JP5242427B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、及びアルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる研磨パッド(粗研磨用又は仕上げ研磨用)に関する。特に、本発明の研磨パッドは、仕上げ用の研磨パッドとして好適に用いられる。
一般に、シリコンウエハ等の半導体ウエハ、レンズ、及びガラス基板などの鏡面研磨には、平坦度及び面内均一度の調整を主目的とする粗研磨と、表面粗さの改善及びスクラッチの除去を主目的とする仕上げ研磨とがある。
前記仕上げ研磨は、通常、回転可能な定盤の上に軟質な発泡ウレタンよりなるスエード調の人工皮革を貼り付け、その上にアルカリベース水溶液にコロイダルシリカを含有した研磨剤を供給しながら、ウエハを擦りつけることにより行われる(特許文献1)。
従来の仕上げ用研磨パッドは、いわゆる湿式硬化法により製造されていた。湿式硬化法とは、ウレタン樹脂をジメチルホルムアミドなどの水溶性有機溶媒に溶解させたウレタン樹脂溶液を基材上に塗布し、これを水中で処理し湿式凝固して多孔質銀面層を形成し、水洗乾燥後に該銀面層表面を研削して表面層(ナップ層)を形成する方法である。例えば、特許文献2では、平均径が1〜30μmの略球状の孔を有する仕上げ用研磨布を湿式硬化法により製造している。
しかし、従来の仕上げ用研磨パッドは、気泡が細長い構造であるため又は表面層の材料自体の機械的強度が低いため、耐久性に乏しく、平坦化特性が次第に悪化したり、研磨速度の安定性に劣るという問題があった。
一方、粗研磨に用いられる研磨パッドとしては、以下のものが提案されている。
特許文献3には、平坦性、面内均一性、研磨速度が良好であり、研磨速度の変化が少なく、さらに寿命特性に優れる研磨パッドを提供することを目的として、エチレンオキサイド単位(−CHCHO−)を有する親水性高分子量ポリオール成分とイソシアネート成分とを原料成分として含有してなる親水性イソシアネート末端プレポリマーを用いて研磨パッドを作製することが記載されている。
しかし、特許文献3に記載の研磨パッドは、親水性基であるエチレンオキサイドをポリウレタン主鎖に導入しているため、研磨中に膨潤して研磨特性が変化するおそれがある。
また、特許文献4には、研磨速度が大きく、研磨速度の変化が少なく、かつ研磨対象物の表面にスクラッチを生じさせ難い研磨パッドを提供することを目的として、ポリウレタン樹脂の分子側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を導入することが記載されている。
しかし、特許文献4では、親水性基をポリウレタン樹脂のハードセグメント部分に導入しているため、スラリーに対する研磨パッド表面の濡れ性の向上効果が不十分である。そのため、十分な研磨速度が得られない傾向にある。
さらに、近年、ウエハ1枚からできるだけ多くの半導体チップを製造するために、ウエハエッジ部まで均一に平坦化できる研磨パッドが求められている。しかしながら、上記の研磨パッドを用いた場合には、該パッドの変形によりウエハエッジ部に大きな圧力が加わり、「縁だれ」と呼ばれるエッジ部の過研磨が起こるという問題があった。
特開2003−37089号公報 特開2006−75914号公報 特開2005−68175号公報 特開2007−276061号公報
本発明は、スラリーに対する研磨パッド表面の濡れ性が優れているため、研磨速度が大きく、かつ研磨対象物のエッジ部の過研磨が起こりにくい研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材層上に研磨層が設けられている研磨パッドにおいて、
前記研磨層は、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなり、
前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分及び活性水素含有化合物を含有するウレタン組成物の反応硬化体であり、
前記活性水素含有化合物は、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含有しており、
前記活性水素含有化合物の全重量に対するカルボキシル基の含有率が0.3〜3重量%であることを特徴とする研磨パッド、に関する。
従来の仕上げ用研磨パッドは、気泡が細長い構造をしているため又は研磨層の材料自体の機械的強度が低いため、研磨層に繰り返し圧力が加わると「へたり」が生じて耐久性に乏しくなると考えられる。一方、上記のように、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体で研磨層を形成することにより、研磨層の耐久性を向上させることができる。そのため、本発明の研磨パッドを用いた場合には、長期間平坦化特性を高く維持することができ、研磨速度の安定性も向上する。ここで、略球状とは、球状及び楕円球状をいう。楕円球状の気泡とは、長径Lと短径Sの比(L/S)が5以下のものであり、好ましくは3以下、より好ましくは1.5以下である。
また、本発明者らは、ポリウレタン樹脂の分子側鎖に、かつポリウレタン樹脂のソフトセグメント部分に親水性基であるカルボキシル基を導入することにより、スラリーに対する研磨パッド表面の濡れ性が向上して研磨速度が大きくなり、また研磨対象物の中心部の研磨速度が向上してエッジ部の過研磨が相対的に小さくなることを見出した。
本発明においては、熱硬化性ポリウレタン発泡体の原料である活性水素含有化合物としてカルボキシル基含有高分子量ポリオールを用いることを特徴としており、活性水素含有化合物の全重量に対するカルボキシル基の含有率は0.3〜3重量%であることが必要である。カルボキシル基の含有率が0.3重量%未満の場合には、スラリーに対する研磨パッド表面の濡れ性が向上しないため研磨速度を大きくすることができず、また研磨対象物の中心部の研磨速度が大きくならないためエッジ部の過研磨が起こりやすくなる。一方、カルボキシル基の含有率が3重量%を超える場合には、イソシアネート成分との反応が起こりやすくなり、目的とする構造及び物性の熱硬化性ポリウレタン発泡体が得られない。
