JP5275122B2 - ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置 - Google Patents

ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置に関する。特に、可変のダイナミックレンジの画像信号が入力されるダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置に関する。
静止画を撮影するデジタルカメラや動画を撮影するデジタルビデオカメラといった撮像装置は、いずれも、光学系で露光制御を行い、光学系により結像された像をCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等を用いて、光電変換により電気信号に変換し、アナログ画像信号として取得する。そして、従来の撮像装置は、取得したアナログ画像信号を、アナログフロントエンド処理等を実行する回路により処理し、A/D変換器によりデジタル画像データに変換する。このデジタル画像データは、映像ガンマ補正処理(例えば、γ=0.45によるガンマ補正処理)、Knee処理、輝度色差変換処理等が施されさらに、静止画データの場合はJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の規格化されたフォーマットに変換され、動画データの場合はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式、DV(Digital Video)方式等の規格化されたフォーマットに変換される。そして、規格化されたフォーマットに変換されたデジタル画像データは、各種メモリカードやハードディスク、光ディスク、磁気テープなどに記録される。
このような従来の撮像装置では、上記のような規格化されたフォーマット(画像(映像)フォーマット)で決められている最白点(すなわちディスプレイ装置に表示する際の最大明度値)を「100%」とした場合、通常100%〜500%の明度のダイナミックレンジ(以下、「Dレンジ」という。)が撮影できるように設定される。なお、ここで、「100%のダイナミックレンジ」とは、信号値(例えば、明度値)のとり得る範囲が0%〜100%の範囲であることをいう。つまり、「100%のダイナミックレンジ」とは、信号値の最小値が「0%」であり、信号値の最大値が「100%」であることをいう。また、撮像装置の撮像素子は、光電変換により、200%〜500%程度の広いDレンジの映像(画像)信号に変換される光の強度変化に十分対応することができるだけの感度(受光感度)を有している。撮像装置の撮像素子は、例えば、空や雲などの高輝度信号に変換される光に対しても十分な感度(受光感度)を有している。
一般に、ユーザは、撮像装置を用いて、夜の薄暗い室内から晴天の屋外まで、様々な撮影シーンを撮影する。撮像装置で撮影されるシーンが異なると、撮像装置の撮像素子により取得される映像(画像)信号のピーク値が異なることになる。つまり、撮像素子により取得される映像(画像)信号により形成される1枚の画像(例えば、1フレームの画像)内における画素値(画像を形成する画素の値(映像(画像)信号の信号値に対応する値))のピーク値が異なることになる。例えば、夜の薄暗い室内のシーンを撮像装置により撮影した場合、撮像画像(撮像装置の撮像素子により取得された画像)の画素値のピーク値は小さい値となり、逆に、晴天の屋外のシーンを撮像装置により撮影した場合、撮像画像の画素値のピーク値は大きな値となる。撮像装置の撮像素子により取得された、撮影シーンによりピーク値が異なる映像(画像)信号は、撮像素子の後段にある撮像装置の信号処理部に入力されることになる。つまり、撮像装置の信号処理部には、可変のDレンジの映像(画像)信号が入力されることになる。
撮像装置は、撮像装置の信号処理部により、このような可変の広いDレンジの映像(画像)信号を100%以下のDレンジを持つ映像(画像)信号に圧縮して、表示機器へ出力、または、記録媒体に保存している。撮像装置のこのような圧縮処理をDレンジ圧縮処理という。なお、通常、撮像装置において、Dレンジ圧縮処理前にγ補正(例えば、γ=0.45によるガンマ補正処理)が行われるので、例えば、500%のDレンジの映像(画像)信号は、γ=0.45のγ処理により約200%のDレンジの映像(画像)信号に変換される。以下、「DレンジX%」(Xは任意の数字)、または、単に「X%」(Xは任意の数字)と表記した場合、γ補正処理後の映像(画像)信号のDレンジを表すものとする。
従来のDレンジ圧縮処理として、よく知られているオートニー(Auto Knee)処理および特許文献1・2等に記載の視覚処理装置によるDレンジ圧縮処理の2つの処理について、以下説明する。
≪オートニー処理について≫
図1に、オートニー処理の入出力特性を示す。
オートニー処理は、入力画像の各画素の輝度に相当する入力輝度信号Yin(入力画像の各画素の画素値に対応する信号)を、図1に示すような折れ線形状の入出力特性を有する変換により入力Dレンジを圧縮し、出力輝度信号Youtを出力することで実行される。
図1に示すように、この折れ線形状の入出力特性は、折れ点(ニーポイント:Knee Point、通常85%程度)を介し、低輝度変換部LR(傾き1)(図1のグラフでは、Yinが0〜85%の領域がこの「低輝度変換部」に相当する。)と、高輝度変換部HR(ニースロープ:Knee Slope、傾き可変)(図1のグラフでは、Yinが85%以上の領域がこの「高輝度変換部HR」に相当する。)から成る。一般に、オートニー処理では、撮影シーンにより変動する入力ピーク値(入力輝度信号Yinのピーク値)が、常に出力輝度信号YoutのDレンジの最大値として出力されるように、高輝度変換部HRの傾きを入力ピーク値に連動して変化させる。例えば、図1に示すように、入力ピーク値PinがA1である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L1とする。入力ピーク値PinがA2である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L2とする。そして、入力ピーク値PinがA3である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L3とする。このようにして、オートニー処理では、高輝度変換部HRの傾きを入力ピーク値Pinに連動させて変化させる。
オートニー処理では、人物などの主要な被写体が存在する中輝度以下(0%〜85%)の入力輝度信号Yinは、低輝度変換部LR(傾き1)の特性曲線(図1では直線)により変換され、明るさが維持された出力輝度信号Youtに変換される。
しかしながら、被写体における空や雲などの領域に対応する高輝度信号(85%〜入力ピーク値)は、高輝度変換部HR(傾き1以下)により出力輝度信号のDレンジが85%〜100%の15%の範囲となるように圧縮されるので、出力輝度信号により形成される画像の階調性が著しく劣化する。このため、図5(a)のように、オートニー処理を行った輝度信号により形成される画像において、空や雲などの陰影(コントラスト)が極端に低下してしまうという課題がある。
≪特許文献1・2等に記載の視覚処理装置によるDレンジ圧縮処理(視覚的ニー処理)≫
そこで、このコントラスト低下の課題を解決するための、人間の視覚特性に基づいたDレンジ圧縮処理が、特許文献1・2等に開示されている。これについて、図2〜4を用いて説明する。
まず、図2に視覚特性の1つである明暗対比特性の説明図を示す。
左右の大きい円の内側にある小さな円は、ともに同じ輝度値であるが、左の中心の円は周辺が暗いので明るく見え、右の中心の円は周辺が明るいので暗く見える。このように、人間は、輝度値そのものではなく、周辺との対比で明るさ・コントラストを知覚している。これを明暗対比特性という。
次に、この明暗対比特性に基づいて階調変換処理を行う、特許文献1・2等に記載の視覚処理装置10について説明する。
図3に、視覚処理装置10のブロック図を示す。視覚処理装置10は、空間処理部101と、2次元LUTで実現された視覚処理部102と、から構成される。
まず、空間処理部101により、入力輝度(信号)Yinに対し、その周辺平均輝度(信号)Yaveを算出する。
ここで、「周辺平均輝度」とは、入力輝度信号Yinが形成する画像において、処理対象である着目画素を中心として形成される所定の面積を有する画像領域に含まれる画素の輝度平均値のことをいい、例えば、画像サイズが1920画素×1080画素の場合、着目画素を中心とする400画素×240画素程度の領域(画像領域)に含まれる画素の輝度平均値が、「周辺平均輝度」に相当する。
次に、視覚処理部102には、周辺平均輝度(信号)Yaveごとに異なる複数の階調変換カーブ(階調変換特性を決定する階調変換特性曲線データ)が格納されており、入力輝度(信号)Yinを、2D−LUT(2次元ルック・アップ・テーブル)からその周辺平均輝度(信号)Yaveに対応する階調変換カーブにより階調変換する。そして、視覚処理部102は、階調変換することで取得した出力輝度(信号)Youtを出力する。
視覚処理部102の入出力特性を様々に変えることにより(視覚処理部102を2D−LUT(2次元ルックアップテーブル)で実現する場合は、その2D−LUTの入出力特性データを様々に変えることにより)、視覚処理装置10では、コントラストを維持したDレンジ圧縮処理や暗部補正処理、また、全体の明るさ感を維持したコントラスト強調処理などの様々な階調変換処理が可能となる。
このうち、視覚処理部102をDレンジ圧縮処理に用いる場合について詳細に説明する。以下、視覚処理部102により行うDレンジ圧縮処理のことを、視覚特性に基づいたニー(Knee)処理という意味で、「視覚的ニー処理」と称することとする。
図4に、視覚的ニー処理における視覚処理部11の入出力特性を示す。
視覚的ニー処理では、明暗対比特性に基づき、入力輝度(信号)Yinを、その周辺平均輝度(信号)Yaveが高いほど低い値に変換する階調変換曲線(階調変換曲線C1〜Cnから選択)を用いてDレンジを圧縮し、出力輝度(信号)Youtを出力する。ここで、階調変換曲線C1は、周辺平均輝度Yaveが85%以下の場合に選択されるDレンジ圧縮曲線を示し、階調変換曲線C2、階調変換曲線Cm、階調変換曲線Cnは、図4に示すグラフにおいて、下方にあるほど、周辺平均輝度Yaveが高い場合に選択されるDレンジ圧縮特性曲線(階調変換曲線)を示している。このような視覚的ニー処理について、オートニー処理と比較しながら、図5を用いて説明する。
図5(a)に、オートニー処理による処理画像の説明図を示す。また、図5(b)に、視覚的ニー処理による処理画像の説明図を示す。
オートニー処理では、入力輝度(信号)Yinに対して、1種類の曲線(折れ線)(図4の折れ線AK)(階調変換曲線)により処理を行い、出力輝度(信号)Youtを取得する。つまり、オートニー処理では、入力画像全体(図5(a)に示す画面全体)に対して、1種類の階調変換曲線(折れ線)による処理がなされる。オートニー処理では、入力輝度(信号)Yinが形成する画像において人物などの中輝度以下の明るさとなる画像領域が、オートニー処理後の出力輝度信号Youtにより形成される画像においても十分な明るさを維持させるために、入力輝度(信号)Yinの輝度値(信号値)が高い信号(高輝度信号)に対して強く圧縮処理を行っている。このため、図5(a)に示すように、高輝度信号により形成される画像領域である空の部分のコントラストが低下している。
