JP5262691B2 - 液晶表示装置用カラーフィルター基板およびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置用カラーフィルター基板およびこれを用いた液晶表示装置
に関する。
液晶ディスプレイは軽量、薄型、低消費電力等の特性を活かし、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、デスクトップモニタ等様々な用途で使用されており、既存の陰極線管(CRT)テレビ同等の色再現範囲を有する液晶ディスプレイが開発されてきている。色再現範囲とは、XYZ表色系色度図における赤、緑、青の各色度座標を結んでなる三角形のNTSC(National Television System Committee)規格に対する面積比で表される。
特に最近では、液晶ディスプレイには、従来のCRTテレビには表現できなかった真紅のバラの鮮やかな色や、南国の海の美しい緑色などを忠実に再現するため、NTSC比を100%に近づけることが強く要求されてきている。NTSC比100%の赤緑青各色のXYZ表色系色度図における色度座標(x、y)は、それぞれ赤色画素(0.670,0.330)、緑色画素(0.210,0.710)、青色画素(0.150,0.060)である。
現在広く普及している薄膜トランジスター(TFT)カラー液晶ディスプレイは、カラーフィルターが形成された透明ガラス基板とTFTが形成された透明ガラス基板の間に液晶を封入したパネルと、バックライトと称される光源から構成される。バックライトから発する光が液晶パネルを通る際、その透過率を液晶への印加電圧により制御することによって、画像が表示される。
表示品位の高い、すなわち明るく、色再現範囲の広い画像を得るために、カラーフィルターの各画素で用いられる顔料はバックライトの光線透過特性に合うよう選択され、また2種類以上の顔料を一定の割合で調色されて用いられることが多い。
特許文献1では、赤色画素用顔料として、グメントレッド254、ピグメントレッド177等を用い、緑色画素用顔料としてピグメントグリーン7、ピグメントイエロー150等を用い、青色画素用顔料としてピグメントブルー15:6、ピグメントバイオレット23等を用いることによって、色再現範囲NTSC比72〜88%で、ホワイトバランスに優れるカラーフィルターを提供している。しかしながら、この顔料系で色再現範囲をNTSC比100%まで拡大しようとすると、ホワイトバランスが急激に悪化するという問題がある。
また、特許文献2では、赤色画素用顔料としてピグメントレッド254、およびピグメントバイオレット23を用いることによって、色再現範囲NTSC比72%で、ホワイトバランスに優れるカラーフィルターを提供している。しかしながら、この顔料系でも色再現範囲をNTSC比100%まで拡大しようとすると、ホワイトバランスが急激に悪化するという問題がある。
一方、画素中に無彩色の色剤を含有させることで、ホワイトバランスを調整する方法がある(特許文献3)。特許文献3では、有機ELディスプレイ用カラーフィルターの緑色画素および赤色画素にカーボンブラック等を含有させることで、ホワイトバランスを調整している。しかしながら、この方法ではカラーフィルターの色再現範囲はNTSC比40%で低いという問題がある。さらに、カーボンブラックは、ナノ分散安定化することが困難なため、このカラーフィルターを液晶ディスプレイ用に使用するとコントラスト比が低下する恐れがある。
特開2008―96471号公報 特開2002―350627号公報 特開2005−331796号公報
本発明は、色再現範囲が広くホワイトバランスに優れるカラーフィルターを提供することを目的とする。また、高コントラスト比となるカラーフィルターを提供することを目的とする。さらに、視認性に優れる液晶表示装置を提供することを目的とする。
1.透明基板上に赤色画素、緑色画素、青色画素が形成された液晶表示装置用カラーフィルター基板において、赤色画素の顔料としてピグメントレッド177およびピグメントレッド254、緑色画素の顔料としてピグメントグリーン7およびピグメントイエロー150、青色画素の顔料としてピグメントブルー15:6およびピグメントバイオレット23を含有し、かつ、少なくとも一色の画素が該画素の補色顔料および/または黒色顔料を含有することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
2.赤色画素の補色顔料が、緑色顔料、青緑色顔料または青色顔料から選ばれる少なくとも一種の顔料であることを特徴とする1項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
3.赤色画素の補色顔料がピグメントブルー15:6であることを特徴とする2項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
4.青色画素の補色顔料が、赤色顔料または黄色顔料から選ばれる少なくとも一種の顔料であることを特徴とする1〜3項のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
5.青色画素の補色顔料が、ピグメントイエロー150であることを特徴とする4項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
6.黒色顔料が、カーボンブラックであることを特徴とする1〜5項のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
7.1〜6項のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板を用いた液晶表示装置。
本発明のカラーフィルターは、赤色画素の顔料としてピグメントレッド177およびピグメントレッド254、緑色画素の顔料としてピグメントグリーン7およびピグメントイエロー150、青色画素の顔料としてピグメントブルー15:6およびピグメントバイオレット23を含有するため色再現範囲をNTSC比100%まで拡大することができ、かつ、少なくとも一色の画素に前記顔料の補色顔料および/または黒色顔料を含有するためホワイトバランスに優れる。
さらに、本発明のカラーフィルターは、好ましくは、赤色画素に含有する補色顔料をピグメントブルー15:6とし、青色画素に含有する補色顔料をピグメントイエロー150とすることによって高コントラスト比とすることができる。
よって、本発明のカラーフィルターを用いてなる液晶ディスプレイは、視認性に優れる。
本発明のカラーフィルターは、赤色画素、緑色画素、青色画素を有し、赤色画素の顔料としてピグメントレッド177(PR177)およびピグメントレッド254(PR254)、緑色画素の顔料としてピグメントグリーン7(PG7)およびピグメントイエロー150(PY150)、青色画素の顔料としてピグメントブルー15:6(PB15:6)およびピグメントバイオレット23(PV23)を含有し、かつ、少なくとも一色の画素に前記顔料の補色顔料および/または黒色顔料を含有することが必要である。
