JP5227772B2 - ブレーキ装置の潤滑装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ装置の潤滑装置およびその制御方法に関する。
ブレーキ装置では、出力軸と共に回転する回転部材と車体側に固定された固定部材とが圧接することによって制動力を生じさせるため、摩擦によって回転部材が発熱する。このため、潤滑装置が、回転部材と固定部材との間に潤滑油を流すことによって、回転部材を冷却し、回転部材の温度上昇を抑制することが行われる。
ここで、ブレーキ装置が、回転部材と固定部材とが圧接されていない開放状態である場合にも、回転部材と固定部材との間に多量の潤滑油が介在している場合、出力軸の駆動力の一部が回転部材から潤滑油に伝わることによって、駆動力のロスが生じる恐れがある。
このような駆動力のロスを防止するため、特許文献1に記載の技術では、ブレーキ装置が制動状態である場合に潤滑油の供給量を増大させ、ブレーキ装置が開放状態である場合には供給量を低減させる潤滑油回路が設けられている。
また、クラッチの開放と同時に潤滑油量を低下させるのではなく、しばらく時間遅れを持たせてから油量を低下させるという技術が特許文献2に開示されている。
特開昭53−034054号公報 特公平6−3228号公報
しかし、ブレーキ装置では、制動状態から開放状態に切り替えられたときに、回転部材の温度が十分に低下していない場合がある。このような場合、特許文献1の技術のようにブレーキ装置の制動状態・開放状態の切替に応じて潤滑油の供給量が切り換えられると、回転部材の温度が高い状態でも潤滑油の供給量が低減されてしまい、回転部材がオーバーヒートする恐れがある。また、このようなオーバーヒートを防止するためには、潤滑油の供給量を多量に設定する必要があり、この場合、駆動力のロスを抑制する効果が低減してしまう。
また、特許文献2の技術は、特許文献1の技術よりも改善されていると言えるが、油量切換のための遅れ時間は固定値である。このため、動力のロス低減という観点ではさらに改善の余地がある。
本発明の課題は、ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができるブレーキ装置の潤滑装置およびその制御方法を提供することにある。
第1発明に係るブレーキ装置の潤滑装置は、ブレーキ装置に冷却用の潤滑油を供給する潤滑装置であって、潤滑油供給装置と、制御部とを備える。潤滑油供給装置は、潤滑油をブレーキ装置に供給する。制御部は、制動タイマーと、開放タイマーと、記憶部とを有する。制動タイマーは、ブレーキ装置の制動開始からの経過時間である制動時間をカウントする。開放タイマーは、ブレーキ装置の開放開始からの経過時間である開放時間をカウントする。記憶部は、制動時間とディレー時間との対応関係を記憶している。制御部は、ブレーキ装置が制動状態である場合には、所定の第1供給量の潤滑油をブレーキ装置に供給するように潤滑油供給部を制御する。また、制御部は、ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに、制動タイマーによってカウントされた制動時間に対応するディレー時間を記憶部に記憶された対応関係から取得する。そして、制御部は、開放タイマーによってカウントされた開放時間が、取得したディレー時間に達したときに、潤滑油量を第1供給量から第1供給量より少ない第2供給量に切り換える。制御部は、制動タイマーによってカウントされた前回の制動時間を記憶部に記憶させる。制御部は、開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えていないときには、記憶部に記憶された前回の制動時間と制動タイマーによってカウントされた今回の制動時間との和を制動時間とする。
このブレーキ装置の潤滑装置では、ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに直ちに潤滑油量が第2供給量に低減されるのではなく、ディレー時間が経過したときに第2供給量に低減される。そして、このディレー時間は、記憶部に記憶された制動時間とディレー時間との対応関係と、実際にカウントされた制動時間とから取得される。このため、ブレーキ装置において発生した熱量に適したディレー時間を設定することができる。これにより、ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができる
また、前回の制動時間によって今回の制動時間が補正される。そして、補正された制動時間に対応するディレー時間が取得される。このため、前回の制動時間の影響を考慮したディレー時間を設定することができる。これにより、前回の制動による熱の影響が残存している場合であっても、オーバーヒートの発生を抑えることができる。
発明に係るブレーキ装置の潤滑装置は、第発明のブレーキ装置の潤滑装置であって、制御部は、開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えた場合には、記憶部に記憶された前回の制動時間の値を0にする。
このブレーキ装置の潤滑装置では、開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えた場合には、前回の制動時間による補正が行われずに今回の制動時間に対応するディレー時間が設定される。このため、前回の制動時の熱の影響を考慮する必要が無い場合にまで前回の制動時間を考慮したディレー時間が設定されることを防止することができる。これにより、ブレーキ装置における駆動力のロスをさらに抑制することができる。