一方、視覚的ニー処理では、図5(b)に示すように、周辺平均輝度に応じて、画像領域が明るい領域であるのか、それとも暗い領域であるのかによって、異なる階調変換曲線による階調変換処理が実行される。つまり、視覚的ニー処理では、画像上の明暗領域ごとに異なる階調変換曲線が選択される。中輝度以下の人物などの主要被写体の部分(画像領域)に対しては、階調変換曲線C1が選択されて階調変換が実行される。これにより、視覚的ニー処理後の画像において、中輝度以下の人物などの主要被写体の部分(画像領域)の明るさは保たれる。一方、空や雲などの高輝度信号により形成される画像領域は、周辺平均輝度が高いので、例えば階調変換曲線Cmが選択されて階調変換が実行される。階調変換曲線Cmは、入力輝度信号Yinの値が大きい領域(図4のYinが85〜200%の領域)の殆どの領域において、オートニー処理に用いられる階調変換曲線における高輝度変換部の曲線(図4では直線)の傾きよりも傾きが大きく、かつ、階調変換後の値(Youtの値)(出力値)が低い。このため、入力高輝度信号(例えば、85%〜200%の入力輝度信号Yin)は、より広い出力Dレンジ(例えば、50%〜100%)の出力輝度信号Youtに圧縮される。これにより、視覚的ニー処理により取得される画像において、コントラスト低下が抑制される。
例えば、視覚的ニー処理では、着目画素の入力輝度信号YinがB1であり、当該着目画素の周辺輝度が高い場合、当該着目画素に相当する入力輝度信号Yinは、階調変換曲線Cmにより、出力輝度信号Youtの値D1に変換される。一方、オートニー処理では、上記と同じ場合、着目画素に相当する入力輝度信号Yin(=B1)は、折れ線による階調変換曲線AKにより、出力輝度信号Youtの値E1に変換される。つまり、この場合、視覚的ニー処理による変換後の値(Youtの値)の方が小さくなるので、視覚的ニー処理により、オートニー処理よりも広い出力Dレンジの出力輝度信号Youtを取得することができる。また、図4のR1で示した部分の折れ線AKの傾きよりも、図4のR2で示した部分の階調変換曲線Cmの傾きの方が大きい。このため、視覚的ニー処理により取得される画像は、オートニー処理により取得される画像に比べて、よりコントラスト低下が抑制されたものとなる。
このように、視覚的ニー処理では、オートニー処理のように画面(画像)全体に、単一のDレンジ圧縮曲線(直線)(階調変換曲線)によるDレンジ圧縮処理(階調変換処理)を行うのではなく、着目画素の周辺平均輝度に基づいて、複数のDレンジ圧縮曲線(階調変換曲線)の中から所定の出力Dレンジ圧縮曲線(階調変換曲線)を選択して、Dレンジ圧縮処理(階調変換処理)を行う。このため、視覚的ニー処理では、輝度領域(画像領域)ごとに(例えば、明るい領域や暗い領域ごとに)、独立に明るさをコントロールすることができるDレンジ圧縮処理(階調変換処理)を実現することができる。つまり、視覚的ニー処理では、主要被写体の明るさを保ったまま、周辺平均輝度が高い高輝度領域のみに適用させる階調変換曲線の傾きをより大きくすることが可能である。これにより、視覚的ニー処理による取得画像において、高輝度領域(高輝度画像領域)の階調性を大幅に改善させることができる。
特許第4126297号 国際公開第WO2007/043460号
しかしながら、視覚的ニー処理は、LUT(ルック・アップ・テーブル)による固定処理なので、オートニー処理のように、入出力特性を入力ピーク値に連動させる機能(以下、「オートニー機能」と称する)がなかった。このため、以下の課題が生じる。
図6は、オートニー機能がない場合に生じる課題について説明するための図である。
ここでは、視覚処理部102の2D−LUT(2次元ルック・アップ・テーブル)の最大入力Dレンジを200%(γ補正後)で設計した場合を想定し、図6(a)および(b)は、それぞれ、入力ピーク値(入力輝度信号Yinのピーク値)が200%以上および200%以下の場合の視覚処理装置10の動作および処理画像について説明するための図である。
(1)入力ピーク値Pin≧200%の場合、図6(a)に示すように、入力輝度(信号)Yinを、あらかじめ200%で制限(クリップ)しておく必要がある。これにより、200%以上の階調が全て失われてしまうので、図6(a)の処理画像Img1のように、空の部分(画像領域)が白飛びしてしまうという課題がある。
(2)一方、入力ピーク値Pin≦200%の場合、図6(b)に示すように、入力輝度(信号)Yinの入力ピーク値Pinは、階調変換曲線C1〜Cnの中のいずれかの階調変換曲線により変換される。いずれの階調変換曲線を用いた場合でも、入力ピーク値Pinの視覚処理部102による階調変換後の出力(出力ピーク値)Poutは、100%未満の値となり、出力Dレンジを使い切ることができない。つまり、この場合、高輝度信号(高輝度画像領域に相当する入力輝度信号Yin)に対して、必要以上に圧縮処理を行うことになるので、視覚処理部102から出力される出力輝度信号Youtにより形成される画像において、高輝度部(例えば図6(b)の空の部分)の階調が失われる。このため、図6(b)の処理画像Img2のように、空の部分が暗い画像(いわゆる眠い画)となってしまうという課題がある。
なお、この課題を解決する手法として、例えば、最大入力Dレンジ(視覚処理部102に入力される輝度信号Yinの最大Dレンジに相当)100%用、200%用、400%用、800%用、・・・、に設計された複数のLUTを作成しておき、入力ピーク値Pinに合わせて各LUTを動的に差し替えるという手法が考えられる。しかしながら、この場合、800%用の2次元LUTの回路が必要となり、回路規模が非常に大きくなる問題や、LUTの差し替えに伴うタイムラグなどの問題もあるので、この手法を採用することは、現実的ではない。
本発明は、このような課題を解決するものであり、視覚的ニー処理に、オートニー機能を設けることで、可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、入力画像信号により形成される画像内のピーク値に基づいて、常に出力フルレンジに圧縮された画像信号を取得することができる(すなわち、画像内のピークに連動して動的にDレンジ圧縮処理を行うことができる)ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置等を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、周辺平均輝度信号を用いてゲイン制御することで、コントラストを維持したまま、オートニー機能を実現することを目的とする。
第1の発明は、可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置であって、空間処理部と、視覚処理部と、ピーク検出部と、増幅部と、を備えるDレンジ圧縮装置である。空間処理部は、画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する。視覚処理部は、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。ピーク検出部は、画像信号が形成する画像内のピーク値を検出する。増幅部は、視覚処理部から出力される画像信号をピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
このDレンジ圧縮装置では、視覚処理部により、画像信号が周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換により、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理される。さらに、このDレンジ圧縮装置では、ピーク検出部により検出された画像内のピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により、画像信号の増幅処理を行う。
視覚処理部は、通常、非線形な変換も行うことができるようにするため、ルックアップテーブル(LUT)で構成される。このため、動的な処理を行えず、入力ピーク値にKnee特性(Dレンジ圧縮特性)を連動させる機能(オートニー機能)を実現できない。そこで、後段に入力ピーク値を用いた増幅回路(増幅部)を設ける。
これにより、視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行うことができる。これにより、Dレンジ圧縮装置で処理された画像信号により形成される画像は、常に出力フルレンジの画像となる。なお、LUTに限らず、視覚処理部の非線形変換を複雑な回路(ハードウェア)により実現する場合であっても、このDレンジ圧縮装置では、簡易にオートニー機能を実現することができる。
なお、「周辺平均輝度信号」とは、画像信号が形成する画像における注目画素および注目画素周辺の画素から導かれる情報をいう。例えば、周辺画素を中心としたM画素×N画素の画像領域の平均の明るさ(階調値、画素値)等がこの一例である。また、着目画素の周辺画像領域(周辺平均輝度信号を求めるための画像領域)は、矩形領域に限らず、円形領域・楕円形領域などでもよく、また、輝度平均値とは、単純平均値・加重平均値などを含む概念である。また、周辺画像情報を取得するために、必ずしも画素単位での処理を行う必要はなく、複数の画素からなるブロック単位での処理を行うことで周辺画像情報を取得してもよい。
また、「所定の出力Dレンジ」とは、Dレンジ圧縮装置の出力信号のDレンジのことをいい、出力信号のフルレンジを含む概念である。ここで、出力信号のフルレンジとは、表示機器や記録媒体における画像フォーマットで定められた最大値のことを指すが、これに限定されることはなく、例えば、当該最大値付近の値を含む概念である。
ここで、「画像フォーマット」とは、JPEG、BMP、TIFF、RAWなど、一般にカメラで用いられている記録フォーマットである。そして、「画像フォーマットで定められた最大値」とは、例えばBMP(R,G,B各8ビット)の場合、「255」である。
なお、「ピーク値」とは、入力画像(幅W×高さH)の画面(画像)内に含まれる画素の画素値(画像信号の信号値に相当。)の最大値のことであり、厳密な最大値の他に、最大値付近の値を含む概念である。
第2の発明は、第1の発明であって、画像フォーマットで決められている最大値を「100%」とした場合、所定の出力Dレンジは、90%〜100%程度である。
通常、所定の出力Dレンジ=100%とする。すなわち、視覚処理部(2D−LUTで構成)により入力Dレンジを100%以下に圧縮し、増幅部により圧縮しすぎた分を増幅して100%(=出力フルレンジ=画像フォーマットで定められた最大値)まで拡大する。しかし、厳密に100%にする必要はなく、90%〜100%程度の範囲内の値としてもよい。
なお、動画の場合、「画像フォーマットで定められた最大値」=255を109%などとみなす場合がある。これは、16を0%、235を100%とみなすためであり、この場合、255は約109%となるが、「所定の出力Dレンジ」は、この概念を含む。
第3の発明は、第1または第2の発明であって、画像信号をピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、画像信号のDレンジが視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部をさらに備える。視覚処理部は、プレ圧縮部から出力される画像信号を、周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性によりお変換することにより、プレ圧縮部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。
このDレンジ圧縮装置では、「ピーク値≧視覚処理部の最大入力Dレンジ」の場合においても、視覚処理部前段のプレ圧縮部により、視覚処理部の最大入力Dレンジまで事前に画像内のピーク値に合わせて動的に圧縮することができる。したがって、このDレンジ圧縮装置に、あらゆる可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、入力画像信号により形成される画像内のピーク値に連動したDレンジ圧縮処理を行うことができる。その結果、このDレンジ圧縮装置により処理された画像信号は、常に所定の出力Dレンジ(出力フルレンジ)を有する画像信号に圧縮することができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明であって、増幅部は、周辺平均輝度信号をさらに用いて、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
