JP5272867B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの駆動装置が車両の左右方向に並ぶように設けられた車両に適用される車両制御装置に関する。
後輪を回転駆動する内燃機関を備えるとともに、左側前輪を駆動可能な駆動ユニットが車両の左側に、右側前輪を駆動可能な駆動ユニットが車両の右側にそれぞれ設けられ、トランスミッション及び各駆動ユニットにて潤滑油を共有して共通の冷却システムで冷却する車両が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
特開2004−358994号公報 特開昭61−066813号公報 特開2007−32487号公報
特許文献1の車両のように車両の左右方向に並べて設けられた駆動装置間で潤滑油が共有される場合、車両の走行状態によっては潤滑油が一方の駆動装置に偏って集まるおそれがある。例えば、車両が高速で旋回し、車両に対して車両の左右方向に関する大きな加速度がかかった場合や、車両の左右の一方の側が他方の側よりも高くなった場合などに、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まるおそれがある。この場合、潤滑油が集まった駆動装置では、潤滑油を攪拌する際に生じる攪拌損失が増加し、エネルギ効率が悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、車両の左右方向に並べて設けられて潤滑油を共有する各駆動装置にそれぞれ適切に潤滑油を配分することが可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両制御装置は、第1駆動装置及び第2駆動装置が車両の左右方向に並ぶように設けられた車両に適用され、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの下部には、潤滑油を貯留する貯留部が設けられ、前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部とで潤滑油を共有可能なようにこれらの貯留部を接続するオイル通路と、前記オイル通路に設けられ、前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部とが接続される接続状態と前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部との接続が遮断される遮断状態とに切り替え可能な切替弁手段と、前記第1駆動装置の運転状態、前記第2駆動装置の運転状態、及び車両の走行状態の少なくともいずれか一つに基づいて前記切替弁手段を制御する制御手段と、を備えている(請求項1)。
本発明の車両制御装置によれば、切替弁手段を遮断状態に切り替えることにより、一方の駆動装置の貯留部から他方の駆動装置の貯留部への潤滑油の移動を防止できる。また、切替弁手段を接続状態に切り替えることにより、一方の駆動装置の貯留部と他方の駆動装置の貯留部との間で潤滑油を移動させることができる。そのため、例えば車両がほぼ水平の状態のときは切替弁手段を接続状態に切り替えることにより、各駆動装置にそれぞれほぼ同じ量の潤滑油を配分することができる。一方、例えば車両の左右方向に関する大きな加速度が車両にかかった場合などには切替弁手段を遮断状態に切り替えることで第1駆動装置又は第2駆動装置の一方に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。従って、各駆動装置にそれぞれ適切に潤滑油を配分することができる。これにより、一方の駆動装置に潤滑油が集まってその駆動装置における潤滑油の攪拌損失が増加することを防止できる。また、一方の駆動装置に潤滑油が集まった際に他方の駆動装置で潤滑油が不足することも防止できる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記制御手段は、前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合に前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項2)。車両が急旋回するなどして車両に対して車両の左右方向に関する加速度(以下、横加速度や横Gと称することがある。)が過大にかかると外側に位置する駆動装置に潤滑油が偏って集まるおそれがある。この形態では、その車両の左右方向の加速度が所定の判定加速度以上の場合は切替弁手段を遮断状態に切り替えるので、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。そのため、潤滑油が集まった一方の駆動装置における潤滑油の攪拌損失が増加したり他方の駆動装置で潤滑油が不足したりすることを防止できる。
本発明の車両制御装置の一形態においては、前記制御手段は、前記車両が所定の判定角度以上前記車両の左右方向に傾いた場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項3)。この形態においても、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。そのため、潤滑油が集まった一方の駆動装置における潤滑油の攪拌損失が増加したり他方の駆動装置で潤滑油が不足したりすることを防止できる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記制御手段は、前記車両の操舵装置が操作されたときの操舵角度が所定の判定操舵角度以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項4)。周知のように操舵装置が操作されたときの操舵角度が大きくなるほど車両の旋回半径が小さくなるので、横Gが大きくなる。そのため、この操舵角度が大きい場合は車両に大きな横Gがかかると予測できる。そこで、このように操舵角度が所定の判定操舵角度以上の場合には切替弁手段を遮断状態に切り替えることにより、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。また、この形態では、車両に横Gがかかる前に切替弁手段を遮断状態に切り替えることができるので、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることをさらに抑制できる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記制御手段は、前記車両の操舵装置が操作されたときの単位時間あたりの操作量が所定の判定操作量以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項5)。周知のように急ハンドルが切られた場合など単位時間あたりの操舵装置の操作量が大きいと、車両に横Gがかかると予測できる。また、この単位時間あたりの操舵装置の操作量が大きいほど、車両にかかる横Gが大きくなると予測できる。そのため、このように単位時間あたりの操舵装置の操作量が所定の判定操作量以上の場合に切替弁手段を遮断位置に切り替えることにより、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。また、この形態でも、車両に横Gがかかる前に切替弁手段を遮断状態に切り替えることができる。
