JP5281225B2 - オレフィン系樹脂の接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水系エマルション型プライマー及び湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を用いてオレフィン系樹脂の接着を行う方法に関する。
近年、自動車業界や建材業界において、部材の軽量化および環境負荷の低減を目標として従来は鋼材や塩化ビニル樹脂などによって製造されていた製品のオレフィン系樹脂への代替が進んでいる。ポリプロピレンやポリエチレンおよびそれらの樹脂にEPDM成分等のゴム成分を付与したポリオレフィンエラストマー(TPO)などの低活性樹脂は、安価で比較的強度に優れていることから自動車部品ではバンパー、インストルメントパネル、トリム等、建材部材としては巾木や化粧シート等の内装部材として幅広く使用されている。
オレフィン系樹脂は一般に接着剤、シール剤、コーティング剤等との密着性が不十分であるため、塩素化ポリプロピレンを基材表面に塗布して接着界面の濡れ性を改善した後、2液溶剤タイプおよび1液溶剤タイプの接着剤を使用する工法が取られている。
しかしながら、溶剤タイプの接着剤は引火、爆発の危険性、溶剤による作業環境の悪化、溶剤乾燥時の光熱費の問題がある。
シアノアクリレート系接着剤の場合、専用表面処理剤を併用する接着方法があるが、白化による外観上の問題がある。
また、従来よりコロナ放電処理やプラズマ放電による表面処理が検討されていたが、高価な特殊設備が必要である上に、密着性改善効果も少なく、更に改善された密着性が経時的になくなってしまうという問題がある。
他の接着性改善技術として樹脂の光改質があるが、次のような問題がある。特開昭64−9243公報によるとオレフィン系樹脂に紫外線吸収性溶剤を接触させた後に紫外線照射を行う方法が提案されているが、接触時間が長く生産性が悪いことおよび改質効果に問題がある。特開平5−271444公報では、オレフィン系樹脂に紫外線を照射した後、光重合開始剤を配合した溶液を塗布した後、再度紫外線を照射する方法が提案されているが、改質のために紫外線照射工程が二度あり、工程が複雑で生産コスト面での問題がある。特開平6−336575公報では光開始剤を含む溶液を基材表面に塗布した後に紫外線照射を行い、更にイソシアネートを主成分とするプライマーを塗布する改質方法が提案されているが、工程が複雑で経済的でない。
特開昭64−009243号公報 特開平05−271444号公報 特開平06−336575号公報
本発明の課題は、上述の欠点を解決し、生産性が高い方法でオレフィン系樹脂からなる基材表面の接着性を改善した、オレフィン系樹脂の接着方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決する改質方法を鋭意検討し、本発明を完成した。即ち、本発明は、オレフィン系樹脂から成る基材に、酸変性塩素化オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーを塗布し、前記プライマーを60〜180℃の温度で加熱して乾燥を行った後、水系エマルション型プライマーにより形成された被覆層に光照射し、次いで前記被覆層の上に、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とし、融点が40℃以上150℃以下である湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤の熱溶融層を形成させ、前記酸変性塩素化オレフィン樹脂の被覆層と前記熱溶融層を介してオレフィン系樹脂から成る基材と被着材とを接合させるオレフィン系樹脂の接着方法である。
オレフィン系樹脂から成る基材を酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーで処理して湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤で接着することにより、プライマーによる処理を実施しなかった場合と比較して、高い接着力を得ることができ、またプラズマ照射やコロナ放電による処理を実施した場合と比較しても、高い接着力を得ることができる。
更に、水系エマルション型プライマーの乾燥温度を高めることにより、より高い接着力を得ることができる。
また、プライマー塗布面に更に光を照射することにより、より高い剥離接着力を得ることができる。
また、プライマーにエマルション型を採用し、接着剤に無溶剤の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤を採用することにより、従来の溶剤型プライマーと溶剤型接着剤の組み合わせと比較して、有機溶剤による引火、爆発の危険性、作業環境の悪化、溶剤乾燥時の光熱費等の問題を改善することができる。
本発明の方法により、オレフィン系樹脂からなる基材どうし、或いはオレフィン系樹脂と金属、プラスチック、セラミックス、ガラス等、各種材料とを強固に接着できる。
○オレフィン系樹脂
