JP5218496B2 - スタータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のエンジンを始動のためにクランキングするスタータの制御装置に関する。
エンジンをクランキングするスタータのモータ(以下、スタータモータともいう)への通電を制御する技術として、特許文献1に記載のものがある。
その特許文献1では、電源としてのバッテリからスタータモータへの通電経路に、突入電流を抑制するための抵抗体(始動抵抗)と、接点が短絡する(オンする)ことで該抵抗体を短絡させる(換言すると、該抵抗体をバイパスする)短絡用リレーとの、並列回路を設けている。そして、スタータモータへの通電開始時には、上記短絡用リレーの接点を開いておくことで抵抗体により抑制された電流をスタータモータに流し、その後、上記短絡用リレーの接点を閉じて抵抗体を無効化することによりバッテリの全電圧をスタータモータに印加する、という制御を行っている。このような制御により、スタータモータへの通電開始時の突入電流を抑制して、バッテリ電圧(電源電圧)の低下を抑制している。
尚、特許文献2には、スタータとして、モータにより回転駆動されるピニオンギヤを、そのモータへの通電とは別に、エンジンのリングギヤに噛み合う状態と、リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものが記載されている。
特開2004−308645号公報 特開平11−30139号公報
ところで、特許文献1に記載のものにおいて、上記短絡用リレーに固着異常が生じて、該短絡用リレーの接点が閉じたままの状態になると、エンジン始動の際に、上記抵抗体を有効にすることができず、バッテリ電圧の低下を抑制することができなくなる。
そして、エンジン始動の度にバッテリ電圧が大きく低下すると、エンジンの始動が完了した後でバッテリへの充電が必要となり、その結果、バッテリの充放電が頻繁に行われることとなる。
そして、このような頻繁なバッテリの充放電は、バッテリの消耗(性能劣化)に繋がってしまう。また、バッテリを充電するためにオルタネータを回転させると、エンジンが発生させるべきトルクが増え、延いては燃費が悪化してしまう。
また、上記短絡用リレーの接点が開いたままの状態になると、スタータモータへの通電経路に上記抵抗体が存在したままになり、スタータモータへの通電時(エンジン始動時)における抵抗体での電力消費及び発熱が非常に大きくなる。そして、その抵抗体が発熱により切断されてしまうと、それ以後は、スタータモータへの通電が実施できず、エンジンの始動ができなくなってしまう。
このため、上記抵抗体及び短絡用リレーの如くスタータモータへの突入電流を抑制するための手段に、制御不能な異常が生じたことを検出して、何等かの処置を行うことが好ましい。
そこで、本発明は、スタータモータへの突入電流を抑制するための突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じたことを検出できるようにすることを目的としている。
請求項1のスタータ制御装置が用いられる車両は、その車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、スイッチ手段と、突入電流抑制用手段とを備えている。
そして、スイッチ手段は、電源からスタータモータ(スタータのモータ)への通電経路に設けられ、該通電経路を連通するオン状態と該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるものである。また、突入電流抑制用手段は、前記通電経路においてスイッチ手段に対し直列に設けられ、そのスイッチ手段がオン状態に駆動される場合に、スタータモータに流す電流を抑制する状態である第1状態と、スタータモータに流す電流を抑制しない状態である第2状態とに駆動されるものである。
このため、スイッチ手段がオフ状態ならば、スタータモータには電流が流れない。そして、スイッチ手段をオン状態にし、且つ、突入電流抑制用手段を第1状態にすれば、スタータモータには、電源から、突入電流抑制用手段により抑制された電流が流れることとなり、また、スイッチ手段をオン状態にし、且つ、突入電流抑制用手段を第2状態にすれば、スタータモータには、電源から、突入電流抑制用手段により抑制されない電流が流れることとなる。
そして、請求項1のスタータ制御装置は、車両の運転者の始動用操作(例えばキーを捻ったり、スタートスイッチを押す操作)に応じてエンジンを始動させる場合に、スタータにエンジンをクランキングさせるためにスタータモータに通電する通電処理として、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、所定時間後に突入電流抑制用手段を第1状態から第2状態となるように駆動する始動時通電処理を行う。この処理により、スタータモータへの電流は、通電開始時から所定時間だけ、突入電流抑制用手段により抑制されることとなり、その結果、突入電流が抑制されて、電源電圧の大きな低下が防止される。また、エンジンのクランキング時において、スタータモータへの突入電流が抑制されることにより、スタータのピニオンギヤとエンジンのリングギヤとの衝撃を低減することができ、延いては、ピニオン及びリングギヤの耐久品質を向上させることができる。
ところで、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の通電経路の電圧に基づいて、突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出することができる。
つまり、スイッチ手段がオン状態であれば、電源からスタータモータに流れる電流は、突入電流抑制用手段の状態に応じて異なる値となり、スタータモータに流れる電流が異なれば、通電経路の電圧に変化が生じるため、その通電経路の電圧と、突入電流抑制用手段の状態とには、相関性がある。このためスイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の通電経路の電圧と、突入電流抑制用手段の駆動状態とが、整合していなければ、突入電流抑制用手段の駆動状態と実際の状態とが異なっており、その突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じている、と判断することができる。
