JP5233303B2 - Z方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
Ceq=C+(Mn/6)+(Cu/15)+(Ni/15)+(Cr/5)+(Mo/5)+(V/5)・・・(1)。
ただし、(1)式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
t×exp(Tr3/270000000)≦580・・・(2)。
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
A−1.5G≧0・・・(4)、
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)。
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
E−500≦0・・・(6)、
F−2≧0・・・(7)。
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
Ceq=C+(Mn/6)+(Cu/15)+(Ni/15)+(Cr/5)+(Mo/5)+(V/5)・・・(1)。
ただし、(1)式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
また、C断面、有効結晶粒、有効結晶粒の粒径、板厚1/4位置、Z方向およびC方向の意味は、それぞれ次に示すとおりである。
C断面:厚肉鋼板の圧延方向に垂直な断面、
有効結晶粒:EBSP法を用いて15゜以上の方位差を有する境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒、
有効結晶粒の粒径:有効結晶粒の面積と等価な面積を有する円の直径、
板厚1/4位置:厚肉鋼板の板厚中心部から板厚方向への距離が板厚の1/4である位置、
Z方向:厚肉鋼板の表面と裏面を結ぶ方向、
C方向:厚肉鋼板の圧延方向およびZ方向に対して直角の方向。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(h)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580・・・(2)。
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延開始前の鋼塊の幅W0(mm)、圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅W1(mm)、圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終形状の厚肉鋼板の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)〜(5)式を全て満足するように圧延する工程。
W1/W0≧1.40・・・(3)、
A−1.5G≧0・・・(4)、
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)。
ここで、W0は圧延開始前の鋼塊の幅(mm)を、W1は圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅(mm)を、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0・・・(6)、
F−2≧0・・・(7)。
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(h)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580・・・(2)。
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延開始前の鋼塊の幅W0(mm)、圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅W1(mm)、圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終形状の厚肉鋼板の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)〜(5)式を全て満足するように圧延する工程。
W1/W0≧1.40・・・(3)、
A−1.5G≧0・・・(4)、
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)。
ここで、W0は圧延開始前の鋼塊の幅(mm)を、W1は圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅(mm)を、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0・・・(6)、
F−2≧0・・・(7)。
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程4]Ac1点以下の温度で焼戻す工程。
C:0.01〜0.12%
Cは、強度確保に必要な元素である。0.01%以上を含有させなければ実用的な強度を有する鋼を生産することはできない。一方、その含有量が0.12%を超えると、ベイナイト変態領域の靱性劣化が顕著化するとともに、溶接熱影響部の靱性も損ねる。したがって、Cの含有量は0.01〜0.12%とする。強度とアレスト特性のバランスの点からのC含有量の好ましい範囲は、0.03〜0.10%である。
Siは、精錬段階での脱酸に必要な元素であるとともに強度上昇に寄与する元素である。しかしながら、Siの含有量が0.50%を超えると、溶接熱影響部における島状マルテンサイトの生成を助長して靱性に悪影響を及ぼす。したがって、Siの含有量は0.50%以下とする。好ましいSiの含有量は、0.30%以下である。