本発明で用いられるオレフィン系樹脂は、好ましくは炭素数2〜6のオレフィンの重合体であり、好ましい具体例として硬質ポリオレフィンとしてポリエチレン、ポリプロピレン(アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれも含む。以下同様)、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、またポリオレフィンエラストマーとしてエチレンプロピレンゴム、EPDMおよび上記硬質ポリオレフィンにエチレンプロピレンゴムやEPDMを配合させたTPO(熱可塑性ポリオレフィン)や上記材料に添加物、充填物を加えたものなどがある。
本発明におけるオレフィン系樹脂に含まれるオレフィン成分の割合は50質量%以上、好ましくは60質量%以上である。
本発明におけるオレフィン系樹脂に含まれるその他の樹脂成分としては、スチレン樹脂、スチレン系エラストマー、エチレンメタアクリル酸樹脂及びエチレン酢酸ビニル樹脂などがある。
○酸変性オレフィン樹脂
本発明における酸変性オレフィン樹脂は、オレフィン系樹脂からなる基材の表面に塗布する水系エマルション型プライマーの有効成分である。好ましい酸変性オレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸および/又は酸無水物、又は酸性ビニル化合物で変性されたオレフィン樹脂である。
本発明における酸変性オレフィン樹脂に用いる好ましいオレフィン成分は、炭素数2〜8のオレフィンであり、好ましい具体例としてエチレン、プロピレン、ブチレン、ヘプテン及びオクテン等がある。
変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその酸無水物としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、アコニット酸、およびこれらの酸無水物等があり、また、酸性ビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等がある。
本発明における酸変性オレフィン樹脂は、結晶性及び非晶性の何れであっても良い。結晶性の場合、好ましい融点は、180℃以下、より好ましくは150℃以下である。
また、本発明における酸変性オレフィン樹脂には上記酸変性オレフィン樹脂のオレフィン成分中の水素原子の一部を塩素で置き換えた酸変性塩素化ポリオレフィンも含まれる。
本発明における酸変性塩素化ポリオレフィンの好ましい塩素含有量は1質量%以上60質量%以下、好ましくは1質量%以上50質量%以下、更に好ましくは1質量%以上40質量%以下である。
塩素含有量が1質量%未満の場合、また60質量%を超える場合、ポリオレフィン系樹脂の接着剤への密着性は低下する恐れがある。原因としては塩素含有量が少ない場合、塩素化ポリオレフィンの接着剤への濡れ性が低下し、また塩素含有量が多い場合、塩素化ポリオレフィンのポリオレフィン系樹脂への濡れ性が低下する為と推察される。
本発明における水系エマルション型プライマーは、上記の酸変性オレフィン樹脂を有効成分として、これを公知の方法により水系エマルションとしたものである。
エマルションの濃度に特に制限はなく、塗布可能な粘度を有するものであれば良い。
○プライマーの塗布方法
酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーの塗布方法は、公知の何れの方法であっても良く、好ましい例として、刷毛、不織布等に適量含浸させて塗工する方法やロールコート、スプレーコート、ディップ等がある。
○プライマーの乾燥方法
オレフィン系樹脂に塗工した酸変性オレフィン樹脂を主成分とするエマルション型プライマーの乾燥方法は、室温放置による自然乾燥や熱風等による加熱強制乾燥の何れも適用可能である。
外気温度が低い場合の基材やエマルション型プライマーの温度低下による双方の濡れ性低下、あるいは塗布の圧締力低下による濡れ性低下が起こりうる。
このようにプライマーと基材との濡れが十分に達成されなかった場合、濡れ損ねた酸変性オレフィン樹脂がオレフィン系基材上に存在することになるが、当該酸変性オレフィン樹脂を60℃以上で加熱することよって、酸変性オレフィン樹脂と基材との濡れ性を高めることができる。
好ましい乾燥方法は、加熱乾燥であり、好ましくは60℃〜180℃、更に好ましくは酸変性オレフィン樹脂の融点〜150℃で加熱乾燥する方法である。この方法によれば、作業場の雰囲気温度の影響を受けないで、安定した接着性を得ることができる。乾燥温度が180℃を超えると被着体が熱変形、熱劣化する為、好ましくない。また、乾燥時間は被着体の形状、乾燥機の特性によって、左右される特性でもある為、ここで限定することはできない。
○光照射
本発明における光照射は、上記乾燥後、酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーによりオレフィン系樹脂からなる基材上に形成された被覆層に対して行うものであり、オレフィン系樹脂からなる基材の接着性を更に高める効果を有するものである。