本発明の車両制御装置の一形態においては、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のうちの一方が前記車両の右の車輪に駆動力を出力するとともに他方が前記車両の左の車輪に駆動力を出力しており、前記制御手段は、前記第1駆動装置から出力されている駆動力と前記第2駆動装置から出力されている駆動力との差が所定の判定駆動力差以上の場合、又は前記第1駆動装置が出力すべき駆動力を前記第1駆動装置に対して指示する第1指示値と前記第2駆動装置が出力すべき駆動力を前記第2駆動装置に対して指示する第2指示値との差が所定の判定値以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項6)。第1駆動装置及び第2駆動装置の一方が車両の右の車輪を駆動し、他方が車両の左の車輪を駆動している場合は、第1駆動装置から出力されている駆動力と第2駆動装置から出力されている駆動力との差が大きいと車両が左又は右に急旋回すると予測される。そのため、このような場合には切替弁手段を遮断状態に切り替えることにより、一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。また、第1駆動装置に対する第1指示値と第2駆動装置に対する第2指示値との差が大きい場合も同様に車両が左又は右に急旋回すると予測される。そのため、このような場合にも切替弁手段を遮断状態に切り替えることによって一方の駆動装置に潤滑油が偏って集まることを抑制できる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度及び前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の高温判定温度以上の場合、又は前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度と前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度との差が所定の判定温度差以上の場合に、前記切替弁手段を前記接続状態に切り替えてもよい(請求項7)。周知のように潤滑油の粘度は、潤滑油の温度が高いほど低くなる。そのため、駆動装置間で潤滑油の温度に大きな差があると一方の駆動装置から出力される駆動力と他方の駆動装置から出力される駆動力との差が大きくなる。また、潤滑油の温度が過度に高くなると、潤滑油の劣化が急に進行する。この形態では、第1駆動装置及び第2駆動装置の少なくともいずれか一方の潤滑油の温度が所定の高温判定温度以上の場合、又は第1駆動装置の潤滑油の温度と第2駆動装置の潤滑油の温度との差が所定の判定温度差以上の場合には、切替弁手段を接続状態に切り替えるので、第1駆動装置の潤滑油と第2駆動装置の潤滑油とを混合して各駆動装置の潤滑油の温度を低下させたり、これらの潤滑油の温度差を小さくすることができる。そのため、潤滑油の劣化を抑制したり、各駆動装置から出力される駆動力の差を小さくすることができる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの貯留部には、貯留部が設けられている駆動装置の潤滑部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段が設けられ、前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度及び前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の低温判定温度以下であり、かつ前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合、前記切替弁手段を前記接続状態に切り替えるとともに、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とのうち貯留部の潤滑油レベルが低い方の駆動装置が、駆動装置から出力されるトルクがゼロになるゼロトルク制御で運転されるように、前記潤滑油レベルが低い方の駆動装置を制御してもよい(請求項8)。この形態では、潤滑油を一方の駆動装置に偏って集めることができる。そして、潤滑油が集まった駆動装置においては、潤滑油供給手段で潤滑部に潤滑油を供給して潤滑油の温度を上昇させたり、駆動装置によって潤滑油を攪拌させて潤滑油の温度を上昇させたりすることができる。そのため、潤滑油の温度上昇を促進させることができる。また、潤滑油レベルが低い方の駆動装置は、ゼロトルク制御で運転されるので、この駆動装置の各潤滑部が焼き付くことを防止できる。
この形態において、前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度又は前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の低温判定温度以下であり、かつ前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とのうち貯留部の潤滑油レベルが高い方の駆動装置から出力される駆動力が増加するように前記潤滑油レベルが高い方の駆動装置を制御してもよい(請求項9)。この場合、潤滑油を集めた駆動装置の駆動力を増加させるので、集めた潤滑油の温度上昇をさらに促進させることができる。そのため、より速やかに潤滑油の温度を上昇させることができる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油レベルと前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油レベルとの差が所定の判定レベル以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替えてもよい(請求項10)。この場合、第1駆動装置の潤滑油レベルと第2駆動装置の潤滑油レベルとの差が所定の判定レベル以上に広がることを抑制できる。そのため、潤滑油が一方の駆動装置に偏って集まることを抑制できる。
