と
リン片状の混合物を使用することができる。
【0055】金属焼結体中には、金属酸化物を添加して
もよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基
板と金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物
により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善さ
れる理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずかに
酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物の
場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、その
表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化膜
が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して一
体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するのでは
ないかと考えられる。
【0056】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B )、アル
ミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1
種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値
を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との
密着性を改善できるからである。
【0057】上記金属酸化物は、金属粒子100重量部
に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが
望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、
抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板
との密着性を改善することができるからである。
【0058】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホ
ウ素(B)、アルミナ、イットリア、チタニアの
割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合
に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量
部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜7
0重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1
〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。
但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調
整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミッ
ク基板との密着性を改善できる範囲だからである。
【0059】抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設け
る場合は、抵抗発熱体15の表面は、金属層150で被
覆されていることが望ましい(図4参照)。抵抗発熱体
15は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化
しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そ
こで、表面を金属層150で被覆することにより、酸化
を防止することができるのである。
【0060】金属層150の厚さは、0.1〜10μm
が望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させることな
く、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だか
らである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属で
あればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体には電
源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半
田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田
の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバ
ール製の端子ピンを使用することができる。
【0061】なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成す
る場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないた
め、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形
成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していても
よい。
【0062】抵抗発熱体として使用する金属箔として
は、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパター
ン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。パターン
化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよ
い。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブ
デン線等が挙げられる。
【0063】温度制御手段としてペルチェ素子を使用す
る場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、
冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素
子8は、図6に示すように、p型、n型の熱電素子81
を直列に接続し、これをセラミック板82などに接合さ
せることにより形成される。ペルチェ素子としては、例
えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチモ
ン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
【0064】本発明に係る静電チャックとしては、例え
ば、図1に示すように、セラミック基板1とセラミック
誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負
極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部には
抵抗発熱体5が設けられた構成の静電チャック101、
図4に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電
体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静
電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に抵抗発
熱体15が設けられた構成の静電チャック201、図5
に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜
4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層
3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発熱体
である金属線7が埋設された構成の静電チャック30
1、図6に示すように、セラミック基板1とセラミック
誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負
極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に熱
電素子81とセラミック板82からなるペルチェ素子8
が形成された構成の静電チャック401等が挙げられ
る。
【0065】本発明に係る静電チャックでは、図1〜6
に示したように、セラミック基板1とセラミック誘電体
膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電
層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発熱
体5や金属線7が形成されているため、これらと外部端
子とを接続するための接続部(スルーホール)16、1
7が必要となる。スルーホール16、17は、タングス
テンペースト、モリブデンペーストなどの高融点金属、
タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの
導電性セラミックを充填することにより形成される。
【0066】また、接続部(スルーホール)16、17
の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止し
つつ、クラックや歪みを防止できるからである。このス
ルーホールを接続パッドとして外部端子ピン6、18を
接続する(図7(d)参照)。
【0067】接続は、半田、ろう材により行う。ろう材
としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、
金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が
望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性
に優れるからである。
【0068】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.