前記カルボキシル基含有高分子量ポリオールは、ラクトンモノマーとジメチロールアルカン酸との開環重合反応により得られるラクトン系高分子量ポリオールであることが好ましい。該ラクトン系高分子量ポリオールを用いることにより、スラリーによる研磨層の膨潤を抑制でき、研磨層の寸法安定性の悪化及び硬度の低下を抑制することができる。
また、本発明は、イソシアネート成分、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、基材層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整して研磨層を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法、に関する。
また、本発明は、イソシアネート成分、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物上に基材層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、熱硬化性ポリウレタン発泡体下の離型シートを剥離する工程、及び露出した熱硬化性ポリウレタン発泡体表面のスキン層を除去して研磨層を形成する工程を含む研磨パッドの製造方法、に関する。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
本発明の研磨パッドは、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体という)からなる研磨層と、基材層を含む。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができ、また機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により略球状の微細気泡を容易に形成することができるため研磨層の形成材料として好ましい材料である。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、及び活性水素含有化合物(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等)からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、カルボジイミド変性MDI(例えば、商品名ミリオネートMTL、日本ポリウレタン工業製)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はカルボジイミド変性MDIを用いることが好ましい。
本発明においては、高分子量ポリオールとして、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを用いることが必要であり、特にラクトンモノマーとジメチロールアルカン酸との開環重合反応により得られるラクトン系高分子量ポリオールを用いることが好ましい。
ラクトンモノマーとしては、例えば、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε−カプロラクトン、β,δ−ジメチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、エナントラクトン、ドデカノラクトン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で、ε−カプロラクトン系モノマーを用いることが好ましい。
ジメチロールアルカン酸としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールオクタン酸、ジメチロールノナン酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。
前記ラクトン系高分子量ポリオールは、ラクトンモノマーの開環重合に用いられる有機スズ系触媒などを用いて公知の方法で合成することができる。なお、カルボキシル基は、イソシアネート基と反応しないように事前に適当な塩基性化合物(アミンなど)を用いて中和しておいてもよい。
前記ラクトン系高分子量ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、反応性、相溶性、及びポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましく、より好ましくは500〜1500である。
前記ラクトン系高分子量ポリオールは、反応性及び研磨パッド表面の濡れ性の観点から、全活性水素含有化合物中に3〜40重量%含有させることが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。
また、本発明においては、活性水素含有化合物の全重量に対するカルボキシル基(ただし、カルボキシル基が中和されて塩になっている場合には、カルボキシル基に変換して算出する。)の含有率が0.3〜3重量%になるように調整することが必要である。カルボキシル基の含有率は、0.4〜2.7重量%であることが好ましい。
本発明においては、前記ラクトン系高分子量ポリオールと共に、ポリカプロラクトンポリオールを用いることが好ましい。ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、及びポリカプロラクトンテトラオールなどが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、架橋により研磨パッドの強度を高くできるポリカプロラクトントリオールを用いることが好ましい。ポリカプロラクトンポリオールは、全活性水素基含有化合物中に10〜70重量%用いることが好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。