ここで、請求項1のスタータ制御装置において、突入電流抑制用手段は、第1状態として、前記通電経路に抵抗体を直列に挿入する状態となり、第2状態として、前記通電経路に前記抵抗体を挿入しない状態となるものであって、第1状態と第2状態とに択一的に駆動されるものである。尚、このような抵抗体を有した突入電流抑制用手段が用いられる場合、スイッチ手段をオン状態にすれば、スタータモータには、突入電流抑制用手段の状態に拘わらず電流が流れることになるが、突入電流抑制用手段が第1状態ならば、スタータモータには電源から抵抗体を介して電流が流れ、また、突入電流抑制用手段が第2状態ならば、スタータモータには電源から抵抗体を介すことなく電流が流れこととなる。
そして、請求項1のスタータ制御装置は、異常検出手段を備える。その異常検出手段はスイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の電源の出力電圧(つまり、スタータモータへの通電時の電源の出力電圧)に基づいて、突入電流抑制用手段に状態切り替え不能な固着異常が生じていることを検出する手段である。
その検出原理について説明すると、まず、突入電流抑制用手段を第1状態にしてスタータモータに通電した場合の通電電流をIM1とし、突入電流抑制用手段を第2状態にしてスタータモータに通電した場合の通電電流をIM2とすると、「IM1<IM2」となる。前者の場合、通電経路に抵抗体が挿入されるため、その抵抗体の分だけ、スタータモータへの通電電流が小さくなるからである。
また、電源の内部には、インピーダンス(内部インピーダンス)がある。
このため、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動してスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧V1と、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動してスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧V2とは、異なった値となり、正常ならば「V1>V2」となる。「IM1<IM2」であるため、前者の場合の方が、電源内部での電圧降下が小さくなるからである。
よって、上記V1が本来なるべき正常値を、Vs1とし、上記V2が本来なるべき正常値を、Vs2とすると、上記V1が、Vs1とVs2との間の所定値よりも低ければ、突入電流抑制用手段は設定しているつもりの第1状態ではなく本当は第2状態になっている(即ち、第2状態のままの固着異常が生じている)、と判定することができ、逆に、上記V2が、Vs1とVs2との間の所定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段は設定しているつもりの第2状態ではなく本当は第1状態になっている(即ち、第1状態のままの固着異常が生じている)、と判定することができる。尚、上記正常値Vs1は、突入電流抑制用手段が第1状態になっていてスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧であり、上記正常値Vs2は、突入電流抑制用手段が第2状態になっていてスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧である。
このため、更に具体的には異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第1状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常(以下、第2状態固着異常ともいう)が生じていると判定するように構成することができる。
また、請求項に記載のように、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第2状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第1状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常(以下、第1状態固着異常ともいう)が生じていると判定するように構成することができる。
尚、第2状態固着判定値と第1状態固着判定値との各々は、上記Vs1と上記Vs2との間の電圧値に設定することができる。また、第2状態固着判定値と第1状態固着判定値は、同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
特に、請求項のスタータ制御装置ではスタータは、モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、リングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、エンジンの運転中において、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時第2状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時第2状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時第2状態固着異常検出処理では、クランキングが不要なエンジンの運転中において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じていることを、エンジン始動時よりも前に検出することができる。尚、請求項のスタータ制御装置において、始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、請求項のスタータ制御装置では、請求項のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、始動時第2状態固着異常検出処理を行う。そして、その始動時第2状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、始動時第2状態固着異常検出処理では、エンジンを始動させるために行われる始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
尚、第2の第2状態固着判定値は、第1の第2状態固着判定値と同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
次に、請求項のスタータ制御装置は、請求項1,2のスタータ制御装置において、第1の報知手段を備えている。そして、第1の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。尚、このような報知手段(第1の報知手段)は、異常検出手段の機能として、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する機能を備えた他の請求項のスタータ制御装置においても、同様に設けることができる。