本発明のカラーフィルターにおいて、赤色画素に含有するPR177とPR254の重量混合比は、通常PR177:PR254=10:90〜90:10、好ましくはPR177:PR254=30:70〜60:40である。重量混合比が10:90より小さいと赤領域の透過スペクトルがブロードになりカラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。一方、重量混合比が90:10より大きいと赤領域以外の透過率をカットしにくくなるため、カラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。また、重量混合比が30:70より小さいとカラーフィルターのコントラスト比が低くなる場合があり、60:40より小さいとカラーフィルターの輝度が低くなる場合がある。
緑色画素中に含有するPG7とPY150の重量混合比は、通常PG7:PY150=30:70〜90:10、好ましくはPG7:PY150=50:50〜70:30である。重量混合比が30:70より小さいと緑領域以外の透過率をカットしにくくなりカラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。一方、90:10より大きいと緑領域の透過スペクトルがブロードになるため、カラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。また、重量混合比が50:50より小さいとカラーフィルターのコントラスト比が低くなる場合があり、70:30より大きいとカラーフィルターの輝度が低くなる場合がある。
青色画素中に含有するPB15:6とPV23の重量混合比は、通常PB15:6:PV23=60:40〜95:5、好ましくはPB15:6:PV23=70:30〜90:10である。重量混合比が60:40より小さいと青領域以外の透過率をカットしにくくなりカラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。一方、重量混合比が95:5より大きいと青領域の透過スペクトルがブロードになるためカラーフィルターの色再現範囲が狭くなる。また、重量混合比が70:30より小さいとカラーフィルターのコントラスト比が低くなる場合があり、90:10より大きいとカラーフィルターの輝度が低くなる場合がある。
通常、上記の顔料系でカラーフィルターの色再現範囲を100%まで拡大しようすると、ホワイトの色度が大きく赤みにずれるため、各画素の顔料濃度調整や膜厚調整では好ましいホワイトバランスのカラーフィルターを得ることができない。これに対し本発明では、カラーフィルターの少なくとも一色の画素に前記顔料の補色顔料および/または黒色顔料を含有させことによって、色再現範囲をNTSC比100%まで拡大でき、かつホワイトバランスに優れるカラーフィルターを提供することができる。
通常、補色とは色相関図で正反対に位置する関係の色を表し、例えば、赤色の補色は青緑色、黄緑色の補色は紫色、青紫色の補色は黄色となる。
本発明のカラーフィルターの赤色画素は広義には赤色であるが、PR177、PR254等の顔料の組み合わせにより、厳密には色相関図の赤みの黄色、黄みの橙色、橙色、赤みの橙色、黄みの赤色、赤色、紫味の赤色、赤紫色、赤みの紫色に適宜調整される。このため、これらの色の補色となる顔料が補色顔料として用いられる。本発明で赤色画素に補色顔料を添加する場合、その補色顔料としては、好ましくは緑色顔料、青緑色顔料、青色顔料が用いられる。緑色顔料の例としてはPG7、PG36、PG58等が挙げられ、青緑色顔料としてはPB15:3、PB15:4等が挙げられ、青色顔料としてはPB15:6、PB60等が挙げられ、PB15:3、PB15:4、PB15:6がより好ましく、PB15:6がさらに好ましい。PB15:3、PB15:4、PB15:6を含有することによってカラーフィルターのホワイトバランスが良好となり、特にPB15:6を含有することによって、カラーフィルターのホワイトバランスが良好となり、かつ高コントラスト比となる。
赤色画素に補色顔料としてPB15:6を含有する場合、PR177とPR254の合計量と、PB15:6との重量混合比は、好ましくは(PR177+PR254):PB15:6=95:5〜99.9:0.1、より好ましくは98:2〜99.5:0.5である。重量混合比が98:2より小さいとカラーフィルターの輝度が好ましくないほど低下する場合があり、重量混合比が99.9:0.1より大きいとホワイトバランスが不良となる場合がある。
本発明のカラーフィルターの青色画素は広義には青色であるが、PB15:6、PV23等の顔料の組み合わせにより、厳密には色相関図の緑みの青色、青色、紫みの青色、青紫色、青みの紫色、紫色に適宜調整される。このため、これらの色の補色となる顔料が補色顔料として用いられる。本発明で青色画素に補色顔料を添加する場合、その補色顔料としては、好ましくは、赤色顔料、黄色顔料が用いられる。赤色顔料の例としてはPR177、PR254等が挙げられ、黄色顔料の例としてはPY138、PY139、PY150、PY185等が挙げられ、PY138、PY139、PY150、PY185がより好ましく、PY150が更に好ましい。PY138、PY139、PY150、PY185を使用することによってカラーフィルターのホワイトバランスが良好となり、特にPY150を使用することによって、カラーフィルターのホワイトバランスが良好となり、かつ高コントラスト比となる。
青色画素に補色顔料としてPY150を使用する場合、PB15:6とPV23を合わせた量と、PY150との重量混合比は、好ましくは(PB15:6+PV23):PY150=95:5〜99.9:0.1、より好ましくは98:2〜99.7:0.3である。重量混合比が98:2より小さいとカラーフィルターの輝度が好ましくないほど低下する場合があり、重量混合比が99.7:0.3より大きいとホワイトバランスが不良となる場合がある。
本発明のカラーフィルターの緑色画素は広義には緑色であるが、PG7、PY150等の顔料の組み合わせにより、厳密には色相関図の黄色、緑みの黄色、黄緑色、黄みの緑色、緑色、青みの緑色、青緑色に適宜調整される。このため、これらの色の補色となる顔料が補色顔料として用いられる。本発明で緑色画素に補色顔料を添加する場合、その補色顔料としては、好ましくは赤色顔料、紫顔料が用いられる。赤色顔料の例としてはPR122、PR209等が挙げられ、紫顔料の例としてはPV19、PV23、PV37等が挙げられる。
カラーフィルターの画素に補色顔料を添加すると輝度が低下する可能性があり、特に緑色画素の場合に輝度低下の影響が大きい。そのため、本発明のカラーフィルターは、ホワイトバランス調整のため少なくとも一色の画素に前記顔料の補色顔料および/または黒色顔料を含有することが必要であるが、赤色画素および/または青色画素に補色顔料を含有し、緑色画素には補色顔料を含有しないことが望まれる。
本発明で黒色顔料によりホワイトバランスを調整する場合、使用される黒色顔料の例としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄などが挙げられ、特に他の顔料と混ざりやすく均一な画素が得られ易いためカーボンブラックが好ましい。