他の高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールと共に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、水酸基価が400〜1830mgKOH/gの低分子量ポリオール及び/又はアミン価が400〜1870mgKOH/gの低分子量ポリアミンを用いることが好ましい。水酸基価は900〜1500mgKOH/gであることがより好ましく、アミン価は400〜950mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が400mgKOH/g未満又はアミン価が400mgKOH/g未満の場合には、連続気泡化の向上効果が十分に得られない傾向にある。一方、水酸基価が1830mgKOH/gを超える場合又はアミン価が1870mgKOH/gを超える場合には、ウエハ表面にスクラッチが発生しやすくなる傾向にある。特に、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、又はトリメチロールプロパンを用いることが好ましい。
低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン及びアルコールアミンは、全活性水素含有化合物中に合計で30重量%以下含有させることが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。上記低分子量ポリオール等を特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡を形成しやすくなるだけでなく、ポリウレタン発泡体の機械的特性が良好になる。
イソシアネート成分、活性水素含有化合物の比は、各々の分子量やポリウレタン発泡体の所望物性などにより種々変え得る。所望する特性を有する発泡体を得るためには、活性水素含有化合物の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重、硬度、及び圧縮率などが得られない傾向にある。
ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
本発明において、ポリウレタン発泡体はワンショット法により製造する。具体的には、本発明の研磨層の形成材料であるポリウレタン発泡体は、シリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により製造できる。
特に、ポリアルキルシロキサン、又はアルキルシロキサンとポリエーテルアルキルシロキサンとの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192及びL−5340(東レダウコーニングシリコーン社製)、B8443、B8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。
シリコン系界面活性剤は、ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
研磨層を構成するポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)イソシアネート成分を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、シリコン系界面活性剤を添加した成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に残りの成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
(2)イソシアネート成分を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、前記第1成分及び第2成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製する。
また、気泡分散ウレタン組成物は、メカニカルフロス法で調製してもよい。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッドの混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の比重を調整することができるため好ましい方法である。また、略球状の微細気泡を有するポリウレタン発泡体を連続成形することができるため製造効率がよい。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にして分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、メカニカルフロス発泡機などが例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。目的とするポリウレタン発泡体を得るためには、撹拌翼の回転数は500〜2000rpmであることが好ましく、より好ましくは800〜1500rpmである。また、撹拌時間は目的とする比重に応じて適宜調整する。
なお、発泡工程において気泡分散液を調製する撹拌と、第1成分と第2成分を混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。気泡分散液を調製する発泡工程と各成分を混合する混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
その後、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物を硬化させて、基材層上に直接ポリウレタン発泡体(研磨層)を形成する。
基材層は特に制限されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体を用いることが好ましい。また、基材層として両面テープ、片面粘着テープ(片面の粘着層はプラテンに貼り合わせるためのもの)を用いてもよい。
基材層は、研磨パッドに靭性を付与するためにポリウレタン発泡体と同等の硬さ、もしくはより硬いことが好ましい。また、基材層(両面テープ及び片面粘着テープの場合は基材)の厚さは特に制限されないが、強度、可とう性等の観点から20〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜800μmである。
