JP5293868B2 - 保持具、搭載装置、基板装置の製造方法 - Google Patents

保持具、搭載装置、基板装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保持具、搭載装置、基板装置の製造方法に関する。
特許文献1には、シャンク部の下部に吸着部を形成して成るダイコレットにおいて、吸着部の下面に凹設された矩形の凹入部の4辺のうち、3辺の縁部にのみテーパ面を形成し、この3つのテーパ面に電子部品の稜線を当接させて吸着する構成が開示されている。
特許文献2には、半導体チップを吸着する半導体吸着用コレットにおいて、半導体チップの吸着時において少なくとも半導体チップの上面及び側面に当接させて前記半導体チップの向きを整える基準面を設けた構成が開示されている。
実公平7−23997号公報 特開2010−141179号公報
本発明は、半導体素子を安定した姿勢で保持できるようにすることを課題とする。
請求項1の発明は、半導体素子の側面に突き当たる第1面と、前記半導体素子における前記側面と対向する対向面と上面との稜線に突き当たることで前記半導体素子に対して線接触する第2面と、前記側面が前記第1面に突き当たり、且つ、前記稜線が前記第2面に突き当たった状態に前記半導体素子が保持されるように、当該半導体素子に対して吸引力を作用させる吸引部とを備え、前記対向面及び前記上面に対して非接触とされた保持具。
請求項2の発明は、前記吸引部は、前記第1面の一部に開口して形成され、前記第1面が突き当たった状態の前記側面の一部が非接触となる空間と、前記空間から前記第2面が突き当たった状態の前記稜線までの間を負圧にする吸引口と、を備えた請求項1に記載の保持具。
請求項3の発明は、前記第2面における前記稜線に沿った長さは、前記第1面における前記稜線に沿った長さよりも短い請求項1又は2に記載の保持具。
請求項4の発明は、半導体素子を位置決めする素子位置決め部と、基板を位置決めする基板位置決め部と、前記素子位置決め部で位置決めされた前記半導体素子を保持する請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持具と、前記保持具を移動して前記基板位置決め部に位置決めされた基板に前記半導体素子を搭載する移動機構と、を備えた搭載装置。
請求項5の発明は、前記移動機構は、前記第2面に沿って斜め上方へ前記保持具を移動させて、前記基板に搭載された半導体素子から前記保持具を退避させる請求項4に記載の搭載装置。
請求項6の発明は、前記保持具を上下方向へ変位可能に支持する支持部と、前記保持具を弾性力によって前記支持部に対して押し下げる弾性部材と、前記保持具の前記支持部に対する変位量を測定する測定部と、を備え、前記移動機構は、前記支持部を前記基板に対して降下させ、前記保持具に保持された半導体素子を前記弾性部材の弾性力によって前記基板に対して押し込んで前記基板に搭載し、前記測定部が測定した変位量に基づき、前記保持具を前記第2面に沿って斜め上方へ移動させる移動開始タイミングを決定する請求項5に記載の搭載装置。
請求項7の発明は、前記測定部は、前記測定部の上方へ配置され前記保持具と一体に変位する変位部材との距離に基づき、前記変位量を測定し、前記変位部材と前記測定部との間には、前記変位部材の下方への変位を規制する規制部材が設けられている請求項6に記載の搭載装置。
請求項8の発明は、半導体素子を位置決めする素子位置決め工程と、基板を位置決めする基板位置決め工程と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持具により、前記素子位置決め工程で位置決めされた前記半導体素子を保持し、前記基板位置決め工程で位置決めされた基板に当該半導体素子を搭載する搭載工程と、を備えた基板装置の製造方法。
本発明の請求項1の構成によれば、第1面及び第2面に半導体素子の稜線を突き当てて保持する場合に比べ、半導体素子を安定した姿勢で保持することができる。
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、半導体素子の側面が第1面に突き当たり、且つ、半導体素子の稜線が第2面に突き当たった状態が、良好に維持される。
本発明の請求項3の構成によれば、第2面における稜線に沿った長さと、第1面における稜線に沿った長さとが同じである場合に比べ、半導体素子が傾いて基板に搭載されることを抑制できる。
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を備えない場合に比べ、半導体素子を安定した姿勢で基板に搭載することができる。
本発明の請求項5の構成によれば、保持具が第2面に沿って斜め上方へ退避しない場合に比べ、基板に搭載された半導体素子の倒れを抑制できる。
本発明の請求項6の構成によれば、予め定められた移動開始タイミングで保持部を移動させる場合に比べ、基板に搭載された半導体素子の倒れを抑制できる。
本発明の請求項7の構成によれば、規制部材を備えない場合に比べ、測定部に対する変位部材の衝突による測定部の損傷を抑制できる。
本発明の請求項8の製造方法によれば、本製造方法を備えない場合に比べ、製造される基板装置の歩留まりを向上させることができる。
