JP5287326B2 - 投射用ズームレンズ及び投射型画像表示装置 - Google Patents
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Description
0.05<F/F2<0.23 (1)
を満たす。
0.12<|F1/F2|<0.30 (2)
を満たす。
0.2<F3/F2<0.5 (3)
を満たす。この場合、第3レンズ群の強い正のパワーによって第3レンズ群を通過した発散光を第4レンズ群に導くことができ、上記のような接合レンズとすることにより、製造時の誤差の発生を防ぐことが可能となる。ここで、条件式(3)は、第2レンズ群と第3レンズ群との焦点距離の比に関する条件であり、第2レンズ群のパワーと第3レンズ群のパワーとを条件式(3)の範囲内とすることにより、コマ収差、非点収差等をバランスよく補正することが可能となる。
0.2<F/F34<0.4 (4)
を満たす。上述のように、第3及び第4レンズ群は、ズーミング時に主に変倍の役割を担う。ここで、条件式(4)は、第3レンズ群と第4レンズ群との合成パワーに関する条件であり、条件式(4)の範囲内とすることにより、投射用ズームレンズを明るく小型な光学系とできる。
0.2<Fs/Fa<0.5 (5)
を満たす。この場合、縮小側負レンズが樹脂材料で形成された非球面を有しており、歪曲収差を小さく抑えることができるが、このような非球面を縮小側負レンズに設けることにより、環境変化の影響を受けにくくすることができる。樹脂を材料とするレンズの場合、ガラスを材料とするレンズと比較すると、線膨張係数や屈折率温度係数が1桁以上大きいために、面形状の変化や、内部屈折率の変化による焦点位置ずれや、樹脂の吸水性、すなわち樹脂が水分の吸収することによる内部屈折率の部分的な変化による性能劣化が問題となることがある。樹脂レンズの場合、このような欠点があるため、パワーを弱くするとともに、拡大側に凸面としたメニスカス形状とすることにより、各面への光線の入射角が大きくならないようにすることが好ましい。ここで、条件式(5)は、第1レンズ群内の非球面を樹脂製とする場合の条件であり、条件(5)の範囲内で樹脂非球面を有する縮小側負レンズのパワーをそれ以外のレンズである拡大側負レンズ部のパワーに比較して制限することにより、良好な性能を維持しながら、環境変化による影響を防ぐことが可能となる。
以下、図1、図2等を参照して、本発明の第1実施形態に係る投射用ズームレンズについて説明する。なお、図1(A)は、広角端(wide)における投射用ズームレンズ40の状態を示し、図1(B)は、望遠端(tele)における投射用ズームレンズ40の状態を示す。
0.05<F/F2<0.23 (1)
ここで、Fは、第1レンズ群G1から第5レンズ群G5までを合わせた全系の広角端における焦点距離であり、F2は、第2レンズ群G2の焦点距離である。条件式(1)は、第2レンズ群G2のパワーに関する条件で、投射光学系としての十分な明るさを得ると同時に、コマ収差、非点収差、色収差等をバランスよく補正するための条件であり、かつ、広角端から望遠端へのズーミング時に、これらの緒収差の変動を小さく抑えるための条件である。つまり、第2レンズ群G2は、条件式(1)の上限を超えない程度に正のパワーを抑えられており、第2レンズ群G2を1枚の正レンズで構成することが容易で、コマ収差、非点収差等をバランスよく補正することができる。また、第2レンズ群G2は、条件式(1)の下限を下回らない程度に正のパワーを強くされており、変倍時に第2レンズ群G2の移動量を小さくでき、ズーム時の色収差の変動を小さくすることができる。
0.12<|F1/F2|<0.30 (2)
が満たされる。この条件式(2)は、第1レンズ群G1の焦点距離と第2レンズ群G2の焦点距離との比に関する条件であり、条件式(2)の範囲内で、第1レンズ群G1のパワーと第2レンズ群G2のパワーとを適切に配分することにより、十分なバックフォーカスを得るための十分な負のパワーを維持しながら、広画角で平坦な像面を得ることができ、広角系で発生しやすい倍率色収差を小さく抑えることが可能となり、また、広い画角域での歪曲収差、コマ収差を良好に補正することが可能となる。すなわち、第2レンズ群G2の正のパワーは、第1レンズ群G1に対して条件式(2)の上限を超えない程度に抑えられており、1枚の正レンズのみで構成しているにもかかわらず、コマ収差や歪曲収差をバランスよく補正することができる。また、第2レンズ群G2の正のパワーは、条件式(2)の下限を下回らない程度に強めてあり、第1レンズ群で発生する倍率色収差を第2レンズ群G2で補正することができる。
0.2<F3/F2<0.5 (3)
