(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態における、外部装置(カメラ等の機器)との共有リンクを生成する機能を備えた映像記録装置100の概略構成例を示すブロック図である。
図1において、108はシステムコントローラであり、各部の動作およびタイミングを制御する。101はカメラ光学系であり、被写体を撮像するレンズ系、露出制御のための絞り機構、及びフォーカシング制御機構などから構成されている。
カメラ光学系101で撮影された被写体からの映像は、撮像素子102によって電気信号に変換され、アナログ信号処理回路103においてゲイン等の調整が行われる。そして、A/D変換回路104によってデジタルデータに変換され、第1のバッファメモリ105に保持される。このようにして得られるデジタルデータは、通常、撮像素子の構成に依存した固有のデータ形式である。
図2は、撮像素子102の構成法の一例として、一枚のセンサーユニット上に色情報を再現するためのカラーフィルターを配列させた単板方式の画素配置例を示す図である。図2に示した例は、ベイヤー配列と呼ばれるカラーフィルターの配置方式であり、201及び204はグリーン、202はレッド、203はブルーのカラーフィルターである。
この3種類の色からなる基本画素配置をセンサーユニット全面で2次元的に繰り返したものがベイヤー配列による撮像素子の構成法である。この構成法により、グリーン、レッド、ブルーに相当する各画素からは各色に対応した色情報を持つ映像信号が得られる。このように、A/D変換回路104から出力されて第1のバッファメモリ105に保持されるデジタルデータ(映像データ)は、図2に示す画素配置に相当する撮像素子固有のデータ形式である。
このデータ形式は、撮影時に得られる全ての映像情報をそのまま含んでいるため、情報量が多く、それに比例してデータのサイズも大きい。また、この段階では画像として扱えないため、一般的な画像フォーマットに変換するためのデジタル現像処理が必要である。
カメラ信号処理回路106では、撮像素子固有のデータ形式であるデジタルデータに対して、色分離や色空間変換、画素補間、ホワイトバランス、ガンマ処理等からなるデジタル現像処理を行い、一般的な画像形式の画像データに変換する。
図3は、カメラ信号処理回路106によるデジタル現像処理の結果を示す図である。301は輝度成分Yの画素であり、302は色差成分Crの画素である。また、303は、色差成分Cbの画素である。図3に示すように、色空間変換と画素補間とによってデジタル現像処理後の画像データは、格子状に等間隔にならぶ輝度成分Yと、輝度成分Yに対して縦横で1/2の解像度となる色差成分Cr、Cbの画素配置とに変換される。図3に示す例における画像データの形式は、YCrCb 4:2:0と呼ばれるデータ形式である。
このように変換された画像データは、撮像素子の構成に依存しないものであるが、画素全ての情報が揃っているため、データのサイズは依然として大きい。このため、記録媒体(記録メディア)へ効率良く記録するためには、JPEG方式等の圧縮符号化を行うことが多い。
映像記録装置100の記録モードがJPEG記録モードである場合、記録モード制御回路109の制御によって第1のスイッチ118がONとなり、圧縮符号化機能が有効になる。この場合、デジタル現像処理を行った後の画像データは、圧縮符号化回路110によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。
また、記録モードがJPEG記録モードである場合、同じく記録モード制御回路109の制御によって第2のスイッチ119が端子Aに接続される。そして、圧縮符号化回路110によってJPEG方式の符号化が行われた画像データが、メディア記録回路111に供給される。メディア記録回路111は、第2のバッファメモリ116に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア112にJPEG方式で符号化された画像データを記録する。
一方、高画質が要求されるデジタル一眼レフカメラ等では、デジタル現像処理及び圧縮符号化を行う前の、撮像素子の固有のデータ形式のまま画像データを記録するモードを備えており、一般にロウ(RAW)データ記録モードと呼ばれている。このRAWデータ記録モードは、後にソフトウェアによってデジタル現像処理を行い、好みの画質を得る場合に有効である。本実施形態の映像記録装置100は、このRAWデータ記録モードによって画像データを記録することができる。
映像記録装置100の記録モードがRAWデータ記録モードである場合、RAWデータフォーマット回路107は、第1のバッファメモリ105に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAWデータ形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。さらに、RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路106でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
一般にRAWデータ記録モードにおいては、JPEG方式による符号化は不要であるため、記録モード制御回路109の制御によって第1のスイッチ118がOFFとなり、JPEG方式による圧縮符号化が停止される。これは、不要な処理回路を停止することによって消費電力を低減する目的で行われる。
また、記録モードがRAWデータ記録モードである場合、同じく記録モード制御回路109の制御によって第2のスイッチ119が端子Bに接続される。そして、RAWデータフォーマット回路107からRAWデータ形式の画像データがメディア記録回路111に供給される。メディア記録回路111は、第2のバッファメモリ116に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア112にRAWデータ形式の画像データを記録する。
次に、他の映像記録装置と画像を交換するために、接続処理を行う時の動作について説明する。
共有リンク制御回路113は、ユーザーの操作によって、共有リンクを生成するための接続処理の開始が指示された場合、無線通信回路115を介して他の映像記録装置から共有リンクを生成することが可能な機器の探索を行う。そして、該当する機器との接続を行って共有リンクを生成する。これにより、接続された機器同士で撮影画像データの送受信が可能になる。
また、本実施形態において、共有リンク制御回路113は、共有リンクを生成するためのネゴシエーション段階において、自機の記録モード(記録形式)と、リンク先の機器の再生可能ファイル形式とを考慮して、送信用の画像データのデータ形式を決定する。
上述のRAWデータ形式は、同じ機種等である場合を除いて、一般的に他の装置での再生が保証されない特殊なデータ形式である。そこで、リンク先の機器が再生可能なデータ形式を問い合わせ、外部装置がRAW画像データを再生できない場合には、RAW画像データに替えて、外部装置での再生が可能な汎用のデータ形式(例えばJPEG方式)の画像データを送信する。
図8は、本実施形態において、送信する画像データのデータ形式を決定する時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8のステップS801において、処理を開始すると、次のステップS802において、共有リンク制御回路113は、共有リンクを生成するためのネゴシエーションを開始する。次に、ステップS803において、共有リンクを生成することが可能な機器が存在するか否かを判定する。この判定の結果、共有リンクを生成することが可能な機器が存在しなかった場合は、ステップS804に進み、リンクエラー処理を行う。
