JP5275122B2 - ダイナミックレンジ圧縮装置、ダイナミックレンジ圧縮方法、プログラム、集積回路および撮像装置 - Google Patents
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Description
従来のDレンジ圧縮処理として、よく知られているオートニー(Auto Knee)処理および特許文献1・2等に記載の視覚処理装置によるDレンジ圧縮処理の2つの処理について、以下説明する。
図1に、オートニー処理の入出力特性を示す。
オートニー処理は、入力画像の各画素の輝度に相当する入力輝度信号Yin(入力画像の各画素の画素値に対応する信号)を、図1に示すような折れ線形状の入出力特性を有する変換により入力Dレンジを圧縮し、出力輝度信号Youtを出力することで実行される。
図1に示すように、この折れ線形状の入出力特性は、折れ点(ニーポイント:Knee Point、通常85%程度)を介し、低輝度変換部LR(傾き1)(図1のグラフでは、Yinが0〜85%の領域がこの「低輝度変換部」に相当する。)と、高輝度変換部HR(ニースロープ:Knee Slope、傾き可変)(図1のグラフでは、Yinが85%以上の領域がこの「高輝度変換部HR」に相当する。)から成る。一般に、オートニー処理では、撮影シーンにより変動する入力ピーク値(入力輝度信号Yinのピーク値)が、常に出力輝度信号YoutのDレンジの最大値として出力されるように、高輝度変換部HRの傾きを入力ピーク値に連動して変化させる。例えば、図1に示すように、入力ピーク値PinがA1である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L1とする。入力ピーク値PinがA2である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L2とする。そして、入力ピーク値PinがA3である場合、Dレンジ圧縮処理の入出力特性における高輝度変換部HRの特性曲線(図1の場合直線)を、直線L3とする。このようにして、オートニー処理では、高輝度変換部HRの傾きを入力ピーク値Pinに連動させて変化させる。
しかしながら、被写体における空や雲などの領域に対応する高輝度信号(85%〜入力ピーク値)は、高輝度変換部HR(傾き1以下)により出力輝度信号のDレンジが85%〜100%の15%の範囲となるように圧縮されるので、出力輝度信号により形成される画像の階調性が著しく劣化する。このため、図5(a)のように、オートニー処理を行った輝度信号により形成される画像において、空や雲などの陰影(コントラスト)が極端に低下してしまうという課題がある。
そこで、このコントラスト低下の課題を解決するための、人間の視覚特性に基づいたDレンジ圧縮処理が、特許文献1・2等に開示されている。これについて、図2〜4を用いて説明する。
左右の大きい円の内側にある小さな円は、ともに同じ輝度値であるが、左の中心の円は周辺が暗いので明るく見え、右の中心の円は周辺が明るいので暗く見える。このように、人間は、輝度値そのものではなく、周辺との対比で明るさ・コントラストを知覚している。これを明暗対比特性という。
図3に、視覚処理装置10のブロック図を示す。視覚処理装置10は、空間処理部101と、2次元LUTで実現された視覚処理部102と、から構成される。
まず、空間処理部101により、入力輝度(信号)Yinに対し、その周辺平均輝度(信号)Yaveを算出する。
図4に、視覚的ニー処理における視覚処理部11の入出力特性を示す。
視覚的ニー処理では、明暗対比特性に基づき、入力輝度(信号)Yinを、その周辺平均輝度(信号)Yaveが高いほど低い値に変換する階調変換曲線(階調変換曲線C1〜Cnから選択)を用いてDレンジを圧縮し、出力輝度(信号)Youtを出力する。ここで、階調変換曲線C1は、周辺平均輝度Yaveが85%以下の場合に選択されるDレンジ圧縮曲線を示し、階調変換曲線C2、階調変換曲線Cm、階調変換曲線Cnは、図4に示すグラフにおいて、下方にあるほど、周辺平均輝度Yaveが高い場合に選択されるDレンジ圧縮特性曲線(階調変換曲線)を示している。このような視覚的ニー処理について、オートニー処理と比較しながら、図5を用いて説明する。
オートニー処理では、入力輝度(信号)Yinに対して、1種類の曲線(折れ線)(図4の折れ線AK)(階調変換曲線)により処理を行い、出力輝度(信号)Youtを取得する。つまり、オートニー処理では、入力画像全体(図5(a)に示す画面全体)に対して、1種類の階調変換曲線(折れ線)による処理がなされる。オートニー処理では、入力輝度(信号)Yinが形成する画像において人物などの中輝度以下の明るさとなる画像領域が、オートニー処理後の出力輝度信号Youtにより形成される画像においても十分な明るさを維持させるために、入力輝度(信号)Yinの輝度値(信号値)が高い信号(高輝度信号)に対して強く圧縮処理を行っている。このため、図5(a)に示すように、高輝度信号により形成される画像領域である空の部分のコントラストが低下している。
図6は、オートニー機能がない場合に生じる課題について説明するための図である。
ここでは、視覚処理部102の2D−LUT(2次元ルック・アップ・テーブル)の最大入力Dレンジを200%(γ補正後)で設計した場合を想定し、図6(a)および(b)は、それぞれ、入力ピーク値(入力輝度信号Yinのピーク値)が200%以上および200%以下の場合の視覚処理装置10の動作および処理画像について説明するための図である。
(1)入力ピーク値Pin≧200%の場合、図6(a)に示すように、入力輝度(信号)Yinを、あらかじめ200%で制限(クリップ)しておく必要がある。これにより、200%以上の階調が全て失われてしまうので、図6(a)の処理画像Img1のように、空の部分(画像領域)が白飛びしてしまうという課題がある。
