以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る注意喚起装置1を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る注意喚起装置1は、CCDカメラ(Charge Coupled Device Camera)2、照度センサ3、騒音センサ4、走行状態検出装置5、ナビゲーションシステム6、ECU(ElectronicControl Unit)7、および注意喚起伝達装置8を備えている。
CCDカメラ2は、車体外側に設けられており、自車両の周囲を撮像して得られた光を電気信号に変換することにより画像データを取得する。CCDカメラ2は、取得した画像データを画像信号として物体検出部20および周辺環境検出部21に送信する。
照度センサ3は、自車両の運転席周囲および車体外側に設けられている。また、照度センサ3は、入射した光の量に応じて電流が流れる光電変換素子を備えている。照度センサ3は、光電変換素子から流れる電流を測定することにより運転席周辺の照度である運転席照度p1および車外の照度である車外照度p2を検出する。照度センサ3は、検出した照度を照度信号として周辺環境検出部21に送信する。
騒音センサ4は、自車両の運転席周囲に設けられ、圧電効果を用いて音の振動を電圧に変換することにより、運転席周辺の騒音量である運転席騒音量p4を検出する。騒音センサ4は、検出した騒音量を騒音信号として周辺環境検出部21に送信する。
走行状態検出装置5は、速度センサ10、運転操作センサ11を有している。速度センサ10は、自車両のトランスミッションに接続されている出力側シャフトに設けられ、出力側シャフトの回転数を検出する。速度センサ10は、検出したシャフトの回転数に基づいて車両速度を算出することにより自車両の速度情報を取得する。
運転操作センサ11は、車両運転において運転者に操作されるステアリングなどの運転操作機器に設けられ、運転者による運転操作情報を検出する。運転操作情報としては、車両のアクセルやブレーキの踏み込み操作情報、ステアリングの操舵情報、そして、ヘッドライト、ワイパー、ウインカーのオン/オフ情報がある。
走行状態検出装置5は、速度センサ10が取得した自車両の速度情報および運転操作センサ11の検出した運転操作情報をまとめる。走行状態検出装置5は、取得した速度情報および検出した運転操作情報を走行状態信号として運転負荷推定部22に送信する。
ナビゲーションシステム6は、地図情報が記録されたHDD(Hard Disk Drive)を備えている。ナビゲーションシステム6は、GPS(GlobalPositioning System)やVICS(Vehicle Information and Communication System)などによる通信から得られる外部情報を地図情報に参照して交通状況や道路形状などの道路情報を取得する。ナビゲーションシステム6は、取得した道路情報を道路情報信号として運転負荷推定部22に送信する。
注意喚起伝達装置8は、運転者に対して音声出力を行う音声出力手段および運転者に対して画像を表示する画像表示手段を備えている。注意喚起伝達装置8は、ECU7から送信された注意喚起態様信号に基づいて、運転者に対して音声出力や画像表示により注意喚起を行う。
ECU7は、物体検出部20、周辺環境検出部21、運転負荷推定部22、および注意喚起態様設定部23を有している。物体検出部20は、CCDカメラ2から送信された画像信号に基づいて、車両周囲の物体を検出する。物体検出部20は、公知の画像処理プログラムを用いて、他車両、歩行者など自車両周囲の物体の存在を検出し、検出した物体の形状や物体と自車両との距離などの物体情報を取得する。物体検出部20は、取得した物体情報を物体情報信号として注意喚起態様設定部23に送信する。
周辺環境検出部21は、CCDカメラ2から送信された画像信号、照度センサ3から送信された照度信号、および騒音センサ4から送信された騒音信号に基づいて、運転者の周辺環境を検出する。運転者の周辺環境としては、運転席照度p1、車外照度p2、注意喚起伝達装置8に備えられた画像表示手段に表示される画像全体の色彩データである画像色彩p3、および運転席騒音量p4がある。周辺環境検出部21は、検出した運転者の周辺環境を周辺環境信号として注意喚起態様設定部23に送信する。
運転負荷推定部22は、走行状態検出装置5から送信された走行状態信号およびナビゲーションシステム6から送信された道路情報信号に基づいて、車両運転の際に運転者にかかる運転負荷を推定する。また、運転負荷推定部22は、標準走行状態を予め記憶している。標準走行状態としては、片側1車線であり道路幅員4mの道路において、運転者が時速30kmにより運転する車両の走行状態がある。運転負荷推定部22は、運転負荷を推定する際に、記憶している標準走行状態を比較対象として用いる。そして、運転負荷推定部22は、推定した運転負荷を運転負荷信号として注意喚起態様設定部23に送信する。このとき、運転負荷推定部22は、運転負荷信号に走行状態検出装置5から送信された走行状態信号を付加して注意喚起態様設定部23に送信する。
注意喚起態様設定部23は、低速しきい値を予め記憶している。低速しきい値とは、走行速度を通常の走行速度と低速走行速度とに分ける値である。低速しきい値としては、時速20kmの速度がある。注意喚起態様設定部23は、運転負荷推定部22から送信された運転負荷信号に基づき、記憶している低速しきい値を用いて、走行速度が低速走行速度に含まれるか否かを判断する。このとき、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速しきい値未満である場合、走行速度は低速走行速度に含まれると判断する。そして、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速走行速度に含まれると判断した場合、注意喚起を行わない態様を設定する。