赤色画素にカーボンブラックを含有する場合、PR177とPR254を合わせた量と、カーボンブラックとの重量混合比は、好ましくは(PR177+PR254):カーボンブラック=95:5〜99.9:0.1、より好ましくは98:2〜99.5:0.5である。重量混合比が98:2より小さいとカラーフィルターの輝度が好ましくないほど低下する場合があり、重量混合比が99.5:0.5より大きいとホワイトバランスが悪化する場合がある。
緑色画素にカーボンブラックを含有する場合、PG7とPY150を合わせた量と、カーボンブラックとの重量混合比は、好ましくは(PG7+PY150):カーボンブラック=98:2〜99.9:0.1、より好ましくは99:1〜99.7:0.3である。重量混合比が99:1より小さいとカラーフィルターの輝度が好ましくないほど低下する場合があり、重量混合比が99.7:0.3より大きいとホワイトバランスが悪化する場合がある。
青色画素にカーボンブラックを含有する場合、PB15:6とPV23を合わせた量と、カーボンブラックとの重量混合比は、好ましくは(PB15:6+PV23):カーボンブラック=99:5〜99.9:0.1、より好ましくは98:2〜99.7:0.3である。重量混合比が98:2より小さいとカラーフィルターの輝度が好ましくないほど低下する場合があり、重量混合比が99.9:0.1より大きいとホワイトバランスが悪化する場合がある。
カラーフィルターの画素に黒色顔料を添加すると輝度が低下する可能性があり、特に緑色画素の場合に輝度低下の影響が大きい。そのため、本発明のカラーフィルターは、赤色画素および/または青色画素に補色顔料を含有し、緑色画素には補色顔料を含有しないことが望まれる。
色再現範囲をNTSC100%よりもさらに拡大するために、本発明のカラーフィルターは、緑色画素に含有するPG7およびPY150に加えて、さらに緑色顔料、黄色顔料を添加することもできる。その顔料としては、好ましくはPG36、PG58、PY129、PY138、PY139、PY185であり、より好ましくはPG36、PG58、PY129であり、さらに好ましくはPY129である。PY129を使用することによって、カラーフィルターの色再現範囲拡大、およびコントラスト比向上が期待できる。
一般的にPG7は、塩素原子導入数が12〜16個の銅フタロシアニン分子の集合体とされている。本発明で用いるPG7の銅フタロシアニン1分子あたりの塩素原子の平均導入数は、好ましくは15.1〜16.0個、より好ましくは15.5〜16.0個であることが望まれる。銅フタロシアニン1分子あたりの塩素原子の平均導入数を15.5個以上とすることによってカラーフィルターの色再現範囲を向上させることができる。塩素原子の平均導入数が15.5〜16.0個であるPG7は、例えば銅フタロシアニン顔料を塩化ナトリウムおよび塩化アルミニウムとともに加熱し溶融させ、その溶融物に塩素ガスを投入することによって合成することができる。
本発明のカラーフィルターは、各画素に上記のような顔料を使用することが必要であるが、これらの顔料の平均一次粒径は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは5〜40nmであることが望まれる。顔料の平均一次粒径を5〜40nmにすることによって、カラーフィルターのコントラスト比を高くすることができる。例えばソルトミリングにより微細化することによって、顔料の平均一次粒径を1〜50nmにすることができる。ソルトミリングは、顔料、水溶性無機塩、および無機塩を溶解しない有機溶媒をニーダーやミックスマフラーなどの装置に投入し混練した後、この混合物を水中に投入し、このスラリーを濾過、水洗して無機塩を除去することにより行われる。顔料の平均一次粒子径は、例えば、顔料を溶媒中に分散させた後、透過型電子顕微鏡観察することによって算出することができる。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法を説明する。まず、上記のような顔料を溶媒や分散剤と共に分散機により分散し顔料分散液を作製した後、その顔料分散液に樹脂や種々の添加剤を加えることによって着色剤組成物を製造する。次に、この着色剤組成物を基板上に塗布後、露光、現像を行い、画素のパターンニングを行う。このパターンニング工程を赤、緑、青などの各色について順次行い、本発明のカラーフィルターが製造される。
通常、顔料は粉体状態であり、一次粒子が凝集した二次粒子の状態(二粒粒子径は、通常1〜50μm)であるため、溶媒、分散剤、および樹脂等を添加した後、分散機を用いて顔料粒子に剪断応力を印加し、一次粒子または小数の一次粒子の集合体の粒子に分散した顔料分散液とすることが望まれる。
溶媒中で顔料の粗大粒子に剪断応力を印加するための分散機としては、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミル、アトライターなどが用いられ、特に分散効率に優れるためビーズミルを用いることが好ましい。分散ビーズの例としては、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、ガラスビーズなどが挙げられ、効率よく微細化するためには、特にジルコニアビーズを使用することが好ましい。分散条件としては、ジルコニアビーズのビーズ径、分散機の周速などを適切に制御することで剪断応力を適当な大きさに調整でき、かつ、顔料の粗大粒子を効率よく微細化することができる。分散で用いるジルコニアビーズのビーズ径は、好ましくは0.01〜0.3mmφであることが望まれる。ビーズ径が0.3mmφより大きいと、顔料に印加される剪断応力が大きすぎるために、顔料分散液の分散安定性が低下しカラーフィルターのコントラスト比が低下する場合がある。一方、ジルコニアビーズの直径が0.01mmφより小さいと、顔料分散液中からジルコニアビーズを除去することが困難となる場合がある。
本発明で用いる顔料分散液には、高分子分散剤を添加することが好ましい。高分子分散剤の添加により、顔料分散液の分散安定性が良好となり、カラーフィルターのコントラスト比の向上が期待できる。高分子分散剤の添加は、本発明の顔料分散液、着色剤組成物がアクリル系樹脂であるときに特に有効である。使用できる高分子分散剤としては、塩基性基をその構造中に有するものが好ましく、市販品としては、例えば、“ソルスパース”(アビシア社製)、“EFKA”(エフカ社製)、”アジスパー”(味の素ファインテクノ社製)、“BYK”(ビックケミー社製)等を好ましく用いることができる。“ソルスパース”24000、“EFKA”4300、4330、4340、“アジスパー”PB821、PB822、“BYK”161〜163、2000、2001を用いた場合に分散安定化効果が高くなるため好ましい。本発明で用いられる高分子分散剤の添加量としては、特に限定されるわけではないが、好ましくは顔料100重量部に対して2〜100重量部であり、より好ましくは10〜50重量部である。高分子分散剤の添加量が2重量部より少ないと良好な顔料分散安定性が得られず、100重量部より多いと現像性が不良となる場合がある。