発明に係る制御方法は、ブレーキ装置に冷却用の潤滑油を供給する潤滑装置の制御方法であって、ブレーキ装置の制動開始からの経過時間である制動時間を制動タイマーによってカウントするステップと、ブレーキ装置の開放開始からの経過時間である開放時間を開放タイマーによってカウントするステップと、ブレーキ装置が制動状態である場合に、所定の第1供給量の潤滑油をブレーキ装置に供給するステップと、ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに、制動タイマーによってカウントされた制動時間に対応するディレー時間を、記憶部に記憶された制動時間とディレー時間との対応関係から取得するステップと、開放タイマーによってカウントされた開放時間が、取得したディレー時間に達したときに、潤滑油量を第1供給量から第1供給量より少ない第2供給量に切り換えるステップと、制動タイマーによってカウントされた前回の制動時間を記憶部に記憶させルステップと、開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えていないときには、記憶部に記憶された前回の制動時間と制動タイマーによってカウントされた今回の制動時間との和を制動時間とするステップと、を備える。
この制御方法では、ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに直ちに潤滑油量が第2供給量に低減されるのではなく、ディレー時間が経過したときに第2供給量に低減される。そして、このディレー時間は、記憶部に記憶された制動時間とディレー時間との対応関係と、実際にカウントされた制動時間とから取得される。このため、ブレーキ装置において発生した熱量に適したディレー時間を設定することができる。これにより、ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができる。
また、前回の制動時間によって今回の制動時間が補正される。そして、補正された制動時間に対応するディレー時間が取得される。このため、前回の制動時間の影響を考慮したディレー時間を設定することができる。これにより、前回の制動による熱の影響が残存している場合であっても、オーバーヒートの発生を抑えることができる。
本発明に係るブレーキ装置の潤滑装置およびその制御方法では、ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができる。
〔構成〕
本発明の一実施形態に係る潤滑装置を備えた作業車両1の概略システム構成図を図1に示す。この作業車両1は、例えばブルドーザであり、エンジン2、動力伝達機構3、一対の走行装置4a,4b、潤滑油供給部6、各種の操作部32−35、制御部7などを備えている。これらの構成部品のうち潤滑油供給部6および制御部7が、ブレーキ装置5a,5bに冷却用の潤滑油を供給する潤滑装置を構成している。なお、各種の操作部32−35の詳細については後述する。
エンジン2は、ディーゼルエンジンであり、図示しない燃料噴射ポンプからの燃料の噴射量が調整されることにより、エンジン2の出力が制御される。具体的には、実際のエンジン回転数が制御部7によって設定されたエンジン回転数になるように、負荷に応じてエンジン回転数と燃料噴射量とが調整される。エンジン2からの駆動力は、動力取出装置8を介して、動力伝達機構3や、後述する油圧ポンプ30に分配される。なお、エンジン2の回転数はエンジン回転数センサ41によって検知され、検知信号として制御部7に送られる。
動力伝達機構3は、エンジン2からの駆動力を一対の走行装置4a,4bに伝達する機構であり、トルクコンバータ9、トランスミッション10、ベベルギヤ11、横軸12、一対の操向クラッチ13a,13b、一対のブレーキ装置5a,5b、一対の出力軸14a,14bなどを有する。
トルクコンバータ9は、エンジン2からの駆動力をトランスミッション10に伝達する。
トランスミッション10は、エンジン2から出力軸14a,14bに伝達される駆動力を変速するための装置であり、駆動力をトルクコンバータ9からベベルギヤ11に伝達する。トランスミッション10は、制御部7からの制御信号によって制御されることにより、前進と後進と切り替える。また、トランスミッション10は、制御部7からの制御信号によって制御されることにより、速度段の切替を行う。例えば、前進1〜3速および後進1〜3速の切り替えが可能である。トランスミッション10から出力されたエンジン2の駆動力は、ベベルギヤ11に伝達される。
図2に示すように、ベベルギヤ11に伝えられた動力は、横軸12および操向クラッチ13aを介して出力軸14aに伝えられる。操向クラッチ13aは、湿式多板式であり、クラッチピストン15によってクラッチディスク16を皿バネにより圧接、また油圧により切断することによりON/OFFを行う。なお、図2では、一対の操向クラッチ13a,13bのうち一方の操向クラッチ13aのみを図示しているが、他方の操向クラッチ13bも同様の構造である。
走行クラッチ13a,13bを経て出力される駆動力は、ブレーキ装置5a,5bに入力される。ブレーキ装置5aは、いわゆる湿式多板式のブレーキ装置であり、複数のブレーキディスク20と、複数の固定プレート21と、ブレーキピストン22とを有している。ブレーキディスク20は固定プレート21の間にそれぞれ配置されており、横軸12および出力軸14aと共に回転する複数のブレーキディスク20と、車体側に固定された固定プレート21とが圧接されることによって制動力が発生する。なお、このブレーキ装置5aはいわゆるネガティブブレーキであり、ブレーキピストン22に油圧がかけられていない状態において、皿バネの付勢力によってブレーキディスク20と固定プレート21とが圧接された制動状態となる。また、ブレーキピストン22に油圧がかけられることによって、ブレーキピストン22が皿バネの付勢力に抗してブレーキディスク20と固定プレート21とを離反させる。これにより、ブレーキ装置5aが開放状態となる。なお、図2では、一対のブレーキ装置5a,5bのうち一方のブレーキ装置5aのみを図示しているが、他方のブレーキ装置5bも同様の構造である。