また、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速しきい値以上である場合、走行速度は低速走行速度に含まれないと判断する。そして、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速走行速度に含まれないと判断した場合、周辺環境検出部21から送信された周辺環境信号および運転負荷推定部22から送信された運転負荷信号に基づいて、注意喚起刺激量を求める。注意喚起刺激量とは、注意喚起の際に運転者に与える刺激の量であり、注意喚起刺激量としては、画像表示手段が表示する画像の照度である画像照度Eや音声出力手段から出力される音量である出力音量Vがある。
また、注意喚起態様設定部23は、標準走行状態を予め記憶している。さらに、注意喚起態様設定部23は、標準走行状態における運転者が注意喚起に気づく場合を想定した刺激量を標準刺激量として記憶している。さらに、注意喚起態様設定部23は、標準走行状態として運転席周辺の照度である標準運転席照度P1、標準走行状態における車外の照度である標準車外照度P2、標準走行状態における画像色彩である標準画像色彩P3、および標準走行状態における運転席周辺の騒音量である標準運転席騒音量P4をそれぞれ記憶している。注意喚起態様設定部23は、注意喚起刺激量を求める際に、記憶している標準刺激量を基準として用いる。また、注意喚起態様設定部23は、注意喚起刺激量を求める際に、標準運転席照度P1を運転席照度p1の比較対象として、標準車外照度P2を車外照度p2の比較対象として、標準画像色彩P3を画像色彩p3の比較対象として、標準運転席騒音量P4を運転席騒音量p4の比較対象としてそれぞれ用いる。
さらに、注意喚起態様設定部23は、画像照度Eにおいて注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かを判断する所定のしきい値である最低照度Emと、出力音量Vにおいて注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かを判断する所定のしきい値である最低音量Vmとを予め記憶している。
注意喚起態様設定部23は、記憶している最低照度Emおよび最低音量Vmを用いて、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かを判断する。このとき、注意喚起態様設定部23は、画像照度Eが最低照度Em未満であり、かつ、出力音量Vが最低音量Vm未満の場合、求めた注意喚起刺激量は低刺激量範囲に含まれると判断する。そして、注意喚起態様設定部23は、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれると判断した場合、注意喚起を行わない態様を設定する。
また、注意喚起態様設定部23は、画像照度Eが最低照度Em以上である場合、または、出力音量Vが最低音量Vm以上である場合、注意喚起刺激量は低刺激量範囲に含まれないと判断する。注意喚起態様設定部23は、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれないと判断した場合、求めた注意喚起刺激量に基づいて注意喚起態様を設定する。注意喚起態様としては、注意喚起として画像表示手段に表示される画像の表現や音声出力手段から出力される音声の内容などの態様がある。注意喚起態様設定部23は、設定した注意喚起態様を注意喚起態様信号として注意喚起伝達装置8に送信する。
以上の構成を有する本実施形態に係る注意喚起装置の制御について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態における注意喚起の工程を示すフローチャートである。本実施形態においては、特に運転上の障害となる物体を検出した場合の注意喚起の工程を示す。
本実施形態に係る注意喚起装置1において、CCDカメラ2は、車両の周囲を撮像して取得した画像データを画像信号として物体検出部20に送信している。図2に示すように、物体検出部20は、CCDカメラ2から送信された画像信号に基づき、公知の画像処理プログラムを用いて、物体を検出したか否かの判断を行う(S1)。
物体検出部20は、物体を検出したと判断した場合、検出した物体の形状や物体と自車両との距離などの物体情報を取得する。物体検出部20は、取得した物体情報を物体情報信号として注意喚起態様設定部23に送信する。また、物体検出部20は、物体を検出しなかったと判断した場合、CCDカメラ2から送信される次の画像信号に基づいて画像処理を繰りかえす。
次に、周辺環境検出部21は、CCDカメラ2から送信された画像信号、照度センサ3から送信された照度信号、および騒音センサ4から送信された騒音信号に基づいて、運転者の周辺環境を検出する(S2)。
周辺環境検出部21は、照度センサ3から送信された照度信号に基づいて、運転席照度p1および車外照度p2を検出する。また、周辺環境検出部21は、CCDカメラ2から送信された画像信号に基づいて、画像色彩p3を検出し、騒音センサ4から送信された騒音信号に基づいて、運転席騒音量p4を検出する。周辺環境検出部21は、検出した運転者の周辺環境を周辺環境信号として、注意喚起態様設定部23に送信する。