本発明で用いる顔料分散液には、顔料にスルホン酸基が導入された顔料誘導体を添加することもできる。スルホン酸基が導入された顔料誘導体は、顔料に分子間力により強く結合し、これによって顔料と高分子分散剤との吸着力を増大させるため、顔料分散液の分散安定性向上、ひいてはカラーフィルターのコントラスト比向上が期待できる。
本発明のカラーフィルターでは、ホワイトバランス調整のため、少なくとも一色の画素に補色顔料および/または黒色顔料を含有する必要があるが、黒色顔料よりも補色顔料のほうが顔料分散液を分散安定化し易く、カラーフィルターのコントラスト比が高くなる可能性が高いため、より好ましい。
本発明の着色剤組成物に用いられる樹脂としては、特に限定はなく、通常、カラーフィルターに使用している樹脂、すなわちアクリル系、エポキシ系、あるいはポリアミック酸等の樹脂を好ましく用いることができる。使用する樹脂によって、非感光性、あるいは感光性とすることができ、カラーフィルター製造プロセスに応じて適宜選択することができる。
以下、非感光性着色剤組成物に用いる樹脂の代表的な例としてポリアミック酸を、また感光性着色剤組成物に用いる樹脂の代表的な例としてアクリル系樹脂を用いた場合について説明する。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得ることができる。本発明におけるポリアミック酸の合成には、テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その具体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタターフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系のテトラカルボン酸二無水物を用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などが挙げられる。なお、本発明においては、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水物を1種または2種以上用いることができる。
また、本発明におけるポリアミック酸の合成には、ジアミンとして、たとえば、脂肪族系または脂環式系のジアミンを用いることができ、その具体的な例として、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、芳香族系のジアミンを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンなどが挙げられる。また、フッ素系のジアミンを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
また、ジアミンの一部として、シロキサンジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する傾向にある。シロキサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定されずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応させることにより行うのが一般的である。この時、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得られるポリアミック酸の重合度を調整することができる。
次に、感光性着色剤組成物に用いる樹脂の例として、アクリル系樹脂について述べる。アクリル系樹脂としては、感光性を持たせるため、少なくともアクリル系ポリマー、多官能モノマーあるいはオリゴマー、光重合開始剤を含有させることが一般的である。
使用できるアクリル系ポリマーとしては、特に限定はないが、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、あるいは酸無水物などがあげられる。
これらは単独で用いても良いが、他の共重合可能なエチレン性不飽和化合物と組み合わせて用いても良い。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を付加したアクリル系ポリマーを用いると、加工の際の感度がよくなるので好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。このような側鎖をアクリル共重合体に付加させる方法としては、アクリル共重合体のカルボキシル基や水酸基などを有する場合には、これらにグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸またはメタクリル酸クロライドを付加反応させる方法が一般的である。その他、イソシアネートを利用してエチレン性不飽和基を有する化合物を付加させることもできる。ここでいうグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸またはメタクリル酸クロライドとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどがあげられる。
使用できる多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独または混合して用いることができる。また、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの単官能モノマーも併用することができ、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。これらの多官能及び単官能モノマーやこれらモノマーからなるオリゴマーを選択、組み合わせることにより、ペーストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。特に、硬度を高くするにはアクリレート化合物よりメタクリレート化合物を用いることが好ましく、また、感度を上げるためには、官能基が3以上ある化合物を用いることが好ましい。また、メラミン類、グアナミン類なども好ましく用いることができる。
本発明の着色剤組成物におけるアクリル系ポリマーと多官能モノマーの混合比は重量比で、好ましくは70:30〜30:70の範囲にある。アクリル系ポリマーの含有量が30質量%より少ないと、現像液に対する溶解性が低下し、パターニング性能に問題が生じる場合があり、一方、アクリルポリマーの含有量が70重量%より多いと、感度が低くなるために必要露光量が大きくなりすぎてタクトオーバーになる場合がある。
光重合開始剤としては、特に限定はなく、公知のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などがあげられる。また、その他のアセトフェノン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、リン系化合物、トリアジン系化合物、あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤なども好ましく用いることができる。また、p−ジメチルアミノ安息香酸エステルなどの増感助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ好ましい。また、これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
