JP5291184B2 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧印加手段により交流電圧を印加して交流回転機を駆動制御する装置に関するものである。
同期機や誘導機といった交流回転機を制御する各種の方法が知られている。低速域に限れば、一般に応答性は低いが安価である位置センサを用いて、低コストな制御系での駆動が可能になる。低速域ではホールセンサの出力周期自体が遅いので、応答の低い位置センサでも応答の低さは目立たなくなるので駆動可能である。
一方、応答の低い位置センサを高回転域で利用しようとするとその遅れに起因して、所望の位相に電流を給電できなくなり、交流回転機の駆動特性が低下する。また、交流回転機の基本周波数より高い周波数の電圧や電流を重畳してインダクタンスの突極性を利用した位置検出結果に基づいて制御をすれば、位置センサレスでも低速域の駆動が可能になる。しかし、この方式により高回転域で駆動しようとすると基本波以外の電圧や電流が発生する分、運転効率、電圧利用率、最大電流の点で不利となる。
そこで、センサレス制御で低速域から高速域までスムーズに駆動することできる交流回転機の制御装置が、各種紹介されている。
例えば、特許文献1に記載の発明は、ベクトルコントローラ基本部で必要とする回転d−q座標系の位相を磁極位置検出器を用いることなく適切に生成するために、低周波領域用の位相を生成する低周波領域位相生成器と高周波領域用の位相を生成する高周波領域位相生成器とを用意する。そして、これら2種の位相を周波数的に加重平均して合成する位相合成器を備え、合成された最終位相を回転d−q座標系の位相とするようにしている。
また、特許文献2に記載の発明は、交流電動機の零速から高速域までを連続的に制御するためのセンサレス制御方法において、回転子角度を用いて演算される第1の磁束ベクトルと、回転子角度を用いずに演算される第2の磁束ベクトルとの外積演算によってえられる位置誤差Δθが零となるように、位置・速度推定器により、機械数式モデルにより推定した速度推定値ωestと位置推定値θestを用いて制御を行っている。
更に、特許文献3に記載の発明は、回転二軸座標(d−q軸)上の電流偏差と回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令と推定回転速度とから角周波数と推定電流と推定回転子磁束とを演算する電動機モデルを用いた適応オブザーバを備え、特に高い回転速度で同期電動機を制御することを可能としている。
これらの発明により、交流回転機を低速域から高速域までスムーズに駆動することが可能になるとされている。
特開平10−94298号公報 特開2006−158046号公報 再公表特許WO2002/091558号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、2種の位相を周波数的に加重平均して合成するようにしていたので、周波数が低くなる低速域では2種類の位相のうち低周波領域位相生成器に基づいて駆動する必要がある。従って、低周波領域位相生成器の推定応答が遅いと、低速領域では速度制御応答やトルク制御応答などの応答性を高く保つことができないという問題があった。
また、特許文献2に記載の発明は、第1の磁束ベクトルと第2の磁束ベクトルとの外積演算によって得られる位置誤差Δθが零となるように、位置・速度推定器により速度推定値ωestと位置推定値θestを利用する。この外積演算は、第1の磁束ベクトルと第2の磁束ベクトルとの位相差によって感度が異なり、特に位相差が90度を超える場合、位相差が90度より小さい場合より偏差が大きいにも拘わらず、外積演算値は小さくなるため、初期値誤差や何らかの理由で位相差が90度を超えると誤差収束性や位置推定の応答性に問題があった。
更に、特許文献3に記載の発明は、適応オブザーバが電流偏差に基づき演算を行っているので、交流回転機が停止または極く低い回転数の場合、電流偏差がほとんどまたは全く発生せず、円滑な制御が困難になるという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、速度零を含む低速域から高速域までスムーズに駆動するとともに、たとえ、推定位相に初期値誤差があっても速やかに誤差収束させて所望の特性が得られる交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
第1の発明に係る交流回転機の制御装置は、交流回転機の電流ベクトルを検出して検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段、推定磁束位相を参照して前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルに一致するよう電圧指令ベクトルを出力する交流回転機制御手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記推定磁束位相を出力する適応観測手段、および磁束ベクトルを検出して検出磁束ベクトルとして出力する磁束ベクトル検出手段を備え、
前記適応観測手段は、前記電圧指令ベクトルに加えて電流偏差ベクトルと増幅偏差ベクトルとに基づき前記推定磁束位相に加えて推定電流ベクトルと推定磁束ベクトルとを出力し、
更に、前記推定電流ベクトルと前記検出電流ベクトルとの偏差である前記電流偏差ベクトルおよび前記推定磁束ベクトルと前記検出磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを演算して前記増幅偏差ベクトルとして出力する偏差ベクトル演算手段を備えたものである。
第2の発明に係る交流回転機の制御装置は、交流回転機の電流ベクトルを検出して検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段、推定磁束位相を参照して前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルに一致するよう電圧指令ベクトルを出力する交流回転機制御手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記推定磁束位相を出力する適応観測手段、および磁束ベクトルを検出して検出磁束ベクトルとして出力する磁束ベクトル検出手段を備え、
前記適応観測手段は、前記電圧指令ベクトルに加えて増幅偏差ベクトルに基づき前記推定磁束位相に加えて推定磁束ベクトルを出力し、
更に、前記推定磁束ベクトルと前記検出磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを演算して前記増幅偏差ベクトルとして出力する偏差ベクトル演算手段を備えたものである。
第1および第2の発明に係る交流回転機の制御装置は、以上のように、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを演算して出力する偏差ベクトル演算手段を備え、その出力を適応観測手段に入力するようにしたので、回転速度の高低に関わらず適応観測手段が推定した推定磁束ベクトルに基づいた推定磁束位相により交流回転機を制御することが可能であり、速度零を含む低速領域でも速度制御応答などの応答性を高く保つことができる上に、初期値誤差があった場合の誤差収束性を向上させることが可能となる。
この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。 磁束偏差ベクトルの特徴を説明するための図である。 図1の交流回転機制御手段4の内部構成を示す図である。 図1の磁束ベクトル検出手段6の内部構成を示す図である。 図1の適応観測手段7の内部構成を示す図である。 図1の偏差増幅手段9の内部構成を示す図である。 図6のゲイン行列50の内部構成を示す図である。 ゲイン行列50の各ゲインと推定速度wr0との関係を示す図である。 図6のゲイン行列51の内部構成を示す図である。 ゲイン行列51の各ゲインと推定速度wr0との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。 図11の交流回転機制御手段4aの内部構成を示す図である。 図11の電流成分分配器60の内部構成を示す図である。 図11の磁束ベクトル検出手段6aの内部構成を示す図である。 交流回転機の回転角度と信号dIu、dIv、dIwとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。 図16の交流回転機制御手段4bの内部構成を示す図である。 図16の適応観測手段7bの内部構成を示す図である。 この発明の実施の形態4における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。 図19の速度制御手段110の内部構成を示す図である。 この発明の実施の形態5における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図である。 図21の適応観測手段7cの内部構成を示す図である。 図21の偏差増幅手段9cの内部構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1における全体構成図を示す図である。図において、電圧印加手段1は、電圧指令ベクトルVsrefに基づいて交流回転機2に電圧を印加する。本実施の形態1では交流回転機2として同期機を例に挙げて説明するが、誘導機であっても同様の原理で構成することが可能である。