本実施形態に係るプリント配線基板装置の製造装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る素子位置決め部のプレートの構成を示す平面図である。 本実施形態に係る位置決め部材の構成を一部拡大して示す平面図である。 本実施形態に係る位置決め部材の構成を一部拡大して示す斜視図である。 本実施形態に係るコレットの構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るコレットの構成を示す分解斜視図である。 本実施形態に係るコレットの構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るコレットの構成を一部拡大して示す断面図である。 比較例に係るコレットの構成を一部拡大して示す断面図である。 本実施形態に係るコレットの試験結果を示すグラフである。 比較例に係るコレットの試験結果を示すグラフである。 第1変形例に係るコレットの構成を示す斜視図である。 第2変形例に係るコレットの構成を示す斜視図である。 第2変形例に係るコレットで保持された半導体素子の長手方向一端部が上方への外力を受けた場合を示す側面図である。 比較例に係るコレットを用いて半導体素子を基板に搭載する動作を示す側面図である。 比較例に係るコレットで保持された半導体素子の長手方向一端部が上方への外力を受けた場合を示す側面図である。 比較例に係るコレットで保持された半導体素子の長手方向他端部がコレットに対して離れている状態を示す側面図である。 基板に搭載された半導体素子を示す平面図である。 比較例に係るコレットを用いて基板に搭載された半導体素子の傾き(θずれ)を測定した結果を示すグラフである。 第2変形例に係るコレットを用いて基板に搭載された半導体素子の傾き(θずれ)を測定した結果を示すグラフである。 変形例に係る保持装置の構成を示す概略図である。 変形例に係る保持装置を用いて、半導体素子を基板に搭載する動作を示す動作図である。 変形例に係る保持装置において、保持具を横方向へ移動させる位置(タイミング)を示すグラフである。 変形例に係る保持装置においてカムを有する構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係るプリント配線基板装置の製造装置10の構成)
まず、本実施形態に係るプリント配線基板装置の製造装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係るプリント配線基板装置の製造装置10の構成を示す斜視図である。なお、下記のX方向、−X方向、Y方向、−Y方向、Z方向(上方)及び−Z方向(下方)は、図中に示す矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
プリント配線基板装置の製造装置10は、基板装置の一例としてのプリント配線基板装置を製造する製造装置であり、図1に示されるように、半導体素子12を供給する供給部13と、半導体素子12を位置決めする素子位置決め部20と、基板の一例としてのプリント配線基板44を位置決めする基板位置決め部40と、供給部13から素子位置決め部20へ半導体素子12を移送する移送装置50と、素子位置決め部20で位置決めされた半導体素子12を保持して基板位置決め部40に位置決めされたプリント配線基板44に半導体素子12を搭載する保持装置60と、を備えている。製造装置10では、半導体素子12をプリント配線基板44に搭載する搭載装置が、素子位置決め部20と、基板位置決め部40と、保持装置60と、を有して構成されている。
(半導体素子12)
プリント配線基板44に搭載される半導体素子12としては、例えば、長尺に形成された断面四角形状の半導体素子(例えば、LEDチップ)が用いられる。具体的には、半導体素子12は、例えば、幅(Y方向長さ)125μm、長さ(X方向長さ)6mm、高さ(Z方向長さ)300μmとされている。また、半導体素子12の上面12C(図8参照)には、回路パターンや発光素子等の機能部が設けられている。
(供給部13)
図1に示されるように、供給部13は、ウエハ14を保持する保持部15と、保持部15をX方向(−X方向)及びY方向(−Y方向)へ移動させる移動機構17と、を備えている。ウエハ14が切断されることにより、ウエハ14から複数の半導体素子12が切り出されるようになっている。供給部13では、移動機構17が保持部15をX方向(−X方向)及びY方向(−Y方向)へ移動させることで、搭載対象の半導体素子12を予め定められた移送装置50によるピックアップ位置に位置させるようになっている。
(素子位置決め部20)
素子位置決め部20は、半導体素子12が載せられる位置決め台30と、位置決め台30に載せられた半導体素子12を予め定められた位置に位置決めする位置決め部材22と、位置決め部材22をX方向(−X方向)及びY方向(−Y方向)へ移動させる移動機構29と、を備えている。
位置決め台30は、上部に開口部33を有する円筒部32と、円筒部32の開口部33に設けられたプレート34と、円筒部32の内部空間を負圧にする吸引装置36と、を備えている。
図2に示されるように、プレート34には、複数の吸引孔38が高密度に形成された高密度領域34Aと、高密度領域34Aよりも複数の吸引孔38が低密度に形成された低密度領域34Bと、を有している。複数の吸引孔38は、プレート34を貫通しており、円筒部32の内部空間と通じている。
低密度領域34Bは、高密度領域34Aを間に挟むように、高密度領域34AのY方向及び−Y方向側に配置されている。高密度領域34Aは、半導体素子12が載せられる領域となっており、高密度領域34Aに載せられた半導体素子12の底面12D(図8参照)は、複数の吸引孔38を通じて吸引されるようになっている。一方、低密度領域34Bは、位置決め部材22がプレート34と非接触な状態を保って移動する領域となっている。
位置決め部材22は、図1に示されるように、板状をしており、本体部22Aと、本体部22Aから−X方向に突出する一対の突出部22Bと、を備えて構成されている。一対の突出部22Bは、その間に半導体素子12を配置可能にY方向に離れて設けられている。位置決め部材22は、一対の突出部22Bと本体部22Aとによって、平面視(−Z方向視)にてコの字状(Uの字状)に構成されている。
図3に示されるように、各突出部22Bにおける他方の突出部22Bに対向する対向側には、他方の突出部22Bへ凸状とされ半導体素子12の側面12Aに突き当てる突き当て部22Cが形成されている。突き当て部22Cは、各突出部22BにおいてX方向に離れて配置された一対で構成されている。