運転負荷推定部22は、走行状態検出装置5から送信された走行状態信号およびナビゲーションシステム6から送信された道路情報信号に基づき、予め記憶した標準走行状態を用いて、運転負荷を推定する(S3)。まず、運転負荷推定部22は、走行状態検出装置5から送信された走行状態信号およびナビゲーションシステム6から送信された道路情報信号に基づいて、運転負荷の要因である運転負荷要因を得る。運転負荷要因としては、走行速度、道路幅員、片側車線数、走行環境、および走行形態がある。ここで、本実施形態における走行環境としては、走行時の時刻環境である昼間環境および夜間環境と、走行時の天候環境である晴天環境および雨天環境とがある。また、本実施形態における走行形態としては、定速直進走行、カーブ走行、右左折走行、加速走行、および減速走行がある。
次に、運転負荷推定部22は、運転負荷要因に基づいて、運転負荷を数値化して推定する。まず、運転負荷推定部22は、走行状態検出装置5から送信された走行状態信号に基づいて、自車両の走行速度を取得する。そして、運転負荷推定部22は、取得した走行速度と標準走行状態における走行速度である標準走行速度との比較から、走行速度における運転負荷の値q1を推定する。
このとき、走行速度における運転負荷の値q1は、自車両の走行速度が標準走行速度と等しいときに最大の値をとり、自車両の走行速度と標準走行速度との差が増えるにつれて小さな値をとる。たとえば、自車両の走行速度が標準走行速度より速い場合において、運転者は、自車両の走行速度が速いほど、周囲の他車両に妨げられることなく滑らかに運転をしている可能性が高い。そして、運転者は、周囲の他車両に妨げられることなく滑らかに運転をしている場合、運転に余裕を持つことができる。このため、運転負荷推定部22は、自車両の走行速度が標準走行速度より速い場合において、自車両の走行速度が速いほど、走行速度における運転負荷の値q1を小さな値とする。
そして、自車両の走行速度が標準走行速度より遅い場合において、運転者は、自車両の走行速度が遅いほど、道路形状の変化などに余裕を持って対処できる。このため、運転負荷推定部22は、自車両の走行速度が標準走行速度より遅い場合において、自車両の走行速度が遅いほど、走行速度における運転負荷の値q1を小さな値とする。
続いて、運転負荷推定部22は、ナビゲーションシステム6から送信された道路情報信号に基づいて、運転負荷要因のうち自車両走行中の道路における道路幅員および片側車線数を取得する。そして、運転負荷推定部22は、取得した自車両走行中の道路における道路幅員と標準走行状態における道路の道路幅員である標準道路幅員との比較から、道路幅員における運転負荷の値q2を推定する。
このとき、道路幅員における運転負荷q2は、自車両走行中の道路における道路幅員が標準道路幅員より狭いほど、大きな値をとる。ここで、運転者は、自車両走行中の道路の道路幅員が狭いほど、車線を逸れないように高い運転精度を要求される。このため、運転負荷推定部22は、取得した自車両走行中の道路の道路幅員が標準道路幅員と比べて狭いほど、道路幅員における運転負荷の値q2を大きな値とする。
また、運転負荷推定部22は、取得した自車両走行中の道路における片側車線数と標準走行状態における道路の片側車線数である標準片側車線数との比較から、片側車線数における運転負荷の値q3を推定する。このとき、片側車線数における運転負荷の値q3は、自車両走行中の道路における片側車線数が標準片側車線数より増えるほど、大きな値をとる。ここで、運転者は、自車両走行中の道路における片側車線数が増えるほど、運転中に他車両の車線変更などの挙動を考慮する。このため、運転負荷推定部22は、自車両走行中の道路の片側車線数が増えるほど、片側車線数における運転負荷の値q3を大きな値とする。
そして、運転負荷推定部22は、走行状態検出装置5から送信された走行状態信号に基づいて、運転負荷要因のうち自車両の走行環境および走行形態を検出する。具体的に、運転負荷推定部22は、ヘッドライトのオン/オフ情報に基づいて、ヘッドライトがオフ状態である情報を得た場合、自車両の走行環境が昼間環境であることを検出し、ヘッドライトがオン状態である情報を得た場合、自車両の走行環境が夜間環境であることを検出する。同様に、運転負荷推定部22は、ワイパーのオン/オフ情報に基づいて、ワイパーがオフ状態である情報を得た場合、自車両の走行環境が晴天環境であることを検出し、ワイパーがオン状態である情報を得た場合、自車両の走行環境が雨天環境であることを検出する。
また、運転負荷推定部22は、ウインカーのオン/オフ情報に基づいて、ウインカーがオン状態である情報を得た場合、ステアリングの操舵情報を参照することにより、自車両の走行形態が右左折走行であることを検出する。そして、運転負荷推定部22は、ステアリングの操舵情報に基づいて、自車両の走行形態がカーブ走行であることを検出する。
さらに、運転負荷推定部22は、アクセルペダルの踏み込み操作情報に基づいて、自車両の走行形態が加速走行であることを検出する。同様に、運転負荷推定部22は、ブレーキペダルの踏み込み操作情報に基づいて、自車両の走行状態が減速走行であることを検出する。運転負荷推定部22は、自車両の走行形態について、右左折走行、カーブ走行、加速走行、減速走行のいずれも検出しない場合、自車両の走行形態が定速直進走行であることを検出する。