本発明の車両制御装置の一形態において、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置には、回転電機と、前記回転電機の回転を減速して出力する減速機構と、がそれぞれ設けられ、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの貯留部に貯留されている潤滑油は、各駆動装置の前記減速機構の潤滑に使用されていてもよい(請求項11)。この場合、各駆動装置の減速機構の潤滑油を駆動装置間で共有させることができるので、これらの駆動装置で使用される潤滑油の量を十分に確保することができる。
以上に説明したように、本発明の車両制御装置によれば、切替弁手段を遮断状態に切り替えることにより、一方の駆動装置の貯留部から他方の駆動装置の貯留部への潤滑油の移動を防止できる。また、切替弁手段を接続状態に切り替えることにより、一方の駆動装置の貯留部と他方の駆動装置の貯留部との間で潤滑油を移動させることができる。そのため、車両の走行状態等に応じて適宜に切替弁手段の状態を切り替えることにより、各駆動装置にそれぞれ適切に潤滑油を配分することができる。
本発明の第1の形態に係る車両制御装置が搭載された車両の要部を模式的に示す図。 図1のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第2の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第3の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第4の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第5の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第6の形態に係る車両制御装置が搭載された車両の要部を模式的に示す図。 図7のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第7の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第8の形態に係る車両制御装置のECUが実行する制御弁制御ルーチンを示すフローチャート。
(第1の形態)
図1は、本発明の第1の形態に係る車両制御装置が搭載された車両の要部を模式的に示している。この車両1には、走行用動力源として、内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)2と、第1駆動装置としての第1電動装置10Lと、第2駆動装置としての第2電動装置10Rとが設けられている。エンジン2は、車両1の後輪を駆動する駆動源として車両1の前部に設けられている。
第1電動装置10Lは、ステータ11a及びロータ11bを有する回転電機としてのモータ11Lと、モータ11Lの回転を減速して出力する減速機構12Lとを備えている。なお、減速機構12Lとしては、例えば遊星歯車機構などが設けられる。また、第1電動装置10Lは、減速機構12Lから出力された回転が車両1の左側の前輪を伝達されるように設けられている。すなわち、第1電動装置10Lは、車両1の左側の前輪を駆動可能なように設けられている。第2電動装置10Rは、第1電動装置10Lと同じに構成されている。すなわち、第2電動装置10Rは、ステータ11a及びロータ11bを有する回転電機としてのモータ11Rと、モータ11Rの回転を減速して出力する減速機構12Rとを備えている。減速機構12Rにも減速機構12Lと同様に、例えば遊星歯車機構などが設けられる。また、第2電動装置10Rは、減速機構12Rから出力された回転が車両1の右側の前輪に伝達されるように設けられている。すなわち、第2電動装置10Rは、車両1の右側の前輪を駆動可能なように設けられている。なお、以下において第1電動装置10Lと第2電動装置10Rとを区別する必要がない場合は、電動装置10と記す。また、各電動装置10L、10Rの各部分についても同様とする。
各電動装置10L、10Rで前輪を駆動するか否かは、車両1の走行状態に応じて判断される。そのため、車両1の駆動方式は、基本的には車両1の前部のエンジン2で後輪を駆動するフロントエンジンリアドライブ(FR)方式であり、エンジン2で後輪を、各電動装置10L、10Rで前輪をそれぞれ駆動した場合に四輪駆動方式となる。そして、このようにエンジン2及びモータ11L、11Rで走行可能なことより、車両1はハイブリッド車両として構成されている。
この図に示したように第1電動装置10Lは、エンジン2の左側に設けられている。一方、第2電動装置10Rは、エンジン2の右側に設けられている。また、第1電動装置10L及び第2電動装置10Rは、車両1の左右方向に並ぶように車両1に設けられている。第1電動装置10Lの下部には、潤滑油(オイル)が貯留される貯留部としてのオイルパン(以下、左側オイルパンと称することがある。)13Lが設けられている。また、第1電動装置10Lには、潤滑油供給手段としてのオイルポンプ14Lが設けられている。オイルポンプ14Lは、左側オイルパン13Lからストレーナ15Lを介して潤滑油(オイル)を汲み上げ、減速機構12Lの各潤滑部に供給する。第2電動装置10Rの下部にも同様に、潤滑油(オイル)が貯留される貯留部としてのオイルパン(以下、右側オイルパンと称することがある。)13Rが設けられている。また、第2電動装置10Rにも潤滑油供給手段としてのオイルポンプ14Rが設けられている。そして、このオイルポンプ14Rは、右側オイルパン13Rからストレーナ15Rを介して潤滑油(オイル)を汲み上げ、減速機構12Rの各潤滑部に供給する。なお、各オイルポンプ14L、14Rは一般に車両に設けられる周知のものでよいため、詳細な説明は省略する。