一方、ステップS803の判定の結果、共有リンクを生成することが可能な機器が存在する場合は、ステップS805に進み、システムコントローラ108は、自機の記録モードがRAWデータ記録モードであるか否かを判定する。この判定の結果、自機の記録モードが撮像素子固有のデータ形式のRAWデータ記録モードでない場合は、JPEG方式等の画像データをそのまま送信する通常モードであるため、ステップS809に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS805の判定の結果、自機の記録モードがRAWデータ記録モードである場合は、次のステップS806において、接続先の機器に対して、再生フォーマットを問い合わせる。次に、ステップS807において、システムコントローラ108は、自機の記録モードで変換されたRAWデータ形式の画像データが接続先の機器において再生可能であるか否かを判定する。この判定の結果、再生可能である場合は、RAWデータ形式の画像データをそのまま送信する通常モードとしてステップS809に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS807の判定の結果、接続先の機器においてRAWデータ形式の画像データが再生不可である場合は、ステップS808に進み、システムコントローラ108は、JPEGデータ変換機能をONにする。なお、JPEGデータ変換機能の詳細については後述する。この場合、自機で記録される画像データは第1のデータ形式であるRAWデータ形式であるが、送信する画像データは汎用画像フォーマットである第2のデータ形式のJPEG方式の画像データとなる。
また、接続先の機器でRAWデータ形式の画像データが再生可能であるか否かにかかわらず転送するデータ量を削減する等のために、送信データをJPEG方式の画像データとしてもよい。この場合は、ステップS806〜S807をスキップし、ステップS805での自機の記録モードによってステップS808のJPEGデータ変換機能を決定してもよい。
次に、図1に示す概略構成の説明に戻り、共有リンクが生成された状態における各部の動作について説明する。
記録モードがJPEG記録モードである場合など、JPEGデータ変換機能がONにならない通常モードの場合は、第1のスイッチ118及び第3のスイッチ120はOFFとなる。そして、データ共有回路114には、メディア記録回路111から記録中の画像データそのものが供給され、無線通信回路115によって、共有リンクを形成する他の機器に送信される。
なお、記録中の画像データは、記録及び送信のタイミング/スピードに応じて第2のバッファメモリ116もしくは記録メディア112から読み出される。データ共有回路114は、送信用の第3のバッファメモリ117に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
一方、記録モードがRAWデータ記録モードであり、JPEGデータ変換機能がONとなる場合は、共有リンク制御回路113は変換手段として機能し、制御によって第1のスイッチ118がONとなる。そして、圧縮符号化回路110にカメラ信号処理回路106から画像データが入力され、JPEG方式での圧縮符号化が行われる。
JPEGデータ変換機能がONである場合は、第3のスイッチ120も同じくONとなる。そして、データ共有回路114には、圧縮符号化回路110からJPEG方式の画像データが供給され、無線通信回路115によって共有リンクを形成する他の機器に送信される。これにより、RAWデータ形式の画像データの記録を行うことに連動して、リンク先には、汎用の画像データのフォーマットであるJPEG方式の画像データを送信することが可能となる。ここで、変換されたJPEG方式の画像データに、対応するRAWデータ形式の画像データを識別するための情報を付加してもよい。識別情報の例としてはRAWデータファイル名等があげられる。
また、データ共有回路114はリンク先の機器から送信される画像データを、無線通信回路115によって受信し、メディア記録回路111に供給することによってリンク先の機器が保有する画像データを記録メディア112に記録する。
次に、以上のRAWデータ記録モードの時に、共有リンクが生成された状態において画像データの送受信動作を2台のカメラで行った場合の例について説明する。なお、2台のカメラの内部構成は双方とも図1で説明した映像記録装置100の構成で実現できるものである。
図4は、共有リンクを生成するために接続処理を開始する時の外観の動作例を示す図である。
図4において、第1のカメラ401と第2のカメラ402とが無線通信可能な距離に配置されている。第1のカメラ401及び第2のカメラ402のそれぞれの接続開始ボタンが同時に押下されることによって、第1のカメラ401と第2のカメラ402との間で共有リンクが生成される。この時、ボタン押下について短い許容期間を設定し、2台のボタン押下時間がこの許容期間内である機器同士を共有リンク機器として相互に設定するなどの処理によって実現してもよい。
図5は、共有リンクが生成された状態の2台のカメラでの撮影状況を示す図である。なお、図5において、第1のカメラ401及び第2のカメラ402は、通信可能な範囲内で別の被写体を撮影しているものとする。
図6は、本実施形態において、図5の状態における画像データの送受信の概要を示す図である。
図6において、時刻t1では、第1のカメラ401において撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ601が記録される。前述のように第1のカメラ401では、JPEG方式の画像データへの変換が行われ、リンク先の第2のカメラ402に対して送信される。そして、送信されたJPEG方式の画像データ602は、第2のカメラ402において記録される。
次に、時刻t2では、第2のカメラ402において撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ603が記録される。同様に第2のカメラ402では、JPEG方式の画像データへの変換が行われ、リンク先の第1のカメラ401に対して送信される。そして、送信されたJPEG方式の画像データ604は、第1のカメラ401において記録される。
図7は、本実施形態において、図6に示した動作例の詳細を示すタイミングチャートである。
まず、S701、S702では、第1のカメラ401と第2のカメラ402とにおいて、例えば、図4に示すようなユーザーの操作に応じて共有リンクを生成するための接続開始コマンドを発行する。そして、S703では、通信可能である2台の間で共有リンクを生成するためのネゴシエーションを実行する。この際、送信される画像データのデータ形式は、図8に示す処理手順のように決定され、S704、S705で共有リンクを開始する。なお、図7では、双方がRAWデータ記録モードであり、JPEG変換機能がONに設定されるものとする。
S706において、ユーザーの操作に応じて第1のカメラ401において撮影が行われると、第1のカメラ401での処理は、2つの処理に分岐する。すなわち、デジタル現像処理であるS707のカメラ信号処理と、S708におけるRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。
カメラ信号処理された画像データを、S709においてJPEG方式で符号化し、S710からリンク先の機器へ画像データを送信する手順が開始される。S710では、リンク先の第2のカメラ402に対して、JPEG方式の画像データを共有データとして送信するリクエストを送信する。S711では、リクエストに対する共有データ受信許可通知を受信し、S712において、JPEG方式の画像データを共有データとして第2のカメラ402から送信する。画像データの送信を完了した後は、S713において、共有データ送信完了通知を第1のカメラ401から送信する。
一方、S708では、RAWデータ形式の画像データを生成し、S714において、第1のカメラ401に装着された記録メディアにRAWデータ形式の画像データを記録する。
共有データの受信先である第2のカメラ402では、S713の共有データ送信完了通知を受信すると、S715では、受信したJPEG方式の画像データを共有データとして第2のカメラ402に装着された記録メディアに記録する。
S716以降の処理は、逆に第2のカメラ402で撮影した後の処理である。S716で第2のカメラ402において撮影が行われると、第2のカメラ402での処理は、デジタル現像処理のS717のカメラ信号処理と、S718のRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。S719では、カメラ信号処理された画像データをJPEG方式で符号化し、S720からリンク先の機器への送信手順が開始される。
S720では、リンク先の第1のカメラ401に対して、JPEG方式の画像データを共有データとして送信するリクエストを送信する。S721では、リクエストに対する共有データ受信許可通知を受信し、S722において、JPEG方式の画像データを共有データとして送信する。画像データの送信を完了した後は、S723において共有データ送信完了通知を送信する。
一方、S718では、RAWデータ形式の画像データを生成し、S724において、第2のカメラ402に装着された記録メディアにRAW形式の画像データを記録する。
