JP2011235426A - 研磨パッド - Google Patents

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信吉 石坂
Masato Doura
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Abstract

【課題】 研磨速度が低下しにくく、かつスクラッチの発生を抑制できる研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 開口を有する略球状の連続気泡を含む熱硬化性ポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、連続気泡率が55%以上であり、前記開口の平均開口径は、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きくなっており、前記研磨層の研磨裏面には、スラリー排出溝が設けられていることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図1

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、及びアルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる研磨パッドに関する。特に、本発明の研磨パッドは、仕上げ用の研磨パッドとして好適に用いられる。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
上記スラリーの使用量を削減し、コストを低減することを目的として、回転可能なターンテーブルと、前記ターンテーブル上に配設された研磨布と、前記研磨布の表面上にスラリを供給するスラリ供給管と、前記研磨布の表面に被研磨対象物を押圧して前記被研磨対象物を研磨する研磨手段と、を備え、前記研磨布は、供給された前記スラリを一旦内部に蓄積し、前記研磨手段により押圧されて蓄積した前記スラリを排出することで、前記被研磨対象物の表面に供給することを特徴とする研磨装置が提案されている(特許文献1)。
一方、シリコンウエハ等の半導体ウエハの鏡面研磨には、平坦度及び面内均一度の調整を主目的とする粗研磨と、表面粗さの改善及びスクラッチの除去を主目的とする仕上げ研磨とがある。
仕上げ研磨に用いられる仕上げ用研磨パッドとしては、例えば以下のような研磨パッドが提案されている。
略球状の連続気泡を有するポリウレタン発泡層が基材層に自己接着している研磨パッドであって、ポリウレタン発泡層を厚み方向に4等分した各直線を研磨表面側から基材層方向に向かって第1直線、第2直線及び第3直線としたとき、第1直線の気泡径分布(気泡径最大値/気泡径最小値)が最も小さく、第3直線の気泡径分布が最も大きいことを特徴とする研磨パッドが提案されている(特許文献2)。
基材層上に研磨層が設けられている研磨パッドにおいて、前記研磨層は、開口を有する略球状の連続気泡を含む熱硬化性ポリウレタン発泡体からなり、前記研磨層は、研磨層断面における連続気泡の開口の平均開口径Aが20〜40μm、研磨層表面における連続気泡の開口の平均開口径Bが10〜30μm、かつ平均開口径Aは平均開口径Bより大きい連続気泡構造を有することを特徴とする研磨パッドが提案されている(特許文献3)。
特許文献2及び3のような、開口を有する略球状の連続気泡を含むポリウレタン発泡体からなる研磨層を用いた場合、スラリー中の砥粒や研磨屑が連続気泡内に詰まり、それにより研磨速度が低下したり、被研磨材の表面にスクラッチが発生するおそれがある。
特開2005−123232号公報 特許第4261586号明細書 特開2009−214272号公報
本発明は、研磨速度が低下しにくく、かつスクラッチの発生を抑制できる研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、開口を有する略球状の連続気泡を含む熱硬化性ポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、連続気泡率が55%以上であり、前記開口の平均開口径は、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きくなっており、前記研磨層の研磨裏面には、スラリー排出溝が設けられていることを特徴とする研磨パッド、に関する。
本発明の研磨層は、連続気泡の開口の平均開口径が、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きい特徴的な気泡構造を有している。研磨層の研磨表面側の連続気泡は、開口径が十分小さいためスラリー中の砥粒を保持しやすく、それにより高い研磨速度を維持できる。スラリー中の砥粒又は研磨屑は、研磨層の研磨表面側の連続気泡内に一時的に保持されるが、研磨操作中に研磨層は圧縮−回復状態を繰り返すため、その動きにより次第に研磨裏面側の連続気泡内へと移動する。その際、連続気泡の開口の平均開口径は、研磨表面側よりも研磨裏面側が大きくなっているため、砥粒又は研磨屑は連続気泡内に詰まることなくスムーズに研磨裏面側の連続気泡内へと移動する。そして、研磨層の研磨裏面には、スラリー排出溝が設けられているため、研磨裏面側の連続気泡内へと移動した砥粒又は研磨屑は、スラリー排出溝を伝わって外部に効率的に排出される。
研磨層の形成材料である熱硬化性ポリウレタン発泡体は、連続気泡率が55%以上であることが必要である。連続気泡率が55%未満の場合には、独立気泡が多くなり、連続気泡同士の連通性が阻害されるため、連続気泡の開口を介して研磨表面側から研磨裏面側へ砥粒又は研磨屑が移動しにくくなる。
研磨表面側の前記開口の平均開口径は5〜20μmであり、研磨裏面側の前記開口の平均開口径は25〜100μmであることが好ましい。
