JP5248759B2 - 粒子線分析装置 - Google Patents

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本発明は、走査電子顕微鏡(SEM=Scanning Electron Microscope)や電子線マイクロアナライザなど、電子線、イオンビーム、中性子線等の粒子線を試料に照射して試料の分析や観察を行う粒子線分析装置に関する。
走査電子顕微鏡や電子線マイクロアナライザでは、微小径に集束させた電子線を試料に照射し、試料上の所定の測定範囲内でその電子線の照射位置を一次元的又は二次元的に走査する。そして、電子線の照射位置から発生した二次電子や反射電子等を検出し、その検出信号に基づいて上記測定範囲における試料表面の拡大画像を作成してモニタの画面上に表示する。また、電子線の照射位置からはそこに含まれる元素に特有のエネルギーを有する特性X線(固有X線ともいう)やカソードルミネセンス(以下CLと略す)が放出されるため、前述のように電子線の照射位置を走査しながら特性X線やCLを検出してそれらのエネルギー(波長)や強度を調べることにより、測定範囲内に含まれる元素のマッピングを行うことができる。
一般に上記のようなマッピング分析を行う場合には、試料に含まれる元素の種類を予め調べ又は予測しておき、それら複数の含有元素の特性X線のエネルギーに着目してX線強度を測定して各含有元素毎のマッピング像を作成する。こうした目的のためには、X線検出器として、分光結晶とスリットとを組み合わせたX線分光器を利用した波長分散型のX線検出器が用いられることが多い。
一方、試料に含まれる元素が不明であってその元素の種類を調べたい場合や、多種類の元素について迅速に定量分析を行いたいような場合には、X線検出器として、リチウムドリフト型Si半導体検出器などのエネルギー分散型X線検出器が利用される。エネルギー分散型X線検出器では幅広いエネルギーの情報が同時に得られるため、短時間でX線スペクトルを取得することができる。
従来の電子線マイクロアナライザなどでは、上述したような所定の測定範囲内のマッピング分析と同測定範囲の二次電子画像(又は反射電子画像)の取得とは同時に行われている(例えば特許文献1など参照)。これは、マッピング画像は測定範囲内の或る元素の分布状態を示すものであり、試料表面の凹凸や形状などと含有元素との対応関係を調べることが重要であるからである。
これに対し、X線スペクトル分析の場合にはマッピング分析とは異なり、測定範囲内の試料表面の形状との対応関係はあまり重要でないことが多い。また、X線スペクトル分析では、測定範囲内全体に含まれる元素のおおよその種類を迅速に知りたいことが多いために、測定範囲内全体に亘る比較的高速の走査を何回も繰り返し、それによって得られるX線パルスの計数値をエネルギー毎に積算してゆくことで時間経過に伴いX線スペクトル分析の感度を上げるようにしているのに対し、二次電子画像の取得時には走査速度を比較的遅くし、1つの微小位置から得られる二次電子の数をできるだけ多くすることで画像の精細度を上げるようにしている。そのため、X線スペクトル分析は二次電子画像の取得とは別の手順で行われている。
しかしながら、例えば試料の表面に原因不明の微小物質の付着等があってその成分を調べたいような場合には、その部分の拡大画像の取得とX線スペクトル分析との両方を行う必要がある。こうした場合に、従来の装置では、それぞれ別の手順で所望の測定範囲の拡大画像の取得と同じ測定範囲のX線スペクトル分析とを実行する必要があるため、測定時間が余計に掛かるとともに分析条件の設定作業などが面倒である。また、いずれの測定を先に行うにしても、後から行う測定では先の測定で照射された電子線による試料表面の損傷の影響があって正確な測定に支障をきたすおそれがある。
特開2002−48740号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、同一の粒子線照射に対して所定の測定範囲の試料表面の拡大画像の取得とスペクトルの取得とを同時に行うことができる粒子線分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る粒子線分析装置は、
a)試料に粒子線を照射する粒子線照射手段と、
b)前記試料上で粒子線の照射位置が一次元又は二次元的に移動するように試料又は粒子線の一方又は両方を走査する走査手段と、
c)前記粒子線の照射に応じて前記試料から発生する該試料を特徴付ける情報信号を検出する信号検出手段と、
d)前記走査手段による粒子線の走査中に、該走査の進行に伴って前記信号検出手段により信号が得られるに従い、その走査が終了した範囲の試料表面の拡大画像を作成する画像データ処理手段と、