一対の走行装置4a,4bは、図1に示すように、それぞれ、スプロケット17a,17bと、スプロケット17a,17bに巻回される履帯18a,18bとを有している。スプロケット17a,17bは、動力伝達機構3の出力軸14a,14bに連結されており、エンジン2からの駆動力は、動力伝達機構3を介してスプロケット17a,17bにそれぞれ伝達される。スプロケット17a,17bが回転駆動されると、スプロケット17a,17bに巻回された履帯18a,18bが駆動され、これにより作業車両1が走行する。
ブレーキ装置5a,5bの制動状態・開放状態の切り替えが繰り返えされると、ブレーキディスク20に摩擦熱が発生する。このブレーキ装置5a,5bでは、潤滑油供給部6から供給される潤滑油によって、ブレーキディスク20の潤滑および冷却を行うことができる。図2に示すように、潤滑油供給部6から供給される潤滑油は、矢印のように潤滑油供給路23を通り、ブレーキ用供給路24aとクラッチ用供給路24bとの二つの経路に分岐する。なお、図2では、ブレーキ用供給路24aとクラッチ用供給路24bとは重なって配置されており、ブレーキ用供給路24aは、クラッチ用供給路24bの後方に位置している。ブレーキ用供給路24aに送られた潤滑油は、ブレーキ用供給口25を通り、ブレーキディスク20の隙間を通ってブレーキディスク20を潤滑および冷却する。また、クラッチ用供給路24bに送られた潤滑油は、クラッチ用供給口26を通り、クラッチディスク16の隙間を通ってクラッチディスク16を潤滑および冷却する。ブレーキディスク20の隙間を通った潤滑油およびクラッチディスク16の隙間を通った潤滑油は、図示しない回収経路を通ってタンク19(図1参照)に回収される。
潤滑油供給部6は、潤滑油をブレーキ装置5a,5bに供給する装置であり、図1に示すように、油圧ポンプ30と、ブレーキディマンド弁42とを有する。
油圧ポンプ30は、動力取出装置8を介して伝達されるエンジン2からの駆動力によって駆動される固定容量ポンプであり、上述したブレーキ装置5a,5bを冷却するための潤滑油を吐出する。
ブレーキディマンド弁42は、ブレーキ装置5a,5bに供給される潤滑油量を制御するための装置である。ブレーキディマンド弁42は、流量切替弁43とパイロット制御弁44とを有する。
流量切替弁43は、ブレーキ装置5a,5bに供給される潤滑油の供給量を切り替える。流量切替弁43は、供給されるパイロット圧に応じて制御され、第1状態と第2状態とに切換可能である。流量切替弁43は、第1状態では、油圧ポンプ30から吐出された潤滑油の全量(以下、「第1供給量」と呼ぶ)をブレーキ装置5a,5bに供給する。流量切替弁43は、第2状態では、油圧ポンプ30から吐出された潤滑油を第1供給量より少ない第2供給量に減量してブレーキ装置5a,5bに供給する。流量切替弁43にパイロット圧が印加されていない場合には、バネの付勢力によって流量切替弁43は第1状態とされる。流量切替弁43にパイロット圧が印加されている場合には、流量切替弁43は第2状態とされる。
パイロット制御弁44は、制御部7からの制御信号によって制御される電磁制御弁であり、流量切替弁43に印加されるパイロット圧を制御する。パイロット制御弁44が非励磁状態である場合には、流量切替弁43にパイロット圧が印加されない。この状態では、流量切替弁43は第1状態に維持され、潤滑油が大流量の第1供給量でブレーキ装置5a,5bに供給される。また、パイロット制御弁44が励磁状態である場合には、流量切替弁43にパイロット圧が印加される。この状態では、流量切替弁43は第2状態に維持され、小流量の第2供給量で潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。
各種の操作部32−35は、図示しない運転室に内装されており、オペレータによって操作されることにより作業車両1に各種の動作を行わせることができる。また、これらの操作部32−35による操作内容は、操作信号として制御部7へ送られる。操作部32−35には、スロットル操作部32、変速操作部33、ステアリング操作部34、ブレーキ操作部35などがある。
スロットル操作部32は、エンジン回転数の変更を指示するためのものである。スロットル操作部32によって指定されたエンジン回転数は制御部7に入力され、制御部7はエンジン回転数が指定された回転数になるようにエンジン2を制御する。
変速操作部33は、トランスミッション10の速度段の切替を指示するためのものである。この作業車両1では、前進・後進のそれぞれにおいて、第1速から第3速までの速度段の切替が可能である。オペレータが変速操作部33を操作すると、制御部7は、変速操作部33によって指定された速度段にトランスミッション10を切り替える。これにより、オペレータは、手動で速度段の切替を行うことができる。なお、制御部7による判断によって自動的にトランスミッション10の変速が行われてもよい。