電流ベクトル検出手段3は、交流回転機2の電流ベクトルを検出し検出電流ベクトルIsとして出力する。交流回転機制御手段4は、電流ベクトル検出手段3から得た検出電流ベクトルIsが電流指令ベクトルIsrefに一致するように電圧指令ベクトルVsrefを電圧印加手段1に出力する。回転位置検出手段5は、交流回転機2の回転位置を検出して磁束ベクトル検出手段6へ出力し、磁束ベクトル検出手段6は該回転位置に基づいて磁束ベクトルを検出し検出磁束ベクトルPhiとして出力する。
適応観測手段7は、後述する増幅偏差ベクトルE0と、同じく後述する電流偏差ベクトルΔIsと電圧指令ベクトルVsrefとに基づいて推定磁束位相θ0と推定電流ベクトルIsestと推定磁束ベクトルPhestと推定速度wr0とを出力する。偏差ベクトル演算手段8は、推定電流ベクトルIsestと検出電流ベクトルIsとに基づいて電流偏差ベクトルΔIsを出力するとともに推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとに基づいて磁束偏差ベクトルΔPhiを出力する。偏差増幅手段9は、推定速度wr0をパラメータとして電流偏差ベクトルΔIsと磁束偏差ベクトルΔPhiとを増幅して増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7へ出力する。
電流ベクトル検出手段3では、3相/2相変換器10によって3相交流電流を2相交流電流に変換した結果を検出電流ベクトルIsとして出力する。この3相/2相変換器10が出力する2相交流電流を扱う座標は直交静止二軸座標として知られているものであり、この直交静止二軸座標をa−b軸と定義する。
偏差ベクトル演算手段8では、減算器11によって推定電流ベクトルIsestから検出電流ベクトルIsを減算して、電流偏差ベクトルΔIsを出力するとともに、減算器12によって推定磁束ベクトルPhestから検出磁束ベクトルPhiを減算して、磁束偏差ベクトルΔPhiを出力する。
ここで、適応観測手段7の機能についてあらためて解説すると以下の通りである。
即ち、交流回転機制御手段4は、電流指令ベクトルIsrefに検出電流ベクトルIsが一致するように電圧指令ベクトルVsrefを出力する上で必要となる推定磁束位相θ0を精度良く入手できることがその制御性能上重要となる。
従って、適応観測手段7の第一義の役割は、この推定磁束位相θ0を精度良く生成することである。適応観測手段7においては、交流回転機2の回転速度が該適応観測手段7の推定速度wr0であったとして、電圧指令ベクトルVsrefを交流回転機2に印加したときに発生する電流ベクトルと磁束ベクトルとを、それぞれ推定電流ベクトルIsest、推定磁束ベクトルPhestとして出力する。そして、推定磁束位相θ0は推定磁束ベクトルPhestの位相であるから、適応観測手段7が出力する推定磁束ベクトルPhestを交流回転機2の磁束ベクトルPhに一致させることが制御性能向上に寄与する。
もし、交流回転機2の回転速度と適応観測手段7が出力する推定速度wr0とが異なる場合は、電流偏差ベクトルΔIsおよび磁束偏差ベクトルΔPhiが発生するので、これを利用して、いわゆるフィードバック制御により、推定速度wr0が交流回転機2の回転速度に一致するように、推定速度wr0を補正する。推定速度wr0を交流回転機2の回転速度に一致させることができると、適応観測手段7が出力する推定磁束ベクトルPhestも交流回転機2の磁束ベクトルPhに一致し、従って、精度の良い推定磁束位相θ0が得られるわけである。
以上の説明から理解されるように、適応観測手段7におけるフィードバック制御では、検出磁束ベクトルPhiと推定磁束ベクトルPhestとの偏差(磁束偏差ベクトルΔPhi)を如何に正確に把握できるかが重要となる。
そこで、この磁束偏差ベクトルΔPhiの特徴について、図2を用いて更に詳しく説明する。
図2(a)のケース1では、推定磁束ベクトルPhestが検出磁束ベクトルPhiに対して進み位相となっており、その位相差は90度以内である。磁束偏差ベクトルΔPhiは、推定磁束ベクトルPhest(図中の鎖線)から検出磁束ベクトルPhi(図中の太線)を減算したものであり、図中の破線のようになる。従って、仮に、既述した特許文献2に示されたように、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの外積演算によって得られる値は、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとで作る三角形(図中のハッチ部分)の面積に比例する。
このように、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとに位相差が発生すると、磁束偏差ベクトルΔPhiが発生したり、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの外積演算によって得られる値が発生したりする。
続いて、図2(b)のケース2について考える。ケース2では、推定磁束ベクトルPhestが検出磁束ベクトルPhiに対して進み位相となっており、その位相差は90度以上である。推定磁束ベクトルPhest(図中の鎖線)から検出磁束ベクトルPhi(図中の太線)を減算した磁束偏差ベクトルΔPhi(図中の破線)の大きさは、ケース1の場合における磁束偏差ベクトルΔPhiよりも大きくなっている。一方、図中のハッチ部分の面積に比例する推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの外積演算によって得られる値は、ケース1の場合よりも小さくなっている。
このように推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの位相差が大きいほど、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの外積演算によって得られる値も大きいとは限らないので、この外積演算によって得られる値は推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの位相差の大小を正確に反映するとは言い難い。
一方、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの位相差が大きくなると、それに合わせて磁束偏差ベクトルΔPhiの大きさも増大するので、磁束偏差ベクトルΔPhiは推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの位相差の大小を正確に反映すると言える。
続いて、図2(c)のケース3について考える。ケース3では、推定磁束ベクトルPhestが検出磁束ベクトルPhiに対して進み位相となっており、その位相差は僅かであるが推定磁束ベクトルPhestの大きさを検出磁束ベクトルPhiよりも大きく推定している。推定磁束ベクトルPhest(図中の鎖線)から検出磁束ベクトルPhi(図中の太線)を減算した磁束偏差ベクトルΔPhi(図中の破線)は確実に大きさを有しているが、位相差が僅かだと上述した外積演算によって得られる値は確実なものではなくなる。
以上のように、本実施の形態1における交流回転機の制御装置では、特許文献2に示されたような外積演算を行うことなく、磁束偏差ベクトルΔPhiに基づいて交流回転機2の推定磁束ベクトルPhestを求めるようにしたので、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとの間に初期値誤差や外乱などの要因で位相差が90度を超えたり、位相差が僅かな場合であったりしても、誤差収束性や位置推定の応答性を保つことが可能であり、その結果、交流回転機2を安定に駆動制御することができる効果がある。
更に、図1に示す各要素の構成について詳細に説明する。
図3は、交流回転機制御手段4の内部構成を示す図である。図において、座標変換器20は、電流ベクトル検出手段3内の3相/2相変換器10が出力するa−b軸座標上の2相交流電流を、適応観測手段7が出力する推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標へ、座標変換を行う。ここでは、推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標をd−q軸と定義する。即ち、座標変換器20は、a−b軸上の検出電流ベクトルのa軸成分ias及び検出電流ベクトルのb軸成分ibsを、適応観測手段7が出力する推定磁束位相θ0に基づいて、d−q軸上の検出電流ベクトルのd軸成分ids及び検出電流ベクトルのq軸成分iqsとして出力する。
減算器21は、電流指令ベクトルのd軸成分idsrefから検出電流ベクトルのd軸成分idsを減算し、減算器22は、電流指令ベクトルのq軸成分iqsrefから検出電流ベクトルのq軸成分iqsを減算する。