本発明で使用する着色剤組成物において、顔料と樹脂との重量混合比は、好ましくは顔料:樹脂=15:85〜50:50、より好ましくは20:80〜45:55であることが望まれる。重量混合比が50:50より大きいと画素とガラス基板との接着性が低下する可能性が高く、重量混合比が45:55より大きいと画素のパターン加工性が不良となる場合がある。一方、重量混合比が15重量%より小さいと好ましい色相のカラーフィルターが得られにくく、重量混合比が20重量%より小さいとカラーフィルターの色再現範囲が狭くなる場合がある。本発明では、樹脂として非感光性のポリアミック酸を用いる場合は、ポリアミック酸を樹脂の合計量とし、感光性のアクリル系樹脂を用いる場合は、アクリルポリマー、アクリルモノマー、および高分子分散剤をあわせた量を樹脂の合計量とする。
本発明で用いられる溶剤としては、使用する樹脂を溶解するものを好ましく使用することができる。ポリアミック酸を溶解する溶剤としては、例えばN―メチル―2―ピロリドン、N,N―ジメチルアセトアミド、N,N―ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、β―プロピオラクトン、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、δ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、ε―カプロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。また、アクリル系樹脂の場合には、これらに加え、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールあるいはプロピレングリコール誘導体、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル―3―メトキシプロピオネート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテートなどの脂肪族エステル類、あるいは、エタノール、3―メチル―3―メトキシブタノールなどの脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類等が挙げられる。
本発明では、着色剤組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好にする目的で、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通常、顔料の0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%の範囲にある。添加量が少なすぎると塗布性、着色被膜の乾燥性の改良の効果が小さく、多すぎると逆に塗膜の信頼性が不良となる場合がある。界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤、ポリジメチルシロキサンなどを主骨格とするシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。本発明では、これらに限定されずに、界面活性剤を1種または2種以上用いることができる。界面活性剤以外にも、密着性改良剤、硬化促進剤などを添加することもできる。
本発明のカラーフィルターは、ブラックマトリクスを形成させた透明基板上に、赤色画素、緑色画素、青色画素を形成させてもよい。ブラックマトリクスは、樹脂中にカーボンブラック、あるいはチタンブラック等の遮光材を分散させた樹脂ブラックマトリクスを好ましく用いることが出来る。
画素を形成するための着色剤組成物を基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を溶液中に浸漬する方法、溶液を基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることができる。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム−ひ素などの半導体基板などが用いられるが、特にこれらに限定されない。
着色剤組成物を前記のような方法で透明基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、着色剤組成物の塗膜を形成する。加熱乾燥の場合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜180℃の範囲で1分〜3時間行うのが好ましい。次に着色剤組成物が非感光性の場合、塗膜上にフォトレジストを塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。感光性の場合フォトレジストは必要ないが、必要に応じて酸素遮断膜を形成しても良い。続いて該被膜上にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。ついでアルカリ現像液でカラーペースト塗膜のエッチングを行う。フォトレジスト被膜または酸素遮断膜がある場合には、これらの現像またはエッチングも同時に行い、続いてこれらを剥離液により除去する。
アルカリ現像液に用いられるアルカリ性物質としては特に限定はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類が挙げられる。現像条件、塗膜条件にもよるが、無機アルカリ類としては、水酸化カリウム、あるいは炭酸ナトリウムが好ましく、有機アルカリ類としては、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、アルコールアミン類といった水酸基含有有機アミン類が好ましく、より具体的にはジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、TMAHが特にエッチング膜への浸透性に優れるため、好ましい。また上記のアルカリ現像液にエタノール、γーブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒を適宜加えても良い。
得られた塗膜パターンはその後、加熱処理することによって画素がパターンニングされたカラーフィルターとなる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜350℃、好ましくは180〜300℃の温度のもとで、0.5〜5時間、連続的または段階的に行われる。この加熱工程により、ポリイミド前駆体はポリイミドに変換され、感光アクリル樹脂は硬化が進む。
上記のようなパターンニング工程を赤、緑、青などの各色について順次行うと、赤色画素、緑色画素、青色画素を有するカラーフィルターを作製することできる。なお、各色のパターンニング順序は限定されない。