5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が
望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが
望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。
また、10−6〜10−5Paの高真空で500〜10
00℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化する
が、Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利であ
る。また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を1
00重量部とした場合に1重量部未満であることが望ま
しい。
【0069】本発明のセラミック基板では、必要に応じ
て、セラミック基板1の有底孔11に熱電対を埋め込ん
でおくことができる。熱電対により抵抗発熱体の温度を
測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を変えて、温
度を制御することができるからである。熱電対の金属線
の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、も
しくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよ
い。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さ
くなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換され
るのである。このため、温度制御性が向上して半導体ウ
エハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。上記熱
電対としては、例えば、JIS−C−1602(198
0)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E
型、J型、T型熱電対が挙げられる。
【0070】図10は、以上のような構成の本発明に係
る静電チャックを配設するための支持容器41を模式的
に示した断面図である。支持容器41には、静電チャッ
ク101が断熱材45を介して嵌め込まれるようになっ
ている。また、この支持容器11には、冷媒吹き出し口
42が形成されており、冷媒注入口44から冷媒が吹き
込まれ、冷媒吹き出し口42を通って吸引口43から外
部に出ていくようになっており、この冷媒の作用によ
り、静電チャック101を冷却することができるように
なっている。
【0071】次に、本発明に係る静電チャックの製造方
法の一例を図7に示した断面図に基づき説明する。 (1)まず、窒化物セラミックのセラミックの粉体をバ
インダおよび溶剤と混合してグリーンシート50を得
る。前述したセラミック粉体としては、例えば、窒化ア
ルミニウムなどを使用することができ、必要に応じて、
イットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。
【0072】なお、後述する静電電極層印刷体51が形
成されたグリーンシートの上に積層する数枚または1枚
のグリーンシート50′は、セラミック誘電体膜4とな
る層であるので、窒化物の粉末に酸化物の粉末を混合し
たものとする。通常、セラミック誘電体膜4の原料とセ
ラミック基板1の原料とは、同じものを使用することが
望ましい。これらは、一体として焼結することが多いた
め、焼成条件が同じになるからである。ただし、材料が
異なる場合には、まず先にセラミック基板を製造してお
き、その上に静電電極層を形成し、さらにその上にセラ
ミック誘電体膜を形成することもできる。
【0073】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコー
ルから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混
合して得られるペーストをドクターブレード法でシート
状に成形してグリーンシート50を作製する。
【0074】グリーンシート50に、必要に応じてシリ
コンウエハのリフターピンを挿通する貫通孔や熱電対を
埋め込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部
は、パンチングなどで形成することができる。グリーン
シート50の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0075】次に、グリーンシート50に静電電極層や
抵抗発熱体となる導体ペーストを印刷する。印刷は、グ
リーンシート50の収縮率を考慮して所望のアスペクト
比が得られるように行い、これにより静電電極層印刷体
51、抵抗発熱体層印刷体52を得る。印刷体は、導電
性セラミック、金属粒子などを含む導体ペーストを印刷
することにより形成する。
【0076】これらの導体ペースト中に含まれる導電性
セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデ
ンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低
下しにくいからである。また、金属粒子としては、例え
ば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを
使用することができる。
【0077】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大
きすぎても小さすぎても導体ペーストを印刷しにくいか
らである。このようなペーストとしては、金属粒子また
は導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル
系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビ
ニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ
1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコー
ル、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製
した導体ぺーストが最適である。さらに、パンチング等
