JP5238266B2 - スライドドア構造 - Google Patents
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Description
また、スライドドア構造によれば、スライドレールの水平壁に垂直ローラを載せてスライドさせることで、スライドドアを垂直ローラで吊り下げるように支えている。
ここで、水平ローラや垂直ローラを組付開口部からスライドレール内に組み付けた後、組み付けた各ローラが組付開口部から抜け出さないように組付開口部をカバー部材で覆うことが要求される。
カバー部材を取り付ける空間をスライドレールに対して、車両の外側に確保するためには、例えば、スライドレールを車両の内側に移動する必要がある。
しかし、スライドレールを車両の内側に移動すると、車室空間が狭められることが考えられる。
よって、組付開口部を覆うカバー部材を湾曲部に設けることができる。
ここで、湾曲部は、車内方向に向けて湾曲させた部位である。このため、湾曲部と車両本体の外側部との間、すなわち湾曲部の外側(すなわち、湾曲部近傍)に比較的大きな空間を確保することができる。
したがって、車室空間を狭めることなく、スライドレールに水平ローラおよび垂直ローラを組み付けることができる。
請求項1に係る発明では、カバー部材は車両本体のうち、外案内壁よりも外方側に位置する部位に固定される固定部と、組付開口部を前記車両本体の外方側から覆って遮蔽する遮蔽部とを有する。そして、遮蔽部で組付開口部を遮蔽した状態で、固定部を車両本体に固定した。
固定部を車両本体に固定することで、カバー部材を車両本体に強固に取り付けることができる。
これにより、遮蔽部に沿って水平ローラが転動する際に、遮蔽部で水平ローラを確実に支えることができる。
このスライドドア構造によれば、請求項1で説明したように、スライドレールの湾曲部近傍に確保した空間を利用してカバー部材を設けることができる。
固定部を車両本体の外方に向けて延ばすことで、車両本体に固定部を固定する作業を容易におこなうことができる。
図1は本発明に係る車両のスライドドア構造を閉じた状態を示す斜視図、図2は本発明に係る車両のスライドドア構造を開いた状態を示す斜視図である。
車両10は、車両本体11の左側部にスライドドア開口部12が形成され、車両本体11の左側部にスライドドア開口部12を開閉する車両のスライドドア構造20が備えられている。
スライドドア開口部12は、乗員(図示せず)が乗降するための開口部で、上下の縁部12a,12bおよび前後の縁部で略矩形状に形成されている。
アッパスライドレール32は、スライドドア開口部12の上縁部12aに設けられ、前端部にアッパ湾曲部(湾曲部)33を有する。
アッパ湾曲部33は、スライドドア21を閉じる際に、スライドドア21を車両本体11側に寄せるために車内方向に向けて湾曲させた部位である。
センタスライドレール36は、スライドドア開口部12の後縁部から車両後方に向けて設けられ、前端部にセンタ湾曲部37を有する。
センタ湾曲部37は、スライドドア21を閉じる際に、スライドドア21を車両本体11側に寄せるために車内方向に向けて湾曲させた部位である。
ロアスライドレール42は、スライドドア21の下部21cに設けられ、ロアスライドレール42の開き方向側の端部(すなわち、後端部)42bにロア湾曲部43を有する。
ロア湾曲部43は、スライドドア21を閉じる際に、スライドドア21を車両本体11側に寄せるために車外方向に向けて湾曲させた部位である。
すなわち、アッパ支持手段24は、アッパスライドレール32のアッパ湾曲部33にアッパガイド部31が位置している。
また、センタ支持手段25は、センタスライドレール36のセンタ湾曲部37にセンタガイド部35が位置している。
さらに、ロア支持手段26のロアスライドレール42のロア湾曲部43にロアガイド部41が位置している。
同時に、ロアスライドレール42が、スライドドア21とともに車両後方に向けて移動する。
すなわち、アッパ支持手段24は、アッパスライドレール32の後端部32aにアッパガイド部31が位置している。
また、センタ支持手段25は、センタスライドレール36の後端部36aにセンタガイド部35が位置している。