ステアリング操作部34は、作業車両1の前進・後退の切替、旋回方向の切替を指示するためのものである。オペレータは、ステアリング操作部34を前後に傾動操作することによりトランスミッション10の前進状態および後進状態を切り替えることができる。また、オペレータは、ステアリング操作部34を左右に傾動操作することにより、作業車両1の旋回、すなわち進行方向を調整することができる。具体的には、ステアリング操作部34からの操作信号に応じて、制御部7が、一対の操向クラッチ13a,13bおよび一対のブレーキ装置5a,5bの制御を行うことにより、上記操向の切替が行われる。例えば、両方の操向クラッチ13a,13bがONにされ、且つ、両方のブレーキ装置5a,5bが開放状態にされると、作業車両1は直進する。この状態から、一方の操向クラッチ13aがOFFにされると、作業車両1は緩旋回する。また、一方の操向クラッチ13aがOFFにされ、且つ、OFFにされた操向クラッチ13aと同じ側のブレーキ装置5a,5bが制動状態にされると、車両は信地旋回する。上記と逆方向に旋回する場合は、操向クラッチ13bがOFFにされ、ブレーキ装置5a,5b5bが制動状態にされる。
ブレーキ操作部35は、作業車両1の減速を指示するためのものであり、ブレーキペダル37とポテンショメータ38とを有する。なお、ブレーキペダル37が最大まで踏込まれたときには、両方の操向クラッチ13a,13bがOFFにされ、両方のブレーキ装置5a,5bが制動力最大の状態となり、車両は停止する。ブレーキペダルが踏み込まれると、その踏み込み量に応じたポテンショ電圧を有するブレーキ信号がポテンショメータ38から制御部7に入力される。制御部7は、図3に示すように、ブレーキ操作部35の操作量に対応するポテンショ電圧に応じてブレーキ油圧を制御する。ブレーキ油圧は、皿バネの付勢力に抗してブレーキディスク20が固定ディスクから離れる方向に、ブレーキピストン22に印加される油圧であり、ブレーキ油圧が制御されることにより、ブレーキ装置5a,5bの制動力が制御される。具体的には、ポテンショ電圧がV1以上の範囲(以下、「ZONE[1]」と呼ぶ)である場合には、ポテンショ電圧が増大するほどブレーキ油圧が低減される。これにより、皿バネの付勢力に抗する力が低下して、ブレーキディスク20と固定プレート21との圧接力が増大する結果、制動力が増大する。また、ポテンショ電圧がV1未満の範囲(以下、「ZONE[0]」と呼ぶ)である場合は、ブレーキ油圧はP1に保持される。この場合、ブレーキディスク20が皿バネの付勢力に抗して固定プレート21から離反した状態が維持される。すなわち、ブレーキペダルの踏み込み量が少ない場合にはブレーキが制動状態とならないように、ブレーキペダルに遊びが設けられている。
なお、図示していないが、この作業車両1は、ブレードなどの作業機と、作業機を駆動するための油圧シリンダおよび油圧シリンダに圧油を供給する作業機用油圧ポンプなどを備えている。そして、図示しない作業機操作部が操作されることにより、作業機による各種の作業を行うことができる。
制御部7は、マイクロコンピュータや数値演算プロセッサ等の演算処理装置やメモリーなどによって構成されている。制御部7は、操作部32−35からの操作信号、エンジン回転数センサ41を含む各種のセンサからの検出信号などに基づいて、エンジン2、動力伝達機構3などの制御を行う。
また、図1に示すように、制御部7は、制動タイマー71と、開放タイマー72と、記憶部73とを有する。制動タイマー71は、ブレーキ装置5a,5bの制動開始からの経過時間である制動時間をカウントする。開放タイマー72は、ブレーキ装置5a,5bの制動開始からの経過時間である制動時間をカウントする。記憶部73は、ディレー時間マップを記憶している。ディレー時間マップは、制動時間とディレー時間との対応関係を示すマップであり、実験或いはシミュレーションなどによって予め求められ、記憶部73に保存されている。図4に示すように、ディレー時間マップでは、制動時間TBが、0≦TB<TBaの範囲では、ディレー時間TDはTDaで一定である。制動時間TBが、TBa≦TB<TBbの範囲では、ディレー時間TDはTDaからTDbまで制動時間TBの増大に応じて増大する。また、制動時間TBが、TB≧TBaの範囲では、ディレー時間TDはTDbで一定である。制御部7は、上記のタイマーの機能と、記憶部73に保存されたディレー時間マップとを用いて潤滑油供給部6を制御することにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量を制御する。
ブレーキ装置5a,5bが開放状態である場合は、制御部7は、ブレーキディマンド弁42をオン状態にする。すなわち、パイロット制御弁44が励磁状態にされ、流量切替弁43が第2状態となる。これにより、小流量の第2供給量で潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。また、ブレーキ装置5a,5bが制動状態である場合は、制御部7は、ブレーキディマンド弁42をオフ状態にする。すなわち、パイロット制御弁44が非励磁状態にされ、流量切替弁43が第1状態となる。これにより、大流量の第1供給量で潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。ただし、ブレーキ装置5a,5bが制動状態から開放状態に切り換えられた場合には、制御部7は、ブレーキ装置5a,5bの開放開始から開放タイマー72によってカウントされた開放時間がディレー時間に達したときに、潤滑油量を第1供給量から第2供給量に低減させる。ここでは、図4に示すディレー時間マップを用いて、制動タイマー71によってカウントされた制動時間TBに対応するディレー時間TDが取得される。
また、制御部7は、前回の制動時間を記憶部73に保存しておき、開放時間がディレー時間より少ない場合には、前回の制動時間によって今回の制動時間を補正する。そして、補正された制動時間を用いてディレー時間を求める。ただし、制御部7は、開放時間がディレー時間を越えた場合には、記憶部73に記憶された前回の制動時間の値を0にする。すなわち、前回の制動時間を考慮せずに今回の制動時間のみを用いてディレー時間を求める。