気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロールコーター、スロット、ファンテンなどのダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーターなどの塗布方法を採用することができるが、基材層上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布して流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱し、ポストキュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。ポストキュアは、30〜80℃で10分〜6時間行うことが好ましく、また常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン発泡体の製造において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類や添加量は、各成分の混合工程後、基材層上に塗布するための流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、機械撹拌するバッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して機械撹拌し、気泡分散ウレタン組成物を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、基材層上にポリウレタン発泡体を形成した後又はポリウレタン発泡体を形成するのと同時に、ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整しておくことが好ましい。ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整する方法は特に制限されないが、例えば、研磨材でバフがけする方法、プレス板でプレスする方法などが挙げられる。
また、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を基材層上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物上に離型シートを積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体を形成してもよい。
一方、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物上に基材層を積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体を形成してもよい。
離型シートの形成材料は特に制限されず、一般的な樹脂や紙などを挙げることができる。離型シートは、熱による寸法変化が小さいものが好ましい。なお、離型シートの表面は離型処理が施されていてもよい。
基材層、気泡分散ウレタン組成物(気泡分散ウレタン層)、及び離型シートからなるサンドイッチシートの厚さを均一にする押圧手段は特に制限されないが、例えば、コーターロール、ニップロールなどにより一定厚さに圧縮する方法が挙げられる。圧縮後に発泡体中の気泡が1.2〜2倍程度大きくなることを考慮して、圧縮に際しては、(コーター又はニップのクリアランス)−(基材層及び離型シートの厚み)=(硬化後のポリウレタン発泡体の厚みの50〜85%)とすることが好ましい。
そして、前記サンドイッチシートの厚さを均一にした後に、流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱し、ポストキュアして研磨層を形成する。ポストキュアの条件は前記と同様である。
その後、ポリウレタン発泡体の上面側又は下面側の離型シートを剥離して研磨パッドを得る。この場合、ポリウレタン発泡体上にはスキン層が形成されているため、バフがけ、スライス等することによりスキン層を除去する。また、研磨層の厚みを調整するために所定厚さにスライスしてもよい。また、上記のように機械発泡法によりポリウレタン発泡体を形成した場合、気泡のバラツキは、ポリウレタン発泡体の上面側よりも下面側の方が小さい。したがって、下面側の離型シートを剥離してポリウレタン発泡体の下面側を研磨表面にした場合には、気泡のバラツキが小さい研磨表面となるため研磨速度の安定性がより向上する。
また、基材層上に直接ポリウレタン発泡体(研磨層)を形成せずに、研磨層を形成した後に両面テープ等を用いて基材層に貼り合わせてもよい。
本発明の研磨パッドの形状は特に制限されず、長さ数m程度の長尺状であってもよく、直径数十cmのラウンド状でもよい。
前記方法で作製された研磨層は連続気泡構造を有しており、連続気泡の平均気泡径は 35〜200μm程度であり、好ましくは40〜100μmである。
前記連続気泡の平均気泡径が35μm未満の場合には、研磨屑(特に、パッド屑)が堆積し、気泡がスラリー保持という役割を十分に果たせなくなる傾向にある。一方、平均気泡径が200μmを超える場合には、研磨後の研磨対象物の表面粗さが大きくなったり、研磨層に繰り返し圧力が加わった際に「へたり」が生じやすくなり、耐久性に乏しくなるため好ましくない。
研磨層の比重は、0.3〜0.7であることが好ましく、より好ましくは0.35〜0.6である。比重が0.3未満の場合には、研磨層の耐久性が低下する傾向にある。また、0.7より大きい場合は、ある一定の弾性率にするために材料を低架橋密度にする必要がある。その場合、永久歪が増大し、耐久性が悪くなる傾向にある。
研磨層の硬度は、アスカーA硬度計にて、10〜95度であることが好ましく、より好ましくは40〜90度である。アスカーA硬度が10度未満の場合には、研磨層の耐久性が低下したり、研磨後の研磨対象物の表面平滑性が悪くなる傾向にある。一方、95度を超える場合は、研磨対象物の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