(2)一方、入力ピーク値Pin≦200%の場合、図6(b)に示すように、入力輝度(信号)Yinの入力ピーク値Pinは、階調変換曲線C1〜Cnの中のいずれかの階調変換曲線により変換される。いずれの階調変換曲線を用いた場合でも、入力ピーク値Pinの視覚処理部102による階調変換後の出力(出力ピーク値)Poutは、100%未満の値となり、出力Dレンジを使い切ることができない。つまり、この場合、高輝度信号(高輝度画像領域に相当する入力輝度信号Yin)に対して、必要以上に圧縮処理を行うことになるので、視覚処理部102から出力される出力輝度信号Youtにより形成される画像において、高輝度部(例えば図6(b)の空の部分)の階調が失われる。このため、図6(b)の処理画像Img2のように、空の部分が暗い画像(いわゆる眠い画)となってしまうという課題がある。
これにより、視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジとなるように、ピーク値に連動した動的増幅処理を行うことができる。これにより、Dレンジ圧縮装置で処理された画像信号により形成される画像は、常に出力フルレンジの画像となる。なお、LUTに限らず、視覚処理部の非線形変換を複雑な回路(ハードウェア)により実現する場合であっても、このDレンジ圧縮装置では、簡易にオートニー機能を実現することができる。
ここで、「画像フォーマット」とは、JPEG、BMP、TIFF、RAWなど、一般にカメラで用いられている記録フォーマットである。そして、「画像フォーマットで定められた最大値」とは、例えばBMP(R,G,B各8ビット)の場合、「255」である。
なお、「ピーク値」とは、入力画像(幅W×高さH)の画面(画像)内に含まれる画素の画素値(画像信号の信号値に相当。)の最大値のことであり、厳密な最大値の他に、最大値付近の値を含む概念である。
通常、所定の出力Dレンジ=100%とする。すなわち、視覚処理部(2D−LUTで構成)により入力Dレンジを100%以下に圧縮し、増幅部により圧縮しすぎた分を増幅して100%(=出力フルレンジ=画像フォーマットで定められた最大値)まで拡大する。しかし、厳密に100%にする必要はなく、90%〜100%程度の範囲内の値としてもよい。
なお、動画の場合、「画像フォーマットで定められた最大値」=255を109%などとみなす場合がある。これは、16を0%、235を100%とみなすためであり、この場合、255は約109%となるが、「所定の出力Dレンジ」は、この概念を含む。
これにより、コントラストを維持したまま、オートニー機能を実現することができる。
コントラストが維持される理由は後述するが、図14を用いて簡単に説明する。図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(画素Poに対応する画像信号Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以上)により増幅される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、増幅前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ拡大された場合であってもコントラストが過剰に強調されることがない)。
これにより、コントラストを維持したまま、「ピーク値≧視覚処理部の最大入力Dレンジ」の場合においても、オートニー機能を実現することができる。
これにより、簡易に、増幅部を実現させることができる。特に、増幅部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
これにより、簡易に、増幅部を実現させることができる。特に、増幅部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
Yout’=g2(Yave,Pin)*Yout
により増幅部から出力される画像信号Yout’を求めることで、動的増幅処理を行う。
これにより、簡易に、プレ圧縮部を実現させることができる。特に、プレ圧縮部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
これにより、簡易に、プレ圧縮部を実現させることができる。特に、プレ圧縮部をハードウェアで構成する場合、回路規模を縮小することができる。
k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
Yin’=g1(Yave,Pin)*Yin
によりプレ圧縮部から出力される画像信号Yin’を求めることで、動的圧縮処理を行う。
これにより、視覚処理部では、2次元LUTにより、Dレンジ圧縮処理を実現させることができる。
これにより、視覚処理部に入力される画像信号のDレンジが変更された場合であっても、そのDレンジに対応した2次元LUTのデータを登録することができるので、このDレンジ圧縮装置では、様々なDレンジの画像信号に対してDレンジ圧縮処理を行うことができる。
このDレンジ圧縮装置では、視覚処理部により、特に、暗部の階調表現能力(ビット精度)を向上させることができるので、このDレンジ圧縮装置で取得される画像(映像)において、暗部の階調表現能力(ビット精度)を向上させることができる。
これにより、きめ細かな画質チューニングを行った、非線形な階調変換処理が可能となる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するDレンジ圧縮方法を実現することができる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現することができる。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
これにより、第1の発明の機能を有する撮像装置を実現することができる。
なお、本発明の実施形態では、YCbCr色空間、YUV色空間、Lab色空間、Luv色空間、YIQ色空間、YPbPr色空間の輝度成分Yまたは明度成分Lを輝度信号と定義する。なお、RGB別に処理を行ってもよく、RGB別の処理を行う場合、RGBの各信号が輝度信号と読み替えられる。以下では、輝度信号を画像信号として説明する。