〔潤滑油の供給量の制御〕
以下、制御部7が行うブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量の制御について、図5のフローチャートおよび図6、図7のタイミングチャートに基づいて詳細に説明する。図5のフローチャートで用いられるパラメータTimer_Brk_On、TB、TD、TB_pre、TB_currの初期値はゼロに設定されている。また、パラメータTimer_Brk_Off、TBoffの初期値は、最大値(0×FFFF)に設定されている。エンジン2が始動されたときには、各パラメータは初期値とされる。なお、エンジン2の始動時ではなく、図示せぬ走行ロックレバーが解除されたとき、すなわち走行可能な状態となったときに各パラメータを初期値とするようにしても良い。
まず、図6のタイミングチャートにおいて時間t0では、ブレーキ装置5a,5bは開放状態となっている。従って、ステップS1においてブレーキ信号はZONE[1]ではないと判断され、ステップS2に進む。
ステップS2では、制動タイマー71のカウント値Timer_Brk_Onがゼロに設定される。また、開放タイマー72がカウントされて、そのカウント値Timer_Brk_Offが開放時間TBoffの値として設定される。ただし、カウント値Timer_Brk_Offは初期値である最大値0×FFFFのまま変化しない。また、制動タイマー71のカウント値Timer_Brk_Onの初期値のゼロのまま変化しない。
ステップS3では、前回の判定時でのブレーキ信号がZONE[1]であるか否かが判定される。ここでは、初期化後の最初の判定であり、前回の判定が存在しないため、前回のブレーキ信号がZONE[1]ではないと判断されて、ステップS5に進む。
ステップS5では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、ディレー時間TDは初期値ゼロであり開放時間TBoffは最大値0×FFFFであるため、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であると判断され、ステップS6に進む。
ステップS6では、ブレーキディマンド弁42がオンにされる。これにより、小流量の第2供給量で潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。すなわち、ブレーキ装置5a,5bが開放状態である場合には第2供給量の潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。
次に、ステップS1に戻り、時間t1に達するまでステップS1,S2,S3,S5,S6が繰り返される。
時間t1に達すると、ブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられる。このため、ステップS1においてブレーキ信号がZONE[1]であると判断されて、ステップS7に進む。
ステップS7では、制動タイマー71がカウントされて、そのカウント値Timer_Brk_Onが今回の制動時間TB_currとして設定される。すなわち、時間t1からの経過時間が今回の制動時間TB_currとして設定される。
ステップS8では、前回の判定時のブレーキ信号がZONE[0]であるか否かが判定される。ここでは、前回の判定時のブレーキ信号がZONE[0]であると判断されて、ステップS9に進む。
ステップS9では、記憶部73に記憶されている制動時間TBが前回の制動時間TB_preとして設定される。ここでは、制動時間TBは初期値ゼロのままであるため、前回の制動時間TB_preはゼロに設定される。
ステップS10では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、ディレー時間TDは初期値ゼロのままであり、開放時間TBoffは最大値0×FFFFである。このため、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であると判断されて、ステップS11に進む。
ステップS11では、前回の制動時間TB_preがゼロに設定される。
ステップS12では、今回の制動時間TB_currと前回の制動時間TB_preとの和が制動時間TBとして設定される。ここでは、前回の制動時間TB_preはゼロであるため、今回の制動時間TB_currすなわち時間t1からの経過時間が制動時間TBとして設定される。
ステップS13では、開放タイマー72のカウント値Timer_Brk_Offがゼロに設定される。
ステップS14では、ブレーキディマンド弁42がオフにされる。これにより、大流量の第1供給量で潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。すなわち、ブレーキ装置5a,5bが制動状態である場合には第1供給量の潤滑油がブレーキ装置5a,5bに供給される。
そして、ステップS1に戻り、その後、時間t2までは、ステップS1,S7,S8,S12,S13,S14が繰り返される。ただし、ステップS8では、前回の判定時のブレーキ信号はZONE[0]ではないと判断されてステップS12に進む。これにより、時間t2に達したときには、時間t1から時間t2までの時間ΔT1が制動時間TBとして設定され、記憶部73に記憶される。
時間t2に達すると、ブレーキが開放状態にされる。このため、ステップS1において、ブレーキ信号はZONE[1]ではないと判断されてステップS2に進む。