で形成した孔に、導体ペーストを充填してスルーホール
印刷体53、54を得る。
【0078】次に、図7(a)に示すように、印刷体5
1、52、53、54を有するグリーンシート50と、
グリーンシート50′とを積層する。抵抗発熱体形成側
に印刷体を有さないグリーンシート50′を積層するの
は、スルーホールの端面が露出して、抵抗発熱体形成の
焼成の際に酸化してしまうことを防止するためである。
もしスルーホールの端面が露出したまま、抵抗発熱体形
成の焼成を行うのであれば、ニッケルなどの酸化しにく
い金属をスパッタリングする必要があり、さらに好まし
くは、Au−Niの金ろうで被覆してもよい。
【0079】(2)次に、図7(b)に示すように、積
層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび導
体ペーストを焼結させる。加熱温度は、1000〜20
00℃、加圧は100〜200kg/cmが好まし
く、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で
行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用
することができる。この工程で、スルーホール16、1
7、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵
抗発熱体5等が形成される。
【0080】(3)次に、図7(c)に示すように、外
部端子接続のための袋孔13、14を設ける。袋孔1
3、14の内壁は、その少なくともその一部が導電化さ
れ、導電化された内壁は、チャック正極静電層2、チャ
ック負極静電層3、抵抗発熱体5等と接続されているこ
とが望ましい。
【0081】(4)最後に、図7(d)に示すように、
袋孔13、14に金ろうを介して外部端子6、18を設
ける。さらに、必要に応じて、有底孔11を設け、その
内部に熱電対を埋め込むことができる。半田は銀−鉛、
鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することが
できる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望
ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だから
である。
【0082】なお、上記説明では静電チャック101
(図1参照)を例にしたが、静電チャック201(図4
参照)を製造する場合は、静電電極層を有するセラミッ
ク板を製造した後、このセラミック板の底面に導体ペー
ストを印刷、焼成し、抵抗発熱体15を形成し、この
後、無電解メッキ等により金属層150を形成すればよ
い。また、静電チャック301(図5参照)を製造する
場合は、セラミック粉末中に金属箔、金属線を静電電極
や抵抗発熱体にして埋め込み、焼結すればよい。さら
に、静電チャック401(図6参照)を製造する場合
は、静電電極層を有するセラミック板を製造した後、こ
のセラミック板に溶射金属層を介してペルチェ素子を接
合すればよい。
【0083】本発明のセラミック基板の表面および内部
に導電体が配設され、上記内部の導電体が、ガード電極
またはグランド電極のいずれか少なくとも一方である場
合には、上記セラミック基板は、ウエハプローバとして
機能する。
【0084】図11は、本発明に係るウエハプローバの
一実施形態を模式的に示した断面図であり、図12は、
図11に示したウエハプローバにおけるA−A線断面図
である。このウエハプローバ601では、平面視円形状
のセラミック基板63の表面に平面視同心円形状の溝6
7が形成されるとともに、溝67の一部にシリコンウエ
ハを吸引するための複数の吸引孔68が設けられてお
り、溝67を含むセラミック基板63の大部分にシリコ
ンウエハの電極と接続するためのチャックトップ導体層
62が円形状に形成されている。
【0085】一方、セラミック基板63の底面には、シ
リコンウエハの温度をコントロールするために、図3に
示したような平面視同心円形状の発熱体69が設けられ
ており、発熱体69の両端には、外部端子ピン(図示せ
ず)が接続、固定されている。また、セラミック基板6
3の内部には、ストレイキャパシタやノイズを除去する
ために平面視格子形状のガード電極65とグランド電極
66(図7参照)とが設けられている。ガード電極65
とグランド電極66の材質は、静電電極と同様のもので
よい。
【0086】上記チャックトップ導体層62の厚さは、
1〜20μmが望ましい。1μm未満では抵抗値が高く
なりすぎて電極として働かず、一方、20μmを超える
と導体の持つ応力によって剥離しやすくなってしまうか
らである。
【0087】チャックトップ導体層62としては、例え
ば、銅、チタン、クロム、ニッケル、貴金属(金、銀、
白金等)、タングステン、モリブデンなどの高融点金属
から選ばれる少なくとも1種の金属を使用することがで
きる。
【0088】このような構成のウエハプローバでは、そ
の上に集積回路が形成されたシリコンウエハを載置した
後、このシリコンウエハにテスタピンを持つプローブカ
ードを押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加して導
通テストを行うことができる。なお、ウエハプローバを
製造する場合には、例えば、静電チャックの場合と同様
に、初めに抵抗発熱体が埋設されたセラミック基板を製
造し、その後、セラミック基板の表面に溝を形成し、続
いて、溝が形成された表面部分にスパッタリングおよび
メッキ等を施して、金属層を形成すればよい。
【0089】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1および比較例1)静電チャック(図1参照)
の製造 (1)空気中で500℃、0、1、7時間焼成した窒化
アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μ
m)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μ
m)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散
剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとか
らなるアルコール53重量部を混合したペーストを用
い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.