これにより、コントラストを維持したまま、オートニー機能を実現することができる。
コントラストが維持される理由は後述するが、図14を用いて簡単に説明する。図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(画素Poに対応する画像信号Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以上)により増幅される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、増幅前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ拡大された場合であってもコントラストが過剰に強調されることがない)。
また、周辺平均輝度信号によりゲイン制御を行うことは、視覚処理部の2次元LUTの対角成分を外部から動的制御することに相当する。2次元LUTの対角成分は、画像信号と周辺平均輝度信号(低周波成分)とが同じ値になる場合の出力輝度であり、これは周辺平均輝度信号の変換特性(低周波変換特性)を意味する。増幅部において、周辺平均輝度信号を用いてゲイン制御を行うことで、対角成分(周辺輝度変換特性)を外部から動的に制御するのと、同等の機能を実現できる。
また、次のように解釈することもできる。視覚処理部に格納された複数の階調変換カーブは、周辺平均輝度ごとに異なる。これに周辺平均輝度を用いたゲイン制御を行うことは、各カーブの傾きを個別に調整することに相当する。これにより、視覚処理部がLUTで構成された場合であっても、視覚処理部の各階調変換カーブを動的に制御するのと同等のことができる。
第5の発明は、第3または第4の発明であって、プレ圧縮部は、周辺平均輝度信号をさらに用いて、ピーク値に連動した動的圧縮処理を行う。
これにより、コントラストを維持したまま、「ピーク値≧視覚処理部の最大入力Dレンジ」の場合においても、オートニー機能を実現することができる。
第6の発明は、第4の発明であって、増幅部は、ピーク値が小さいほど、大きい値を出力する増幅用入出力変換特性により動的増幅処理を行う。
第7の発明は、第4または第6の発明であって、増幅部は、周辺平均輝度信号が大きいほど、大きい値を出力する増幅用入出力変換特性により動的増幅処理を行う。
第8の発明は、第6または第7の発明であって、増幅部は、増幅用入出力変換特性を、ピーク値および周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する。
これにより、簡易に、増幅部を実現させることができる。特に、増幅部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
第9の発明は、第6または第7の発明であって、増幅部は、増幅用入出力変換特性を折れ線特性で実現する。
これにより、簡易に、増幅部を実現させることができる。特に、増幅部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
第10の発明は、第4の発明であって、周辺平均輝度信号をYaveとし、ピーク値をPinとし、ピーク値Pinに対する視覚処理部の出力値をPoutとし、ニーポイントの値をKpとし、増幅部に入力される画像信号をYoutとし、増幅部から出力される画像信号をYout’とし、画像フォーマットで決められている最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、増幅部は、
k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
Yout’=g2(Yave,Pin)*Yout
により増幅部から出力される画像信号Yout’を求めることで、動的増幅処理を行う。
第11の発明は、第5の発明であって、プレ圧縮部は、ピーク値が大きいほど、小さい値を出力する圧縮用入出力変換特性により動的圧縮処理を行う。
これにより、簡易に、プレ圧縮部を実現させることができる。特に、プレ圧縮部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
第12の発明は、第5または第11の発明であって、プレ圧縮部は、周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する圧縮用入出力変換特性により動的圧縮処理を行う。
第13の発明は、第11または第12の発明であって、プレ圧縮部は、圧縮用入出力特性を、ピーク値および周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する。
第14の発明は、第11または第12の発明であって、プレ圧縮部は、圧縮用入出力特性を折れ線特性で実現する。
これにより、簡易に、プレ圧縮部を実現させることができる。特に、プレ圧縮部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
第15の発明は、第5の発明であって、周辺平均輝度信号をYaveとし、ピーク値をPinとし、ニーポイントの値をKpとし、プレ圧縮部に入力される画像信号をYinとし、プレ圧縮部から出力される画像信号をYin’とし、画像フォーマットで決められている最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、プレ圧縮部は、
k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
Yin’=g1(Yave,Pin)*Yin
によりプレ圧縮部から出力される画像信号Yin’を求めることで、動的圧縮処理を行う。
第16の発明は、第1から第15のいずれかの発明であって、視覚処理部は、周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する。
第17の発明は、第1から第16のいずれかの発明であって、視覚処理部は、階調変換特性を実現する2次元LUTを有し、2次元LUTによりDレンジ圧縮処理を行う。
これにより、視覚処理部では、2次元LUTにより、Dレンジ圧縮処理を実現させることができる。
第18の発明は、第17の発明であって、視覚処理部の2次元LUTのデータを登録するLUTデータ登録部をさらに備える。
これにより、視覚処理部に入力される画像信号のDレンジが変更された場合であっても、そのDレンジに対応した2次元LUTのデータを登録することができるので、このDレンジ圧縮装置では、様々なDレンジの画像信号に対してDレンジ圧縮処理を行うことができる。
第19の発明は、第3から第18のいずれかの発明であって、空間処理部は、プレ圧縮部から出力される信号から周辺平均輝度信号を算出する。
第20の発明は、第1から第19のいずれかの発明であって、画像信号にゲインを乗算するゲイン乗算部をさらに備える。視覚処理部は、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行うためのゲインである第1ゲインを出力する。増幅部は、第1ゲインをさらに増幅させた第2ゲインを出力する。ゲイン乗算部は、第2ゲインを画像信号に乗算する。
このDレンジ圧縮装置では、視覚処理部により、特に、暗部の階調表現能力(ビット精度)を向上させることができるので、このDレンジ圧縮装置で取得される画像(映像)において、暗部の階調表現能力(ビット精度)を向上させることができる。
第21の発明は、第1から第20のいずれかの発明であって、視覚処理部は、画像信号および周辺平均輝度信号を入力とする2次元のルックアップテーブルにより構成される。
なお、視覚処理部の出力は、視覚処理後の画像信号、または、画像信号に視覚処理を行うためのゲイン信号にしてもよい。
これにより、きめ細かな画質チューニングを行った、非線形な階調変換処理が可能となる。
第22の発明は、可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮方法であって、空間処理ステップと、視覚処理ステップと、ピーク検出ステップと、増幅ステップと、を備えるDレンジ圧縮方法である。空間処理ステップでは、画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する。視覚処理ステップでは、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。ピーク検出ステップは、画像信号が形成する画像内のピーク値を検出する。増幅ステップでは、視覚処理ステップから出力される画像信号をピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するDレンジ圧縮方法を実現することができる。
第23の発明は、可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮処理をコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラムは、コンピュータに、空間処理ステップと、視覚処理ステップと、ピーク検出ステップと、増幅ステップと、を実行させる。空間処理ステップでは、画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する。視覚処理ステップでは、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。ピーク検出ステップでは、画像信号が形成する画像内のピーク値を検出する。増幅ステップでは、視覚処理ステップから出力される画像信号をピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現することができる。
第24の発明は、可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置に用いられる集積回路であって、空間処理部と、視覚処理部と、ピーク検出部と、増幅部と、を備える。空間処理部は、画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する。視覚処理部は、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。ピーク検出部は、画像信号が形成する画像内のピーク値を検出する。増幅部は、視覚処理部から出力される画像信号をピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
第25の発明は、可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置を備える撮像装置であって、空間処理部と、視覚処理部と、ピーク検出部と、増幅部と、を備える。空間処理部は、画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する。視覚処理部は、画像信号を周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う。ピーク検出部は、画像信号が形成する画像内のピーク値を検出する。増幅部は、視覚処理部から出力される画像信号をピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行う。
これにより、第1の発明の機能を有する撮像装置を実現することができる。
本発明によれば、可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、入力画像信号により形成される画像内のピーク値に基づいて、出力フルレンジに圧縮された画像信号を取得することができる(すなわち、画像内のピークに連動して動的にDレンジ圧縮処理を行うことができる)ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置を提供することができる。
また、周辺平均輝度信号を用いてゲイン制御することで、コントラストを維持したまま、オートニー機能を実現することができる。