次に、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8について説明する。ここで、走行環境における運転負荷の値q4は、走行環境のうち夜間環境に対応して予め定められた値である。同様に、走行環境における運転負荷の値q5は、走行環境のうち雨天環境に対応して予め定められた値である。また、走行形態における運転負荷の値q6は、走行形態のうち右左折走行に対応して予め定められた値である。走行形態における運転負荷の値q7は、走行形態のうちカーブ走行に対応して予め定められた値である。さらに、走行形態における運転負荷の値q8は、走行形態のうち加速走行および減速走行に対応して予め定められた値である。
そして、運転負荷推定部22は、検出した走行環境および走行形態に対応する運転負荷の値q4〜q8がある場合、その運転負荷の値q4〜q8をそれぞれ取得する。具体的に、運転負荷推定部22は、走行環境のうち走行時の時刻環境が夜間環境であると検出した場合、夜間環境における運転負荷の値q4を取得する。また、運転負荷推定部22は、走行環境のうち走行時の時刻環境が昼間環境であると検出した場合、運転負荷の値を取得しない。さらに、運転負荷推定部22は、走行環境のうち走行時の天候環境が雨天環境であると検出した場合、雨天環境における運転負荷の値q5を取得する。そして、運転負荷推定部22は、走行環境のうち走行時の天候環境が晴天環境であると検出した場合、運転負荷の値を取得しない。
同様に、運転負荷推定部22は、走行形態が右左折走行であると検出した場合、右左折走行における運転負荷の値q6を取得し、走行形態がカーブ走行であると検出した場合、カーブ走行における運転負荷の値q7を取得する。また、運転負荷推定部22は、走行形態が加速走行または減速走行であると検出した場合、加速走行または減速走行における運転負荷の値q8を取得する。そして、運転負荷推定部22は、走行形態が定速直進走行であると検出した場合、運転負荷の値を取得しない。運転負荷推定部22は、推定した各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q3および取得した各運転負荷要因における運転負荷の値q4〜q8を運転負荷信号として注意喚起態様設定部23に送信する。このとき、運転負荷推定部22は、運転負荷信号に走行状態検出装置5から送信された走行状態信号を付加して注意喚起態様設定部23に送信する。
注意喚起態様設定部23は、まず、運転負荷推定部22から送信された運転負荷信号に基づき、低速しきい値を参照して、走行速度が低速走行速度に含まれるか否かを判断する(S4)。ここで、運転者は、低速走行速度においては運転に余裕を持つことができるため、注意喚起伝達装置8に対する注意を失いにくく、歩行者の存在など注意喚起伝達装置8が注意喚起しようとする内容をすでに認識している可能性が高い。そして、運転者は、すでに認識している内容を注意喚起された場合、注意喚起自体をわずわらしく感じる可能性がある。このため、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速走行速度に含まれると判断した場合、注意喚起を行わない態様を設定する。このように、注意喚起態様設定部23は、走行速度が低速走行速度に含まれるか否かを判断することにより、運転者がわずわらしく感じるような注意喚起を避けることができる。
そして、注意喚起態様設定部23は、自車両の走行速度が低速走行速度に含まれないと判断した場合、周辺環境検出部21から送信された周辺環境信号および運転負荷推定部22から送信された運転負荷信号に基づいて、注意喚起刺激量を求める(S5)。注意喚起態様設定部23は、運転負荷推定部22から送信された運転負荷信号に基づいて、運転負荷の値q1〜q8を取得する。このとき、運転者は、運転負荷が大きいほど、注意喚起伝達装置8に備える画像表示手段に表示される画像および音声出力手段から出力される音声出力を認識しにくくなる。このため、注意喚起態様設定部23は、運転負荷が大きいほど、画像照度Eや出力音量Vなどの注意喚起刺激量を大きな値とする。
また、注意喚起態様設定部23は、周辺環境検出部21から送信された周辺環境信号に基づいて、運転席照度p1を取得する。注意喚起態様設定部23は、取得した運転席照度p1と標準運転席照度P1との差分に応じて、注意喚起刺激量を求める。ここで、運転者は、運転席周辺の照度が大きいほど、注意喚起伝達装置8の画像表示手段に表示される画像を視認しにくくなる。このため、注意喚起態様設定部23は、運転席照度p1が標準運転席照度P1より大きい場合、運転席照度p1と標準運転席照度P1との関係においては、運転席照度p1と標準運転席照度P1との差分が増えるほど、注意喚起刺激量を大きな値とする。
同様に、注意喚起態様設定部23は、周辺環境検出部21から送信された周辺環境信号に基づいて、車外照度p2を取得する。注意喚起態様設定部23は、取得した車外照度p2と標準車外照度P2との差分に応じて、注意喚起刺激量を求める。このとき、運転者は、車外の照度が大きいほど、画像表示手段に表示される画像を視認しにくくなる。このため、注意喚起態様設定部23は、車外照度p2が標準車外照度P2より大きい場合、車外照度p2と標準車外照度P2との関係においては、車外照度p2と標準車外照度P2との差分が増えるほど、注意喚起刺激量を大きな値とする。
さらに、注意喚起態様設定部23は、周辺環境検出部21から送信された周辺環境信号に基づいて、運転席騒音量p4を取得する。注意喚起態様設定部23は、取得した運転席騒音量p4と標準運転席騒音量P4との差分に応じて、注意喚起刺激量を求める。このとき、運転者は、運転席周辺の騒音量が大きいほど、音声出力手段から出力される音声出力を認識しにくくなる。このため、注意喚起態様設定部23は、運転席騒音量p4が標準運転席騒音量P4より大きい場合、運転席騒音量p4と標準運転席騒音量P4との関係においては、運転席騒音量p4と標準運転席騒音量P4との差分が増えるほど、注意喚起刺激量を大きな値とする。