通常、スラリー中の砥粒の凝集粒径は1〜数μm程度であるため、研磨表面側の開口の平均開口径が5μm未満の場合には、砥粒が連続気泡内に詰まりやすく、砥粒の更新が起こりにくくなるため、研磨速度が低下したり、スクラッチが発生しやすくなる傾向にある。一方、研磨表面側の開口の平均開口径が20μmを超える場合には、連続気泡内に砥粒を保持しにくくなるため研磨速度が低下する傾向にある。
研磨裏面側の開口の平均開口径が25μm未満の場合には、研磨裏面側の連続気泡内へ移動した砥粒又は研磨屑が、スラリー排出溝を伝わって外部に効率的に排出されにくくなる傾向にある。一方、研磨裏面側の開口の平均開口径が100μmを超える場合には、連続気泡が大きくなりすぎて研磨層の剛性が低下するため平坦化特性等の研磨特性が低下する傾向にある。
スラリー排出溝の合計表面積は、研磨裏面の表面積の10〜30%であることが好ましい。10%未満の場合には、研磨裏面側の連続気泡内へ移動した砥粒又は研磨屑が、外部に排出されにくくなり、連続気泡内に詰まりやすくなる傾向にある。30%を超える場合には、研磨層を接着剤層を介して基材層又はクッション層に貼り合せる場合に、研磨層と接着剤層との接着面積が少なくなるため剥がれが生じやすくなる傾向にある。
また、本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドは、研磨層の連続気泡率が55%以上であり、連続気泡の開口の平均開口径が、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きい特徴的な気泡構造を有しているため、スラリー中の砥粒又は研磨屑が連続気泡内に詰まることがなく効率的に外部に排出することができる。そのため、研磨速度が低下しにくく、スクラッチの発生を効果的に防止することができる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 実施例1における研磨パッドの断面の顕微鏡写真(SEM写真) 比較例3における研磨パッドの断面の顕微鏡写真(SEM写真)
本発明の研磨パッドは、開口を有する略球状の連続気泡を含む熱硬化性ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体という)からなる研磨層を有しており、前記開口の平均開口径は、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きくなっており、研磨層の研磨裏面には、スラリー排出溝が設けられている。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができ、また機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により略球状の微細気泡を容易に形成することができるため研磨層の形成材料として好ましい材料である。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、及び活性水素含有化合物(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン、鎖延長剤等)からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、カルボジイミド変性MDI(例えば、商品名ミリオネートMTL、日本ポリウレタン工業製)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はカルボジイミド変性MDIを用いることが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子量ポリオールは、水酸基価が30〜400mgKOH/gであることが好ましい。また、前記高分子量ポリオールは、全活性水素含有化合物中に80〜95重量%含有させることが好ましく、より好ましくは85〜95重量%である。前記高分子量ポリオールを特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡構造を形成しやすくなる。
また、上記高分子量ポリオールのうち、水酸基価が150〜400mgKOH/gの多官能ポリオールを用いることが好ましい。水酸基価は150〜350mgKOH/gであることがより好ましい。また、多官能ポリオールはポリカプロラクトントリオールであることがより好ましい。水酸基価が150mgKOH/g未満の場合には、ポリウレタンのハードセグメント量が少なくなって耐久性が低下する傾向にあり、400mgKOH/gを超える場合には、ポリウレタン発泡体の架橋度が高くなりすぎて脆くなる傾向にある。
水酸基価が150〜400mgKOH/gの多官能ポリオールは、全活性水素含有化合物中に20〜70重量%含有させることが好ましく、より好ましくは25〜60重量%である。前記多官能ポリオールを特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡構造を形成しやすくなる。
また、水酸基価が150〜400mgKOH/gの多官能ポリオールと共に、水酸基価が30〜250mgKOH/gの2官能ポリオールを用いることが好ましい。2官能ポリオールの水酸基価は50〜150mgKOH/gであることがより好ましい。
水酸基価が30〜250mgKOH/gの2官能ポリオールは、全活性水素含有化合物中に20〜70重量%含有させることが好ましく、より好ましくは30〜65重量%である。前記2官能ポリオールを特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡構造を形成しやすくなる。