左側オイルパン13Lと右側オイルパン13Rとは、これらオイルパン間でオイルが移動可能なようにオイル通路16で接続されている。このように左側オイルパン13Lと右側オイルパン13Rとが接続されることにより、これらオイルパン13L、13R間でオイルを共有することができる。オイル通路16には、切替弁手段としての制御弁17が設けられている。制御弁17は、オイル通路16を全開にする全開位置Oとオイル通路16を全閉にする全閉位置Cとに切り替え可能な切替弁である。制御弁17を全開位置Oに切り替えることにより左側オイルパン13Lと右側オイルパン13Rとを接続することができる。一方、制御弁17を全閉位置Cに切り替えることにより左側オイルパン13Lと右側オイルパン13Rとの接続を遮断することができる。そのため、制御弁17を全開位置Oに切り替えたときが本発明の接続状態に、制御弁17を全閉位置Cに切り替えたときが本発明の遮断状態にそれぞれ対応する。
制御弁17の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)20にて制御される。ECU20は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、車両1及びエンジン2に設けられた各種センサからの出力信号に基づいてエンジン2の運転状態、各車輪の制動状態、第1電動装置10Lの運転状態、及び第2電動装置10Rの運転状態等を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU20は、例えば車両1の走行状態に応じて各前輪に出力されるべき駆動力をそれぞれ算出し、それら算出した駆動力が各前輪に出力されるように各電動装置10L、10Rの動作を制御する。ECU20には、例えば車両1にかかっている車両1の左右方向の加速度(以下、横加速度や横Gと称することがある。)に対応する信号を出力する横Gセンサ21、車両1の左右方向の傾き角度に対応する信号を出力する傾斜角センサ22、車両1の操舵装置としてのステアリングホイールが操作されたときの回転角度(操舵角度)、いわゆるステアリング角に対応する信号を出力するステアリング角センサ23、第1電動装置10Lから出力されている駆動力に対応する信号を出力する第1駆動力センサ24、及び第2電動装置10Rから出力されている駆動力に対応する信号を出力する第2駆動力センサ25等が接続される。なお、これらの他にもECU20には種々のセンサが接続されているがそれらの図示は省略した。
図2は、ECU20が制御弁17の動作を制御すべく車両1の走行状態に拘わりなく所定の周期で繰り返し実行する制御弁制御ルーチンを示している。この制御弁制御ルーチンを実行することにより、ECU20が本発明の制御手段として機能する。図2の制御ルーチンにおいてECU20は、まずステップS11で車両1の走行状態を取得する。車両1の走行状態としては、例えば車両1にかかっている横G、及び車両1の左右方向の傾き角度、ステアリング角、単位時間あたりにステアリングホイールの操作量、各電動装置10L、10Rから出力されている駆動力などが取得される。
次のステップS12においてECU20は、車両1にかかっている横Gが予め設定した所定の判定加速度以上か否か判断する。所定の判定加速度としては、例えば制御弁17が全開位置Oのままでは一方の電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より下に低下し、他方の電動装置10のオイルレベルがモータ11のロータ11bにかかる程度まで上昇するような横Gが設定される。具体的には、例えば図1に想像線L1で示したオイルレベルになる横Gが設定される。
車両1の横Gが判定加速度未満と判断した場合はステップS13に進み、ECU20は制御弁17を全開位置Oに切り替える。なお、既に制御弁17が全開位置Oであった場合はその状態を維持する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、車両1の横Gが判定加速度以上と判断した場合はステップS14に進み、ECU20は制御弁17を全閉位置Cに切り替える。なお、既に制御弁17が全閉位置Cであった場合はその状態を維持する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
第1の形態の車両制御装置によれば、車両1の横Gが判定加速度以上の場合は制御弁17が全閉位置Cに切り替えられるので、一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。従って、各電動装置10にそれぞれ適切にオイルを配分することができる。これにより車両1に判定加速度以上の横Gがかかっても各電動装置10L、10Rのオイルレベルの変化を図1に破線L2、L2’で示した程度までに抑えることができる。そのため、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、オイルレベルがストレーナ15以下になることを抑制できるので、オイルポンプ14にオイルを確実に吸わせることができる。そのため、減速機構12の各潤滑部に確実にオイルを供給することができる。従って、これら潤滑部のオイルが不足してこれらの部分が焼付くことを防止できる。
(第2の形態)
図3を参照して本発明の第2の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図1が参照される。図3は、本発明の第2の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。この図に示したように第2の形態では、図2のステップS12の代わりにステップS21が設けられている点が異なる。それ以外は図2と同じであるため、図3において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図3の制御ルーチンにおいてステップS21までは図2と同様に処理が進められる。ステップS21においてECU20は、車両1の左右方向の傾き角度が予め設定した所定の判定角度以上か否か判断する。所定の判定角度としては、例えば制御弁17が全開位置Oのままでは一方の電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より下に低下し、他方の電動装置10のオイルレベルがモータ11のロータ11bにかかる程度まで上昇するような傾き角度が設定される。すなわち、図1の想像線L1で示したオイルレベルになる傾き角度が設定される。傾き角度が判定角度未満と判断した場合はステップS13を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、傾き角度が判定角度以上と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態によれば、車両1が左右方向に判定角度以上傾いた場合には制御弁17が全閉位置Cに切り替えられるので、一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。そのため、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、減速機構12の各潤滑部の焼付きを防止できる。
