JP5279550B2 - 真空吸着装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハや液晶用ガラス基板等の基板の研削加工を行う際に、基板を吸着保持するための真空吸着装置に関する。
半導体ウエハ等の基板を搬送、加工、検査する場合に、真空圧を利用した真空吸着装置が用いられている。なかでも均一な吸着を行うために、多孔質体により基板の全面を吸着保持する真空吸着装置が多く使用されている。例えば、多孔質セラミックスからなる載置部を、その載置面を除く周囲を取り囲む緻密質セラミックスからなる基台にガラス接合し、下方の吸気孔より真空吸引することにより、上記載置部の吸着面に基板を固定するものがある。また、本出願人は、セラミックス粉末と結合材のガラス粉末とからなる多孔質セラミックス原料を凹型の基台に流し込んで成形・焼成する製法により多孔質セラミックスと緻密質セラミックスとを密着させた真空吸着装置を提案している(特許文献1)。
特開平2005−32027号公報
上記のように緻密質セラミックスからなる基台にガラスの溶融を利用して多孔質セラミックスからなる載置部を接合する際には、接合時のピーク温度において各材料の膨張が最大となった後、冷却に伴って収縮が起こる。このような工程を経る場合、基台と載置部の熱膨張を一致させることは困難である。これは、接合材または結合材のガラスは溶融前後で熱物性が異なり、昇降温に伴う熱膨張特性はヒステリシスを示すためである。
したがって、上記のような熱膨張の不一致によって、多孔質セラミックスからなる載置部の接合部に引張り応力が働き、載置部は基台から剥離し易くなるという問題があった。
載置部が基台から剥離して隙間が生じると、基板を真空吸着させたときの載置面の変形が大きくなり基板の加工精度も悪くなるおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決するために見出されたものであり、載置部と基台との密着を高め、基板の加工精度を向上できる真空吸着装置を提供するものである。
本発明は、以下の(1)〜(7)を提供するものである。
(1)載置面に基板を吸着保持するための多孔質セラミックスからなる載置部と、該載置部が接合された緻密質セラミックスからなる基台と、を備える真空吸着装置であって、前記載置部が接合される前記基台の接合面が、0.1〜4.0μmの表面粗さを有し、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9であることを特徴とする真空吸着装置。
(2)前記載置部と前記基台とが、100μm以下の接合層を介して接合された(1)記載の真空吸着装置。
(3)前記載置部と前記基台とが、接合層を介すること無く、直接接合された(1)の真空吸着装置。
(4)前記接合面が、焼放し面である(1)〜(3)記載の真空吸着装置。
(5)基台の接合面と反対側の面が、0.02〜0.3μmの表面粗さを有する(1)〜(4)記載の真空吸着装置。
(6)載置面に基板を吸着保持するための多孔質セラミックスからなる載置部と、該載置部が接合された緻密質セラミックスからなる基台と、を備える真空吸着装置の製造方法であって、前記基台を構成する緻密質セラミックスを得るためのセラミックス成形体を成形する工程と、前記セラミックス成形体に対して、焼結した後の前記基台の接合面の表面粗さが0.1〜4.0μm、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9となるように生加工を施す工程と、前記セラミックス成形体を焼結させて緻密質セラミックスを得る焼結工程と、前記基台の接合面に載置部を接合する接合工程と、を具備する真空吸着装置の製造方法。
(7)前記緻密質セラミックスに対して、前記基台の接合面と反対側の面が表面粗さ0.02〜0.3μmとなるように平面研削加工を施す工程を含む(6)記載の真空吸着装置の製造方法。
本発明は、載置部と基台との密着を高め基板の加工精度を向上させた真空吸着装置を提供することができる。
本発明の真空吸着装置の概略構成を示す模式断面図である。 基台の接合面を示す模式平面図である。 本発明の真空吸着装置の製造方法を示す模式断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る真空吸着装置10の概略構成を示す断面図である。真空吸着装置10は、多孔質セラミックスからなる載置部11と、その載置面11aを除く周囲を取り囲む基台12とを具備する。載置面11aにシリコンウエハ等の基板Wを載置し、吸気孔13を介して図示しない真空ポンプにより吸引することにより、基板Wが真空吸着される。
