JP5271467B2 - エポキシ接着フィルムによる仮接着方法 - Google Patents

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Description

本発明はエポキシ接着フィルムを用いた、仮接着も可能である精密な接着方法に関する。
近年、電子機器の軽薄短小化が進み、プリント基板や半導体チップ等の実装用の接着剤には耐熱性の接着フィルムが用いられている。プリント基板は従来ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグ型の接着剤を用いて熱圧着していた。しかし、プリプレグを用いると層間厚を薄くするには限界がある。そこで耐熱性の接着フィルムを用いると、プリント基板は、ガラスクロスを介さないためより薄く形成される。
接着の際に接着面からはみ出した接着剤は、上記のように寸法精度が要求される場合には除去する必要があり、外観上も好ましくない。例えば、特開平11−35892号公報には、フィルム状の接着剤を加熱および加圧して接着して生じる接着面からの接着剤のはみ出しを、耐熱テープを用いて除去するフィルム接着剤による接着方法が提案されている。
一方、一般に仮接着に用いられている粘着性の接着剤は、粘着剤と呼ばれる。これらは比較的低分子量のゴムや樹脂および可塑剤などが配合されており、室温で粘着性を示すものが多い。
特開平6−157995号公報、特開平6−329999号公報および特開平10−204396号公報には、接合時には粘着性を示すが、加熱により硬化する、仮接着と接着が可能な熱硬化性粘着シートが開示されている。このような熱硬化性粘着シートは、加熱により接着するため、加熱を要する部位の仮接着は不可能である。
この欠点を解消した、加熱により接着力が増大せずに再剥離できる粘着フィルムが特開2000−44896号公報に開示されている。また、特2000−265131号公報には剥離シートを積層した耐熱性の粘着シートが開示されている。
しかし、粘着テープや粘着シートは、仮接着に使用はできるが、低分子量のゴムや樹脂および可塑剤が配合されているため柔らかく、被着体の接着面形状に合わせた微細加工が困難であり、かつ耐溶剤性に劣る。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は、微細な形状の接着面を精密に接着でき、接着剤が耐熱性および耐溶剤性に優れる接着方法、さらに接着面が損傷なく容易に剥離するため仮接着として適用できる接着方法を提供することである。
課題を解決するための手段
本発明は、エポキシ接着フィルムを被着体の二つの接着面間に挟み、加熱または加熱および加圧する加熱工程と、前記加熱工程の後に、エポキシ接着フィルムのうち接着が不要な部分および溶融して接着面からはみ出した部分の少なくとも一方をエッチングする除去工程とを含むエポキシ接着フィルムによる接着方法である。
エッチングで、エポキシ接着フィルムの接着が不要な部分や、はみ出した部分を除去することにより、複雑で微細な接着面形状でも精密な接着を行うことができる。
好ましくは、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを重合させた重量平均分子量70,000以上の高分子量エポキシ重合体を主成分とするエポキシ接着フィルムを用いる。このエポキシ接着フィルムは、強度と伸びが大きく、柔軟性に富むため複雑で微細な形状の接着面と同じ形に加工できる。また耐溶剤性、耐熱性および接着性が良好である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明におけるエポキシ接着フィルムを被着体の二つの接着面間に挟み、加熱または加熱および加圧する加熱工程について以下に説明する。
加熱工程においてエポキシ接着フィルムを用いて接着する際の条件は、接着に適した条件であれば良く、加熱温度は60〜300℃が好ましい。60℃未満ではエポキシ接着フィルムが溶融しない虞があり、300℃を超えると分解する虞があるためである。また、加圧は必要に応じてすれば良いが、0〜20MPaが好ましい。20MPaを超えると被着体が破壊する虞がある。
被着体はプラスチック、セラミックス、金属などどのようなものであっても良い。プラスチックとしてはポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタンなどがある。セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、窒化ほう素、窒化珪素、炭化珪素、セメント、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、ほう珪酸ガラス、セメント、ほうろうなどがある。金属類はほう素、炭素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、クロム、鉄、ニッケル、銅、ジルコニウム、銀、白金、金、鉛、およびそれらの合金などがある。
被着体の形状は、フィルム状、板状、棒状、球状など、どのようなものであっても良く、接着面には微細加工を施してあっても構わない。
次に、除去工程について説明する。上述したエポキシ接着フィルムによる加熱工程の後、エポキシ接着フィルムのうち、接着の不要な部分および溶融して接着面からはみ出した部分の少なくとも一方をエッチングして除去する。例えば、形状に微細加工を施してある接着面を接着する際、接着面よりも大きめの形状に裁断した接着フィルムにより加熱工程で接着した後、接着面から予めはみ出していた接着が不要な部分をエッチング液により除去できるため、精密な接着が可能となる。