共有データの受信先である第1のカメラ401では、S723の共有データ送信完了通知を受け取ると、S725では、受信したJPEG方式の画像データを共有データとして第1のカメラ401に装着された記録メディアに記録する。
以上説明したように本実施形態によれば、撮像素子固有のRAWデータ記録モードで撮影中のカメラにおいて、共有リンクを生成して使用する場合、汎用の画像フォーマットであるJPEG方式の画像データに変換して送信するようにした。これにより、高画質なRAWデータ形式の画像データを記録するとともに、汎用性のあるJPEG方式の画像データを共有することが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、外部装置として、サーバーへアップロードする例について説明する。
図9は、本実施形態における、サーバーへのアップロード機能を備えた映像記録装置の概略構成例を示すブロック図である。
図9において、908はシステムコントローラであり、各部の動作およびタイミングを制御する。901はカメラ光学系であり、被写体を撮像するレンズ系、露出制御のための絞り機構、フォーカシング制御機構などから構成されている。
カメラ光学系901で撮影された被写体からの映像は、撮像素子902によって電気信号に変換され、アナログ信号処理回路903においてゲイン等の調整が行われる。そして、A/D変換回路904によってデジタルデータに変換され、第1のバッファメモリ905に保持される。第1の実施形態の図2で説明したように、このようにして得られるデジタルデータは、通常、撮像素子の構成法に依存した固有のデータ形式である。
カメラ信号処理回路906では、撮像素子固有のデータ形式であるデジタルデータに対して、色分離や色空間変換、画素補間、ホワイトバランス、ガンマ処理等からなるデジタル現像処理を行う。そして、例えば、第1の実施形態の図3で説明したような一般的な画像形式に変換する。
このように変換された画像データは、撮像素子の構成に依存しないものであるが、画素全ての情報が揃っているため、データのサイズは依然として大きい。このため、記録メディアへ効率良く記録するためには、JPEG方式等の圧縮符号化を行うことが多い。
映像記録装置900の記録モードがJPEG記録モードである場合、記録モード制御回路909の制御によって第1のスイッチ918がONとなり、圧縮符号化機能が有効になる。この場合、デジタル現像処理を行った後の画像データは、圧縮符号化回路910によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。
また、記録モードがJPEG記録モードである場合、同じく記録モード制御回路909の制御によって第2のスイッチ919が端子Aに接続される。そして、圧縮符号化回路910によってJPEG方式の符号化が行われた画像データが、メディア記録回路911に供給される。メディア記録回路911は、第2のバッファメモリ916に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア912にJPEG方式で符号化された画像データを記録する。
映像記録装置900の記録モードがRAWデータ記録モードである場合、RAWデータフォーマット回路907は、第1のバッファメモリ905に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAWデータ形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。さらに、RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路906でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
一般にRAWデータ記録モードにおいては、JPEG方式による符号化は不要であるため、記録モード制御回路909の制御によって第1のスイッチ918がOFFとなり、JPEG方式による圧縮符号化が停止される。これは、不要な処理回路を停止することによって消費電力を低減する目的で行われる。
また、記録モードがRAWデータ記録モードである場合、同じく記録モード制御回路909の制御によって第2のスイッチ919が端子Bに接続される。そして、RAWデータフォーマット回路907からRAWデータ形式の画像データがメディア記録回路911に供給される。メディア記録回路911は、第2のバッファメモリ916に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア912にRAWデータ形式の画像データを記録する。
次に、サーバーアップロード機能によってアップロードが可能な状態における動作について説明する。
アップロードリンク制御回路913は、ユーザーの操作によって、アップロードリンクを生成するための接続処理の開始が指示された場合、無線通信回路915を介して通信可能な無線LANの基地局の探索を行う。そして、通信可能である場合は、無線LAN基地局と、画像データをアップロードするための所定のサーバーとのネットワークの接続を行う。これにより、アップロードリンクが生成されてアップロードが可能な状態では、撮影画像データをサーバーへ送信することが可能になる。無線LAN基地局の例としては、Wi−Fiとして知られる無線LANを用いた公衆無線LANスポット等がある。
図14は、本実施形態において、送信する画像データのデータ形式を決定する時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14のステップS1401において、処理を開始すると、次のステップS1402において、アップロードリンク制御回路913は、アップロードリンクを生成するためのネゴシエーションを開始する。次に、ステップS1403において、接続可能な無線LAN基地局及びリンク可能なサーバーが存在するか否かを判定する。この判定の結果、無線LAN基地局及びサーバーが存在しなかった場合は、ステップS1404に進み、リンクエラー処理を行う。
一方、ステップS1403の判定の結果、接続可能な無線LAN基地局及びサーバーが存在する場合は、ステップS1405に進み、システムコントローラ908は、自機の記録モードがRAWデータ記録モードであるか否かを判定する。この判定の結果、自機の記録モードが撮像素子固有のデータ形式のRAWデータ記録モードでない場合は、JPEG方式等の画像データをそのまま送信することが可能なモードであるため、ステップS1407に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS1405の判定の結果、自機の記録モードがRAWデータ記録モードである場合は、次のステップS1406において、JPEGデータ変換機能をONにする。この場合、自機で記録される画像データはRAWデータ形式であるが、送信する画像データは汎用画像フォーマットであるJPEG方式の画像データとなる。
次に、図9に示す概略構成の説明に戻り、アップロードリンクが生成された状態における各部動作について説明する。
記録モードがJPEG記録モードである場合など、JPEGデータ変換機能がONにならない通常モードの場合は、第1のスイッチ918及び第3のスイッチ920はOFFとなる。そして、データアップロード回路914には、メディア記録回路911から記録中の画像データそのものが供給され、無線通信回路915によって、無線LAN基地局及びネットワークを経由してアップロードリンク先のサーバーに送信される。
なお、記録中の画像データは、記録及び送信のタイミング/スピードに応じて第2のバッファメモリ916もしくは記録メディア912から読み出される。データアップロード回路914は、第3の送信用のバッファメモリ917に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
一方、記録モードがRAWデータ記録モードであり、JPEGデータ変換機能がONとなる場合は、アップロードリンク制御回路913の制御によって第1のスイッチ918がONとなる。そして、圧縮符号化回路910によるJPEG方式での圧縮符号化が行われる。
JPEGデータ変換機能がONである場合は、第3のスイッチ920も同じくONとなる。データアップロード回路914には、圧縮符号化回路910からJPEG方式の画像データが供給される。そして、無線通信回路915によって無線LAN基地局及びネットワークを経由してリンク先のサーバーに送信される。これにより、RAWデータ形式の画像データの記録を行うことに連動して、リンク先のサーバーには、汎用の画像データフォーマットであるJPEG方式の画像データを送信することが可能となる。ここで、変換されたJPEG方式の画像データに、対応するRAWデータ形式の画像データを識別するための情報を付加してもよい。識別情報の例としてはRAWデータファイル名等があげられる。