本発明は、基台の接合面12aの表面粗さRaにおいて、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9であることを特徴とする。図2は、基台の接合面22aについて、Ra1とRa2の方向を示す概略平面図である。図2に示したように、Ra1は円形の接合面22aと、同心円の円周に沿った周方向の表面粗さを示し、Ra2は接合面22aの中心と外周を結ぶ方向に沿った径方向の表面粗さを示す。
このようにRa1/Ra2を上記範囲としたのは、このような接合面とすることで基台と多孔質セラミックスとの密着を高めることができるからである。多孔質セラミックスを基台と接合する際には、基台と多孔質セラミックスとの熱膨張のミスマッチによって多孔質セラミックスに引張り応力が作用することから、径方向の表面粗さRa2を大きく形成し、径方向の応力に耐え得る接合構造とすることにより基台から載置部が剥離することを防止することができる。
Ra1/Ra2が0.2よりも小さいと径方向に働く引張り応力による剥離を阻止する効果が小さくなり、また0.9よりも大きいと、多孔質セラミックスとの密着性が低下する。なお、Ra1/Ra2は0.3〜0.5とすることがより好ましい。
基台の接合面12aの表面粗さRaは0.1〜4.0μmとすることが好ましい。上記と同様に、表面粗さがこれよりも小さいと剥離を阻止する効果が小さくなり、またこれよりも大きいと多孔質セラミックスとの密着性が低下する。したがって、表面粗さとその異方性の両方を調整することによって、基台から載置部が剥離することを防止することができる。なお、接合面の表面粗さRaは0.8〜2.5μmとすることがより好ましい。
基台の接合面12aの表面粗さRaは、基台の接合面10箇所について径方向及び周方向の表面粗さを測定し平均値を算出して求めた。なお、測定箇所は、円形の接合面12aの略中心からの距離が該円の半径の2/5〜4/5倍の範囲で任意の10箇所とした。
載置部と基台とが、100μm以下の接合層を介して接合されることが好ましい。接合層の厚さが大きいと基台の表面粗さを調整する効果が小さくなるからである。
さらに、載置部と基台とを接合層を介すること無く、直接接合することがより好ましい。このような接合構造は、載置部の多孔質セラミックスの形成と基台との接合とを同時に行うことにより可能となる。この場合は、多孔質セラミックスの結合材であるガラスが、多孔質セラミックスを構成するセラミックス粒子間を結合すると同時に基台の緻密質セラミックスと載置部とを接合する。
基台の接合面12aは、いわゆる焼放し面であることが好ましい。焼放し面とは、緻密質セラミックスを得るために焼成した後に、いわゆる仕上げ加工を施していない面のことである。緻密質セラミックスに仕上げ加工して表面粗さを調整するのは、加工歪みを与えることになるので好ましくない。接合面を加工した場合の加工歪みは、載置部との接合時に密着を阻害するような基台の変形を招くおそれがある。また、緻密質セラミックスに加工を施すことはコスト面でも不利である。
さらに、基台の接合面と反対側の面12cが、0.02〜0.3μmの表面粗さRaであることが好ましい。基台の反対側の面に対しては、いわゆる仕上げ加工を施すことによってこのような表面粗さを形成する。これは、反対側の面12cの表面粗さを調整することにより、載置部が剥離し難くなるような方向に応力が発生するためである。基台の接合面と反対側の面12cの表面粗さRaは、基台の接合面12aと同様に、反対側の面12cの10箇所について径方向及び周方向の表面粗さRaを測定し平均値を算出して求めた。測定箇所は円形の基台の接合面と反対側の面12cの略中心からの距離が該円の半径の2/5〜4/5倍の範囲で任意の10箇所とした。
基台12の材質は特に限定されず、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等の緻密質セラミックスが用いられる。ただし熱膨張の観点から、載置部のセラミックス粉末と同じセラミックスを使用することが好ましい。
多孔質セラミックスからなる載置部11の気孔は連通しており、真空吸着力および載置面11aの面精度の観点から平均気孔径が10〜100μm、気孔率が20〜50%とすることが好ましい。多孔質セラミックスは、セラミックス粉末とガラスとから構成される。セラミックス粉末には、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等を用いることができ、その平均粒径は30μm〜150μmのものを使用することが好ましい。