研磨層の表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有していてもよい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また研磨対象物との吸着による研磨対象物の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.2〜2mm程度であり、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。
半導体ウエハ、レンズ、及びガラス板などの研磨対象物4の研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、研磨対象物4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と研磨対象物4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、研磨対象物4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ研磨対象物4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。これにより研磨対象物4の表面の表面粗さが改善され、スクラッチが除去される。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くカミソリ刃で平行に切り出したものをサンプルとした。サンプルをスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全連続気泡の気泡径(直径)を測定し、平均気泡径を算出した。ただし、楕円状の気泡の場合は、その面積を円の面積に換算し、円相当径を気泡径とした。
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度の測定)
JIS K−7312に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を5cm×5cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーA型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから60秒後の硬度を測定した。
(伸び率の測定)
表1記載の配合にて無発泡ポリウレタン(ソリッド)をそれぞれ作製し、縦50mm×横20mm×厚さ2mmのサンプルをそれぞれ切り出した。各サンプルを23℃の水に1週間漬け、その後サンプルを取り出して縦の長さ(L)を測定した。伸び率は下記式により算出した。
伸び率(%)={(L−50)/50}×100
(ぬれ張力の測定)
JIS K−6768に準拠して行った。バフ処理後のポリウレタン発泡体の表面に試薬(和光純薬工業製、ぬれ張力試験用混合液)を滴下して測定した。ぬれ張力(mN/m)が大きいほど表面濡れ性に優れている。
(研磨速度の測定)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドの研磨速度を測定した。ガラス板100枚目の研磨速度を表2に示す。研磨条件は以下の通りである。
ガラス板:6インチφ、厚さ1.1mm(光学ガラス、BK7)
スラリー:セリアスラリー(昭和電工GPL C1010)
スラリー量:100ml/min
研磨加工圧力:10kPa
研磨定盤回転数:55rpm
ガラス板回転数:50rpm
研磨時間:10min/枚
研磨したガラス板枚数:100枚
研磨速度の算出方法は以下の通りである。
研磨速度(Å/min)=〔研磨前後のガラス板の重量変化量[g]/(ガラス板密度[g/cm]×ガラス板の研磨面積[cm]×研磨時間[min])〕×10
(縁ダレの評価)
ZYGO社製のNew View6300を用いて、レンズ倍率2.5、ズーム倍率0.5の条件で、前記研磨終了後の100枚目のガラス板の外周部(ガラス板の中心から61mm〜66mmの領域)を測定した。ガラス板の中心から61.5mm、62.5mm、及び65.1mmの点を順にA点、B点、及びC点とし、A点とB点を結ぶ延長線がC点における厚み方向の直線と交差する点をD点とし、C点とD点の距離を縁ダレ(nm)とした。この値が小さいほど縁ダレが改善したと言える。
実施例1
容器に、ε−カプロラクトンとジメチロールブタン酸との開環重合反応により得られるラクトン系ポリオール(ダイセル化学製、PCL205BA、数平均分子量:500)10重量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学製、PTMG1000、官能基数:2、水酸基価:112mgKOH/g)20重量部、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学製、PCL305、官能基数:3、水酸基価:305mgKOH/g)55重量部、ジプロピレングリコール(DPG、官能基数:2、水酸基価:835mgKOH/g)15重量部、及びシリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8443)3重量部を入れて混合した。そして、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン製)95.77重量部を添加し、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。