47mmのグリーンシートを得た。
【0090】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハのリフター
ピンを挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続する
ためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0091】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペース
ト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとし
た。また、他のグリーンシートに図2に示した形状の静
電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0092】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、導体ペー
ストAを印刷しないグリーンシート50′を上側(加熱
面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極
パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリーンシ
ート50を積層し、さらにその上にタングステンペース
トを印刷していないグリーンシート50′を2枚積層
し、これらを130℃、80kg/cmの圧力で圧着
して積層体を形成した(図7(a))。
【0093】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力0〜1
50kg/cm(詳細は表1)で3時間ホットプレス
し、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これ
を230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、
幅10mmの抵抗発熱体5および厚さ10μmのチャッ
ク正極静電層2、チャック負極静電層3を有する窒化ア
ルミニウム製の板状体とした(図7(b))。
【0094】(5)次に、(4)で得られた板状体を、
ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、Si
C等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔
(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0095】(6)さらに、スルーホールが形成されて
いる部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図7
(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金
ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の
外部端子6、18を接続させた(図7(d))。なお、
外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持
する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができ
るからである。
【0096】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャッ
クの製造を完了した。このようにして製造した抵抗発熱
体を有する静電チャックの気孔率、気孔径、耐電圧、破
壊靱性値、吸着力、昇温特性、反り量を下記の方法によ
り測定した。その結果を下記の表1および表2に示し
た。なお、窒化アルミニウム粉末を焼成する時間によ
り、セラミック基板に含有される酸素量は異なっている
が、その値は、表1に示している。なお、レーザフラッ
シュ法による熱伝導率測定では、180〜200W/m
・Kであった。
【0097】(実施例2および比較例2)静電チャック
(図4参照)の製造 (1)空気中で500℃、0、1、7時間焼成した窒化
アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μ
m)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μ
m)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散
剤0.5重量部、BNを0、3、5重量%(詳細は表
3)および1−ブタノールとエタノールとからなるアル
コール53重量部を混合したペーストを用い、ドクター
ブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグ
リーンシートを得た。
【0098】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハのリフター
ピンを挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続する
ためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0099】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、図9に示し
た形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形
成した。
【0100】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシートに、さらに、導体ペースト
Aを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に1
枚、下側に48枚積層し、これらを130℃、80kg
/cmの圧力で圧着して積層体を形成した。
【0101】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力0〜1
50kg/cm(詳細は表3)で3時間ホットプレス
し、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これ
を230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ15μm
のチャック正極静電層32a、bおよびチャック負極静
電層33a、b(図9参照)を有する窒化アルミニウム
製の板状体とした。
【0102】(5)上記(4)で得た板状体の底面にマ
スクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱
電対のための凹部(図示せず)等を設けた。
【0103】(6)次に、ウエハ載置面に対向する面
(底面)に抵抗発熱体15を印刷した。印刷は導体ペー
ストを用いた。導体ペーストは、プリント配線板のスル
ーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソル
ベストPS603Dを使用した。この導体ペーストは、
銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸
化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重
量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量
部に対して7.5重量部含むものであった。また、銀の
形状は平均粒径4.5μmでリン片状のものであった。
【0104】(7)導体ペーストを印刷した板状体を7
80℃で加熱焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結
させるとともにセラミック基板に焼き付けた。さらに硫
酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモ
ニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを含む
水溶液からなる無電解ニッケルメッキ浴に板状体を浸漬
して、銀の焼結体15の表面に厚さ1μm、ホウ素の含
有量が1重量%以下のニッケル層150を析出させた。
この後、板状体に、120℃で3時間アニーリング処理
を施した。銀の焼結体からなる抵抗発熱体は、厚さが5
μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/
□であった。
【0105】(8)次に、セラミック基板にスルーホー
ル16を露出させるための袋孔を設けた。この袋孔にN
i−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量
%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、97
0℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピンを接
続させた。また、抵抗発熱体に半田(スズ9/鉛1)を
介してコバール製の外部端子ピンを形成した。
【0106】(9)次に、温度制御のための複数熱電対
を凹部に埋め込み、静電チャック201を得た。このよ
うにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックの気
孔率、気孔径、耐電圧、破壊靱性値、吸着力、昇温特
性、反り量を下記の方法により測定した。その結果を下
記の表3および表4に示した。なお、窒化アルミニウム
粉末を焼成する時間により、セラミック基板に含有され
る酸素量は異なっているが、その値は、表3に示してい
る。
【0107】(10)次に、この静電チャック201を
図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41
にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビ
ウール)からなる断熱材45を介して嵌め込んだ。この
支持容器41は冷却ガスの冷媒吹き出し口42を有し、
静電チャック201の温度調整を行うことができる。こ
の支持容器41に嵌め込まれた静電チャック201の抵
抗発熱体15に通電を行って、温度を上げ、また、支持
容器に冷媒を流して静電チャック201の温度を制御し
たが、極めて良好に温度を制御することができた。
【0108】(実施例3および比較例3) 静電チャッ
ク301(図5参照)の製造 (1)厚さ10μmのタングステン箔を打抜き加工する
ことにより図8に示した形状の電極2枚を形成した。こ
の電極2枚とタングステン線を空気中で500℃、0、
1、7時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社
製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア
(平均粒径0.4μm)4重量部とともに、アルミナ
0、1.5、3.5、15重量%を成形型中に入れて窒
素ガス中で1890℃、圧力0〜150kg/cm
(詳細は表5)で3時間ホットプレスし、厚さ3mm
の窒化アルミニウム板状体を得た。これを直径230m
mの円状に切り出して板状体とした。このとき、静電電
極層の厚さは、10μmであった。
【0109】(2)この板状体に対し、実施例1の
(5)〜(7)の工程を実施し、静電チャック301を
得た。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電
チャックの気孔率、気孔径、耐電圧、破壊靱性値、吸着
力、昇温特性、反り量を下記の方法により測定した。そ
の結果を下記の表5および表6に示した。なお、窒化ア
ルミニウム粉末を焼成する時間により、セラミック基板
に含有される酸素量は異なっているが、その値は、表5
に示している。
【0110】評価方法 (1)酸素量 実施例にかかる焼結体と同条件で焼結させた試料をタン
グステン乳鉢で粉砕し、これの0.01gを採取して試
料加熱温度2200℃、加熱時間30秒の条件で酸素・
窒素同時分析装置(LECO社製 TC−136型)で
測定した。 (2)セラミック誘電体膜の気孔率の測定 セラミック誘電体膜を切り出し、アミキメデス法によ
り、気孔率を測定した。具体的には、切り出した試料を
粉末に破砕して有機溶媒中または水銀中に投入して体積
を測定し、さらに予め測定した粉末の重量から真比重を
測定し、これと見かけの比重から気孔率を計算した。
【0111】(3)セラミック誘電体膜の気孔径の測定 静電チャックを縦方向に数カ所切断し、切断部分の気孔
について、顕微鏡でその長さを測定した。縦、横の長さ
が異なる場合には、最大値をとった。 (4)セラミック誘電体膜の耐電圧の評価 実施例1〜3、比較例1〜3で製造した静電チャックに
ついて、静電チャック上に金属電極を載置し、静電電極
層と電極との間に、電圧を印加し、絶縁破壊する電圧を
測定した。
【0112】(5)破壊靱性値 ビッカーズ硬度計(明石製作所社製 MVK−D型)に
より圧子を表面に圧入し、発生したクラック長さを測定
し、これを下記の計算式に代入した。
【0113】破壊靱性値=0.026×E1/2×0.