e)前記粒子線の照射に応じて前記試料から放出される特性X線又はカソードルミネセンスを検出する分光手段と、
f)前記走査手段による粒子線の走査中に、該走査の進行に伴って前記分光手段により信号が得られるに従いX線又はカソードルミネセンスのエネルギー毎に強度を積算し、その走査が終了した範囲に含まれる元素についてのX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルが順次更新されるように該スペクトルを作成するスペクトルデータ処理手段と、
g)前記走査手段による所定の測定範囲内の走査の開始/終了に応じて、前記画像データ処理手段による試料表面の拡大画像作成動作と前記スペクトルデータ処理手段によるX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルの作成動作とを同時に並行して実行するようにそれら各手段を制御する制御手段と、
h)該制御手段による制御の下に実施される所定の測定範囲に対する粒子線の走査中に、前記画像データ処理手段において該測定範囲内でその時点までに得られた試料表面の拡大画像と、前記スペクトルデータ処理手段によりその時点において作成された最新のX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルとを、該走査の途中の任意の時点において、リアルタイムで表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴としている。
上記粒子線とは、電子線、イオンビーム等の荷電粒子線や中性子線などである。また、上記試料を特徴付ける情報信号とは、一般に試料の表面形状や試料表面付近の組成などを反映した表面画像を再現可能な情報信号であり、典型的には二次電子、反射電子、低真空二次電子等の荷電粒子による信号である。この情報信号が二次電子、反射電子、又は低真空二次電子によるものである場合、上記信号検出手段はそれぞれ、二次電子検出器、反射電子検出器、低真空二次電子検出器(低真空下で電場をかけて雰囲気ガス分子を雪崩放電させることで増幅させた電子やイオンの吸収電流を検出する手法で、検出対象は電子に限らない)とする。また、分光手段は、例えばエネルギー分散型X線検出器、波長分散型X線検出器、CL法による分光を行う検出器などとすることができるが、幅広いエネルギー(範囲)を同時に検出できることからエネルギー分散型X線検出器が好ましい。
また、走査手段は、粒子線照射手段の位置を移動させたり粒子線自体を偏向させたりして粒子線を走査するものでもよいし、試料が載置されたステージを移動させる等の試料を走査するものでもよく、両者を組み合わせたものでもよいが、一般的には走査範囲が狭い場合には粒子線の偏向による走査を行い、走査範囲が或る程度以上広い場合には試料の移動による走査を行うとよい。
本発明に係る粒子線分析装置では、試料上で一次元又は二次元の測定範囲が設定され、例えば走査速度などの分析条件が設定された上で、分析開始の指令が与えられると、制御手段は所定のルートで粒子線の照射位置が移動するように試料と粒子線照射位置との相対位置関係の走査を開始し、それと同時に画像データ処理手段とスペクトルデータ処理手段の動作も開始させる。一般的には所定の測定範囲を比較的低速で1回のみ走査を行うが、複数回の繰り返し走査も可能である。画像データ処理手段は信号検出手段から検出信号が得られるに従って、その信号強度に基づいて測定範囲内の各微小部位の表面像を作成する。一方、スペクトルデータ処理手段は分光手段から検出信号が得られるに従って、X線やCLのエネルギー毎に強度を積算してX線又はCLのスペクトルのカーブを変化させる。そして、所定の測定範囲の走査が終了したならば、制御手段は試料表面画像の作成とスペクトルの作成の両方をともに終了させる。これにより、同一の粒子線の照射条件及び走査条件の下で、同時に測定範囲内の試料表面拡大画像と該測定範囲に対するX線又はCLスペクトルとを得ることができる。
特に本発明に係る粒子線分析装置では、前述のような走査手段による所定の測定範囲内の走査の過程で、それまでに得られた試料表面の拡大画像とX線又はCLスペクトルとをリアルタイムで表示するようにしている。これによれば、確実に測定が実行されていることをユーザーが確認でき、また測定が終了しなくても必要な情報が得られた時点で或いは適切な測定でないことが判明した時点で測定を中止させて、無駄な時間を掛ける必要もな