また、本発明は、加熱工程で接着後、接着が不要な部分である接着面間のエポキシ接着フィルムを、エッチングにより全て除去して接着面間を剥離させることにより、仮接着方法として適用することができる。
本発明における除去工程では、アルカリ金属化合物と有機溶媒を含むエッチング液によりエッチングするのが好ましく、有機溶媒は、アミド系溶媒およびアルコール系溶媒の少なくとも一方を含むのがさらに好ましい。また、これら成分の他に必要に応じて適宜化合物を加えてもよい。
本発明におけるエッチング液に使用するアルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属化合物でアルコール系溶媒に溶解するものであればどのようなものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの金属、水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、アミド、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラートなどがある。
アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カルバミド酸エステルなどが使用できる。これらのうちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンの使用が、エポキシ樹脂硬化物を膨潤させる効果があり、分解物の溶解性が良好なために特に好ましい。これらの溶媒は、併用することができ、また、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒などに代表されるその他の溶媒と併用することもできる。
本発明におけるエッチング液に使用するアルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコールなどがある。これらのうちメタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールがアルカリ金属化合物の溶解性が高く、特に好ましい。これらの溶媒は、何種類かを併用することもできる。
ここで併用できるケトン系溶媒には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどがある。
また、併用できるエーテル系溶媒には、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどがある。
本発明で使用するエッチング液は、アミド系溶媒に対し、アルコール系溶媒は任意の組成で配合することが可能であり、好ましくはアミド系溶媒50〜99重量%に対し、アルコール系溶媒1〜50重量%の組成である。アミド系溶媒の濃度が50重量%より低いとエポキシ硬化物の膨潤性、分解物の溶解性が低下するため好ましくなく、99重量%より高いと結果的にアルカリ金属化合物の濃度が低下するため、エポキシ樹脂硬化物の分解速度が低下するため好ましくない。
エッチング液中のアルカリ金属化合物濃度は、どのような濃度でもかまわないが、0.5重量%〜40重量%の範囲が好ましく、0.5重量%未満であると、エポキシ樹脂硬化物の分解速度が低下するため好ましくなく、40重量%を超えるとアルコール系溶媒にアルカリ金属化合物が完全に溶解しないので好ましくない。
このようにして得られたエッチング液には、必要に応じて界面活性剤などを適宜添加して使用することができる。
また、エッチングの際に、エッチング速度を調整するために、エッチング液を溶媒の凝固点以上、沸点以下の任意の温度で使用することができる。
エッチング方法として、接着フィルムにより接着している被着体を、エッチング液中に浸漬することが挙げられる。温度によりエッチング速度を高めたり、超音波により振動を与えたりすることもできる。また、スプレーなどによる噴霧や、高圧をかけることもできる。さらに、エポキシ接着フィルムのうちエッチングする個所を選択してエッチングすることもできる。
このような除去工程により、エポキシ接着フィルムの接着面からはみ出した部分を、被着体やエポキシ接着フィルムの接着に必要な部分を破損することなく、除去することができる。ここで、除去工程後に、接着面からのエポキシ接着フィルムのはみ出しの幅を100μm以下とするようにエッチングの進行を調節するのが好ましい。
さらに、本発明を仮接着方法として適用する場合は、上記した接着面からはみ出した部分の除去よりもさらにエッチングを進行させ、接着が不要な部分である接着面間のエポキシ接着フィルムを、エッチングにより全て除去して接着面間を剥離させることができる。
次に、本発明におけるエポキシ接着フィルムについて述べる。
本発明におけるエポキシ接着フィルムは、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを重合させた重量平均分子量70,000以上の高分子量エポキシ重合体を主成分とするのが好ましく、このエポキシ接着フィルムは、200℃以下の熱圧着が可能であり、接着強度、耐熱性および耐溶剤性に優れ、さらに接着面と同形に打ちぬくことが可能であるため、微細加工が可能である。エポキシ接着フィルムには、主成分として高分子量エポキシ重合体の他に、多官能エポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤等を必要に応じて適宜含む。