本発明のカラーフィルターの画素膜厚は、通常0.5〜2.5μm、好ましくは0.8〜2.3μmであることが望まれる。膜厚が0.8μmより薄いと、カラーフィルターの色再現範囲が狭くなる可能性が高い。一方、膜厚が2.3μmより厚いと、カラーフィルターの平坦性低下、パターン加工性低下、信頼性低下等の恐れがある。
本発明のカラーフィルターの色再現範囲は、XYZ表色系色度図における赤色画素、緑色画素、青色画素の色度座標(x、y)を測定後、その色度座標(x、y)を結んでなる三角形のNTSC規格に対する面積比を算出することで評価することができる。本発明のカラーフィルターの色再現範囲は、通常NTSC比70%以上、好ましくはNTSC比80%以上、さらに好ましくはNTSC比90%以上であることが望まれる。赤色画素の顔料としてPR177およびPR254、緑色画素の顔料としてPG7およびPY150、青色画素の顔料としてPB15:6およびPV23を含有し、顔料と樹脂との重量混合比を15:85〜50:50とし、画素膜厚を0.8〜2.3μmとすることによって、カラーフィルターの色再現範囲をNTSC比90%以上にすることができる。
本発明のカラーフィルターのホワイトバランスは、XYZ表色系色度図におけるホワイトの色度座標(x、y)により評価することができる。本発明のカラーフィルターのホワイトの色度座標(x、y)は、通常x=0.290〜0.315、y=0.290〜0.315、好ましくは、x=0.300〜0.310、y=0.300〜0.310であることが望まれる。例えば、赤色画素の顔料としてPR177、PR254、およびPB15:6を使用し、緑色画素の顔料としてPG7およびPY150を使用し、青色画素の顔料としてPB15:6、PV23、およびPY150を使用することによって、ホワイトの色度座標(x、y)を、x=0.300〜0.310、y=0.300〜0.310とすることができる。
本発明のカラーフィルターのコントラスト比は、好ましくは5000以上、より好ましくは7000以上であることが望まれる。例えば、赤色画素の顔料としてPR177、PR254、およびPB15:6を使用し、緑色画素の顔料としてPG7およびPY150を使用し、青色画素の顔料としてPB15:6、PV23、PY150を使用し、かつ、これらの顔料の平均一次粒径を1〜50nmとすることによって、カラーフィルターのコントラスト比を7000以上とすることができる。
次に、このカラーフィルターを用いて作製した本発明の液晶表示装置について説明する。上記カラーフィルター上に、必要に応じて透明保護膜を形成し、さらにその上にITO膜などの透明電極を成膜する。次に、このカラーフィルター基板と、ITO膜などの透明電極が透明基板上に形成された透明電極基板とを、さらにそれらの基板上に設けられた液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜、およびセルギャップ保持のためのスペーサーを介して、対向させて貼りあわせる。なお、透明電極基板上には、透明電極以外に、薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(TFD)素子、および走査線、信号線などを設け、TFT液晶表示装置や、TFD液晶表示装置とすることができる。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後注入口を封止し、偏光板を基板の外側に貼りあわせた後、ICドライバー、バックライト光源等を実装することにより液晶表示装置を作製することができる。
本発明の液晶表示装置に用いられバックライト光源としては、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、発光ダイオード(LED)、平面蛍光ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In-Plane switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式等の液晶ディスプレイに適用できる。
本発明の液晶表示装置は、色再現範囲が広く、ホワイトバランスに優れるカラーフィルターを用いて形成されるため、視認性に優れる。
以下、好ましい実施態様を用いて本発明を更に詳しく説明するが、用いた実施態様によって本発明の効力はなんら制限されるものではない。
本発明のカラーフィルターの評価は以下の方法で行った。
<測定方法>
(カラーフィルターの色再現範囲)
大塚電子(株)製、顕微分光光度計“MCPD−2000”を用いて、カラーフィルターの赤色画素、緑色画素、青色画素の透過スペクトルを測定した。測定した画素の透過率スペクトルとLEDバックライト光源のスペクトルから赤色画素、緑色画素、青色画素のXYZを求め、赤色画素、緑色画素、青色画素の色度座標(x、y)を算出した。その色度座標を結んでなる三角形の面積をNTSC規格と比較し、カラーフィルターの色再現範囲を評価した。
(カラーフィルターのホワイトバランス)
上記と同様にして、赤色画素、緑色画素、青色画素のXYZを求め、ホワイトの色度座標(x、y)を算出し、カラーフィルターのホワイトバランスの評価を行った。
(カラーフィルターの画素の膜厚)
東京精密(株)製、表面段差計“サーフコム1400D”を用いて測定した。
(カラーフィルターのコントラスト比)
カラーフィルターを全測定面積に入るように偏光子と検光子の間に置き、偏光子と検光子が平行の時の光線透過率(I1)と、偏光子と検光子が直行したときの光線透過率(I2)の比(I1/I2)を測定することによりコントラスト比を算出した。偏光子と検光子には日東電工(株)製偏光フィルム“NPF−G1220DUN”を使用した。光源として熱陰極管を用いたバックライトユニットである明拓システム製“FL8A−EX/70”を使用し、色彩輝度計としてトプコン(株)製“BM−5A”を使用した。
参考例1
84gのPR177(平均一次粒径30nm)、56gのPR254(平均一次粒径40nm)、140gの味の素ファインテクノ製“アジスパー”PB821のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(30重量%)、93gのダイセル化学製“サイクロマー”ACA250(45重量%溶液)、および627gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをホモディスパーで攪拌してスラリーを作製した。このスラリーを入れたビーカーを循環式ビーズミル分散機(ウイリー・エ・バッコーフェン社製“ダイノーミル”KDL−A)とチューブでつなぎ、メディアとして直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、3時間の分散処理を行い、赤色顔料分散液を得た。得られた赤色顔料分散液52.6gに、5.7gの“サイクロマー”ACA250(45重量%溶液)、3.2gの日本化薬製多官能モノマー“カヤラッド”DPHA、0.5gのチバ・スペシャルティケミカルズ製光開始剤“イルガキュア”907、0.2gの日本化薬製増感剤“カヤキュア”DETX−S、および37.8gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加後、さらにbic chemie社製界面活性剤“BYK333”を固形分全体の2000ppmになるよう添加し、感光性赤色着色剤組成物1を得た。感光性赤色着色剤組成物1において、各顔料の重量混合比は、PR177:PR254=60:40であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例2