本発明の第1実施形態であるDレンジ圧縮装置1000について、図7および図8を用いて説明する。
<1.1:Dレンジ圧縮装置の構成>
図7は、本発明の第1実施形態におけるDレンジ圧縮装置1000の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本発明の第1実施形態によるDレンジ圧縮装置1000は、画像信号Yinの画面内(画像信号により形成される画像内)のピーク値Pinを検出するピーク検出部20と、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮するプレ圧縮部30と、を備える。また、Dレンジ圧縮装置1000は、プレ圧縮部30の出力信号Yin’に対して視覚処理を行う視覚処理装置10と、視覚処理装置10の出力信号YoutのDレンジを、ピーク値Pinを用いて、所定の出力Dレンジまで動的に拡大する増幅部40を備える。
ピーク検出部20は、画像信号Yinを入力とし、画像信号Yinにより形成される画像内において、画像信号Yinのピーク値Pinを検出し、検出したピーク値Pinをプレ圧縮部30および増幅部40に出力する。
空間処理部101は、プレ圧縮部30から出力される画像信号Yin’を入力とし、プレ圧縮部30からの出力される画像信号Yin’に対する周辺平均輝度信号Yaveを算出し、算出した周辺平均輝度信号Yaveを視覚処理部102に出力する。つまり、空間処理部101は、画像信号Yin(またはYin’)により形成される画像において、画像信号Yin’に相当する画素(着目画素)の周辺の複数の画素(周辺画素)の画素値を平均(重み付き平均等の演算を含む。)した値を算出することで、周辺平均輝度信号Yaveを取得する。なお、空間処理部101は、着目画素の画素値および当該着目画素の周辺画素の画素値の加算平均処理(加算重み付き平均処理等を含む。)を行うことで、周辺平均輝度信号Yaveを算出するようにしてもよい。また、空間処理部101は、LPF(2次元LPF)により実現してもよい。
以上のように構成されたDレンジ圧縮装置1000の動作について、以下、図面を参照しながら説明する。
なお、上記で説明した視覚処理装置10と同様の部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、視覚処理部102の最大入力Dレンジを200%、所定の出力Dレンジを100%(出力フルレンジ)として説明する。
画像信号Yinは、ピーク検出部20およびプレ圧縮部30に入力される。
ピーク検出部20では、画像信号Yinにより形成される画像内において、画像信号Yinのピーク値Pinが検出される。そして、検出されたピーク値Pinは、プレ圧縮部30および増幅部40に出力される。
これについて、図8を用いて、具体的に説明する。
図8(a)に、Pin≧200%の場合のDレンジ圧縮装置1000の動作を説明するための図を示す。また、図8(b)に、Pin≦200%の場合のDレンジ圧縮装置1000の動作を説明するための図を示す。
プレ圧縮部30では、画像信号YinのDレンジが、ピーク値Pinを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ(200%)以下まで動的に圧縮される。
Yin’=f1(Yin,Pin)=min(Yin,k1(Pin)*(Yin−Pin)+2)
k1(Pin)=(2−Kp)/(Pin−Kp)
Pin=max(Pin,2)
ここで、Kpはニーポイント(Kp≒0.85)を表す。
空間処理部101では、プレ圧縮部30から出力された画像信号Yin’に対して周辺平均輝度信号Yaveが算出される。
Yave=(Σ[Wij]×[Aij])÷(Σ[Wij])
ここで、[Wij]は、対象画素(着目画素)および周辺画素において、画像信号Yin’が形成する画像上において、i行j列目に位置する画素の重み係数であり、[Aij]は、対象画素および周辺画素において、i行j列目に位置する画素の値である。また、「Σ」は、対象画素および周辺画素のそれぞれの画素についての合計を算出することを意味している。
視覚処理部102では、プレ圧縮部30から出力された画像信号Yin’のDレンジが、周辺平均輝度信号Yaveに応じて異なる入出力特性を有する2次元LUTによる変換
Yout=lut(Yin’,Yave)
により、所定の出力Dレンジ以下まで圧縮される。LUTの入出力特性lut(Yin’,Yave)は、図4に示した特性と同様である。
Pin≦200%の場合、視覚処理部102により、プレ圧縮部30をそのまま通過してきた入力画像信号Yin(=画像信号Yin’)のDレンジが、100%以下に圧縮される。このとき、Pin≦200%であるので、入力ピーク値Pinに対する視覚処理部102の出力値Poutは、
Pout=lut(Pin,Pin)<1
となり、出力レンジ100%を使い切ることができない。そのため、この画像信号Yout(Pin≦200%の場合に視覚処理部102により出力される画像信号Yout)により形成される画像は、図6(b)に示した画像と同様に暗い画像となってしまう。つまり、このままでは、図6(b)で課題として指摘した不本意に暗い画像が、Dレンジ圧縮装置1000から出力されてしまう。
なお、視覚処理部102は、演算回路によって視覚処理を行うようにしてもよい。特に、視覚処理部102の2次元LUTに、簡易な直線によって近似可能な特性であるプロファイルが設定される場合、2次元LUTのテーブルをなくすことができ、視覚処理装置10の回路規模を削減することができる。
Yout’=f2(Yout,Pin)=max(Yout,k2(Pin)*(Yout−Kp)+Kp)
k2(Pin)=(1−Kp)/(Pout−Kp)
Pout=lut(Pin,Pin)
Pin=max(1,min(Pin,2))
