JP5240062B2 - 惰行制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両に搭載されるエンジンが車両の走行に寄与する仕事をしないときに、エンジンと車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、エンジンをアイドル状態にして車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置に関するものである。
車両において、クラッチが断のとき、アクセルペダルが踏み込まれると、アクセルが開かれてエンジンがいわゆる空ぶかしとなり、エンジン回転数は、アクセル開度に対応したエンジン回転数に落ち着く。このとき、エンジンが発生させた駆動力とエンジン内部抵抗(フリクション)とが均衡し、エンジン出力トルクは0である。すなわち、エンジンは、外部に対して全く仕事をせず、燃料が無駄に消費される。
エンジンが外部に対して仕事をしない状態は、前述したクラッチ断のときの空ぶかしに限らず、車両の走行中にも発生している。このとき、エンジンは、空ぶかしのときと同じようにアクセル開度に対応したエンジン回転数で回転するだけで、車両の加速・減速に寄与しない。したがって、エンジンを回転させるためだけに燃料が消費されており、非常に無駄である。
本出願人は、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にし、エンジンをアイドル状態に戻して燃料消費を抑える惰行制御を行う惰行制御装置を提案した(特許文献2)。
惰行制御は、クラッチを自動で断接できる機構を搭載した車両において、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに自動でクラッチを切り、エンジン回転数をアイドリング回転数又は相当する回転数とする事で、燃費を向上させる手法である。
惰行制御は、上述のように自動でエンジン出力を切る(自動でクラッチを断接する)ことができる車両であれば適用できるので、マニュアル式のクラッチシステム(マニュアルT/M)に限らず、自動式のクラッチシステム(通常のトルコンATやAMT)においても同様の効果を得ることが可能である。
特開平8−67175号公報 特開2006−342832号公報
しかしながら、特許文献2では、ドライバーが加速の意志でアクセルを踏み込んでいるときにもクラッチが断にされる場合があり、ドライバーにとっては減速から加速に移行する際にトルク抜けが感じられ、違和感がある。
そこで、本出願人は、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とする惰行制御判定マップを作成し、この惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が予め設定された惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御装置を開発中である。
ところで、上記の惰行制御では、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)が設定され、このノーロード線に基づいて上記の惰行制御しきい線が設定される。しかし、エンジン温度によってエンジン内部抵抗(フリクション)が変化し、エンジン内部抵抗が変化することによってエンジンのノーロード特性は変化する。
図10に潤滑油温によるノーロード線(エンジンのノーロード特性)の変化を示す。エンジンによって異なるが、一般的に通常適正運転と言われるのは潤滑油温で95〜100℃近辺(以下適正油温という)のときである。その適正油温に対して、外気高温時や高負荷運転時においては潤滑油温が110℃(以下高めの油温という)に達する場合や、外気低温時や低負荷運転時においては潤滑油温が75℃(以下低めの油温)以下に低下する場合がある。なお、これら高めの油温及び低めの油温は共に異常な油温ではなく量産車として適応する温度範囲として一般的な温度である。
図10に示すように潤滑油温の変化によってエンジンのノーロード特性が変化した場合、惰行制御の成立条件が変化してしまい、惰行制御が適切に行われなくなる場合が発生する。
そこで、本発明の目的は、エンジン温度の変化に影響を受けることなく、惰行制御を適切に行うことができる惰行制御装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、車両に搭載されるエンジンが前記車両の走行に寄与する仕事をしないときに、前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、前記エンジンをアイドル状態にして前記車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置であって、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、所定の標準温度範囲において前記エンジンが発生した駆動力とエンジン内部抵抗とがつりあうノーロード線が予め記憶された惰行制御判定マップと、前記エンジン内の潤滑油温又は冷却水温を検出する検出手段と、該検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より高いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で低アクセル開度側にずらし、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より低いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で高アクセル開度側にずらす補正手段とを備えたものである。
