JP5263637B1 - 構造体 - Google Patents

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【課題】本発明は、湿気硬化型ウレタン系樹脂層を下層とし、上層施工までの間隔があいても上層との接着性に優れた構造体を提供するものである。
【解決手段】少なくとも下層と上層とを有する構造体であって、前記下層がイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有するウレタンプレポリマー(A)と、湿気で解離して、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選ばれる1種以上の活性水素を有する基を発生する化合物(B)とを含有する湿気硬化型ウレタン組成物を用いて得られるものであり、前記上層がJIS K 6253−3:2012による測定方法にてタイプA硬度70以上又はタイプD硬度50以上の樹脂(C)を用いて得られるものであることを特徴とする構造体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、下層と上層との接着性に特に優れた構造体に関するものであり、駐車場防水材やフォークリフト等の重量物の通行する工場床等に有効な構造体である。
コンクリート構造物や金属駆体を基体とした防水被覆塗膜型構造体としては、例えば、特許文献1に記載されているように、柔軟性のある不飽和ポリエステル樹脂と繊維補強材を組み合わせたFRP構造体、あるいは特許文献2に記載されているように、発泡ポリウレタン樹脂の被覆構造体が知られている。
また、特許文献3にはポリウレタン樹脂層とFRP層を複合化し、亀裂追従性、防水性、炭酸ガスバリヤー性、遮塩性等を向上した施工法が提案されている。
また、特許文献4ではでは湿気硬化型ウレタン樹脂を用いた施工性に優れた構造体が提案されている。
しかしながら、少なくとも2層を有する構造体においては下層施工後に風雨等の影響で上層を施工するまでに施工間隔が空いてしまうと下層と上層の接着性が低下する問題が発生している。
特公昭52−25877号公報 特開昭58−189071号公報 特開平1−219242号公報 特開2002−46244号公報
本発明は、湿気硬化型ウレタン系樹脂層を下層とし、上層施工までの間隔があいても上層との接着性(以下、暴露後接着性と略記する。)に優れた構造体を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討の結果、下層に特定の湿気硬化型ウレタン組成物を用いることにより、前記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は、少なくとも下層と上層とを有する構造体であって、前記下層がイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有するウレタンプレポリマー(A)(以下、「ウレタンプレポリマー(A)と略記する。)と、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b1)とN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られる、湿気で解離して、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選ばれる1種以上の活性水素を有する基を発生する化合物(B)(以下、「化合物(B)」と略記する。)とを含有する湿気硬化型ウレタン組成物を用いて得られるものであり、前記上層がJIS K 6253−3:2012による測定方法にてタイプA硬度70以上又はタイプD硬度50以上の樹脂(C)(以下、「樹脂(C)」と略記する。)を用いて得られるものであることを特徴とする構造体を提供するものである。
本発明は、下層と上層との接着性に特に優れた構造体に関するものであり、駐車場防水材やフォークリフト等の重量物の通行する工場床等に有効な構造体である。また、中塗り材(下層)の仕上がり性や施工性に優れ、更に中塗り材と上塗り材の接着性に優れるため過酷な条件で使用されても層間剥離を生じにくい。また、硬化性や施工時の非発泡性にも優れるものである。
まず、前記ウレタンプレポリマー(A)について説明する。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有するものであり、ポリイソシアネートとポリオールと水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を反応させて得られるものが好ましい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオールが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、オキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリオール及びポリオキシテトラメチレンポリオール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