(第3の形態)
図4を参照して本発明の第3の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図1が参照される。図4は、本発明の第3の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。この図に示したように第3の形態では、図2のステップS12の代わりにステップS31が設けられている点が異なる。それ以外は図2と同じであるため、図4において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図4の制御ルーチンにおいてステップS31までは図2と同様に処理が進められる。ステップS31においてECU20は、ステアリング角が予め設定した所定の判定回転角度以上か否か判断する。周知のようにステアリング角が大きくなるほど車両1の旋回半径が小さくなるので、横Gが大きくなる。そこで、所定の判定回転角度としては、例えば制御弁17が全開位置Oのままでは一方の電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より下に低下し、他方の電動装置10のオイルレベルがモータ11のロータ11bにかかる程度まで上昇するような横Gが発生すると予測されるステアリング角が設定される。そのため、判定回転角度が本発明の判定操舵角度に相当する。
ステアリング角が判定回転角度未満と判断した場合はステップS13を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、ステアリング角が判定回転角度以上と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
オイルの粘度が低い場合や制御弁17の制御速度が遅い場合は、車両1に横Gがかかってから制御弁17を全閉位置Cに切り替える制御弁17を全閉位置Cが切り替わる前に一方の電動装置10にオイルが偏って集まるおそれがある。この形態によれば、ステアリング角に基づいて制御弁17の動作が制御されるので、車両1に横Gがかかる前に制御弁17を全閉位置Cに切り替えることができる。そのため、オイルの粘度が低い場合や制御弁17の制御速度が遅い場合でも、一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。従って、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、減速機構12の各潤滑部の焼付きを防止できる。
(第4の形態)
図5を参照して本発明の第4の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図1が参照される。図5は、本発明の第4の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。この図に示したように第4の形態では、図2のステップS12の代わりにステップS41が設けられている点が異なる。それ以外は図2と同じであるため、図5において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図5の制御ルーチンにおいてステップS41までは図2と同様に処理が進められる。ステップS41においてECU20は、単位時間あたりのステアリングホイールの操作量が予め設定した所定の判定操作量以上か否か判断する。周知のように急ハンドルが切られた場合など単位時間あたりのステアリングホイールの操作量が大きいほど、車両1にかかる横Gが大きくなる。そこで、所定の判定操作量としては、例えば制御弁17が全開位置Oのままでは一方の電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より下に低下し、他方の電動装置10のオイルレベルがモータ11のロータ11bにかかる程度まで上昇するような横Gが発生すると予測される単位時間あたりのステアリングホイールの操作量が設定される。
単位時間あたりのステアリングホイールの操作量が判定操作量未満と判断した場合はステップS13を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、単位時間あたりのステアリングホイールの操作量が判定操作量以上と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態においても上述した第3の形態と同様に、車両1に横Gがかかる前に制御弁17を全閉位置Cに切り替えることができるので、オイルの粘度が低い場合や制御弁17の制御速度が遅い場合でも一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。そのため、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、減速機構12の各潤滑部の焼付きを防止できる。
(第5の形態)
図6を参照して本発明の第5の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図1が参照される。図6は、本発明の第5の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。この図に示したように第5の形態では、図2のステップS12の代わりにステップS51が設けられている点が異なる。それ以外は図2と同じであるため、図6において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図6の制御ルーチンにおいてステップS51までは図2と同様に処理が進められる。ステップS51においてECU20は、第1電動装置10Lから出力されている駆動力と第2電動装置10Rから出力されている駆動力との差(以下、駆動力差と称することがある。)が予め設定した判定駆動力差以上か否か判断する。上述したように第1電動装置10Lは車両1の左前輪を駆動し、第2電動装置10Rは車両1の右前輪を駆動する。そのため、駆動力差が大きい場合は、車両1が左又は右に急旋回すると予測される。また、駆動力差が大きいほど、その急旋回時に車両1にかかる横Gは大きくなると考えられる。そこで、判定駆動力差としては、例えば制御弁17が全開位置Oのままでは一方の電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より下に低下し、他方の電動装置10のオイルレベルがモータ11のロータ11bにかかる程度まで上昇するような横Gが発生すると予測される駆動力差が設定される。