調製した気泡分散ウレタン組成物を、離型処理した離型シート(東洋紡績製、ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.1mm)上に塗布して気泡分散ウレタン層を形成した。そして、該気泡分散ウレタン層上に基材層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.2mm)を被せた。ニップロールにて気泡分散ウレタン層を1.2mmの厚さにし、その後70℃で3時間キュアしてポリウレタン発泡体(連続気泡構造)を形成した。その後、ポリウレタン発泡体から離型シートを剥離した。次に、バンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてポリウレタン発泡体の表面をスライスして厚さを1.0mmにし、バフ処理(#120)により厚み精度を調整した。その後、基材層表面にラミ機を使用して両面テープ(ダブルタックテープ、積水化学工業製)を貼りあわせて研磨パッドを作製した。
実施例2〜7、比較例1〜4
表1記載の配合で実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。なお、表1中の化合物は以下のとおりである。
・PCL210BA(ダイセル化学製、ε−カプロラクトンとジメチロールブタン酸との開環重合反応により得られるラクトン系ポリオール、数平均分子量:1000)
・PCL205(ダイセル化学製、ポリカプロラクトンジオール、官能基数:2、水酸基価:212mgKOH/g)
・PCL210N(ダイセル化学製、ポリカプロラクトンジオール、官能基数:2、水酸基価:110mgKOH/g)
・PEG1000(第一工業製薬製、ポリエチレングリコール、数平均分子量:1000)
・DEG(ジエチレングリコール、官能基数:2、水酸基価:1057mgKOH/g)
・No.25(花王製、カオーライザーNo.25、触媒)
比較例5
反応容器にポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製、PTMG−1000、数平均分子量1018)543重量部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(日本化成社製、DMBA)16重量部、及びジエチレングリコール(DEG)45重量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を約1時間行った。その後、反応容器内を窒素置換した。そして、反応容器にトルエンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TDI−80、2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)278重量部、及びイソホロンジイソシアネート(degussa社製、IPDI)118重量部を添加した。そして、反応系内の温度を約80℃に保持しつつ約4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成した。その後、トリエチルアミン11重量部を加えてイソシアネート末端プレポリマーのカルボキシル基を完全に中和した。
前記プレポリマー100重量部、及びシリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8443)3重量部を混合し、60℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加し、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。その後、実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
Figure 0005242427
Figure 0005242427
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:研磨対象物(半導体ウエハ、レンズ、ガラス板)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (3)

  1. 基材層上に研磨層が設けられている研磨パッドにおいて、
    前記研磨層は、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体からなり、
    前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分及び活性水素含有化合物を含有するウレタン組成物の反応硬化体であり、
    前記活性水素含有化合物は、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含有しており、
    前記カルボキシル基含有高分子量ポリオールは、ラクトンモノマーとジメチロールアルカン酸との開環重合反応により得られるラクトン系高分子量ポリオールであり、
    前記活性水素含有化合物の全重量に対するカルボキシル基の含有率が0.3〜3重量%であることを特徴とする研磨パッド。
  2. イソシアネート成分、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、基材層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整して研磨層を形成する工程を含み、
    前記カルボキシル基含有高分子量ポリオールは、ラクトンモノマーとジメチロールアルカン酸との開環重合反応により得られるラクトン系高分子量ポリオールである研磨パッドの製造方法。
  3. イソシアネート成分、カルボキシル基含有高分子量ポリオールを含む活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物上に基材層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより、略球状の連続気泡を有する熱硬化性ポリウレタン発泡体を形成する工程、熱硬化性ポリウレタン発泡体下の離型シートを剥離する工程、及び露出した熱硬化性ポリウレタン発泡体表面のスキン層を除去して研磨層を形成する工程を含み、
    前記カルボキシル基含有高分子量ポリオールは、ラクトンモノマーとジメチロールアルカン酸との開環重合反応により得られるラクトン系高分子量ポリオールである研磨パッドの製造方法。
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