JP5267436B2 - 情報記録媒体用ガラス基板および磁気ディスク - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク(ハードディスク)など情報記録媒体に用いられるガラス基板および磁気ディスクに関する。
情報記録媒体用基板、特に磁気ディスク用基板としてガラス基板が広く用いられており、たとえば質量%で、47〜60%のSiO、8〜20%のAl、2〜8%のNaO、1〜15%のKO、1〜6%のTiO、1〜5%のZrO、などを含有するガラスが提案されている。
国際公開第08/117758号パンフレット
磁気ディスク用ガラス基板としては、膨張係数やヤング率などが適切なものであることが求められる他に、その在庫中に表面性状が著しく変化し、前記基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜が剥がれやすくならないこと、すなわち耐候性が求められる。
本発明は耐候性が改善された磁気ディスク用ガラス基板の提供を目的とする。
本発明は、アルカリアルミノシリケート系ガラスからなり、仮想温度Tからガラス転移温度Tを減じた差T−Tが5℃以下である情報記録媒体用ガラス基板を提供する。
また、アルカリアルミノシリケート系ガラスのアルカリ金属酸化物含有量が15〜26モル%である前記情報記録媒体用ガラス基板を提供する。
また、下記酸化物基準のモル%表示で、SiOを64〜67%、Alを8〜10%、LiOを10〜13%、NaOを9〜12%、KOを0〜2%、ZrOを2〜4%含有し、LiO、NaOおよびKOの含有量の合計LiO+NaO+KOが21〜25%である前記情報記録媒体基板用ガラスを提供する。なお、たとえばKOを0〜2%含有するとは、KOは必須ではないが2%以下の範囲で含有してもよい、の意である。
また、前記情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層が形成されている磁気ディスクを提供する。
情報記録媒体用ガラス基板の耐候性は主にそのガラスの組成によって支配されるが、本発明者は同一のガラス組成であっても仮想温度が低下することによって耐候性が向上することを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、耐候性に優れた情報記録媒体基板用ガラスを得ることができる。これにより、前記基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜が剥がれにくくなる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板(以下、本発明のガラス基板という。)のガラス(以下、本発明のガラスという。)の密度dは2.60g/cm以下であることが好ましい。2.60g/cm超ではドライブ回転時にモーター負荷がかかって消費電力が大きくなる、またはドライブ回転が不安定になるおそれがある。好ましくは2.54g/cm以下である。
本発明のガラスはヤング率Eが76GPa以上であることが好ましい。76GPa未満であるとドライブ回転中に反りやたわみが発生しやすく、高記録密度の情報記録媒体を得ることが困難になるおそれがある。Eは77GPa以上であることがより好ましい。
本発明のガラスは比弾性率E/dが28MNm/kg以上であることが好ましい。E/dが28MNm/kg未満であるとドライブ回転中に反りやたわみが発生しやすく、高記録密度の情報記録媒体を得ることが困難になるおそれがある。E/dは30MNm/kg以上であることがより好ましい。
本発明のガラスのガラス転移点Tは450℃以上であることが好ましい。450℃未満では磁性層形成熱処理温度を充分高くすることができず、磁性層の保磁力増加が困難になるおそれがある。より好ましくは460℃以上である。
本発明のガラスの−50〜70℃における平均線膨張係数αは56×10−7/℃以上であることが好ましい。56×10−7/℃未満では、金属製のドライブなど他の部材の熱膨張係数との差が大きくなり、温度変動時の応力発生による基板の割れなどが起こりやすくなるおそれがある。より好ましくは58×10−7/℃以上である。αは典型的には100×10−7/℃以下である。
次に、本発明のガラスについてモル百分率表示含有量を用いて説明する。
本発明のガラスはアルカリアルミノシリケート系ガラスであり、典型的には、SiO含有量は61〜71%、Alは含有量は7〜17%、アルカリ金属酸化物含有量は15〜26%である。
SiOが61%未満では、耐酸性が低下する、dが大きくなる、または液相温度が上昇しガラスが不安定になる。71%超では、粘度が10dPa・sとなる温度Tおよび粘度が10dPa・sとなる温度Tが上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、EもしくはE/dが低下する、またはαが小さくなる。
