JP5288433B2 - 遮光フィルム - Google Patents

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Description

本発明は遮光フィルムに関し、更に詳しくは、カメラ、ビデオカメラ、複写機、現像機等の各種光学機器の遮光部材として有用であり、表面光沢度が低く、遮光性に優れ、カメラ等のシャッター用の部材等に加工するときに複数枚を重ねて高温高圧で荷重をかけてもブロッキングを生じ難い遮光フィルムに関する。
近時、カメラはポケットサイズにまで小型化され、デジタル技術の発達によりデジタルカメラが普及し、このデジタルカメラは薄型化、コンパクト化が進み、名刺サイズのものや携帯電話にカメラ機能を付加したものまで出てきている。また、ビデオカメラも小型化、軽量化が進んでいるが、カメラ同様、デジタル化により更なる小型化に加え、高性能化が進んでいる。
このように、カメラやビデオカメラの小型化により、それらを構成する部品にも小型化、軽量化が要求されるようになってきている。例えば、シャッターや絞りなどの遮光部材には金属が使用されていたが、小型化、軽量化及び低コスト化に伴い、合成樹脂フィルムが用いられることが多くなってきている。このような中で、光学機器に用いられる遮光フィルムとしては、カーボンブラックを混入させたポリエステルフィルムにサンドブラストによって表面を粗面化し、さらに、電子伝導型の導電剤を塗布したもの(特許文献1)が提案されている。また、基材フィルムの少なくとも片面にバインダー樹脂、平均粒径1μm以下の黒色微粉末、平均粒径0.5〜10μmの有機フィラー及び平均粒径0.1〜10μmの滑剤とからなる遮光層を設けたもの(特許文献2)や、基材フィルムの少なくとも片面に、Tg40℃以上、軟化点80℃以上の熱可塑性樹脂からなるバインダー樹脂、平均粒径1μm以下の黒色微粉末、平均粒径0.5〜10μmの有機フィラー及び平均粒径0.1〜10μmの滑剤とからなる遮光層を設けたもの(特許文献3)が提案されている。これ以外にも、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とする基材フィルムの両面に、カーボンブラック、滑剤及び艶消し剤を含有する熱硬化性樹脂層(遮光層)が設けられた遮光性フィルム(特許文献4)が提案されている。
特開平1−120503号公報 特開平7−319004号公報 特開2003−29314号公報 特開平9−274218号公報
特許文献1に記載の発明は、カーボンブラックを混入させたポリエステルフィルムにより遮光性を得ているため、ポリエステルフィルムに配合するカーボンブラックの量を多くする必要がある。カーボンブラックの使用量が増えると、フィルムの機械的及びその他の物性が変化し、フィルムの平面性やコスト面で不利である。また、サンドブラストにより表面が粗面化してあるため、フィルム同士の摺り合わせ等により表面の凹凸がつぶれやすく、長期使用後にフィルム表面に光沢が生じてしまうという問題があった。
これに対し、特許文献2〜4に記載の発明は、基材表面に遮光層を配設し、遮光層と基材の両方、又は遮光層だけに遮光機能を持たせ、遮光性をより高めようとした遮光フィルムであり、特に遮光層側に遮光性、摺動性、艶消し性等の機能を持たせようとしたものである。
一方、遮光フィルムを、カメラ等のシャッター、絞り等の部材(遮光部材)に成形する場合、遮光フィルムをシャッター等の形状に成形した後に、例えば数百枚程度の枚数を重ねて高温高圧で荷重をかける(プレスする)ことにより平面性を高める必要がある。上記特許文献2〜4に記載の遮光フィルムは、上記のように遮光性、摺動性等を向上させようとするものであるが、このように高温で高圧荷重をかけた場合には、基材表面に配設した遮光層により、遮光フィルムからなる部材(遮光部材)同士が貼り付き、全体として一つの塊になったり、部分的に塊になった状態が形成されたりする(ブロッキングする)ことがあるという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、遮光性及び表面つや消し性に優れ、カメラ等のシャッター用の部材等に加工するときに複数枚を重ねて高温高圧で荷重をかけてもブロッキングを生じ難い遮光フィルムを提供することを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明によって以下の遮光フィルムが提供される。
[1] 基材フィルム(基材)と、前記基材の少なくとも一方の面に配設された遮光層とを備え、前記遮光層が、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有し、前記遮光層中の、バインダー樹脂の含有率が60〜80質量%、黒色顔料の含有率が9〜20質量%、シリコーン粒子の含有率が0.05〜0.50質量%、シリカ粒子の含有率が10〜30質量%である遮光フィルム。
[2] 前記シリカ粒子が、その表面がシランカップリング処理されたシリカ粒子である[1]に記載の遮光フィルム。
[3] 前記バインダー樹脂のTgが、10〜150℃である[1]又は[2]に記載の遮光フィルム。
[4] 前記バインダー樹脂が、架橋剤で架橋された樹脂である[1]〜[3]のいずれかに記載の遮光フィルム。
[5] 前記遮光層が、更にワックスを含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の遮光フィルム。