位置決め部材22では、一対の突き当て部22Cに半導体素子12の側面12Aを突き当てて、半導体素子12を移動させ、予め定められた位置に半導体素子12を位置決め(位置出し)するようになっている。位置決め部材22によって移動される半導体素子12は、その底面12Dが高密度領域34Aの吸引孔38を通じて吸引されるため、適度な移動抵抗が付与される。なお、本実施形態では、一対の突出部22Bのいずれか一方を選択して半導体素子12の位置決めを行うようになっている。従って、位置決め部材22としては、一対の突出部22Bの一方を有さない構成であってもよい。
図3に示されるように、各突出部22Bには、平面視(−Z方向視)にてコの字状(Uの字状)に構成された吸引路23が形成されている。各吸引路23は、一対の突き当て部22Cの先端部のそれぞれで開口された吸引孔23Aを有している。図4に示されるように、各吸引路23は、具体的には、一対の突き当て部22C及び突出部22Bにおけるプレート34の低密度領域34Bに対向する対向面(−Z方向側の面)に形成された溝で構成されており、各吸引路23は、プレート34側(−Z方向側)に開放されている。
これにより、位置決め部材22では、低密度領域34Bの吸引力が吸引路23を通じて、高密度領域34Aの上方(Z方向)に作用し、一対の突き当て部22Cの先端部に突き当てられた半導体素子12の側面12Aが、一対の突き当て部22Cの先端部へ吸引されるようになっている。すなわち、素子位置決め部20では、半導体素子12の底面12Dが、高密度領域34Aの吸引孔38で吸引されると共に、半導体素子12の側面12Aが、底面12Dに対する吸引力よりも弱い吸引力によって、突き当て部22Cの吸引孔23Aで吸引されるようになっている。
(基板位置決め部40)
図1に示されるように、基板位置決め部40は、プリント配線基板44をX方向に搬送する一対の搬送部材(例えば、コンベア)42を備えている。一対の搬送部材42は、その間にプリント配線基板44が導入可能にY方向に離れて配置されている。基板位置決め部40では、一対の搬送部材42の間に導入されたプリント配線基板44を一対の搬送部材42が搬送し、一対の搬送部材42によって、プリント配線基板44がX方向、Y方向、Z方向において位置決めされるようになっている。
(移送装置50)
移送装置50は、吸着ノズル54で半導体素子12を吸着する吸引器52と、吸引器52を移動させる移動機構53と、を備えている。移送装置50では、吸引器52が、ピックアップ位置に位置する半導体素子12を吸引して半導体素子12を吸着ノズル54に吸着する。そして、移送装置50では、半導体素子12を吸着ノズル54に吸着した状態で、移動機構53によって吸引器52が矢印A方向に移動することで、半導体素子12を位置決め台30の高密度領域34Aに移送するようになっている。尚、移動機構53は、具体的には、X方向(−X方向)、Y方向(−Y方向)およびZ方向(−Z方向)に移動可能な三軸ロボットを例示することができる。
(保持装置60)
保持装置60は、吸着ノズル64を有する吸引器62と、吸着ノズル64に設けられた保持具の一例としてのコレット70と、吸引器62を移動させる移動機構63と、を備えている。保持装置60では、吸引器62が、素子位置決め部20で位置決めされた半導体素子12を吸引して半導体素子12をコレット70で吸着保持する。そして、保持装置60では、半導体素子12をコレット70で保持した状態において、移動機構63によって、コレット70を含む吸引器62が矢印B方向に移動することで、基板位置決め部40で位置決めされたプリント配線基板44に半導体素子12を搭載するようになっている。尚、移動機構63は、具体的には、X方向(−X方向)、Y方向(−Y方向)およびZ方向(−Z方向)に移動可能な三軸ロボットを例示することができる。
(コレット70)
図5に示されるように、コレット70は、コレット本体72と、コレット本体72に設けられ半導体素子12の側面12Aに突き当たる第1面81(図8参照)が形成された形成部材86と、を備えている。
コレット本体72は、吸着ノズル64と接続される接続部74と、形成部材86が取り付けられる取付部76と、略直方体状に形成され接続部74と取付部76とを連結する連結部78と、を有している。コレット本体72は、一部品で構成されており、接続部74、取付部76及び連結部78は、一体に形成されている。接続部74は、円筒状に形成されており、円筒状の吸着ノズル64に挿し込まれることで接続されるようになっている。
図6に示されるように、取付部76の−Y方向側部分には、形成部材86が取り付けられ−Y方向を向く取付面76Aと、形成部材86が取り付けられ−Z方向を向く取付面76Bと、を有している。また、取付部76は、−X方向視にて、−Z方向側にいくに連れて細くなるテーパ状(くさび状)をしている。
形成部材86のZ方向側部分(上部)には、取付部76の取付面76Bに取り付けられZ方向を向く被取付面86Bが形成されている。図7に示されるように、形成部材86のY方向側部分には、取付部76の取付面76Aに取り付けられY方向を向く被取付面86Aが形成されている。形成部材86は、被取付面86Aが取付面76Aに突き当てられることで、取付部76に対するY方向の位置決めがなされ、被取付面86Bが取付面76Bに突き当てられることで、形成部材86の取付部76に対するZ方向の位置決めがなされる。また、形成部材86は、−X方向視にて、−Z方向側にいくに連れて細くなるテーパ状(くさび状)をしている。形成部材86は、取付部76に対してネジ止め等により取り付けられている。
図8に示されるように、形成部材86が有する第1面81は、具体的には、形成部材86の先端側(−Z方向側)に形成されている。第1面81は、半導体素子12の側面12Aに対して面接触で突き当たるようになっており、−X方向視にて、Z方向(鉛直方向)に対して斜めに傾斜した平面で構成されている。具体的には、第1面81は、Z方向(鉛直方向)に対する角度θ1が、例えば、5°とされている。これは、半導体素子12の底面12Dが水平方向(Y方向)に沿うように、底面12Dに対する角度θが85°とされた側面12Aを第1面81に突き当てるためである。従って、半導体素子12の側面12Aの底面12Dに対する角度θが90°とされている場合には、第1面81は、−X方向視にて、Z方向(鉛直方向)に沿った平面とされる。