前記補正手段は、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より高いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で低アクセル開度側にずらすと共に高クラッチ回転数側にずらし、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より低いとき、前記ノーロード線を前記制御判定マップ上で高アクセル開度側にずらすと共に低クラッチ回転数側にずらすものであっても良い。
本発明によれば、エンジン温度の変化に影響を受けることなく、惰行制御を適切に行うことができるという優れた効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る惰行制御装置が適用される車両の入出力構成図である。 図2は、ノーロード線をずらした状態を示す惰行制御判定マップの図である。 図3は、油温センサの設置位置を説明するための潤滑システムのブロック構成図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る惰行制御装置が適用される車両のクラッチシステムのブロック構成図である。 図5は、図4のクラッチシステムを実現するアクチュエータの構成図である。 図6は、惰行制御の概要を説明するための作動概念図である。 図7は、惰行制御判定マップのグラフイメージ図である。 図8は、惰行制御による燃費削減効果を説明するためのグラフである。 図9は、実際に惰行制御が行われた惰行制御判定マップの図である。 図10は、潤滑油温によるノーロード線(エンジンのノーロード特性)の変化を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1に示すように、車両には、主として変速機・クラッチを制御する電子制御ユニット(ECU)11と、主としてエンジンを制御するECM(エンジン・コントロール・モジュール)12が設けられている。
電子制御ユニット11には、シフトノブスイッチ、変速機のシフトセンサ、セレクトセンサ、ニュートラルスイッチ、T/M回転センサ、車速センサ、アイドルスイッチ、マニュアル切替スイッチ、パーキングブレーキスイッチ、ドアスイッチ、ブレーキスイッチ、半クラッチ調整スイッチ、クラッチセンサ、油圧スイッチの各入力信号線が接続されている。また、電子制御ユニット11には、クラッチシステム51の油圧ポンプ64のモータおよびソレノイドバルブ62、坂道発進補助用バルブ、ウォーニング&メータの各出力信号線が接続されている。
ECM12には、図示しないがエンジン制御に利用される各種の入力信号線と出力信号線が接続されている。ECM12は、クラッチ回転数、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン回転変更要求の各信号をCAN(Controller Area Network;車載ネットワーク)の伝送路を介して電子制御ユニット11に送信することができる。
車両には、エンジンが車両の走行に寄与する仕事をしないときに、クラッチを断にすると共に、エンジン回転数をアイドル回転数(又は相当する回転数)に落してエンジンをアイドル状態として、車両を惰性走行させる惰行制御を実行する惰行制御装置が搭載されている。
次に、惰行制御装置を搭載する車両についてより詳細に説明する。
まず、車両のクラッチシステムについて説明する。
図4に示すように、車両のクラッチシステム51は、マニュアル式と電子制御ユニット11の制御による自動式との両立方式である。クラッチペダル52に機械的に連結されたクラッチマスターシリンダ53は、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。一方、電子制御ユニット11で制御されるクラッチフリーアクチュエータユニット55もまた、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。クラッチフリーオペレーティングシリンダ54は、クラッチスレーブシリンダ56に動作油を供給するようになっている。クラッチスレーブシリンダ56のピストン57がクラッチ58の可動部に機械的に連結されている。
図5に示すように、図4のクラッチフリーオペレーティングシリンダ54である中間シリンダ61、クラッチフリーアクチュエータユニット55を構成するソレノイドバルブ62、リリーフバルブ63、油圧ポンプ64がクラッチフリーアクチュエータ65に設けられる。中間シリンダ61は、プライマリピストン66とセカンダリピストン67とが直列配置されており、クラッチマスターシリンダ53からの動作油によりプライマリピストン66がストロークすると、セカンダリピストン67が随伴してストロークするようになっている。また、クラッチフリーアクチュエータユニット55からの動作油によりセカンダリピストン67がストロークするようになっている。セカンダリピストン67のストロークに応じてクラッチスレーブシリンダ56に動作油が供給されるようになっている。この構成により、マニュアル操作が行われたときには、優先的にマニュアル操作どおりのクラッチ断・接が実行され、マニュアル操作が行われていないときには電子制御ユニット11の制御どおりのクラッチ断・接が実行される。
ここでは、マニュアル式と自動式の両立方式のクラッチシステムについて説明したが、自動式のクラッチシステム(ATやAMT)であってもよい。
次に、惰行制御装置について説明する。
まず、図6により、惰行制御の作動概念を説明する。横軸は時間と制御の流れを示し、縦軸はエンジン回転数を示す。アクセルペダル71が大きく踏み込まれてアクセル開度70%の状態が継続する間、エンジン回転数72が上昇し、車両が加速される。エンジン回転数72が安定し、アクセルペダル71の踏み込みが小さくなりアクセル開度が35%になったとき後述する惰行制御開始条件が成立したとする。惰行制御開始により、クラッチが断に制御され、エンジン回転数72がアイドル回転数に制御される。その後、アクセルペダル71の踏み込みがなくなってアクセル開度が0%になるか又はその他の惰行制御終了条件が成立したとする。惰行制御終了により、エンジンが回転合わせ制御され、クラッチが接に制御される。この例では、アクセル開度が0%であるので、エンジンブレーキの状態となり、車両は減速される。