光照射に好ましい電磁波は、180〜500nmの紫外線および可視光であり、好ましい光照射量は通常100mJ/cm2以上であり、特に200〜10000mJ/cm2が好ましい。
光照射の好ましい光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなどがある。
なお、処理時間を短縮するため、上記乾燥工程と上記光照射工程を並行して行うこともできる。
○湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
1)接着剤の組成
本発明における接着剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤である。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール1種以上と分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート1種以上とを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。ウレタンプレポリマーの好ましい重量平均分子量は1000〜50000である。当該ウレタンプレポリマーとして1種または2種以上を使用することができる。
1−2)ポリオール
ウレタンプレポリマーの原料であるポリオールは、分子内に2個以上好ましくは5個以内の水酸基を有するものであり、従来より公知のものが使用可能である。好ましい具体例を以下に示す。
(1)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、1種以上のポリカルボン酸と1種以上のポリオールとをランダム共縮重合させて得られるものである。
好ましいポリカルボン酸は、分子内に2個以上のカルボキシル基を有し、炭素数が4〜24のものである。好ましい具体例としてコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、ε−カプロラクトン、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、パラオキシ安息香酸などがある。
また、好ましいポリオールは、分子内に2個以上の水酸基を有し、重量平均分子量が60〜10000のものである。好ましい具体例としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオールなどがある。
(2)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールは、分子内に1個以上のエーテル結合を有し、好ましいポリエーテルポリオールは重量平均分子量が200〜10000のものである。好ましい具体例としてポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがある。
(3)ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールは、分子内にポリオレフィン骨格を有し、好ましいポリオレフィンポリオールは重量平均分子量が200〜10000のものである。好ましい具体例として水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオールなどのポリアルキレンポリオールの水素化物、およびα−オレフィンの共重合物などがある。
(4)その他ポリオール
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール、およびポリカーボネートポリオールなどがある。
1−3)ポリイソシアネート
ウレタンプレポリマーの原料であるポリイソシアネートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、従来より公知のものが使用可能である。
具体的には、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニレンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、およびカルボジイミド変性4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートなどがある。
本発明におけるウレタンプレポリマーを製造する際のポリオールに対するポリイソシアネートの仕込み量の好ましい比は、イソシアネート基/水酸基の当量比が1〜5であり、より好ましくは1.2〜3である。
また、本発明の接着剤の湿気反応性を高めるために、三級アミン系や錫系などの触媒、その他に粘着付与剤、シランカップリング剤、充填剤、可塑剤、ワックス、安定剤、酸化防止剤などを必要に応じて添加することができる。
2)接着剤融点