ここで、max(1,min(Pin,2))としたのは、通常、オートニー処理は、1≦Pin≦2である画像(画像信号Yinにより形成される画像)に対してのみ行われるので、増幅部40での増幅処理(DR拡大処理)もPin≧1である場合のみ動作させれば十分であるからである。また、出力ピーク値Poutを、LUTの対角成分(つまり、LUTの2つの入力が同一である場合のLUTの出力値。上式の場合では、LUTの2つの入力をともにPinとした場合の出力値をPoutとしている。)とみなしたのは、通常、多くの画像は低周波成分が多く、Yin≒Yaveであることが多いからである。
なお、プレ圧縮部30および増幅部40は、コントラストを変化させる場合があるが、通常よくある入力ピーク値が200%に近い場合には、コントラスト変化も無視できるレベルであり、ピーク値Pinに連動したDレンジ圧縮を適切に行うことができる。
本発明の第1実施形態では、プレ圧縮部30および増幅部40を、ピーク値Pinのみを用いて制御するようにしたが、本発明の第2実施形態では、ピーク値Pinに加えて、さらに周辺平均輝度信号Yaveを用いて制御することで、プレ圧縮処理および増幅処理においてもコントラスト(処理画像のコントラスト)を維持できるDレンジ圧縮装置2000について、図9〜図12を用いて説明する。
図9は本発明の第2実施形態におけるDレンジ圧縮装置2000の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本発明の第2実施形態によるDレンジ圧縮装置2000は、画像信号Yinの画面内(画像信号により形成される画像内)のピーク値Pinを検出するピーク検出部20と、画像信号Yinに対して周辺平均輝度信号Yaveを算出する空間処理部101と、画像信号YinのDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、視覚処理部102の最大入力Dレンジ以下まで動的に圧縮するプレ圧縮部50と、を備える。また、Dレンジ圧縮装置2000は、プレ圧縮部50の出力画像信号Yin’のDレンジを、周辺平均輝度信号Yaveに応じて異なる入出力特性を有する2次元LUTによる変換により、所定の出力Dレンジ以下まで圧縮する視覚処理部102と、視覚処理部102の出力画像信号Yout’のDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、最大でも所定の出力Dレンジまで動的に拡大する増幅部60と、を備える。
空間処理部101は、画像信号Yinを入力とし、画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveを取得し、取得した周辺平均輝度信号Yaveを、プレ圧縮部50、視覚処理部102および増幅部60に出力する。なお、空間処理部101は、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000とは、入出力関係(接続関係)が異なるだけ、機能は同一である。
視覚処理部102は、機能的には、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000の視覚処理部102と同じである。空間処理部101から出力された周辺平均輝度信号Yaveおよびプレ圧縮部50から出力された画像信号Yin’を入力とし、2次元LUTにより階調変換した画像信号Yout’を増幅部60に出力する。
増幅部60は、視覚処理部102から出力された画像信号Yout’、空間処理部101から出力された周辺平均輝度信号Yave、およびピーク検出部20から出力されたピーク値Pinを入力とし、視覚処理部102の出力画像信号Yout’のDレンジを、ピーク値Pinおよび周辺平均輝度信号Yaveを用いて、所定の出力Dレンジまで動的に拡大する。
以上のように構成されたDレンジ圧縮装置2000の動作について、以下、図10〜図12を参照しながら説明する。
図10〜12に、Dレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図を示す。
図10〜12において、(a)はPin≧200%の場合のDレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図であり、(b)はPin≦200%の場合のDレンジ圧縮装置2000の動作の説明するための図である。具体的には、図10〜12は、プレ圧縮部50および増幅部60の3パターンの構成を示している。図10は、ゲイン乗算によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。図11は、ゲイン折れ線近似によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。図12は、傾き制御によりプレ圧縮部50および増幅部60の機能を実現させる場合についての説明図である。
ここで、プレ圧縮部50での処理を、Pin≧200%である画像(画像信号Yinにより形成される画像)に対してのみで実行させるために、プレ圧縮部50では、入力ピーク値Pinを200%で制限した値Pinを用いて処理を行う。つまり、
Pin=max(Pin,2)
により求められる値Pinを用いて、プレ圧縮部50での処理を行う。
第1の圧縮用入出力変換特性は、例えば、次式で示される特性に設定する。(図10(a)に図示)
Yin’=f3(Yin,Yave,Pin)=Yin*g1(Yave,Pin)
g1(Yave,Pin)=f1(Yave,Pin)/Yave
すなわち、プレ圧縮部50では、プレ圧縮部30の入出力特性f1(Yin,Pin)をゲイン形式で表現した、
g1(Yin,Pin)=f1(Yin,Pin)/Yin
において、入力を画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveに変更したゲインg1(Yave,Pin)を算出する。そして、プレ圧縮部50では、この算出したゲインg1(Yave,Pin)を、入力画像信号Yinに乗算することで画像信号Yin’を取得する。
これにより、画像全体の明るさ感は、プレ圧縮部30と同様のまま、周辺平均輝度に応じて画像上の輝度領域ごとに異なるゲインを用いて、画像信号Yinを画像信号Yin’に変換するので、画像信号Yin’により形成される画像においてコントラストが維持される。