惰行制御が行われなかったとすると、惰行制御の実行期間の間、破線のようにエンジン回転数が高いまま維持されることになるので、燃料が無駄に消費されるが、惰行制御が行われることで、エンジン回転数72がアイドル回転数となり燃料が節約される。
本実施形態に係る惰行制御装置は、具体的には、所定時間ごとにアクセル開度センサの出力信号をデジタルサンプリングし、その移動平均値を所定時間ごとのアクセル開度とするアクセル開度検出部と、アクセル開度の所定時間分を微分してアクセル開度速度を演算し、そのアクセル開度が負であって、かつ、その絶対値があらかじめ設定された開始基準値より小さいとき、惰行制御開始の判定を許可する判定条件検出部と、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)に沿わせて惰行制御しきい線が設定された惰行制御判定マップと、惰行制御開始の判定が許可されており、惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御実行判定部とを備えている。
ここで、上記のノーロード線は、所定の標準温度範囲(例えば、エンジン内の潤滑油温で95〜100℃)におけるものである。また、クラッチ回転数とは、クラッチのドリブン側の回転数であり、トランスミッションのインプットシャフトの回転数と同一である。本実施形態では、インプットシャフトにクラッチ回転数センサを設け、インプットシャフトの回転数からクラッチ回転数を検出するようにした。
これらアクセル開度検出部、判定条件検出部、惰行制御判定マップ、惰行制御実行判定部は、電子制御ユニット11に搭載されるのが好ましい。
図7に、惰行制御判定マップをグラフイメージで示す。
惰行制御判定マップ81は、あらかじめエンジンについてアクセル開度とクラッチ回転数の相関をクラッチ断の状態にて計測して作成される。
図7に示すように、惰行制御判定マップ81は、横軸をアクセル開度とし、縦軸をクラッチ回転数とするマップである。惰行制御判定マップ81は、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域Mと、エンジン出力トルクが正となるプラス領域Pとに分けることができる。すなわち、マイナス領域Mは、エンジン要求トルクよりもエンジンのフリクションが大きく、エンジン出力トルクが負となる領域である。プラス領域Pは、エンジン要求トルクがエンジンのフリクションより大きいため、エンジン出力トルクが正となる領域である。マイナス領域Mとプラス領域Pの境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)Zは、エンジンが外部に対して仕事をせず、燃料が無駄に消費されている状態を示している。
本実施形態では、惰行制御判定マップ81のエンジン出力トルクゼロ線Zよりやや左(アクセル開度が小さい側)に惰行制御しきい線Tが設定される。
惰行制御判定マップ81には、マイナス領域Mとプラス領域Pとの間に惰行制御しきい線Tを含む有限幅の惰行制御可能領域CAが設定される。
惰行制御判定マップ81には、クラッチ回転数の下限しきい線Uが設定されている。下限しきい線Uは、アクセル開度とは無関係にクラッチ回転数の下限しきい値を規定したものである。下限しきい線Uは、アイドル状態におけるクラッチ回転数よりも図示のようにやや上に設定される。
本実施形態に係る惰行制御装置では、次の4つの惰行開始条件が全て成立したとき、惰行制御を開始するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲内(アクセルペダルの操作速度がしきい速度以下であるとき)
(2)惰行制御判定マップ81において惰行制御しきい線Tをアクセル戻し方向で通過
(3)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA内
(4)惰行制御判定マップ81においてエンジン回転数が下限しきい線U以上
また、本実施形態に係る惰行制御装置では、次の2つの惰行終了条件がひとつでも成立したとき、惰行制御を終了するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲外(アクセルペダルの操作速度がしきい速度を超えるとき)
(2)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA外
図8により、惰行制御による燃費削減効果を説明する。
まず、惰行制御を行わないものとする。エンジン回転数は、約30sから約200sまでの間、1600〜1700rpmの範囲で遷移しており、約200sから約260sまでの間に、約1700rpmから約700rpm(アイドル回転数)へ低下している。
エンジントルクは、約30sから約100sまでの間に増加しているが、その後、減少に転じ、約150sまで減少を続けている。エンジントルクは、約150sから約160sまで(楕円B1)、約200sから約210sまで(楕円B2)、約220sから約260sまで(楕円B3)の3箇所で、ほぼ0Nmとなっている。
燃料消費量(縦軸目盛りなし;便宜上、エンジントルクと重なるように配置してある)は、約50sから約200sまではエンジントルクの遷移にほぼ随伴して変化している。エンジントルクがほぼ0Nmであっても、燃料消費量は0ではない。