本発明における接着剤は融点を有するウレタンプレポリマーからなる為、融点以下の温度において結晶性の固体になるので、溶融状態から固体に変化する際、融点を境に樹脂の粘性が急激に増加する特徴を有している。したがって、基材に塗布した接着剤層が溶融状態にある時に接着作業を行い、その後冷却して接着剤を固化させることによって接着剤が結晶化しオレフィン系樹脂ともう一方の被着体が接着剤層によって強固に固着され、初期接着強度を容易に得ることができる。
具体的には接着剤の融点を40℃以上にすることにより常態で固体であり、かつ結晶時の凝集力により初期接着強度を得ることができる。融点が40℃未満の場合、常態での初期接着強度を得ることができない。一方、接着剤の融点が150℃より高い場合、接着剤の加熱溶融時に有害物質が発生する恐れがあり、望ましくない。
接着剤の融点の測定は、室温から1℃/分で加熱しながら溶融の有無を顕微鏡で観察することにより行うことができる。
3)接着剤の溶融粘度
本発明における接着剤の好ましい溶融粘度は120℃溶融状態で200〜100000mPa・sであり、より好ましい溶融粘度は1000〜50000mPa・sであり、更に好ましい溶融粘度は1000〜20000mPa・sであり、最も好ましい粘度は1000〜10000mPa・sである。溶融粘度はBM型粘度計により容易に測定できる。
4)接着剤のガラス転移温度
本発明における接着剤の好ましいガラス転移温度は、−40〜60℃であり、より好ましくは−30〜30℃である。ガラス転移温度を上記の好ましい範囲に調整することにより、基材との密着性に優れた接着剤とすることができる。
5)接着剤の塗布方法
ホットメルト接着剤の塗布方法として知られている方法は何れも採用できる。好ましい塗布温度は80〜140℃であり、より好ましい温度は80〜120℃である。
6)接着方法
上記のようにしてオレフィン系樹脂からなる基材の表面上に形成された酸変性オレフィン樹脂の被覆層と湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤の熱溶融層とを介して、オレフィン系樹脂からなる基材と被着材とを接合させる。
被着材として、オレフィン系樹脂、金属、プラスチック、セラミックス及びガラス等、各種材料からなるものを使用できる。
以下実例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。実験例5が実施例であり、実験例1〜4、6及び7は参考例である。尚、各実例および比較例における性能評価は以下の方法に従った。
○引っ張り剪断接着強さの測定
下記オレフィン系樹脂を幅25mm×長さ50mm×厚み2mmに成形し、当該オレフィン系樹脂からなる基材の表面に酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーを塗布し、乾燥した後、光照射をした場合およびしない場合について、下記接着剤を片面に塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
また、プライマーの乾燥は、80℃ヒートプレート上2分間、90℃ヒートプレート上3分間で行う場合、室温下で自然乾燥する場合の三方法で実施した。
○剥離接着強さの測定
下記オレフィン系樹脂を幅25mm×長さ100mm×厚み2mmに成形し、当該オレフィン系樹脂からなる基材の表面に酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーを塗布し、乾燥した後、光照射をした場合およびしない場合について、当該処理面に下記接着剤を塗布し、綿布を貼り合わせ、重石で2分間圧締(5N/cm2)し、30℃65%RHの条件下で3日間養生して、180°剥離接着強さをJIS K 6854−2に準拠して測定した。
また、プライマーの乾燥は、90℃ヒートプレート上3分間行った。
[評価に用いた材料]
オレフィン系樹脂:オレフィン系熱可塑性エラストマー(三井化学株式会社製 商品名ミラストマーC750B)
接着剤:イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤(東亞合成株式会社製 商品名アロンメルトR RHT−310)。融点は53℃、溶融粘度は120℃溶融状態で3,000mPa・sである。
○光照射
使用した光照射装置は出力3.2kWのウシオ電機株式会社製の高圧水銀灯であり、照射エネルギーは波長365nmの積算光量計の測定値で2000mJ/cm2とした。
[実例1]
オレフィン系樹脂からなる基材の表面に無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンを主成分とする水系エマルション型プライマー(日本製紙株式会社製 商品名スーパークロンE−503、塩素含有率14〜15%、融点60〜70℃)を塗布し、80℃のヒートプレート上で2分間乾燥した後、接着剤を片面に塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
[実例2]
無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンを主成分とするエマルション型プライマーを、日本製紙株式会社製商品名スーパークロンE−603(塩素含有率17%、融点80〜90℃)に代えた以外は実例1と同じ方法でオレフィン系樹脂からなる基材どうしの引張り剪断接着強さを測定した。