Alが7%未満では耐候性が低下する、EもしくはE/dが低下する、またはTが低くなる。17%超では耐酸性が低下する、TおよびTが上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、αが小さくなる、または液相温度が高くなりすぎる。
アルカリ金属酸化物としてはLiO、NaOまたはKOが一般的であるが、アルカリ金属酸化物含有量の合計が15%未満ではαが小さくなる、またはガラスの溶解性が低下する。26%超では耐候性が低下する。
LiOが6〜16%、NaOが2〜13%、KOが0〜8%であることが好ましい。
LiOが6%未満ではαが小さくなる、またはガラスの溶解性が低下するおそれがある。16%超では耐候性またはTが低下するおそれがある。
NaOが2%未満ではαが小さくなる、またはガラスの溶解性が低下するおそれがある。13%超では耐候性またはTが低下するおそれがある。
Oは必須ではないが、αを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させるために8%まで含有してもよい。8%超では耐候性が低下する、またはEもしくはE/dが低下するおそれがある。
このアルカリアルミノシリケート系ガラスはSiO、Al、アルカリ金属酸化物以外の成分を情報記録媒体用基板としての特性を損なわない範囲で含有してもよいが、そのような成分の含有量は合計で8%以下であることが典型的である。
本発明のガラスの好ましい態様の一つとして、SiOを64〜67%、Alを8〜10%、LiOを10〜13%、NaOを9〜12%、KOを0〜2%、ZrOを2〜4%含有し、LiO、NaOおよびKOの含有量の合計LiO+NaO+KOが21〜25%であるものが挙げられる(このガラスを以下、本発明のガラスAという)。
次に、本発明のガラスAの組成について説明する。
SiOはガラスの骨格を形成する成分であり、必須である。64%未満では、耐酸性が低下する、dが大きくなる、または液相温度が上昇しガラスが不安定になる。67%超では、TおよびTが上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、EもしくはE/dが低下する、またはαが小さくなる。
Alは耐候性を高める効果を有し、必須である。8%未満では前記効果が小さい、EもしくはE/dが低下する、またはTが低くなる。10%超では耐酸性が低下する、TおよびTが上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、αが小さくなる、または液相温度が高くなりすぎる。
LiOは、E、E/dもしくはαを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があり、必須である。10%未満では前記効果が小さい。13%超では、耐候性が低下する、またはTが低くなる。
NaOは、αを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があり、必須である。9%未満では前記効果が小さい。12%超では、耐候性が低下する、またはTが低くなる。
Oは必須ではないが、αを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があり2%まで含有してもよい。2%超では耐候性が低下する、またはEもしくはE/dが低下する。KOを含有する場合その含有量は、好ましくは0.1%以上である。
LiO、NaOおよびKOの含有量の合計LiO+NaO+KO(以下、ROと記す。)が21%未満では、αが小さくなる、またはガラスの溶解性が低下する。ROが25%超では耐候性が低下する。
ZrOは、E、E/dもしくはTを高くする、耐候性を高くする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があるため、必須である。2%未満では前記効果が小さい。4%超ではdが大きくなる、または液相温度が高くなりすぎるおそれがある。
本発明のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。その場合、当該他の成分の含有量の合計は好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
以下、上記成分以外の成分について例示的に説明する。
MgOは必須ではないが、耐候性を維持したままE、E/dもしくはαを大きくする、ガラスを傷つきにくくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があり、2%まで含有してもよい。2%超では液相温度が高くなりすぎる。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはMgOを含有しない。