ここで惰行制御を行うものとすると、エンジントルクがほぼ0Nmとなる期間において、エンジン回転数がアイドル回転数に制御されることになる。グラフには、惰行制御を行わないクラッチ回転数の線(実線)から分かれるように惰行制御時のエンジン回転数の線(太い実線)が示される。惰行制御は、楕円B1,B2,B3の3回にわたり実行された。この惰行制御が行われた期間における燃料消費量は、惰行制御を行わない場合の燃料消費量を下回っており、燃料消費が節約されたことが分かる。
図9に、実際に惰行制御が行われた惰行制御判定マップ100を示す。各点は、実際に検出されたアクセル開度とクラッチ回転数のプロット点を示す。惰行制御判定マップ100には、マイナス領域、プラス領域、惰行制御しきい線(加速0しきい点、減速0しきい点)、惰行制御可能領域がそれぞれ設定されている。
ここで、本実施形態に係る惰行制御装置は、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温を検出する検出手段と、検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より高いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で低アクセル開度側(アクセル開度が小さい側)にずらすと共に高クラッチ回転数側にずらし、検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より低いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で高アクセル開度側(アクセル開度が大きい側)にずらすと共に低クラッチ回転数側にずらす補正手段とを備える点に特徴を有する。
本実施形態では、電子制御ユニット11が上記の補正手段をなす。また、上記の検出手段は、エンジン内の冷却水温を検出する水温センサ13と、エンジン内の潤滑油温を検出する油温センサ14とを有する。
水温センサ13の設置位置について説明する。本実施形態では、エンジンの冷却システムにおいては、ラジエーターを通過した冷却水をウォーターポンプによってエンジンの各部に供給するようになっている。本実施形態では、水温センサ13は、エンジンの冷却水出口(ウォーターアウトレット)近傍の冷却水通路に配置されている。
油温センサ14の設置位置について説明する。図3に示すように、エンジンの潤滑システムにおいては、オイルパンに貯留された潤滑油をオイルポンプによってエンジンの各部に供給するようになっている。図示例では、油温センサ14は、オイルポンプとエンジン内に設けられたオイルギャラリーとの間の潤滑油通路に配置されている。
また、例えば、低温時(例えば、75℃)、標準温度範囲(95〜100℃)、高温時(110℃)のエンジンのノーロード特性(ノーロード線)をそれぞれ実験やシミュレーション等で求め、それら求めたノーロード線の偏差(アクセル開度、クラッチ回転数)をノーロード線Zをずらす量(補正値)とすることができる。
次に、本実施形態の制御内容を説明する。
電子制御ユニット11は、まず、ECM12からエンジン内の潤滑油温又は冷却水温の測定データを取得し、或いは、油温センサ14又は水温センサ13からエンジン内の潤滑油温又は冷却水温の測定データを取得する。
次に、電子制御ユニット11は、取得した潤滑油温又は冷却水温に合ったノーロード線(Z、ZH、ZL)を選択する(図2参照)。詳しくは、電子制御ユニット11は、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲内であれば標準温度範囲におけるノーロード線Z(補正なし)を選択し、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より高ければ、標準温度範囲におけるノーロード線Zを低アクセル開度側且つ高クラッチ回転数側にずらしたノーロード線ZHを選択し、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より低ければ、標準温度範囲におけるノーロード線Zを高アクセル開度側且つ低クラッチ回転数側にずらしたノーロード線ZLを選択する。
次に、電子制御ユニット11は、惰行制御しきい線Tを含む有限幅の惰行制御可能領域CAを上記で選択したノーロード線(ZH、ZL)に合わせて移動させる。詳しくは、電子制御ユニット11は、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より高ければ、選択したノーロード線ZHに合わせて惰行制御可能領域CAを低アクセル開度側且つ高クラッチ回転数側に移動させ、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より低ければ、選択したノーロード線ZLに合わせて惰行制御可能領域CAを高アクセル開度側且つ低クラッチ回転数側に移動させる。
そして、電子制御ユニット11は、上記と同様に惰行制御判定マップ81の惰行制御しきい線T及び惰行制御可能領域CA等に基づいて惰行制御を実行する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より高いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で低アクセル開度側にずらすと共に高クラッチ回転数側にずらし、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より低いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で高アクセル開度側にずらすと共に低クラッチ回転数側にずらすようにしているが、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より高いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で低アクセル開度側にのみずらし、取得した潤滑油温又は冷却水温が標準温度範囲より低いとき、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で高アクセル開度側にのみずらすようにしても良い。