JP5261986B2 - 水素ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
従って、本発明は、例えば水素ガスをエネルギー源とした燃料電池内部の金属製のパイプ、タンク、コネクタ類の配管部品の金属脆性を防止するために十分な水素バリア性能を持つ、水素ガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
)で、厚みが5nmから200nmであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水素ガスバリアフィルムである。
図1は本発明にかかる水素ガスバリアフィルム10の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、高分子フィルム1の表面に、無機蒸着層2、有機無機ハイブリッドバリア層3が、順次積層されている。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように連続状長尺フィルムとすることが望ましい。
上記コーティング剤組成物は、一液硬化型、あるいは、二液硬化型のいずれのものでも使用することができる。
またシランカップリング剤のアルコキシ基がクロロ基、アセトキシ基等になっていても何ら問題はなく、これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
特にアルミニウム、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、マグネシウム酸化物が加工適性の点から最も好ましい。
M(OR1)n … 式1
(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R1:CH3,C2H5等のアルキル基)
で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
(R2Si(OR3)3)n … 式2
(但し、R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3、R2は有機官能基)
で表されるシランカップリング剤、またはその加水分解物のうち少なくとも1つを混合した溶液を蒸着薄膜層にコーティングし、加熱乾燥し形成したものが好ましい。
高分子フィルム上に、電子銃加熱方式の真空蒸着法で、以下の蒸着膜を製膜し、無機蒸着層を形成した。
(A膜):金属アルミニウムを蒸発し、高分子フィルム上に40nmの厚みのアルミニウム蒸着膜を形成した。
(B膜):金属アルミニウムを蒸発し、マイクロ波でプラズマ化された酸素ガスとアルミニウム蒸気を反応させ、高分子フィルム上に15nmの酸化アルミニウム膜を形成した。
(C膜):ヘキサメチルジシロキサンガスと酸素ガスの混合ガスを使用し、CVD法により高分子フィルム上にケイ素酸化物膜を形成した。
(A液):テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4、以下TEOSと称す)17.9gと、水/メタノール(=1/1)5gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液
(B液):ポリビニルアルコールの5%(重量比)、水/メタノール(=95/5重量比)溶液
(C液):β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間撹拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液
(D液):1,3,5−トリス(3−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレートを、水/IPA=1/1溶液で、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に希釈、調整した溶液
(E):炭酸ナトリウム
(F):酢酸ナトリウム
No.1 …A/B =60/40
No.2 …A/B/E =60/40/0.1
No.3 …A/B/E =60/40/1.0
No.4 …A/B/E =60/40/5
No.5 …A/B/C =70/20/10
No.6 …A/B/C/E=70/20/10/0.1
No.7 …A/B/C/E=70/20/10/1.0
No.8 …A/B/C/E=70/20/10/5
No.9 …A/B/D =70/20/10
No.10…A/B/D/F=70/20/10/0.1
No.11…A/B/D/F=70/20/10/1.0
No.12…A/B/D/F=70/20/10/5
アルバックファイ(株)社製 XPS−1600Rを使用し、X線源MgKα、X線出力400Wでナトリウムのアトミックパーセントとナトリウム1s起動の結合エネルギーを測定した。測定分解能は0.05eV、測定面積は0.8mm2で測定した。
また、エッチングはアルゴンイオンエッチングで、加速電圧1.0kVで行い、深さ方向のナトリウムのアトミックパーセントを測定した。
JIS K−7126第1部、GC法、GTRテック社製、23℃−DRY条件で測定した。
高分子フィルム1(基材)として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、無機蒸着層2として、前述した酸化アルミニウム蒸着膜(B膜)を、厚さ15nmに形成した。さらにその上に有機無機ハイブリッドバリア層3として、上記コーティング剤No.2をグラビアコーターで塗布し、乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μmのコーティング膜を形成して、本発明の水素ガスバリアフィルム10を得た。
得られた水素ガスバリアフィルム10の有機無機ハイブリッドバリア層3をXPS分析したところ、ナトリウムのアトミックパーセントが0.5%であった。
また、ナトリウム1s軌道の結合エネルギーは1072(eV)であった。
また、このフィルムの水素ガス透過度を測定した結果、0.6(ml/m2/day/atm)であった。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.3を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.4を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.6を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.7を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.8を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.10を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.11を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.12を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドバリア層を形成した後に、得られたフィルムを120℃、60分間オーブンに入れて、追加熱処理した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドバリア層を形成した後に、得られたフィルムを120℃、60分間オーブンに入れて、追加熱処理した以外は、実施例3と同様に実施した。
無機蒸着膜として金属アルミニウム膜(A膜)とした以外は、実施例1と同様に実施した。
無機蒸着膜としてCVD法ケイ素酸化物膜(C膜)とした以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.1を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.5を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドコーティング剤としてNo.9を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
有機無機ハイブリッドバリア層を形成した後に、得られたフィルムを120℃、60分間オーブンに入れて、追加熱処理した以外は、比較例1と同様に実施した。
2…無機蒸着層
3…有機無機ハイブリッドバリア層
4…アンカーコート層
10…水素ガスバリアフィルム
Claims (5)
- 高分子フィルムの少なくとも片面に形成された無機蒸着層と、前記無機蒸着層上に有機無機ハイブリッドバリア層を順次積層し、前記有機無機ハイブリッドバリア層の表面がX線光電子分光法(以降XPS分析)で、少なくとも炭素(C)、酸素(O)、シリカ(Si)の各元素がそれぞれ5パーセント以上存在し、さらにナトリウム(Na)元素のアトミックパーセントが0.1%〜10.0%の範囲で確認され、有機無機ハイブリッドバリア層の表面から深さ方向に向かって、XPS分析でナトリウムのアトミックパーセントが徐々に減少していて、水素ガス透過度が0.6ml/m 2 /day/atm以下であることを特徴とする水素ガスバリアフィルム。
- 有機無機ハイブリッドバリア層のXPS分析で得られるナトリウム(Na)1s軌道の結合エネルギーが1071(eV)から1073(eV)の間にピークを持っていることを特徴とする、請求項1に記載の水素ガスバリアフィルム。
- 無機蒸着層が、アルミニウム、銅、鉄のいずれかから選ばれる金属の蒸着膜で、厚みが5nmから100nmであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水素ガスバリアフィルム。
- 無機蒸着層が、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、銅酸化物、鉄酸化物、マグネシウム酸化物のいずれかから選ばれる金属酸化物の蒸着膜で、厚みが5nmから200nmであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水素ガスバリアフィルム。
- 無機蒸着層が、ケイ素酸化物の化学蒸着膜(CVD)で、厚みが5nmから200nmであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水素ガスバリアフィルム。
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