本発明の遮光フィルムによれば、基材フィルム(基材)に配設される遮光層が、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有し、遮光層中の、バインダー樹脂の含有率が60〜80質量%、黒色顔料の含有率が9〜20質量%、シリコーン粒子の含有率が0.05〜0.50質量%、シリカ粒子の含有率が10〜30質量%であるため、遮光層中のシリコーン粒子及びシリカ粒子により、遮光フィルムを複数枚重ねて高温高圧で荷重をかけた時のブロッキングを防止することが可能となる。また、本発明の遮光フィルムによれば、遮光層に黒色顔料が含まれるため、遮光性に優れたものとなり、更に、遮光層にシリカ粒子が含まれるため、表面光沢度が低く(艶消し性に優れ)、遮光層表面の写りこみの発生を低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の遮光フィルムの一実施形態は、基材フィルム(基材)と、基材の少なくとも一方の面に配設された遮光層とを備え、遮光層が、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有し、遮光層中の、バインダー樹脂の含有率が60〜80質量%、黒色顔料の含有率が9〜20質量%、シリコーン粒子の含有率が0.05〜0.50質量%、シリカ粒子の含有率が10〜30質量%である遮光フィルムである。以下、その詳細について説明する。
本実施形態の遮光フィルムは、その厚さが150μm以下であることが好ましく、25〜125μmであることが更に好ましい。150μm超であると、薄型化という点で満足できるものではない。また断面(シャッター等の遮光部材に成形したときの、外周の断面(側面)部分)での光反射防止性が低下するため、シャッターや絞りとしての高性能化の妨げになるので好ましくない。
本実施形態の遮光フィルムは、基材の少なくとも一方の面に膜状の遮光層を備えるが、基材の両面に遮光層を備えることが、遮光性、平面性、ブロッキング防止の観点より好ましい。また、カメラ等の製品が、例えば、夏の晴天時の自動車内で高温に晒された場合に、遮光フィルムからなる遮光部材同士が貼り付く(ブロッキングする)ことが想定されるが、本実施形態の遮光フィルムは、このようなカメラ等の製品になった後のブロッキングをも防止することが可能である。本明細書において、「ブロッキング」という場合には、遮光フィルムを複数枚重ねて高温高圧で荷重をかけた時のブロッキングだけでなく、遮光フィルムを備えたカメラ等の製品が高温に曝されたときに遮光フィルム同士が貼り付く状態も含む。遮光層の厚さ(遮光層を基材の両面に配設した場合には、各面の遮光層の厚さの合計)は、50μm以下であることが好ましく、6〜40μmであることが更に好ましい。遮光層を基材の両面に配設する場合には、一方の面(片面)に配設される遮光層の厚さとしては、25μm以下が好ましく、3〜20μmが更に好ましい。また、遮光層を基材の両面に配設する場合には、各面の遮光層の厚さが同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
本実施形態の遮光フィルムは、遮光層中に平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子が含有されている。遮光層中に球状のシリコーン粒子が含有されることにより、複数枚の遮光フィルムを重ねて高温高圧で荷重をかけた場合でも、ブロッキングの発生を防止することが可能になる。シリコーン粒子は、基材フィルムや遮光層中のバインダー樹脂に対して親和性が低いため、遮光フィルム同士を重ね合わせたときに、遮光フィルムの表面に露出したシリコーン粒子により遮光フィルムの表面同士が貼り付くことを抑制するためである。
球状のシリコーン粒子の平均粒子径は、0.5〜5μmであり、1〜4μmが好ましく、1〜3μmが更に好ましい。このような平均粒子径の範囲とすることにより、高い遮光フィルムのブロッキング防止効果を得ることができる。平均粒子径が0.5μmより小さいと、遮光フィルムの表面同士が貼り付くことを抑制できなくなり、5μmより大きいと、遮光層の基材への密着性が悪くなる。平均粒子径は、下記黒色顔料の平均粒子径の測定方法と同じ測定方法で測定した値である。
遮光層中の球状のシリコーン粒子の含有率は、0.05〜0.50質量%であり、0.05〜0.30質量%が好ましく、0.05〜0.20質量%が更に好ましい。このような範囲とすることにより、遮光フィルムの表面に露出したシリコーン粒子により遮光フィルムの表面同士が貼り付くことを抑制することができ、遮光フィルムのブロッキングを防止することが可能となる。含有率が0.05質量%より少ないと、ブロッキング防止効果が低くなり、0.50質量%より多いと、バインダー樹脂との親和性が低いものを多く入れることになるため、遮光層である膜が弱くなり、また外観不良になる。
平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子としては、例えば、東芝シリコーン社製、商品名:トスパール105、トスパール120、トスパール130、トスパール145等を使用することができる。
本実施形態の遮光フィルムは、遮光層中に平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子が含有されている。遮光層中にシリカ粒子が含有されることにより、シリカ粒子により遮光層表面に凹凸が形成され、その凹凸により複数枚の遮光フィルムを重ねて高温高圧で荷重をかけた場合でも、一枚ずつ剥がれ易く、ブロッキングの発生を防止することが可能になる。