増幅器23は、減算器21から得た電流指令ベクトルのd軸成分idsrefと検出電流ベクトルのd軸成分idsとの偏差を比例積分演算によって増幅し、その値を電圧指令ベクトルのd軸成分vdsrefとして出力し、増幅器24は、減算器22から得た電流指令ベクトルのq軸成分iqsrefと検出電流ベクトルのq軸成分iqsとの偏差を比例積分演算によって増幅し、その値を電圧指令ベクトルのq軸成分vqsrefとして出力する。
座標変換器25は、増幅器23及び24が出力するd−q軸座標上の2相電圧指令を、適応観測手段7が出力する推定磁束位相θ0に基づいて三相交流電圧指令に座標変換を行い、電圧指令ベクトルVsrefのU相成分、V相成分、W相成分を出力する。
図4は、磁束ベクトル検出手段6の内部構成を示す図である。図において、余弦演算器30は、回転位置検出手段5から得た回転角度θに応じた余弦演算を行いcosθを出力し、ゲイン演算器31は、余弦演算器30が出力したcosθを予め設定した値に比例させた値を検出磁束ベクトルのa軸成分phiaとして出力する。なお、ゲイン演算器31の比例係数は、回転子磁束振幅φfで与える。
正弦演算器32は、回転位置検出手段5から得た回転角度θに応じた正弦演算を行いsinθを出力し、ゲイン演算器33は、正弦演算器32が出力したsinθを予め設定した値に比例させた値を検出磁束ベクトルのb軸成分phibとして出力する。ゲイン演算器33の比例係数もゲイン演算器31と同様に回転子磁束振幅φfで与える。
図5は、適応観測手段7の内部構成を示す図である。図5を説明する前に適応観測手段7での演算根拠について説明する。交流回転機2の電機子抵抗をR、電機子インダクタンスをL、推定速度をwr0とし、行列A,B,C1,C2を(1)式で定義する。
Figure 0005291184
また、a−b軸上の推定電流ベクトルのa軸成分をias0、a−b軸上の推定電流ベクトルのb軸成分をibs0、a−b軸上の推定電機子反作用ベクトルのa軸成分をpas0、a−b軸上の推定電機子反作用ベクトルのb軸成分をpbs0、a−b軸上の推定磁束ベクトルのa軸成分をpar0、a−b軸上の推定磁束ベクトルのb軸成分をpbr0、a−b軸上の電圧指令ベクトルのa軸成分をvas*、a−b軸上の電圧指令ベクトルのb軸成分をvbs*と定義する。また、増幅偏差ベクトルを(e1,e2,e3,e4)と定義する。記号は転置行列であることを意味する。
a−b軸上の電圧指令ベクトルvas*,vbs*と増幅偏差ベクトル(e1,e2,e3,e4)が与えられれば、(2)式によってpas0,pbs0,par0,pbr0を得ることができる。
Figure 0005291184
また、a−b軸上の電流偏差ベクトルのa軸成分をea、a−b軸上の電流偏差ベクトルのb軸成分をeb、sをラプラス演算子(微分演算子)、kpを比例ゲイン、kiを積分ゲインと定義し、(2)式の行列Aの内部パラメータである推定速度wr0を(3)式によって与える。
Figure 0005291184
また、pas0,pbs0,par0,pbr0を与えれば(4)式によってias0,ibs0を得ることができる。
Figure 0005291184
同様に、pas0,pbs0,par0,pbr0を与えれば(5)式によってpar0,pbr0を得ることができる。
Figure 0005291184
また、sgnを正数に対して1、負数に対して−1を出力する符号関数であると定義する場合、推定磁束位相θ0は(6)式で得ることができる。
Figure 0005291184
以上のように、(1)〜(6)式を用いれば、電圧指令ベクトルVsrefと増幅偏差ベクトルE0と電流偏差ベクトルΔIsとに基づいて、推定速度wr0と推定電流ベクトルIsestと推定磁束ベクトルPhestと推定磁束位相θ0とを算出することが可能である。
これを踏まえ、適応観測手段7の内部構成を示す図5について説明する。図5において、3相/2相変換器40によって3相交流の電圧指令ベクトルVsrefを2相交流の電圧指令ベクトルVsrefに変換し、a−b軸上の電圧指令ベクトルvas*,vbs*を出力する。ゲイン行列演算器41は、行列Bにベクトル(vas*,vbs*)を乗算した結果を出力する。加減算器42は、図示した符号に沿って、ゲイン行列演算器41の出力と、ゲイン行列演算器43の出力と、増幅偏差ベクトル(e1,e2,e3,e4)とを加減算したベクトルを出力する。積分器44は、加減算器42が出力するベクトルを各要素毎に積分し、ベクトル(pas0,pbs0,par0,pbr0)として出力する。ゲイン行列演算器43は、推定速度wr0に基づいて(1)式に記した行列Aを得るとともに、この行列Aにベクトル(pas0,pbs0,par0,pbr0)を乗算した結果を出力する。この一連の演算によって、積分器44の入力が(2)式の右辺に相当するようになっている。
また、(2)式の左辺はベクトル(pas0,pbs0,par0,pbr0)の微分であり、積分器44の入力でもあるから、積分器44の出力はベクトル(pas0,pbs0,par0,pbr0)となる。ゲイン行列45は、(4)式の行列演算を行い推定電流ベクトルIaset(ias0,ibs0) を出力する。ゲイン行列46は、(5)式の行列演算を行い推定磁束ベクトルPhest(par0,pbr0) を出力する。位相演算器47は、入力される推定磁束ベクトル(par0,pbr0) に基づいて(6)式の演算を行い、推定磁束位相θ0を出力する。速度推定器48は、入力される推定磁束ベクトル(par0,pbr0) と電流偏差ベクトル(ea,eb) とに基づいて(3)式の演算を行い、推定速度wr0を出力する。
図6は、偏差増幅手段9の内部構成を示す図である。a−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分をepa、a−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分をepbと定義する。図6において、ゲイン行列50は、電流偏差ベクトル(ea,eb) に行列Hcを乗算した結果を出力し、ゲイン行列51は、磁束偏差ベクトル(epa,epb) に行列Hfを乗算した結果を出力する。ここで、Hc,Hfは(7)式で定義するゲイン行列であり、(7)式中のh11〜h44は増幅ゲインである。
Figure 0005291184
加算器52は、ゲイン行列50の出力ベクトル(ec1,ec2,ec3,ec4)とゲイン行列51の出力ベクトル(ep1,ep2,ep3,ep4)とを加算し、(ec1+ep1,ec2+ep2,ec3+ep3,ec4+ep4)を増幅偏差ベクトル(e1,e2,e3,e4)として出力する。後述するように、特にゲイン行列51において、推定速度の絶対値が大きい場合は、h13,h14,h23,h24,h33,h34,h43,h44の値が零になるようにすれば、高回転域でゲイン行列51の出力を零とすることができる。
従って、一般に応答特性が十分でない回転位置検出手段5の出力から検出磁束ベクトルPhiを求めるようにしても、その応答性不良に起因する高回転域での駆動特性の低下を防止することができる。
図7は、ゲイン行列50の内部構成を示す図である。図において、増幅ゲイン120は、推定速度wr0に基づいたゲインh11とa−b軸上の電流偏差ベクトルのa軸成分eaとを乗算して出力する。増幅ゲイン121は、推定速度wr0に基づいたゲインh12とa−b軸上の電流偏差ベクトルのb軸成分ebとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン122は、推定速度wr0に基づいたゲインh21とa−b軸上の電流偏差ベクトルのa軸成分eaとを乗算して出力する。増幅ゲイン123は、推定速度wr0に基づいたゲインh22とa−b軸上の電流偏差ベクトルのb軸成分ebとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン124は、推定速度wr0に基づいたゲインh31とa−b軸上の電流偏差ベクトルのa軸成分eaとを乗算して出力する。増幅ゲイン125は、推定速度wr0に基づいたゲインh32とa−b軸上の電流偏差ベクトルのb軸成分ebとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン126は、推定速度wr0に基づいたゲインh41とa−b軸上の電流偏差ベクトルのa軸成分eaとを乗算して出力する。増幅ゲイン127は、推定速度wr0に基づいたゲインh42とa−b軸上の電流偏差ベクトルのb軸成分ebとを乗算して出力する。
そして、加算器128は、増幅ゲイン120の出力と増幅ゲイン121の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ec1として出力する。同様に、加算器129は、増幅ゲイン122の出力と増幅ゲイン123の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ec2として出力する。同様に、加算器130は、増幅ゲイン124の出力と増幅ゲイン125の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ec3として出力する。同様に、加算器131は、増幅ゲイン126の出力と増幅ゲイン127の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ec4として出力する。