次に、請求項のスタータ制御装置では、前述した請求項のスタータ制御装置を前提にしている。
そして、異常検出手段は、エンジンの運転中において、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時第1状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時第1状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時第1状態固着異常検出処理では、クランキングが不要なエンジンの運転中において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じていることを、エンジン始動時よりも前に検出することができる。尚、請求項のスタータ制御装置においても始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、請求項のスタータ制御装置は、請求項のスタータ制御装置において、異常検出手段により、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合には、始動時通電処理によるモータへの通電時間を所定の制限時間に制限する。つまり、エンジンの運転中に、突入電流抑制用手段の第1状態固着異常が検出されたならば、次回のエンジン始動時におけるスタータモータへの通電時間を制限時間に制限する。
この構成によれば、スタータモータへの通電によって突入電流抑制用手段の抵抗体が焼損してしまうことを防止することがきる。特に、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じている場合に、長い時間モータに通電すると、突入電流抑制用手段の抵抗体が焼損する可能性があり、もし抵抗体が切れてしまうと、それ以後は、スタータモータへの通電が実施できなくなるが、そのような事態になるのを防ぐことができる。このため、上記制限時間は、抵抗体が焼損してしまう通電時間よりも短い時間に設定しておけば良い。
次に、請求項のスタータ制御装置では、請求項のスタータ制御装置において、第2の報知手段を備えている。そして、第2の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。尚、このような報知手段(第2の報知手段)は、異常検出手段の機能として、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定する機能を備えた他の請求項のスタータ制御装置においても、同様に設けることができる。
次に、請求項のスタータ制御装置は請求項のスタータ制御装置と同じものであると共に、更に、第2の第2状態固着判定値は、第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴としている。
その理由は、始動時第2状態固着異常検出処理が実施される場合にスタータモータに流れる電流と、非始動時第2状態固着異常検出処理が実際される場合にスタータモータに流れる電流とを比べると、後者の場合は、エンジンをクランキングさせないのに対して、前者の場合は、エンジンをクランキングさせるため、モータの回転負荷が大きくなる分、そのモータに流れる電流が大きくなる。よって、前者の場合は後者の場合よりも、電源の出力電圧が低くなり易い。このため、前者の場合に使用される第2の第2状態固着判定値を、後者の場合に使用される第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定することで、両場合の異常判定精度、即ち、始動時第2状態固着異常検出処理と非始動時第2状態固着異常検出処理との、両処理による異常判定精度を上げることができるのである。
ところで、請求項1,8のスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時第2状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(請求項)。同様に、請求項のスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時第1状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(請求項10)。
なぜなら、非始動時第2状態固着異常検出処理と、非始動時第1状態固着異常検出処理とでは、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において通電するため、そのスタータモータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
以下に、参考発明について説明する。
突入電流抑制用手段としては前記通電経路に設けられたスイッチング素子であって、オンとオフとに交互に切り替えるスイッチング制御の駆動が行われることで第1状態になり、オン状態を継続する駆動が行われることで第2状態になるスイッチング素子、が用いられることも考えられる。尚、この場合、スイッチング素子をスイッチング制御する際のデューティ比(即ち、オン時間とオフ時間との合計である1周期時間に対するオン時間の割合)を変えることで、スタータモータへの電流を抑制する度合いを変えることができる。
そして、参考発明1として、スイッチング素子が突入電流抑制用手段として用いられる場合、異常検出手段はスイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の電源の出力電圧に基づいて、突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出することができる。スイッチ手段がオン状態であれば、突入電流抑制用手段としてのスイッチング素子の状態によって、電源からスタータモータに流れる電流が変わり、電流が変われば、電源内部での電圧降下により該電源の出力電圧も変わる(詳しくは、電流が大きいほど、電源の出力電圧は下がる)ため、その電源の出力電圧から、スイッチング素子の実際の状態を把握できるからである。
このため、更に具体的には、参考発明2として、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第1状態又はオフ状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常(以下、オン状態固着異常ともいう)が生じていると判定するように構成することができる。