載置部11のガラスとしては、熱膨張係数が基台および載置部のもう一方の構成成分であるセラミックスの熱膨張係数より小さいものを使用することが好ましい。その理由は、低熱膨張のガラスを使用することにより、載置部と基台との間の隙間を防ぐことができるからである。また、多孔質セラミックスにおいて結合材としての役割を有するガラスに圧縮応力が加わった状態が望ましいからである。
真空吸着のための吸気孔13は、図1のような態様に限定されるものではなく、単数、複数を問わず、その位置も特に限定されない。また、より素早く真空吸着するために基台に溝を形成しても良い。溝は、基台の接合面側に形成され、その溝形状は、放射状、環状、格子状のほか、環状と放射状を組み合わせたもの等、種々の形状を採用できる。なお、吸気孔13の径は吸着力を発揮できる範囲で小さいことが望ましい。吸気孔が大きいと、孔の部分で載置部の沈み量が大きくなるためである。具体的には、吸気孔の径は、吸気孔上の載置部の厚みと同等か、それよりも小さいことが望ましい。また、基台に溝を形成する場合の溝幅についても同様に、載置部の厚みと同等か、それよりも小さいことが望ましい。
次に本発明の真空吸着装置の製造方法について説明する。
図3は、本発明の真空吸着装置の製造方法について示した概略断面図である。
はじめに、原料粉末を成形して、セラミックス成形体320を得る。成形は、一軸加圧、CIP、鋳込み等種々の方法を採用できる。セラミックス成形体320には、必要に応じて成形用のバインダ、鋳込みスラリー用の分散剤等の有機成分が含まれても良い。
次にセラミックス成形体320に対し、いわゆる生加工を施す。生加工とは、未焼結のセラミックス粉末の成形体に対して加工することを言い、旋盤、フライス盤、マシニングセンタ等種々の方法で行うことができる。生加工は、焼結した後の基台の接合面の表面粗さRaが0.1〜4.0μm、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9となるように施される。したがって、加工後のセラミックス生加工体321の基台の接合面となる面321aは、焼結後の表面粗さが所定値になるように加工されている。なお、吸気孔に該当する穴331は、生加工で形成しても良いし、焼結後の仕上げ加工で形成しても良い。コスト面からは生加工で形成することが好ましい。基台に溝を形成する場合にも同様に、生加工で形成しても良いし、焼結後の仕上げ加工で形成しても良いが、コスト面からは生加工で形成することが好ましい。
次に生加工により得られたセラミックス生加工体321を公知の焼成方法により焼結させて緻密質セラミックス322を得る。このとき、基台の接合面となる焼放し面の322aは、表面粗さが0.1〜4.0μm、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9となる。
緻密質セラミックス322において、載置部の側面と接合される面322bについても、322aと同様に、表面粗さが0.1〜4.0μm、より好ましくは0.8〜2.5μmとし、さらに周方向の表面粗さRa3と基台の厚さ方向の表面粗さRa4との比Ra3/Ra4が0.2〜0.9、より好ましくは0.3〜0.5となることが望ましい。基板を真空吸着させたときに大気圧が載置面に加わるため、載置部の変形が起きやすくなる。変形は、大気圧によって載置面が押されて、沈み込むように生じる。その結果、載置部の側面が基台から剥離しやすくなる。上述のように載置部の側面と接合される面322bについても表面粗さとその異方性を制御することによって基台から載置部が剥離したり、変形が著しくなったりすることを防止できる。
また、載置部の多孔質セラミックスには使用中に汚れが蓄積するため、吸気孔から高圧水を流して洗浄が行われる。このときに載置部と基台の密着が悪く隙間があると高圧水が隙間を通過するため載置部を十分に洗浄できない。さらに高圧水の圧力に耐えられず載置部が剥離するおそれもある。本発明では、基台の表面粗さとその異方性を調整して載置部を剥離し難くしているため上記のような不具合が生じることはない。
緻密質セラミックス322に対して、接合面322aと反対側の面322cが表面粗さ0.02〜0.3μmとなるように平面研削加工を施すことが好ましい。この加工は、基台の接合面に載置部を接合する前に行うことが好ましい。接合面322aと反対側の面322cは、他の部材との取り付け等の関係から、ある程度寸法精度が必要となるため研削加工を要する。この場合に反対側の面322cの表面粗さを0.02〜0.3μmとすることにより、接合面322aを焼き放し面とし、表面粗さを制御することと相俟って、載置部が基台から剥離し易くなるような加工歪みによる応力発生を防ぐことができる。
