JP5276504B2 - 工具内流路を有する工具 - Google Patents
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Description
このフライス工具では、その先端のフライスヘッド(刃部)にギャップが形成されている。加工時に発生するチップは、ギャップ内に吸引されてチップ導出通路内に入ったのちに排出されるようになっている。
ところが、フライス工具の工具径が小さいと、ギャップの断面積も小さくなるので、ここを流れる流量も少なくなる。すると、チップ導出通路内の空気の流速も遅くなって、吸引力が低下する。その結果、ギャップから空気とともに吸引されたチップがチップ導出通路内に次第に堆積して、チップを良好に排出するのが困難になる恐れがあった。
好ましい一実施態様として、前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、前記筒状部材は、その軸線方向に関して同径の円筒形をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定されているのが好ましい。
他の好ましい一実施態様として、前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、前記筒状部材は、筒状(好ましくは、断面円形)をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定され、前記筒状部材は、前記小径部の位置で開口するとともに前記シャンクの外形に沿った形状を有しており、前記筒状部材の内部スペースは、開口部の位置から前記補助流入孔の位置まで、前記筒状部材の軸線方向に直交する面に関してほぼ同じ断面積を有している。
さらに他の好ましい一実施態様として、前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、前記筒状部材は、筒状(好ましくは、断面円形)をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定され、前記筒状部材は、前記小径部の位置で開口し、この開口側にいくに従って次第に広がるようなフレア形状を有している。
さらに他の好ましい一実施態様として、前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、各前記補助流入孔には、ほぼ前記加工点の方向に延びるパイプ状の前記筒状部材がそれぞれ直接連結され、これら複数の筒状部材は、前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定された円筒状のカバー部材に囲まれて保持されている。
なお、前記筒状部材は、前記工具の中心軸線方向に移動して位置調節可能であるのが好ましい。
複数の前記補助流入孔は、前記シャンクに周方向に並んで(好ましくは、周方向に関して均等に)形成されており、この補助流入孔の複数の前記補助中心軸線は、前記主中心軸線上の一つの点で交わっているのが好ましい。
なお、前記補助流入孔は前記シャンクに周方向に関して均等に複数形成されており、この補助流入孔の複数の前記補助中心軸線は前記主中心軸線に対して均等に偏心し、且つ前記補助中心軸線同士は互いに食い違っている場合であってもよい。
前記補助流入孔の各断面積は、前記主流入孔の各断面積に対応した所定値に設定されているのが好ましい。
工具内流路は、シャンク内に形成された貫通孔と、空気とともに切りくずを吸い込むために刃部に形成され、貫通孔と連通する少なくとも1つの主流入孔と、空気と切りくずの両方を吸い込むためにシャンクに形成され、貫通孔と連通する少なくとも1つの補助流入孔とを備えている。
刃部で工作物を加工する加工点の近傍に開口する筒状部材が、シャンクに設けられている。空気は、加工点で発生した切りくずとともに、筒状部材の内部スペースを通って補助流入孔に流れ込むようにしている。
これにより、工具の刃部で工作物を加工する加工点で発生する切りくずを、加工点の周辺における空気の流れによって補助流入孔に導くことにより、切りくずをあとに残さずに効率的に排出し、また、工具径の大小にかかわらず、工具内流路を適切な流速で流れて切りくずを吸引する空気によって、切りくずをこの工具内流路に堆積させることなく良好に排出するという目的が実現される。
本発明にかかる工具内流路を有する工具は、マシニングセンタに使用される工具(たとえば、回転工具)の他に、旋盤,複合加工機,旋削盤などの工作機械に使用される回転工具や、回転しない旋削工具などであってもよい。
(第1実施例)