前記その他のポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールグリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等の低分子ポリオールも挙げられる。
前記ポリオールは、好ましくは数平均分子量500〜16,000の範囲で、好ましくはポリオキシアルキレンポリオールであり、且つポリオキシアルキレンポリオール中にブチレンエーテル結合を5〜80質量%の範囲、エチレンエーテル結合0〜10質量%の範囲及びプロピレンエーテル結合10〜95質量%の範囲で含有することが硬化性、耐水性等の点から好ましい。なお、前記ポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーションカラムクロマトグラフィー(示差屈折法、標準ポリスチレン換算、溶離液;テトラヒドロフラン)により測定した値を示す。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のような水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3個以上の水酸基を有するアルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
なお、本発明においては、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により、ウレタンプレポリマー(A)に(メタ)アクリロイル基が導入されるが、これにより上塗り層との接着性が向上する。
また、本発明において、(メタ)アクリル化合物とは、アクリル化合物及び/又はメタクリル化合物をいい、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基をいう。
次に、前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法について説明する。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリイソシアネートと前記ポリオールと前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物とを一括にて仕込み製造する方法や、前記ポリイソシアネートと前記ポリオールとを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得た後、このイソシアネート基末端プレポリマーと水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を反応させてウレタンプレポリマー(A)を製造する方法が挙げられるが、反応性を制御できる観点から後者が好ましい。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)の末端イソシアネート基数は、好ましくは2以上、より好ましくは2〜3の範囲である。更にイソシアネートとポリオールとのNCO/OH比は好ましくは1.4以上、更に好ましくは1.4〜5の範囲である。残存NCO%は、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
前記ウレタンプレポリマー(A)の数平均分子量としては、下地追従性、硬化速度が良好な観点から、500〜8,000の範囲が好ましい。また、ウレタンプレポリマー(A)の末端の平均NCO基数は硬化性、下地追従性が良好な観点から、2.0〜2.6の範囲が好ましい。前記ウレタンプレポリマー(A)における(メタ)アクリロイル基の含有量は、接着性の向上効果や硬化塗膜の機械物性等の観点から、残存イソシアネート基1モルに対して0.05〜0.5モルの範囲が好ましい。
次に、前記化合物(B)について説明する。
前記化合物(B)とは、活性水素を種々の方法でマスクし、湿気で解離して、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選ばれる1種以上の活性水素を有する基を発生する化合物であり、例えば、ケチミン、エナミン、アルジミン、オキソザリジン、水分で脱アルコールしてシラノール結合を持つ化合物等が挙げられる。この中でもオキサゾリジン基を有する化合物が好ましく用いられる。
前記オキサゾリジン基を有する化合物は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b1)とN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られるものが好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(b1)は、前記ウレタンプレポリマー(A)と同様のものを用いることができる。
前記N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類と例えばジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルアミン類との公知の縮合反応により得られる化合物である。