基台323と載置部31との接合は、多孔質セラミックスをガラス等の接着剤により接合する方法やセラミックス粉末と結合材のガラス粉末とからなる多孔質セラミックス原料を基台に流し込んで成形・焼成する製法により行うことができる。
多孔質セラミックスをガラス等の接着剤により接合する場合には、接着剤からなる接合層の厚さを100μm以下とすることが好ましい。厚さが大きすぎると基台の接合面の表面粗さを制御する効果が得られないためである。
以下、セラミックス粉末と結合材のガラス粉末とからなる多孔質セラミックス原料を基台に流し込んで成形・焼成する製法について説明する。このような製法を用いれば、基台と載置部との間は接合層を介することなく接合できるのでより好ましい。また、基台の接合面が焼き放し面であっても接合することができるので、容易に基台と載置部の密着が高く、基板の加工精度に優れた真空吸着装置を得ることができる。
はじめに載置部を形成する多孔質セラミックスの原料粉末であるセラミックス粉末およびガラス粉末に、水またはアルコールを加えて混合してスラリーを調整する。原料の混合は、ボールミル、ミキサー等、公知の方法が適用できる。ここで、水またはアルコール量は特に限定しない。セラミックス粉末の粒度、ガラス粉末の添加量を考慮し所望の流動性が得られるよう水またはアルコールの添加量を調整する。
載置部の構成原料となるガラス粉末の平均粒径が載置部のもう一方の構成原料であるセラミックス粉末の平均粒径より小さい方が好ましい。その理由は、ガラス粉末の平均粒径がセラミックス粉末よりも大きいと、セラミックス粉末の充填を阻害するため、ガラス軟化点以上で焼成する際に焼成収縮を起こすからである。ガラスの平均粒径は、好ましくは、セラミックス粉末の平均粒径の1/3以下、さらに好ましくは1/5以下が望ましい。
添加するガラス粉末の量は、特に限定しないが、ガラス粉末の粒径が大きい場合と同様に大量に添加するとセラミックス粉末の充填を阻害し、焼成収縮を起こすため、少量が望ましい。ただし、少なすぎるとセラミックス粉末の結合強度が低下し、脱粒や欠けの問題が生じるため、結合強度を発揮するような量が必要である。具体的には、目標とする気孔率、セラミックス粉末の粒度、焼成温度およびガラス粘性等を考慮して調整されるが、概ねセラミックス粉末に対して5〜30質量%程度添加混合することが望ましい。
次に基台の載置部が形成される部分に上記スラリーを充填する。この際、必要に応じて、残留気泡を除去するための真空脱泡や、充填を高めるための振動を加えると良い。また、吸気孔は、載置部となる混合物を注ぐ前に、ろう、樹脂等の焼失部材により閉塞しておく。
次に、スラリーを充填した基台を十分に乾燥させた後、ガラスの軟化点以上の温度で焼成する。この際、焼成温度がガラスの軟化点より低いと十分に一体化できないが、反対に焼成温度が高すぎると変形や収縮を起こすため、できるだけ低温で焼成することが望ましい。
載置部31の接合後、載置面31aとその周りを囲む略同一平面の基台表面323dの平面研削加工を行う。載置面等の研削加工はダイヤモンド砥石等の通常用いる方法を採用できる。
以下、本発明の実施例と比較例により本発明を詳細に説明する。
アルミナ粉末(平均粒径125μm)、ガラス粉末(ほう珪酸ガラス、平均粒径:20μm、熱膨張係数40×10−7/℃、軟化点800℃)および蒸留水を100:20:20の質量比で混合し、ミキサーを用いて混錬し多孔質セラミックス原料のスラリーを作製した。なお、本発明においては、レーザー回折式粒度分布測定によるメディアン径(D50)をもって原料粉末の平均粒径とする。
基台は、図1に示したような断面凹型の緻密質アルミナ(熱膨張係数8.0×10−6/℃)を用いた。アルミナ粉末(平均粒径0.5μm)にバインダを加えてスプレードライにより作製した顆粒を用いて一軸加圧成形した後、CIPし、得られた成形体に生加工を施した。生加工体を1600℃で焼結し、基台となる緻密質アルミナを得た。その形状は外径350mm、高さ20.5mm、凹部内径298mm、深さ5.5mm;削り代およそ0.5mm、吸気孔径2mmとした。基台の接合面の表面粗さは、生加工によって調整し、接合面は焼き放し面とした。生加工はマシニングセンタを用い、寸法及び表面粗さを調整した。接合面と反対側の面については、焼結後の緻密質アルミナに平面研削加工を施して、表面粗さRaが0.1μmとなるようにした。なお、試験No.1については、基台の接合面を焼結後に仕上げ加工を施して調整した。