Mnは、強度確保のための必要な元素である。しかしながら、その含有量が0.4%未満ではこれらの効果を得ることができない。一方、Mnの含有量が2%を超えると、溶接熱影響部の靱性が大幅に劣化する。したがって、Mnの含有量は0.4〜2%とする。Mn含有量の好ましい範囲は0.6〜1.6%である。
Pは、不純物として鋼中に存在し、溶接熱影響部における粒界割れの原因となる。Pの含有量が多くなり、特に、0.05%を超えると、溶接熱影響部における粒界割れの発生が著しくなる。したがって、Pの含有量は0.05%以下とする。なお、その混入量はできるだけ低くするのが好ましく、良好なアレスト特性を安定して得るために、Pの含有量は0.03%以下とすることが好ましい。
Sは、不純物として鋼中に存在し、脆性破壊の基点となるMnSを形成して、アレスト特性を損なう元素である。特に、Sの含有量が0.008%を超えると、アレスト特性の劣化が顕著になる。このため、Sの含有量は0.008%以下とする。なお、その混入量はできるだけ低くするのが好ましく、良好なアレスト特性を安定して得るために、Sの含有量は0.003%未満とすることが好ましい。
Alは鋼の脱酸に必要な元素であり、本発明に係る鋼の場合には、0.002%以上の含有量が必要である。しかしながら、Alの含有量が多くなり、特に、0.05%を超えると、析出物の増加を通じてアレスト特性の劣化が顕著化する。したがって、Alの含有量は0.002〜0.05%とする。好ましいAl含有量の範囲は0.002〜0.04%である。
Nは、不純物として鋼中に存在し、析出物を形成することで靱性劣化をもたらす元素である。このため、低温靱性確保のためにNの含有量は低い方がよく、特に、Nの含有量が0.01%を超えると、アレスト特性の著しい劣化をきたす。したがって、Nの含有量は0.01%以下とする。好ましいNの含有量は0.006%以下である。
Nbは、組織の微細化、靱性の向上、焼入れ性の向上および析出硬化による強度上昇に有効な元素であり、特に、未再結晶域の拡大効果が大きいことから、TMCP法を適用する鋼材には必要な元素である。前記の効果はNbの含有量が0.003%以上で発揮される。しかしながら、Nbの含有量が0.1%を超えると、析出物の増加により却って靱性の劣化をもたらす。したがって、Nbの含有量を0.003〜0.1%とする。Nb含有量の好ましい範囲は0.003〜0.04%である。
第2群:Cu:2%以下およびCr:1%以下の元素のうち1種または2種、
第3群:Mo:0.5%以下、V:0.1%以下およびB:0.005%以下の元素のうち1種または2種以上、
第4群:Ti:0.1%以下、
第5群:Ca:0.004%以下、Mg:0.002%以下およびREM:0.002%以下の元素のうち1種または2種以上。
Niを含有させると、鋼板のアレスト特性を向上させることができる。しかしながら、Niの含有はコストアップ要因となる。このため、含有させる場合のNiの含有量を1%以下とする。含有させる場合のNiの好ましい含有量は0.6%以下である。なお、Niによるアレスト特性向上効果を確実に発現させるためには、Niを0.03%以上含有させることが好ましい。
CuおよびCrは、強度を高める作用を有するので、この効果を得るために上記の元素を含有させてもよい。以下、上記のCuおよびCrについて詳しく説明する。
Cuを含有させると、靱性を劣化させずに強度を向上させることができる。しかしながら、その含有量が2%を超えると、析出物増加によりアレスト特性の劣化をきたし、さらに、熱間での加工の際、表面に微小な割れを発生させる。したがって、含有させる場合のCuの含有量は2%以下とする。含有させる場合のCu含有量の好ましい上限は1%である。なお、Cuによる強度向上効果を確実に発現させるためには、Cuを0.03%以上含有させることが好ましい。
Crを含有させると、強度を上昇させることができる。しかしながら、その含有量が1%を超えると、靱性の劣化をきたし、さらに、溶接熱影響部に硬化した組織を形成して靱性を劣化させる。したがって、含有させる場合のCrの含有量は1%以下とする。含有させる場合のCr含有量の好ましい上限は0.6%である。なお、Crによる強度向上効果を確実に発現させるためには、Crを0.05%以上含有させることが好ましい。
Mo、VおよびBは、焼入れ性の向上および強度を高める作用を有するので、これらの効果を得るために上記の元素を含有させてもよい。以下、上記のMo、VおよびBについて詳しく説明する。
Moを含有させると、焼入れ性および強度を向上させることができる。しかしながら、Moの含有はコストアップ要因となり、また、その含有量が0.5%を超えると、溶接熱影響部の靱性を劣化させる。したがって、含有させる場合のMoの含有量は0.5%以下とする。含有させる場合のMo含有量の好ましい上限は0.3%である。なお、Moによる焼入れ性と強度の向上効果を確実に発現させるためには、Moを0.02%以上含有させることが好ましい。
Vを含有させると、焼入れ性の向上および析出硬化による強度の向上に有効となる。しかしながら、Vの含有量が0.1%を超えると、靱性の著しい劣化をもたらす。このため、含有させる場合のVの含有量は0.1%以下とする。含有させる場合のV含有量の好ましい上限は0.06%である。なお、Vによる焼入れ性と強度の向上効果を確実に発現させるためには、Vを0.003%以上含有させることが好ましい。
Bを含有させると、オーステナイト粒界からのフェライト変態を抑制して焼入れ性が向上する。また、強度を高めることができる。しかしながら、Bの含有量が0.005%を超えると靱性が劣化する。したがって、含有させる場合のBの含有量は0.005%以下とする。含有させる場合のB含有量の好ましい上限は0.0015%である。なお、Bによる焼入れ性および強度の向上効果を確実に発現させるためには、Bを0.0003%以上含有させることが好ましい。