図3は、注意喚起伝達装置8に備えた画像表示手段に表示される画像を示す図である。また、図3に示す画像内には、自車両進行方向の道路上において、物体検出部20により検出された歩行者Cが表示されている。以下、図3を参照して、画像表示手段における注意喚起刺激量について説明する。ここで、図3に示される注意喚起刺激枠Aは、画像表示手段に表示される画像の外側に設けられた枠であり、点灯することで注意喚起を行う機能を備えている。図3に示される歩行者検出枠Bは、注意喚起の際に、画像表示手段に表示される画像内において、歩行者Cを囲むように表示される枠である。
注意喚起伝達装置8は、画像表示手段において、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bを用いて、注意喚起刺激量を運転者に与える。このとき、注意喚起伝達装置8は、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける画像照度E、フェードイン速度Ti、フェードアウト速度Tf、点滅周波数F、点滅回数N、および色などの視覚刺激要素を用いる。ここで、フェードイン速度Tiとは、注意喚起を始めてから、画像照度Eが設定された刺激量に至るまでの時間であり、フェードアウト速度Tfとは、注意喚起枠照度Eの減少が始まってから、画像照度Eが通常の状態に戻り、注意喚起が終わるまでの時間である。また、点滅周波数Fとは、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bが点滅により注意喚起を行う際に、点灯状態と消灯状態を切り替えるタイミングを示す周波数であり、点滅回数Nとは、点灯状態と消灯状態を切り替える総回数である。
ここで、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける視覚刺激要素は、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて式として表すことができる。画像表示手段における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける画像照度Eは、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(1)で与えられる。同様に、画像表示手段における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおけるフェードイン速度Tiは、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(2)で与えられる。また、画像表示手段における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおけるフェードアウト速度Tfは、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(3)で与えられる。さらに、画像表示手段における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける点滅周波数Fは、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(4)で与えられる。そして、画像表示手段における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける点滅回数Nは、運転席照度p1、車外照度p2、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(5)で与えられる。ただし、以下の式(1)〜(5)中、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8においては、注意喚起態様設定部23に取得されていない運転負荷の値を0として扱うものとする。
ただし、α11〜α52:所定の係数
β11〜β58:所定の係数
E0:標準刺激量における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの画像照度
Ti0:標準刺激量における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bのフェードイン速度
Tf0:標準刺激量における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bのフェードアウト速度
F0:標準刺激量における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの点滅周波数
N0:標準刺激量における注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの点滅回数
式(1)を参照して、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8と注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける画像照度Eとの関係について説明する。まず、走行速度における運転負荷の値q1以外の運転負荷の値q2〜q8、運転席照度p1、および車外照度p2が一定の場合、画像照度Eは、走行速度における運転負荷の値q1が大きいほど大きな値をとり、走行速度における運転負荷の値q1が小さいほど小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、走行速度における運転負荷の値q1に対応した画像照度Eを求めることができる。