オートニー処理の入出力特性 明暗対比特性(明るさ対比特性)の説明図 視覚処理装置10のブロック図 視覚的ニー処理における視覚処理部102の入出力特性 オートニー処理および視覚的ニー処理の動作および処理画像についての説明図 オートニー機能がない場合に生じる課題についての説明図 第1実施形態におけるDレンジ圧縮装置1000の構成を示すブロック図 Dレンジ圧縮装置1000の動作についての説明図 第2実施形態におけるDレンジ圧縮装置2000の構成を示すブロック図 Dレンジ圧縮装置2000の動作についての説明図 Dレンジ圧縮装置2000の動作についての説明図 Dレンジ圧縮装置2000の動作についての説明図 第3実施形態におけるDレンジ圧縮装置3000の構成を示すブロック図 Dレンジ圧縮装置2000での処理の一例を説明するための模式図 他の実施形態におけるDレンジ圧縮装置2000Aの構成を示すブロック図 視覚処理部102(輝度型)および視覚処理部103(ゲイン型)の入出力特性 第4実施形態におけるDレンジ圧縮装置4000の構成を示すブロック図
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、本発明の実施形態では、YCbCr色空間、YUV色空間、Lab色空間、Luv色空間、YIQ色空間、YPbPr色空間の輝度成分Yまたは明度成分Lを輝度信号と定義する。なお、RGB別に処理を行ってもよく、RGB別の処理を行う場合、RGBの各信号が輝度信号と読み替えられる。以下では、輝度信号を画像信号として説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態であるDレンジ圧縮装置1000について、図7および図8を用いて説明する。
<1.1:Dレンジ圧縮装置の構成>
図7は、本発明の第1実施形態におけるDレンジ圧縮装置1000の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本発明の第1実施形態によるDレンジ圧縮装置1000は、画像信号Yinの画面内(画像信号により形成される画像内)のピーク値Pinを検出するピーク検出部20と、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮するプレ圧縮部30と、を備える。また、Dレンジ圧縮装置1000は、プレ圧縮部30の出力信号Yin’に対して視覚処理を行う視覚処理装置10と、視覚処理装置10の出力信号YoutのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、所定の出力Dレンジまで動的に拡大する増幅部40を備える。
すなわち、Dレンジ圧縮装置1000は、図3に示した視覚処理装置10(特許文献1・2等に開示されている視覚処理装置)に、ピーク検出部20、プレ圧縮部30および増幅部40を、さらに追加した構成となっている。
ピーク検出部20は、画像信号Yinを入力とし、画像信号Yinにより形成される画像内において、画像信号Yinのピーク値Pinを検出し、検出したピーク値Pinをプレ圧縮部30および増幅部40に出力する。
なお、ピーク検出部20が検出するピーク値Pinとして、単に画面内(画像信号Yinにより形成される画像内)の最大値(画像信号Yinにより形成される画像を構成する画素の画素値の最大値)をそのまま用いてもよいが、これに限定されない。例えば、ノイズなどの影響を低減するために、画像信号Yinを空間的にぼかした信号(周辺平均輝度信号でもよい)の画面内(空間的にぼかした信号が形成する画像内)におけるピーク値を、上記ピーク値Pinとして用いてもよい。また、Dレンジ圧縮装置1000において動画を処理対象とする場合、時系列に並ぶ複数のフレーム画像の各フレーム画像における画像信号Yinのピーク値を平均した値(時間方向の複数フレームにおける各フレームのピーク値の時間平均値)を、上記ピーク値Pinとしてもよい。また、ピーク検出部20は、ピーク値Pinを検出するために、画像信号Yinにより形成される画像の全画素をスキャンする必要があるので、1V遅延(1フレーム遅延)が発生する。これを避けるために、1フレーム前のフレーム画像におけるピーク値を、上記ピーク値Pinとして用いるようにしてもよい。これは動画に限らず、静止画でも採用することができる。例えば、撮像装置(カメラ)等の液晶モニタに映し出されたライブビュー映像(画像)を用いて1フレーム前のピーク値を取得し、その取得したピーク値を、上記ピーク値Pinとして用いることができる。ただし、静止画を処理対象とする場合、フラッシュ光を発光させて撮影したときは、1フレーム前のフレーム画像内のピーク値と現フレームのフレーム画像内のピーク値とが大きく異なる場合がある。したがって、可能な限り、現フレームのフレーム画像内のピーク値を、上記ピーク値Pinとして用いることが望ましい。
プレ圧縮部30は、画像信号Yinおよびピーク検出部20から出力されるピーク値Pinを入力とし、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮する。そして、プレ圧縮部30は、Dレンジ圧縮処理を行った画像信号Yin’を視覚処理装置10の空間処理部101および視覚処理部102に入力する。
視覚処理装置10は、図7に示すように、空間処理部101および視覚処理部102を有する。
空間処理部101は、プレ圧縮部30から出力される画像信号Yin’を入力とし、プレ圧縮部30からの出力される画像信号Yin’に対する周辺平均輝度信号Yaveを算出し、算出した周辺平均輝度信号Yaveを視覚処理部102に出力する。つまり、空間処理部101は、画像信号Yin(またはYin’)により形成される画像において、画像信号Yin’に相当する画素(着目画素)の周辺の複数の画素(周辺画素)の画素値を平均(重み付き平均等の演算を含む。)した値を算出することで、周辺平均輝度信号Yaveを取得する。なお、空間処理部101は、着目画素の画素値および当該着目画素の周辺画素の画素値の加算平均処理(加算重み付き平均処理等を含む。)を行うことで、周辺平均輝度信号Yaveを算出するようにしてもよい。また、空間処理部101は、LPF(2次元LPF)により実現してもよい。
視覚処理部102は、2次元LUTを有し、プレ圧縮部30から出力される画像信号Yin’および空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveを入力とする。視覚処理部102は、プレ圧縮部30の出力信号Yin’のDレンジを、周辺平均輝度信号Yaveに応じて異なる入出力特性を有する2次元LUTによる変換(階調変換)により、所定の出力Dレンジ以下まで圧縮する。そして、視覚処理部102は、画像信号Yin’をDレンジ圧縮した画像信号を、画像信号Youtとして増幅部40に出力する。
増幅部40は、視覚処理部102から出力される画像信号Youtおよびピーク検出部20から出力されるピーク値Pinを入力とし、画像信号YoutのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、所定の出力Dレンジまで拡大する。そして、増幅部40は、Dレンジ拡大した画像信号を、画像信号Yout’として出力する。例えば、上記「所定の出力Dレンジ」を100%とし(つまり、増幅部40から出力する画像信号のDレンジを100%とし)、視覚処理部102から出力される画像信号Youtのピーク値がPoutとした場合、増幅部40は、画像信号Youtのピーク値Poutが、100%の画像信号となるように、Dレンジ拡大処理を行うことで、画像信号Yout’を取得する。
<1.2:Dレンジ圧縮装置の動作>
以上のように構成されたDレンジ圧縮装置1000の動作について、以下、図面を参照しながら説明する。
なお、上記で説明した視覚処理装置10と同様の部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、視覚処理部102の最大入力Dレンジを200%、所定の出力Dレンジを100%(出力フルレンジ)として説明する。
画像信号Yinは、ピーク検出部20およびプレ圧縮部30に入力される。
ピーク検出部20では、画像信号Yinにより形成される画像内において、画像信号Yinのピーク値Pinが検出される。そして、検出されたピーク値Pinは、プレ圧縮部30および増幅部40に出力される。
なお、上記で説明したように、ピーク値Pinとしては、単に画面内(画像信号Yinにより形成される画像内)の最大値をそのまま用いてもよいし、ノイズなどの影響を低減するために、画像信号Yinにより形成される画像を空間的にぼかした画像内のピーク値を用いてもよい。また、現フレームを含む時系列に並ぶ複数のフレーム画像における各ピーク値の平均値をピーク値Pinとして用いてもよい。さらに、現画像の1フレーム前のフレーム画像内のピーク値をピーク値Pinとして用いてもよい。この場合、1フレーム分の遅延がないので、ピーク検出部20での処理時間を短くすることができる。
プレ圧縮部30に入力された画像信号Yinは、プレ圧縮部30により、ピーク値Pinに基づいて視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮され、画像信号Yin’として、視覚処理装置10の空間処理部101および視覚処理部102に出力される。
これについて、図8を用いて、具体的に説明する。
図8(a)に、Pin≧200%の場合のDレンジ圧縮装置1000の動作を説明するための図を示す。また、図8(b)に、Pin≦200%の場合のDレンジ圧縮装置1000の動作を説明するための図を示す。
プレ圧縮部30では、画像信号YinのDレンジが、ピーク値Pinを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ(200%)以下まで動的に圧縮される。
プレ圧縮部30の入出力特性f1(Yin,Pin)は、例えば、次式で示される特性に設定される。
Yin’=f1(Yin,Pin)=min(Yin,k1(Pin)*(Yin−Pin)+2)
k1(Pin)=(2−Kp)/(Pin−Kp)
Pin=max(Pin,2)
ここで、Kpはニーポイント(Kp≒0.85)を表す。
Pin≧200%の場合、プレ圧縮部30の入出力特性f1(Yin,Pin)は、図8(a)に示すような折れ線で示される特性となる。そして、プレ圧縮部30では、Kp〜Pinである高輝度信号(画像信号Yin)のみに対して、出力画像信号Yin’のDレンジがKp〜200%となるようにDレンジ圧縮処理を行う。この際、プレ圧縮部30では、入力画像信号Yinのピーク値Pinが200%で出力されるよう、折れ線の傾きが動的に制御される。これにより、視覚処理部102に入力されるDレンジは、常に、最大入力Dレンジ(200%)に動的に正規化される。つまり、このようなプレ圧縮部30でのDレンジ圧縮処理により、視覚処理部102に入力される画像信号Yin’のDレンジが最大200%であることが保証される。
Pin≦200%の場合、プレ圧縮部30の入出力特性f1(Yin,Pin)は、図8(b)に示すような傾き「1」の直線で示される特性となる。そして、入力画像信号Yinが、プレ圧縮部30から、そのまま出力される。
空間処理部101では、プレ圧縮部30から出力された画像信号Yin’に対して周辺平均輝度信号Yaveが算出される。
例えば、空間処理部101は、画像信号Yin’をローパスフィルタ(低域空間フィルタ)により処理することで周辺平均輝度信号(アンシャープ信号)Yaveを取得する。周辺平均輝度信号(アンシャープ信号)Yaveは、以下のような演算により生成する。
Yave=(Σ[Wij]×[Aij])÷(Σ[Wij])
ここで、[Wij]は、対象画素(着目画素)および周辺画素において、画像信号Yin’が形成する画像上において、i行j列目に位置する画素の重み係数であり、[Aij]は、対象画素および周辺画素において、i行j列目に位置する画素の値である。また、「Σ」は、対象画素および周辺画素のそれぞれの画素についての合計を算出することを意味している。
なお、画素値の差の絶対値が大きいほど小さい値の重み係数が与えられてもよいし、対象画素から距離が大きいほど小さい重み係数を与えるようにしてもよい。また、周辺画素の領域サイズ(画像領域サイズ)は効果に応じてあらかじめ設定される大きさであり、所定のサイズより大きくすると視覚効果を高めることができる。例えば、対象とする画像の大きさが横1024画素および縦768画素であれば、縦横がそれぞれ80画素以上の領域(画像領域)から周辺平均輝度信号Yaveを生成するようにすればよい。