また好ましくは、試料表面の拡大画像とそれに対応するX線又はCLスペクトルとを同一ウインドウ内に表示させる表示制御手段をさらに備える構成とし、同一の測定範囲における試料表面の拡大画像とX線又はCLスペクトルとを面倒な切替え操作無しに見ることができるようにするとよい。
以上のように本発明に係る粒子線分析装置によれば、試料上の所定の測定範囲の表面拡大画像の取得と該測定範囲全体に含まれる元素を反映したスペクトルとを同時に、つまりは同一の粒子線照射条件で同一の走査条件の下で取得することができる。これにより、別の手順で2回の測定を実行する場合に比べてユーザーの操作上の負担が軽減され、測定時間も短くて済むので測定効率が向上する。また、一方の測定が他方の測定における粒子線照射による試料表面の損傷等の影響を受けずに済むので、従来よりも測定結果の正確性、信頼性が向上する。
以下、本発明の一実施例である電子線マイクロアナライザについて図面を参照して説明する。図1は本実施例による電子線マイクロアナライザの要部の概略構成図である。
加速源19により駆動される電子銃1から放出された電子線Eは偏向コイル2を介し、対物レンズ3によって集束されて試料ステージ4上に載置された試料5の表面に照射される。試料ステージ4は試料ステージ制御部7の制御により駆動される、モータ等を含むステージ駆動機構6によりX軸方向、Y軸方向に移動可能となっており、これにより試料5上での電子線Eの照射位置が移動する。電子線Eの照射により試料5から放出された特性X線はエネルギー分散型のX線検出器9に入力され、X線検出器9は入射したX線のエネルギー(つまりは波長)に比例した波高値を有するパルス信号を発生する。このパルス信号は増幅器11で増幅され、A/D変換器12でデジタルデータに変換されてX線データ処理部13に入力される。X線データ処理部13では、パルス高さ毎に弁別されてカウントされたX線パルスの数がヒストグラムメモリ14に記憶される。そして、ヒストグラムメモリ14に記憶されたデータに基づいて、横軸をX線エネルギー、縦軸をX線カウント数(又はX線強度)としたX線スペクトルが作成される。
一方、電子線Eの照射により試料5からは二次電子や反射電子も放出され、例えばシンチレータと光電子増倍管とから成る電子検出器15により検出される。電子検出器15による検出信号はA/D変換器17によりデジタルデータに変換され、画像データ処理部18に入力される。画像データ処理部18では電子線Eの照射位置の走査に応じた範囲の試料表面の二次電子画像(又は反射電子画像)が作成される。
増幅器11、A/D変換器12、X線データ処理部13を含むX線分析部10の動作はX線分析制御部20により制御され、A/D変換器17、画像データ処理部18を含む撮像部16は撮像制御部21により制御される。後述するように、電子線Eの照射位置の走査に応じてX線分析部10の動作と撮像部16の動作とを同期して行うために同期制御部22を備え、さらに操作部24により受けた操作や表示部25の表示画面上に所定の表示を行うために中央制御/処理部23を備える。この中央制御/処理部23、X線分析制御部20、撮像制御部21、同期制御部22などのほか、X線データ処理部13、画像データ処理部18の機能の多くは、1乃至複数のパーソナルコンピュータにインストールされた専用の制御/処理ソフトウエアを実行することで実現される。
なお、煩雑になるために図1では記載を省略しているが、試料5の全体像を目視で観察できるように、試料5を撮像するCCDカメラ等の撮像回路、又は試料5の表面像を覗き込むためのレンズ光学系が付設されている。
次に本装置で特徴的な、二次電子画像とX線スペクトルの同時取得時(以下、同時動作モードと呼ぶ)の動作を説明する。ユーザーは図示しないCCDカメラ等で撮影される、図2に示すような試料5全体の観察像30の中で測定対象としたい測定範囲31を操作部24から指定する。図2では測定範囲31は二次元であるが、一次元範囲でもよい。また、測定範囲31矩形状でなく任意の形状にすることができる。また、分析条件として走査速度(或いは全体の走査時間)、電子線のエネルギー強度などの電子線照射条件など、を操作部24から設定する。測定範囲31内の繰り返し走査回数を設定できるようにしてもよいが、一般に、同時動作モードの場合には測定範囲31を1回のみ低速で走査するワンフレームスロースキャンに限定しておくとよい。したがって、ここではワンフレームスロースキャンであるものとする。