次に上記多孔質セラミックス原料のスラリーを基台に注型し、真空脱泡を行った後、振動を加えて沈降充填させた。100℃で乾燥させた後、1000℃にて焼成した。次に#800ダイヤモンド砥石を用いて載置面及び基台表面の平面研削を行い、平坦な載置面を得た。
基台の表面粗さの測定は、触針式表面粗さ計を用い、JISB0601:2001に準拠して行った。
得られた真空吸着装置の評価は、基板を真空吸着させたときの載置面の沈み変形量を測定することによって行った。はじめに、ゲージ圧−5kPaでシリコンウエハ(直径300mm、厚さ50μm)を吸着させたときの載置面の高さを任意の100点について測定して各点について基準高さを求めた。つぎに、各点について−100kPaで吸着させたときの高さを測定し、基準高さとの差を求めた。差の最も大きい値を沈み変形量とした。載置面の高さの測定は、電気マイクロメータを用いた。なお、載置部の気孔率をアルキメデス法により測定したところ、35%であった。また、載置部の平均気孔径(メディアン径D50)を水銀圧入法により測定したところ30μmであった。
また、載置面の略中心を通り載置面に略垂直な面で切断し、切断面に現れた接合面に隙間があるかどうかを調べた。隙間の有無は、載置部を構成する多孔質セラミックスの平均気孔径の5倍の長さにわたって、基台と載置部との接合が断たれている箇所がある場合には、隙間あり(×)とし、無い場合には隙間なし(○)と判断した。結果を表1に示す。
Figure 0005279550
本発明の範囲内である試験No.2〜13及び17〜25については、沈み変形量は、1〜4μmと極めて小さく、また基台と載置部との間に隙間は見られなかった。
一方、本発明の範囲外である試験No.1、14〜16、26〜28では、沈み変形量が10〜23μmと大きくなった。切断面を観察したところ、基台と載置部との間に隙間があった。
10 真空吸着装置
11、31 載置部
11a、31a 載置面
12、323 基台
12a 接合面
13 吸気孔
W 基板

Claims (7)

  1. 載置面に基板を吸着保持するための多孔質セラミックスからなる載置部と、
    該載置部が接合された緻密質セラミックスからなる基台と、
    を備える真空吸着装置であって、
    前記載置部が接合される前記基台の接合面が、0.1〜4.0μmの表面粗さRaを有し、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9であることを特徴とする真空吸着装置。
  2. 前記載置部と前記基台とが、100μm以下の接合層を介して接合された請求項1記載の真空吸着装置。
  3. 前記載置部と前記基台とが、接合層を介すること無く、直接接合された請求項1記載の真空吸着装置。
  4. 前記接合面が、焼放し面である請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空吸着装置。
  5. 基台の接合面と反対側の面が、0.02〜0.3μmの表面粗さを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空吸着装置。
  6. 載置面に基板を吸着保持するための多孔質セラミックスからなる載置部と、
    該載置部が接合された緻密質セラミックスからなる基台と、
    を備える真空吸着装置の製造方法であって、
    前記基台を構成する緻密質セラミックスを得るためのセラミックス成形体を成形する工程と、
    前記セラミックス成形体に対して、焼結した後の前記基台の接合面の表面粗さが0.1〜4.0μm、周方向の表面粗さRa1と径方向の表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が0.2〜0.9となるように生加工を施す工程と、
    前記セラミックス成形体を焼結させて緻密質セラミックスを得る焼結工程と、
    前記基台の接合面に載置部を接合する接合工程と、
    を具備する真空吸着装置の製造方法。
  7. 前記緻密質セラミックスに対して、前記基台の接合面と反対側の面が表面粗さ0.02〜0.3μmとなるように平面研削加工を施す工程を含む請求項6記載の真空吸着装置の製造方法。
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