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係る惰行制御装置は、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温を確認し、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温が基準温度範囲(例えば、エンジン内の潤滑油温で95〜100℃)より高い場合、予め記憶しておいたノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で少なくとも低アクセル開度側にずらし、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温が基準温度範囲より低い場合、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で少なくとも高アクセル開度側にずらすことで、惰行制御の安定性を高めるものである。
上述したように、エンジン温度によってエンジン内部抵抗(フリクション)が変化し、エンジン内部抵抗が変化することによって、エンジンのノーロード特性(ノーロード線)は変化する。詳しくは、図10に示すように、潤滑油温が適正油温(95〜100℃)と比較して高めの油温(110℃)であるときは、ノーロード線は適正油温時と比較して低アクセル開度側及び高クラッチ回転数側にずれる傾向があり、潤滑油温が適正油温と比較して低めの油温(75℃)であるときは、ノーロード線は適正油温時と比較して高アクセル開度側及び低クラッチ回転数側にずれる傾向があることが分かる。
そこで、本実施形態では、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温を確認し、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温が基準温度範囲(例えば、エンジン内の潤滑油温で95〜100℃)より高い場合、予め記憶しておいたノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で少なくとも低アクセル開度側にずらし、エンジン内の潤滑油温又は冷却水温が基準温度範囲より低い場合、ノーロード線Zを惰行制御判定マップ81上で少なくとも高アクセル開度側にずらすようにしている。
このようにすることで、予め記憶しておいたノーロード線Zを潤滑油温又は冷却水温に適したところへずらすことができ、ひいてはノーロード線Zに基づいて設定する惰行制御しきい線T及び惰行制御可能領域CAを潤滑油温又は冷却水温に適したところへずらすことができるので、エンジン温度の変化に起因してエンジンのノーロード特性が変化してもそのノーロード特性の変化に追従することができ、エンジン温度の変化に影響を受けることなく惰行制御を適切に行うことが可能となる。
なお、ノーロード線(Z、ZH、ZL)は、図2に示すように低温から高温に至るまで、三段階程度に分ける程度でも十分効果はあるが、油温センサ14又は水温センサ13からエンジン内の潤滑油温又は冷却水温に基づいて、標準温度範囲におけるノーロード線Zを直線補完や比例で変移させても良い。そのようにすればより正確にノーロード線Z及び惰行制御可能領域CA等の補正を行うことができ、惰行制御をより適切に行うことが可能となる。
また、上述の実施形態に係る惰行制御装置が適用されるエンジンは、ディーゼルエンジンであっても良く、ガソリンエンジンであっても良い。
11 電子制御ユニット(補正手段)
13 水温センサ(検出手段)
14 油温センサ(検出手段)
51 クラッチ(クラッチシステム)
81 惰行制御判定マップ

Claims (2)

  1. 車両に搭載されるエンジンが前記車両の走行に寄与する仕事をしないときに、前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に介設されるクラッチを断にすると共に、前記エンジンをアイドル状態にして前記車両を惰性走行させる惰行制御を行う惰行制御装置であって、
    アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、所定の標準温度範囲において前記エンジンが発生した駆動力とエンジン内部抵抗とがつりあうノーロード線が予め記憶された惰行制御判定マップと、
    前記エンジン内の潤滑油温又は冷却水温を検出する検出手段と、
    該検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より高いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で低アクセル開度側にずらし、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より低いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で高アクセル開度側にずらす補正手段とを備えたことを特徴とする惰行制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より高いとき、前記ノーロード線を前記惰行制御判定マップ上で低アクセル開度側にずらすと共に高クラッチ回転数側にずらし、前記検出手段で検出した潤滑油温又は冷却水温が前記標準温度範囲より低いとき、前記ノーロード線を前記制御判定マップ上で高アクセル開度側にずらすと共に低クラッチ回転数側にずらす請求項1に記載の惰行制御装置。
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