上記のような好ましい高分子量エポキシ重合体について、以下に説明する。たとえば、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合比をエポキシ基/フェノール水酸基=1:0.9〜1.1とし、触媒の存在下、溶媒中で加熱して重合させて得られる。
この高分子量エポキシ重合体の原料となる二官能エポキシ樹脂としては、分子内に2個のエポキシ基を有する化合物であれば制限無く使用することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、あるいは二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらの化合物は2種類以上を併用することができる。
また、本発明に用いる二官能フェノール類としては、分子内に2個のフェノール性水酸基を有する化合物ならば制限無く使用でき、さらに、ハロゲン化された二官能フェノール類であるとフィルムが難燃化でき好ましい。例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類およびこれらのアルキル置換体などのハロゲン化物、アルキル置換体などが挙げられる。これらの化合物は2種類以上を併用することができる。
二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の当量比は、
エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1/1.1
の範囲とすることが好ましい。フェノール性水酸基が0.9未満の場合には、直鎖状に高分子量化せず副反応が起きて架橋し溶媒に溶けなくなり、1.1を超えると高分子量化が進まなくなる。
高分子量エポキシ重合体の重合に用いる触媒としては、アルカリ金属化合物またはアルカリ金属元素非含有化合物を単独で、あるいは併用して用いることができる。
アルカリ金属化合物の例としては、ナトリウム、リチウム、カリウムの水酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩、アルコラート、フェノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミドなどがある。これらの中で、アルカリ金属化合物触媒が、リチウム化合物触媒であると合成終了後の吸着剤による除去が容易であるので好ましい。
アルカリ金属元素非含有化合物としては、アルカリ金属元素を含まず、エポキシ基とフェノール性水酸基のエーテル化反応を促進させる触媒能を持つ化合物であれば制限されず、例えばイミダゾール類、アミン類、有機りん化合物などが挙げられる。
イミダゾール類としては、イミダゾール、2−イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾールなどが挙げられる。
アミン類としては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類が例示され、これらの化合物として、N,N−ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−N−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、トリ−N−プロピルアミン、トリ−N−オクチルアミン、トリ−N−ブチルアミン、トリフェニルアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイドなどが挙げられる。
有機リン化合物としては、有機基を有するリン化合物であれば制限されず、一例として、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルフォスフォン酸、トリフェニルフォスフィン、トリ−N−ブチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどが挙げられる。
これらの触媒の配合量は、併用する場合、二官能エポキシ樹脂1モルに対し、アルカリ金属化合物0.005〜0.20モル、アルカリ金属非含有化合物0.005〜0.20モルの範囲で、かつ、二官能エポキシ樹脂1モルに対し、それらの合計が0.01〜0.30モルの範囲である。単独で用いる場合も0.01〜0.30モルの範囲であると好ましい。0.01モル未満では、高分子量化反応が著しく遅く、0.30モルを超えると、直鎖状に高分子量化しないおそれがある。
二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の重合反応溶媒としては、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解できる溶媒ならどのようなものでも良く、アミド系、ケトン系、エーテル系、アルコール系、エステル系などの溶媒がある。これらの溶媒は併用することができる。
例えば、アミド系溶媒としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素などがある。
ケトン系溶媒としては、例えば2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ホロン、メチルシクロヘキサノン、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、カルバミド酸エステル、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジイソブチルケトン、などがある。