g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
により決定されるプレ圧縮ゲイン特性により、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにしてもよい。
Kp’=Kp*(Pin−Yave)/(Pin−Kp)
とすることにより、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにしてもよい。
Pin=max(1,min(Pin,2))
により求められる値Pinを用いて処理を行う。
Pout=lut(Pin,Pin)
とする。つまり、出力ピーク値Poutを、LUTの対角成分(つまり、LUTの2つの入力が同一である場合のLUTの出力値。上式の場合では、LUTの2つの入力をともにPinとした場合の出力値をPoutとしている。)とみなして近似している。なお、通常、多くの画像は低周波成分が多く、Yin≒Yaveであることが多いので、このように近似しても問題ない。
第1の増幅用入出力変換特性は、例えば、次式で示される特性に設定する。(この特性は、図10(b)に図示した特性である。)
Yout’=f4(Yout,Yave,Pin)=Yout*g2(Yave,Pin)
g2(Yave,Pin)=f2(Yave,Pin)/Yave
すなわち、増幅部60では、増幅部40の入出力特性f2(Yin,Pin)をゲイン形式で表現した、
g2(Yin,Pin)=f2(Yin,Pin)/Yin
において、入力を画像信号Yinから周辺平均輝度信号Yaveに変更したゲインg2(Yave,Pin)を算出する。そして、増幅部60では、この算出したゲインg2(Yave,Pin)を、入力画像信号Yinに乗算することで画像信号Yout’を取得する。
これにより、画像全体の明るさ感は、増幅部40と同様のまま、周辺平均輝度に応じて画像上の輝度領域ごとに異なるゲインを用いて、画像信号Youtを画像信号Yout’に変換するので、画像信号Yout’により形成される画像においてコントラストが維持される。
g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
により決定される増幅ゲイン特性により、増幅部60での処理を実現させるようにしてもよい。
Kp”=Kp*(Pout−Yave)/(Pout−Kp)
とすることにより、増幅部60での処理を実現させるようにしてもよい。
なお、ここで、Dレンジ圧縮装置2000での処理の一例について、図14を用いて、説明する。
図14は、Dレンジ圧縮装置2000で処理する画像Img3を模式的に示した図である。
画像Img3は、画像信号Yinから形成される画像であるものとする。図14の点Poで示す画素は、明るい領域に存在する明るい画素であるものとする。そして、点Poで示す画素(「画素Po」という。)の画素値(入力画像信号Yinに相当。)および周辺平均輝度信号Yaveは、以下の通りであるものとする。
Yin(Po)≧Kp
Yave(Po)≧Kp
なお、上記において、Yin(X)は、画素Xの画像信号Yinの値(画素値)を、Yave(X)は、画素Xの周辺平均輝度信号Yaveの値を示すものとする。また、Kpはニーポイントを表している。
まず、プレ圧縮部50により、入力Dレンジが、Pinから200%に圧縮される。
ここで、図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以下)により圧縮される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、圧縮前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ圧縮された場合であってもコントラスト低下が抑制される)。
最後に、増幅部60では、Pin≧200%であるので、スルー出力される。
以上により、Dレンジ圧縮装置2000では、入力Dレンジが、コントラスト低下なく、100%(出力フルレンジ)に圧縮される。
まず、プレ圧縮部では、Pin≦200%であるので、スルー出力される。
次に、視覚処理部102により、入力Dレンジが、PinからPout(≦100%)に圧縮される。ここで、周辺平均輝度信号を用いた圧縮処理により、コントラスト低下なく、Pout(≦100%)に圧縮される。
最後に、増幅部60により、Dレンジが、Poutから100%に拡大される。
ここで、図14の画素Poが含まれる点線内の画像領域において、各画素における周辺平均輝度信号は(ほぼ)同一であるので、この明るい画像領域内の全画素の画素値は、(Yin(Po)を含め)同一のゲイン(「1」以上)により増幅される。このため、変換後の画像における画素Poの周辺平均輝度信号Yave(Po)もまた、同じ比率で変化する。したがって、画素Poの明るさ対比量(Yin(Po)/Yave(Po))は、増幅前後で変化しない。これにより、画素Poにおける局所的なコントラストが維持される(Dレンジ拡大された場合であってもコントラストが過剰に強調されることがない)。
以上により、Dレンジ圧縮装置2000では、入力Dレンジが、コントラスト低下なく、100%(出力フルレンジ)に圧縮される。
本発明の第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000では、周辺平均輝度信号Yaveに対してはプレ圧縮処理を行わない構成となっているが、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000では、空間処理部101の入力信号にプレ圧縮処理を行うことで、視覚処理部102における2次元LUTの2つの入力信号のDレンジを揃え、2次元LUTのルックアップテーブルデータを正方行列にできるようにしている。本実施形態について、図13を用いて説明する。