次に、以上のRAWデータ記録モードの時の画像データの送受信動作をカメラとサーバーとで行った場合の例について詳細に説明する。
図10は、ネットワークの接続を開始する時の外観の動作例を示す図である。なお、図10に示すカメラ1001の内部構成は図9で説明した映像記録装置900の構成であるものである。
図10において、カメラ1001のアップロードリンクを生成するための接続開始ボタンが押下されることにより、カメラ1001は通信可能な無線LANスポット1003を探索し、無線LAN接続を行う。無線LANスポット1003との接続が完了した後、カメラ1001は、ネットワークを経由してサーバー1002との接続を行う。
図11は、サーバー1002との間でアップロードリンクが生成された状態におけるカメラ1001での撮影状況を示す図である。なお、図11において、カメラ1001は、異なる時間に異なる2つの被写体を撮影したものとする。
図12は、図11の状態における画像データの送受信の概要を示す図である。
図12において、時刻t1では、カメラ1001において撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ1201が記録される。前述のようにカメラ1001では、JPEG方式の画像データへの変換が行われ、リンク先のサーバー1002に対して送信される。そして、送信されたJPEG方式の画像データ1202は、サーバー1002に記録される。
次に、時刻t2では、カメラ1001において2枚目の撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ1203が記録される。同様にカメラ1001では、JPEG方式の画像データへの変換が行われ、リンク先のサーバー1002に対して送信される。そして、送信されたJPEG方式の画像データ1204は、サーバー1002に記録される。
図13は、図12に示した動作例の詳細を示すタイミングチャートである。
まず、S1301では、カメラ1001において、例えば、図10で示したようなユーザーの操作に応じて、アップロードリンクを生成するための接続開始コマンドを発行する。そして、S1302では、通信可能であるカメラ1001とサーバー1002との間でアップロードリンクを生成するためのネゴシエーションを実行する。この際、アップロードリンクが生成された状態で送信される画像データのデータ形式は、図14に示す処理手順のように決定され、S1303でアップロードリンクを開始する。なお、図13では、カメラ1001はRAWデータ記録モードであり、JPEG変換機能がONに設定されるものとする。
S1304において、ユーザーの操作に応じてカメラ1001において撮影が行われると、カメラ1001での処理は、2つの処理に分岐する。すなわち、デジタル現像処理であるS1305のカメラ信号処理と、S1306におけるRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。
カメラ信号処理された画像データを、S1307において、JPEG方式で符号化し、S1308からリンク先のサーバー1002への送信手順が開始される。まず、S1308では、リンク先のサーバー1002に対して、JPEG方式の画像データをアップロードデータとして送信するリクエストを送信する。S1309では、リクエストに対するアップロードデータ受信許可通知を受信し、S1310において、JPEG方式の画像データをアップロードデータとして送信する。画像データの送信を完了した後は、S1311において、アップロードデータ送信完了通知を送信する。
一方、S1306では、RAWデータ形式の画像データを生成し、S1312において、カメラ1001に装着された記録メディアにRAWデータ形式の画像データを記録する。
アップロードデータの受信先であるサーバー1002では、S1311のアップロードデータ送信完了通知を受信すると、S1313において、受信したJPEG方式の画像データをサーバー1002内のストレージに保存する。
以上説明したように本実施形態によれば、撮像素子固有のRAWデータ記録モードで撮影中のカメラにおいて、サーバーとアップロードリンクを生成して使用する場合、汎用の画像フォーマットであるJPEG方式の画像データに変換して送信するようにした。これにより、高画質なRAWデータ形式の画像データを記録するとともに、汎用性のあるJPEG方式の画像データを用いてサーバーにアップロードすることが可能となる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、RAWデータ形式の画像データをJPEG方式の画像データに変換してリンク先の機器に送信した。本実施形態では、RAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとを同時に記録する同時記録モードを設けて、リンク先の機器にJPEG方式の画像データを送信する例について説明する。
図15は、本実施形態における、複数の機器との共有リンクを生成する機能を備えた映像記録装置1100の概略構成例を示すブロック図である。
図15において、1108はシステムコントローラであり各部の動作およびタイミングを制御する。1101はカメラ光学系であり、被写体を撮像するレンズ系、露出制御のための絞り機構、及びフォーカシング制御機構などから構成されている。
カメラ光学系1101で撮影された被写体からの映像は、撮像素子1102によって電気信号に変換され、アナログ信号処理回路1103においてゲイン等の調整が行われる。そして、A/D変換回路1104によってデジタルデータに変換され、第1のバッファメモリ1105に保持される。このようにして得られるデジタルデータは、通常、撮像素子の構成法に依存した固有のデータ形式である。
カメラ信号処理回路1106では、撮像素子固有のデータ形式であるデジタルデータに対して、色分離や色空間変換、画素補間、ホワイトバランス、ガンマ処理等からなるデジタル現像処理を行う。そして、例えば、第1の実施形態の図3で説明したような一般的な画像形式に変換する。
このように変換された画像データは、撮像素子の構成に依存しないものであるが、画素全ての情報が揃っているためデータのサイズは依然として大きい。このため、記録メディアへの効率良く記録するためには、JPEG方式等の圧縮符号化を行うことが多い。
映像記録装置1100の記録モードがJPEG記録モードである場合、記録モード制御回路1109の制御によって第1のスイッチ1118がONとなり、圧縮符号化機能が有効になる。この場合、デジタル現像処理を行った後の画像データは、圧縮符号化回路1110によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。
また、記録モードがJPEG記録モードである場合、同じく記録モード制御回路1109の制御により第2のスイッチ1119が端子Aに接続される。そして、圧縮符号化回路1110によってJPEG方式の符号化が行われた画像データが、メディア記録回路1111に供給される。メディア記録回路1111は、第2のバッファメモリ1116に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1112にJPEG方式で符号化された画像データを記録する。
映像記録装置1100の記録モードがRAWデータ記録モードである場合、RAWデータフォーマット回路1107は、第1のバッファメモリ1105に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAWデータ形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。さらに、RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路1106でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
一般にRAWデータ記録モードにおいては、JPEG方式による符号化は不要であるため、記録モード制御回路1109の制御によって第1のスイッチ1118がOFFとなり、JPEG方式による圧縮符号化が停止される。これは、不要な処理回路を停止することによって消費電力を低減する目的で行われる。