また、参考発明6として、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第2状態(=オン状態)となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定のオフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常(以下、オフ状態固着異常ともいう)が生じていると判定するように構成することができる。
次に、参考発明3のスタータ制御装置では、参考発明2のスタータ制御装置において、スタータは、モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、リングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、エンジンの運転中において、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時オン状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時オン状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態又はオフ状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時オン状態固着異常検出処理では、クランキングが不要なエンジンの運転中において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にすることで、エンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じていることを、エンジン始動時よりも前に検出することができる。尚、参考発明3のスタータ制御装置において、始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、参考発明4のスタータ制御装置では、参考発明2,3のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、始動時オン状態固着異常検出処理を行う。そして、その始動時オン状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、始動時オン状態固着異常検出処理では、エンジンを始動させるために行われる始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
尚、第2のオン状態固着判定値は、第1のオン状態固着判定値と同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
次に、参考発明5のスタータ制御装置は、参考発明2〜4のスタータ制御装置において、第1の報知手段を備えている。そして、第1の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。尚、このような報知手段(第1の報知手段)は、異常検出手段の機能として、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する機能を備えた他スタータ制御装置においても、同様に設けることができる。
次に、参考発明7のスタータ制御装置では、前述した参考発明6のスタータ制御装置において、スタータは、前述のピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、エンジンのリングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、エンジンの運転中において、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時オフ状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時オフ状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第2状態(=オン状態)となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時オフ状態固着異常検出処理では、クランキングが不要なエンジンの運転中において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じていることを、エンジン始動時よりも前に検出することができる。尚、参考発明7のスタータ制御装置においても、始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、参考発明8のスタータ制御装置では、参考発明6,7のスタータ制御装置において、第2の報知手段を備えている。そして、第2の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。尚、このような報知手段(第2の報知手段)は、異常検出手段の機能として、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する機能を備えた他スタータ制御装置においても、同様に設けることができる。
次に、参考発明9のスタータ制御装置は、参考発明3のスタータ制御装置を前提とした参考発明4のスタータ制御装置と同じものであると共に、更に、第2のオン状態固着判定値は、第1のオン状態固着判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴としている。
その理由は、始動時オン状態固着異常検出処理が実施される場合にスタータモータに流れる電流と、非始動時オン状態固着異常検出処理が実際される場合にスタータモータに流れる電流とを比べると、後者の場合は、エンジンをクランキングさせないのに対して、前者の場合は、エンジンをクランキングさせるため、モータの回転負荷が大きくなる分、そのモータに流れる電流が大きくなる。よって、前者の場合は後者の場合よりも、電源の出力電圧が低くなり易い。このため、前者の場合に使用される第2のオン状態固着判定値を、後者の場合に使用される第1のオン状態固着判定値よりも小さい値に設定することで、両場合の異常判定精度、即ち、始動時オン状態固着異常検出処理と非始動時オン状態固着異常検出処理との、両処理による異常判定精度を上げることができるのである。