図13において、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000は、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000において、空間処理部101の前段にプレ圧縮部30をさらに追加した構成となっている。それ以外については、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000と同様であるので、詳細な説明を省略する。
プレ圧縮部50では、図12(a)に示すように、プレ圧縮部30におけるニーポイントKpを周辺平均輝度信号Yaveに応じて変化させることで、プレ圧縮部50の入出力特性(Yin−Yin’入出力特性)を実現させる構成とすることが好ましい。例えば、変化させたニーポイントKp’を、
Kp’=Kp*(2−Yave)/(2−Kp)
とすることにより、プレ圧縮部50での処理を実現させるようにすることが好ましい。
これにより、本発明の第3実施形態に係るDレンジ圧縮装置3000では、空間処理部101の入力信号Yaveinにプレ圧縮処理を行うことで、視覚処理部の2次元LUTの2つの入力信号のDレンジを揃えることができる。その結果、2次元LUTのルックアップテーブルデータを正方行列とすることができる。これにより、Dレンジ圧縮装置をハードウェアで実現する場合、回路規模を削減することができる。
第1〜3実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000〜3000における視覚処理部102では、変換後の「輝度」を出力する構成(以下、「輝度型」という。)にしたが、第4実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000では、視覚処理部を、入力輝度に対する「ゲイン」を出力する構成(以下、「ゲイン型」という。)にする。
図17は、第4実施形態におけるDレンジ圧縮装置4000の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、第4実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000は、第1実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000において、視覚処理部102を視覚処理部103(ゲイン型)に、増幅部40を増幅部60に、それぞれ、置換し、さらに、乗算部90を備える。これらの点において、本実施形態のDレンジ圧縮装置4000は、第1実施形態のDレンジ圧縮装置1000と異なる。それ以外については、第1および第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置1000、2000と同様である。また、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
視覚処理部103(ゲイン型)は、ゲイン型2次元LUTを有し、プレ圧縮部30から出力される画像信号Yin’および空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveを入力とする。視覚処理部103は、例えば、図16(2)に示すような(入力輝度信号Yin)−(ゲインYgain)入出力特性(ゲイン型階調変換特性)により、入力輝度信号Yinおよび周辺平均輝度信号Yaveから、ゲインYgainを取得する。そして、視覚処理部103は、取得したゲインYgainを増幅部60に出力する。
増幅部60は、第2実施形態に係るDレンジ圧縮装置2000における増幅部60と同一の機能部である。増幅部60は、視覚処理部103から出力されるゲインYgainと、空間処理部101から出力される周辺平均輝度信号Yaveと、ピーク検出部20から出力されるピーク値Pinと、を入力とする。増幅部60は、周辺平均輝度信号Yaveおよびピーク値Pinに基づいて、ゲインYgainからゲインYgain’を取得し、取得したゲインYgain’(ゲインYgainをさらに増幅させたゲインYgain')を乗算部90に出力する。
以上のように、本実施形態に係るDレンジ圧縮装置4000では、空間処理部をゲイン型に変更することで、特に、Dレンジ圧縮装置4000で取得される画像(映像)の暗部の階調表現能力を向上させることができる。
上記実施形態のDレンジ圧縮装置において、視覚処理部102の2次元LUTは固定のものであるとして説明した。しかし、これに限定されることはなく、視覚処理部102の2次元LUTデータを入れ替えることができるようにし、2次元LUTデータを入れ替えることで、視覚処理部102に入力される画像信号Yin’のDレンジが変更された場合にも対応させるようにしてもよい。具体的な構成について、Dレンジ圧縮装置2000の構成を変更する場合について説明する。なお、Dレンジ圧縮装置1000および3000の場合も同様に構成を変更することができる。
LUTデータ登録部70は、Dレンジ圧縮装置2000Aの外部にあるROM80からの2次元LUTデータを入力とし、ROM80から入力された2次元LUTデータを視覚処理部102の2次元LUTに登録する。
また、上記実施形態で説明した視覚処理装置10の視覚処理部102は、2次元LUTにより処理を実現するものであったが、これに限定されることはなく、例えば、演算等により視覚処理部102の処理を実現させるようにしてもよい。また、視覚処理部102において、代表的な階調変換曲線(例えば、10本の階調変換曲線)の2次元LUTデータのみを保持しておき、補間処理により、代表的な階調変換曲線の間の階調変換曲線(必要な階調変換曲線の数が256本である場合、例えば、246本(=256−10)の階調変換曲線)に相当するデータを求めるようにしてもよい。この場合、視覚処理部102で保持される2次元LUTデータ量を削減することができる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
10 視覚処理装置
101 空間処理部
102、103 視覚処理部
20 ピーク検出部
30、50 プレ圧縮部
40、60 増幅部