図1は、本発明の工具5,5a〜5eによる加工状態を示すマシニングセンタの部分断面図である。図2は、第1実施例にかかる工具5の拡大図、図3は図2のIII線矢視図、図4は、図2に示す工具5を別の方向から見たときの断面図である。図5は、変形例にかかる工具5aの拡大図で、図2相当図である。図6は、図5のVI線矢視図で、図3相当図である。
工具5,5aにおいて、シャンク20には刃部21が保持されている。工具内流路4は、刃部21で工作物8を加工するときに加工点Bで発生する切りくず22を空気23とともに吸引するために、工具5,5aの内部に形成されている。
工具内流路4は、シャンク20内に形成された貫通孔24と、空気23とともに切りくず22を吸い込むために刃部21に形成され、貫通孔24と連通する少なくとも1つ(本実施例では、2つ)の主流入孔25と、空気23とともに切りくず22(または、空気23のみ)を吸い込むためにシャンク20に形成され、貫通孔24と連通する少なくとも1つ(本実施例では、4つ)の補助流入孔26(または、補助流入孔26a)とを備えている。
その結果、加工点Bの周囲を囲うように、流速の速い空気23の流れのカーテンが形成されることになる。したがって、工具5,5aの刃部21で工作物8を加工する加工点Bで発生する切りくず22は、加工点Bの周辺における空気23の流れのカーテンによって、筒状部材40の開口部41から筒状部材40の内部スペースSを通って補助流入孔26(または、補助流入孔26a)に導かれる。これにより、切りくず22を、加工点Bとその周囲に残さずに効率的に排出することができる。
これに対して、シャンク20に筒状部材40を設けた場合における、刃部21の先端部の風速と、刃部先端部から10mm離れた位置の風速は、それぞれ5.5m/s,2.0m/sであった、その結果、シャンク20に筒状部材40を設けると、刃部21およびその周辺を流れる空気の風速が大幅に上昇することが分かる。
吸引装置15は、工具5,5aで空気23と切りくず22を吸引するための真空ポンプと、空気23により運ばれてきた切りくず22を捕集するための捕集装置とを有している。
ところが、工具5,5aの工具径が小さいと、主流入孔25の断面積が小さくなって、主流入孔25から流入する空気23の流量は少なくなる。主流入孔25の断面積より貫通孔24の断面積の方が大きいのが一般的である。その結果、主流入孔25から流入した空気23と切りくず22の流速は、貫通孔24では遅くなるので、切りくず22は貫通孔24で滞留して堆積し易くなる。
その結果、工具内流路4の空気23の流速が速くなって、適正な吸引力が発揮される。これにより、主流入孔25から空気23とともに流入した切りくず22は、流速の速い空気23とともに流れる。
したがって、工具5,5aでは、工具径の大小にかかわらず、工具内流路4を適切な流速で流れて切りくず22を吸引する空気23によって、切りくず22が、工具内流路4に堆積することなく良好に排出される。
このようにして、補助流入孔26,26aが貫通孔24に対して傾斜しており、補助流入孔26,26aを流れる空気23と切りくず22が、貫通孔24を流れる空気にスムーズに合流する。したがって、貫通孔24内で空気23が逆流する恐れが少なくなる。その結果、貫通孔24で切りくず22が滞留する恐れは少ない。
また、補助流入孔26の複数の補助中心軸線CL2は、主中心軸線CL1上の一つの点P1で交わっている。なお、補助流入孔26の補助中心軸線CL2は、通常は直線であるが、曲線であってもよい。
このような工具5であれば、複数の補助流入孔26を流れる空気23と切りくず22が、貫通孔24を流れる空気23と良好に合流することができる。したがって、空気23や切りくず22の逆流や滞留の恐れが少なくなり、空気23と切りくず22は、工具内流路4を排出方向に流れて、やがて外部にスムーズに排出される。
なお、工具5に形成された複数の補助流入孔26の孔径は、通常は全部が同一寸法であるが、異なる寸法でもよい。たとえば、90度ずつ離れて均等に配置された4つの補助流入孔26のうち、180度離れて対向する2つの補助流入孔26の孔径を大きくし、180度離れて対向する残りの2つの補助流入孔26の孔径を小さくしてもよい。また、補助流入孔26の数は、2つまたはその他の複数であってもよい。
補助流入孔26aの複数の補助中心軸線CL2は、主中心軸線CL1に対して均等に偏心し、且つ補助中心軸線CL2同士は互いに食い違っている。すなわち、各補助流入孔26aの補助中心軸線CL2は主中心軸線CL1と交わらず、また、複数の補助中心軸線CL2同士は平行でもなく且つ交わりもしない。なお、補助流入孔26aの補助中心軸線CL2は、通常は直線であるが、曲線であってもよい。