コレット本体72の取付部76の先端側(−Z方向側)には、半導体素子12の側面12Aと対向する対向面12Bの稜線12Eに突き当たる第2面82が形成されている。第2面82は、半導体素子12の対向面12Bと上面12Cの稜線12Eに対して線接触で突き当たるようになっている。また、第2面82は、−X方向視にて、Z方向(鉛直方向)に対して斜めに傾斜した平面で構成されている。具体的には、第2面82は、Z方向(鉛直方向)に対する角度θ2が、例えば、30°以上80°以下とされている。
半導体素子12の側面12Aが第1面81に突き当たり、且つ、半導体素子12の稜線12Eが第2面82に突き当たった状態(以下、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態という)において、半導体素子12の下部(−Z方向側部分)がコレット本体72の先端よりも下方(−Z方向)へはみ出すように、第2面82のZ方向長さが設定されている。また、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、半導体素子12の下部(−Z方向側部分)が形成部材86の先端よりも下方(−Z方向)へはみ出すように、第1面81のZ方向の長さが設定されている。
コレット本体72の取付部76の先端側(−Z方向側)には、−X方向視にて、第2面82の上端(Z方向端)から−Y方向へ形成された第3面83が形成されている。第3面83は、第2面82と第1面81との間で下方(−Z方向)側を向く平面で構成されている。第3面83のY方向長さは、半導体素子12の上面12CのY方向長さよりも短くされている。これにより、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、半導体素子12の上面12Cと第3面83との間に隙間ができるようになっている。すなわち、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、回路パターン等の機能部が設けられた半導体素子12の上面12Cに対して、コレット70は非接触となっている。このため、機能部にキズがつくことはない。
さらに、図5に示されるように、コレット本体72の連結部78の下部には、半導体素子12をX方向で位置決めする位置決め爪80が設けられている。位置決め爪80は、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、半導体素子12の長手方向一端面に突き当たって、半導体素子12をX方向で位置決めするようになっている。なお、図6及び図7では、位置決め爪80の図示を省略している。
本実施形態では、側面12Aが第1面81に突き当たり、且つ、稜線12Eが第2面82に突き当たることにより、半導体素子12がY方向及びZ方向で位置決めされるようになっている。本実施形態では、連結部78の上面78A(図6参照)が、Z方向の基準面となっており、Z方向の基準面から、コレット70に対する突き当て状態の半導体素子12の底面12Dまでの距離が、予め定められた距離に設定されている。
また、コレット70は、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態に半導体素子12が保持されるように、その半導体素子12に対して吸引力を作用させる吸引部90を有している。吸引部90は、具体的には、第1面81の一部に開口して形成され、第1面81が突き当たった状態の側面12Aの一部が非接触となる空間92と、空間92から第2面82が突き当たった状態の稜線12Eまでの間を負圧にする吸引口74Aと、を有している。
吸引口74Aは、円筒状の接続部74の上端部(Y方向端部)に形成されている。また、吸引口74Aは、接続部74、取付部76及び連結部78に形成された吸引路95と、取付部76の取付面76Aに形成された接続口94とを介して、形成部材86の空間92と通じている。
これにより、吸引器62(図1参照)の吸引により、吸引口74Aから接続口94までの吸引路95(図6参照)と、空間92(図8参照)と、半導体素子12の上面12C、第1面81、第2面82、第3面83によって囲まれた空隙97(図8参照)とが負圧になる。すなわち、本実施形態では、吸引器62(図1参照)の吸引力が、吸引口74Aと吸引路95(図6参照)と接続口94と空間92(図8参照)と空隙97とを通じ、半導体素子12に対し、上方(Z方向)及び−Y方向に吸い寄せる吸引力として作用するようになっている。そして、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、半導体素子12へ当該吸引力が作用することで半導体素子12がコレット70に保持される。
(プリント配線基板装置の製造工程)
本実施形態に係るプリント配線基板装置の製造工程では、図1に示されるように、まず、供給部13において、移動機構17が保持部15をX方向(−X方向)及びY方向(−Y方向)へ移動させることで、搭載対象の半導体素子12を予め定められたピックアップ位置に位置させる(位置調整工程)。
次に、供給部13のピックアップ位置に位置する半導体素子12を、移送装置50が素子位置決め部20の位置決め台30の高密度領域34A上に移送する(移送工程)。
次に、高密度領域34A上に移送された半導体素子12に対して、位置決め部材22の一対の突き当て部22Cを突き当てて、半導体素子12を移動させ、予め定められた位置に位置決め(位置出し)する(素子位置決め工程)。素子位置決め工程では、位置決め部材22によって移動される半導体素子12は、その底面12Dが、高密度領域34Aの複数の吸引孔38を通じて吸引されるため、適度な移動抵抗が付与される。また、低密度領域34Bの吸引力が吸引路23を通じて、高密度領域34Aの上方(Z方向)に伝達され、一対の突き当て部22Cの先端部に突き当てられた半導体素子12の側面12Aが、一対の突き当て部22Cの先端部へ吸引され、半導体素子12の突き当て状態が維持される。