ステップS2では、制動タイマー71のカウント値Timer_Brk_Onがゼロに設定される。また、開放タイマー72がカウントされて、そのカウント値Timer_Brk_Offが開放時間TBoffの値として設定される。上述したステップS13においてカウント値Timer_Brk_Offがゼロに設定されているため、ここでは、時間t2からの経過時間が開放時間TBoffの値として設定される。
ステップS3では、前回の判定時でのブレーキ信号がZONE[1]であるか否かが判定される。ここでは、前回の判定時でのブレーキ信号がZONE[1]であると判断されて、ステップS4に進む。
ステップS4では、ディレー時間TDが制動時間TBから算出される。ここでは、図4に示すディレー時間マップと制動時間TBとからディレー時間TDが算出される。ここでは、制動時間TBとして時間t1から時間t2までの時間ΔT1が設定されているため、ディレー時間マップにおいて時間ΔT1に対応するディレー時間TDが設定される。
ステップS5では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、開放時間TBoffがステップS4で算出したディレー時間TD以上であるか否かが判定される。開放時間TBoffがディレー時間TD以上ではない場合は、ステップS14に進み、ブレーキディマンド弁42がオフに維持される。このため、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量は第1供給量に維持される。
そして、ステップS1に戻り、時間t3に達するまでステップS1、S2、S3,S5,S14が繰り返される。なお、ステップS3では、前回の判定時のブレーキ信号はZONE[1]ではないと判断されて、ステップ5に進む。
時間t3に達すると、ステップS5において開放時間TBoffがディレー時間TD以上であると判断されてステップS6に進む。
ステップS6では、ブレーキディマンド弁42がオンにされる。これにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第1供給量から第2供給量に低減される。そして、ステップS1に戻り、時間t4に達するまではステップS1、S2,S3,S5,S6が繰り返される。これにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第2供給量に維持される。
時間t4に達するとブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられる。この場合、上記と同様に、ステップS1,S7,S8を経てステップS9に進む。
ステップS9では、記憶部73に記憶されている制動時間TBが前回の制動時間TB_preとして設定される。ここでは、制動時間TBとして時間t1から時間t2までの時間ΔT1が記憶部73に記憶されている。このため、前回の制動時間TB_preは時間ΔT1に設定される。
ステップS10では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、開放時間TBoffはディレー時間TD以上であるため、ステップS11に進む。
ステップS11では、前回の制動時間TB_preが時間ΔT1からゼロにリセットされる。
ステップS12では、今回の制動時間TB_currと前回の制動時間TB_preとの和が制動時間TBとして設定される。ここでは、前回の制動時間TB_preはゼロであるため、今回の制動時間TB_currすなわち時間t4からの経過時間が制動時間TBとして設定される。
ステップS13では、開放タイマー72のカウント値Timer_Brk_Offがゼロに設定される。
ステップS14では、ブレーキディマンド弁42がオフにされる。これにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第2供給量から第1供給量に増大される。
そして、ステップS1に戻り、その後、時間t5までは、ステップS1,S7,S8,S12,S13,S14が繰り返される。なお、ステップS8では、前回の判定時のブレーキ信号はZONE[0]ではないと判断されてステップS12に進む。これにより、時間t5に達したときには、時間t4から時間t5までの時間ΔT2が制動時間TBとして設定される。
そして、時間t5に達すると、上記のフローと同様に、ステップS4において時間ΔT2に対応するディレー時間TDが算出され、時間t5から、時間ΔT2に対応するディレー時間TDが経過した時間t6においてブレーキディマンド弁42がオンに切り換えられる。
上記の例では、時間t2からディレー時間TDが経過した後にブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられている(時間t4参照)。以下、時間t2からディレー時間TDが経過する前にブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられた場合の処理について説明する。
図7に示すように、時間t2までの処理は上記と同様である。これにより、制動時間TBとして時間t1から時間t2までの時間ΔT1が記憶部73に記憶されている。また、時間t2から時間taに達するまでは、ステップS1,S2,S3,S5,S14が繰り返され、ブレーキディマンド弁42はオフに維持されている。このため、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量は第1供給量に維持されている。
そして、時間t2から時間ΔT1に対応するディレー時間TD(図7における「TD1」参照)が経過する前の時間taにおいてブレーキ装置5a,5bが開放状態から制動状態に切り換えられると、ステップS1.S7,S8を経てステップS9に進む。