さらに、ロア支持手段26のロアスライドレール42の前端部42aにロアガイド部41が位置している。
アッパスライドレール32は、図2に示すスライドドア開口部12の上縁部12aに設けられた第1上レール部45と、第1上レール部45に設けられた第2上レール部46とを備えている。
第1上レール部45は、上垂直ローラ(垂直ローラ)47を載せる上底部(底部)45aを備えている。
第2上レール部46は、断面略コ字状に形成することで内外の上案内壁(内外の案内壁)48,49を備えている。内外の上案内壁48,49で一対の上水平ローラ(水平ローラ)51を挟み込んでいる。
第2上レール部46については図4〜図6で詳しく説明する。
すなわち、上垂直ローラ47でスライドドア21の重量を支えることができる。
すなわち、一対の上水平ローラ51でスライドドア21の車両の内外方向(車両幅方向)のガタ付きを防ぐことができる。
アッパガイド部31の構成については図4〜図6で詳しく説明する。
アッパ支持手段24は、前述したように、アッパガイド部31を備えている。アッパガイド部31の上揺動ブラケット53は、基端部53aが上固定ブラケット52の先端部52aにボルト55でスイング自在に支持され、先端部に一対の支持片56が形成され、一対の支持片56間から下方に折り曲げられた折曲片57(図3も参照)が形成されている。
一対の支持片56は、車両前後方向に所定間隔をおいて形成されている。
すなわち、一対の上水平ローラ51および上垂直ローラ47は、上揺動ブラケット53にまとめて取り付けられている。
よって、上垂直ローラ47を一対の上水平ローラ51に近づけることができ、上垂直ローラ47および一対の上水平ローラ51の高さ寸法H(図3参照)を小さく抑えることができる。
また、一対の上水平ローラ51の幅はS1に設定されている。
一対の上水平ローラ51は、図3に示すように、第2上レール部46内、すなわち内外の上案内壁48,49内に配置されている。
具体的には、組付開口部58は、外上案内壁49のうち、アッパ湾曲部33に相当する部位49aに、開口幅S2で形成されている。
外上案内壁49に組付開口部58を形成することで、図3に示すように、一対の上水平ローラ51を車両本体11の外方からアッパ湾曲部33内に差し込む(組み付ける)ことができる。
加えて、第2上レール部46の下方には、上垂直ローラ47を載せる上底部45aが設けられている。
そこで、前述したように、アッパ湾曲部33に組付開口部58を形成し、組付開口部58を通すことで一対の上水平ローラ51をアッパ湾曲部33内に組み付けることができるようにした。
遮蔽部62は、組付開口部58より一回り大きく形成された略矩形状のフラップである。
固定部61を車両本体11の外方に向けて延ばすことで、スライドドア開口部12の上縁部12a(すなわち、車両本体11)に固定部61を固定する作業を容易におこなうことができる。
このように、固定部61を上縁部12a(車両本体11)に固定することで、カバー部材60を車両本体11に強固に取り付けることができる。
これにより、一対の上水平ローラ51がアッパ湾曲部33内から外方に抜け出すことを防止できる。
図3で説明したように、アッパスライドレール32は、前端部にアッパ湾曲部33を有する。アッパ湾曲部33は、車内方向(車両中心方向)に向けて湾曲させた部位である。
アッパ湾曲部33は、アッパスライドレール32のアッパ直線レール部34に対して車内方向(車両中心方向)に距離Lだけ寄せられている。
よって、アッパ湾曲部33と車両本体11の外側部との間、すなわちアッパ湾曲部33の車両外側(アッパ湾曲部33近傍)に比較的大きな略三角形の空間64(図4、図5も参照)を確保することができる。
したがって、カバー部材60を設ける空間を確保するために、スライドレールを車室側(車両中心側)に寄せる必要がないので、車室空間を狭めることなく、アッパスライドレール32にアッパガイド部31を組み付けることができる。
これにより、アッパスライドレール32を上縁部12aに設けた場合に、空間を設けるために、図3に示すルーフライニング59(車室のルーフを仕切るライニング)を車体内側に向けて張り出す必要がないので、乗降者の頭上空間を大きく確保することができる。