また、記録モードがRAWデータ記録モードである場合、同じく記録モード制御回路1109の制御によって第2のスイッチ1119は端子Cに接続される。そして、RAWデータフォーマット回路1107からRAWデータ形式の画像データがメディア記録回路1111に供給される。メディア記録回路1111は、第2のバッファメモリ1116に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1112にRAWデータ形式の画像データを記録する。
さらに、本実施形態においては、映像記録装置1100の記録モードがRAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとを同時に記録する同時記録モードを備えている。同時記録モードである場合、JPEG方式の符号化を有効にするために、記録モード制御回路1109の制御によって、第1のスイッチ1118がONになる。そして、圧縮符号化回路1110によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。なお、同時記録モードは、ユーザーの操作により選択される記録モードとして存在するモードである。
同時記録モードでは、さらに並行してRAWデータ形式の画像データを記録するための処理も行われる。RAWデータフォーマット回路1107は、第1のバッファメモリ1105に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAWデータ形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路1106でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
圧縮符号化回路1110において符号化されたJPEG方式の画像データ、及びRAWデータフォーマット回路1107においてRAWデータ形式に変換された画像データは、同時記録制御回路1120に供給される。同時記録制御回路1120は、RAWデータ形式の画像データ及びJPEG方式の画像データを同時記録するために必要な書き込みタイミングの制御及びデータバッファリングを行うためのものである。
同時記録モードでは、記録モード制御回路1109の制御により第2のスイッチ1119が端子Bに接続される。そして、同時記録制御回路1120から出力される画像データがメディア記録回路1111に供給される。メディア記録回路1111は、第2のバッファメモリ1116に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1112にRAWデータ形式の画像データとJPEG方式で符号化された画像データとの双方を記録する。
次に、他の映像記録装置と画像を交換するために、接続処理を行う時の動作について説明する。
共有リンク制御回路1113は、ユーザーの操作によって、共有リンクを生成するための接続処理の開始が指示された場合、無線通信回路1115を介して他の映像記録装置から共有リンクを生成することが可能な装置の探索を行う。そして、該当する機器との共有リンクを生成する。これにより、接続された機器同士で撮影画像データの送受信が可能になる。
また、本実施形態において、共有リンク制御回路1113は、共有リンクを生成するためのネゴシエーション段階において、自機の記録モードとリンク先の機器の再生可能ファイル形式とを考慮して、送信用の画像データのデータ形式を決定する。
図18は、本実施形態において、送信する画像データのデータ形式を決定する時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18のステップS1801において、処理を開始すると、ステップS1802において、共有リンク制御回路1113は、共有リンクを生成するためのネゴシエーションを開始する。次に、ステップS1803において、共有リンクを生成することが可能な機器が存在するか否かを判定する。この判定の結果、共有リンクを生成することが可能な機器が存在しなかった場合は、ステップS1804に進み、リンクエラー処理を行う。
一方、ステップS1803の判定の結果、共有リンクを生成することが可能な機器が存在する場合は、ステップS1805に進み、システムコントローラ1108は、自機の記録モードがRAWデータ記録モードであるか否かを判定する。この判定の結果、自機の記録モードが撮像素子固有のデータ形式のRAWデータ形式の画像データのみを記録するRAWデータ記録モードでない場合は、JPEG方式の画像データ等の送信可能な画像データが存在することとなる。このため、ステップS1809に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS1805の判定の結果、自機の記録モードがRAWデータ記録モードであった場合は、次のステップS1806において、接続先の機器に対して、再生フォーマットを問い合わせる。次に、ステップS1807において、自機の記録モードで変換されたRAWデータ形式の画像データが接続先の機器において再生可能であるか否かを判定する。この判定の結果、再生可能である場合は、RAWデータ形式の画像データをそのまま送信する通常モードとしてステップS1809に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS1807の判定の結果、接続先の機器においてRAWデータ形式の画像データが再生不可である場合は、ステップS1808に進む。そして、システムコントローラ1108は、自機の記録モードをRAW形式の画像データとJPEG方式の画像データとを同時に記録する同時記録モードに変更する。この場合、自機で記録される画像データはRAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとの双方であるが、送信される画像データは汎用画像フォーマットであるJPEG方式の画像データとなる。
また、接続先の機器でRAWデータ形式の画像データが再生可能であるか否かにかかわらず転送するデータ量を削減する等のために、送信データをJPEG方式の画像データとしてもよい。この場合は、ステップS1806〜S1807をスキップし、ステップS1805での自機の記録モードによってステップS1808の同時記録モードに変更することを決定してもよい。
なお、本実施形態では、前述のユーザーの操作によって設定された同時記録モードと区別するため、接続処理において変更された同時記録モードを、以後の説明ではリンク中同時記録モードと呼ぶことにする。
次に、図15に示す概略構成の説明に戻り、共有リンクが生成された状態における各部の動作について説明する。
データ共有回路1114は、記録メディア1112に各々の画像データの記録が完了したことをトリガーとして、メディア記録回路1111を経由して記録メディア1112から送信可能なデータ形式の画像データを読み出す。そして、無線通信回路1115によって、リンク先の他の機器に送信する。また、データ共有回路1114は、送信用の第3のバッファメモリ1117に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
記録モードがRAWデータ記録モードであり、図18のステップS1808においてリンク中同時記録モードに変更する場合は、共有リンク制御回路1113の制御によって記録モード制御回路1109を制御する。そして、記録モード制御回路1109は制御手段として機能し、第2のスイッチ1119を端子Bに接続し、リンク中同時記録モードに変更する。
なお、変更後のリンク中同時記録モードにおける撮像から記録メディア1112への記録までの処理は、前述のユーザーの設定による同時記録モードと同様であるため、説明を省略する。また、リンク中同時記録モードでは、圧縮符号化回路1110においてJPEG方式で符号化する際に、同時に記録されるRAWデータ形式の画像データを識別するための情報を付加してもよい。識別情報の例としてはRAWデータファイル名等があげられる。
また、リンク中同時記録モードにおいてJPEG方式の画像データであることを示す識別情報を同時に記録してもよい。この識別情報を用いることによって、リンク中同時記録モードで記録されたJPEG方式の画像データを検索して、一括削除するなどの機能が実現できる。識別情報の記録方法としては記録メディア1112の管理情報や個々のJPEG方式の画像データの付加情報、ファイル名による識別などが考えられる。