CaOは必須ではないが、耐候性を維持したままαを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果があり、2%まで含有してもよい。2%超ではdが大きくなる、Eが低下する、または液相温度が高くなり過ぎるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはCaOを含有しない。
SrOはαを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させるために、2%以下の範囲で含有してもよい。2%超ではdが大きくなる、またはガラスに傷つきやすくなるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはSrOを含有しない。
BaOはαを大きくする、またはガラスの溶解性を向上させるために、2%以下の範囲で含有してもよい。2%超ではdが大きくなる、またはガラスに傷つきやすくなるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはBaOを含有しない。
TiOは、E、E/dもしくはTgを高くする、耐候性を高くするなどを目的として、2%未満の範囲で含有してもよい。2%以上ではTが高くなりすぎるおそれがある、または分相現象が起りやすくなるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはTiOを含有しない。
は、EもしくはE/dを大きくする、耐候性を高くする、ガラスの溶解性を向上させるなどを目的として、2%以下の範囲で含有してもよい。2%超では分相現象が起こりやすくなる。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはBを含有しない。
Laは耐候性を維持したままEを向上させるなどを目的として含有してもよいが、その場合2%以下であることが好ましい。2%超ではdが大きくなる、または液相温度が高くなりすぎるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはLaを含有しない。
Nbは耐候性を維持したままEを向上させるなどを目的として含有してもよいが、その場合2%以下であることが好ましい。2%超ではdが大きくなる、または液相温度が高くなりすぎるおそれがある。より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。典型的にはNbを含有しない。
REを合計で1%未満まで含有してもよい。なお、前記REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる希土類の酸化物を示している。
SO、Cl、As、Sb、SnO等の清澄剤を合計で2%まで含有してもよい。
Fe、Co、NiOなどの着色剤を合計で2%まで含有してもよい。
本発明のガラスの別の好ましい態様として、SiOを64〜69%、Alを9〜11%、LiOを6〜9%、NaOを9〜13%、KOを0〜2%、MgOを0〜4%、CaOを1〜5%、ZrOを0〜2%含有し、LiO+NaO+KOが16〜20%であるもの、SiOを66〜71%、Alを7〜9%、Bを0〜3%、LiOを12〜16%、NaOを2〜5%、KOを0〜3%、MgOを0〜5%、TiOを0〜3%、ZrOを0〜2%、Laを0〜2%、Nbを0〜2%含有し、LiO+NaO+KOが16〜21%であるもの、SiOを61〜66%、Alを11.5〜17%、LiOを8〜16%、NaOを2〜8%、KOを2.5〜8%、MgOを0〜6%、TiOを0〜4%、ZrOを0〜3%含有し、Al+MgO+TiOが12%以上、LiO+NaO+KOが16〜23%であり、Bを含有する場合その含有量が1%未満であるもの、などが挙げられる。
本発明のガラス基板は通常は円形のガラス板である。
本発明のガラス基板の耐候性は、120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気下に20時間保持した時そのガラス表面に析出しているLi量、Na量、K量をそれぞれCLi、CNa、CとしてC=CLi+CNa+Cによって評価される。
本発明のガラス基板の仮想温度Tからガラス転移温度Tを減じた差T−Tは、耐候性を向上させるために5℃以下とされる。5℃超では耐候性向上効果を得にくくなる。T−Tは好ましくは−10℃以下であるが、−25℃以下であればこの効果がより顕著になる。T−Tは典型的には−35℃以上である。
本発明のガラスが前記ガラスAである場合本発明のガラス基板のCは7nmol/cm以下であることが好ましい。Cが7nmol/cm超では、基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜が剥がれやすくなる。
本発明のガラス基板は典型的には磁気ディスク用ガラス基板として用いられる。