図8は、本実施の形態1における推定速度wr0と増幅ゲインh11,h12,h21,h22,h31,h32,h41,h42の関係を記したものである。この例では、h12,h32,h41は推定速度wr0に拘わらず0としているので、図7における増幅ゲイン121、125、126は省略しても良い。
なお、以上で例示した増幅ゲイン121、125、126は勿論、その他の増幅ゲインの特性の設定根拠については、本願発明では、特に重要でないので、細部の説明は省略することとする。
図8に記す増幅ゲインh11,h12,h21,h22,h31,h32,h41,h42によって、推定速度wr0と交流回転機2の回転速度との偏差が発生した場合、推定磁束と直交する成分に電流偏差を発生させることができる。これによって、速度推定器48が演算する(3)式の演算を行いても安定に推定速度wr0を出力することが可能となる。
図9は、ゲイン行列51の内部構成を示す図である。図において、増幅ゲイン140は、推定速度wr0に基づいたゲインh13とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン141は、推定速度wr0に基づいたゲインh14とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン142は、推定速度wr0に基づいたゲインh23とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン143は、推定速度wr0に基づいたゲインh24とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン144は、推定速度wr0に基づいたゲインh33とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン145は、推定速度wr0に基づいたゲインh34とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン146は、推定速度wr0に基づいたゲインh43とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン147は、推定速度wr0に基づいたゲインh44とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。
そして、加算器148は、増幅ゲイン140の出力と増幅ゲイン141の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ep1として出力する。同様に、加算器149は、増幅ゲイン142の出力と増幅ゲイン143の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ep2として出力する。同様に、加算器150は、増幅ゲイン144の出力と増幅ゲイン145の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ep3として出力する。同様に、加算器151は、増幅ゲイン146の出力と増幅ゲイン147の出力とを加算し、その結果を増幅偏差ep4として出力する。
図10は、本実施の形態1における推定速度wr0と増幅ゲインh13,h14,h23,h24,h33,h34,h43,h44の関係を記したものである。本実施の形態1の場合、増幅ゲインh33とh44以外は推定速度wr0に拘わらず0であるので、図9における増幅ゲイン140,141,142,143,145,146は省略しても良い。
上述したように、電流偏差ベクトルに関しては、増幅ゲインh11,h12,h21,h22,h31,h32,h41,h42によって、推定速度wr0と交流回転機2の回転速度との偏差が発生した場合、推定磁束と直交する成分に電流偏差ベクトルを発生させることができる。
一方、交流回転機2が停止しており、且つ、電圧印加手段1が交流回転機2に直流電圧を印加している場合、交流回転機2は単なる抵抗回路と等価になる。換言すると、交流回転機2が停止し、且つ、電圧印加手段1が直流電圧を印加している場合、交流回転機2のインピーダンスは回転速度と無関係となるので、推定速度wr0と交流回転機2の回転速度との間に偏差があってもなくても電流偏差ベクトルΔIsは発生しない。しかしながら、磁束偏差ベクトルΔPhiに関しては、交流回転機2が停止していても検出磁束ベクトルPhiの値は交流回転機2のインピーダンスと無関係であり、停止中でも回転角度によってその検出磁束ベクトルPhiの値が変化し決まるので、推定磁束ベクトルPhestが検出磁束ベクトルPhiに一致していなければ磁束偏差ベクトルΔPhiが発生する。
このことを利用して、図10のように、増幅ゲインh33とh44とは、推定速度wr0が小さい領域で、所定の大きさを持たせることによって、推定磁束ベクトルPhestが検出磁束ベクトルPhiに一致するように、偏差増幅手段9は増幅偏差ベクトルE0を出力する。
なお、h33とh44の値は、推定速度wr0に応じて、ステップ的に変化させても良いが、より滑らかに動作させるためには、図10に記載のように直線的に変化させると良い。
例えば、回転位置検出手段5として回転数が高くなるとその低応答性から信頼性が低下する安価なものを利用する場合であっても、信頼性が確保できる低い速度範囲では、増幅ゲインh33とh44とに所定の大きさを持たせ、それ以外の速度範囲では、増幅ゲインh33とh44とを零にしておけば磁束偏差ベクトルΔPhiは発生しない。
上述したように、交流回転機2が停止しており、且つ、電圧印加手段1が交流回転機2に直流電圧を印加していると電流偏差は発生しないが、それ以外の領域であれば、適応観測手段7は、例えば、特許文献3で例示した交流回転機の制御装置と基本的に同じ動作をし円滑な制御動作を行う。交流回転機2が停止していなければ、磁束偏差ベクトルΔPhiを零にしても、適応観測手段7は電流偏差ベクトルΔIsに基づいて安定動作する。そして、交流回転機2が停止している場合は、交流回転機のインピーダンスが抵抗回路と等価になることに起因して電流偏差ベクトルΔIsが発生しなくても、磁束偏差ベクトルΔPHIを発生させることで、適応観測手段7は安定動作する。
即ち、回転位置検出手段5の位置検出精度が高回転域で低下しても、適応観測手段7は検出磁束ベクトルPhiを利用することなく推定磁束位相θ0を演算することになり、高回転域でも安定に交流回転機2を駆動することができる効果を得る。
なお、以上では、交流回転機の停止状態を想定して説明したが、停止を含む低回転速領域では、電流偏差がほとんど発生せず、また、回転位置検出手段5も一定の回転速度域まで十分な検出精度を有するものもあるので、これらを加味すると、ゲイン行列51の増幅ゲインh33、h44としては、図10に例示した特性に限られるものではなく、推定速度wr0が低いときの値に対して推定速度wr0が高いときの値が小さくなるという条件で設定することでも上述したと同様の効果を奏しうると言える。
更に敷衍すると、回転位置検出手段5の特性や交流回転機に要求される駆動特性によっては、偏差増幅手段9で設定する各増幅ゲインを速度に拘わらず一定の値に設定することも不可能ではない。この場合は、偏差増幅手段9を設ける必要が無く、偏差ベクトル演算手段8の出力を増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7に出力することになる。
この構成にあっても、適応観測手段7は、少なくとも、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの偏差が小さくなるように推定磁束位相を演算することでは変わりがないので、速度零を含む低速域から高速域までスムーズに駆動するとともに、たとえ、推定位相に初期値誤差があっても速やかに誤差収束させて所望の特性が得られるという効果を期待しうる。
以上のように、本実施の形態1においては、適応観測手段7は推定電流ベクトルと検出電流ベクトルとの偏差および推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの偏差が小さくなるように、電流偏差ベクトルと増幅偏差ベクトルとに基づいて推定磁束位相を演算し、交流回転機制御手段4は、この推定磁束位相に基づいて電圧指令ベクトルを演算し、電圧印加手段1は該電圧指令ベクトルに基づいて交流回転機2に電圧を印加するような構成にしたので、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの間に初期値誤差や外乱などの要因で位相差が90度を超えたり、位相差が僅かな場合であったりしても、誤差収束性や位置推定の応答性を保つことが可能であり、交流回転機の停止を含む低速状態でも確実に発生する磁束偏差ベクトルを介して推定磁束位相の演算が確実に実行される。しかも、停止を含む低速域を除いて偏差増幅手段9で磁束偏差ベクトルを増幅する増幅ゲインを小さく設定したので、回転位置検出手段5の回転位置検出の応答が遅くても、交流回転機を低速域から高速域まで安定かつスムーズに駆動することが可能となる。
実施の形態2.