ところで、参考発明3,9のスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時オン状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(参考発明10)。
なぜなら、非始動時オン状態固着異常検出処理は、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において実施するため、スタータモータへの通電に伴う該モータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
尚、非始動時オン状態固着異常検出処理において、突入電流抑制用手段をオフ状態となるように駆動する形態の場合、その突入電流抑制用手段が正常であれば、スタータモータは通電されないが、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じていれば、スタータモータが通電されて作動することとなり、やはり、その作動音は乗員に聞こえない方が好ましい。
また同様に、参考発明7のスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時オフ状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(参考発明11)。
なぜなら、非始動時オフ状態固着異常検出処理では、突入電流抑制用手段が正常ならば、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において、スタータモータに通電することとなるため、そのスタータモータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
次に、参考発明12のスタータ制御装置では、参考発明1のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、電源の出力電圧をモニタして、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、エンジン始動時に行われる始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段のオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを区別して検出することができる。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がない。
次に、参考発明13のスタータ制御装置では、参考発明1,12のスタータ制御装置において、スタータは、前述のピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、エンジンのリングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、エンジンの運転中において、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に、電源の出力電圧をモニタして、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、エンジン始動時よりも前に、突入電流抑制用手段のオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを、区別して検出することができる。
また、このスタータ制御装置において、異常検出手段は、エンジンの運転中に作動する場合、特に、車両の走行速度が0よりも大きい場合に限って作動するように構成すれば、異常検出のための通電によるモータの作動音が、車両の走行音によって乗員に聞こえ難くなるため好ましい。
また、参考発明12を引用する参考発明13のスタータ制御装置において、始動時通電処理が行われるときに作動する異常検出手段が用いる判定値(オン状態固着判定値及びオフ状態固着判定値)と、エンジンの運転中に作動する異常検出手段が用いる判定値(オン状態固着判定値及びオフ状態固着判定値)とは、同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。また、始動時通電処理が行われるときに作動する異常検出手段が用いるオン状態固着判定値は、エンジンの運転中に作動する異常検出手段が用いるオン状態固着判定値よりも、小さい値に設定しても良い。その理由は、参考発明9のスタータ制御装置について述べた理由と同じである。
一方、請求項1に記載の突入電流抑制用手段を備える車両に用いられる参考発明14のスタータ制御装置では異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合の、電源の出力電圧の変化速度を検出し、該変化速度が所定値以上であれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを異常検出のためだけに駆動することなく、エンジンの始動時において、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じていることを検出することができる。
第1実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 エンジンの状態を時系列で表した説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第1の説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第2の説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第3の説明図である。 第1実施形態の始動時診断処理を表すフローチャートである。 第1実施形態のエンジン運転中診断処理を表すフローチャートである。 第2実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第3実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第4実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第5実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 トランジスタ群の異常検出原理を説明する第1の説明図である。 トランジスタ群の異常検出原理を説明する第2の説明図である。 第5実施形態の始動時診断処理を表すフローチャートである。 第5実施形態のエンジン運転中診断処理を表すフローチャートである。 第6実施形態のエンジン運転中診断処理を表すフローチャートである。 突入電流の抑制量の制御を説明する説明図である。