前記オキサゾリジン基を有する化合物の末端オキサゾリジン基の数は、硬化後の伸張性が良好な観点から、好ましくは1〜3の範囲である。なお、前記オキサゾリジン基を有する化合物の末端にオキサゾリジン基は1個以上あれば、その他の末端がイソシアネート基であってもよいことは言うまでもない。
なお、本発明においては、ウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基1モルに対して、前記化合物(B)が湿気で解離して発生する前記活性水素を有する基の合計モル比が1〜2の範囲であることが暴露後接着性や残存タック等の問題が少ない観点から好ましい。なお、前記合計モル比の計算においては、活性水素基を基準として計算した値を用いる。
本発明の下層を構成する組成物には、前記湿気硬化型ウレタン組成物の他に、必要に応じてオキサゾリジン基の解離触媒としての酸、有機溶剤、無機充填剤、プロセスオイル、可塑剤、揺変剤、体質顔料、耐侯性の維持向上のための紫外線防止剤、安定剤等各種添加剤などを含んでいてもよい。これら混合物が均一に混合でき、且つ保存性が確保できるのに十分なる混合、混練装置により製造する事ができる。
前記解離触媒としての酸としては、例えば、サリチル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸及びこれらの酸無水物等の公知の酸が挙げられる。特に好ましくはテレフタル酸、サリチル酸である。前記酸の使用量としては、湿気硬化型ウレタン組成物中0.001〜1質量%の範囲であることが好ましい。
前記溶剤類としては、例えば、トルエン、キシレン、ターペン、酢酸エチル等の通常のウレタン用溶剤が挙げられる。
前記揺変剤は、例えば、表面処理炭酸カルシウム、ポリ塩化ビニルパウダー、微粉末シリカ、ベントナイト等があげられる。このほか石油系高沸点芳香族系留分,石油樹脂等を混合しても良い。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤やトリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系可塑剤が挙げられる。
前記安定剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸アルミニウム、カオリン、硅そう土、ガラスバルーン等の無機化合物の粉粒体が挙げられる。その添加量は、前記湿気硬化型ウレタン組成物中に好ましくは5〜70質量%の範囲、より好ましくは10〜60質量%の範囲である。
次に、前記樹脂(C)について説明する。
前記樹脂(C)としては、硬化塗膜の硬度が、硬度がタイプA硬度70以上、好ましくは70〜100の範囲である樹脂、及び/又はタイプD硬度50以上、好ましくは50〜90の範囲である樹脂である。前記タイプA硬度70以上の樹脂(C)は、比較的柔軟〜硬質な樹脂若しくは樹脂組成物である。また、前記タイプD硬度50以上の樹脂(C)としては、比較的硬い樹脂若しくは樹脂組成物である。前記樹脂(C)としては、例えば、ウレタン系、不飽和ポリエステル等のFRP、アクリル樹脂等公知の樹脂組成物を使用することが出来る。好ましくはポリフェニルメタンポリイソシアネートを含有するイソシアネート(c1)と天然油、その誘導体及び水酸基を有するビスフェノール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(c2)を混合して硬化させ、硬化塗膜の硬度がタイプD硬度50以上のポリウレタン樹脂が用いられる。
なお、本発明におけるタイプA硬度及びタイプD硬度はJIS K 6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方―第3部:デュロメータ硬さ」に記載された測定方法に準じて測定する。
前記ポリフェニルメタンポリイソシアネートを含有するイソシアネート(c1)としては、例えば、MR−100,MR−200(日本ポリウレタン製)やコスモネートM−50,コスモネートCX−200等の公知のポリフェニルメタンポリイソシアネート及び、又はその変性物が挙げられる。
前記天然油、及びその誘導体としては、例えば、ひまし油、大豆油、やし油等の天然油及び又はそれらの誘導体であり、中でも二級水酸基を有するひまし油及びその誘導体が好ましく用いられる。ここでいう天然油の誘導体としては天然油と多価アルコールとのエステル交換反応物、天然油の重合体、天然油のジシクロペンタジエン付加物等が挙げられる。
前記ビスフェノール誘導体としては、水酸基を有するものであり、ビスフェノール系エポキシのアルキレンオキサイド付加物やビスフェノール系エポキシと高級脂肪酸との反応物等が挙げられる。その他に公知のポリオールや発泡防止のための活性アルミナ粉末、合成ゼオライト粉末等や、可塑剤、充填剤、触媒、耐候性向上のための添加剤等を含有することが出来る。製品としてはDIC製のプライアデックHF−3000主剤/硬化剤(タイプD硬度65〜75)、プライアデックHF−3500主剤/硬化剤(タイプD硬度70〜80)等が好ましく用いられる。
本発明の構造体における好ましい各層の厚みは、下地追従性等の耐久性等の観点から、下層が0.05〜3.0mm/m、上層が0.05〜5.0mm/mである。また、前記構造体は、少なくとも前記上層及び下層を有しているが、使用目的によっては上層の上に仕上層やトップコート層が積層されてもよく、また下層には基板が構成されていてもよい。