70 LUTデータ登録部
90 乗算部
Claims (24)
- 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置であって、
前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
を備え、
前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
Dレンジ圧縮装置。 - 画像フォーマットで決められている最大値を「100%」とした場合、前記所定の出力Dレンジは、90%〜100%程度である、
請求項1に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記増幅部は、前記周辺平均輝度信号をさらに用いて、前記ピーク値に連動した前記動的増幅処理を行う、
請求項1または2に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記プレ圧縮部は、前記周辺平均輝度信号をさらに用いて、前記ピーク値に連動した前記動的圧縮処理を行う、
請求項1または3に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記増幅部は、前記ピーク値が小さいほど、大きい値を出力する前記増幅用入出力変換特性により前記動的増幅処理を行う、
請求項3に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記増幅部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、大きい値を出力する前記増幅用入出力変換特性により前記動的増幅処理を行う、
請求項3または5に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記増幅部は、前記増幅用入出力変換特性を、前記ピーク値および前記周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する、
請求項5または6に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記増幅部は、前記増幅用入出力変換特性を折れ線特性で実現する、
請求項5または6に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記周辺平均輝度信号をYaveとし、前記ピーク値をPinとし、前記ピーク値Pinに対する視覚処理部の出力値をPoutとし、ニーポイントの値をKpとし、前記増幅部に入力される前記画像信号をYoutとし、前記増幅部から出力される前記画像信号をYout’とし、前記画像フォーマットで決められている最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、
前記増幅部は、
k4(Pout)=(1/Pout−1)/(Pout−Kp)
g2(Yave,Pin)=k4(Pout)*max(Yave−Kp,0)+1
Yout’=g2(Yave,Pin)*Yout
により前記増幅部から出力される前記画像信号Yout’を求めることで、前記動的増幅処理を行う、
請求項3に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記プレ圧縮部は、前記ピーク値が大きいほど、小さい値を出力する前記圧縮用入出力変換特性により前記動的圧縮処理を行う、
請求項4に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記プレ圧縮部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する前記圧縮用入出力変換特性により前記動的圧縮処理を行う、
請求項4または10に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記プレ圧縮部は、前記圧縮用入出力特性を、前記ピーク値および前記周辺平均輝度信号から算出した折れ線特性のゲインを乗算することで実現する、
請求項10または11に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記プレ圧縮部は、前記圧縮用入出力特性を折れ線特性で実現する、
請求項10または11に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記周辺平均輝度信号をYaveとし、前記ピーク値をPinとし、ニーポイントの値をKpとし、前記プレ圧縮部に入力される前記画像信号をYinとし、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号をYin’とし、前記画像フォーマットで決められている前記最白点を「100%」を「1」と表現する場合において、
前記プレ圧縮部は、
k3(Pin)=(2/Pin−1)/(Pin−Kp)
g1(Yave,Pin)=k3(Pin)*max(Yave−Kp,0)+1
Yin’=g1(Yave,Pin)*Yin
により前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号Yin’を求めることで、前記動的圧縮処理を行う、
請求項4に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記視覚処理部は、前記周辺平均輝度信号が大きいほど、小さい値を出力する、
請求項1から14のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記視覚処理部は、前記階調変換特性を実現する2次元LUTを有し、前記2次元LUTにより前記Dレンジ圧縮処理を行う、
請求項1から15のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記視覚処理部の前記2次元LUTのデータを登録するLUTデータ登録部をさらに備える、