また、空間処理部101では、周辺平均輝度信号Yaveを算出するための低域空間フィルタとして、FIR(Finite Impulse Response)型の低域空間フィルタ、あるいはIIR(Infinite Impulse Response)型の低域空間フィルタなどを用いてもよい。
視覚処理部102では、プレ圧縮部30から出力された画像信号Yin’のDレンジが、周辺平均輝度信号Yaveに応じて異なる入出力特性を有する2次元LUTによる変換
Yout=lut(Yin’,Yave)
により、所定の出力Dレンジ以下まで圧縮される。LUTの入出力特性lut(Yin’,Yave)は、図4に示した特性と同様である。
Pin≧200%の場合、視覚処理部102により、200%に正規化されたプレ圧縮部30の出力画像信号Yin’のDレンジが、さらに100%にコントラストの低下なく圧縮される。
Pin≦200%の場合、視覚処理部102により、プレ圧縮部30をそのまま通過してきた入力画像信号Yin(=画像信号Yin’)のDレンジが、100%以下に圧縮される。このとき、Pin≦200%であるので、入力ピーク値Pinに対する視覚処理部102の出力値Poutは、
Pout=lut(Pin,Pin)<1
となり、出力レンジ100%を使い切ることができない。そのため、この画像信号Yout(Pin≦200%の場合に視覚処理部102により出力される画像信号Yout)により形成される画像は、図6(b)に示した画像と同様に暗い画像となってしまう。つまり、このままでは、図6(b)で課題として指摘した不本意に暗い画像が、Dレンジ圧縮装置1000から出力されてしまう。
なお、「視覚処理」とは、人間の目の見え方に近い特性を持たせた処理であり、入力された画像信号の対象画素の値とその周辺画素の値(明るさ)との対比に応じて出力信号の値を決定する処理である。視覚処理は、逆光補正、ニー処理、Dレンジ圧縮処理、色処理、または、明るさ調整(階調処理、コントラスト調整を含む)などに適用される。
なお、視覚処理部102は、演算回路によって視覚処理を行うようにしてもよい。特に、視覚処理部102の2次元LUTに、簡易な直線によって近似可能な特性であるプロファイルが設定される場合、2次元LUTのテーブルをなくすことができ、視覚処理装置10の回路規模を削減することができる。
増幅部40では、視覚処理部102から出力される画像信号YoutのDレンジが、ピーク値Pinがどのような値であっても所定の出力Dレンジ(出力フルレンジ)となるように、視覚処理部102からの出力画像信号Youtに対して、Dレンジ拡大処理(動的Dレンジ拡大処理)が実行される。つまり、増幅部40により、視覚処理部102の出力画像信号Youtは、ピーク値Pinに連動した動的Dレンジ拡大処理が実行される。これにより、増幅部40から出力される画像信号Yout’は、出力フルレンジ(本実施例の場合は、「100%」)のDレンジを有する画像信号となる。これについて、数式を用いて具体的に説明する。
増幅部40の入出力特性f2(Yout,Pin)は、例えば、次式で示される特性に設定する。
Yout’=f2(Yout,Pin)=max(Yout,k2(Pin)*(Yout−Kp)+Kp)
k2(Pin)=(1−Kp)/(Pout−Kp)
Pout=lut(Pin,Pin)
Pin=max(1,min(Pin,2))
ここで、max(1,min(Pin,2))としたのは、通常、オートニー処理は、1≦Pin≦2である画像(画像信号Yinにより形成される画像)に対してのみ行われるので、増幅部40での増幅処理(DR拡大処理)もPin≧1である場合のみ動作させれば十分であるからである。また、出力ピーク値Poutを、LUTの対角成分(つまり、LUTの2つの入力が同一である場合のLUTの出力値。上式の場合では、LUTの2つの入力をともにPinとした場合の出力値をPoutとしている。)とみなしたのは、通常、多くの画像は低周波成分が多く、Yin≒Yaveであることが多いからである。
Pin≧200%の場合、増幅部40の入出力特性f2(Yout,Pin)は、図8(a)に示すような傾き「1」の直線で示される特性となり、視覚処理部102の出力信号Youtが、そのまま増幅部40から出力される。この場合、増幅部40で増幅処理(Dレンジ拡大処理)を行わないのは、視覚処理部102により、画像信号Youtが既に出力フルレンジ(100%)に圧縮されているからである。つまり、この場合、視覚処理部102からの出力画像信号Youtが出力フルレンジ(100%)の画像信号となっている。
Pin≦200%の場合、増幅部40の入出力特性f2(Yout,Pin)は、図8(b)に示すような折れ線で示される特性となり、視覚処理部102による処理で必要以上に暗くなってしまった高輝度信号Kp〜Poutのレンジの画像信号Youtを、Kp〜100%のレンジの画像信号Yout’に拡大(Dレンジ拡大)する。これにより、増幅部40から出力される画像信号Yout’は、出力フルレンジ(100%)の画像信号となる。
以上により、本発明の第1実施形態におけるDレンジ圧縮装置1000では、可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、常に出力フルレンジに動的に圧縮することができる。つまり、Dレンジ圧縮装置1000では、画像信号により形成される画像内のピーク値Pinがどのような値であっても、常に、出力フルレンジの画像信号を取得することができる。言い換えれば、Dレンジ圧縮装置1000では、ピーク値Pinに連動したDレンジ圧縮処理を適切に行うことができる。
なお、プレ圧縮部30および増幅部40は、コントラストを変化させる場合があるが、通常よくある入力ピーク値が200%に近い場合には、コントラスト変化も無視できるレベルであり、ピーク値Pinに連動したDレンジ圧縮を適切に行うことができる。
[第2実施形態]
本発明の第1実施形態では、プレ圧縮部30および増幅部40を、ピーク値Pinのみを用いて制御するようにしたが、本発明の第2実施形態では、ピーク値Pinに加えて、さらに周辺平均輝度信号Yaveを用いて制御することで、プレ圧縮処理および増幅処理においてもコントラスト(処理画像のコントラスト)を維持できるDレンジ圧縮装置2000について、図9〜図12を用いて説明する。
<2.1:Dレンジ圧縮装置の構成>
図9は本発明の第2実施形態におけるDレンジ圧縮装置2000の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本発明の第2実施形態によるDレンジ圧縮装置2000は、画像信号Yinの画面内(画像信号により形成される画像内)のピーク値Pinを検出するピーク検出部20と、画像信号Yinに対して周辺平均輝度信号Yaveを算出する空間処理部101と、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮するプレ圧縮部50と、を備える。また、Dレンジ圧縮装置2000は、プレ圧縮部50の出力画像信号Yin’のDレンジを、周辺平均輝度信号Yaveに応じて異なる入出力特性を有する2次元LUTによる変換により、所定の出力Dレンジ以下まで圧縮する視覚処理部102と、視覚処理部102の出力画像信号Yout’のDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、最大でも所定の出力Dレンジまで動的に拡大する増幅部60と、を備える。
ここで、第1実施形態のDレンジ圧縮装置1000と同様の部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
空間処理部101は、画像信号Yinを入力とし、画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveを取得し、取得した周辺平均輝度信号Yaveを、プレ圧縮部50、視覚処理部102および増幅部60に出力する。なお、空間処理部101は、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000とは、入出力関係(接続関係)が異なるだけ、機能は同一である。
プレ圧縮部50は、画像信号Yin、ピーク検出部20から出力されるピーク値Pin、および空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveを入力とし、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮する。そして、プレ圧縮部50は、圧縮処理を行った画像信号Yin’を視覚処理部102に出力する。
視覚処理部102は、機能的には、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000の視覚処理部102と同じである。空間処理部101から出力された周辺平均輝度信号Yaveおよびプレ圧縮部50から出力された画像信号Yin’を入力とし、2次元LUTにより階調変換した画像信号Yout’を増幅部60に出力する。
増幅部60は、視覚処理部102から出力された画像信号Yout’、空間処理部101から出力された周辺平均輝度信号Yave、およびピーク検出部20から出力されたピーク値Pinを入力とし、視覚処理部102の出力画像信号Yout’のDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、所定の出力Dレンジまで動的に拡大する。
増幅部60では、視覚処理部102から出力される画像信号Yout’のDレンジが、ピーク値Pinがどのような値であっても所定の出力Dレンジ(出力フルレンジ)となるように、周辺平均輝度信号Yaveに基づいて、視覚処理部102からの出力画像信号Youtに対して、Dレンジ拡大処理(動的Dレンジ拡大処理)が実行される。つまり、増幅部60により、視覚処理部102の出力画像信号Yout’は、周辺平均輝度信号Yaveに基づき、ピーク値Pinに連動した動的Dレンジ拡大処理が実行される。これにより、増幅部60から出力される画像信号Yout’は、出力フルレンジ(本実施例の場合は、「100%」)のDレンジを有する画像信号となる。
<2.2:Dレンジ圧縮装置の動作>
以上のように構成されたDレンジ圧縮装置2000の動作について、以下、図10〜図12を参照しながら説明する。
図10〜12に、Dレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図を示す。
図10〜12において、(a)はPin≧200%の場合のDレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図であり、(b)はPin≦200%の場合のDレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図である。具体的には、図10〜12は、プレ圧縮部50および増幅部60の3パターンの構成を示している。図10は、ゲイン乗算によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。図11は、ゲイン折れ線近似によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。図12は、傾き制御によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。
プレ圧縮部50では、画像信号YinのDレンジが、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮される。
ここで、プレ圧縮部50での処理を、Pin≧200%である画像(画像信号Yinにより形成される画像)に対してのみで実行させるために、プレ圧縮部50では、入力ピーク値Pinを200%で制限した値Pinを用いて処理を行う。つまり、
Pin=max(Pin,2)
により求められる値Pinを用いて、プレ圧縮部50での処理を行う。