5×P1/2×a×C−3/2 Eはヤング率(3.18×1011Pa)、Pは押し込
み荷重(98N)、aは圧痕対角線長さの半分(m)、
Cはクラックの長さの平均の半分(m)である。
【0114】(6)吸着力 ロードセル(島津製作所製 オートグラフ AGS−5
0A)を使用して測定した。
【0115】(7)昇温特性 450℃まで昇温するために必要な時間を測定した。 (8)反り量 450℃まで昇温して150kg/cmの荷重をかけ
た後、25℃まで冷却し、形状測定器(京セラ社製 ナ
ノウエイ)を用いて、反り量を測定した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】
【表6】
【0122】上記表1〜6より明らかなように、実施例
1〜3に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜の
耐電圧は、常温では11〜20kV/mm、450℃で
も1〜10kV/mmと良好である。また、気孔を有す
る場合は、破壊靱性値も3.5MPam1/2以上を確
保できる。さらに、最大気孔の気孔径を50μm以下に
することで高温での反り量を小さくすることができる。
気孔を有さない場合は、耐電圧が非常に高くなり、ま
た、反りをほぼ完全になくすことができる。
【0123】(実施例4) 静電チャック401(図6
参照)の製造 実施例2の(1)〜(5)の工程(表3の初段の条件)
を実施した後、さらに底面にニッケルを溶射し、この
後、鉛・テルル系のペルチェ素子を接合させることによ
り、静電チャック401を得た。このようにして製造し
た静電チャックは、降温特性に優れ、ペルチェ素子で冷
却したところ450℃から100℃まで3分で降温し
た。
【0124】(実施例5)ウエハプローバ601(図1
1参照)の製造 (1)空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニ
ウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100
0重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)40重量
部および、SiC10重量部、1−ブタノールおよびエ
タノールからなるアルコール530重量部を混合して得
た混合組成物を、ドクターブレード法を用いて成形し、
厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0125】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端
子ピンと接続するためのスルーホール用の貫通孔を設け
た。
【0126】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAとした。ま
た、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒を3.7重量部、分散剤0.2重量部を混合し
て導体ペーストBとした。
【0127】次に、グリーンシートに、この導体ペース
トAを用いたスクリーン印刷で、格子状のガード電極用
印刷体、グランド電極用印刷体を印刷した。また、端子
ピンと接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペ
ーストBを充填した。
【0128】さらに、印刷されたグリーンシートおよび
印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して1
30℃、80kg/cmの圧力で一体化することによ
り積層体を作製した。
【0129】(4)次に、この積層体を窒素ガス中で6
00℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/
cmで3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アル
ミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径300
mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とし
た。スルーホール660の大きさは、直径0.2mm、
深さ0.2mmであった。
【0130】また、ガード電極65、グランド電極66
の厚さは10μm、ガード電極65の形成位置は、ウエ
ハ載置面から1mm、グランド電極66の形成位置は、
ウエハ載置面から1.2mmであった。また、ガード電
極65およびグランド電極66の導体非形成領域66a
の1辺の大きさは、0.5mmであった。
【0131】(5)上記(4)で得た板状体を、ダイア
モンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等に
よるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部およびウ
エハ吸着用の溝67(幅0.5mm、深さ0.5mm)
を設けた。
【0132】(6)さらに、ウエハ載置面に対向する面
に発熱体69を形成するための層を印刷した。印刷は導
体ペーストを用いた。導体ペーストは、プリント配線板
のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製
のソルベストPS603Dを使用した。この導体ペース
トは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリ
カ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞ
れの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀10
0重量部に対して7.5重量部含むものであった。ま
た、銀の形状は平均粒径4.5μmでリン片状のもので
あった。