また、道路幅員における運転負荷の値q2以外の運転負荷の値q1,q3〜q8、運転席照度p1、および車外照度p2が一定の場合、画像照度Eは、道路幅員における運転負荷の値q2が大きいほど大きな値をとり、道路幅員における運転負荷の値q2が小さいほど小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、道路幅員における運転負荷の値q2に対応した画像照度Eを求めることができる。
さらに、片側車線数における運転負荷の値q3以外の運転負荷の値q1〜q2,q4〜q5、運転席照度p1、および車外照度p2が一定の場合、画像照度Eは、片側車線数における運転負荷の値q3が大きいほど大きな値をとり、片側車線数における運転負荷の値q3が小さいほど小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、片側車線数における運転負荷の値q3に対応した画像照度Eを求めることができる。
そして、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8以外の運転負荷の値q1〜q3、運転席照度p1、および車外照度p2が一定の場合、画像照度Eは、運転負荷推定部22が取得した走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8について、それぞれに対応した係数β11〜β18を乗じた合計値が大きいほど、大きな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8に対応した画像照度Eを求めることができる。
同様に、注意喚起態様設定部23は、式(2)〜式(5)を参照することにより、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8に対応した注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bのフェードイン速度Ti、フェードアウト速度Tf、点滅周波数F、および点滅回数Nをそれぞれ求めることができる。このように、注意喚起態様設定部23は、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8、運転席照度p1、および車外照度p2に対応した画像表示手段における注意喚起刺激量を求めることができる。
また、運転者は、夜間などにおいて、周囲の照度が小さい場合、画像表示手段に表示される画像を通常より明るく感じてしまう。そのため、運転者は、注意喚起の際に、注意喚起態様設定部23が設定した以上の注意喚起刺激量を与えられているように感じてしまう。ここで、式(1)に示すように、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける画像照度Eは、運転負荷の値が十分小さい場合であって、運転席照度p1が標準運転席周辺照度P1よりも小さく、かつ、車外照度p2が標準車外照度P2よりも小さい場合、標準刺激量における照度E0よりも小さな値をとる。このように、本実施形態に係る注意喚起態様設定部23は、夜間などにおいて運転者周囲の照度が小さい場合、画像照度Eを小さくすることにより、運転者に対して過剰な注意喚起刺激量を与えることを避けることができる。
そして、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの色は、運転席照度p1、車外照度p2、画像色彩p3、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、式として表すことができる。このとき、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの色は、光の三原色を用いて、赤色の照度r、緑色の照度g、青色の照度bの重ね合わせとして表現される。
まず、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける赤色の照度rは、運転席照度p1、車外照度p2、画像色彩p3、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(6)で与えられる。また、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける緑色の照度gは、運転席照度p1、車外照度p2、画像色彩p3、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(7)で与えられる。そして、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bにおける青色の照度bは、運転席照度p1、車外照度p2、画像色彩p3、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(8)で与えられる。ただし、以下の式(6)〜(8)中、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8においては、注意喚起態様設定部23に取得されていない運転負荷の値を0として扱うものとする。
ただし、r:赤色の照度