上記のような分析条件を設定した上でユーザーが測定開始を指示すると、中央制御/処理部23は同期制御部22に測定開始指令を送り、同期制御部22は試料ステージ制御部7と加速源19に所定の制御信号を送る。これにより、試料5上の上記測定範囲31内の走査開始点32に電子線Eが当たるように試料ステージ4が移動され、電子銃1から所定のエネルギーの電子線Eが出射され、電子線Eの照射位置の走査が開始される。即ち、ステージ駆動機構6による二次元的な試料ステージ4の移動により、電子線Eの照射位置は図2中に矢印で示すように走査される。但し、この走査の順序はこれに限定されるものでなく、予め決められたアルゴリズムに従って任意の順序に走査するものとすることができる。なお、ここでは試料ステージ4のX軸、Y軸の2軸方向の移動により走査が達成されるようにしているが、偏向コイル2に印加する電圧を変化させることで電子線Eを曲げ、それによって電子線Eの照射位置を走査するようにしてもよい。
同期制御部22は上記のような電子線Eの照射位置の走査開始とともに、X線分析制御部20を介してX線分析部10の動作を開始させ、撮像制御部21を介して撮像部16の動作を開始させる。つまり、同期制御部22は走査の開始とX線分析部10の動作の開始と撮像部16の動作の開始とを同期させる。これにより、X線分析部10においては、X線検出器9に入射したX線フォトンが持つエネルギーに対応したデータがヒストグラムメモリ14に格納され始める。図2に示したように測定範囲31内で走査が進むに従い、ヒストグラムメモリ14におけるX線カウント値は全体的に増加するから、これに基づいて作成されるX線スペクトルは、図3(a)に示すように、初めは横軸に一致する水平な線から徐々に全体が上方向に盛り上がってゆくように変化する。
一方、撮像部16においては、測定範囲31内での走査に伴って各微小部位で順次二次電子強度が得られるから、画像データ処理部18で作成される二次電子画像は図3(b)に示すように、走査の順に次第に画像が現れるものとなる。X線データ処理部13は上述のように順次更新されるX線スペクトルを中央制御/処理部23に送り、画像データ処理部18は順次更新される二次電子画像を中央制御/処理部23に送る。同時動作モードでは、中央制御/処理部23は図4に示すように同一のウインドウ40内にX線スペクトル41と二次電子画像42とを配置する表示画面を作成し、これを表示部25の画面上に表示する。測定範囲31内で走査が進んでX線スペクトル41や二次電子画像42が更新されると、ウインドウ40内の表示も更新されるから、ユーザーはほぼリアルタイムで電子線Eが照射された範囲についての画像やX線スペクトルを見ることができる。
電子線Eの照射位置が測定範囲31内の走査終了点33に到達し、試料ステージ制御部7から走査終了信号が同期制御部22に送られると、同期制御部22は加速源19により電子線Eの照射を停止させる。また同時に、撮像制御部21を介して画像データ処理部18での二次電子強度信号の取り込みを終了させ、X線分析制御部20を介してX線データ処理部13での新たなデータのヒストグラムメモリ14への書き込みも終了させる。これにより、全ての測定が終了する。この時点で中央制御/処理部23には、測定範囲31全体の二次電子画像が保持され、測定範囲31全体のX線スペクトルも保持されている。したがって、例えばユーザーが操作部24で所定の操作を行うと、二次電子画像とX線スペクトルとは関連付けられてハードディスクなどの記憶装置に格納される。また、測定終了とともに、予め決められたフォルダなどに二次電子画像とX線スペクトルとを自動的に格納するようにしてもよい。
具体的な構成として、従来一般的に、X線データ処理部13やX線分析制御部20の機能をコンピュータ上で実現するためのソフトウエアと画像データ処理部18や撮像制御部21をコンピュータ上で実現するためのソフトウエアとは別であることが多いが、これに同期制御部22の機能を実現するようなソフトウエアを追加するか、或いはそれぞれのソフトウエアに相互に実行命令や分析条件のパラメータを送受信する機能を付加するようなプログラムを追加することにより、上述したような特徴的な制御/処理を達成することができる。もちろん、X線スペクトル分析用のソフトウエアと二次電子画像取得用のソフトウエアを統合した1つのソフトウエアでも同様の機能を達成できることは明らかである。
以上のようにして本実施例の電子線マイクロアナライザでは、同一の電子線照射条件及び走査条件の下で同時並行的に、任意の測定範囲の二次電子画像や反射電子画像とX線スペクトルとを取得することができ、しかもその取得の途中状況を表示部25の画面上の同一ウインドウ40内で確認することができる。したがって、例えばX線スペクトル41上で或る特定のエネルギーの強度が急に上昇したときにそれに対応する試料表面の部位を二次電子画像42上で確認したり、逆に試料表面上で特異な部位が出現したときにX線スペクトル41上で特異的な変化が生じないかどうかを確認する、といった有用な測定が可能である。また、走査の途中でそれまでに得られたX線スペクトル41又は二次電子画像42からこれ以上の測定が不要であることが判明した場合には、その時点で強制的に測定を中止することもできる。これにより、不要な測定を行う必要がなくなり測定効率の向上を図ることができる。