【0133】(7)導体ペーストを印刷したヒータ板を
780℃で加熱焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼
結させるとともにセラミック基板63に焼き付けた。さ
らに硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化
アンモニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/l
を含む水溶液からなる無電解ニッケルメッキ浴にヒータ
板を浸漬して、銀の焼結体69の表面に厚さ1μm、ホ
ウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層(図示せず)
を析出させた。この後、ヒータ板は、120℃で3時間
アニーリング処理を施した。銀の焼結体からなる発熱体
は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が
7.7mΩ/□であった。
【0134】(8)溝67が形成された面に、スパッタ
リング法により、順次、チタン層、モリブデン層、ニッ
ケル層を形成した。スパッタリングのための装置は、日
本真空技術社製のSV−4540を使用した。スパッタ
リングの条件は気圧0.6Pa、温度100℃、電力2
00Wであり、スパッタリング時間は、30秒から1分
の範囲内で、各金属によって調整した。得られた膜の厚
さは、蛍光X線分析計の画像から、チタン層は0.3μ
m、モリブデン層は2μm、ニッケル層は1μmであっ
た。
【0135】(9)硫酸ニッケル30g/l、ほう酸3
0g/l、塩化アンモニウム30g/lおよびロッシェ
ル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルメ
ッキ浴に、上記(8)で得られたセラミック板を浸漬
し、スパッタリングにより形成された金属層の表面に厚
さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層
を析出させ、120℃で3時間アニーリングした。発熱
体表面は、電流を流さず、電解ニッケルメッキで被覆さ
れない。
【0136】さらに、表面にシアン化金カリウム2g/
l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム
50g/lおよび次亜リン酸ナトリウム10g/lを含
む無電解金メッキ液に、93℃の条件で1分間浸漬し、
ニッケルメッキ層上に厚さ1μmの金メッキ層を形成し
た。
【0137】(10)溝67から裏面に抜ける空気吸引
孔68をドリル加工により形成し、さらにスルーホール
660を露出させるための袋孔(図示せず)を設けた。
この袋孔にNi−Au合金(Au81.5重量%、Ni
18.4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろう
を用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部
端子ピンを接続させた。また、発熱体に半田(スズ90
重量%/鉛10重量%)を介してコバール製の外部端子
ピンを形成した。
【0138】(11)次に、温度制御のための複数熱電
対を凹部に埋め込み、ウエハプローバヒータ601を得
た。
【0139】このように得られたセラミック基板は、最
大気孔の気孔径が2μmで、気孔率が1%であった。ま
た、セラミック基板の温度を200℃に上げ、電圧を2
00V印加しても絶縁破壊は生じなかった。さらに、反
り量も1μm以下で良好であった。
【0140】(実施例6および比較例4)空気中で50
0℃、0、1、7時間焼成した炭化珪素粉末(屋久島電
工製 平均粒径1.1μm)100重量部、カーボン4
重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.
5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなる
アルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドク
ターブレード法による成形を行って、厚さ0.5mmの
グリーンシートを得た。
【0141】そして、実施例1の(2)〜(7)と同様
の加工を行って静電チャックを製造した。なお、導体ペ
ーストと接触する部分にガラスペーストを塗布して積層
した。
【0142】このようにして製造した抵抗発熱体を有す
る 静電チャックの気孔率、気孔径、耐電圧、破壊靱性
値、吸着力、昇温特性、反り量を実施例1と同様にして
測定した。その結果を下記の表7および表8に示した。
なお、窒化アルミニウム粉末を焼成する時間により、セ
ラミック基板に含有される酸素量は異なっているが、そ
の値は、表7に示している。また、耐電圧はウエハ載置
面と、静電電極との間で測定した。
【0143】
【表7】
【0144】
【表8】
【0145】上記表7〜8より明らかなように、実施例
6に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜の耐電
圧は良好である。また、破壊靱性値も4.0MPam
1/2以上を確保できる。さらに、最大気孔の気孔径を
50μm以下にすることで高温での反り量を小さくする
ことができる。
【0146】(実施例7および比較例5)実施例1およ
び比較例1の静電チャックの表面に、凹部をドリル加工
で形成し、この凹部にシリコンウエハを支持するための
アルミナ製の支持ピンを形成し、シリコンウエハと上記
表面との距離を100μmとなるように設定し、実施例
7および比較例7とした。次いで、静電電極には印加せ
ず、抵抗発熱体にのみ通電して加熱し、シリコンウエハ
を400℃まで昇温して、シリコンウエハの表面の温度
差を測定した。その結果、セラミック基板の反り量が1
または0μmの場合では、シリコンウエハの表面温度差
は3℃であるが、反り量が8μmの場合は、シリコンウ