82.7gのPR177(平均一次粒径30nm)、55.2gのPR254(平均一次粒径40nm)、2.1gのカーボンブラック(平均一次粒径30nm)を使用したこと以外は、参考例1と同様にして感光性赤色着色剤組成物2を作製した。感光性赤色着色剤組成物2において、各顔料の重量混合比は、PR177:PR254:カーボンブラック=59.1:39.4:1.5であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例3
82.7gのPR177(平均一次粒径30nm)、55.2gのPR254(平均一次粒径40nm)、2.1gのPB15:6(平均一次粒径30nm)を使用したこと以外は、参考例1と同様にして感光性赤色着色剤組成物3を作製した。感光性赤色着色剤組成物3において、各顔料の重量混合比は、PR177:PR254:PB15:6=59.1:39.4:1.5であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例4
98gのPG7(平均一次粒径30nm)、42gのPY150(平均一次粒径30nm)、140gの味の素ファインテクノ製“アジスパー”PB821のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(30重量%)、93gのダイセル化学製“サイクロマー”ACA250(45重量%溶液)、および627gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをホモディスパーで攪拌してスラリーを作製した。このスラリーを入れたビーカーを循環式ビーズミル分散機(ウイリー・エ・バッコーフェン社製“ダイノーミル”KDL−A)とチューブでつなぎ、メディアとして直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、3時間の分散処理を行い、緑色顔料分散液を得た。
得られた緑色顔料分散液52.6gに、5.7gの“サイクロマー”ACA250(45重量%溶液)、3.2gの日本化薬製多官能モノマー“カヤラッド”DPHA、0.5gのチバ・スペシャルティケミカルズ製光開始剤”イルガキュア”907、0.2gの日本化薬製増感剤”カヤキュア”DETX−S、および37.8gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加後、さらにbic chemie社製界面活性剤“BYK333”を固形分全体の2000ppmになるよう添加し、感光性緑色着色剤組成物1を得た。感光性緑色着色剤組成物1において、各顔料の重量混合比は、PG7:PY150=70:30であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例5
97.4gのPG7(平均一次粒径30nm)、41.9gのPY150(平均一次粒径30nm)、0.7gのPV23(平均一次粒径40nm)を使用したこと以外は、参考例4と同様にして感光性緑色着色剤組成物2を作製した。感光性緑色着色剤組成物2において、各顔料の重量混合比は、PG7:PY150:PV23=69.6:29.9:0.5であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例6
112gのPB15:6(平均一次粒径30nm)、28gのPV23(平均一次粒径40nm)、140gの味の素ファインテクノ製“アジスパー”PB821のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(30重量%)、93gのダイセル化学製“サイクロマー”ACA250(45重量%溶液)、および627gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをホモディスパーで攪拌してスラリーを作製した。このスラリーを入れたビーカーを循環式ビーズミル分散機(ウイリー・エ・バッコーフェン社製“ダイノーミル”KDL−A)とチューブでつなぎ、メディアとして直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、3時間の分散処理を行い、青色顔料分散液を得た。
得られた青色顔料分散液52.6gに、5.7gのサイクロマーACA250(45重量%溶液)、3.2gの日本化薬製多官能モノマー“カヤラッド”DPHA、0.5gのチバ・スペシャルティケミカルズ製光開始剤“イルガキュア”907、0.2gの日本化薬製増感剤“カヤキュア”DETX−S、および37.8gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加後、さらにbic chemie社製界面活性剤“BYK333”を固形分全体の2000ppmになるよう添加し、感光性青色着色剤組成物1を得た。感光性青色着色剤組成物1において、各顔料の重量混合比は、PB15:6:PV23=80:20であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例7
111.4gのPB15:6(平均一次粒径30nm)、27.9gのPV23(平均一次粒径40nm)、0.7gのカーボンブラック(平均一次粒径30nm)を使用したこと以外は、参考例6と同様にして感光性青色着色剤組成物2を作製した。感光性青色着色剤組成物2において、各顔料の重量混合比は、PB15:6:PV23:カーボンブラック=79.6:19.9:0.5であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
参考例8
111.4gのPB15:6(平均一次粒径30nm)、27.9gのPV23(平均一次粒径40nm)、0.7gのPY150(平均一次粒径30nm)を使用したこと以外は、参考例6と同様にして感光性青色着色剤組成物3を作製した。感光性青色着色剤組成物3において、各顔料の重量混合比は、PB15:6:PV23:PY150=79.6:19.9:0.5であり、顔料と樹脂との重量混合比は、顔料:樹脂=42:58であった。
実施例1
透明基板上に参考例2で得られた感光性赤色着色剤組成物2をスピナーにより塗布した後、熱風オーブン中90℃で10分加熱処理することにより、赤色着色膜を得た。次にネガマスクを介し所定領域を露光し、0.04%水酸化カリウム水溶液に、非イオン界面活性剤として“エマルゲン”A−60(HLB12.8、ポリオキシエチレン誘導体))(花王(株)製)を現像液総量に対して0.1質量%添加したアルカリ現像液で90秒間揺動しながら浸漬を行い現像し、続いて純水洗浄することにより、パターンニング基板を得た。得られたパターンニング基板を熱風オーブン中で220℃で30分保持することにより、アクリル系樹脂の硬化を行い、赤色画素を作製した。つぎに、参考例4で得られた感光性緑色着色剤組成物1、および参考例6で得られた感光性青色着色剤組成物1を用いて、赤色画素と同様の手順で緑色画素および青色画素のパターンニングし、カラーフィルターを作製した。なお、カラーフィルターの赤色画素、緑色画素、青色画素の硬化後膜厚が2.2μmなるように、着色剤組成物のスピナー回転数を調整した。