リンク中同時記録モードにおいて、データ共有回路1114は、記録メディア1112に各々の画像データの記録が完了したことをトリガーとして、リンク先の他の機器に送信するための処理を行う。まず、同時に記録されたRAWデータ形式の画像データ及びJPEG方式の画像データのうちのJPEG方式の画像データを、メディア記録回路1111を経由して記録メディア1112から読み出す。そして、無線通信回路1115によって、リンク先の他の機器に送信する。この際、同時に記録されたRAWデータ形式の画像データについては送信を行なわないようにする。また、データ共有回路1114は、送信用の第3のバッファメモリ1117に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
送信済みデータ消去回路1121は、リンク中同時記録モードにおいてJPEG方式の画像データの送信を完了した後に、該当する送信済みのJPEG方式の画像データを記録メディア1112から削除する。これにより、共有リンクを生成したことによって記録モードが変更したことをユーザーにとって意識させることなく、自機に装着された記録メディアにRAWデータ形式の画像データを記録するとともに、共有のためのJPEG方式の画像データを送信できる。なお、この送信済みの画像データを消去する機能については、ユーザーの設定により解除できるものであってもよい。
また、データ共有回路1114は、リンク先から送信される画像データを、無線通信回路1115によって受信し、メディア記録回路1111に供給することによってリンク先の機器が保有する画像データを記録メディア1112に記録する。
共有リンクが生成された状態を終了する時には、共有リンク制御回路1113は、記録モード制御回路1109を制御することによってリンク中同時記録モードを終了し、共有リンクを生成する前の記録モードに復帰させる。
次に、RAWデータ記録モードの時に共有リンクが生成された状態における画像データの送受信動作を2台のカメラで行った場合の例について説明する。なお、2台のカメラの内部構成は双方とも図15で説明した映像記録装置1100の構成で実現できるものである。また、共有リンクを生成するために接続処理を開始する時の外観の動作例、共有リンクが生成された状態の2台のカメラでの撮影状況についてはそれぞれ図4及び図5と同様であるため、説明は省略する。
図16は、本実施形態において、図5の状態における画像データの送受信の概要を示す図である。
前述のように、第1のカメラ1401の記録モードは、共有リンクを生成するための接続処理の開始によりリンク中同時記録モードに変更されたものとする。時刻t1では、第1のカメラ1401において撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ1601とJPEG方式の画像データ1602とが記録される。
JPEG方式の画像データ1602はリンク先の第2のカメラ1402に対して送信され、第2のカメラ1402では、JPEG方式の画像データ1603として記録される。一方、第1のカメラ1401では、JPEG方式の画像データ1602は送信が完了した後に削除される。
次に、時刻t2では、第2のカメラ1402において撮影が行われ、同様にRAWデータ形式の画像データ1604とJPEG方式の画像データ1605とが記録される。JPEG方式の画像データ1605はリンク先の第1のカメラ1401に対して送信され、第1のカメラ1401では、JPEG方式の画像データ1606として記録される。一方、第2のカメラ1402では、JPEG方式の画像データ1605は送信が完了した後に削除される。
図17は、本実施形態において、図16に示した動作例の詳細を示すタイミングチャートである。
まず、S1701、S1702では、第1のカメラ1401と第2のカメラ1402とにおいて、例えば、図4に示すようなユーザーの操作に応じて共有リンクを生成するための接続開始コマンドを発行する。そして、S1703では、通信可能である2台の間で共有リンクを生成するためのネゴシエーションを実行する。この際、送信される画像データのデータ形式は、図18に示す処理手順のように決定され、S1704、S1705で共有リンクを開始する。なお、図17では、双方とも元々RAWデータ記録モードであり、接続処理の開始によりリンク中同時記録モードに変更されるものとする。
S1706において、ユーザーの操作に応じて第1のカメラ1401において撮影が行われると、第1のカメラ1401での処理は、2つの処理に分岐する。すなわち、リンク中同時記録モードに変更されたことによるデジタル現像処理であるS1707のカメラ信号処理と、S1708におけるRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。
カメラ信号処理された画像データを、S1709においてJPEG方式で符号化し、S1710では、リンク中同時記録モードによって、RAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとの双方の記録を行う。
S1711からリンク先の機器へ画像データを送信する手順が開始される。まず、S1711では、リンク先の第2のカメラ1402に対して、JPEG方式の画像データを共有データとして送信するリクエストを送信する。S1712では、リクエストに対する共有データ受信許可通知を受信し、S1713において、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを共有データとして第1のカメラ1401から送信する。画像データの送信を完了した後は、S1714において、共有データ送信完了通知を第1のカメラ1401から送信する。
一方、JPEG方式の画像データの送信を完了した後のS1715では、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを消去する。
共有データの受信先である第2のカメラ1402では、S1714の共有データ送信完了通知を受信すると、S1716では、受信したJPEG方式の画像データを共有データとして第2のカメラ1402に装着された記録メディアに記録する。
S1717以降の処理は、逆に第2のカメラ1402で撮影した後の処理である。S1717で第2のカメラ1402において撮影が行われると、第2のカメラ1402での処理は、同様に2つの処理に分岐する。すなわち、リンク中同時記録モードに変更されたことによるデジタル現像処理のS1718のカメラ信号処理と、S1719におけるRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。
カメラ信号処理された画像データを、S1720においてJPEG方式に符号化し、S1721では、リンク中同時記録モードによって、RAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとの双方の記録を行う。
S1722からリンク先の機器へ送信する手順が開始される。S1722では、リンク先の第1のカメラ1401に対してJPEG方式の画像データを共有データとして送信するリクエストを送信する。S1723では、リクエストに対する共有データ受信許可通知を受信し、S1724において、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを共有データとして第2のカメラ1402から送信する。画像データの送信を完了した後は、S1725において、共有データ送信完了通知を第2のカメラ1402から送信する。
一方、JPEG方式の画像データの送信を完了した後のS1726では、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを消去する。
共有データの受信先である第1のカメラ1401では、S1725の共有データ送信完了通知を受信すると、S1727では、受信したJPEG方式の画像データを共有データとして第1のカメラ1401に装着された記録メディアに記録する。
以上説明したように本実施形態によれば、撮像素子固有のRAWデータ記録モードで撮影中のカメラにおいて、共有リンクを生成して使用する場合、汎用の画像フォーマットであるJPEG方式の画像データも同時に記録するようにした。これにより、高画質なRAWデータ形式の画像データを記録するとともに、汎用性のあるJPEG方式の画像データを送信して画像データを共有することが可能となる。また、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを画像データの送信が完了した後に消去することによって、ユーザーにリンク中同時記録モードへ変更したことを意識させないようにすることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、RAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとを同時に記録する同時記録モードを設けて、リンク先のサーバーにJPEG方式の画像データを送信する例について説明する。