先の実施の形態1における交流回転機の制御装置では、磁束ベクトル検出手段6は回転位置検出手段5が検出した回転位置に基づいて検出磁束ベクトルPhiを出力していたが、交流回転機2に突極性として知られるインダクタンスの回転位置依存性が存在する場合、磁束ベクトル検出手段6aにより、電流ベクトル検出手段3aから得た高周波電流ベクトルIshに基づいて検出磁束ベクトルPhiを出力するようにしても良い。
図11は、本実施の形態2における交流回転機の制御装置の構成を示す図である。図において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するもので個々の説明は省略する。
電流ベクトル検出手段3aは、電流成分分配器60を具備し、交流回転機2の検出電流ベクトルIsと高周波電流ベクトルIshとを検出する。交流回転機制御手段4aは、適応観測手段7から得た推定磁束位相θ0に基づいて、電流ベクトル検出手段3aから得た電流ベクトルが電流指令ベクトルIsrefに一致させながら、高周波電流ベクトルIshも発生するような電圧指令ベクトルVsrefを電圧印加手段1に出力する。磁束ベクトル検出手段6aは、高周波電流ベクトルIshに基づいて検出磁束ベクトルPhiを出力する。
図12は、本実施の形態2における交流回転機制御手段4aの内部構成を示す図であり、図3と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
高周波電圧指令ベクトル発生器56は、U相、V相、W相のそれぞれに対して、振幅A、角周波数ωx、位相差が2π/3[rad]の高周波三相電圧指令ベクトルVsrefを出力する。加算器57は、座標変換器25が出力する電圧指令ベクトルのU相成分に高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する電圧指令ベクトルのU相成分を加算し、その結果を電圧印加手段1に与える電圧指令ベクトルのU相成分として出力する。同様に、加算器58は、座標変換器25が出力する電圧指令ベクトルのV相成分に高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する電圧指令ベクトルのV相成分を加算し、その結果を電圧印加手段1に与える電圧指令ベクトルのV相成分として出力する。同様に、加算器59は、座標変換器25が出力する電圧指令ベクトルのW相成分に高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する電圧指令ベクトルのW相成分を加算し、その結果を電圧印加手段1に与える電圧指令ベクトルのW相成分として出力する。
図13は、本実施の形態2における電流成分分配器60の内部構成を示す図である。図において、3相/2相変換器61は、実施の形態1に記載の3相/2相変換器10と同様に3相交流電流を2相交流電流に変換した結果をa−b軸電流のa軸成分とb軸成分として出力する。
バンドストップフィルタ62は、高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する高周波三相電圧指令ベクトルの角周波数ωx[rad/s]と同じ角周波数成分だけを遮断するフィルタによって、3相/2相変換器61が出力する電流ベクトルのa軸成分から角周波数ωx[rad/s]成分だけを遮断した結果を、検出電流ベクトルのa軸成分iasとして出力する。減算器63は、3相/2相変換器61が出力する電流ベクトルのa軸成分から、バンドストップフィルタ62が出力する検出電流ベクトルのa軸成分iasを減算することで、電流ベクトルのa軸成分から角周波数ωx[rad/s]成分だけを抽出し、高周波電流ベクトルのa軸成分iashとして出力する。
同様に、バンドストップフィルタ64は、高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する高周波三相電圧指令ベクトルの角周波数ωx[rad/s]と同じ角周波数成分だけを遮断するフィルタによって、3相/2相変換器61が出力する電流ベクトルのb軸成分から角周波数ωx[rad/s]成分だけを遮断した結果を、検出電流ベクトルのb軸成分ibsとして出力する。減算器65は、3相/2相変換器61が出力する電流ベクトルのb軸成分から、バンドストップフィルタ64が出力する検出電流ベクトルのb軸成分ibsを減算することで、電流ベクトルのb軸成分から角周波数ωx[rad/s]成分だけを抽出し、高周波電流ベクトルのb軸成分ibshとして出力する。
図14は、磁束ベクトル検出手段6aの内部構成を示す図であり、図4と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。2相/3相変換器70は、電流成分分配器60から得た高周波電流ベクトルのa軸成分iashおよびb軸成分ibshを三相交流電流に座標変換し、高周波電流ベクトルのU相成分、高周波電流ベクトルのV相成分、高周波電流ベクトルのW相成分をそれぞれ出力する。二乗演算器71は、2相/3相変換器70から得た高周波電流ベクトルのU相成分の値を二乗する。同様に、二乗演算器72は、2相/3相変換器70から得た高周波電流ベクトルのV相成分の値を二乗し、二乗演算器73は、2相/3相変換器70から得た高周波電流ベクトルのW相成分の値を二乗する。
積分器74は、二乗演算器71の出力を積分する。現在の時刻をt[秒]とするとき、積分器74は時刻t−T[秒]からt秒までの積分結果を出力する。ここでTは任意の定数で与えるが、特に、Tを2π/ωx[秒]の整数倍にすると高周波成分の周期に比例した期間を積分することに相当し、より良い磁束検出が可能になる。同様に、積分器75は、二乗演算器72の出力を、時刻t−T[秒]からt秒まで積分し、その結果を出力する。同様に、積分器76は、二乗演算器73の出力を、時刻t−T[秒]からt秒までの積分し、その結果を出力する。
ゲイン行列演算器77は、積分器74、75、76から得た積分結果を高周波電流積分ベクトルととらえ、図に記載の行列を該高周波電流積分ベクトルに乗算し、その結果を信号dIu,dIv,dIwとして出力する。この一連の処理を施すことによって、信号dIu,dIv,dIwは交流回転機2の回転位置に応じて振幅が変化する信号となる。交流回転機2の回転位置と信号dIu,dIv,dIwの関係を図15に記す。図15を見て判るように、信号dIu,dIv,dIwは、回転位置0[rad]を基準にすると相順がdIu,dIw,dIvで周期がπの周期関数となる。そこで、2相/3相変換器78では、dIv,dIwを入れ替えて、信号dIu,dIw,dIvを高周波電流振幅ベクトルとして入力し、a−b軸上の高周波電流振幅ベクトルのa軸成分Ihaおよびb軸成分Ihbとして出力する。
位相演算器79は、Iha,Ihbに基づいて、(8)式の演算を行い、高周波電流振幅ベクトルの位相θ2Lを出力する。
Figure 0005291184
位相θ2Lの周期は、交流回転機2の回転位置の周期に対して2倍となる。そこで、角度換算器80によって、交流回転機2の回転位置として、位相θ2Lの位相読み替えを行った結果を出力する。
以上の構成により、交流回転機2に突極性として知られるインダクタンスの回転位置依存性が存在する場合、電流ベクトル検出手段3aから得た高周波電流ベクトルIshに基づいて検出磁束ベクトルPhiを出力することが可能となる。
実施の形態1と同様に、ゲイン行列51において、推定速度wr0の絶対値が大きい場合は、h13,h14,h23,h24,h33,h34,h43,h44の値が零になるようにすれば、高回転域でゲイン行列51の出力は零とすることができる。このようにすれば、高回転域で高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する高周波三相電圧指令ベクトルの振幅Aを零にしても、適応観測手段7は検出磁束ベクトルPhiを利用することなく推定磁束位相θ0を演算することになり、高回転域でも安定に交流回転機2を駆動することができる効果を得る。
インダクタンスの突極性を利用して高回転域で駆動しようとすると基本波以外の電圧や電流が発生する分、運転効率、電圧利用率、最大電流の点で不利となるが、この実施の形態2においては、以上のような構成とすることにより、高回転域では基本波以外の電圧や電流の発生を停止することが可能となり、運転効率、電圧利用率、最大電流の点で有利な駆動が可能になり、また、装置の小型化、長寿命化に寄与する。
実施の形態3.