本発明の構造体は、例えば、駐車場、工場床等に好ましく使用される。特に駐車場の防水施工に適用される場合には、コンクリート等の基盤の上に下地プライマーが積層され、次いで本発明の構造体が積層され、その上に仕上層、必要により更にトップコート層が積層される。勿論、本発明の構造体の上下層の接着性を高めるために層間プライマー、例えば、公知の湿気硬化型ウレタンプライマー、エポキシ系プライマー等を使用しても良い。なお、駐車場の防水施工においては、コンクリート等の下地に中塗り材(本発明の下層構成材料)を塗布する前に予めウレタン系、エポキシ系等のプライマーを塗布することが好ましく、上塗り材(本発明の上層構成材料)を塗布する前に予め下層の上に上記と同様のプライマーを塗布しても良い。また、上塗り層にケイ砂等を散布又は、上塗り層にブレンドしてノンスリップ仕上げ等、仕上がり性の要求仕様によって多種類の仕様を組むことが出来る。更に、耐候性を向上する目的で上塗り層の上にアクリルウレタン系、フッ素系、アクリルシリコン系等のトップコートを塗布しても良い。
本発明の構造体は、下層(中塗り材)が施工性や耐水性に優れ、更に上塗り材との暴露後接着性に優れるため過酷な条件で使用されても層間剥離を生じにくい特徴がある。また、好ましい上塗り材としてポリフェニルメタンポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と天然油、その誘導体及び活性水素を有するビスフェノール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の活性水素成分を混合して硬化させ、塗膜硬度がタイプD硬度計で50以上のポリウレタン樹脂を用いることによって一層耐久性に優れた構造体を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]ウレタンプレポリマー(A−1)の合成
数平均分子量3,000のポリプロピレンエーテルジオール100質量部(0.033モル)、数平均分子量3,000のポリエチレンプロピレンジオール100質量部(0.033モル)、数平均分子量3,000のポリプロピレントリオール20質量部(0.0067モル)にトリレンジイソシアネート34.1質量部(0.196モル)を加え窒素気流下で80℃にて5時間フラスコ中で攪拌しながら反応させた後、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート5.2質量部(0.04モル)を加えて更に80℃で8時間反応させ、NCO%が3.23%のウレタンプレポリマー(A−1)を得た。
[合成例2]ウレタンプレポリマー(A−2)の合成
数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール100質量部(0.05モル)、数平均分子量3,000のポリエチレンプロピレンジオール100質量部(0.033モル)、数平均分子量3,000のポリプロピレントリオール30質量部(0.01モル)にトリレンジイソシアネート38質量部(0.218モル)を加え窒素気流下で80℃にて5時間フラスコ中で攪拌しながら反応させた後、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート4質量部(0.03モル)を加えて更に80℃で8時間反応させ、NCO%が3.25%のウレタンプレポリマー(A−2)を得た。
[合成例3]ウレタンプレポリマー(A−3)の合成
数平均分子量3,000のポリプロピレンエーテルジオール100質量部(0.033モル)、数平均分子量3,000のポリエチレンプロピレンジオール100質量部(0.033モル)、数平均分子量3,000のポリプロピレントリオール20質量部(0.0067モル)にトリレンジイソシアネート30質量部(0.172モル)を加え窒素気流下で80℃にて5時間フラスコ中で攪拌しながら反応させ、NCO%が3.24%のウレタンプレポリマー(A−3)を得た。
[合成例4]化合物(B−1)の合成
数平均分子量1,000、オキシエチレン鎖の含有量20%のポリエチレンプロピレンエーテルジオール100質量部(0.10モル)とトリレンジイソシアネート80質量部(0.46モル)を反応させNCO%=16.8%のウレタンプレポリマーを得た。次いで、ウレタンプレポリマー180質量部にキシレン40質量部を加えて撹拌しながら、2−イソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3−オキサゾリジン114.5質量部(0.72モル)を発熱に注意しながらゆっくりと滴下する。発熱が収まったのを確認した後、70℃にて8時間撹拌しながら反応させた後に蒸留して化合物(B−1)を得た。得られた化合物(B−1)をGPC測定した結果、残存している2−イソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3−オキサゾリジンの含有率は1%以下であることを確認した。
<中塗り材の作製>