Tiを含有させると、酸化物粒子の構成元素として有効となり、また高温延性を高めて連続鋳造で製造される鋼塊のひび割れを防止するのに有効となる。しかしながら、Tiの含有量が0.1%を超えると、TiCを生成し、靱性を劣化させる。このため、含有させる場合のTiの含有量は0.1%以下とする。含有させる場合のTi含有量の好ましい上限は0.04%である。なお、Tiによるこれらの効果を確実に発現させるためには、Tiを0.003%以上含有させることが好ましい。
Ca、MgおよびREMは、介在物の形態制御効果を有するので、この効果を得るために上記の元素を含有させてもよい。以下、上記のCa、MgおよびREMについて詳しく説明する。
Caを含有させると、介在物の形態制御効果を有し、これによって、アレスト特性が向上する。しかしながら、Caの含有量が0.004%を超えると、鋼の清浄度自体を大きく低下させる。このため、含有させる場合のCaの含有量は0.004%以下とする。含有させる場合のCa含有量の好ましい上限は0.002%である。なお、Caによる上記の効果を確実に発現させるためには、Caを0.0003%以上含有させることが好ましい。
Mgを含有させると、介在物の形態制御効果を有する。具体的には、微細酸化物の分散密度を増すことができ、これによって、溶接熱影響部の靱性が向上する。しかしながら、Mgの含有量が0.002%を超えると、微細酸化物が得られないし、鋼の清浄度を大きく低下させる。したがって、含有させる場合のMg含有量は0.002%以下とする。含有させる場合のMg含有量の好ましい上限は0.0015%である。なお、Mgによる微上記の効果を確実に発現させるためには、Mgを0.0002%以上含有させることが好ましい。ここで、Mgを溶鋼中に含有させる工程は、Alを溶鋼中に含有させる前に行うことが好ましい。
REMを含有させると、介在物の形態制御効果を有する。具体的には、微細酸化物の分散密度を増すことができ、これによって、溶接熱影響部の靱性が向上する。また、REMを含有させることによって、過剰なSを硫化物として固定する効果も得られる。しかしながら、REMの含有量が0.002%を超えると、微細酸化物が得られないし、鋼の清浄度を大きく低下させる。このため、含有させる場合のREMの含有量は0.002%以下とする。含有させる場合のREM含有量の好ましい上限は0.0015%である。なお、REMによるこれらの効果を確実に発現させるためには、REMを0.0002%以上含有させることが好ましい。
本発明で規定する高強度厚肉鋼板は強度部材として使用されることから、規格材として十分な強度を保有している必要がある。したがって、高強度厚肉鋼板の化学組成は各々の規定範囲を満足するだけではなく、適切な焼入れ性を有していることが必要である。
Ceq=C+(Mn/6)+(Cu/15)+(Ni/15)+(Cr/5)+(Mo/5)+(V/5)・・・(1)。
ただし、(1)式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
高強度厚肉鋼板の靱性は、圧延後に得られる厚肉鋼板の板厚中心部のC断面における有効結晶粒の粒径が25μm以下の場合に向上することがわかった。
Z方向の有効結晶粒の粒径が小さい場合、Z方向のアレスト特性を向上させることができる。これは、有効結晶粒内ではき裂が劈開破壊によって進展するのに対し、粒界ではテアリッジと称される延性破壊領域が存在し、き裂伝播抵抗の増加をもたらすためである。組織の微細化による脆性き裂伝播抵抗の向上は基本的にこのようなメカニズムであると考えられている。
以下に詳述する製造条件は、上述の表面方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板を経済的に要領よく実現するための方法の一つであり、厚肉鋼板自体の技術的範囲はこの製造条件によって規定されるものではない。
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
ここで、W0は圧延開始前の鋼塊の幅(mm)を、W1は圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅(mm)を、それぞれ表す。
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)。
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
F−2≧0・・・(7)。
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
Claims (8)
- 質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.50%以下、Mn:0.4〜2%、P:0.05%以下、S:0.008%以下、Al:0.002〜0.05%、N:0.01%以下、Nb:0.003〜0.1%を含有するとともに、次の(1)式で示される炭素当量Ceqが0.32〜0.40を満たし、残部はFeおよび不純物からなる化学組成を有し、板厚中心部のC断面における有効結晶粒の粒径が25μm以下であり、かつC断面における板厚1/4位置を中心として、Z方向で特定長さを有する任意の直線と交差する有効結晶粒の粒界数NzとC方向で前記と同じ特定長さを有する任意の直線と交差する有効結晶粒の粒界数Ncとの比Nz/Ncが1.05以上であることを特徴とするZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
Ceq=C+(Mn/6)+(Cu/15)+(Ni/15)+(Cr/5)+(Mo/5)+(V/5)・・・(1)