磁気ディスク用ガラス基板はノートブックパソコン等に用いられる2.5インチ基板(ガラス基板外径:65mm)やポータブルMP3プレーヤなどに用いられる1.8インチ基板(ガラス基板外径:48mm)などに広く使用され、その市場は年々拡大しており、一方で低価格での供給が求められている。このようなガラス基板に使用されるガラスは、大量生産に適したものであることが好ましい。
板ガラスの大量生産はフロート法、フュージョン法、ダウンドロー法などの連続成形法により広く行われており、本発明のガラスはたとえばフロート成形が可能なガラスを含むので大量生産に好適である。
本発明のガラス基板の溶解・成形方法は特に限定されず、各種方法を適用できる。たとえば、通常使用される各成分の原料を目標組成となるように調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、周知のフュージョン法等のダウンドロー法、フロート法、プレス法などの方法により所定の厚さの板ガラスに成形し、徐冷後必要に応じて研削、研磨などの加工を行った後、所定の寸法・形状のガラス基板とされる。成形法としては、特に、大量生産に適したフロート法が好適である。また、フロート法以外の連続成形法、すなわち、フュージョン法、ダウンドロー法にも好適である。
本発明のガラス基板の製造方法は、そのガラスの温度が歪点以上となる最後の工程のガラスの冷却において、ガラスの温度が歪点以上であってガラスの粘度が1010dPa・sとなる温度以下の範囲にある時間tが13分以上であることが好ましい。前記時間tが13分未満では前記T−Tを5℃以下にすることが困難になるおそれがある。より好ましくは18分以上である。
各成分の原料を、モル%表示組成がSiO 65.7%、Al 8.5%、LiO 12.4%、NaO 10.9%、ZrO 2.5%であるガラスが得られるように調合し、白金るつぼを用いて1550〜1600℃の温度で3〜5時間溶解した。溶解にあたっては、白金スターラを溶融ガラス中に挿入し、2時間撹拌してガラスを均質化した。次いで溶融ガラスを流し出して板状に成形し、毎分1℃の冷却速度で室温まで徐冷した。
こうして得られた板状ガラスの密度dは2.51g/cm、前記平均線膨張係数αは77×10−7/℃、ヤング率Eは84GPa、比弾性率E/dは33.7MNm/kg、ガラス転移点Tは494℃、仮想温度Tは478℃、ガラスの粘度が1014.5dPa・sとなる温度である歪点TStrは457℃、ガラスの粘度が1010dPa・sとなる温度T10は580℃であった。なお、これらの測定は以下に示す方法によって行った。
d:泡のないガラス20〜50gを用い、アルキメデス法にて測定した。
α:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率をガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくなる温度すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲線から−50〜70℃における平均線膨張係数を算出した。
E:厚さが5〜10mm、大きさが3cm角のガラス板について、超音波パルス法により測定した。
:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率を屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲線における屈曲点に相当する温度をガラス転移点とした。
Str:繊維引き伸ばし法による徐冷点およびひずみ点の測定方法(JIS R 3103−2:2001)に準拠して歪点を測定した。
10:粘度が101.5dPa・sから104.5dPa・sまでの温度‐粘度曲線を回転粘度計により測定した。また、粘度が107.6dPa・sとなる温度である軟化点を軟化点の測定方法(JIS R 3103−1:2001)に準拠して、粘度が1013dPa・sとなる温度である徐冷点を徐冷点およびひずみ点の測定方法(JIS R 3103−2:2001)に準拠してそれぞれ測定した。前記温度‐粘度曲線、軟化点、徐冷点および歪点をもとにこれら粘度領域を包含する温度‐粘度曲線をFulcherの式によるフィッティングで求め、この温度‐粘度曲線からT10を求めた。
仮想温度Tは以下の方法により測定した。
まず、前記板状ガラスを厚さが0.4mm、大きさが1cm角のガラス板に加工した。このガラス板をボックス型電気炉に入れて630℃まで昇温し、630℃に10分間保持後、プログラム制御により1℃/分の冷却速度で保持温度Tまで冷却し、Tにて140時間保持後、試料を電気炉から取り出し、大気雰囲気で室温まで急冷した。Tを510℃、500℃、490℃、480℃、450℃にした。ガラスの厚みが十分に薄いことから、それぞれのガラスのTはTになる。これらのサンプルの屈折率測定を行い、Tと屈折率の関係の検量線を作成した。