駆動力差が判定駆動力差未満と判断した場合はステップS13を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、駆動力差が判定駆動力差以上と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態においても上述した第3形態又は第4の形態と同様に、車両1に横Gがかかる前に制御弁17を全閉位置Cに切り替えることができるので、オイルの粘度が低い場合や制御弁17の制御速度が遅い場合でも一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。そのため、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、減速機構12の各潤滑部の焼付きを防止できる。
上述したように各電動装置10から出力されるべき駆動力は、ECU20からの指示によって制御されている。そこで、図6の制御ルーチンでは、駆動力差の代わりに、ECU20から第1電動装置10Lに出力されている駆動力指示値とECU20から第2電動装置10Rに出力されている駆動力指示値との差(以下、指示値差と称することがある。)に基づいて制御弁17の動作を制御してもよい。すなわち、ステップS51において指示値差が予め設定した所定の判定値以上か否か判断してもよい。なお、判定値としては、上述した所定の判定駆動力差が設定される。この場合、指示値差が判定駆動力差未満の場合はステップS13が実行され、指示値差が判定駆動力差以上の場合はステップS14が実行される。このように指示値差を用いても、駆動力差を用いた場合と同様に制御弁17の動作を制御できるので、オイルの粘度が低い場合や制御弁17の制御速度が遅い場合でも一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できる。
(第6の形態)
次に図7及び図8を参照して本発明の第6の形態に係る車両制御装置について説明する。図7は、本発明の第6の形態に係る車両制御装置が搭載された車両の要部を模式的に示している。なお、図7において図1と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図7に示したようにこの形態では、第1電動装置10Lのオイルパン13Lに貯留されているオイルの温度に対応する信号を出力する第1油温センサ31と、第2電動装置10Rのオイルパン13Rに貯留されているオイルの温度に対応する信号を出力する第2油温センサ32とが車両1に設けられている。また、第1電動装置10Lのオイルパン13Lのオイルレベルに対応する信号を出力する第1オイルレベルセンサ33、及び第2電動装置10Rのオイルパン13Rのオイルレベルに対応する信号を出力する第2オイルレベルセンサ34も車両1に設けられている。各油温センサ31、32及び各オイルレベルセンサ33、34はECU20に接続されている。なお、図示を省略したがこの形態においても各電動装置10には、オイルポンプ14及びストレーナ15が設けられている。
図8は、この形態においてECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。なお、図8において図2と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。この制御ルーチンも車両1の走行状態に拘わりなく所定の周期で繰り返し実行される。図8の制御ルーチンにおいてECU20は、まずステップS61で車両1の走行状態及び各電動装置10の運転状態を取得する。車両1の走行状態としては、図2のステップS11と同様に例えば車両1にかかっている横G、及び車両1の左右方向の傾き角度、ステアリング角、単位時間あたりにステアリングホイールの操作量、各電動装置10L、10Rから出力されている駆動力などが取得される。各電動装置10の運転状態としては、例えば各電動装置10のオイルパン13に貯留されているオイルの温度及びオイルレベルがそれぞれ取得される。
次のステップS62においてECU20は、第1電動装置10Lのオイルパン13Lのオイルの温度と第2電動装置10Rのオイルパン13Rのオイルの温度との差(以下、油温差と称することがある。)が予め設定した所定の判定温度差以上か否か判断する。周知のようのオイルの粘度は、オイルの温度が低いほど高くなる。そのため、油温差が大きくなるほど、第1電動装置10Lにおけるオイルの攪拌損失と第2電動装置10Rにおけるオイルの攪拌損失との差が大きくなる。従って、油温差が大きくなるほど、第1電動装置10Lから出力される駆動力と第2電動装置10Rから出力される駆動力との差が大きくなる。そこで、所定の判定温度差としては、各電動装置10から出力される駆動力の差が車両1の走行状態に殆ど影響を与えない程度になる油温差が設定される。
油温差が判定温度差以上と判断した場合はステップS13に進み、ECU20は制御弁17を全開位置Oに切り替える。これにより、第1電動装置10Lのオイルと第2電動装置10Rのオイルとを混合することができるので、油温差を小さくすることができる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、油温差が判定温度差未満と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
この第6の形態では、油温差が所定の判定温度差以上の場合は制御弁17が全開位置Oに切り替えられるので、油温差を小さくすることができる。このように各電動装置10のオイルの温度がほぼ同じになるように各電動装置10にオイルを適切に配分することで車両の走行状態が不安定になることを防止できる。