ただし、(1)式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
また、C断面、有効結晶粒、有効結晶粒の粒径、板厚1/4位置、Z方向およびC方向の意味は、それぞれ次に示すとおりである。
C断面:厚肉鋼板の圧延方向に垂直な断面、
有効結晶粒:EBSP法を用いて15゜以上の方位差を有する境界を結晶粒界とみなした場合の結晶粒、
有効結晶粒の粒径:有効結晶粒の面積と等価な面積を有する円の直径、
板厚1/4位置:厚肉鋼板の板厚中心部から板厚方向への距離が板厚の1/4である位置、
Z方向:厚肉鋼板の表面と裏面を結ぶ方向、
C方向:厚肉鋼板の圧延方向およびZ方向に対して直角の方向 - 質量%で、さらに、Ni:1%以下を含有したことを特徴とする、請求項1に記載のZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Cu:2%以下およびCr:1%以下の元素のうち1種または2種を含有したことを特徴とする、請求項1または2に記載のZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下およびB:0.005%以下の元素のうち1種または2種以上を含有したことを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載のZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Ti:0.1%以下を含有したことを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載のZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Ca:0.004%以下、Mg:0.002%以下およびREM:0.002%以下の元素のうち1種または2種以上を含有したことを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載のZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 請求項1から6までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼塊を、下記の工程1〜3によって、加熱し、圧延し、冷却することを特徴とするZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(h)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延開始前の鋼塊の幅W0(mm)、圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅W1(mm)、圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終形状の厚肉鋼板の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)〜(5)式を全て満足するように圧延する工程。
W1/W0≧1.40・・・(3)
A−1.5G≧0・・・(4)
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)
ここで、W0は圧延開始前の鋼塊の幅(mm)を、W1は圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅(mm)を、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0・・・(6)
F−2≧0・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。 - 請求項1から6までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼塊を、下記の工程1〜4によって、加熱し、圧延し、冷却し、焼戻すことを特徴とするZ方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(h)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(h)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延開始前の鋼塊の幅W0(mm)、圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅W1(mm)、圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終形状の厚肉鋼板の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)〜(5)式を全て満足するように圧延する工程。
W1/W0≧1.40・・・(3)
A−1.5G≧0・・・(4)
B−C−20−(1400/G)≦0・・・(5)
ここで、W0は圧延開始前の鋼塊の幅(mm)を、W1は圧延後の最終形状の厚肉鋼板の板幅(mm)を、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終形状の厚肉鋼板の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0・・・(6)
F−2≧0・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程4]Ac1点以下の温度で焼戻す工程。
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