シリカ粒子の平均粒子径は、1〜10μmであり、2〜8μmが好ましく、3〜7μmが更に好ましい。このような平均粒子径の範囲とすることにより、遮光フィルム表面にブロッキングを防止するのに適した大きさの凹凸が形成され、ブロッキングの発生を防止することができる。平均粒子径が1μmより小さいと、遮光フィルム表面の凹凸が小さくなるため、ブロッキング防止効果が低下し、10μmより大きいと、膜厚が厚くなり、また膜がもろくなる。平均粒子径は、上記黒色顔料の平均粒子径の測定方法と同じ測定方法で測定した値である。
遮光層中のシリカ粒子の含有率は、10〜30質量%であり、10〜25質量%が好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。このような範囲とすることにより、遮光フィルムの表面に適度に凹凸が形成され、遮光フィルムの表面同士が貼り付くことを抑制することができ、遮光フィルムのブロッキングを防止することが可能となる。また、シリカ粒子の含有率が30質量%以下と低いため、遮光層中の他の成分、特にバインダー樹脂の含有率を高くすることが可能であるため、基材フィルムと遮光層との接着性を向上させることが可能となる。シリカ粒子の含有率が10質量%より少ないと、遮光フィルムの表面に形成される凹凸が少なくなるため、ブロッキング防止効果が低下し、30質量%より多いと、バインダー樹脂の含有率を下げる必要が出てくるため、基材フィルムと遮光層との接着性が低下する。
また、シリカ粒子は、その表面がシランカップリング処理されたシリカ粒子であることが好ましい。これにより、更に遮光フィルムのブロッキング防止効果を向上させることが可能となる。シリカ粒子表面をシランカップリング処理すると、シリカ粒子表面の親水性が高くなることにより、水分散性、沈降安定が良好になり、遮光層表面により均一にシリカ粒子が分散されるようになる。そのため、遮光層表面のシリカ粒子の分散状態にむらがある場合と比較すると、遮光フィルム同士の貼り付きを、より効果的に抑制することができるようになり、遮光フィルムのブロッキング防止効果を向上させることが可能となる。この種のシランカップリング剤の具体例としては、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の遮光フィルムは、このように、遮光層中に、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子と平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子とを含有するため、球状のシリコーン粒子のバインダー樹脂や基材フィルムとの親和性の低さと、シリカ粒子による遮光フィルム表面の凹凸の形成との相乗効果により、遮光フィルムのブロッキングを効果的に防止することが可能である。
また、平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子は、遮光フィルム表面の光沢度を下げる艶消し剤としての機能も果たす。シリカ粒子は球状であっても、形状が特定されていない不定形であってもよいが、遮光フィルム表面の光沢度を下げるという観点からは、不定形であることが好ましい。また、シリカ粒子の表面がシランカップリング処理されていることは、遮光フィルム表面の光沢度を下げるという観点からも好ましい。これにより、更に遮光フィルム表面の光沢度を下げることができ、また、シリカ粒子の遮光層中の含有率を、上記好ましい含有率の範囲の中で、より低下させることが可能となる。遮光層中のシリカ粒子の含有率を低下させることができると、上述のように、遮光層中の他の成分、特にバインダー樹脂の含有率を高くすることが可能であるため、基材フィルムと遮光層との接着性を向上させることが可能となる。
平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子としては、例えば、天然に存在する結晶性シリカや合成によって得られる非晶性シリカなどの粉末等を用いることができる。また、その表面がシランカップリング処理されたシリカ粒子としては、例えば、「富士シリシア化学社製、商品名:サイリシアFグレード、サイリシアEグレード」、「東ソー・シリカ社製、商品名:ニプシルSSグレード」等を用いることができる。
本実施の形態の遮光フィルムにおいて、遮光層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリブチラール樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。本発明で用いるバインダー樹脂は遮光層の薄型化と高遮光性を得るために使用する黒色顔料の粒径をできるだけ小さく、かつ均一に分散させるためにも、水溶性又は水分散性の樹脂を用いるのが好ましい。さらに、バインダー樹脂としては、平面性、摺動性及び耐熱性の観点から、Tg(ガラス転移温度)は10℃以上が好ましく、更に好ましくは10〜150℃、特に好ましくは15〜140℃である。軟化点温度は、同様の観点から80℃以上が好ましく、更に好ましくは80〜300℃であり、特に好ましくは85〜290℃であり、最も好ましいのは90〜290℃である。