エーテル系溶媒としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどがある。
アルコール系溶媒としては、例えば、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコールなどがある。これらのうちメタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどがある。
エステル系溶媒としては、例えばギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどがある。
溶媒を用いた重合反応の際の固形分濃度は、10〜50重量%の範囲であることが好ましく、10重量%未満であると塗布する際の溶液粘度が著しく低くなり、厚み精度を悪化させたりはじきなどを生じたりし、塗工性を悪化させてしまう。50重量%を超えると副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しにくくなる。この副反応が多くなる傾向は、固形分濃度が大きい程起こり易いため40重量%以下が好ましく、さらに、30重量%以下であることが好ましい。
重合反応温度は、60〜150℃であることが好ましく、60℃未満では高分子量化反応が著しく遅く、150℃を超えると副反応が多くなり直鎖状に高分子量化し難くなる。得られた高分子量エポキシ重合体のスチレン換算重量平均分子量は、70,000以上とされ、また、高分子量エポキシ重合体の希薄溶液の還元粘度は、0.60dl/g以上(N,N−ジメチルアセトアミド、25℃)であればさらに好ましい。0.60dl/g未満であると、フィルム形成能が低下する。
本発明におけるエポキシ接着フィルムに用いる多官能エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、多官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、多官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが使用できる。
これらの化合物は、複数種類を併用することができる。この多官能エポキシ樹脂の高分子量エポキシ重合体に対する配合量は、高分子量エポキシ重合体100重量部に対して、1〜200重量部の範囲が好ましい。
本発明におけるエポキシ接着フィルムに用いる硬化剤として、多官能フェノール、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物などが例示され、それらを使用できる。
多官能フェノールは、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスラェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビスフェノール類およびこれらのハロゲン化物、アルキル置換体、さらに、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂、レゾール樹脂などが使用できる。
アミン類は、脂肪族の1級アミン、2級アミン、3級アミン、芳香族の1級アミン、2級アミン、3級アミン、グアニジン類、尿素誘導体など、具体的には、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシアンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル尿素などが挙げられる。
イミダゾール化合物は、アルキル置換イミダゾール、ベンズイミダゾールなどが使用できる。
酸無水物は、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、ベイゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などが使用できる。
硬化剤の配合量は、多官能エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜70重量部使用することが好ましい。
本発明で用いる高分子量エポキシ重合体の合成には、必要に応じて硬化促進剤を用いることができ、例えば、三級アミン、イミダゾール、四級アンモニウム塩などを使用することができる。
本発明では、架橋剤として、マスクイソシアネート類を用いてもよい。これは、イソシアネート基を有するイソシアネート類を架橋剤としてそのまま使用すると、アルコール性水酸基との反応性が非常に高いので室温で架橋反応が進行し、エポキシ樹脂溶液のゲル化が起る場合があるので、このイソシアネート基をマスク(ブロック)して用いる。
本発明で好ましく用いるイソシアネート類は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するもので、例えばジイソシアネート類として、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート及びこれらの異性体、アルキル置換体、ハロゲン化物、ベンゼン環への水素添加物などが挙げられる。
さらに、3個のイソシアネート基を有するトリイソシアネート類、4個のイソシアネート基を有するテトライソシアネート類などを使用することもでき、これらを併用することもできる。