実施例2
参考例2で得られた感光性赤色着色剤組成物2を用いて赤色画素を作製し、参考例4で得られた感光性緑色着色剤組成物1を用いて緑色画素を作製し、参考例7で得られた感光性青色着色剤組成物2を用いて青色画素を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例3
参考例3で得られた感光性赤色着色剤組成物3を用いて赤色画素を作製し、参考例4で得られた感光性緑色着色剤組成物1を用いて緑色画素を作製し、参考例6で得られた感光性青色着色剤組成物1を用いて青色画素を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例4
参考例3で得られた感光性赤色着色剤組成物3を用いて赤色画素を作製し、参考例4で得られた感光性緑色着色剤組成物1を用いて緑色画素を作製し、参考例8で得られた感光性青色着色剤組成物3を用いて青色画素を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例5
参考例3で得られた感光性赤色着色剤組成物3を用いて赤色画素を作製し、参考例5で得られた感光性緑色着色剤組成物2を用いて緑色画素を作製し、参考例6で得られた感光性青色着色剤組成物1を用いて青色画素を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
比較例1
参考例1で得られた感光性赤色着色剤組成物1を用いて赤色画素を作製し、参考例4で得られた感光性緑色着色剤組成物1を用いて緑色画素を作製し、参考例6で得られた感光性青色着色剤組成物1を用いて青色画素を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製した。
実施例1〜5、比較例1で得られたカラーフィルターの赤色画素、緑色画素、青色画素の各顔料の重量混合比を表1に示す。
Figure 0005262691
実施例1〜5、比較例1で得られたカラーフィルターのホワイトバランス、色再現範囲、およびコントラスト比の評価結果を表2に示す。
表2に示したとおり、実施例1は、赤色画素に黒色顔料としてカーボンブラックを含有するためカラーフィルターの色再現範囲が広く、ホワイトバランスが良好であった。実施例2は、赤色画素および青色画素にカーボンブラックを含有するため、カラーフィルターの色再現範囲が広く、ホワイトバランスが特に良好であった。実施例3は、赤色画素に補色顔料としてPB15:6を含有するためカラーフィルターの色再現範囲が広く、コントラスト比が高く、ホワイトバランスが良好であった。実施例4は、赤色画素に補色顔料としてPB15:6を含有し、青色画素に補色顔料としてPY150を含有するためカラーフィルターの色再現範囲が広く、コントラスト比が高く、ホワイトバランスが特に良好であった。実施例5は、赤色画素に補色顔料としてPB15:6を含有し、緑色画素に補色顔料としてPV23を含有するため、ホワイト色度が青みにずれたものの、ホワイトバランスは許容範囲内であった。
一方、比較例1は、いずれの画素も黒色顔料、補色顔料のいずれも含有しないためホワイト色度が赤みにずれ、ホワイトバランスが不良であった。
Figure 0005262691
実施例6
実施例1で作製したカラーフィルター上に、透明電極として膜厚140nmのITO膜を成膜後、ポリイミド系の配向膜を設けラビング処理を施した。一方、TFT素子、走査線、信号線、透明電極、配向膜等からなる液晶表示素子用基板を作製した。この2枚の基板の額縁部にシール剤を塗布し貼り合わせた。次にシール部に設けられた注入口から液晶を注入した後注入口を封止し、ICドライバー、LEDバックライトを実装することにより液晶表示装置を作製した。
実施例7
実施例2で得られたカラーフィルターを使用したこと以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を作製した。
実施例8
実施例3で得られたカラーフィルターを使用したこと以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を作製した。
実施例9
実施例4で得られたカラーフィルターを使用したこと以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を作製した。
実施例10
実施例5で得られたカラーフィルターを使用したこと以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を作製した。
比較例2
比較例1で得られたカラーフィルターを使用したこと以外は、実施例6と同様にして液晶表示装置を作製した。
実施例6〜10、比較例2で作製した液晶表示装置について画質を比較したところ、実施例6〜10の液晶表示装置は、白表示が良好で、視認性が優れていたのに対し、比較例2の液晶表示装置は、白表示が赤みにずれ不良で、視認性が劣っていた。さらに、実施例9の液晶表示装置は、白表示が自然な白であり、黒表示に奥行きがあり、視認性が最も良好であった。

Claims (5)

  1. 透明基板上に赤色画素、緑色画素、青色画素が形成された液晶表示装置用カラーフィルター基板において、赤色画素の顔料としてピグメントレッド177およびピグメントレッド254、緑色画素の顔料としてピグメントグリーン7およびピグメントイエロー150、青色画素の顔料としてピグメントブルー15:6およびピグメントバイオレット23を含有し、かつ、赤色画素が、緑色顔料、青緑色顔料または青色顔料から選ばれる少なくとも一種の補色顔料を含有することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
  2. 前記補色顔料がピグメントブルー15:6であることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
  3. 透明基板上に赤色画素、緑色画素、青色画素が形成された液晶表示装置用カラーフィルター基板において、赤色画素の顔料としてピグメントレッド177およびピグメントレッド254、緑色画素の顔料としてピグメントグリーン7およびピグメントイエロー150、青色画素の顔料としてピグメントブルー15:6およびピグメントバイオレット23を含有し、かつ、青色画素が、赤色顔料または黄色顔料から選ばれる少なくとも一種の補色顔料を含有することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター基板。
  4. 前記補色顔料が、ピグメントイエロー150であることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板を用いた液晶表示装置。
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