バインダー樹脂としてはポリエステル樹脂を用いるのが更に好ましい。ポリエステル樹脂をバインダー樹脂として用いることにより、硬度及び耐傷性に優れるとともに、平面性に優れた遮光フィルムを得ることができる。ポリエステル樹脂は、従来公知の製造方法によりポリオールと多塩基酸を触媒の下で反応させて容易に得ることができる。ポリオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール又はテトラエチレングリコールを挙げることができる。多塩基酸としては、芳香族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル、これらの酸無水物等を挙げることができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等を挙げることができる。
なお、本実施形態において、Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により測定されたものであり、軟化点温度は、針入度法により測定されたものである。
遮光層中のバインダー樹脂の含有率は、60〜80質量%であり、65〜80質量%であることが好ましく、70〜80質量%であることが更に好ましい。60質量%より少ないと、基材フィルムと遮光層との接着性が低下し、80質量%より多いと、黒色顔料、シリカ粒子等の含有率が低下することになるため、遮光性、艶消し性等が低下する。そして、特に、70質量%以上とすることにより、基材フィルムと遮光層との接着性に優れた遮光フィルムとすることができる。
遮光層に含有されるバインダー樹脂は、遮光層の塗膜強度や耐熱性の向上の観点より、上記のバインダー樹脂を架橋剤により架橋したものであってもよい。架橋剤としては、上記のバインダー樹脂の官能基と反応性を有する架橋剤を適宜選択すればよく、例えば、水溶性の尿素樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、多価グリシジル化合物、アジリジン系化合物等が挙げられる。架橋剤の配合割合は、上記のバインダー樹脂(架橋前の樹脂)成分100質量部に対し、1〜15質量部の範囲であることが好ましい。この範囲より架橋剤の使用量が少ないと塗膜強度や耐熱性の向上が期待できないことがあり、この範囲を超えて配合してもさらなる向上が期待できないことがある。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、黒色顔料としては、従来公知の各種のもの、例えば、カーボンブラックや、チタンブラック等の無機顔料やアニリンブラック等の有機顔料等を用いることができる。これらの中でも、黒色顔料としてカーボンブラックを用いることが、遮光性に特に優れる点において特に好ましい。黒色顔料の平均粒径は1μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以下である。その下限値は、通常、0.01μm程度である。平均粒径がこの範囲より大きくなると、光沢度は十分に低くなるが、遮光性が低下するので好ましくない。このような顔料を凝集させずに、均一に分散させることにより、高遮光性と薄型化に対応することが可能になる。このような顔料としては、黒色顔料を水性溶媒に予め分散したものを用いるのが好ましい。黒色顔料の平均粒径は、遠心沈降法(測定装置:島津製作所社製光透過型・遠心沈降式粒度分布測定装置「SA−CP3型」、測定モード10〜0.02μm、加速度120rpm/分)で測定した値である。
遮光層中の黒色顔料の含有率は、9〜20質量%であり、12〜18質量%であることが好ましい。黒色顔料をこのような範囲にすることにより、遮光フィルムの導電性及び塗膜強度を良好に維持しながら、遮光性に優れたものとすることができる。この範囲より少ないと、遮光性及び導電性が低下し、この範囲より多いと塗膜強度が低下し、またコスト高になる。
本実施形態の遮光フィルムは、遮光層中にワックスを含有してもよい。ワックスを含有することにより、遮光フィルムのブロッキング防止効果を向上させることができる。ここで、ワックスとは、脂肪酸と高級アルコール類とのエステルをいい、天然に存在するものや合成によって得られるものがある。使用に際しては、それらワックスと水とをエマルジョン化した、いわゆるワックスエマルジョンの形で用いるのが好ましい。そのようなワックスエマルジョンとしては、例えば、「東邦化学工業社製、商品名:ハイテックEシリーズ、ハイテックPシリーズ」、「興洋化学社製、商品名:ミクロフラットCJシリーズ」等を使用することができる。遮光層中のワックスの含有率は、0.2〜2質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。0.2質量%より少ないと、ワックス添加によるブロッキング防止効果を得難くなることがあり、2質量%より多いと、塗膜がもろくなることがある。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、基材フィルム(基材)としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマー等の合成樹脂フィルム等が用いられるが、特にポリエステルフィルムがコストと性能とのバランスに優れているので好適である。また、基材フィルムは透明なものはもちろん、発泡ポリエステルフィルムや、カーボンブラック等の黒色顔料や他の顔料を含有させた合成樹脂フィルムを使用することもできる。この場合、その基材フィルムはその用途により適当なものを選ぶことができる。例えば、より高い遮光性が必要な場合には黒色顔料含有の合成樹脂フィルムを使用することができ、そうでない場合には透明もしくは発泡した合成樹脂フィルムを使用することができる。基材フィルムの厚みは使用目的や利用分野等により様々であるが12.5〜125μmが好ましく、更に好ましくは12.5〜75μmである。