g:緑色の照度
b:青色の照度
k1〜k3:所定の係数
R0:標準刺激量における赤色の照度
G0:標準刺激量における緑色の照度
B0:標準刺激量における青色の照度
式(6)〜式(8)に示すように、注意喚起態様設定部23は、運転席照度p1と標準運転席照度P1との差分、車外照度p2と標準車外照度P2との差分、画像色彩p3と標準画像色彩P3との差分、および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8に応じて、注意喚起刺激枠Aおよび歩行者検出枠Bの色をそれぞれ求める。その結果、注意喚起態様設定部23は、運転者およびその周囲の状況に対応した認識しやすい色を求めることができる。
次に、音声出力手段における注意喚起刺激量について説明する。注意喚起態様設定部23は、音声出力手段において、音声および警報音からなる注意喚起刺激量を求める。注意喚起態様設定部23は、音声および警報音における出力音量Vおよび音の高さH、並びに警報音における断続周波数Fvおよび出力時間Tvなどの聴覚刺激要素を用いた注意喚起態様を設定する。ここで、警報音は断続音であり、断続周波数Fvとは、断続音において出力のオン/オフのタイミングを示す周波数である。
ここで、音声出力手段における聴覚刺激要素を、運転席騒音量p4および各運転負荷要因における運転負荷の値を用いて、以下の式として表す。まず、音声出力手段における出力音声Vは、運転席騒音量p4および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(9)で与えられる。同様に、音声出力手段における音の高さHは、運転席騒音量p4および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(10)で与えられる。また、音声出力手段における断続周波数Fvは、運転席騒音量p4および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(11)で与えられる。さらに、音声出力手段における出力時間Tvは、運転席騒音量p4および各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8を用いて、以下の式(12)で与えられる。ただし、以下の式(9)〜(12)中、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8においては、注意喚起態様設定部23に取得されていない運転負荷の値を0として扱うものとする。
ただし、γ11〜γ49:所定の係数
V0:標準刺激量における音声および警報音の出力音量
H0:標準刺激量における音声および警報音の音の高さ
Fv0:標準刺激量における警報音の断続周波数
Tv0:標準刺激量における警報音の出力時間
式(9)を参照して、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8と音声出力における音声および警報音における出力音量Vとの関係について説明する。まず、走行速度における運転負荷の値q1以外の運転負荷の値q2〜q8および運転席騒音量p4が一定の場合、出力音量Vは、走行速度における運転負荷の値q1が大きいほど大きな値をとり、走行速度における運転負荷の値q1が小さいほど、小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、走行速度における運転負荷の値q1に対応した出力音量Vを求めることができる。また、道路幅員における運転負荷の値q2以外の運転負荷の値q1,q3〜q8および運転席騒音量p4が一定の場合、出力音量Vは、道路幅員における運転負荷の値q2が大きいほど大きな値をとり、道路幅員における運転負荷の値q2が小さいほど、小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、道路幅員における運転負荷の値q2に対応した出力音量Vを求めることができる。
さらに、片側車線数における運転負荷の値q3以外の運転負荷の値q1〜q2,q4〜q8および運転席騒音量p4が一定の場合、出力音量Vは、片側車線数における運転負荷の値q3が大きいほど大きな値をとり、片側車線数における運転負荷の値q3が小さいほど小さな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、片側車線数における運転負荷の値q3に応じた出力音量Vを求めることができる。そして、走行環境および走行形態において予め定められた運転負荷の値q4〜q8以外の運転負荷の値q1〜q3および運転席騒音量p4が一定の場合、出力音量Vは、運転負荷推定部22が取得した走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8について、それぞれに対応した係数γ15〜γ19を乗じた合計値が大きいほど、大きな値をとる。その結果、注意喚起態様設定部23は、走行環境および走行形態における運転負荷の値q4〜q8に対応した出力音量Vを求めることができる。
同様に、注意喚起態様設定部23は、式(10)〜式(12)を参照することにより、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8に対応した音声出力における音声および警報音の音の高さH、警報音の断続周波数Fv、および警報音の出力時間Tvをそれぞれ求めることができる。このように、注意喚起態様設定部23は、音声出力手段において、各運転負荷要因における運転負荷の値q1〜q8および運転席騒音量p4に対応した注意喚起刺激量を求めることができる。