センタスライドレール36は、スライドドア開口部12の後縁部から車両後方に向けて設けられた第1中央レール部65と、第1中央レール部65に設けられた第2中央レール部66とを備えている。
第1中央レール部65は、中央垂直ローラ67を載せる中央底部65aを備えている。
第2中央レール部66は、断面略コ字状に形成することで内外の中央案内壁68,69を備えている。
内外の中央案内壁68,69で一対の中央水平ローラ71を挟み込んでいる。
すなわち、中央垂直ローラ67でスライドドア21の重量を支えることができる。
すなわち、一対の中央水平ローラ71でスライドドア21の車両の内外方向(車両幅方向)のガタ付きを防ぐことができる。
ロアガイド部41は、車両本体11およびロアスライドレール42間に介在されるリンク手段81と、リンク手段81に設けられたガイド手段82とを備えている。
ロアスライドレール42は、スライドドア21の下部21cに車両前後方向に向けて設けられている。
車両側リンク部材84は、車両本体11側に設けられたリンク部材である。
ドア側リンク部材85は、スライドドア21側に設けられたリンク部材である。
ドア側リンク部材85は、互いに平行に設けられたドア側第1リンク91およびドア側第2リンク92を有している。
車両側第1リンク87の先端部87bにドア側第1リンク91の基端部91aがボルト95で回動自在に連結されている。
車両側第2リンク88の先端部88b近傍にドア側第1リンク91の基端部91a近傍がボルト99で回動自在に連結されている。
ガイド手段82は、ドア側第1リンク91およびドア側第2リンク92の各先端部91b,92bに連結された移動ブラケット104と、移動ブラケット104に複数の下水平ローラ105,106とを備えている。
なお、ローラ支持部108は、ドア側リンク部材85に設けられてもよい。
カバー部材115は、ステップ116の後端部に形成されている。ステップ116は、スライドドア開口部12の下縁部12bに形成され、乗員が乗降する際に足を載せる部位である。
このため、スライドドア開口部12の下縁部12bを車両フロア117より低い位置に下げることが可能になる。よって、車両フロア117より低い位置に、乗降の際に乗員の足を載せるステップ116を形成することができる。
すなわち、例えば、スライドドア開口部12から乗員が乗車する際に、まずステップ116に乗員の足199を載せ、つぎに頂部115aに乗員の足199を載せることで、車両フロア117に無理のない姿勢で乗車することができる。
同様に、スライドドア開口部12から乗員が降車する際にも無理のない姿勢で降車することができる。
ロアスライドレール42は、スライドドア21の下部21cに車両前後方向に向けて延在されている。
このロアスライドレール42は、断面略コ字状に形成することで内外の下案内壁111,112を備えている。
一方、一対の下内水平ローラ106は、内下案内壁111に車両中心側から当接されている。
一対の下外水平ローラ105および一対の下内水平ローラ106は、内外の下案内壁111,112に沿って移動することで、水平方向の動きを規制するローラである。
すなわち、一対の下外水平ローラ105および一対の下内水平ローラ106でスライドドア21の車両の内外方向(車両幅方向)のガタ付きを防ぐことができる。
よって、ロア支持手段26から、スライドドア21の重量を支えるための下垂直ローラを除去することができる。
これにより、ロア支持手段26のガイド手段82(図8も参照)をコンパクトにまとめることが可能になり、スライドドア21内に容易に配置することができる。
図10(a),(b)は本発明に係るアッパスライドレールに上水平ローラを差し込む手順を説明する図である。
(a)に示すように、第2上レール部46は、アッパ湾曲部33の外上案内壁49に組付開口部58が形成されている。
ローラユニット77を矢印Aの如く移動することで、一対の上水平ローラ51(図5も参照)を組付開口部58を経てアッパ湾曲部33内に進入させる。
(a)に示すように、一対の上水平ローラ51(図5も参照)をアッパ湾曲部33内に配置するとともに、上垂直ローラ47を第1上レール部45の上底部45aに配置する。
上垂直ローラ47を上底部45aに沿わせて車両後方側に移動するとともに、一対の上水平ローラ51をアッパ湾曲部33に沿わせて車両後方側に移動する。