イソシアネート基のブロック(マスク)剤としては、イソシアネート基と反応する活性水素をもつ化合物であれば制限されず、ケトンオキシム類、アルコール類、フェノール類、アミン類などが挙げられる。
ケトンオキシム類としては、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどがある。
アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなどの単官能アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの二官能アルコール類などがある。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、ナフトールなどの単官能フェノール類、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホンなどの二官能フェノール類とその異性体及びハロゲン化物、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロログルシン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ナフトールノボラック、レゾールなどの多官能フェノール類などがある。
アミン類としては、N−プロピルアミン、イソプロピルアミン、N−ブチルアミン、イソブチルアミン、ベンジルアミン、トリエチレンジアミンなどがある。
これらのブロック(マスク)剤は、1種類または2種類以上を併用してもかまわない。このマスク(ブロック)剤は、イソシアネート類のイソシアネート基1.0当量に対し、マスク(ブロック)剤の活性水素が0.5〜3.0当量となるように用いることが好ましい。0.5当量未満であると、マスク(ブロック)が不完全となり、高分子量エポキシ重合体がゲル化する可能性が高くなり、3.0当量を超えると、マスク(ブロック)剤が過剰となり、形成したフィルムにマスク(ブロック)剤が残り耐熱性や耐薬品性を低下させるおそれがある。
高分子量エポキシ重合体に対するイソシアネート類の配合量は、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基当量1に対し、イソシアネート基当量0.1〜2の範囲であることが好ましい。0.1未満であると、架橋し難く、2を超えるとフィルム中にイソシアネート類が残り、耐熱性、耐薬品性を低下させるおそれがある。
本発明におけるエポキシ接着フィルムには、必要に応じて、難燃剤を配合することもでき、難燃剤には、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂などの臭素化合物を使用することができる。また、リン酸エステルなどのリン含有化合物、メラミン類などの窒素含有化合物も使用することができる。
以上のエポキシ接着フィルムの成分である、高分子量エポキシ重合体、多官能エポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤等を、溶媒に溶解ないし分散させてワニスとする。混合方法は、ワニスが均一に混合分散されればよく、特に限定されるものではない。例えば、らいかい機、ビーズミル、パールミル、ボールミル、ホモミキサー、メカニカルスターラーなどの機器を用いることができる。混合分散温度は、用いた溶媒の凝固点以上で、且つ沸点以下の温度範囲であればよい。混合分散する材料の投入順序はいずれの順でもよい。
前記のワニスを塗布する支持体として、ワニスに用いる溶媒に溶解しないものが好ましく、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのプラスチックフィルムが使用でき、さらに、この支持体として金属箔を用い、塗布する面を粗化面とすることもできる。
このワニスを塗布した後に、溶媒を除去する。溶媒の除去は、溶媒抽出、真空乾燥、加熱乾燥など種々の方法を用いることができるが、加熱による乾燥が好ましい。その温度は、使用するワニスの組成あるいは支持体の分解温度よりも低い温度で行う。この溶媒除去により、支持体上に塗付されたワニスは、Bステージ(半硬化)状態に形成されて、本発明におけるエポキシ接着フィルムが得られる。その厚みは一般的には200μm以下とするのが好ましい。
上記の二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを重合させた重量平均分子量70,000以上の高分子量エポキシ重合体を主成分とするエポキシ接着フィルムは、複雑な接着面の形に合わせて精密に打ち抜き加工することができる。これにより、はみ出しを防ぐために接着面よりも小さめに接着フィルムを加工することによる被着体との接触不足を避けることができる。
また、エポキシ接着フィルムを、接着面の形状におおむね合わせて裁断し、加熱工程を経た後の除去工程ではみ出した部分や不要な部分をエッチングして除去もでき、この場合、上記以外のエポキシ接着フィルムも使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、二官能フェノール類として、ビスフェノールA(水酸基当量:114)を用い、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒として水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して0.05モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重量%となるように配合を調整し、120℃で10時間、その溶媒中で加熱して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子量が200,000の高分子量エポキシ重合体を得た。