先の実施の形態2では、適応観測手段7は、直交静止二軸座標(a−b軸)上で構成したが、適応観測手段7を推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標(d−q軸)上で構成しても良い。勿論、この回転二軸座標(d−q軸)上で構成する方式は、先の実施の形態1に適用することもできる。
図16は、本実施の形態3における交流回転機の制御装置の全体構成を示す図であり、実施の形態2と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。電流ベクトル検出手段3bは、電流成分分配器60と座標変換器81とを具備し、回転二軸座標上の検出電流ベクトルIsを出力する。座標変換器81は、適応観測手段7bから得た推定磁束位相θ0に基づいて、電流成分分配器60から得たa−b軸上の検出電流ベクトルIsをd−q軸上の検出電流ベクトルのd軸成分ids及びq軸成分iqsに変換して出力する。同様に、座標変換器82は、適応観測手段7bから得た推定磁束位相θ0に基づいて、磁束ベクトル検出手段6aから得たa−b軸上の検出磁束ベクトルPhiを、d−q軸上の検出磁束ベクトルのd軸成分phid及びq軸成分phiqとして出力する。
交流回転機制御手段4bは、電流ベクトル検出手段3bから得たd−q軸上の検出電流ベクトルIsがd−q軸上の電流指令ベクトルIsrefに一致するようにしながら、高周波電流ベクトルIshも発生するように三相交流の電圧指令ベクトルVsrefを電圧印加手段1に出力するとともに、回転二軸座標上の電圧指令ベクトルVdqrefを適応観測手段7bに出力する。適応観測手段7bは、交流回転機制御手段4bから得た回転二軸座標上の電圧指令ベクトルVdqrefと偏差ベクトル演算手段8bから得た偏差電流ベクトルと偏差増幅手段9bから得た増幅偏差ベクトルE0とに基づいて回転二軸座標上の推定電流ベクトルIsestと回転二軸座標上の推定磁束ベクトルPhestと推定速度wr0とを出力する。偏差ベクトル演算手段8bは、回転二軸座標上の推定電流ベクトルIsestと回転二軸座標上の検出電流ベクトルIsとに基づいて回転二軸座標上の電流偏差ベクトルΔIsを出力するとともに、回転二軸座標上の推定磁束ベクトルPhestと回転二軸座標上の検出磁束ベクトルPhiとに基づいて回転二軸座標上の磁束偏差ベクトルΔPhiを出力する。
偏差ベクトル演算手段8bでは、減算器11bによって回転二軸座標上の推定電流ベクトルIsestから回転二軸座標上の検出電流ベクトルIsを減算して、回転二軸座標上の電流偏差ベクトルΔIs(ed,eq)を出力するとともに、減算器12bによって回転二軸座標上の推定磁束ベクトルPhestから回転二軸座標上の検出磁束ベクトルPhiを減算して、回転二軸座標上の磁束偏差ベクトルΔPhiを出力する。偏差増幅手段9bは、推定速度wr0に応じて回転二軸座標上の電流偏差ベクトルΔIsと回転二軸座標上の磁束偏差ベクトルΔPhiとを増幅して回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルE0(f1,f2,f3,f4)として適応観測手段7bへ出力する。
図17は、交流回転機制御手段4bの内部構成を示す図であり、図12と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図12と異なる点は、電流ベクトル検出手段3bから得る検出電流ベクトルIsが回転二軸座標上のものである点と、座標変換器20を廃した点と、増幅器23および増幅器24の出力を回転二軸座標上の電圧指令ベクトルのd軸成分vdsref及びq軸成分vqsrefとして出力するようにした点である。
図18は、推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標(d−q軸)上で構成した適応観測手段7bの内部構成を示す図である。
以下では、回転二軸座標(d−q軸)上が回転する角周波数をw、d−q軸上の推定電流ベクトルのd軸成分をids0、d−q軸上の推定電流ベクトルのq軸成分をiqs0、d−q軸上の推定電機子反作用ベクトルのd軸成分をpds0、d−q軸上の推定電機子反作用ベクトルのq軸成分をpqs0、d−q軸上の推定磁束ベクトルのd軸成分をpdr0、d−q軸上の推定磁束ベクトルのq軸成分をpqr0、交流回転機2のd軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLqと定義する。
図18において、加減算器90は回転二軸座標上の電圧指令ベクトルのd軸成分vdsrefと、後述するゲイン行列96が出力する出力の第1成分とを加算し、その値から回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルE0の第1成分f1を減算し、その結果を出力する。同様に、加減算器91は回転二軸座標上の電圧指令ベクトルのq軸成分vqsrefと、後述するゲイン行列96が出力する出力の第2成分とを加算し、その値から回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルE0の第2成分f2を減算し、その結果を出力する。符号反転器92は、回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルE0の第3成分f3の符号を反転して出力する。積分器93は、加減算器90の出力を積分して推定電機子反作用ベクトルのd軸成分pds0を出力する。同様に、積分器94は加減算器91の出力を積分して推定電機子反作用ベクトルのq軸成分pqs0を出力する。積分器95は、符号反転器92の出力を積分した推定磁束ベクトルのd軸成分pdr0を同phdestとして出力する。なお、適応観測手段7bは推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標(d−q軸)上で構成しているので、推定磁束ベクトルのq軸成分phqestは零となる。
ゲイン行列96は、推定速度wr0と角周波数wと電機子抵抗Rとd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとを用いて構成する行列にベクトル(pds0,pqs0,pdr0)を乗算し、その結果を出力する。ゲイン行列97は、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとを用いて構成する行列にベクトル(pds0,pqs0)を乗算し、その結果である推定電流ベクトルのd軸成分ids0を同idestとして、及び推定電流ベクトルのq軸成分iqs0を同iqestとして出力する。
速度推定器98は、回転二軸座標上の電流偏差ベクトルのq軸成分eqを推定磁束ベクトルのd軸成分pdr0で除算した値を比例積分によって増幅し、その結果を推定速度wr0として出力する。なお、本実施の形態3における適応観測手段7bでは回転二軸座標上の電流偏差ベクトルのd軸成分edは使用しない。
除算器99は、回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルE0の第4成分f4を推定磁束ベクトルのd軸成分pdr0で除算し、その結果を出力する。減算器100は、速度推定器98の出力wr0から除算器99の出力を減算し、角周波数wとして出力する。積分器101は、該角周波数wを積分し、その結果を推定磁束位相θ0として出力する。
以上のように、適応観測手段7bを推定磁束位相θ0に同期して回転する回転二軸座標(d−q軸)上で構成しても、先の実施の形態2と同様の効果を得ることが可能である。
即ち、適応観測手段7bは、回転二軸座標上の推定電流ベクトルと回転二軸座標上の検出電流ベクトルとの偏差および回転二軸座標上の推定磁束ベクトルと回転二軸座標上の検出磁束ベクトルとの偏差が小さくなるように、回転二軸座標上の電流偏差ベクトルと回転二軸座標上の増幅偏差ベクトルとに基づいて推定磁束位相を演算する。そして、交流回転機制御手段4bは、この推定磁束位相に基づいて電圧指令ベクトルを演算し、電圧印加手段1は、該電圧指令ベクトルに基づいて交流回転機2に電圧を印加するような構成にしたので、先の実施の形態1で既述したと同様に、偏差増幅手段9bのゲイン行列50、51を適切に設定することにより、交流回転機制御手段4bが具備する高周波電圧指令ベクトル発生器56が出力する電圧指令ベクトルの振幅を高回転域では零にすることが可能となる。その結果、高回転域で基本波以外の電圧や電流を発生させることなく駆動ができるので、高回転域における運転効率、電圧利用率、最大電流抑制の点で有利に駆動できる効果を得る。
実施の形態4.