図19は、本実施における、サーバーへのアップロード機能を備えた映像記録装置1900の概略構成例を示すブロック図である。
図19において、1908はシステムコントローラであり、各部の動作およびタイミングを制御する。1901はカメラ光学系であり、被写体を撮像するレンズ系、露出制御のための絞り機構、フォーカシング制御機構などから構成されている。
カメラ光学系1901で撮影された被写体からの映像は、撮像素子1902によって電気信号に変換されアナログ信号処理回路1903でゲイン等の調整が行われる。そして、A/D変換回路1904によってデジタルデータに変換され、第1のバッファメモリ1905に保持される。第1実施形態の図2で説明したように、このようにして得られるデジタルデータは、通常、撮像素子の構成法に依存した固有のデータ形式である。
カメラ信号処理回路1906では、撮像素子固有のデータ形式であるデジタルデータに対して、色分離や色空間変換、画素補間、ホワイトバランス、ガンマ処理等からなるデジタル現像処理を行う。そして、例えば、第1の実施形態の図3で説明したような一般的な画像形式に変換する。
このように変換された画像データは、撮像素子の構成に依存しないものであるが、画素全ての情報が揃っているため、データのサイズは依然として大きい。このため、記録メディアへ効率良く記録するためには、JPEG方式等の圧縮符号化を行うことが多い。
映像記録装置1900の記録モードがJPEG記録モードである場合、記録モード制御回路1909の制御によって第1のスイッチ1918がONとなり、圧縮符号化機能が有効になる。この場合、デジタル現像処理を行った後の画像データは、圧縮符号化回路1910によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。
また、記録モードがJPEG記録モードである場合、同じく記録モード制御回路1909の制御により第2のスイッチ1919が端子Aに接続される。そして、圧縮符号化回路1910によってJPEG方式で符号化された画像データがメディア記録回路1911に供給される。メディア記録回路1911は、第2のバッファメモリ1916に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1912にJPEG方式で符号化された画像データを記録する。
映像記録装置1900の記録モードがRAWデータ記録モードである場合、RAWデータフォーマット回路1907は、第1のバッファメモリ1905に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAWデータ形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路1906でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
一般にRAWデータ記録モードにおいては、JPEG方式による符号化は不要であるため、記録モード制御回路1909の制御によって第1のスイッチ1918がOFFとなり、JPEG方式による圧縮符号化が停止される。これは、不要な処理回路を停止することによって消費電力を低減する目的で行われる。
また、記録モードがRAWデータ記録モードである場合、同じく記録モード制御回路1909の制御によって第2のスイッチ1919が端子Cに接続される。RAWデータフォーマット回路1907からRAWデータ形式の画像データがメディア記録回路1911に供給される。メディア記録回路911は、第2のバッファメモリ1916に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1912にRAWデータ形式の画像データを記録する。
映像記録装置1900の記録モードが同時記録モードである場合、JPEG方式の符号化を有効にするために、記録モード制御回路1909の制御によって第1のスイッチ1918がONになる。そして、圧縮符号化回路1910によって、例えば、JPEG方式の符号化によるデータ圧縮が行われる。なお、同時記録モードは、ユーザーの操作により選択される記録モードとして存在するモードである。
同時記録モードでは、さらに、RAWデータ形式の画像データを記録するための処理も行われる。RAWデータフォーマット回路1907は、第1のバッファメモリ1905に保持されている撮像素子固有のデータ形式である画像データに対して、RAWデータファイルとして必要な付加情報を付加し、RAWデータ形式に変換する。
なお、RAW形式の画像データに関しては、可逆符号化を用いたデータ圧縮が行われる場合もある。RAWデータファイルには、カメラ信号処理回路1906でデジタル現像処理を行った画像を縮小したデータがプレビュー/サムネール用データとして付加される場合もある。
圧縮符号化回路1910において符号化されたJPEG方式の画像データ、及びRAWデータフォーマット回路1907においてRAWデータ形式に変換された画像データは、同時記録制御回路1920に供給される。同時記録制御回路1920は、RAWデータ形式の画像データ及びJPEG方式の画像データの同時記録に必要な書き込みタイミングの制御及びデータバッファリングを行うためのものである。
同時記録モードでは、記録モード制御回路1909の制御により第2のスイッチ1919は端子Bに接続される。そして、同時記録制御回路1920から出力される画像データがメディア記録回路1911に供給される。メディア記録回路1911は、第2のバッファメモリ1916に対して画像データのバッファリングを行うとともに、記録メディア1912にRAWデータ形式による画像データとJPEG方式で符号化された画像データとの双方を記録する。
次に、サーバーアップロード機能によってアップロードが可能な状態における動作について説明する。
アップロードリンク制御回路1913は、ユーザーの操作によって、アップロードリンクを生成するための接続処理の開始が指示された場合、無線通信回路1915を介して通信可能な無線LANの基地局の探索を行う。そして、通信可能である場合は、無線LAN基地局と、画像データをアップロードするための所定のサーバーとのネットワークの接続を行う。これにより、アップロードリンクが生成されてアップロードが可能な状態では、撮影画像データをサーバーへ送信することが可能になる。無線LAN基地局の例としては、Wi−Fiとして知られる無線LANを用いた公衆無線LANスポット等がある。
図22は、本実施形態において、に送信する画像データのデータ形式を決定する時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22のステップS2201において、処理を開始すると、次のステップS2202において、アップロードリンク制御回路1913は、アップロードリンクを生成するためのネゴシエーションを開始する。次に、S2203において、接続可能な無線LAN基地局及びリンク可能なサーバーが存在するか否かを判定する。この判定の結果、無線LAN基地局及びサーバーが存在しなかった場合は、ステップS2204に進み、リンクエラー処理を行う。
一方、ステップS2203の判定の結果、接続可能な無線LAN基地局及びサーバーが存在する場合は、ステップS2205に進み、システムコントローラ1908は、自機の記録モードがRAWデータ記録モードであるか否かを判定する。この判定の結果、自機の記録モードが撮像素子固有のデータ形式のRAWデータ記録モードでない場合は、JPEG方式等の画像データをそのまま送信することが可能なモードであるため、ステップS2207に進み、ネゴシエーションを終了する。
一方、ステップS2205の判定の結果、自機の記録モードがRAWデータ記録モードである場合は、次のステップS2206において、自機の記録モードを同時記録モード(リンク中同時記録モード)に変更する。この場合、自機で記録される画像データはRAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとの双方であるが、送信される画像データは汎用画像フォーマットであるJPEG方式の画像データとなる。
次に、図19に示す概略構成の説明に戻り、アップロードリンクが生成された状態における各部の動作について説明する。