が満たされる。この条件式(3)は、第2レンズ群G2の焦点距離と第3レンズ群G3の焦点距離との比に関する条件であり、第2及び第3レンズ群G2,G3のパワーを条件式(3)の範囲内とすることにより、コマ収差や非点収差をバランスよく補正することが可能となる。すなわち、第3レンズ群G3の正のパワーは、条件式(3)の上限を超えない程度に強めてあり、非点収差のバランスよい補正が可能になる。また、第3レンズ群G3の正のパワーは、条件式(3)の下限を下回らない程度に抑えられており、第1及び第2レンズ群G1,G2で良好に補正された色収差を悪化させることなく像面湾曲や非点収差を小さく抑えることができ、画面周辺部での色フレアー等が悪化することを防止できる。また、第3レンズ群G3の正のパワーを抑制することで、第3レンズ群G3を2枚の正負接合レンズで無理なく構成することができ、低感度化や低価格化の観点で有利になっている。
0.2<F/F34<0.4 (4)
を満たす。この条件式(4)は、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成パワーに関する条件であり、条件式(4)の範囲内とすることにより、投射用ズームレンズ40を明るく小型な投射光学系とできる。すなわち、第3及び第4レンズ群G3,G4の正の合成パワーは、全系に対して条件式(4)の上限を超えない程度に抑えられており、球面収差や軸外コマ収差の悪化を抑え、画面全域においてコマフレアーが増加することを防止できるとともに、明るいFナンバーを得ており、十分な周辺光量を確保できる。なお、条件式(4)の上限を超えると、球面収差や軸外コマ収差を小さくすることが困難になり、高屈折率のガラスなどを採用する必要が生じ、低価格化という点で好ましくない。第3及び第4レンズ群G3,G4の正の合成パワーは、条件式(4)の下限を下回らない程度に強めてあり、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との合成の負のパワーをある程度強めることができるので、ズーミングの際の第3及び第4レンズ群G3,G4の移動量を抑えることになり、小型化の観点で有利になっている。また、第3及び第4レンズ群G3,G4間には絞り45が設けられるため、第3及び第4レンズ群G3,G4の移動量を少なくすることで、広角端に対する望遠端での絞り45の移動量が減少し、望遠端でのFナンバーの変動を抑えて投射用ズームレンズ40を明るくできる。
0.2<Fs/Fa<0.5 (5)
を満たす。この条件式(5)は、第1レンズ群G1内の第2の負メニスカスレンズL2を非球面の樹脂レンズとする場合の条件であり、条件(5)の範囲内で第2の負メニスカスレンズL2とそれ以外のレンズのパワーを制限することにより、良好な性能を維持しながら、環境変化による影響を防ぐことが可能となる。すなわち、第2の負メニスカスレンズL2の負のパワーは、条件式(5)の上限を超えない程度に抑えられており、温度、湿度等の環境変化による影響を受けにくい。特に温度に関しては、プロジェクターに組み込んだ場合、ランプの点灯直後から使用中に、機器内部の温度の上昇によって部分的な温度変化が生じる可能性が高いが、上記のようなパワーの制限によって、焦点位置の移動や、像面湾曲が変化する現象を抑えることができる。また、第2の負メニスカスレンズL2の負のパワーは、条件式(5)の下限を下回らない程度に強めてあり、第1の負メニスカスレンズL1の負のパワーの負担が大きくなりすぎることを防止している。これにより、第1レンズ群内の負レンズを増加させることなく、特に広角端における負の歪曲収差が周辺部で急激に変化して画面外枠部における歪曲度が増加するのを防止することができる。
(2a)第1の具体例
表1に、投射用ズームレンズ40の第1の具体例のレンズデータ等を示す。この表1の上欄において、「面番号」は、物面OS側から順に各レンズの面に付した番号である。また、「R」は、曲率半径を示し、「D」は、次の面との間のレンズ厚み或いは空気空間を表している。さらに、「Nd」は、レンズ材料のd線における屈折率を示し、「νd」は、レンズ材料のd線におけるアッベ数を示す。なお、「D」の欄において、距離D4,D6,D9,D17は、可変間隔を示しており、表1の中欄に、「広角端」、「中間」、及び「望遠端」における各距離D4,D6,D9,D17の値が示されている。
図4は、第2の具体例における投射用ズームレンズ40の具体的構成を示す図である。第2の具体例における投射用ズームレンズ40は、第1実施形態として、第1の具体例における投射用ズームレンズ40と基本的に同一構造を有しており、詳細な説明を省略する。