先の各実施の形態例では、電流指令ベクトルIsrefを交流回転機制御手段4、4bに直接与えるように構成していたが、適応観測手段7、7bが出力する推定速度wr0に基づいて、角速度指令wrrefに一致するように電流指令ベクトルIsrefを演算する速度制御手段110を具備するように構成しても良い。
図19は、本実施の形態4における交流回転機の制御装置の構成を示す図である。図において、図16と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
速度制御手段110は、角速度指令wrrefを入力とし、適応観測手段7bから得た推定速度wr0を該角速度指令wrrefに一致させるような回転二軸座標(d−q軸)上の電流指令ベクトルIsrefを交流回転機制御手段4bへ出力する。図20は、速度制御手段110の内部構成を示す図であり、減算器111は、角速度指令wrrefから推定速度wr0を減算し、速度偏差を出力する。偏差増幅器112は、減算器111から得た速度偏差を比例積分によって増幅し、その値をトルク指令として出力する。d軸電流指令演算器113は公知の手法によって効率良く交流回転機2を駆動するための回転二軸座標(d−q軸)上の電流ベクトル指令のd軸成分を該トルク指令に応じて出力する。同様に、q軸電流指令演算器114は公知の手法によって効率良く交流回転機2を駆動するための回転二軸座標(d−q軸)上の電流ベクトル指令のq軸成分を該トルク指令に応じて出力する。
以上の構成によって、先の各実施の形態例の効果に加え、速度制御手段110は、適応観測手段7bが出力する推定速度wr0に基づいて、角速度指令wrrefに一致するように電流指令ベクトルIsrefを演算するようにしたので、交流回転機2の回転速度を該角速度指令wrrefに一致させることができる効果を得る。
実施の形態5.
先の実施の形態1では、適応観測手段7は、増幅偏差ベクトルE0と電流偏差ベクトルΔIsと電圧指令ベクトルVsrefとに基づいて推定磁束位相θ0と推定電流ベクトルIsestと推定磁束ベクトルPhestと推定速度wr0とを出力するように構成していたが、後述するように、増幅偏差ベクトルE0と検出電流ベクトルIsと電圧指令ベクトルVsrefとに基づいて推定磁束位相θ0と推定磁束ベクトルPhestとを出力するように構成しても良い。
また、実施の形態1では、偏差ベクトル演算手段8は、推定電流ベクトルIsestと検出電流ベクトルIsとに基づいて電流偏差ベクトルΔIsを出力するとともに、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとに基づいて磁束偏差ベクトルΔPhiを出力するように構成していたが、推定磁束ベクトルPhestと検出磁束ベクトルPhiとに基づいて磁束偏差ベクトルΔPhiを出力するように構成してもよい。
更に、実施の形態1では、偏差増幅手段9は、推定速度wr0に応じて電流偏差ベクトルΔIsと磁束偏差ベクトルΔPhiとを増幅して増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7へ出力するように構成していたが、磁束偏差ベクトルΔPhiを増幅して増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7へ出力するように構成してもよい。
先の実施の形態1の説明の巻末部分で触れたように、各状況によっては、偏差増幅手段9の各増幅ゲインを、推定速度に関係させないで設定することもできる。この実施の形態5では、その方式を採用しており、後述の図22に示すように、適応観測手段7cの内部では、推定速度wr0を生成しているが、外部へは出力しておらず、また、後述の図23に示すように、偏差増幅手段9cには、推定速wr0を取り込んでいない。
勿論、実施の形態1の図1等で説明したように、適応観測手段は推定速度wr0を出力するものとし、偏差増幅手段はその推定速度wr0を取り込んで増幅ゲインを設定するものとしてもよく、この場合は、実施の形態1で詳述した通り、更なる効果を奏するものである。
図21は、本実施の形態5における全体構成を示す図である。図において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。適応観測手段7cは、偏差増幅手段9cから得た増幅偏差ベクトルE0と電流ベクトル検出手段3から得た検出電流ベクトルIsと交流回転機制御手段4から得た電圧指令ベクトルVsrefとに基づいて推定磁束位相θ0と推定磁束ベクトルPhestと推定速度wr0とを出力する。
偏差ベクトル演算手段8cは、適応観測手段7cから得た推定磁束ベクトルPhestと磁束ベクトル検出手段6から得た検出磁束ベクトルPhiとの差を演算し、磁束偏差ベクトルΔPhiとして出力する。偏差増幅手段9cは、該磁束偏差ベクトルΔPhiを増幅し、増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7cへ出力する。
図22は、適応観測手段7cの内部構成を示す図である。図において、図5と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。図22の構成を説明する前に、図22の原理について説明する。先の(2)式の関係から(9)式を得る。
Figure 0005291184
また、先の(4)式と出力ベクトル(ec1,ec2,ec3,ec4)はゲイン行列50の出力であることを勘案すると(10)式を得る。
Figure 0005291184
該(10)式を展開して整理すると(11)、(12)式を得る。
Figure 0005291184
Figure 0005291184
ここで、(12)式右辺の行列Aと行列Hcとは、推定速度wr0の関数であるので、行列A2も行列Aと同様に推定速度wr0の関数となる。
上記(11)式と(2)式とを比較すると、行列A2が行列Aに相当している点と、検出電流ベクトルに行列Hcを乗算した結果を加算している点と、磁束偏差ベクトルが増幅偏差ベクトルに相当している点とが(11)式と(2)式との差異であることが分かる。
図22において、ゲイン行列演算器43cは、推定速度wr0に基づいて(12)式に記した行列A2を得るとともに、この行列A2にベクトル(pas0,pbs0,par0,pbr0)を乗算した結果を出力する。ゲイン行列50cは、検出電流ベクトル(ias,ibs) に行列Hcを乗算した結果を出力する。ここで、ゲイン行列50cは、ゲイン行列50と同様に推定速度wr0に基づいて、適宜行列Hcを与える。減算器160は、ゲイン行列50cの出力から増幅偏差ベクトル(e1,e2,e3,e4)を減算する。後述するが、この増幅偏差ベクトル(e1,e2,e3,e4)は、先の実施の形態1のゲイン行列51の出力ベクトル(ep1,ep2,ep3,ep4)に相当する。実施の形態1における速度推定器48は入力される推定磁束ベクトル(par0,pbr0) と電流偏差ベクトル(ea,eb) とに基づいて(3)式の演算を行い、推定速度wr0を出力していたが、本実施の形態5における速度推定器48cは、推定磁束位相θ0に基づいて推定速度wr0を出力する。具体的には、推定速度wr0は、推定磁束位相θ0の変化率と捉え、速度推定器48cでは(13)式の演算を行い推定速度wr0を出力する。
Figure 0005291184