(a)に示すように、カバー部材60の固定部61をスライドドア開口部12の上縁部12aに一対のボルト63で固定する。
ここで、固定部61は、車両本体11の外方に向けて斜め上向きに延出されたフランジ部である。よって、スライドドア開口部12の上縁部12a(すなわち、車両本体11)に固定部61を固定する作業を容易におこなうことができる。
遮蔽部62で組付開口部58を遮蔽する(覆う)ことで、一対の上水平ローラ51がアッパ湾曲部33内から外方に抜け出すことを防止できる。
これにより、上揺動ブラケット53を上固定ブラケット52を介してスライドドア21の上部21aに連結する。
これにより、アッパガイド部31をアッパスライドレール32に組み付ける作業が完了する。
(a)において、スライドドア21を車両後方に向けて開く力Fを矢印の如く作用する。アッパスライドレール32のアッパ湾曲部33からアッパガイド部31の上水平ローラ51(図3参照)が矢印Cの如く移動する。
よって、スライドドア21が矢印Eの如く車両後方に移動するとともに、車両本体11から離れる方向に移動する。
スライドドア21とともに、ロアスライドレール42が矢印Eの如く移動する。
これにより、リンク手段81の車両側リンク部材84およびドア側リンク部材85がボルト94,94を軸に矢印F方向に伸び動作を開始する。
よって、アッパガイド部31の上水平ローラ51がアッパ直線レール部34に沿って移動する。
同時に、リンク手段81の車両側リンク部材84およびドア側リンク部材85が完全に伸びた状態になる。
(a)において、アッパガイド部31の上水平ローラ51がアッパスライドレール32のアッパ直線レール部34に沿って矢印Gの如く移動する。
上水平ローラ51がアッパ直線レール部34に沿って矢印Gの如く移動することで、スライドドア21が車両本体11に沿って矢印Hの如く車両後方に移動する。
同時に、ロア直線レール部44の前端部(ロアスライドレール42の前端部)42aが下水平ローラ105,106に到達してスライドドア21が全開する。
スライドドア21が全開した状態において、アッパスライドレール32の後端部32aにアッパガイド部31が位置するとともに、センタスライドレール36の後端部36aにセンタガイド部35が位置する。
さらに、ロアスライドレール42の前端部42aがロアガイド部41に位置する。
Claims (3)
- 車両本体のスライドドア開口部を、前記車両本体に沿わせたスライドドアで開閉可能なスライドドア構造であって、
前記スライドドアのなかの上部に設けられたガイド部と、
前記ガイド部を案内可能に前記車両本体のなかの前記スライドドア開口部の上縁部に設けられ、かつ前記スライドドアを閉じる際に前記車両本体側に寄せるために車内方向に向けて湾曲させた湾曲部を有するスライドレールと、を備え、
前記ガイド部は、下方向の動きを規制する垂直ローラと、水平方向の動きを規制する水平ローラと、を備え、
前記スライドレールは、前記垂直ローラを載せる底部と、該底部よりも上方で上下方向に延びて前記水平ローラを水平方向で挟み込む内外の案内壁とを備え、
前記外案内壁は、前記水平ローラを前記車両本体の水平方向の外方から挟み込み、
前記外案内壁のうち、前記湾曲部に相当する部位に、前記水平ローラを車両本体の外方から組み付けるための組付開口部が前記外案内壁を前記車両本体の水平方向で内外貫通して形成されるとともに、前記組付開口部を覆うカバー部材が設けられ、
前記カバー部材は、
前記車両本体のうち、前記外案内壁よりも外方側に位置する部位に固定される固定部と、
前記組付開口部を前記車両本体の外方側から覆って遮蔽する遮蔽部と、を有することを特徴とするスライドドア構造。 - 前記ガイド部は、前記スライドドアの上部に設けられ、
前記スライドレールは、前記車両本体に形成されたスライドドア開口部の上縁部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のスライドドア構造。 - 前記カバー部材の前記固定部は、
前記車両本体の外方に向けて延出されたフランジ部であることを特徴とする請求項1記載のスライドドア構造。
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