次に、基板位置決め部40において、一対の搬送部材42がプリント配線基板44を位置決めする(基板位置決め工程)。なお、この基板位置決め工程は、素子位置決め工程の後に行う必要は無く、素子位置決め工程の前又は同時に行っても良い。
次に、保持装置60のコレット70によって、素子位置決め工程で位置決めされた半導体素子12を保持する(保持工程)。保持工程では、まず、半導体素子12の稜線12Eが第2面82に突き当たってから(図8の二点鎖線参照)、第2面82によって稜線12Eが押されることにより、半導体素子12が−Y方向へ移動して、側面12Aが第1面81に突き当たる。これにより、稜線12Eが第2面82に突き当たると共に、側面12Aが第1面81に突き当たった状態となる。この状態で、吸引器62によって吸引されることによって、半導体素子12がコレット70に保持される。
次に、コレット70を含む吸引器62を移動機構63で移動させることで、保持装置60で保持された半導体素子12を、基板位置決め工程で位置決めされたプリント配線基板44に搭載する(搭載工程)。具体的には、半導体素子12は、プリント配線基板44のパッドまたはパターンに塗布または印刷された銀エポキシ接着剤等の接着剤の上に位置決めして載せられる。なお、吸引器62を移動機構63で移動させる際には、位置決め台30における吸引動作は停止する。
(本実施形態の作用)
本実施形態では、位置決め部材22によって位置決めされる半導体素子12は、その底面12Dが、高密度領域34Aの複数の吸引孔38を通じて吸引されることで、適度な移動抵抗が付与される。また、低密度領域34Bの吸引力が吸引路23を通じて、一対の突き当て部22Cの先端部に突き当てられた半導体素子12の側面12Aが吸引されることで、半導体素子12の突き当て状態が維持される。これにより、半導体素子12が正確に位置決めされる。
また、本実施形態では、第1面81に半導体素子12の側面12Aを突き当てると共に、第2面82に半導体素子12の稜線12Eを突き当てて、半導体素子12を保持するので、第1面81にも半導体素子12の稜線Gを突き当てて保持する比較例に係るコレット170(図9参照)に比べ、半導体素子12が安定した姿勢で保持される。
なお、図9に示すように、比較例に係るコレット170は、半導体素子12の稜線12Gに突き当たる第1面171と、半導体素子12の稜線12Eに突き当たる第2面172と、稜線12Gが第1面171に突き当たり、且つ、稜線12Eが第2面172に突き当たった状態の半導体素子12を吸引する吸引部174と、を有して構成されている。
また、本実施形態では、吸引器62の吸引により、吸引口74Aから接続口94までの吸引路95と、空間92と、空隙97とが負圧になり、半導体素子12を上方(Z方向)及び−Y方向に吸い寄せる吸引力が作用する。このため、上方(Z方向)及び−Y方向の一方のみに吸い寄せる吸引力が作用する場合に比べ、半導体素子12の側面12Aが第1面81に突き当たり、且つ、半導体素子12の稜線12Eが第2面82に突き当たった状態が、良好に維持される。
以上のように、本実施形態では、半導体素子12が安定した姿勢で保持されるので、半導体素子12を安定した姿勢でプリント配線基板44に搭載される。この結果として、製造されるプリント配線基板装置の歩留まりが向上する。
(効果の確認試験)
本実施形態に係るコレット70と、比較例に係るコレット170とにおいて、半導体素子12を保持して、当該半導体素子12に対して、下方よりニードルにて半導体素子12を傾かせる力を作用させて、確認試験を行った。本実施形態に係るコレット70の試験結果が、図10のグラフに示され、比較例に係るコレット170の試験結果が、図11のグラフに示されている。
各グラフの縦軸は、半導体素子12に対するZ方向荷重(突き上げ荷重)を示し、各グラフの横軸は、半導体素子12における−Y方向側のエッジ12F(図8及び図9参照)を基準としたニードルの突き上げ位置を示す。本試験では、本実施形態の構成及び比較例の構成において、エッジ12FからY方向側に20μm、40μm、60μm、80μmの距離で突き上げて効果を確認した。
本実施形態の構成では、いずれの突き上げ位置においても、0.15Nの荷重では、半導体素子12の傾きが生じなかった。
比較例の構成では、20μm、40μm、60μm、の突き上げ位置において、0.1N未満の荷重で、半導体素子12の傾きが生じた。80μmの突き上げ位置では、0.1N未満の荷重で、半導体素子12の傾きが生じる場合と、0.15Nの荷重でも、半導体素子12の傾きが生じない場合があった。
以上のように、本実施形態の構成では、比較例の構成に比べて、半導体素子12の重心から離れた位置に荷重が加わった場合を含めて傾きが生じにくい。具体的には、コレット70を用いて半導体素子12をプリント配線基板44の接着剤の上に搭載する際、半導体素子12を接着剤に押し付けることになるが、接着剤から受ける外力によって半導体素子12に傾きが生じにくい。
(第1変形例に係るコレット700)
次に、第1変形例に係るコレット700について説明する。図12は、第1変形例に係るコレット700の構成を示す斜視図である。なお、コレット70と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して説明を適宜省略する。
図12に示されるように、第1変形例に係るコレット700は、半導体素子12をX方向で位置決めする位置決め爪80を有さない構成とされている。コレット700は、具体的には、コレット本体702と、コレット本体702に設けられ、半導体素子12の側面12Aに突き当たる第1面81が形成された形成部材86と、を有している。
コレット本体702は、吸着ノズル64と接続される接続部74と、形成部材86が取り付けられる取付部76と、略直方体状に形成され接続部74と取付部76とを連結する連結部708と、を有している。