ステップS9では、記憶部73に記憶されている制動時間TBが前回の制動時間TB_preとして設定される。ここでは、制動時間TBとして時間t1から時間t2までの時間ΔT1が記憶部73に記憶されている。このため、前回の制動時間TB_preは時間ΔT1に設定される。
ステップS10では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、開放時間TBoffは時間t2から時間taまでの時間であり、ディレー時間TD以上ではないため、ステップS12に進む。
ステップS12では、今回の制動時間TB_currと前回の制動時間TB_preとの和が制動時間TBとして設定される。ここでは、前回の制動時間TB_preであるΔT1と、今回の制動時間TB_currである時間taからの経過時間が制動時間TBとして設定される。
ステップS13では、開放タイマー72のカウント値Timer_Brk_Offがゼロに設定される。
ステップS14では、ブレーキディマンド弁42がオフに維持される。これにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第1供給量に維持される。
そして、ステップS1に戻り、その後、時間tbまでは、ステップS1,S7,S8,S12,S13,S14が繰り返される。これにより、時間tbに達したときには、時間t1から時間t2までの時間ΔT1と時間taから時間tbまでの時間ΔT3との和が制動時間TBとして設定される。
次に、時間tbにおいてブレーキ装置5a,5bが制動状態から開放状態に切り換えられると、ステップS1、S2,S3を経てステップS4に進む。
ステップS4では、ディレー時間TDが制動時間TBから算出される。ここでは、制動時間TBは時間ΔT1と時間ΔT3との和が設定されているため、ディレー時間マップにおいて時間ΔT1と時間ΔT3との和に対応するディレー時間(図7における「TD2」参照)が設定される。
ステップS5では、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であるか否かが判定される。ここでは、開放時間TBoffがステップS4で算出したディレー時間TD以上であるか否かが判定される。開放時間TBoffがディレー時間TD以上ではない場合は、ステップS14に進み、ブレーキディマンド弁42がオフに維持される。このため、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量は第1供給量に維持される。
そして、ステップS1に戻り、時間tcに達するまでステップS2、S3,S5,S14が繰り返される。
時間tcに達すると、ステップS5において、開放時間TBoffがディレー時間TD以上であると判断されステップS6に進む。そして、ステップS6においてブレーキディマンド弁42がオンに切り換えられる。これにより、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第1供給量から第2供給量に低減される。
〔特徴〕
このブレーキ装置5a,5bの潤滑装置では、ブレーキ装置5a,5bが制動状態から開放状態に切り換えられたときに直ちに潤滑油量が第2供給量に低減されるのではなく、ディレー時間が経過したときに第2供給量に低減される。そして、このディレー時間は、記憶部73に記憶されたディレー時間マップと、実際にカウントされた制動時間とから取得される。このため、ブレーキ装置5a,5bにおいて発生した熱量に適したディレー時間を設定することができる。これにより、ブレーキ装置5a,5bにおける駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができる。
また、ブレーキ装置5a,5bの開放開始からディレー時間が経過する前にブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられた場合には、その後に開放状態に切り換えられたときのディレー時間が今回の制動時間と前回の制動時間とを足した値から算出される。これにより、前回の開放時に十分に冷却されずに熱が残存したブレーキ装置5a,5bを今回の開放時に十分に冷却することができる。
また、ディレー時間が経過した後にブレーキ装置5a,5bが制動状態に切り換えられた場合には、その後に開放状態に切り換えられたときのディレー時間は、前回の制動時間を加味せずに今回の制動時間のみから算出される。このため、ディレー時間が不必要に長く設定されることを防止することができ、ブレーキ装置5a,5bにおける駆動力のロスを抑制することができる。
〔他の実施形態〕
(a)上記の実施形態では制動時間とディレー時間との対応関係を示すマップが用いられているが、テーブルなどの他の算出手段が用いられてもよい。また、ディレー時間マップは上記のような形状に限らず、異なる形状のものが用いられてもよい。
(b)上記の実施形態では、第2供給量は少量の供給量とされているが、第2供給量がゼロとされてもよい。また、第1供給量は油圧ポンプ30から吐出された全量とされているが、全量よりも少ない量であってもよい。
(c)上記の実施形態では、記憶部73に記憶された前回の制動時間の値を0にする際の基準時間としてディマンド時間が用いられているが、他の基準時間が用いられてもよい。例えば、所定の定数や、ディマンド時間に所定の定数を乗じた値などが用いられてもよい。
(d)