本実施形態の遮光フィルムは、光学濃度が5.0以上であることが好ましい。光学濃度が5.0より小さいと遮光性において不十分のことがある。また、光沢度が6.0%以下であることが好ましい。光沢度が6.0%を超えると、遮光層表面の写りこみの発生低減効果が低下することがある。遮光フィルムの光学濃度は光学濃度計(マクベス社製TD−904)を用いて測定した値である。光沢度は、光沢度計(村上色彩技術研究所製、GMX−202)を用いて鏡面光沢度を測定して得られた値である。
本実施形態の遮光フィルムにおいて、遮光層には、上述したバインダー樹脂、黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子、及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子に加えて、必要に応じて公知の各種添加剤が含有されてもよい。添加剤としては、界面活性剤、静電防止剤、潤滑剤、消泡剤等を挙げることができる。
以上のように、本発明の遮光フィルムは、カメラ等のシャッター、絞り等の部材(遮光部材)に成形するときの、平面性を出すためのプレス工程においても、ブロッキングを防止することができ、カメラ等の生産性の向上を図ることが可能となる。また、製造されたカメラ等が自動車内等で高温に曝された場合でも、本発明の遮光フィルムからなるシャッターや絞りは、互いに貼りついたりすることがないため、シャッター等のブロッキングによる故障を回避することが可能となる。さらに、本発明の遮光フィルムは、表面の光沢度が低い(艶消し性に優れる)ため、遮光層表面の写りこみの発生を低減することができる。そして、本発明の遮光フィルムは、本来の特性である遮光性の高さを十分に備えたものである。
次に、本発明の遮光フィルムの製造方法の一の実施形態について説明する。
本発明の遮光フィルムの一実施形態の製造方法は、基材フィルム(基材)の少なくとも一方の面に、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有する遮光層塗工液を塗布、乾燥して遮光フィルムとするものである。
遮光層塗工液は、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を溶媒に溶解又は分散し、必要に応じて各種添加剤を添加して混合したものである。溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物等を用いることができる。本実施形態において、基材、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子、平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子及び各種添加剤は上記本発明の遮光フィルムの説明において挙げたものを使用することができる。特に、黒色顔料については、カーボンブラックが水分散性であるため、塗工液全体に均一に分散させることができる点で好ましい。また、バインダー樹脂については、水溶性又は水分散性であることが、塗工液全体に均一に分散させることができる点で好ましい。そして、遮光層塗工液中の各配合物の配合量は、乾燥させて遮光層を形成したときに、上記本発明の遮光フィルムにおける遮光層の各配合物の含有量となるように調製する。
ここで、遮光層形成に先立って、必要に応じ、遮光層と基材フィルムの接着性向上のために常用されている表面処理を基材に施すこともできる。このような表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、電子線処理、放射線処理等のような表面活性化処理;サンドマット処理、ヘアライン処理等の粗面化処理のような物理的処理;オゾン処理、化学薬品処理のような化学的表面処理;ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等からなるアンカー層を形成するアンカー処理等が挙げられる。
次に、遮光層塗工液を塗布した基材を乾燥させて本実施形態の遮光フィルムを得る。乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を使用できるが、熱風乾燥が好ましい。乾燥後の遮光層の厚さは、上記本発明の遮光フィルムにおける好ましい遮光層の厚さと同様にすることが好ましい。
得られた遮光フィルムは、光学濃度が5.0以上であることが好ましく、光沢度が6.0%以下であることが好ましい。光学濃度が5.0より小さいと遮光性において不十分のことがある。光沢度が6.0%を超えると、遮光層表面の写りこみの発生低減効果が低下することがある。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
(1)遮光性:
マクベス社製の光学濃度計TD−904にて遮光フィルムの光学濃度を測定した。光学濃度が5以上の場合を良好「○」とし、光学濃度が5より小さい場合を不良「×」とした。
(2)光沢度(%):
光沢度計(村上色彩技術研究所社製 GMX−202)にて60°の光沢度を測定した。光沢度が6%以下の場合を良好「○」とし、光沢度が6%より大きい場合を不良「×」とした。
(3)ブロッキング性:
10×20mmに切断した遮光フィルム20枚を重ねて、その両側から100×100mm、厚さ8mmの2枚のガラス板で挟み、4kgの重りを載せて、80℃の熱風乾燥機中に1時間放置した。その後、熱風乾燥機から取り出し、冷却後にガラス板から開放した。その際、そのままの状態で自然に20枚の遮光フィルムが分離したものを良好「○」とし、開放しても完全にブロッキングし一塊となったものや、一部フィルム同士がくっついて力を入れないと分離できなくなったものを不良「×」とした。
(4)密着性(基材と遮光層との接着性):
JIS K5400に準拠し、セロテープ碁盤目剥離試験を行った。コーテック社製、碁盤目試験ガイドを用い、カッターで縦横1mm巾の碁盤目を形成し、粘着テープ(ニチバンNo.405 24mm巾)で剥離テストを行った。全く剥がれなかったものを良好「○」とし、1目もしくはそれ以上剥がれたものを不良「×」とした。
(5)厚さ(μm):
紙厚測定器(シチズン社製 MEI−10)にて3点測定しその平均値を求めた。
(6)平均粒子径(μm):
光透過型・遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所社製 SA−CP3型、測定モード10〜0.02μm、加速度120rpm/分)にて測定した。
(実施例1)
厚さ38μmのカーボンブラック含有ポリエステルフィルムの両面に、遮光層塗工液を塗布し、100℃で2分間乾燥して、片面の厚さ9μmの遮光層を形成することにより遮光フィルムを得た。遮光層塗工液としては、ポリエステルエマルジョン(固形分30質量%の水分散体)100.00質量部、平均粒子径0.3μmの黒色顔料(固形分32質量%の水分散体)21.20質量部、平均粒子径2μmの球状のシリコーン粒子0.051質量部、及び平均粒子径5μmのシリカ粒子5.95質量部、エタノール9.21質量部、水53.51質量部を混合したものを用いた。バインダー樹脂(バインダー)を含有するポリエステルエマルジョンは、そのポリエステル樹脂(バインダー樹脂)の数平均分子量が20,000、Tg61℃のものを用いた。数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)により測定した値である。Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により得た値である。黒色顔料としては、平均粒子径0.3μmのカーボンブラックを使用した。シリカ粒子としては、表面がシランカップリング処理されたものを使用した。なお、遮光フィルム全体の厚さは56μmであった。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分(バインダー樹脂(バインダー)、黒色顔料、シリコーン粒子及びシリカ粒子)の含有率を表1に示す。表1において、「組成」の欄に記載の数値が各成分の含有率を表し、「粒径」は「平均粒子径」を示す。また、遮光層塗工液に含有される各成分の組成比を表2に示す。表2において、「エマルジョン」は、「ポリエステルエマルジョン」のことであり、「黒色顔料」は、「黒色顔料の水分散体」のことである。得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005288433
Figure 0005288433
Figure 0005288433
(実施例2)
遮光層塗工液に含有されるシリコーン粒子の平均粒子径を0.5μmとした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例3)
遮光層塗工液に含有されるシリコーン粒子の平均粒子径を4.5μmとした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例4)
遮光層塗工液に含有されるシリカ粒子の平均粒子径を4μmとした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例5)
遮光層塗工液に含有されるシリカ粒子の平均粒子径を6μmとした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例6)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例7)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例8)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例9)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例10)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例11)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例12)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例13)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例14)
遮光層塗工液に含有されるポリエステルエマルジョン中のポリエステル樹脂の数平均分子量が20,000、Tg17℃のものを用いた以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例15)
遮光層塗工液に含有されるポリエステルエマルジョン中のポリエステル樹脂の数平均分子量が20,000、Tg80℃のものを用いた以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例16)