以下に、本発明が適用された実施形態のスタータ制御装置としての電子制御装置(以下、ECUという)について説明する。
[第1実施形態]
まず図1は、第1実施形態のECU11とそれの周辺機器とを表す構成図である。尚、ECU11は、車両のエンジン(図示省略)を始動させるためのスタータ13の制御を行うものである。
ECU11には、車両の運転者が始動用操作(例えばキーシリンダに挿したキーをスタート位置に捻る操作や、スタートボタンを押す操作)を行うとアクティブレベルになるスタータ信号、車両の走行速度(車速)を検出するセンサからの車速信号、及びクランク軸センサやカム軸センサからの回転信号等が入力されている。
また、ECU11の電圧モニタ端子Tmには、車載バッテリ15(電源に相当)の出力電圧であるバッテリ電圧VBが入力されている。尚、ECU11は、車両におけるイグニッション系電源ラインにバッテリ電圧VBが供給されている場合(いわゆるイグニッションオンの場合)に、そのイグニッション系電源ラインからの電力で動作する。
一方、スタータ13は、エンジンをクランキングさせる動力源となるモータ(スタータモータ)17と、モータ17へ通電するための電磁スイッチ19と、モータ17により回転駆動されるピニオンギヤ21と、ピニオン作動用ソレノイド23とを備えている。
電磁スイッチ19は、バッテリ15からモータ17への通電経路に設けられた大型のリレーであり、その通電経路を連通するオン状態と、その通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動される。具体的には、電磁スイッチ19は、一端がグランドラインに接続されたコイル19aと、一対の接点19b,19cとを備えている。そして、コイル19aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル19aに通電されると、接点19b,19cが短絡して通電経路を連通し(この状態がオン状態)、コイル19aに通電されないと、接点19b,19cが開放して通電経路を遮断する(この状態がオフ状態)。
ピニオン作動用ソレノイド23は、ピニオンギヤ21を、エンジンのリングギヤ25に噛み合う状態と、リングギヤ25に噛み合わない状態とに、切り替えるためのソレノイドである。
具体的には、ピニオン作動用ソレノイド23は、一端がグランドラインに接続されたコイル23aと、バネ等の付勢部材(図示省略)とを有しており、コイル23aに通電されなければ、ピニオンギヤ21を、上記付勢部材の力によって、リングギヤ25とは噛み合わない初期位置(図1に示す位置)に配置させる。また、コイル23aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル23aに通電されると、その通電による電磁力により、ピニオンギヤ21を、図1における点線の矢印で示す如く当該スタータ13の外方向へ突出させて、リングギヤ25に噛み合わせる。
そして、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合った状態でモータ17が通電されれば、そのモータ17の回転力がピニオンギヤ21を介してリングギヤ25に伝わり、エンジンがクランキングされることとなる。
また、車両において、バッテリ15から電磁スイッチ19の接点19b,19cへ至るまでの通電経路上には、モータ17への突入電流を抑制するための突入電流抑制用リレー(以下、ICR(Inrush Current Reduction)リレーという)27が設けられている。
ICRリレー27は、一端がグランドラインに接続されたコイル27aと、モータ17への通電経路に直列に設けられる一対の接点27b,27cと、その接点27b,27cに並列に設けられた電流抑制用の抵抗体(電流抑制抵抗)27dとを備えている。そして、コイル27aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル27aに通電されると、接点27b,27cが開放して、モータ17への通電経路に抵抗体27dを直列に挿入する第1状態となり、コイル27aに通電されなければ、接点19b,19cが短絡して、通電経路に抵抗体27dを挿入することなく該通電経路を接続する第2状態となる。尚、以下の説明では、ICRリレー27の状態のうち、第1状態のことを「抵抗側」と言い、第2状態のことを「接点側」と言う。
このため、ICRリレー27が抵抗側で、電磁スイッチ19がオン状態(接点19b,19cが短絡の状態)になれば、モータ17にはバッテリ15から抵抗体27dを介して電流が流れ、また、ICRリレー27が接点側で、電磁スイッチ19がオン状態になれば、モータ17にはバッテリ15から抵抗体27dを介さずに電流が流れることとなる。
また更に、車両において、ECU11の外部には、オンすることで電磁スイッチ19のコイル19aの上記他端にバッテリ電圧VBを印加して該コイル19aに電流を流し、その電磁スイッチ19をオン状態にするモータ駆動用のリレー31と、オンすることでピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aの上記他端にバッテリ電圧VBを印加して該コイル23aに電流を流し、ピニオンギヤ21をエンジンのリングギヤ25に噛み合わせるピニオン駆動用のリレー33とが設けられている。
次に、ECU11は、スタータ13の制御のための各種処理を実行するマイコン41と、前述したスタータ信号等の各種信号をマイコン41に入力させる入力回路43と、電圧モニタ端子Tmから入力されるバッテリ電圧VB(以下、モニタ電圧Vmともいう)を、マイコン41に入力可能な範囲の電圧値に分圧する2つの抵抗45,47と、その両抵抗45,47の接続点の電圧ラインとグランドラインとの間に設けられたノイズ除去用のコンデンサ49とを備えている。そして、マイコン41は、両抵抗45,47の接続点の電圧を内部のA/D変換器(図示省略)でA/D変換することにより、バッテリ電圧VBを検出する。また、マイコン41は、入力回路43から入力される信号のうちのアナログ信号についても、内部のA/D変換器でA/D変換することにより、その信号の電圧値を検出する。
更に、ECU11には、オンすることでモータ駆動用のリレー31のコイルに電流を流して該リレー31をオンさせるトランジスタ51と、オンすることでピニオン駆動用のリレー33のコイルに電流を流して該リレー33をオンさせるトランジスタ52と、オンすることでICRリレー27のコイル27aに電流を流して該ICRリレー27を抵抗側にするトランジスタ53とを備えている。そして、各トランジスタ51〜53は、マイコン41によって駆動される。