以下、プレ圧縮部50の圧縮用入出力変換特性f3(Yin,Yave,Pin)の例を3つ、説明する。
第1の圧縮用入出力変換特性は、例えば、次式で示される特性に設定する。(図10(a)に図示)
Yin’=f3(Yin,Yave,Pin)=Yin*g1(Yave,Pin)
g1(Yave,Pin)=f1(Yave,Pin)/Yave
すなわち、プレ圧縮部50では、プレ圧縮部30の入出力特性f1(Yin,Pin)をゲイン形式で表現した、
g1(Yin,Pin)=f1(Yin,Pin)/Yin
において、入力を画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveに変更したゲインg1(Yave,Pin)を算出する。そして、プレ圧縮部50では、この算出したゲインg1(Yave,Pin)を、入力画像信号Yinに乗算することで画像信号Yin’を取得する。
これにより、画像全体の明るさ感は、プレ圧縮部30と同様のまま、周辺平均輝度に応じて画像上の輝度領域ごとに異なるゲインを用いて、画像信号Yinを画像信号Yin’に変換するので、画像信号Yin’により形成される画像においてコントラストが維持される。
第2の圧縮用入出力変換特性は、除算回路を用いない簡易版である。すなわち、上記ゲインの曲線部(図10(a)のプレ圧縮部50の部分に示したプレ圧縮ゲイン曲線のYaveがKp〜Pinである部分の曲線部)を折れ線で近似してもよく、この場合、例えば、図11(a)に示すような2つの折れ線により、プレ圧縮部50のプレ圧縮ゲイン特性を実現させるようにしてもよい。すなわち、
g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
により決定されるプレ圧縮ゲイン特性により、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにしてもよい。
第3の圧縮用入出力変換特性は、図12(a)に示すように、プレ圧縮部30におけるニーポイントKpを周辺平均輝度信号Yaveに応じて変化させることで、プレ圧縮部50の入出力特性(Yin−Yin’入出力特性)を実現させる。つまり、例えば、変化させたニーポイントKp’を、
Kp’=Kp*(Pin−Yave)/(Pin−Kp)
とすることにより、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにしてもよい。
増幅部60では、視覚処理部102の出力画像信号YoutのDレンジが、周辺平均輝度信号Yaveに基づいて、ピーク値Pinがどのような値であっても所定の出力Dレンジ(出力フルレンジ)となるように、視覚処理部102からの出力画像信号Youtに対して、Dレンジ拡大処理(動的Dレンジ拡大処理)が実行される。つまり、増幅部60により、視覚処理部102の出力画像信号Youtは、周辺平均輝度信号Yaveに基づいて、ピーク値Pinに連動した動的Dレンジ拡大処理が実行される。これにより、増幅部60から出力される画像信号Yout’は、出力フルレンジ(本実施例の場合は、「100%」)のDレンジを有する画像信号となる。これについて、数式を用いて具体的に説明する。
ここで、通常、オートニー処理は、Pin≧100%である画像(画像信号Yinにより形成される画像)に対して動作させればよいのと同様に、増幅部60での処理は、Pin≧100%である画像に対してのみ動作させればよい。また、増幅部60はPin≦200%のときのみ動作させればよい。そのため、増幅部60では、入力ピーク値Pinを1≦Pin≦2に制限して処理を行う。つまり、増幅部60では、
Pin=max(1,min(Pin,2))
により求められる値Pinを用いて処理を行う。
また、入力ピーク値Pinに対する視覚処理部102の出力値Poutを、
Pout=lut(Pin,Pin)
とする。つまり、出力ピーク値Poutを、LUTの対角成分(つまり、LUTの2つの入力が同一である場合のLUTの出力値。上式の場合では、LUTの2つの入力をともにPinとした場合の出力値をPoutとしている。)とみなして近似している。なお、通常、多くの画像は低周波成分が多く、Yin≒Yaveであることが多いので、このように近似しても問題ない。
以下、増幅部60の増幅用入出力変換特性f4(Yout,Yave,Pin)の例を3つ、説明する。
第1の増幅用入出力変換特性は、例えば、次式で示される特性に設定する。(この特性は、図10(b)に図示した特性である。)
Yout’=f4(Yout,Yave,Pin)=Yout*g2(Yave,Pin)
g2(Yave,Pin)=f2(Yave,Pin)/Yave
すなわち、増幅部60では、増幅部40の入出力特性f2(Yin,Pin)をゲイン形式で表現した、
g2(Yin,Pin)=f2(Yin,Pin)/Yin
において、入力を画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveに変更したゲインg2(Yave,Pin)を算出する。そして、増幅部60では、この算出したゲインg2(Yave,Pin)を、入力画像信号Yinに乗算することで画像信号Yout’を取得する。
これにより、画像全体の明るさ感は、増幅部40と同様のまま、周辺平均輝度に応じて画像上の輝度領域ごとに異なるゲインを用いて、画像信号Youtを画像信号Yout’に変換するので、画像信号Yout’により形成される画像においてコントラストが維持される。
第2の増幅用入出力変換特性は、除算回路を用いない簡易版である。すなわち、上記ゲインの曲線部(図10(b)の増幅部60の部分に示した増幅ゲイン曲線のYaveがKp〜Poutである部分の曲線部)を折れ線で近似してもよく、この場合、例えば、図11(b)に示すような2折れ線により、増幅部60の増幅ゲイン特性を実現させるようにしてもよい。すなわち、
g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
により決定される増幅ゲイン特性により、増幅部60での処理を実現させるようにしてもよい。
第3の増幅用入出力変換特性は、図12(a)に示すように、プレ圧縮部50におけるニーポイントKpを周辺平均輝度信号Yaveに応じて変化させることで、増幅部60の入出力特性(Yout−Yout’入出力特性)を実現させる。つまり、例えば、変化させたニーポイントKp”を、
Kp”=Kp*(Pout−Yave)/(Pout−Kp)
とすることにより、増幅部60での処理を実現させるようにしてもよい。
以上により、本発明の第2実施形態におけるDレンジ圧縮装置2000では、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いてプレ圧縮部50および増幅部60を制御するので、可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、コントラストを維持したまま、常に出力フルレンジに動的に圧縮することができる。つまり、Dレンジ圧縮装置2000では、可変のDレンジの画像信号が入力される場合であっても、常に出力フルレンジの画像信号を取得することができるとともに、コントラストが維持された画像を形成する画像信号を取得することができる。
≪例示説明≫
なお、ここで、Dレンジ圧縮装置2000での処理の一例について、図14を用いて、説明する。
図14は、Dレンジ圧縮装置2000で処理する画像Img3を模式的に示した図である。
画像Img3は、画像信号Yinから形成される画像であるものとする。図14の点Poで示す画素は、明るい領域に存在する明るい画素であるものとする。そして、点Poで示す画素(「画素Po」という。)の画素値(入力画像信号Yinに相当。)および周辺平均輝度信号Yaveは、以下の通りであるものとする。
Yin(Po)≧Kp
Yave(Po)≧Kp
なお、上記において、Yin(X)は、画素Xの画像信号Yinの値(画素値)を、Yave(X)は、画素Xの周辺平均輝度信号Yaveの値を示すものとする。また、Kpはニーポイントを表している。
(1)まず、ピーク値Pin≧200%の場合について説明する。
まず、プレ圧縮部50により、入力Dレンジが、Pinから200%に圧縮される。
ここで、図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以下)により圧縮される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、圧縮前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ圧縮された場合であってもコントラスト低下が抑制される)。
ちなみに、Dレンジ圧縮装置1000におけるプレ圧縮部30による圧縮処理では、同じ点線内の画像領域において、Yin≧Kpの画素のみ圧縮されるので、画素Poにおける明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))が低下する。つまり、Dレンジ圧縮装置1000で処理した場合、Dレンジ圧縮装置2000により処理した場合よりコントラストが低くなる場合がある。
次に、視覚処理部102により、さらにDレンジが、200%から100%に圧縮される。ここでも、周辺平均輝度信号を用いた圧縮処理により、コントラスト低下なく、100%に圧縮される。
最後に、増幅部60では、Pin≧200%であるので、スルー出力される。
以上により、Dレンジ圧縮装置2000では、入力Dレンジが、コントラスト低下なく、100%(出力フルレンジ)に圧縮される。
(2)次に、ピーク値Pin≦200%の場合について説明する。
まず、プレ圧縮部では、Pin≦200%であるので、スルー出力される。
次に、視覚処理部102により、入力Dレンジが、PinからPout(≦100%)に圧縮される。ここで、周辺平均輝度信号を用いた圧縮処理により、コントラスト低下なく、Pout(≦100%)に圧縮される。
最後に、増幅部60により、Dレンジが、Poutから100%に拡大される。
ここで、図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以上)により増幅される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、増幅前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ拡大された場合であってもコントラストが過剰に強調されることがない)。
ちなみに、Dレンジ圧縮装置1000における増幅部40による増幅処理では、同じ点線内の画像領域において、Yin≧Kpの画素のみ増幅されるので、画素Poにおける明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))が増加する。つまり、Dレンジ圧縮装置1000で処理した場合、Dレンジ圧縮装置2000により処理した場合よりコントラストが過剰に強調される場合がある。
以上により、Dレンジ圧縮装置2000では、入力Dレンジが、コントラスト低下なく、100%(出力フルレンジ)に圧縮される。
[第3実施形態]
本発明の第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000では、周辺平均輝度信号Yaveに対してはプレ圧縮処理を行わない構成となっているが、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000では、空間処理部101の入力信号にプレ圧縮処理を行うことで、視覚処理部102における2次元LUTの2つの入力信号のDレンジを揃え、2次元LUTのルックアップテーブルデータを正方行列にできるようにしている。本実施形態について、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の第3実施形態におけるDレンジ圧縮装置3000の構成を示すブロック図である。