連結部708は、Z方向に長さを有しており、接続部74、連結部708、取付部76がこの順で下方(−Z方向)に向かって並ぶように、接続部74と取付部76とを連結している。これにより、コレット70全体のX方向長さは、半導体素子12のX方向長さよりも短くされており、コレット70に保持された状態の半導体素子12がコレット70の−X方向及びX方向の両側で、コレット70からはみ出すようになっている。
変形例に係るコレット700では、半導体素子12の上面12Cに付された認識マークを撮影カメラ等によって参照することで、半導体素子12のX方向の位置が把握されるようになっている。
(第2変形例に係るコレット800)
次に、第2変形例に係るコレット800について説明する。図13は、第2変形例に係るコレット800の構成を示す斜視図である。ここでは、コレット700と異なる部分を説明し、コレット700と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して説明を適宜省略する。
図13に示されるように、第2変形例に係るコレット800では、取付部76の先端部(下端部)におけるX方向側及び−X方向側に対して、切欠部802が形成されている。これにより、図14(A)(B)に示されるように、取付部76に形成された第2面82は、形成部材86の第1面81よりもX方向長さ(半導体素子12の稜線12Eに沿った長さ)が短くなっている。具体的には、第2面82のX方向両端部は、側面視(−Y方向視)にて、第1面81のX方向幅内に納まっている。すなわち、第1面81は、第2面82に対して、X方向及び−X方向に張り出している。
(第2変形例に係るコレット800の作用)
次に、第2変形例に係るコレット800の作用、及び、当該コレット800に対する比較例としてのコレット900の作用について説明する。
比較例に係るコレット900は、図16(B)に示されるように、取付部76に形成された第2面82が、形成部材86の第1面81と、X方向長さ(半導体素子12の稜線12Eに沿った長さ)が同じとされている。
図15(A)に示されるように、比較例に係るコレット900で半導体素子12を保持して、プリント配線基板44に搭載する際に、例えば、プリント配線基板44のうねりによってプリント配線基板44に部分的に傾斜があると、図15(B)に示されるように、半導体素子12の長手方向一端部にプリント配線基板44が接触する(当たる)場合がある。
この場合では、図16(A)に示されるように、半導体素子12の長手方向一端部(−X方向端部)に対して上方(Z方向)への力が作用する。このように上方への力が作用すると、X方向長さが同じとされた第1面81及び第2面82の−X方向端を結んだY方向に延びる線L1(図16(B)参照)を回転軸にして、半導体素子12が回転する。半導体素子12が回転すると、図17に示されるように、半導体素子12の長手方向他端部(X方向端部)が、第1面81及び第2面82から下方(−Z方向)に離れる。半導体素子12の長手方向他端部(X方向端部)が、第1面81及び第2面82から離れると、−Y方向又はY方向の外力を受けた場合に、−Y方向又はY方向に位置ずれを生じる。これにより、図18(A)に示されるように、プリント配線基板44に搭載された半導体素子12の長手方向の一端部が他端部に対してY方向へのずれ(θずれ)を生じる。なお、上記の−Y方向又はY方向の外力としては、プリント配線基板44に塗布された銀エポキシ接着剤等の接着剤から受ける外力や、プリント配線基板44の短手方向の傾きによって受ける外力が考えられる。
これに対して、第2変形例に係るコレット800では、第2面82のX方向長さが、第1面81よりもX方向長さよりも短いので、第1面81及び第2面82の−X方向端を結んだ線L2は、図14(B)に示すように、Y方向に対して傾斜する。
このため、第2変形例に係るコレット800において、図14(A)に示されるように、半導体素子12の長手方向一端部(−X方向端部)に対して上方(Z方向)への力が作用した場合では、Y方向に対して傾斜した線L2を回転軸にして、半導体素子12が回転する。このため、半導体素子12の長手方向他端部(X方向端部)には、Y方向の力も作用し、半導体素子12の側面12Aが第1面81に対して突き当たった状態で維持される。
これにより、半導体素子12の長手方向他端部(X方向端部)が、−Y方向又はY方向の外力を受けても、図18(B)に示されるように、−Y方向又はY方向への位置ずれが抑制される。
図19には、比較例に係るコレット900におけるθずれを測定したグラフが図示されている。図20には、第2変形例に係るコレット800におけるθずれを測定したグラフが図示されている。なお、図19(A)及び図20(A)は、千鳥配置される複数の半導体素子12において、プリント配線基板44の長手方向一端から数えて奇数番目(奇数列)の半導体素子12のθずれを示し、図19(B)及び図20(B)は、千鳥配置される複数の半導体素子12において、プリント配線基板44の長手方向一端から数えて偶数番目(偶数列)の半導体素子12のθずれを示している。図19(A)(B)及び図20(A)(B)の縦軸は、半導体素子12の長手方向の一端部の他端部に対するずれ量、すなわち、θずれ量(μm)を示すものであり、横軸は、プリント配線基板44の長手方向一端から数えて、何番目の半導体素子12かを示すものである。
図19(A)(B)に示されるように、比較例に係るコレット900では、要求される規格の範囲外となるθずれが発生している箇所(プリント配線基板44の長手方向一端から数えて7番目及び20番目)があるのに対して、図20(A)(B)に示されるように、第2変形例に係るコレット800では、要求される規格の範囲内にθずれがおさまっている。従って、第2変形例に係るコレット800によれば、要求される規格の範囲が厳しい場合でも、比較例に係るコレット900に比べ、規格範囲内にθずれがおさまる。
(変形例に係る保持装置300)