この高分子量エポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート類として、イソホロンジイソシアネートを用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マスク剤として、フェノールノボラック樹脂を2.5当量用い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1当量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように配合した。
高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を60重量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)を20重量部配合した。
このワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、乾燥器中で、150℃、5分の条件で乾燥し、厚さ10μmのエポキシ接着フィルムを得た。
[加熱二程] このエポキシ接着フィルムを25mm角に切断し、被着体であるSUS304(厚さ10mm)とSiウエハ(厚さ2mm)の間に挟んだ。SUS304とSiウエハの接着面の形状は20mm角で中央に直径3mmの円が2個、および幅1mm長さ10mmの長方形の穴があいている。エポキシ接着フィルムを挟んだ後、170℃、0.5MPaの条件で熱プレスを15分間行った。熱プレスによる接着後のサンプルの引張接着強さは53MPaであった。
[除去工程] エッチング液として、水酸化ナトリウム4重量%、N−メチル−2−ピロリドン96重量%の混合溶液を調整した。
上記加熱工程後のサンプルを、120℃の上記エッチング液に2時間浸漬した。接着の不要な部分である接着面の穴の部分および接着面の周りのエポキシ接着フィルムは溶解した。熱プレスにより溶融して接着面の縁からはみ出した後エッチングされた残りの幅(接着面の縁からはみ出しているエポキシ接着フィルムの幅)は80μmであった。エッチング後のサンプルの接着強さはエッチング前と同じ値であった。
このサンプルをN,N−ジメチルアセトアミド中に24時間浸漬したが、接着部位の外観に変化はなく、引張接着強さは浸漬前と同じ値であった。
さらにこのサンプルを120℃のエッチング液に浸漬したところ、10時間後にはSUS304からSiウエハが剥離した。SUS304とSiウエハの接着面のエポキシ接着フィルムは全て溶解していた。
(実施例2)
高分子量エポキシ重合体の合成の際、触媒としてナトリウムメトキシドをエポキシ樹脂1モルに対して0.04モルおよびイミダゾール0.05モルを添加し、溶媒としてシクロヘキサノンを使用した以外は、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子量が70,000の高分子量エポキシ重合体を得た。
この高分子量エポキシ重合体を、実施例1と同様にワニス配合を行い、厚さ50μmのポリイミドフィルムに塗布した後、乾燥機中で150℃5分の条件で乾燥し、厚さ20μmのエポキシ接着フィルムを得た。
被着体を厚さ30mmの42アロイと厚さ20mmのポリエチレンテレフタレートとした以外は実施例1と同様にして接着を行った。熱プレスによる接着後のサンプルの引張接着強さは55MPaであった。このサンプルを120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に2時間浸漬した。接着面にある穴および接着面の周りのエポキシ接着フィルムは溶解した。接着面の縁からはみ出しているエポキシ接着フィルムの幅は60μmであった。エッチング後のサンプルの接着強さはエッチング前と同じ値であった。このサンプルをN,N−ジメチルアセトアミド中に24時間浸漬したが、接着部位の外観に変化はなく、引張接着強さは浸漬前と同じ値であった。
さらにこのサンプルをさらに120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に浸漬したところ、10時間後には42アロイがポリエチレンテレフタレートから剥離した。42アロイとポリエチレンテレフタレートの接着面のエポキシ接着フィルムは全て溶解していた。
(実施例3)
実施例1で得られたエポキシ接着フィルムを、被着体として厚さ35μmの銅箔とSUS304とした以外は実施例1と同様にして接着を行った。熱プレスによる接着後のサンプルの引張接着強さは61MPaであった。このサンプルを120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に3時間浸漬した。接着面にある穴および接着面の周りにある余分なエポキシ接着フィルムは溶解した。接着面の縁からはみ出しているエポキシ接着フィルムの幅は70μmであった。エッチング後のサンプルの接着強さはエッチング前と同じ値であった。このサンプルをN,N−ジメチルアセトアミド中に24時間浸漬したが、接着部位の外観に変化はなく、引張接着強さは浸漬前と同じ値であった。