図13において、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000は、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000において、空間処理部101の前段にプレ圧縮部30をさらに追加した構成となっている。それ以外については、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000と同様であるので、詳細な説明を省略する。
プレ圧縮部30は、実施形態1におけるプレ圧縮部30と同様の入出力特性を有する。
プレ圧縮部50では、図12(a)に示すように、プレ圧縮部30におけるニーポイントKpを周辺平均輝度信号Yaveに応じて変化させることで、プレ圧縮部50の入出力特性(Yin−Yin’入出力特性)を実現させる構成とすることが好ましい。例えば、変化させたニーポイントKp’を、
Kp’=Kp*(2−Yave)/(2−Kp)
とすることにより、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにすることが好ましい。
増幅部60は、実施形態2における増幅部60と同様の入出力特性を有する。
これにより、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000では、空間処理部101の入力信号Yaveinにプレ圧縮処理を行うことで、視覚処理部の2次元LUTの2つの入力信号のDレンジを揃えることができる。その結果、2次元LUTのルックアップテーブルデータを正方行列とすることができる。これにより、Dレンジ圧縮装置をハードウェアで実現する場合、回路規模を削減することができる。
[第4実施形態]
第1〜3実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000〜3000における視覚処理部102では、変換後の「輝度」を出力する構成(以下、「輝度型」という。)にしたが、第4実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000では、視覚処理部を、入力輝度に対する「ゲイン」を出力する構成(以下、「ゲイン型」という。)にする。
ゲイン型構成の利点を、図16を用いて説明する。視覚処理部102(2D−LUT)に格納された階調変換特性は、通常、事前に様々な画質チューニングを行うので、図16(1)に示すように非線形の特性となる。この際、特に、暗部(例えば、図16においてAで示した領域。以下、図16においてAで示した領域を「暗部A」という。)の微調整が画質にとって非常に重要となることが多く、出力画像信号(出力輝度信号)Youtのビット精度が少ない場合、暗部Aの階調表現能力が著しく低下してしまう。
一方、図16(2)に示したゲイン型LUTでは、図16(1)に示す暗部Aと同等の特性を実現する場合、図16(2)に示す特性となる。すなわち、図16に示すように、曲線CA1が曲線CG1に、曲線CA2が曲線CG2に、曲線CA1が曲線CG3に、それぞれ、対応しており、図16(1)および(2)に示した特性により、同等の階調変換が実現される。なお、図16(1)および(2)に示した特性曲線は、説明便宜のために、概略的に示したものであり、厳密なものではない。また、図16(1)および(2)に示した特性曲線に限定されないことは言うまでもない。
図16に示す特性から分かるように、例えば、図16(2)の暗部B(図16(1)の暗部Aに対応する領域)における入力輝度信号の変化量に対する出力ゲイン信号の変化量が、図16(1)の暗部Aにおける入力輝度信号の変化量に対する出力輝度信号の変化量より大きい。このため、ゲイン型LUTでは、暗部に多くのビットを割り当てることができ、これにより、ゲイン型LUTを用いるDレンジ圧縮装置により取得される画像(映像)において、暗部の階調表現能力を向上させることができる。
本実施形態について、図17を用いて説明する。
図17は、第4実施形態におけるDレンジ圧縮装置4000の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、第4実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000は、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000において、視覚処理部102を視覚処理部103(ゲイン型)に、増幅部40を増幅部60に、それぞれ、置換し、さらに、乗算部90を備える。これらの点において、本実施形態のDレンジ圧縮装置4000は、第1実施形態のDレンジ圧縮装置1000と異なる。それ以外については、第1および第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000、2000と同様である。また、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
視覚処理部103は、例えば、前述した、図16(2)のようなゲイン型2次元LUTにより構成される。このゲイン型2次元LUTは、図16(1)の輝度型2次元LUTと同特性になるように、等価変換して作成するとよい。
視覚処理部103(ゲイン型)は、ゲイン型2次元LUTを有し、プレ圧縮部30から出力される画像信号Yin’および空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveを入力とする。視覚処理部103は、例えば、図16(2)に示すような(入力輝度信号Yin)−(ゲインYgain)入出力特性(ゲイン型階調変換特性)により、入力輝度信号Yinおよび周辺平均輝度信号Yaveから、ゲインYgainを取得する。そして、視覚処理部103は、取得したゲインYgainを増幅部60に出力する。
なお、視覚処理部103(ゲイン型)で用いられるゲイン型2次元LUTは、例えば、前述の実施形態の視覚処理部102における2次元LUT(輝度型)と同様の特性を実現させるものである。すなわち、この場合、視覚処理部103(ゲイン型)で用いられるゲイン型2次元LUTにより取得されるゲインYgainは、下式に示すように、ゲインYgainを画像信号Yin’に乗じることで、出力画像信号Youtを導出することができるゲインである。
(出力画像信号Yout)=(画像信号Yin’)*(ゲインYgain)
増幅部60は、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000における増幅部60と同一の機能部である。増幅部60は、視覚処理部103から出力されるゲインYgainと、空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveと、ピーク検出部20から出力されるピーク値Pinと、を入力とする。増幅部60は、周辺平均輝度信号Yaveおよびピーク値Pinに基づいて、ゲインYgainからゲインYgain’を取得し、取得したゲインYgain’(ゲインYgainをさらに増幅させたゲインYgain')を乗算部90に出力する。
乗算部90は、画像信号Yinおよび増幅部60から出力されるゲインYgain’を入力とし、増幅部60により増幅されたゲインYgain'を画像信号Yinに乗算することで、出力画像信号Youtを取得する。そして、乗算部90は、取得した出力画像信号Youtを出力する。
以上のように、本実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000では、空間処理部をゲイン型に変更することで、特に、Dレンジ圧縮装置4000で取得される画像(映像)の暗部の階調表現能力を向上させることができる。
[他の実施形態]
上記実施形態のDレンジ圧縮装置において、視覚処理部102の2次元LUTは固定のものであるとして説明した。しかし、これに限定されることはなく、視覚処理部102の2次元LUTデータを入れ替えることができるようにし、2次元LUTデータを入れ替えることで、視覚処理部102に入力される画像信号Yin’のDレンジが変更された場合にも対応させるようにしてもよい。具体的な構成について、Dレンジ圧縮装置2000の構成を変更する場合について説明する。なお、Dレンジ圧縮装置1000および3000の場合も同様に構成を変更することができる。
図15に示すように、Dレンジ圧縮装置2000Aは、Dレンジ圧縮装置2000にLUTデータ登録部70をさらに追加した構成を有している。
LUTデータ登録部70は、Dレンジ圧縮装置2000Aの外部にあるROM80からの2次元LUTデータを入力とし、ROM80から入力された2次元LUTデータを視覚処理部102の2次元LUTに登録する。
ROM80は、複数の種類の2次元LUTデータを記憶しており、LUTデータ登録部70に複数の種類の2次元データのうちから任意の1つの2次元LUTデータを出力する。例えば、ROM80には、画像信号Yin’のDレンジが200%、300%、400%、500%、・・・である場合の2次元LUTデータが記憶されており、LUTデータ登録部70を介して、画像信号Yin’のDレンジに応じた2次元LUTデータが、視覚処理部102に登録される。
このようにして、Dレンジ圧縮装置2000Aでは、画像信号Yin’のDレンジに応じた2次元LUTデータを視覚処理部102に登録することができるので、画像信号Yin’のDレンジが変更された場合であっても、上記実施形態と同様の効果を奏するDレンジ圧縮装置を簡単に実現させることができる。
また、上記実施形態で説明した視覚処理装置10の視覚処理部102は、2次元LUTにより処理を実現するものであったが、これに限定されることはなく、例えば、演算等により視覚処理部102の処理を実現させるようにしてもよい。また、視覚処理部102において、代表的な階調変換曲線(例えば、10本の階調変換曲線)の2次元LUTデータのみを保持しておき、補間処理により、代表的な階調変換曲線の間の階調変換曲線(必要な階調変換曲線の数が256本である場合、例えば、246本(=256−10)の階調変換曲線)に相当するデータを求めるようにしてもよい。この場合、視覚処理部102で保持される2次元LUTデータ量を削減することができる。
また、上記実施形態において、Dレンジ圧縮装置1000では、プレ圧縮部30および増幅部40を用いた構成として説明し、Dレンジ圧縮装置2000では、プレ圧縮部50および増幅部60を用いて構成として説明したが、これに限定されることはなく、プレ圧縮部および増幅部の組合せを変更した構成とすることもできる。例えば、Dレンジ圧縮装置をプレ圧縮部30と増幅部60とを用いた構成としてもよい。なお、Dレンジ圧縮装置において、周辺平均輝度信号Yaveを算出するのに時間がかかるので、Dレンジ圧縮装置のプレ圧縮部を、周辺平均輝度信号Yaveを用いないプレ圧縮部30とし、増幅部を、周辺平均輝度信号Yaveを用いる増幅部60とすることで、第2実施形態で説明した本発明の効果をある程度維持しながら、処理遅延時間のないDレンジ圧縮装置を実現させることができる。
また、上記実施形態で説明したDレンジ圧縮装置において、各ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部または全部を含むように1チップ化されてもよい。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサーで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現してもよい。なお、上記実施形態に係る撮像装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のために、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
本発明に係るダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置によれば、可変のダイナミックレンジの画像信号が入力される場合であっても、入力ピーク値が出力フルレンジに圧縮されるよう、動的に圧縮することができるので、映像・画像処理装置関連分野において有用であり、当該分野において実施することができる。
1000、2000、2000A、3000、4000 Dレンジ圧縮装置