次に、前記板状ガラスを、厚さが1.2mm、大きさが4cm角のガラス板に加工した。ガラス板をボックス型の電気炉に入れて、630℃まで昇温し、630℃に10分間保持後、プログラム制御により冷却速度を0.1℃/分、1℃/分とした2種類のサンプル(前者を例1、後者を例2とする。)を作製した。このサンプルの屈折率の測定を行い、先に述べた検量線を用いてTを求めたところ、例1は463℃、例2は478℃であった。
また、前記板状ガラスを、厚さが1.2mm、大きさが4cm角のガラス板に加工した。このガラス板をベルトコンベヤー式の電気炉に流し、ベルト速度の制御により冷却履歴の異なる2種類のサンプル例3、例4を作製した。すなわち、全長が3.4mであり、入口から0.3m、1m、1.7m、2.4m、3mの計5箇所にヒーターが設置されている電気炉の上記5箇所の設定温度を入口に近い側から順に350℃、450℃、520℃、610℃、630℃とし、ベルト速度を11mm/分としたものを例3、94mm/分としたものを例4とした。これらのサンプルの屈折率の測定を行い、先に述べた検量線を用いてTを求めたところ、例3は497℃、例4は513℃であった。
なお、このようなベルトコンベヤー式の電気炉を用いたサンプル作製において、サンプルの部位によりTが異なることが懸念されたため、前記ガラス板を厚さが1.2mm、大きさが1.2cm角になるように9等分し、それぞれの屈折率の測定を行った。その結果、いずれの屈折率も同じでありTは異ならないことが判明した。また、9等分した内、真ん中の部位を厚み方向に3等分し、それぞれの屈折率の測定を行ったが、いずれの屈折率も同じでありTは異ならないことが判明した。このことから、厚さが1.2mm、大きさが4cm角のガラス板のTは板全体で均一であることが分った。
各例のT−Tは、例1は−32℃、例2は−17℃、例3は2℃、例4は19℃であり、例1〜3は本発明の実施例、例4は比較例である。なお、フロート法やダウンドロー法などで板状にガラスを成形しその後アニール工程を経て連続的に工業生産されたガラス板のT−Tは15℃以上であり、例4はこのような工業製品を模擬するものである。
例1〜4のガラス板について次のようにして耐候性指標Cを測定したところ、例1は6.2nmol/cm、例2は6.9nmol/cm、例3は6.9nmol/cm、例4は7.3nmol/cmであった。このことから、T−Tを5℃以下とすることにより組成が同じガラスであっても耐候性が向上することがわかる。
:厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cmのガラス板の両面を酸化セリウムで鏡面研磨し、炭酸カルシウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、高度加速寿命試験装置(エスペック社製不飽和型プレッシャークッカーEHS−411M)に入れて120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気に20時間静置した。洗浄済みチャック付ポリ袋に試験後試料と超純水20mlを入れ超音波洗浄機で10分間表面析出物を溶解し、ICP−MSを使用して各アルカリ成分(Li、Na)の溶出物を定量した。各アルカリ成分の溶出量はモル換算し、試料表面積で規格化し、これらの合計をCとした。
磁気ディスクなどの情報記録媒体の製造や情報記録媒体用ガラス基板に利用できる。

Claims (5)

  1. アルカリ金属酸化物含有量が15〜26モル%であるアルカリアルミノシリケート系ガラスからなり、仮想温度Tからガラス転移温度Tを減じた差T−T−32℃以上5℃以下である情報記録媒体用ガラス基板。
  2. 120℃、0.2MPaの水蒸気雰囲気下に20時間保持した時そのガラス表面に析出しているLi量、Na量、K量をそれぞれC Li 、C Na 、C としてC Li 、C Na およびC の和C が7nmol/cm 以下である請求項1の情報記録媒体用ガラス基板。
  3. 下記酸化物基準のモル%表示で、SiOを64〜67%、Alを8〜10%、LiOを10〜13%、NaOを9〜12%、KOを0〜2%、ZrOを2〜4%含有し、LiO、NaOおよびKOの含有量の合計LiO+NaO+KOが21〜25%である請求項1または2の情報記録媒体用ガラス基板。
  4. −Tが−25℃以下である請求項1、2または3の情報記録媒体用ガラス基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかの情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層が形成されている磁気ディスク。
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