次に、変形例に係る保持装置300の構成について説明する。ここでは、保持装置60と異なる部分を説明し、保持装置60と同一の機能を有する部分については、同一符号を付して説明を適宜省略する。図21は、変形例に係る保持装置300の構成を示す概略図である。なお、図21では、各部の構成を簡略化して示している。
保持装置300は、保持装置60と同様に、素子位置決め部20で位置決めされた半導体素子12を保持して、基板位置決め部40に位置決めされたプリント配線基板44に当該半導体素子12を搭載する装置である。具体的には、保持装置300は、図21(A)(B)に示されるように、移動機構63によって上下方向(−Z、Z方向)に移動可能な上下移動部310と、管状のシャフト(軸部)320と、保持具の一例としてのコレット700と、を備えている。
上下移動部310は、具体的には、移動機構63によって−X、X方向及び−Y、Y方向にも移動可能となっている。移動機構63としては、例えば、−X、X方向、−Y、Y方向及び−Z、Z方向に移動可能にする三軸ロボットが用いられる。上下移動部310は、本体部312と、シャフト(軸部)320を上下方向に変位(移動)可能に支持する支持部314と、を有している。
管状のシャフト320は、その下端部が吸着ノズル64となっており、この吸着ノズル64にコレット700が設けられている。また、シャフト320の上端部には、管状のシャフト320の内部空間を通じて吸引する吸引部(図示省略)が接続されている。この吸引部が、素子位置決め部20で位置決めされた半導体素子12を吸引して、半導体素子12をコレット700で保持するようになっている。
シャフト320における支持部314とコレット700との間には、弾性部材の一例としての圧縮バネ330が装着されている。圧縮バネ330は、コレット700を支持部314に対して下方へ押し下げる作用を有している。シャフト320の上部(支持部314よりも上側の部分)には、シャフト320の径方向へ張り出した円盤状のフランジ部322が設けられている。フランジ部322は、シャフト320及びコレット700と一体に変位する変位部材の一例として機能するようになっている。
上下移動部310の支持部314には、支持部314に対するコレット70(シャフト320)の変位量を測定する測定部の一例としての変位センサ340が設けられている。変位センサ340は、具体的には、渦電流センサで構成されており、フランジ部322の下面324(ターゲット)との間隔を測定可能となっている。
(保持装置300における搭載工程)
次に、保持装置300で保持された半導体素子12を、基板位置決め工程で位置決めされたプリント配線基板44に搭載する搭載工程について説明する。プリント配線基板装置の製造工程における搭載工程以外の工程については、前述の製造工程における各工程と同様であるので、ここでは、説明を省略する。図22は、本搭載工程における保持装置300の動作を示す動作図である。
保持装置300では、図21(B)に示されるように、初期状態において、変位センサ340とフランジ部322の下面324との間隔が、例えば、距離aとされている。
図22(A)に示されるように、コレット700が半導体素子12を保持した状態で、上下移動部310が下降して、半導体素子12がプリント配線基板44に接触を開始する。さらに、上下移動部310が下降することで圧縮バネ330が圧縮変形し、圧縮バネ330の弾性力によって半導体素子12がプリント配線基板44に対して押し込まれる。
上下移動部310が予め定められた量下降すると、その降下(移動)が停止し、半導体素子12のプリント配線基板44に対する押し込みが終了する。このとき、変位センサ340とフランジ部322の下面324との間隔は、例えば、距離bとされる。この距離bは、変位センサ340によって測定される。なお、この距離bは、プリント配線基板44のうねり等により部分的に傾斜していることや、プリント配線基板44の厚みが部分的に異なっていることによって、変動する。
次に、図22(B)に示されるように、上下移動部310が上昇する。上下移動部310が、変位センサ340とフランジ部322の下面324との間隔が、距離bから距離aになったことが、変位センサ340によって測定されると、図22(C)に示されるように、上下移動部310は、上昇に加えて、−Y方向へも移動する。すなわち、上下移動部310が、図23に示されるように、半導体素子12のプリント配線基板44に対する押し込みが終了してから、距離c(距離b−距離a)上昇した時点で(図23における破線参照)、−Y方向への移動を開始し、上昇し続けると共に−Y方向へも移動する。これにより、第2面82に沿った斜め上方(矢印C方向)へコレット700が移動して、半導体素子12から退避し、本搭載工程が終了する。なお、第2面82に沿った斜め上方への移動とは、第2面82と平行に斜め上方へ移動する場合に限られず、上方への移動成分と横方向(−Y方向)への移動成分とを含む移動であればよい。
本搭載工程では、第2面82に沿った斜め上方(矢印C方向)へコレット700が移動して、半導体素子12から退避する。このため、コレット700が単に上昇する(Z方向へ移動する)場合に比べ、コレット700が半導体素子12を押すことが抑制され、半導体素子12の傾きや倒れが抑制される。特に、第1面81が半導体素子12の側面12Aを押すことが抑制される。
また、本搭載工程では、第2面82に沿った斜め上方へコレット700を移動させる際に、変位センサ340とフランジ部322の下面324との間隔を変位センサ340によって測定した測定結果に基づき、コレット700の−Y方向への移動開始タイミング(移動開始位置)を決定するので、プリント配線基板44のうねり等により部分的に傾斜している場合、プリント配線基板44の厚みが部分的に異なっている場合でも、コレット700の−Y方向への移動開始位置が一定となる。これにより、効果的に、半導体素子12の傾きや倒れが抑制される。