エハの表面の温度差は10℃にもなり、シリコンウエハ
の温度の均一性に乏しかった。
【0147】(試験例)比較例1にあるように、窒化ア
ルミニウム粉末を空気中で焼成せず、常圧焼結により、
厚さ30mmの静電チャックを製造した。また、窒化ア
ルミニウム粉末を空気中で焼成せず、常圧焼結により直
径150mmの静電チャックを製造した。いずれも45
0℃に昇温した後でも、反り量は1μm以下であった。
即ち、厚さが25mmを超え、直径が200mm未満の
セラミック基板では、反りの問題がそもそも発生しな
い。また、貫通孔を形成しない静電チャックを製造した
が、やはり、450℃に昇温した後の反り量は1μm以
下であった。このように、本発明は、特に厚さが25m
m以下、直径が200mm以上で貫通孔を有する半導体
製造・検査装置用セラミック基板について、特に効果を
奏するものと考えられる。
【0148】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のセラミック
基板では、セラミック基板が酸素を含有する非酸化物セ
ラミックからなり、最大気孔の気孔径が50μm以下と
従来よりも大きくても、耐電圧を充分に大きく保つこと
ができる。また、気孔を有するため破壊靱性値を大きく
することができ、熱衝撃に耐えられる。さらに高温での
反り量も小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの一例を模式的に示
す断面図である。
【図2】図1に示した静電チャックのA−A線断面図で
ある。
【図3】図1に示した静電チャックのB−B線断面図で
ある。
【図4】本発明に係る静電チャックの一例を模式的に示
す断面図である。
【図5】本発明に係る静電チャックの一例を模式的に示
す断面図である。
【図6】本発明に係る静電チャックの一例を模式的に示
す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明に係る静電チャック
の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明に係る静電チャックを構成する静電電極
の形状を模式的に示した水平断面図である。
【図9】本発明に係る静電チャックを構成する静電電極
の形状を模式的に示した水平断面図である。
【図10】本発明に係る静電チャックを支持容器に嵌め
込んだ状態を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明に係るウエハプローバを模式的に示し
た断面図である。
【図12】本発明に係るウエハプローバのガード電極を
模式的に示した断面図である。
【図13】本発明に係るホットプレートを模式的に示し
た断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401 静電チャック 1 セラミック基板 2、22、32a、32b チャック正極静電層 3、23、33a、33b チャック負極静電層 2a、3a 半円弧状部 2b、3b 櫛歯部 4 セラミック誘電体膜 5 抵抗発熱体 6、18 外部端子ピン 7 金属線 8 ペルチェ素子 9 シリコンウエハ 11 有底孔 12 貫通孔 13、14 袋孔 15 抵抗発熱体 150 金属層 16、17 スルーホール 41 支持容器 42 冷媒吹き出し口 43 吸入口 44 冷媒注入口 45 断熱材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 C04B 35/56 101Y 35/58 104Y 104D 104S

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面または内部に導電
    体が形成されてなるセラミック基板であって、前記セラ
    ミック基板は、酸素を含有する非酸化物セラミックから
    なるとともに、最大気孔の気孔径が50μm以下である
    ことを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミック基
    板。
  2. 【請求項2】 前記非酸化物セラミックは、窒化物セラ
    ミックである請求項1に記載の半導体製造・検査装置用
    セラミック基板。
  3. 【請求項3】 前記非酸化物セラミックは、炭化物セラ
    ミックである請求項1に記載の半導体製造・検査装置用
    セラミック基板。
  4. 【請求項4】 0.05〜10重量%の酸素を含有して
    なる請求項1〜3のいずれか1に記載の半導体製造・検
    査装置用セラミック基板。
  5. 【請求項5】 気孔率が5%以下である請求項1〜4の
    いずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック
    基板。
  6. 【請求項6】 100〜700℃の温度領域で使用され
    る請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体製造・検査
    装置用セラミック基板。
  7. 【請求項7】 厚さ25mm以下、直径200mm以上
    である請求項1〜6のいずれか1に記載の半導体製造・
    検査装置用セラミック基板。
  8. 【請求項8】 半導体ウエハのリフタピンを挿入する貫
    通孔を複数有してなる請求項1〜7のいずれか1に記載
    の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009055017A (ja) * 2007-07-30 2009-03-12 Kyocera Corp 保持用治具およびそれを用いた吸着装置
JP7477371B2 (ja) 2020-06-02 2024-05-01 日本特殊陶業株式会社 保持装置

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