データアップロード回路1914は、記録メディア1912に各々の画像データの記録が完了したことをトリガーとして、メディア記録回路1911を経由して記録メディア1912から送信可能なデータ形式の画像データを読み出す。そして、無線通信回路1915によって無線LAN基地局及びネットワークを経由してリンク先のサーバーに送信する。また、データアップロード回路1914は、送信用の第3のバッファメモリ1917に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
記録モードがRAWデータ記録モードであり、図22のステップS2206においてリンク中同時記録モードに変更する場合は、アップロードリンク制御回路1913の制御によって記録モード制御回路909を制御する。そして、第2のスイッチ1919を端子Bに接続し、リンク中同時記録モードに変更する。
なお、変更後のリンク中同時記録モードにおける撮像から記録メディア1912への記録までの処理は、前述のユーザーの設定による同時記録モードと同様であるため、説明を省略する。また、リンク中同時記録モードでは、圧縮符号化回路1910においてJPEG方式で符号化する際に、同時に記録されるRAWデータ形式の画像データを識別するための情報を付加してもよい。識別情報の例としてはRAWデータファイル名等があげられる。
また、リンク中同時記録モードにおいてJPEG方式の画像データであることを示す識別情報を同時に記録してもよい。この識別情報を用いることによって、リンク中同時記録モードで記録されたJPEG方式の画像データを検索して、一括削除するなどの機能が実現できる。識別情報の記録方法としては記録メディア1912の管理情報や個々のJPEG方式の画像データの付加情報、ファイル名による識別などが考えられる。
リンク中同時記録モードにおいて、データアップロード回路1914は、記録メディア1912に各々の画像データの記録が完了したことをトリガーとして、無線LAN基地局及びネットワークを経由してリンク先のサーバーに送信するための処理を行う。まず、同時に記録されたRAWデータ形式の画像データ及びJPEG方式の画像データのうちのJPEG方式の画像データを、メディア記録回路1911を経由して記録メディア1912から読み出す。そして、無線通信回路1915によって、無線LAN基地局及びネットワークを経由してリンク先のサーバーに送信する。この際、同時に記録されたRAWデータ形式の画像データについては送信を行なわないようにする。また、送信用の第3のバッファメモリ1916に対して、読み出された画像データを送信終了までの期間バッファリングする。
送信済みデータ消去回路1921は、リンク中同時記録モードにおいてJPEG方式の画像データの送信を完了した後、該当する送信済みのJPEG方式の画像データを記録メディア1912から削除する。これにより、アップロードリンクを生成したことによって記録モードが変更したことをユーザーにとって意識させることなく、RAWデータ形式の画像データを記録するとともに、アップロードのためのJPEG方式の画像データを送信できる。なお、この送信済みの画像データを消去する機能については、ユーザーの設定により解除できるものであってもよい。
アップロードリンクが生成された状態を終了する時には、アップロードリンク制御回路1913は、記録モード制御回路1909を制御することによってリンク中同時記録モードを終了し、アップロードリンクを生成する前の記録モードに復帰させる。
次に、RAWデータ記録モードの時にアップロードリンクが生成された状態における画像データの送受信動作をカメラとサーバーと行った場合の例について説明する。なお、ネットワークの接続を開始する時の外観の動作例、サーバーとの間でアップロードリンクが生成された状態におけるカメラでの撮影状況についてはそれぞれ図10及び図11と同様であるため、説明は省略する。
図20は、本実施形態において、図11の状態における画像データの送受信の概要を示す図である。
前述のようにカメラ1501の記録モードは、アップロードリンクを生成するための接続処理の開始によりリンク中同時記録モードに変更されたものとする。時刻t1では、カメラ1501において撮影が行われ、RAWデータ形式の画像データ2001とJPEG方式の画像データ2002とが記録される。
JPEG方式の画像データ2002はリンク先のサーバー1502に対して送信され、JPEG方式の画像データ2003としてサーバー1502に保存される。一方、カメラ1501では、JPEG方式の画像データ2002は送信が完了した後に削除される。
次に、時刻t2では、カメラ1501において2枚目の撮影が行われ、同様にRAWデータ形式の画像データ2004とJPEG方式の画像データ2005とが記録される。JPEG方式の画像データ2005はリンク先のサーバー1502に対して送信され、JPEG方式の画像データ2006としてサーバー1502に保存される。一方、カメラ1501では、JPEG方式の画像データ2005は送信が完了した後に削除される。
図21は、本実施形態において、図20に示した動作例の詳細を示すタイミングチャートである。
まず、S2101では、カメラ1501において、例えば、図10に示したようなユーザーの操作に応じて、アップロードリンクを生成するための接続開始コマンドを発行する。そして、S2102では、通信可能であるカメラ1501とサーバー1502との間でアップロードリンクを生成するためのネゴシエーションを実行する。この際、アップロードリンクが生成された状態で送信される画像データのデータ形式は図22に示す処理手順のように決定され、S2103でアップロードリンクを開始する。なお、図13では、カメラ1501は元々RAWデータ記録モードであり、接続処理の開始によりリンク中同時記録モードに変更されるものとする。
S2104において、ユーザーの操作に応じてカメラ1501において撮影が行われると、カメラ1501での処理は、2つの処理に分岐する。すなわち、リンク中同時記録モードに変更されたことによるデジタル現像処理であるS2105のカメラ信号処理と、S2106におけるRAWデータ形式の画像データを記録するためのRAWデータフォーマット処理とに分岐する。
カメラ信号処理された画像データを、S2107においてJPEG方式で符号化し、S2108では、リンク中同時記録モードによって、RAWデータ形式の画像データとJPEG方式の画像データとの双方の記録を行う。
S2109からリンク先のサーバー1502への送信手順が開始される。まず、S2109では、リンク先のサーバー1502に対して、JPEG方式の画像データをアップロードデータとして送信するリクエストを送信する。S2110では、リクエストに対するアップロードデータ受信許可通知を受信し、S2111において、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データをアップロードデータとして送信する。画像データの送信を完了した後は、S2112において、アップロードデータ送信完了通知を送信する。
一方、JPEG方式の画像データの送信を完了した後のS2113では、リンク中同時記録モードによって記録されたJPEG方式の画像データを消去する。
アップロードデータの受信先であるサーバー1502では、S2112のアップロードデータ送信完了通知を受信すると、S2114において、受信したJPEG方式の画像データをサーバー1502内のストレージに保存する。
以上説明したように本実施形態によれば、撮像素子固有のRAWデータ記録モードで撮影中のカメラにおいて、サーバーとのアップロードリンクを生成して使用する場合、汎用の画像フォーマットであるJPEG方式の画像データも同時に記録するようにした。これにより、高画質なRAWデータ形式の画像データを記録するとともに、汎用性のあるJPEG方式の画像データを送信してサーバーにアップロードすることが可能となる。リンク中同時記録モードによって記録されたJPEGデータは送信完了時に消去することによってユーザーにリンク中同時記録モードへの変更を意識させることなく実行可能である。
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における画像通信装置を構成する各手段、並びに画像通信方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図8、14、18、22に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバーも、本発明に含まれるものである。
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布し、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。