高分子量ポリオールと共に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、低分子量ポリオールとして1,2−プロピレングリコールなどの第二級アルコールを使用すると独立気泡率が高くなる傾向にあるので使用しないことが好ましい。
これらのうち、水酸基価が400〜1830mgKOH/gの低分子量ポリオール及び/又はアミン価が400〜1870mgKOH/gの低分子量ポリアミンを用いることが好ましい。水酸基価は900〜1500mgKOH/gであることがより好ましく、アミン価は400〜950mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が400mgKOH/g未満又はアミン価が400mgKOH/g未満の場合には、連続気泡化の向上効果が十分に得られない傾向にある。一方、水酸基価が1830mgKOH/gを超える場合又はアミン価が1870mgKOH/gを超える場合には、ウエハ表面にスクラッチが発生しやすくなる傾向にある。特に、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、又はトリメチロールプロパンを用いることが好ましい。
低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン及びアルコールアミンは、全活性水素含有化合物中に合計で5〜20重量%含有させることが好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。上記低分子量ポリオール等を特定量用いることにより気泡膜が破れやすくなり、連続気泡を形成しやすくなるだけでなく、ポリウレタン発泡体の機械的特性が良好になる。
ポリウレタン樹脂をプレポリマー法により製造する場合において、イソシアネート末端プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミン等を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、活性水素含有化合物の比は、各々の分子量やポリウレタン発泡体の所望物性などにより種々変え得る。所望する特性を有する発泡体を得るためには、活性水素含有化合物の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重、硬度、及び圧縮率などが得られない傾向にある。
ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能である。
前記ポリウレタン樹脂の製造は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分を混合して硬化させるものである。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、イソシアネート成分がイソシアネート基含有化合物となり、ポリオール成分及び鎖延長剤が活性水素含有化合物となる。
本発明の研磨層の形成材料であるポリウレタン発泡体は、シリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により作製できる。
特に、ポリアルキルシロキサン、又はアルキルシロキサンとポリエーテルアルキルシロキサンとの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192及びL−5340(東レダウコーニングシリコーン社製)、B8443、B8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。
シリコン系界面活性剤は、ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
研磨層を構成するポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)イソシアネート成分及び高分子量ポリオールなどを反応させてなるイソシアネート末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加した第1成分を、非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に鎖延長剤を含む第2成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。第2成分には、適宜触媒を添加してもよい。
(2)イソシアネート成分(又はイソシアネート末端プレポリマー)を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、シリコン系界面活性剤を添加した成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に残りの成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
(3)イソシアネート成分(又はイソシアネート末端プレポリマー)を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤を添加し、前記第1成分及び第2成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製する。
また、気泡分散ウレタン組成物は、メカニカルフロス法で調製してもよい。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッドの混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の比重を調整することができるため好ましい方法である。また、略球状の微細気泡を有するポリウレタン発泡体を連続成形することができるため製造効率がよい。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にして分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、メカニカルフロス発泡機などが例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