流量切換弁43は比例制御によって無段階あるいは3以上の多段階に制御されてもよい。この場合、図8(b)に示すように、ブレーキディマンド弁42は、High状態とLow状態との間で無段階に切り換えられる。High状態とは、上記のブレーキディマンド弁42のオフ状態に相当し、例えば、潤滑油量が最大流量とされる状態である。Low状態は、上記のブレーキディマンド弁42のオン状態に相当し、例えば、潤滑油量が最大流量の50%にされる状態である。
この場合、時間tcにおいて開放時間TBoffがディレー時間TDに達したと判断されると、その後、ブレーキディマンド弁42がHigh状態からLow状態に向けて徐々に変更される。具体的には、パイロット制御弁44への制御信号の電流値が徐々に増大されることにより、流量切換弁43の開度が徐々に小さくなる。これにより、時間tcの後、ブレーキ装置5a,5bへの潤滑油量が第1供給量から第2供給量まで徐々に低減される。
(e)
上記の潤滑油の供給量の制御は、ステアリング操作部34の操作によってブレーキ装置5a,5bの制動と開放とが切り換えられる場合にも適用することができる。また、この場合、例えば、旋回操作時に片側のブレーキ装置だけ制動状態となっていても、左右両方のブレーキ装置5a,5bの潤滑油量を増加させてもよい。また、旋回操作時に一方のブレーキ装置だけが制動状態である場合は、開放状態である他方のブレーキ装置に対しては潤滑油量を増加させないようにしてもよい。
(f)上記の実施形態では、作業車両1としてブルドーザが例示されているが他の作業車両に本発明が適用されてもよい。
本発明は、ブレーキ装置における駆動力のロスを抑制することができると共に、オーバーヒートの発生を抑えることができる効果を有し、作業車両および作業車両の制御方法として有用である。
作業車両の概略システム構成図。 ブレーキ装置の構成を示す断面図。 ブレーキ信号のポテンショ電圧とブレーキ油圧との関係を示すグラフ。 ディレー時間マップを示すグラフ。 潤滑油の供給量の制御を示すフローチャート。 潤滑油の供給量の制御を示すタイミングチャート。 潤滑油の供給量の制御を示すタイミングチャート。 他の実施形態における潤滑油の供給量の制御を示すタイミングチャート。
5a,5b ブレーキ装置5a,5b
6 潤滑油供給部
7 制御部7
71 制動タイマー
72 開放タイマー
73 記憶部
TB 制動時間
TBoff 開放時間
TD ディレー時間
TB_pre 前回の制動時間
TB_curr 今回の制動時間

Claims (3)

  1. ブレーキ装置に冷却用の潤滑油を供給する潤滑装置であって、
    前記潤滑油を前記ブレーキ装置に供給する潤滑油供給部と、
    前記ブレーキ装置の制動開始からの経過時間である制動時間をカウントする制動タイマーと、前記ブレーキ装置の開放開始からの経過時間である開放時間をカウントする開放タイマーと、前記制動時間とディレー時間との対応関係を記憶している記憶部と、を有し、前記ブレーキ装置が制動状態である場合には所定の第1供給量の潤滑油を前記ブレーキ装置に供給するように前記潤滑油供給部を制御し、前記ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに、前記制動タイマーによってカウントされた制動時間に対応するディレー時間を前記記憶部に記憶された対応関係から取得し、前記開放タイマーによってカウントされた開放時間が、取得した前記ディレー時間に達したときに、潤滑油量を前記第1供給量から前記第1供給量より少ない第2供給量に切り換える制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記制動タイマーによってカウントされた前回の制動時間を前記記憶部に記憶させ、
    前記制御部は、前記開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えていないときには、前記記憶部に記憶された前回の制動時間と前記制動タイマーによってカウントされた今回の前記制動時間との和を前記制動時間とする、
    ブレーキ装置の潤滑装置。
  2. 前記制御部は、前記開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えた場合には、前記記憶部に記憶された前回の制動時間の値を0にする、
    請求項に記載のブレーキ装置の潤滑装置。
  3. ブレーキ装置に冷却用の潤滑油を供給する潤滑装置の制御方法であって、
    前記ブレーキ装置の制動開始からの経過時間である制動時間を制動タイマーによってカウントするステップと、
    前記ブレーキ装置の開放開始からの経過時間である開放時間を開放タイマーによってカウントするステップと、
    前記ブレーキ装置が制動状態である場合に、所定の第1供給量の潤滑油を前記ブレーキ装置に供給するステップと、
    前記ブレーキ装置が制動状態から開放状態に切り換えられたときに、前記制動タイマーによってカウントされた制動時間に対応するディレー時間を、記憶部に記憶された前記制動時間とディレー時間との対応関係から取得するステップと、
    前記開放タイマーによってカウントされた開放時間が、取得した前記ディレー時間に達したときに、潤滑油量を前記第1供給量から前記第1供給量より少ない第2供給量に切り換えるステップと、
    前記制動タイマーによってカウントされた前回の制動時間を前記記憶部に記憶させルステップと、
    前記開放タイマーによってカウントされた開放時間が予め定められた基準時間を越えていないときには、前記記憶部に記憶された前回の制動時間と前記制動タイマーによってカウントされた今回の前記制動時間との和を前記制動時間とするステップと、
    を備えるブレーキ装置の潤滑装置の制御方法。
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