周知のようにオイルは、その温度が過度に高くなると劣化が急に進行する。そこで、図8のステップS62では、油温差が判定温度差以上か否か判断する代わりに各電動装置10のオイルの温度が予め設定した所定の高温判定温度以上か否か判断してもよい。なお、高温判定温度は、オイルの劣化が急に進行する温度に基づいて適宜に設定すればよい。この場合、第1電動装置10L及び第2電動装置10Rの少なくともいずれか一方のオイルの温度が高温判定温度以上の場合はステップS13を実行し、両方の電動装置10L、10Rのオイルの温度が高温判定温度未満の場合にはステップS14を実行する。このように制御弁17を制御することにより、第1電動装置10Lのオイルと第2電動装置10Rのオイルとを混合させてオイルの温度を下げることができる。また、一方の電動装置10のオイルが少なくてオイルの温度が上昇していた場合は、他方の電動装置10からオイルを補充することができる。そのため、オイルの温度が上昇していた電動装置10のオイルの量を十分に確保してその電動装置10のオイルの温度を低下させることができる。
(第7の形態)
図9を参照して本発明の第7の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図7が参照される。図9は、本発明の第7の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。なお、図9において図2又は図8と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図9の制御ルーチンにおいてECU20は、まずステップS61で車両1の走行状態及び各電動装置10の運転状態を取得する。続くステップS71においてECU20は、第1電動装置10Lのオイルの温度及び第2電動装置10Rのオイルの温度の少なくともいずれか一方が予め設定した所定の低温判定温度以下か否か判断する。上述したようにオイルの粘度は、オイルの温度が低いほど高くなる。そのため、オイルの温度が過度に低いと電動装置10の攪拌損失や減速機構12の回転部分の抵抗が増加したりしてエネルギが無駄に消費される。そこで、所定の低温判定温度としては、例えばこのようなエネルギの無駄な消費を十分に抑制可能なオイルの温度が設定される。
第1電動装置10Lのオイルの温度及び第2電動装置10Rのオイルの温度の少なくともいずれか一方が予め設定した所定の低温判定温度以下と判断した場合はステップS12に進み、ECU20は車両1にかかっている横Gが予め設定した所定の判定加速度以上か否か判断する。
車両1の横Gが判定加速度以上と判断した場合はステップS13に進み、ECU20は制御弁17を全開位置Oに切り替える。続くステップS72においてECU20は、第1電動装置10L及び第2電動装置10Rのうちオイルレベルが低い方の電動装置10に対する駆動力指示値をゼロにする。すなわち、このオイルレベルが低い方の電動装置10を、電動装置10から出力されるトルクがゼロになるゼロトルク制御で運転する。次のステップS73においてECU20は、第1電動装置10L及び第2電動装置10Rのうちオイルレベルが高い方の電動装置10の駆動力指示値を増加させる。すなわち、このオイルレベルが高い方の電動装置10の駆動力を増加させる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS71で第1電動装置10L及び第2電動装置10Rのいずれのオイルの温度も所定の低温判定温度より高いと判断した場合、又はステップS12で車両1の横Gが判定加速度未満と判断した場合はステップS14に進み、ECU20は制御弁17を全閉位置Cに切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態では、第1電動装置10L及び第2電動装置10Rの少なくともいずれか一方のオイルの温度が低温判定温度以下、かつ車両1の横Gが判定加速度以上の場合は、制御弁17を全開位置Oに切り替えるので、オイルを一方の電動装置10に偏って集めることができる。そして、オイルレベルが高い方の電動装置10、すなわちオイルを集めた電動装置10の駆動力指示値を増加させるので、集めたオイルの温度上昇を促進させることができる。そのため、オイルの粘度を低下させてエネルギ損失を低下させ、これにより燃費を改善することができる。一方、オイルレベルが低い方の電動装置10は、ゼロトルク制御で運転されるので、各潤滑部の焼付きを防止できる。
なお、駆動力指示値を増加させなくてもオイルが集まった方の電動装置10ではオイルの攪拌等によりオイルの温度上昇が促進される。そのため、図9の制御ルーチンのステップS73は省略してもよい。
(第8の形態)
図10を参照して本発明の第8の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、この形態においても車両1については図7が参照される。図10は、本発明の第8の形態に係る車両制御装置のECU20が実行する制御弁制御ルーチンを示している。
この図に示したように第8の形態では、図8のステップS62の代わりにステップS81が設けられている点が異なる。それ以外は図8と同じであるため、図10において図2又は図8と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10の制御ルーチンにおいてステップS81までは図8と同様に処理が進められる。ステップS81においてECU20は、第1電動装置10Lのオイルレベルと第2電動装置10Rのオイルレベルとの差(以下、オイルレベル差と称することがある。)が予め設定した所定の判定レベル以上か否か判断する。所定の判定レベルとしては、例えば各電動装置10のオイルレベルがストレーナ15より上、かつモータ11のロータ11bより下の範囲内にそれぞれ収まるオイルレベル差が設定される。
オイルレベル差が判定レベル未満と判断した場合はステップS13を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、オイルレベル差が判定レベル以上と判断した場合はステップS14を実行した後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態によれば、オイルレベル差が判定レベル以上の場合は制御弁17が全閉位置Cに切り替えられるので、それ以上オイルレベル差が大きくなることを防止できる。そのため、各電動装置10にそれぞれ適切にオイルを配分することができる。これにより一方の電動装置10にオイルが偏って集まることを抑制できるので、電動装置10におけるオイルの攪拌損失の増加を防止できる。また、減速機構12の各潤滑部の焼付きを防止できる。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明が適用される車両は上述した形態で示した車両に限定されず、第1電動装置及び第2電動装置によって駆動輪を駆動する車両に適用してもよい。また、内燃機関で前輪を駆動し、各電動装置で後輪を駆動する車両に適用してもよい。