図6は、投射型画像表示装置100の概念図である。投射型画像表示装置のうち像形成光学部60は、システム光軸SAに沿って、均一化した光源光を出射する光源装置61と、光源装置61から出射された照明光を赤・緑・青の3色に分離する分離照明系63と、分離照明系63から出射された各色の照明光によって照明される光変調部65と、光変調部65を経た各色の変調光を合成するクロスダイクロイックプリズム67とを備える。
図7(A)及び7(B)は、第2実施形態に係る投射用ズームレンズのレンズ構成を示す。図7(A)は、広角端における投射用ズームレンズ40の状態を示し、図7(B)は、望遠端における投射用ズームレンズ40の状態を示す。本実施形態の投射用ズームレンズ40は、図1に示す第1実施形態の投射用ズームレンズ40を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同一の構造を有する。
図7(A)等に示すように、投射用ズームレンズ40は、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーの第1レンズ群G1と、正のパワーの第2レンズ群G2と、正のパワーの第3レンズ群G3と、正のパワーの第4レンズ群G204と、正のパワーの第5レンズ群G5とを備えている。ここで、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第5レンズ群G5とは、第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同様のものとなっており、第4レンズ群G204のレンズ構成のみが第1実施形態の第4レンズ群G4と異なったものとなっている。すなわち、第4レンズ群G204は、拡大側(出射側)から縮小側(入射側)にかけての順に、拡大側が凹で縮小側が凸の接合レンズL206と、縮小側が凸の正メニスカスレンズL7とで構成され、変倍に際して光軸OAに沿って一体的に移動する。このうち、接合レンズL206は、拡大側に配置される両凹の負レンズL261と、縮小側に配置される両凸の正レンズL262とからなる。また、正レンズL262の縮小側の凸面216aに非球面を配置している。この場合、少なくとも接合レンズL206の1面を非球面とすることになり、効果的に球面収差、コマ収差等を補正することが可能となる。
表3に、投射用ズームレンズ40の第3の具体例(第1実施形態からの通し番号で具体例に序数を付している)のレンズデータ等を示す。この表3の上欄において、「面番号」、「R」、「D」、「Nd」、「νd」等の諸元が示されている。また、表3の中欄に、本具体例の「広角端」、「中間」、及び「望遠端」における各距離D4,D6,D9,D15の値が示されている。第3の具体例では、3面、4面、及び13面が非球面となっており、表3の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
図9(A)及び9(B)は、第3実施形態に係る投射用ズームレンズのレンズ構成を示す。図9(A)は、広角端における投射用ズームレンズ40の状態を示し、図9(B)は、望遠端における投射用ズームレンズ40の状態を示す。本実施形態の投射用ズームレンズ40は、図1に示す第1実施形態の投射用ズームレンズ40を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同一の構造を有する。
図9(A)等に示すように、投射用ズームレンズ40は、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーの第1レンズ群G301と、正のパワーの第2レンズ群G2と、正のパワーの第3レンズ群G3と、正のパワーの第4レンズ群G4と、正のパワーの第5レンズ群G5とを備えている。ここで、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、第5レンズ群G5とは、第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同様のものとなっており、第1レンズ群G301のレンズ構成のみが第1実施形態の第1レンズ群G1と異なったものとなっている。すなわち、第1レンズ群G301は、拡大側(出射側)から縮小側(入射側)にかけての順に、拡大側が凸の第1の負メニスカスレンズL1と、拡大側が凸の第2の負メニスカスレンズL302とを含む2枚のレンズで構成され、変倍に際して光軸OA上に固定され移動しない。ここで、第1の負メニスカスレンズL1は拡大側負レンズ部として機能し、第2の負メニスカスレンズL302は縮小側負レンズとして機能する。このうち、第2の負メニスカスレンズL302は、縮小側の凹面316a上に薄い樹脂層を形成した複合非球面レンズとなっている。このように、非球面の薄い樹脂層を、第2の負メニスカスレンズL302の凹面316a側に配置することで、歪曲収差を効果的に補正することができる。