密閉型プラネタリーミキサー中で120℃で5時間減圧乾燥し、水分を0・05%以下に調整した炭酸カルシウム(日東粉化製NS−200)150質量部、2エチルヘキシルフタレート40質量部、キシレン20質量部、酸触媒としてサリチル酸0.2質量部及びテレフタル酸とジオクチルフタレートを1:1の質量比で混合し、ロールミキサーを用いて均一に混練したペースト4質量部及び下表に示すウレタンプレポリマー(A)、化合物(B)をそれぞれ所定量加え均一に混合した後、60トールの減圧下で脱泡して湿気硬化型ウレタンコンパウンドを得た。
[試験方法]
(常態据え切り試験)
30×30cmのコンクリート舗装板の表面に予めプライマーとしてプライアデックT−120−35(DIC製)を200g/m塗布した後、後出の表1に示す中塗り材(下層)を2kg/m塗布し、室温で2日間養生して硬化させる。その後に表1に示す上塗り材(上層)を1.5kg/m塗布し、室温で7日間放置して上下層からなる構造体が積層された試験片を得る。この試験片につき据えきり試験機NKA−187(ニッケン株式会社製)にて設置圧100kg/cmの条件で、据えきり試験を実施し、上塗り層と下層の間で剥離等の異常が生じるまでの据えきり回数を測定した。尚、据えきり回数3,000回でも剥離等の異常が生じない場合は異常なしとした。
(暴露後据え切り試験)
常態試験片の作製において中塗り材(下層)を塗布、室温で2日間養生して硬化させた後、35℃×95%の雰囲気下に7日間養生する。その後、常態試験片と同様の方法で上塗り材を塗布、硬化させて試験片を得た後、常態据え切り試験を行う。
(中塗り材の硬化性)四方を枠で囲い離型紙を貼ったガラス板(30×30cm)上に厚さ1.5mmの割合で中塗り材を流し、25℃×50%の条件下で放置し、指で触り塗膜の動きが無くなるまでの時間を測定した。
(中塗り材の非発泡性試験)四方を枠で囲ったスレート板(30×30cm)上に厚さ2mmの割合で中塗り材を流し、50℃×90%の条件下で硬化させた後、塗膜表面のフクレ、ピンホールの有無を観察した。フクレ、ピンホールの無いものは○、フクレ、ピンホールが有るものは×とした。
Figure 0005263637
なお、表中の「活性水素モル数」とは、ウレタンプレポリマー(A)1モルに対して、化合物(B)が湿気で解離して発生する、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基の合計モル数を意味する。
「PF570/E570」:硬化塗膜の硬度タイプA 92(DIC株式会社製)
「HF3500」:硬化塗膜の硬度タイプD 75(DIC株式会社製)
本発明の構造体である実施例1及び2のものは、暴露後接着性に優れることが分かった。また、中塗り材(下層)の硬化性や非発泡性にも優れることが分かった。
一方、比較例1の下層(中塗り材)として(メタ)アクリロイル基を有さないウレタンプレポリマーを用いた場合は暴露後据え切り試験で下層と上層の間で剥離が発生した。

Claims (3)

  1. 少なくとも下層と上層とを有する構造体であって、前記下層がイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有するウレタンプレポリマー(A)と、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b1)とN−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られる、湿気で解離して、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選ばれる1種以上の活性水素を有する基を発生する化合物(B)とを含有する湿気硬化型ウレタン組成物を用いて得られるものであり、前記上層がJIS K 6253−3:2012による測定方法にてタイプA硬度70以上又はタイプD硬度50以上の樹脂(C)を用いて得られるものであることを特徴とする構造体。
  2. 前記ウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基1モルに対して、前記化合物(B)が湿気で解離して発生する活性水素を有する基の合計モル比が1〜2の範囲であることを特徴とする請求項1記載の構造体。
  3. 前記タイプD硬度50以上の樹脂が、ポリフェニルメタンポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分(c1)と天然油、その誘導体及び水酸基を有するビスフェノール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(c2)とを反応して得られるポリウレタン樹脂である請求項1又は2記載の構造体。
JP2012169616A 2012-07-31 2012-07-31 構造体 Active JP5263637B1 (ja)

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JP2002046244A (ja) * 2000-08-04 2002-02-12 Dainippon Ink & Chem Inc 湿気硬化性樹脂層を有する構造体

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