上述した第1〜第5の形態で示した各制御ルーチンは、これらのうちの2個以上の制御ルーチンが互いに並行に実行されてもよい。この場合、各制御ルーチンに優先順位を付与し、制御弁の制御は優先順位の高い制御ルーチンの結果が優先順位の低い制御ルーチンの結果よりも優先される。
1 車両
10L 第1電動装置(第1駆動装置)
10R 第2電動装置(第2駆動装置)
11L モータ(回転電機)
11R モータ(回転電機)
12L 減速機構
12R 減速機構
13L オイルパン(貯留部)
13R オイルパン(貯留部)
14L オイルポンプ(潤滑油供給手段)
14R オイルポンプ(潤滑油供給手段)
16 オイル通路
17 制御弁(切替弁手段)
20 エンジンコントロールユニット(制御手段)

Claims (11)

  1. 第1駆動装置及び第2駆動装置が車両の左右方向に並ぶように設けられた車両に適用され、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの下部には、潤滑油を貯留する貯留部が設けられ、
    前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部とで潤滑油を共有可能なようにこれらの貯留部を接続するオイル通路と、前記オイル通路に設けられ、前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部とが接続される接続状態と前記第1駆動装置の貯留部と前記第2駆動装置の貯留部との接続が遮断される遮断状態とに切り替え可能な切替弁手段と、前記第1駆動装置の運転状態、前記第2駆動装置の運転状態、及び車両の走行状態の少なくともいずれか一つに基づいて前記切替弁手段を制御する制御手段と、を備えている車両制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合に前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記車両が所定の判定角度以上前記車両の左右方向に傾いた場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記車両の操舵装置が操作されたときの操舵角度が所定の判定操舵角度以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記車両の操舵装置が操作されたときの単位時間あたりの操作量が所定の判定操作量以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  6. 前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のうちの一方が前記車両の右の車輪に駆動力を出力するとともに他方が前記車両の左の車輪に駆動力を出力しており、
    前記制御手段は、前記第1駆動装置から出力されている駆動力と前記第2駆動装置から出力されている駆動力との差が所定の判定駆動力差以上の場合、又は前記第1駆動装置が出力すべき駆動力を前記第1駆動装置に対して指示する第1指示値と前記第2駆動装置が出力すべき駆動力を前記第2駆動装置に対して指示する第2指示値との差が所定の判定値以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度及び前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の高温判定温度以上の場合、又は前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度と前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度との差が所定の判定温度差以上の場合に、前記切替弁手段を前記接続状態に切り替える請求項1に記載の車両制御装置。
  8. 前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの貯留部には、貯留部が設けられている駆動装置の潤滑部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度及び前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の低温判定温度以下であり、かつ前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合、前記切替弁手段を前記接続状態に切り替えるとともに、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とのうち貯留部の潤滑油レベルが低い方の駆動装置が、駆動装置から出力されるトルクがゼロになるゼロトルク制御で運転されるように、前記潤滑油レベルが低い方の駆動装置を制御する請求項1に記載の車両制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油の温度又は前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油の温度の少なくともいずれか一方の温度が所定の低温判定温度以下であり、かつ前記車両の左右方向に関する加速度が所定の判定加速度以上の場合、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とのうち貯留部の潤滑油レベルが高い方の駆動装置から出力される駆動力が増加するように前記潤滑油レベルが高い方の駆動装置を制御する請求項8に記載の車両制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1駆動装置の貯留部の潤滑油レベルと前記第2駆動装置の貯留部の潤滑油レベルとの差が所定の判定レベル以上の場合に、前記切替弁手段を前記遮断状態に切り替える請求項1に記載の車両制御装置。
  11. 前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置には、回転電機と、前記回転電機の回転を減速して出力する減速機構と、がそれぞれ設けられ、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置のそれぞれの貯留部に貯留されている潤滑油は、各駆動装置の前記減速機構の潤滑に使用されている請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両制御装置。
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