図23は、偏差増幅手段9cの内部構成を示す図である。図において、増幅ゲイン140cは、ゲインh13とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン141cは、ゲインh14とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン142cは、ゲインh23とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン143cは、ゲインh24とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン144cは、ゲインh33とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン145cは、ゲインh34とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。同様に、増幅ゲイン146cは、ゲインh43とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのa軸成分epaとを乗算して出力する。増幅ゲイン147cは、ゲインh44とa−b軸上の磁束偏差ベクトルのb軸成分epbとを乗算して出力する。
そして、加算器148cは、増幅ゲイン140の出力と増幅ゲイン141の出力とを加算し、その結果を増幅偏差e1として出力する。同様に、加算器149cは増幅ゲイン142の出力と増幅ゲイン143cの出力を加算し、その結果を増幅偏差e2として出力する。同様に加算器150cは増幅ゲイン144の出力と増幅ゲイン145cの出力を加算し、その結果を増幅偏差e3として出力する。同様に加算器151cは増幅ゲイン146の出力と増幅ゲイン147cの出力を加算し、その結果を増幅偏差e4として出力する。
なお、増幅ゲインh13,h14,h23,h24,h33,h34,h43,h44は、図10と同様に、h33とh44以外は0としても良く、この場合は、図23における増幅ゲイン140c,141c,142c,143c,145c,146cは省略しても良い。
h33とh44とについては、先の実施の形態1では、回転位置検出手段5として回転数が高くなると信頼性が低下する安価なものを利用する場合であっても、信頼性が確保できる速度範囲ではh33とh44とに所定の大きさを持たせ、それ以外の速度範囲ではh33とh44とを零にして磁束偏差ベクトルは発生しないようにしたが、回転位置検出手段5として安価で応答性や信頼性が低いながらも、回転速度が高くても一定の性能を保つものを利用する場合は、h33とh44とは固定にしておけば良い。このようにしておいても、先の実施の形態1に記載したように、交流回転機2の停止時における適応観測手段7cの安定性確保に加え、高回転域で想定外の動作により適応観測手段7cが不安定になりそうになっても、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの偏差によって、適応観測手段7cが出力する推定磁束ベクトルを修正するように作用するので、たとえ、推定磁束ベクトルと検出磁束ベクトルとの間に初期値誤差や外乱などの要因で位相差が90度を超えたり、位相差が僅かな場合であったりしても、誤差収束性や位置推定の応答性を保つことが可能であり、その結果、安定に交流回転機2を駆動することができるという効果を得る。
なお、実施の形態5の以上の説明では、偏差増幅手段9cを設けたものとしたが、この偏差増幅手段9cは、推定速度wr0に拘わらず一定の増幅ゲインで偏差磁束ベクトルΔPhiを増幅するものとしたので、実質的には、この偏差増幅手段9cを省略し、偏差ベクトル演算手段8cの出力を直接増幅偏差ベクトルE0として適応観測手段7cに出力する構成としてもよい。
この発明は、広い速度範囲で運転する各種の交流回転機を駆動するための制御装置に適用することができ、速度零を含む低速域から高速域までスムーズに駆動するとともに、たとえ、推定位相に初期値誤差があっても速やかに誤差収束させて所望の特性が得られるという特有の効果を奏する。

Claims (7)

  1. 交流回転機の電流ベクトルを検出して検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段、推定磁束位相を参照して前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルに一致するよう電圧指令ベクトルを出力する交流回転機制御手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記推定磁束位相を出力する適応観測手段、および磁束ベクトルを検出して検出磁束ベクトルとして出力する磁束ベクトル検出手段を備え、
    前記適応観測手段は、前記電圧指令ベクトルに加えて電流偏差ベクトルと増幅偏差ベクトルとに基づき前記推定磁束位相に加えて推定電流ベクトルと推定磁束ベクトルとを出力し、
    更に、前記推定電流ベクトルと前記検出電流ベクトルとの偏差である前記電流偏差ベクトルおよび前記推定磁束ベクトルと前記検出磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを演算して前記増幅偏差ベクトルとして出力する偏差ベクトル演算手段を備えたことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 交流回転機の電流ベクトルを検出して検出電流ベクトルとして出力する電流ベクトル検出手段、推定磁束位相を参照して前記検出電流ベクトルが電流指令ベクトルに一致するよう電圧指令ベクトルを出力する交流回転機制御手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、前記電圧指令ベクトルに基づき前記推定磁束位相を出力する適応観測手段、および磁束ベクトルを検出して検出磁束ベクトルとして出力する磁束ベクトル検出手段を備え、
    前記適応観測手段は、前記電圧指令ベクトルに加えて増幅偏差ベクトルに基づき前記推定磁束位相に加えて推定磁束ベクトルを出力し、
    更に、前記推定磁束ベクトルと前記検出磁束ベクトルとの偏差である磁束偏差ベクトルを演算して前記増幅偏差ベクトルとして出力する偏差ベクトル演算手段を備えたことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  3. 前記適応観測手段は、更に推定速度を出力するものとし、
    前記偏差ベクトル演算手段と前記適応観測手段との間に挿入され、前記偏差ベクトル演算手段の出力を前記推定速度をパラメータとする所定のゲインで増幅して前記増幅偏差ベクトルとして前記適応観測手段に出力する偏差増幅手段を備え、
    前記偏差増幅手段において前記磁束偏差ベクトルを増幅する前記ゲインを、前記推定速度が低いときの値に対して前記推定速度が高いときの値が小さくなるよう設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 前記磁束ベクトル検出手段は、前記交流回転機の回転位置を検出する回転位置検出手段の出力である回転位置に基づき前記検出磁束ベクトルを出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 前記交流回転機を駆動するための基本周波数より高い周波数の高周波電圧を前記交流回転機に重畳する電圧重畳手段を備え、
    前記磁束ベクトル検出手段は、前記電流ベクトル検出手段により抽出される前記高周波電圧に起因する高周波電流ベクトルに基づき前記検出磁束ベクトルを出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  6. 前記電圧重畳手段において重畳する前記高周波電圧の振幅を、前記交流回転機の回転数が低いときの値に対して前記回転数が高いときの値が小さくなるよう設定したことを特徴とする請求項5記載の交流回転機の制御装置。
  7. 前記適応観測手段からの前記推定速度が角速度指令に一致するように前記電流指令ベクトルを作成して前記交流回転機制御手段に出力する速度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
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