なお、本搭載工程では、半導体素子12をプリント配線基板44に対して押し込む際に、上下移動部310を予め定められた量下降させて停止していたが、変位センサ340とフランジ部322の下面324との間隔を変位センサ340によって測定した測定結果に基づき、上下移動部310の停止位置を決定するようにしてもよい。この方法によれば、プリント配線基板44のうねり等により部分的に傾斜している場合や、プリント配線基板44の厚みが部分的に異なっている場合でも、半導体素子12のプリント配線基板44に対する押し込み量が、一定となる。
また、保持装置300としては、図24に示されるように、フランジ部322の下面324に接触してフランジ部322(シャフト320)の下方への変位を規制する規制部材としてのカム360を備えていてもよい。カム360は、具体的には、フランジ部322の下面324と変位センサ340との間に配置されており、偏心カムで構成されている。
カム360は、さらに具体的には、このカム360と一体回転する回転軸362は、一端部が上下移動部310の本体部312に支持され、他端部が、本体部312に固定されたブラケット364に支持されている。カム360は、回転して、フランジ部322の下面324に接触する位置が変化することで、変位センサ340とフランジ部322の下面324との距離を調整するようになっている。
この構成によれば、カム360によって、シャフト320の下方への移動が規制されるので、フランジ部322が変位センサ340に衝突せず、変位センサ340の破損が抑制される。
なお、変位センサ340は、上下移動部310の支持部314に設けられていたが、図24(B)に示されるように、ブラケット364に対して変位センサ340を設けても良い。この場合では、ブラケット364におけるフランジ部322の下面324に接触する接触面よりも下方側部分に、変位センサ340が配置される。
(他の変形例)
本実施形態では、コレット70(コレット700)は、コレット本体72(コレット本体702)と形成部材86との2部品で構成されていたが、1部品で構成されていてもよく、また、3部品以上で構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、半導体素子12のコレット70に対する突き当て状態において、その半導体素子12に対して、上方(Z方向)及び−Y方向に吸い寄せる吸引力を作用させる構成であったが、半導体素子12をコレット70で保持できる限りにおいて、上方(Z方向)及び−Y方向に一方のみへ吸い寄せる吸引力を作用させる構成であってもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
12A 側面
12B 対向面
12 半導体素子
12E 稜線
20 素子位置決め部
40 基板位置決め部
70 コレット(保持具の一例)
74A 吸引口
81 第1面
82 第2面
90 吸引部
92 空間
314 支持部
322 フランジ部(変位部材の一例)
330 圧縮バネ(弾性部材の一例)
340 変位センサ(測定部の一例)
360 カム(規制部材の一例)
362 回転軸

Claims (8)

  1. 半導体素子の側面に突き当たる第1面と、
    前記半導体素子における前記側面と対向する対向面と上面との稜線に突き当たることで前記半導体素子に対して線接触する第2面と、
    前記側面が前記第1面に突き当たり、且つ、前記稜線が前記第2面に突き当たった状態に前記半導体素子が保持されるように、当該半導体素子に対して吸引力を作用させる吸引部と、
    を備え、
    前記対向面及び前記上面に対して非接触とされた保持具。
  2. 前記吸引部は、
    前記第1面の一部に開口して形成され、前記第1面が突き当たった状態の前記側面の一部が非接触となる空間と、
    前記空間から前記第2面が突き当たった状態の前記稜線までの間を負圧にする吸引口と、
    を備えた請求項1に記載の保持具。
  3. 前記第2面における前記稜線に沿った長さは、前記第1面における前記稜線に沿った長さよりも短い請求項1又は2に記載の保持具。
  4. 半導体素子を位置決めする素子位置決め部と、
    基板を位置決めする基板位置決め部と、
    前記素子位置決め部で位置決めされた前記半導体素子を保持する請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持具と、
    前記保持具を移動して前記基板位置決め部に位置決めされた基板に前記半導体素子を搭載する移動機構と、
    を備えた搭載装置。
  5. 前記移動機構は、前記第2面に沿って斜め上方へ前記保持具を移動させて、前記基板に搭載された半導体素子から前記保持具を退避させる請求項4に記載の搭載装置。
  6. 前記保持具を上下方向へ変位可能に支持する支持部と、
    前記保持具を弾性力によって前記支持部に対して押し下げる弾性部材と、
    前記保持具の前記支持部に対する変位量を測定する測定部と、
    を備え、
    前記移動機構は、前記支持部を前記基板に対して降下させ、前記保持具に保持された半導体素子を前記弾性部材の弾性力によって前記基板に対して押し込んで前記基板に搭載し、前記測定部が測定した変位量に基づき、前記保持具を前記第2面に沿って斜め上方へ移動させる移動開始タイミングを決定する請求項5に記載の搭載装置。
  7. 前記測定部は、前記測定部の上方へ配置され前記保持具と一体に変位する変位部材との距離に基づき、前記変位量を測定し、
    前記変位部材と前記測定部との間には、前記変位部材の下方への変位を規制する規制部材が設けられている請求項6に記載の搭載装置。
  8. 半導体素子を位置決めする素子位置決め工程と、
    基板を位置決めする基板位置決め工程と、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持具により、前記素子位置決め工程で位置決めされた前記半導体素子を保持し、前記基板位置決め工程で位置決めされた基板に当該半導体素子を搭載する搭載工程と、
    を備えた基板装置の製造方法。
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