なお、上記実施例は本発明の一実施例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは当然である。例えば、試料に電子線を照射する代わりにイオンビームや中性子線などの他の粒子線を照射するようにしてもよく、そうした粒子線の照射に応じて試料から出てくる特性X線を検出する手段はエネルギー分散型検出器に限らず、波長分散型X線検出器やカソードルミネセンス法による分光器と光電子増倍管などの検出器を組み合わせたものでもよい。また、試料表面画像を可視化するために、粒子線の照射に応じて試料から出てくる二次電子を検出するほか、反射電子や低真空雰囲気の下で発生した電流を検出するものでもよい。また、X線スペクトル分析と試料表面画像の観察とを行う手段をそれぞれ1つずつ持つもののみならず、複数併せ持つものでもよい。その場合でも、全ての測定を1回の走査の開始/終了に同期して実行すればよい。
本発明の一実施例による走査電子顕微鏡の要部の概略構成図。 試料上に設定される測定範囲と電子線走査の軌跡の一例を示す模式図。 電子線走査に伴うX線スペクトルと二次電子画像の変化の説明図。 表示部に表示されるウインドウの一例の概略図。
符号の説明
1…電子銃
2…偏向コイル
3…対物レンズ
4…試料ステージ
5…試料
6…ステージ駆動機構
7…試料ステージ制御部
9…X線検出器
10…X線分析部
11…増幅器
12、17…A/D変換器
13…X線データ処理部
14…ヒストグラムメモリ
15…電子検出器
16…撮像部
18…画像データ処理部
19…加速源
20…X線分析制御部
21…撮像制御部
22…同期制御部
23…中央制御/処理部
24…操作部
25…表示部
40…ウインドウ
41…X線スペクトル
42…二次電子画像

Claims (2)

  1. a)試料に粒子線を照射する粒子線照射手段と、
    b)前記試料上で粒子線の照射位置が一次元又は二次元的に移動するように試料又は粒子線の一方又は両方を走査する走査手段と、
    c)前記粒子線の照射に応じて前記試料から発生する該試料を特徴付ける情報信号を検出する信号検出手段と、
    d)前記走査手段による粒子線の走査中に、該走査の進行に伴って前記試料の各微小部位で順次前記信号検出手段により信号が得られるに従い、その走査が終了した範囲の試料表面の拡大画像を作成する画像データ処理手段と、
    e)前記粒子線の照射に応じて前記試料から放出される特性X線又はカソードルミネセンスを検出する分光手段と、
    f)前記走査手段による粒子線の走査中に、該走査の進行に伴って前記試料の各微小部位で順次前記分光手段により信号が得られるに従いX線又はカソードルミネセンスのエネルギー毎に強度を積算し、その走査が終了した範囲に含まれる元素についてのX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルが順次更新されるように該スペクトルを作成するスペクトルデータ処理手段と、
    g)前記走査手段による所定の測定範囲内の走査の開始/終了に応じて、前記画像データ処理手段による試料表面の拡大画像作成動作と前記スペクトルデータ処理手段によるX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルの作成動作とを同時に並行して実行するようにそれら各手段を制御する制御手段と、
    h)該制御手段による制御の下に実施される所定の測定範囲に対する粒子線の走査中に、前記画像データ処理手段において該測定範囲内でその時点までに得られた試料表面の拡大画像と、前記スペクトルデータ処理手段によりその時点において作成された最新のX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルとを、該走査周期の途中の任意の時点において、リアルタイムで表示する表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする粒子線分析装置。
  2. 前記表示制御手段は、試料表面の拡大画像とそれに対応するX線スペクトル又はカソードルミネセンススペクトルとを同一ウインドウ内に表示させることを特徴とする請求項1に記載の粒子線分析装置。
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