通常、連続気泡の気泡径が大きくなれば、開口の開口径も大きくなる。そのため、開口径の大きさに分布を持たせるためには、気泡径の大きさに分布を持たせればよい。目的とする気泡径分布及び開口径分布を得るために、撹拌翼の回転数は500〜1500rpmに調整することが好ましい。また、撹拌時間は目的とする比重などに応じて適宜調整する必要があるが、例えば2軸ミキサーを用いて気泡分散液を調製する場合、撹拌時間は2〜8分程度であり、好ましくは3〜5分である。
なお、発泡工程において気泡分散液を調製する撹拌と、第1成分と第2成分を混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。気泡分散液を調製する発泡工程と各成分を混合する混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
その後、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体(研磨層)を形成する。
気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布した場合、大きい気泡ほど浮力により上方に移動する。それにより、気泡分散ウレタン組成物の厚さ方向で気泡径分布及び開口径分布が生じる。
また、気泡分散ウレタン組成物を硬化させる際に、気泡分散ウレタン組成物の塗膜の上面と下面とに温度差をつけることにより、顕著な気泡径分布及び開口径分布を生じさせることができる。具体的には、成型ライン下面を空冷などして冷却し、ライン上面を加熱することにより塗膜内で温度勾配が生じ、それにより気泡径分布及び開口径分布が顕著になる。
離型シートの形成材料は特に制限されず、一般的な樹脂や紙などを挙げることができる。離型シートは、熱による寸法変化が小さいものが好ましい。なお、離型シートの表面は離型処理が施されていてもよい。
気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロールコーター、スロット、ファンテンなどのダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーターなどの塗布方法を採用することができるが、離型シート上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布して流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱し、ポストキュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。ポストキュアは、30〜80℃で10分〜6時間行うことが好ましく、また常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン発泡体の製造において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類や添加量は、各成分の混合工程後、基材層上に塗布するための流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、機械撹拌するバッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して機械撹拌し、気泡分散ウレタン組成物を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、離型シート上にポリウレタン発泡体を形成した後又はポリウレタン発泡体を形成するのと同時に、ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整しておくことが好ましい。ポリウレタン発泡体の厚さを均一に調整する方法は特に制限されないが、例えば、研磨材でバフがけする方法、プレス板又はロールでプレスする方法などが挙げられる。
その後、ポリウレタン発泡体から離型シートを剥離する。離型シートを剥離したポリウレタン発泡体表面にはスキン層が形成されているため、バフがけ、スライス等することによりスキン層を除去する。また、ポリウレタン発泡体の厚みを調整するために所定厚さにスライスしてもよい。
作製したポリウレタン発泡体は、開口を有する略球状の連続気泡を含み、連続気泡の気泡径及び開口の開口径が一方の面側より他方の面側が大きい特徴的な構造を有しており、さらに詳しくは一方の面から他面に向って連続気泡の気泡径及び開口の開口径が次第に大きくなる特徴的な構造を有している。当該ポリウレタン発泡体を研磨層として用いる場合には、気泡径及び開口径が小さい面を研磨表面側とし、気泡径及び開口径が大きい面を研磨裏面側とする。
研磨表面側の開口の平均開口径は5〜20μmであることが好ましく、より好ましくは10〜20μmである。研磨裏面側の開口の平均開口径は25〜100μmであることが好ましく、より好ましくは25〜90μmである。
研磨表面側の連続気泡の平均気泡径は30〜100μmであることが好ましく、より好ましくは40〜80μmである。研磨裏面側の連続気泡の平均気泡径は80〜500μmであることが好ましく、より好ましくは90〜350μmである。
ポリウレタン発泡体の連続気泡率は55%以上であることが必要であり、好ましくは60%以上である。
ポリウレタン発泡体の比重は、0.3〜0.8であることが好ましい。比重が0.3未満の場合には、研磨層の耐久性が低下する傾向にある。また、0.8より大きい場合は、ある一定の弾性率にするために材料を低架橋密度にする必要がある。その場合、永久歪が増大し、耐久性が悪くなる傾向にある。
ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーC硬度計にて、40〜90度であることが好ましく、より好ましくは50〜90度である。アスカーC硬度が40度未満の場合には、研磨層の耐久性が低下したり、研磨後の被研磨材の表面平滑性が悪くなる傾向にある。一方、90度を超える場合は、被研磨材の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
ポリウレタン発泡体の厚さは特に制限されないが、通常0.2〜2mm程度であり、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
ポリウレタン発泡体の形状は特に制限されず、長さ5〜10m程度の長尺状であってもよく、直径50〜150cm程度の円形状でもよい。
その後、研磨層の研磨裏面に、スラリー排出溝を形成する。スラリー排出溝の形状は特に制限されず、例えば、直線状、平行線状、XY格子状、同心円状、螺旋状、偏心円状、放射状、及びこれらの形状を組み合わせたものが挙げられる。ただし、研磨時の回転遠心力によりスラリー及び研磨屑を外部に排出するために、少なくとも1箇所において研磨層の外周端までスラリー排出溝が達していることが必要である。スラリー及び研磨屑の排出性を考慮すると、5箇所以上で研磨層の外周端まで排出溝が達していることが好ましく、より好ましくは10箇所以上である。スラリー及び研磨屑の排出性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝幅、溝ピッチ、溝深さ等を変化させることも可能である。通常、溝幅は2〜5mm程度であり、溝ピッチは20〜50mm程度であり、溝深さは研磨層の厚さの5〜20%程度である。研磨層の研磨裏面側に両面テープが設けられている場合には、研磨層だけでなく両面テープにもスラリー排出溝を形成してもよい。
スラリー排出溝の形成方法は特に制限されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし形成する方法、フォトリソグラフィを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、炭酸ガスレーザーなどのレーザー光を用いて分解除去して形成する方法などが挙げられる。
スラリー排出溝の合計表面積は、研磨裏面の表面積の10〜30%であることが好ましく、より好ましくは10〜15%である。
一方、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物上に基材層又は離型シートを積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体(研磨層)を形成してもよい。
基材層は特に制限されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体を用いることが好ましい。また、基材層として両面テープ、片面粘着テープ(片面の粘着層はプラテンに貼り合わせるためのもの)を用いてもよい。
基材層は、研磨パッドに靭性を付与するためにポリウレタン発泡体と同等の硬さ、もしくはより硬いことが好ましい。また、基材層(両面テープ及び片面粘着テープの場合は基材)の厚さは特に制限されないが、強度、可とう性等の観点から20〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜800μmである。
離型シートと、気泡分散ウレタン組成物(気泡分散ウレタン層)と、基材層又は離型シートとからなるサンドイッチシートの厚さを均一にする押圧手段は特に制限されないが、例えば、コーターロール、ニップロールなどにより一定厚さに圧縮する方法が挙げられる。
そして、前記サンドイッチシートの厚さを均一にした後に、流動しなくなるまで反応したポリウレタン発泡体を加熱、ポストキュアする。ポストキュアの条件等は前記と同様である。
その後、離型シートを剥離する。離型シートを剥離したポリウレタン発泡体表面にはスキン層が形成されているため、バフがけ、スライス等することによりスキン層を除去する。また、ポリウレタン発泡体の厚みを調整するために所定厚さにスライスしてもよい。
基材層上に一体形成されたポリウレタン発泡体(研磨層)は、開口を有する略球状の連続気泡を含み、連続気泡の気泡径及び開口の開口径は、基材層側(研磨裏面側)の方が他面側(研磨表面側)よりも大きい特徴的な構造を有しており、さらに詳しくは基材層側(研磨裏面側)から他面側(研磨表面側)に向って連続気泡の気泡径及び開口の開口径が次第に小さくなる特徴的な構造を有している。ポリウレタン発泡体のその他の構造的特徴は上記と同様である。
基材層とポリウレタン発泡体(研磨層)との積層体を研磨パッドとして用いる場合には、基材層側にスラリー排出溝を形成する。ただし、スラリー排出溝は基材層だけでなく、研磨層にも形成されていることが必要である。研磨層に形成されるスラリー排出溝の溝深さは研磨層の厚さの5〜20%程度である。スラリー排出溝の形状、形成方法、及び合計表面積は上記と同様である。
一方、研磨層の研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有していてもよい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの気泡を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
本発明の研磨パッドは、研磨層のみで構成されていてもよく、基材層と研磨層との積層体であってもよく、研磨層又は前記積層体の片面にクッション層を貼り合わせたものであってもよい。
クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
クッション層を貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層とを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
また、本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の表面粗さが改善され、スクラッチが除去される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。また、レンズやハードディスク用のガラス基板も前記と同様の方法で仕上げ研磨することができる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径の測定)
作製したポリウレタン発泡体の断面をSEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。ポリウレタン発泡体断面の研磨表面側から厚さ方向へ250μmの位置における任意の横幅1mmの範囲内に存在する全ての連続気泡の気泡径を測定し、その平均値を研磨表面側の連続気泡の平均気泡径とした。また、ポリウレタン発泡体断面の研磨裏面側から厚さ方向へ250μmの位置における任意の横幅1mmの範囲内に存在する全ての連続気泡の気泡径を測定し、その平均値を研磨裏面側の連続気泡の平均気泡径とした。
(平均開口径の測定)
作製したポリウレタン発泡体の断面をSEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。ポリウレタン発泡体断面の研磨表面側から厚さ方向へ250μmの位置における任意の横幅1mmの範囲内に存在する全ての連続気泡の開口径を測定し、その平均値を研磨表面側の連続気泡の平均開口径とした。また、ポリウレタン発泡体断面の研磨裏面側から厚さ方向へ250μmの位置における任意の横幅1mmの範囲内に存在する全ての連続気泡の開口径を測定し、その平均値を研磨裏面側の連続気泡の平均開口径とした。
(連続気泡率の測定)
連続気泡率はASTM−2856−94−C法に準拠して測定した。ただし、円形に打ち抜いたポリウレタン発泡体を10枚重ねたものを測定サンプルとした。測定器は、空気比較式比重計930型(ベックマン株式会社製)を用いた。連続気泡率は下記式により算出した。
連続気泡率(%)=〔(V−V1)/V〕×100
V:サンプル寸法から算出した見かけ容積(cm
V1:空気比較式比重計を用いて測定したサンプルの容積(cm
(比重の測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状に切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度の測定)
JIS K−7312に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を5cm×5cmの大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーC型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから60秒後の硬度を測定した。
(研磨速度安定性の評価)
研磨装置として9B両面研磨機(スピードファム社製)を用い、作製した研磨パッドの研磨速度安定性の評価を行った。評価結果を表1に示す。研磨条件は以下の通りである。
ガラス板:オハラ社製、TS−10SX、2.5インチ、厚さ0.8mm
スラリー:セリアスラリー(昭和電工社製、SHOROX A−10)を水に添加し混合して比重を1.06〜1.09に調製したもの
スラリー供給量:4L/min
研磨加工圧力:100g/cm
研磨定盤回転数:50rpm
研磨時間:60min/枚
研磨したガラス板枚数:500枚
まず、研磨したガラス板1枚ごとの研磨速度(Å/min)を算出する。算出方法は以下の通りである。
研磨速度=〔研磨前後のガラス板の重量変化量[g]/(ガラス板密度[g/cm]×ガラス板の研磨面積[cm]×研磨時間[min])〕×10
研磨速度安定性(%)は、ガラス板1枚目から100枚目までにおける最大研磨速度、最小研磨速度、及び全平均研磨速度(1枚目から100枚目までの各研磨速度の平均値)を求めて、その値を下記式に代入することにより算出する。同様に、ガラス板1枚目から500枚目までにおける最大研磨速度、最小研磨速度、及び全平均研磨速度(1枚目から500枚目までの各研磨速度の平均値)を求めて、その値を下記式に代入することにより算出する。研磨速度安定性(%)は数値が低いほど、多数のガラス板を研磨しても研磨速度が変化しにくいことを示す。本発明においては、500枚処理した後の研磨速度安定性が10%以内であることが好ましい。
研磨速度安定性(%)={(最大研磨速度−最小研磨速度)/全平均研磨速度}×100
(スクラッチの評価)
MicroMax社製のVMX−2200を用いて、上記方法で研磨した100枚目のガラス板の任意4×5mm範囲にスクラッチ又は研磨条痕があるか否かを観察し、全くない場合を○、少しでもある場合を×と評価した。
実施例1