さらにこのサンプルをさらに120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に浸漬したところ、12時間後には銅箔がSUS304から剥離した。両方の接着面のエポキシ接着フィルムはすべて溶解していた。
(実施例4)
実施例1の高分子量エポキシ重合体の原料である二官能フェノール類として、テトラブロモフェノールA(水酸基等量:227)を用いた以外は実施例1と同様にして、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子量が200,000の高分子量エポキシ重合体を得た。この高分子量エポキシ重合体を実施例1と同様にワニス配合を行い、実施例1と同様にしてエポキシ接着フィルムを得た。このエポキシ接着フィルムを用いて、実施例1と同様にして接着を行った。
熱プレスによる接着後のサンプルの引張接着強さは45MPaであった。このサンプルを120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に1時間浸漬した。接着面にある穴の部分および接着面の周りにある余分なエポキシ接着フィルムは溶解した。接着面の縁からはみ出しているエポキシ接着フィルムの幅は50μmであった。エッチング後のサンプルの引張接着強さはエッチング前と同じ値であった。このサンプルをN,N−ジメチルアセトアミド中に24時間浸漬したが、接着部位の外観に変化はなく、引張接着強さは浸漬前と同じ値であった。
さらにこのサンプルをさらに120℃の実施例1と同様の組成のエッチング液に浸漬したところ、6時間後にはSiウエハがSUS304から剥離した。SiウエハとSUS304の接着面のエポキシ接着フィルムはすべて溶解していた。
以上の実施例における評価方法の詳細を以下に示す。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に使用したカラムは、TSK gel G6000+G5000+G4000+G3000+G2000(東ソー(株)製品名)であり、溶離液にはN,N―ジメチルアセトアミドを使用し、試料濃度は2重量%とした。
スチレン換算重量平均分子量は、予め様々な分子量のスチレンを用いて分子量と溶出時間の関係を求めた後、サンプルの溶出時間から分子量を算出してスチレン換算重量平均分子量とした。
引張強さの測定は、(株)東洋ボールドウィン製テンシロンを用い、引張速度は5mm/minとした。
また、接着面の縁からはみ出したエポキシ接着フィルムの幅は、断面写真から読み取った。
発明の効果
本発明のエポキシ接着フィルムによる接着方法によれば、エポキシ接着フィルムが耐熱性および耐溶剤性に優れるため、微細な形状の接着面を精密に接着させることが可能となった。また、エッチング液に長時間接触させることにより、接着面間が損傷なく容易に剥離するため、仮接着としての適用が可能である。

Claims (6)

  1. エポキシ接着フィルムを被着体の二つの接着面間に挟み、加熱または加熱および加圧する接着工程と、前記二つの接着面間のエポキシ接着フィルムをエッチングにより全て除去して前記接着面間を剥離させる除去工程とを含み、
    前記エポキシ接着フィルムは、ナトリウムメトキシドおよびイミダゾールを触媒として二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを重合させた重量平均分子量70,000以上の高分子量エポキシ重合体を主成分とし、さらに架橋剤、多官能エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ接着フィルムであって、前記二官能エポキシ樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、前記二官能フェノール類はビスフェノールAであり、前記架橋剤はフェノールノボラック樹脂でイソシアネート基をマスクしたイソホロンジイソシアネート、前記多官能エポキシ樹脂はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、前記硬化剤はフェノールノボラック樹脂であることを特徴とするエポキシ接着フィルムによる接着方法。
  2. 前記接着工程と前記除去工程の間に、エポキシ接着フィルムのうち仮接着が不要な部分および溶融して接着面からはみ出した部分の少なくとも一方を、被着体またはエポキシ接着フィルムの仮接着に必要な部分を破損することなくエッチングする、はみ出し除去工程をさらに有する請求項1記載のエポキシ接着フィルムによる仮接着方法。
  3. 前記除去工程において、アルカリ金属化合物と有機溶媒を含むエッチング液によりエッチングする請求項1または2記載のエポキシ接着フィルムによる接着方法。
  4. エッチング液における有機溶媒は、アミド系およびアルコール系の少なくとも一方を含む請求項記載のエポキシ接着フィルムによる接着方法。
  5. はみ出し除去工程後に、接着面からのエポキシ接着フィルムのはみ出しの幅が100μm以下である請求項記載のエポキシ接着フィルムによる接着方法。
  6. 二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とをエポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1/1.1の当量比で重合させた請求項1〜のいずれか記載のエポキシ接着フィルムによる接着方法。
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