(2a)第4の具体例
表4に、投射用ズームレンズ40の第4の具体例のレンズデータ等を示す。この表4の上欄において、「面番号」、「R」、「D」、「Nd」、「νd」等の諸元が示されている。また、表4の中欄に、本具体例の「広角端」、「中間」、及び「望遠端」における各距離D5,D7,D10,D18の値が示されている。第4の具体例では、5面、及び12面が非球面となっており、表4の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
図11は、第5の具体例における投射用ズームレンズ40の具体的構成を示す図である。第5の具体例における投射用ズームレンズ40は、第3実施形態として、第4の具体例における投射用ズームレンズ40と基本的に同一構造を有しており、詳細な説明を省略する。
図13(A)及び13(B)は、第4実施形態に係る投射用ズームレンズのレンズ構成を示す。図13(A)は、広角端における投射用ズームレンズ40の状態を示し、図13(B)は、望遠端における投射用ズームレンズ40の状態を示す。本実施形態の投射用ズームレンズ40は、図1に示す第1実施形態の投射用ズームレンズ40を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同一の構造を有する。
図13(A)等に示すように、投射用ズームレンズ40は、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーの第1レンズ群G401と、正のパワーの第2レンズ群G2と、正のパワーの第3レンズ群G3と、正のパワーの第4レンズ群G404と、正のパワーの第5レンズ群G5とを備えている。ここで、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第5レンズ群G5とは、第1実施形態の投射用ズームレンズ40と同様のものとなっており、第1レンズ群G401のレンズ構成と、第4レンズ群G404のレンズ構成とが第1実施形態と異なったものとなっている。
表6に、投射用ズームレンズ40の第6の具体例のレンズデータ等を示す。この表6の上欄において、「面番号」、「R」、「D」、「Nd」、「νd」等の諸元が示されている。また、表6の中欄に、本具体例の「広角端」、「中間」、及び「望遠端」における各距離D7,D9,D12,D18の値が示されている。第6の具体例では、7面、及び16面が非球面となっており、表6の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
Claims (4)
- 拡大側から順に、負のパワーを有する第1レンズ群と、正のパワーを有する第2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワーを有する第4レンズ群と、正のパワーを有する第5レンズ群から構成される投射用ズームレンズであって、
広角側から望遠側にズーミングする際に、前記第1レンズ群と、前記第5レンズ群とが固定され、前記第2レンズ群と、前記第3レンズ群と、前記第4レンズ群とが移動し、
前記第2レンズ群は、1枚の拡大側に凸面を向けた正レンズのみで構成され、
前記第1レンズ群から前記第5レンズ群までを合わせた全系の広角端における焦点距離をF、第2レンズ群の焦点距離をF2とするときに、以下の条件式
0.05<F/F2<0.23 (1)
を満たし、
前記第1レンズ群は、少なくとも2枚の拡大側に凸面を向けた負レンズのみで構成され、前記第1レンズ群の焦点距離をF1とするときに、以下の条件式
0.12<|F1/F2|<0.30 (2)
を満たす、投射用ズームレンズ。 - 前記第1レンズ群を構成する複数の負レンズのうち、最も縮小側の縮小側負レンズは、樹脂材料を含んで形成されるとともに、少なくとも1面の非球面を有し、
前記縮小側レンズよりも拡大側に配置された少なくとも1枚の負レンズを含む拡大側負レンズ部の合成焦点距離をFsとし、前記縮小側負レンズの焦点距離をFaとするときに、次の条件式
0.2<Fs/Fa<0.5 (5)
を満たす、請求項1に記載の投射用ズームレンズ。 - 前記第1レンズ群を構成する前記縮小側負レンズは、ガラス材料で形成された球面レンズの凹面側の光学面上に樹脂層を形成した複合型非球面レンズである、請求項1に記載の投射用ズームレンズ。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の投射用ズームレンズと、前記投射用ズームレンズの光路前段に設けられた像形成光学部とを備える投射型画像表示装置。
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