遮光層塗工液中にポリエステル樹脂に対して3質量%の架橋剤(ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル)を追加した以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。表2において、実施例16の「その他」の欄の数値が、架橋剤の組成比を示す。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。尚、遮光層が形成されたときには、架橋剤は、バインダー樹脂と反応し、架橋したバインダー樹脂が形成されている。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(実施例17)
遮光層塗工液中にポリエステル樹脂に対して固形分として2質量%のワックス(ポリエチレンワックスエマルジョン、固形分:40質量%)を追加した以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。表2において、実施例17の「その他」の欄の数値が、ワックスの組成比を示す。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例1)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例2)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例3)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例4)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例5)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例6)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例7)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例8)
遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例9)
遮光層塗工液中にシリコーン樹脂を含有させず、遮光層塗工液中の各成分の組成比を、表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例10)
遮光層塗工液に含有されるシリカ粒子の代わりに、有機フィラー(ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、粒径:4.5μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。表2において、有機フィラーは、「シリカ粒子」の欄に「フィラー」として示した。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
(比較例11)
遮光層塗工液に含有されるシリコーン粒子の平均粒子径を12μmとした以外は、実施例1と同様にして遮光フィルムを得た。得られた遮光フィルムの遮光層中の各成分の含有率を表1に示す。また、得られた遮光フィルムについて、上記方法により、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性を測定した。結果を表3に示す。
表3より、遮光層が、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有し、遮光層中の、バインダー樹脂の含有率を60〜80質量%、黒色顔料の含有率を9〜20質量%、シリコーン粒子の含有率を0.05〜0.50質量%、シリカ粒子の含有率を10〜30質量%とすることにより、遮光性、光沢度、ブロッキング性(ブロッキング)及び密着性に優れた遮光フィルムが得られることがわかる。
本発明は、カメラ、ビデオカメラ等の各種光学機器のシャッターや絞りなどの遮光部材として好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 基材フィルム(基材)と、前記基材の少なくとも一方の面に配設された遮光層とを備え、
    前記遮光層が、バインダー樹脂、平均粒子径1μm以下の黒色顔料、平均粒子径0.5〜5μmの球状のシリコーン粒子及び平均粒子径1〜10μmのシリカ粒子を含有し、
    前記遮光層中の、バインダー樹脂の含有率が60〜80質量%、黒色顔料の含有率が9〜20質量%、シリコーン粒子の含有率が0.05〜0.50質量%、シリカ粒子の含有率が10〜30質量%である遮光フィルム。
  2. 前記シリカ粒子が、その表面がシランカップリング処理されたシリカ粒子である請求項1に記載の遮光フィルム。
  3. 前記バインダー樹脂のTgが、10〜150℃である請求項1又は2に記載の遮光フィルム。
  4. 前記バインダー樹脂が、架橋剤で架橋された樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の遮光フィルム。
  5. 前記遮光層が、更にワックスを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の遮光フィルム。
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