10 視覚処理装置
101 空間処理部
102、103 視覚処理部
20 ピーク検出部
30、50 プレ圧縮部
40、60 増幅部
70 LUTデータ登録部
90 乗算部

Claims (24)

  1. 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置であって、
    前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
    前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
    前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
    前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
    前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
    を備え、
    前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
    Dレンジ圧縮装置。
  2. 画像フォーマットで決められている最大値を「100%」とした場合、前記所定の出力Dレンジは、90%〜100%程度である、
    請求項1に記載のDレンジ圧縮装置。
  3. 前記増幅部は、前記周辺平均輝度信号をさらに用いて、前記ピーク値に連動した前記動的増幅処理を行う、
    請求項1または2に記載のDレンジ圧縮装置。
  4. 前記プレ圧縮部は、前記周辺平均輝度信号をさらに用いて、前記ピーク値に連動した前記動的圧縮処理を行う、
    請求項1または3に記載のDレンジ圧縮装置。
  5. 前記増幅部は、前記ピーク値が小さいほど、大きい値を出力する前記増幅用入出力変換特性により前記動的増幅処理を行う、
    請求項3に記載のDレンジ圧縮装置。
  6. 前記増幅部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、大きい値を出力する前記増幅用入出力変換特性により前記動的増幅処理を行う、
    請求項3または5に記載のDレンジ圧縮装置。
  7. 前記増幅部は、前記増幅用入出力変換特性を、前記ピーク値および前記周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する、
    請求項5または6に記載のDレンジ圧縮装置。
  8. 前記増幅部は、前記増幅用入出力変換特性を折れ線特性で実現する、
    請求項5または6に記載のDレンジ圧縮装置。
  9. 前記周辺平均輝度信号をYaveとし、前記ピーク値をPinとし、前記ピーク値Pinに対する視覚処理部の出力値をPoutとし、ニーポイントの値をKpとし、前記増幅部に入力される前記画像信号をYoutとし、前記増幅部から出力される前記画像信号をYout’とし、前記画像フォーマットで決められている最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、
    前記増幅部は、
    k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
    g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
    Yout’=g2(Yave,Pin)*Yout
    により前記増幅部から出力される前記画像信号Yout’を求めることで、前記動的増幅処理を行う、
    請求項3に記載のDレンジ圧縮装置。
  10. 前記プレ圧縮部は、前記ピーク値が大きいほど、小さい値を出力する前記圧縮用入出力変換特性により前記動的圧縮処理を行う、
    請求項4に記載のDレンジ圧縮装置。
  11. 前記プレ圧縮部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する前記圧縮用入出力変換特性により前記動的圧縮処理を行う、
    請求項4または10に記載のDレンジ圧縮装置。
  12. 前記プレ圧縮部は、前記圧縮用入出力特性を、前記ピーク値および前記周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する、
    請求項10または11に記載のDレンジ圧縮装置。
  13. 前記プレ圧縮部は、前記圧縮用入出力特性を折れ線特性で実現する、
    請求項10または11に記載のDレンジ圧縮装置。
  14. 前記周辺平均輝度信号をYaveとし、前記ピーク値をPinとし、ニーポイントの値をKpとし、前記プレ圧縮部に入力される前記画像信号をYinとし、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号をYin’とし、前記画像フォーマットで決められている前記最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、
    前記プレ圧縮部は、
    k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
    g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
    Yin’=g1(Yave,Pin)*Yin
    により前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号Yin’を求めることで、前記動的圧縮処理を行う、
    請求項4に記載のDレンジ圧縮装置。
  15. 前記視覚処理部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する、
    請求項1から14のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。
  16. 前記視覚処理部は、前記階調変換特性を実現する2次元LUTを有し、前記2次元LUTにより前記Dレンジ圧縮処理を行う、
    請求項1から15のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。
  17. 前記視覚処理部の前記2次元LUTのデータを登録するLUTデータ登録部をさらに備える、
    請求項16に記載のDレンジ圧縮装置。
  18. 前記空間処理部は、前記プレ圧縮部から出力される信号から前記周辺平均輝度信号を算出する、
    請求項1から17のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。
  19. 前記画像信号にゲインを乗算するゲイン乗算部をさらに備え、
    前記視覚処理部は、前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行うためのゲインである第1ゲインを出力し、
    前記増幅部は、前記第1ゲインをさらに増幅させた第2ゲインを出力し、
    前記ゲイン乗算部は、前記画像信号に前記第2ゲインを乗算する、
    請求項1からの18いずれかに記載のDレンジ圧縮装置。
  20. 前記視覚処理部は、前記画像信号および前記周辺平均輝度信号を入力とする2次元のルックアップテーブルにより構成される、
    請求項1から19のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。
  21. 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮方法であって、
    前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理ステップと、
    前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理ステップと、
    前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出ステップと、
    前記視覚処理ステップから出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅ステップと、
    前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理ステップの最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮ステップと、
    を備え、
    前記視覚処理ステップにおいては、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
    Dレンジ圧縮方法。
  22. 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理ステップと、
    前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理ステップと、
    前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出ステップと、
    前記視覚処理ステップから出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅ステップと、
    前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理ステップの最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮ステップと、
    を実行させ、
    前記視覚処理ステップにおいては、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
    プログラム。
  23. 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置に用いられる集積回路であって、
    前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
    前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
    前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
    前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
    前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
    を備え、
    前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
    集積回路。
  24. 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置を備える撮像装置であって、
    前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
    前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
    前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
    前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
    前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
    を備え、
    前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
    撮像装置。
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