[実例3]
無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンを主成分とする水系エマルション型プライマーを、日本製紙株式会社製商品名スーパークロンE−723(塩素含有率19%、融点70〜80℃)に代えた以外は実例1と同じ方法でオレフィン系樹脂からなる基材どうしの引張り剪断接着強さを測定した。
上記実例1〜3の結果を、下記表1に示した。
[実例4]
無水マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンを主成分とする水系エマルション型プライマーを、東洋化成工業株式会社製商品名ハードレンEH−801(塩素含有率16%、融点87℃)に代え、乾燥条件を90℃3分間にした以外は実例1と同じ方法でオレフィン系樹脂からなる基材どうしの引張り剪断接着強さを測定した。
また、オレフィン系樹脂からなる基材の表面に前記プライマーを塗布し、90℃のヒートプレート上で3分間乾燥した後、当該処理面に接着剤を塗布し、綿布を貼り合わせ、重石で2分間圧締(5N/cm2)し、30℃65%RHの条件下で3日間養生して、剥離接着強さをJIS K 6854に準拠して測定した。
[実例5]
水系エマルション型プライマーを乾燥した後で、光を照射した以外は実例4と同じ方法で引張り剪断接着強さと剥離接着強さを測定した。
[実例6]
乾燥を室温で行った以外は実例4と同じ方法で引張り剪断接着強さを測定した。
上記実例4〜6の結果を、下記表2に示した。
[実例7]
酸変性オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーを、日本製紙株式会社製商品名アウローレン6008に代えた以外は実例1と同じ方法でオレフィン系樹脂からなる基材どうしの引張り剪断接着強さを測定した。
[比較例1]
オレフィン系樹脂からなる基材の表面を全く処理せず、その片面に接着剤を塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
[比較例2]
オレフィン系樹脂からなる基材の表面にトルエンを塗布し、80℃のヒートプレート上で2分間乾燥した後、接着剤を片面に塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
[比較例3]
オレフィン系樹脂からなる基材の表面に対して、プラズマ照射装置にて照射距離6mm、照射時間3秒の条件でプラズマ照射を行った後、接着剤を片面に塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
プラズマ照射装置は株式会社キーエンス製のST−7000を使用した。
[比較例4]
オレフィン系樹脂からなる基材の表面に対して、コロナ放電装置にて照射距離5mm、照射時間15秒の条件でコロナ放電を行った後、接着剤を片面に塗布して貼り合わせを行い、クリップにて固定する(接着面積幅25mm×長さ12.5mm)。30℃65%RHの条件下で3日間養生して、引っ張り剪断接着強さをJIS K 6850に準拠して測定した。
コロナ放電装置はナビスタ株式会社製のポリダインを使用した。
Figure 0005281225
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本発明は、オレフィン系樹脂から成る基材を無溶剤の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤で強固に接着する方法を提供する。
従って、本発明によって、自動車業界や建材業界において、鋼材や塩化ビニル樹脂製品のオレフィン系樹脂への代替が容易になり、部材の軽量化および環境負荷の低減化が進められる。
具体的には、ポリプロピレンやポリエチレンおよびそれらの樹脂にEPDM成分等のゴム成分を付与したポリオレフィンエラストマー(TPO)などの低活性樹脂を用いて、自動車部品(バンパー、インストルメントパネル、トリム等)や建材部材(巾木、化粧シート等)を安価に製造することを可能とする。

Claims (1)

  1. オレフィン系樹脂から成る基材に、酸変性塩素化オレフィン樹脂を主成分とする水系エマルション型プライマーを塗布し、前記プライマーを60〜180℃の温度で加熱して乾燥を行った後、水系エマルション型プライマーにより形成された被覆層に光照射し、次いで前記被覆層の上に、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを主成分とし、融点が40℃以上150℃以下である湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤の熱溶融層を形成させ、前記酸変性塩素化オレフィン樹脂の被覆層と前記熱溶融層を介してオレフィン系樹脂から成る基材と被着材とを接合させるオレフィン系樹脂の接着方法。
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