このように工具5aでは、補助流入孔26aの複数の補助中心軸線CL2が、主中心軸線CL1に対して均等に偏心し、且つ補助中心軸線CL2同士が互いに食い違っている。その結果、複数の補助流入孔26aを流れる空気23と切りくず22が、貫通孔24に流れ出てこの貫通孔24を流れる空気23と合流すると、貫通孔24で旋回状の渦が発生する。
すると、空気23により運ばれてきた切りくず22は、この渦により貫通孔24内に吸引され、工具内流路4を排出方向に流れ、やがて外部にスムーズに排出される。このように、工具内流路4では旋回状の渦が発生してこの渦が下流側に移動するので、渦による吸引力が加わって、空気23や切りくず22の逆流や滞留の恐れはさらに少なくなる。
なお、工具5aに形成された複数の補助流入孔26aの孔径は、通常は全部が同一寸法であるが、異なる寸法でもよい。たとえば、90度ずつ離れて均等に配置された4つの補助流入孔26aのうち、180度離れて対向する2つの補助流入孔26aの孔径を大きくし、180度離れて対向する残りの2つの補助流入孔26aの孔径を小さくしてもよい。また、補助流入孔26aの数は、2つまたはその他の複数であってもよい。
たとえば、合計4つの補助流入孔のうち、対向する二つの補助流入孔26は、シャンク20に周方向(ここでは、円周方向)に関して180度離れて形成され、補助流入孔26の二つの補助中心軸線CL2は、主中心軸線CL1上の一つの点P1で交わっている。
また、残りの2つの補助流入孔26aは、シャンク20に周方向(ここでは、円周方向)に関して180度離れて形成され、補助流入孔26aの2つの補助中心軸線CL2は、主中心軸線CL1に対して均等に偏心し、且つ補助中心軸線CL2同士は互いに食い違っている。すなわち、各補助流入孔26aの補助中心軸線CL2は主中心軸線CL1と交わらず、また、二つの補助中心軸線CL2同士は平行でもなく且つ交わりもしない。
このような工具であれば、工具5,5aと同じ作用効果を奏する。
テーパ部32に開口する複数(本実施例では、4つ)の補助流入孔26,26aが、シャンク20の周方向(ここでは、円周方向)に並んで(好ましくは、周方向に均等に)配置されている。
このようにして、補助流入孔26,26aの開口部27がテーパ部32に配置されている。したがって、補助流入孔26,26aをシャンク20に穿設する際に、テーパ部32の表面に対してほぼ直角方向またはそれに近い方向から補助流入孔26,26aを形成することができるので、穿設作業が容易である。
よって、工具内流路4を流れる空気の流速により、切りくず22を吸引するための吸引力を適切にして、切りくず22が、工具内流路4に堆積することなく良好に排出される。
主軸頭2に取付けられた主軸3により、工具ホルダ6の工具5,5aを回転させる。テーブル7に載置された工作物8は非回転状態になっている。このとき、吸引装置15を予め運転状態にしておく。
吸引装置15を駆動することにより、空気23は、刃部21の2つの主流入孔25から吸引される。
筒状部材40の開口部41は、刃部21で工作物8を加工する加工点Bの近傍に位置している。したがって、空気23は、加工点Bの近傍を高速で流れたのち、筒状部材40の内部スペースSに入って、シャンク20の4つの補助流入孔26(または、補助流入孔26a)から吸引される。
そして、空気23は、2つの主流入孔25と4つの補助流入孔26(または、補助流入孔26a)から出て、シャンク20の貫通孔24を通ったのち、工具ホルダ6の流路11,ドローバー12の流路13,排出用流路14の順に流れて、吸引装置15により外部に排出される。
刃部21で工作物8を加工するときに加工点Bで発生した切りくず22は、空気23とともに刃部21の主流入孔25から吸引され、この主流入孔25を通って、シャンク20の貫通孔24に侵入する。
なお、工作物8に対して切削加工動作を行なっていない時間には、工具5,5aの刃部21では切りくず22は、一時的に発生していない。このときには、主流入孔25から吸引される空気23に含まれる切りくず22の量は、少ないかまたはゼロになっているので、空気23のみが主流入孔25を通ることになる。
筒状部材40の開口を、加工点Bの近傍に位置させている。その結果、加工点Bの周囲を囲うように、空気23の流れのカーテンが形成されていることになる。したがって、工具5,5aの刃部21で工作物8を加工する加工点Bで発生する切りくず22は、加工点Bの周辺における空気23の流れのカーテンで遮断されるので、このカーテンより外方に飛散することなく、筒状部材40の開口部1から筒状部材40の内部に入る。
その後、空気23と切りくず22は、筒状部材40の内部スペースSを通って、補助流入孔26(または、補助流入孔26a)に導かれる。これにより、切りくず22は、加工点Bとその周囲に残ることなく効率的に排出される。
なお、加工の状況によっては、補助流入孔26,26aを流れる空気23に切りくず22が含まれていない場合もある。