請求項16に記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記空間処理部は、前記プレ圧縮部から出力される信号から前記周辺平均輝度信号を算出する、
請求項1から17のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記画像信号にゲインを乗算するゲイン乗算部をさらに備え、
前記視覚処理部は、前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行うためのゲインである第1ゲインを出力し、
前記増幅部は、前記第1ゲインをさらに増幅させた第2ゲインを出力し、
前記ゲイン乗算部は、前記画像信号に前記第2ゲインを乗算する、
請求項1からの18いずれかに記載のDレンジ圧縮装置。 - 前記視覚処理部は、前記画像信号および前記周辺平均輝度信号を入力とする2次元のルックアップテーブルにより構成される、
請求項1から19のいずれかに記載のDレンジ圧縮装置。 - 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮方法であって、
前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理ステップと、
前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理ステップと、
前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出ステップと、
前記視覚処理ステップから出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅ステップと、
前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理ステップの最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮ステップと、
を備え、
前記視覚処理ステップにおいては、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
Dレンジ圧縮方法。 - 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号を入力とするDレンジ圧縮処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
コンピュータに、
前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理ステップと、
前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理ステップと、
前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出ステップと、
前記視覚処理ステップから出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理ステップから出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅ステップと、
前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理ステップの最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮ステップと、
を実行させ、
前記視覚処理ステップにおいては、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮ステップにより出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
プログラム。 - 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置に用いられる集積回路であって、
前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
を備え、
前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
集積回路。 - 可変のダイナミックレンジ(Dレンジ)の画像信号が入力されるDレンジ圧縮装置を備える撮像装置であって、
前記画像信号に対して周辺平均輝度信号を算出する空間処理部と、
前記画像信号を前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記画像信号のDレンジが所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う視覚処理部と、
前記画像信号が形成する画像内のピーク値を検出するピーク検出部と、
前記視覚処理部から出力される画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される増幅用入出力変換特性により変換することで、前記視覚処理部から出力される画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジとなるように、前記ピーク値に連動した動的増幅処理を行う増幅部と、
前記画像信号を前記ピーク値に基づいて決定される圧縮用入出力変換特性により変換することで、前記画像信号のDレンジが前記視覚処理部の最大入力Dレンジ以下となるように、前記ピーク値に連動した動的圧縮処理を行うプレ圧縮部と、
を備え、
前記視覚処理部は、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号を、前記周辺平均輝度信号に応じて決定される階調変換特性により変換することにより、前記プレ圧縮部から出力される前記画像信号のDレンジが前記所定の出力Dレンジ以下となるようにDレンジ圧縮処理を行う、
撮像装置。
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