容器に、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル210、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数2)30重量部、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305、水酸基価:305mgKOH/g、官能基数3)60重量部、ジエチレングリコール(水酸基価:1058mgKOH/g、官能基数2)10重量部、シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8443)10重量部、及び触媒(花王製、No.25)0.03重量部を入れ、混合して第2成分(40℃)を調製した。そして、撹拌翼を用いて、回転数500rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、第1成分であるカルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMTL、NCOwt%:29wt%、40℃)92重量部を容器内に加え(NCO/OH=1.1)、約1分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。
調製した気泡分散ウレタン組成物(温度60℃)を、離型処理した離型シート(東洋紡績製、ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.125mm)上に塗布して気泡分散ウレタン層を形成した。そして、該気泡分散ウレタン層上に基材層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.188mm)を被せた。ニップロールにて気泡分散ウレタン層を1.5mmの厚さにし、40℃で30分間1次キュアした後、70℃で30分間2次キュアしてポリウレタン発泡体を形成した。その後、離型シートを剥離した。次に、ポリウレタン発泡体の表面をバフ処理して厚み精度を調整して基材層上にポリウレタン発泡体が一体形成された積層シートを得た。その後、積層シートを直径66cmの大きさで打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて研磨表面側に溝幅2mm、溝ピッチ50mm、溝深さ0.5mmのXY格子状の溝を形成し、さらに研磨裏面側(基材層側)に溝幅2mm、溝ピッチ40mm、溝深さ0.25mmのXY格子状のスラリー排出溝を形成した。さらに、基材層表面にラミ機を使用して両面テープ(ダブルタックテープ、積水化学工業製)を貼りあわせて研磨パッドを作製した。
実施例2〜8及び比較例1〜3、5、6
表1及び2記載の配合比、撹拌速度を採用した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。ただし、実施例7においては、溝幅3mm、溝ピッチ20mm、溝深さ0.25mmのXY格子状のスラリー排出溝を形成した。
比較例4
気泡分散ウレタン組成物を、基材層上に塗布して気泡分散ウレタン層を形成し、該気泡分散ウレタン層上に離型シートを被せた以外は実施例2と同様の方法で研磨パッドを作製した。
表1及び2中の化合物は以下のとおりである。
・PCL210:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数2)
・PTMG1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数:2)
・DEG:ジエチレングリコール(水酸基価:1058mgKOH/g、官能基数2)
・1,4−BG:1,4−ブタンジオール(水酸基価:1245mgKOH/g、官能基数2)
・1,2−PG:1,2−プロピレングリコール(水酸基価:1477mgKOH/g、官能基数2)
・PCL305:ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、水酸基価:305mgKOH/g、官能基数3)
・MN400:グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(三井化学社製、水酸基価:410mgKOH/g、官能基数3)
・TMP:トリメチロールプロパン(水酸基価:1255mgKOH/g、官能基数3)
・B8443:シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製)
・Kao No.25:触媒(花王製)
・ミリオネートMTL:カルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、NCOwt%:29wt%)
Figure 2011235426
Figure 2011235426
本発明の研磨パッドは、レンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、及びアルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる。特に、本発明の研磨パッドは、仕上げ用の研磨パッドとして好適に用いられる。
1:研磨パッド(研磨層)
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (4)

  1. 開口を有する略球状の連続気泡を含む熱硬化性ポリウレタン発泡体からなる研磨層を有する研磨パッドにおいて、前記熱硬化性ポリウレタン発泡体は、連続気泡率が55%以上であり、前記開口の平均開口径は、研磨層の研磨表面側よりも研磨裏面側が大きくなっており、前記研磨層の研磨裏面には、スラリー排出溝が設けられていることを特徴とする研磨パッド。
  2. 研磨表面側の前記開口の平均開口径が5〜20μmであり、研磨裏面側の前記開口の平均開口径が25〜100μmである請求項1記載の研磨パッド。
  3. スラリー排出溝の合計表面積は、研磨裏面の表面積の10〜30%である請求項1又は2記載の研磨パッド。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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