吸引装置15から排出される空気中には切りくず22は含まれていないので、排出空気は清浄である。
ところが、補助流入孔26,26aから空気23(すなわち、切りくず22を含むことがある空気23)が、主流入孔25とは別個に吸引される。したがって、主流入孔25から貫通孔24に流入した空気23(切りくず22を含むことがある空気23)の流速は、低速から直ちに高速に変化して、強い吸引力を発揮する。その結果、空気23に含まれている切りくず22を、貫通孔24内に滞留させることなく、良好に下流側に流すことができる。
図7は、本発明の第2実施例にかかる工具5bの拡大図、図8は、第2実施例の変形例にかかる工具5cの拡大図、図9は、第2実施例の他の変形例にかかる工具5dの拡大図、図10は、第2実施例のさらに他の変形例にかかる工具5eの拡大図、図11は図10のXI-XI線矢視図である。
工具5b〜5eに形成された工具内流路4は、シャンク20b内に形成された貫通孔24と、空気23とともに切りくず22を吸い込むために刃部21に形成され、貫通孔24と連通する少なくとも1つの主流入孔25と、空気23とともに切りくず22を吸い込むためにシャンク20bに形成され、貫通孔24と連通する少なくとも1つの補助流入孔26とを備えている。
その結果、加工点Bの周囲を囲うように、空気23の流れのカーテンが形成されることになる。したがって、工具5b〜5eの刃部21で工作物8を加工する加工点Bで発生する切りくず22は、加工点Bの周辺における空気23の流れのカーテンによって、筒状部材40b,40c,40d,40eの各開口部41b,41c,41d,41eから、筒状部材の内部スペースSを通って補助流入孔26に導かれる。これにより、切りくず22を、加工点Bとその周囲に残すことなく効率的に排出することができる。
なお、図8,図9,図10にそれぞれ示す工具5c,5d,5eも、工具5bと同じシャンク20bと刃部21と補助流入孔26とを有している。
工具5bにおいて、筒状部材40bは、その軸線方向に関して同径の円筒形をなして、シャンク20bの大径部31の外周面に係合固定されている。工具5bは小径の工具なので、補助流入孔26が加工点Bから離れたところに位置しているが、筒状部材40bを設けたので、加工点Bに近い場所での切りくず22の吸引を効果的に行うことができる。
筒状部材40cは、小径部30の位置で開口するとともにシャンク20bの外形に沿った形状を有している。筒状部材40cの内部スペースSは、開口部41cの位置から補助流入孔26の位置まで、筒状部材40cの軸線方向に直交する面に関してほぼ同じ断面積を有している。
その結果、筒状部材40cの開口部41cから筒状部材40c内に入った空気23は、内部スペースSをほぼ同一の風速で流れたのち、補助流入孔26に流れ込む。したがって、空気23に含まれている切りくず22も、途中で堆積することなく内部スペースSの空気23の流れに乗って良好に補助流入孔26に流れ込む。
筒状部材40dの開口部41dが広いので、加工点Bから周囲に飛散した切りくず22は、加工点Bの周囲で開口部41dに向かう風23の流れにより、効率よく集められる。そして、風23と切りくず22は、筒状部材40dの内部スペースSを流れたのち、補助流入孔26に流れ込む。
カバー部材42を設けたので、複数の筒状部材40eを動かないようにしっかりと押さえて位置決めすることができる。
カバー部材42の内周面と、小径部30の外周面と、複数の筒状部材40eとの間の隙間は、カバー部材42の端部に設けられた蓋部材43により閉じられている。したがって、前記隙間に切りくず22が侵入する恐れはない。
工具5eでは、筒状部材40eの形状や本数を調節して、加工点Bの周囲を流れる風23の風量や風速を調整することにより、切りくず22の排出の効率を最適な状況に設定することができる。
たとえば、筒状部材40,40b〜40eがプラスチック製で、このプラスチックの弾性を利用して筒状部材40,40b〜40eをシャンク20,20bに密着させている場合がある。この場合には、筒状部材40,40b〜40eをその弾性に抗して工具の中心軸線方向に引っ張れば、筒状部材40,40b〜40eを移動させて位置調節することができる。
こうすれば、刃部21の回転動作により加工点Bで発生した切りくず22は、空気23とともに、穴の内部を通って筒状部材40,40b〜40eの内部スペースSに侵入した後、補助流入孔26に流れ込む。
筒状部材40,40b〜40eを位置調節可能にして、筒状部材40,40b〜40eは刃部21から離れたところに位置しているので、筒状部材40,40b〜40eが、刃部21による加工動作の邪魔になることはない。
こうすれば、刃部21による加工点Bで発生した切りくず22は、空気23とともに、直ちに筒状部材40,40b〜40eの内部スペースSに侵入した後、補助流入孔26に流れ込む。