続いて、注意喚起態様設定部23は、記憶している最低照度Emおよび最低音量Vmを用いて、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かを判断する(S6)。最低照度Emは、標準刺激量における照度E0より小さな所定の値である。最低音量Vmは、標準刺激量における音量V0より小さな所定の値である。以下、注意喚起態様設定部23における注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かの判断について説明する。
注意喚起態様設定部23は、画像照度Eが最低照度Em以下であり、かつ、出力音量Vが最低音量Vm以下である場合、求めた注意喚起刺激量は低刺激量範囲に含まれると判断する。注意喚起態様設定部23は、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれると判断した場合、注意喚起を行わない態様を設定する。
ここで、式(1)および式(9)を参照すると、運転者に与える注意喚起刺激量が標準刺激量よりもさらに小さい場合、運転者にかかる運転負荷は小さい可能性が高い。このとき、運転者は、注意喚起伝達装置8に対する注意を失いにくく、歩行者の存在など注意喚起伝達装置8が注意喚起しようとする内容をすでに認識している場合が多い。そして、運転者は、すでに認識している内容を注意喚起された場合、注意喚起自体をわずわらしく感じる可能性がある。そこで、注意喚起態様設定部23は、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれるか否かを判断することにより、運転者がわずわらしく感じるような注意喚起を避けることができる。
注意喚起態様設定部23は、求めた注意喚起刺激量が低刺激量範囲に含まれないと判断した場合、注意喚起刺激量に基づいて注意喚起態様を設定する(S7)。注意喚起態様設定部23は、設定した注意喚起態様を注意喚起態様信号として注意喚起伝達装置8に送信する。その後、注意喚起伝達装置8は、注意喚起態様設定部23から送信された注意喚起態様信号に基づき、音声出力手段および画像表示手段を用いて、運転者に注意喚起を行う(S8)。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、車両故障時の注意喚起においても用いることができる。車両故障時の注意喚起において本発明を用いた場合、運転者の運転状況に対応した注意喚起を行うことにより、確実に運転者に対して車両故障を気づかせることができる。
また、本実施形態に係る注意喚起装置1は、音声出力を行う際にオーディオなどの車載音響機器を消音状態にする機能を備えてもよい。運転者は、注意喚起装置1が注意喚起として音声出力を行う際に、車載音響機器を使用している場合がある。このとき、注意喚起装置1は、注意喚起において音声出力の際に車載音響機器を消音状態にすることにより、運転者に対して注意喚起をより気づきやすくすることができる。
さらに、本実施形態に係る運転負荷推定部22は、運転負荷の値q1〜q3の推定の際に、各運転負荷要因について予め規定されたマップを用いてもよい。運転負荷推定部22は、各運転負荷要因について予め規定されたマップを参照することにより、容易に運転負荷の値q1〜q3を推定することができる。
加えて、注意喚起態様設定部23は、自車両の走行形態に基づき、画像表示手段における注意喚起を行うか否かを判断してもよい。たとえば、運転者は、自車両の走行形態が右左折走行中である場合、直進走行中と比べるとより集中して自車両の進行方向を見ようとする。このため、運転者は、自車両の走行形態が右左折走行中である場合、注意喚起伝達装置8に備える画像表示手段に表示される画像を視認しにくくなる。そこで、注意喚起態様設定部23は、自車両の走行形態が右左折走行中である場合、画像表示手段における注意喚起を行わない判断をする。注意喚起態様設定部23は、音声出力手段のみを用いて注意喚起を行う態様の設定をすることにより、運転者の注意をむやみに逸らすような注意喚起を避けることができる。
そして、注意喚起態様設定部23は、音声出力手段から出力される警報音を断続音ではなく連続音とする注意喚起態様を設定できるようにしてもよい。たとえば、注意喚起態様設定部23は、断続周波数Fvが所定のしきい値を超えた場合、警報音を連続音として出力する注意喚起態様を設定する。注意喚起伝達装置8は、音声出力手段から警報音を連続音として出力することにより、より強い刺激を運転者に与えることができるようになる。そのため、注意喚起態様設定部23は、大きな運転負荷を受けている運転者の状況に対応したさらに刺激量の強い態様を設定することができる。
また、本実施形態の注意喚起態様設定部23は、運転者の周辺環境および運転負荷の値から注意喚起刺激量を算出しているが、注意喚起態様設定部23は、運転者の周辺環境および運転負荷の値に対して注意喚起刺激量を段階的に示すマップに基づいて注意喚起刺激量を求めてもよい。注意喚起態様設定部23は、運転者の周辺環境および運転負荷の値から注意喚起刺激量を算出せずに、予め規定されたマップに基づいて段階的に注意喚起刺激量を求めることにより、演算処理量の軽減という面において効果的である。
1…注意喚起装置、2…CCDカメラ、3…照度センサ、4…騒音センサ、5…走行状態検出装置、6…ナビゲーションシステム、7…ECU、8…注意喚起伝達装置、10…速度センサ、11…運転操作センサ、20…物体検出部、21…周辺環境検出部、22…運転負荷推定部、23…注意喚起態様設定部。