筒状部材40,40b〜40eを位置調節可能にして、筒状部材40,40b〜40eは刃部21のすぐそばに位置しているので、加工点Bで発生した切りくず22は、周囲に飛散することなく、空気23とともにすぐに筒状部材40,40b〜40e内に吸い込まれる。
このように、加工の種類や工具の種類などに応じて、筒状部材40,40b〜40eを位置調節すれば、切りくずをあとに残さずに効率的に排出するのに最適な工具を得ることができる。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
5,5a〜5e 工具
6 工具ホルダ
8 工作物
20,20b シャンク
21 刃部
22 切りくず
23 空気
24 貫通孔
25 主流入孔
26,26a 補助流入孔
30 小径部
31 大径部
32 テーパ部
40,40b〜40e 筒状部材
41c 開口部
42 カバー部材
B 加工点
Claims (6)
- シャンクに刃部が保持され、この刃部で工作物を加工するときに発生する切りくずを空気とともに吸引するための工具内流路が工具内部に形成された工具であって、
この工具に形成された前記工具内流路は、
前記シャンク内に形成された貫通孔と、
前記空気とともに前記切りくずを吸い込むために前記刃部に形成され、前記貫通孔と連通する少なくとも1つの主流入孔と、
前記空気とともに前記切りくずを吸い込むために前記シャンクに形成され、前記貫通孔と連通する少なくとも1つの補助流入孔とを備え、
前記刃部で前記工作物を加工する加工点の近傍に開口する筒状部材が、前記シャンクに設けられ、
前記空気は、前記加工点で発生した前記切りくずとともに、前記筒状部材の内部スペースを通って前記補助流入孔に流れ込むようにしたことを特徴とする工具内流路を有する工具。 - 前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、
このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、
前記筒状部材は、その軸線方向に関して同径の円筒形をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定されていることを特徴とする請求項1に記載の工具内流路を有する工具。 - 前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、
このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、
前記筒状部材は、筒状をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定され、
前記筒状部材は、前記小径部の位置で開口するとともに前記シャンクの外形に沿った形状を有しており、
前記筒状部材の内部スペースは、開口部の位置から前記補助流入孔の位置まで、前記筒状部材の軸線方向に直交する面に関してほぼ同じ断面積を有していることを特徴とする請求項1に記載の工具内流路を有する工具。 - 前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、
このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、
前記筒状部材は、筒状をなして前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定され、
前記筒状部材は、前記小径部の位置で開口し、この開口側にいくに従って次第に広がるようなフレア形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の工具内流路を有する工具。 - 前記シャンクは、前記刃部が取付けられた小径部と、工具ホルダに取付けられる大径部と、この大径部と前記小径部との間に形成されたテーパ部とを有し、
このテーパ部に開口する複数の前記補助流入孔が、前記シャンクの周方向に並んで配置されており、
各前記補助流入孔には、ほぼ前記加工点の方向に延びるパイプ状の前記筒状部材がそれぞれ直接連結され、
これら複数の筒状部材は、前記シャンクの前記大径部の外周面に係合固定された円筒状のカバー部材に囲まれて保持されていることを特徴とする請求項1に記載の工具内流路を有する工具。 - 前記筒状部材は、前記工具の中心軸線方向に移動して位置調節可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の工具内流路を有する工具。
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