次に、マイコン41が行う処理の内容について、図2を用い説明する。尚、図2は、エンジンの状態を時系列で表したものである。
まず、マイコン41は、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベル(例えばハイ)になると、エンジンを始動させるために、スタータ13にエンジンをクランキングさせる。尚、これが図2における(1)のエンジン始動の状態である。
具体的な処理として、マイコン41は、トランジスタ52をオンすることで、リレー33をオンし、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aに電流を流して、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にする。
更に、マイコン41は、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側にし、且つ、トランジスタ51をオンすることで、リレー31をオンし、電磁スイッチ19をオン状態にする。そして、所定時間t後に、トランジスタ51をオンしたままで(つまり、電磁スイッチ19をオン状態にしたままで)、トランジスタ53をオフし、ICRリレー27を接点側に切り替える(図4参照)。
このため、バッテリ15からモータ17には、最初はICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れ、これにより、モータ17への突入電流が抑制されつつモータ17が回転し始め、その突入電流がなくなった頃に、ICRリレー27が抵抗側から接点側に切り替わって、モータ17には抵抗体27dを介さずに電流が流れる。
尚、上記所定時間tは、固定であっても良いし、可変であっても良く、可変の場合には、例えば、バッテリ電圧VBの値に応じて変えることができる。また例えば、モータ17に流れる電流をモニタして、その電流が最大ピーク値になるまでの時間に応じて上記所定時間tを変えるようにしても良い。
そして、このようなモータ17への通電によりピニオンギヤ21がリングギヤ25を回転させる(即ち、エンジンをクランキングさせる)こととなる。
すると、エンジンを制御する他のECUにより、エンジンに対する燃料噴射と点火とが行われる。尚、エンジンがディーゼルエンジンであれば、点火は行われず、燃料噴射だけが行われる。また、こうしたエンジンの制御もECU11が行うシステム構成であっても良い。
そして、マイコン41は、エンジンが完爆状態(始動が完了した状態であり、いわゆるエンジンがかかった状態)になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。尚、マイコン41は、前述の回転信号からエンジン回転数を算出し、そのエンジン回転数に基づいて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定する。
以上が、エンジン始動時のスタータ制御内容である。そして、エンジンが運転状態になっている場合が、図2における(2)のエンジン運転中である。また、図2における右端の「停止」とは、運転者がエンジンを停止させる操作を行ったことでエンジンが停止したことを示しており、その場合には、車両におけるイグニッション系電源もオフされる。
ここで、本実施形態において、ECU11のマイコン41は、前述したエンジン始動時(図2の(1))と、エンジンの運転中(図2の(2))との各々において、ICRリレー27の固着異常(制御不能な異常)を検出するための診断処理(異常検出処理)を行っている。そこで次に、その診断処理について説明する。
最初に、ICRリレー27の固着異常の検出原理について説明する。
図3(A)は、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合の電流経路を表し、図3(B)は、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合の電流経路を表している。
図3(A)の場合、モータ17には、ICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れる。これに対して、図3(B)の場合には、抵抗体27dが無効になり、モータ17には、ICRリレー27の接点27b,27c(図3では符号省略)の方を介して電流が流れる。よって、図3(A)の場合にモータ17に流れる電流(モータ電流)IM1は、図3(B)の場合のモータ電流IM2よりも小さくなる。また、バッテリ15の内部には、一般的に数mΩ程度であるが、インピーダンス(内部インピーダンス)RBがある。
このため、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動して(つまり、コイル27aに通電して)モータ17に通電した場合のバッテリ電圧VBをVB1とし、ICRリレー27を接点側となるように駆動して(つまり、コイル27aに通電せずに)モータ17に通電した場合のバッテリ電圧VBをVB2とすると、ICRリレー27が正常ならば、「VB1>VB2」となる。「IM1<IM2」であるため、前者の場合の方が、バッテリ15の内部での電圧降下が小さくなるからである。
例えば、図4において、一点鎖線で示す波形は、前述したエンジン始動時におけるモニタ電圧Vm(=バッテリ電圧VB)の波形であって、モータ17に最初はICRリレー27の抵抗体27dを介して電流を流し、所定時間t後はモータ17に抵抗体27dを介さず電流を流す制御を行って、スタータ13にエンジンをクランキングさせた場合のモニタ電圧Vmの波形である。
また、図4において、実線で示す波形は、ICRリレー27を接点側のままにして、モータ17に最初から抵抗体27dを介さずに電流を流すことにより、スタータ13にエンジンをクランキングさせた場合のモニタ電圧Vmの波形である。
そして、その図4から、一点鎖線の場合よりも、実線の場合の方が、モータ17の突入電流が大きくなるため、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が低くなることが分かる。
具体的数値で述べると、図4の例では、モータ17に通電しないときのバッテリ電圧VBが12.3Vで、バッテリ15の内部インピーダンスRBと抵抗体27dの抵抗値とが共に6mΩで、ICRリレー27が接点側でのクランキング開始時のモータ電流が1000Aであるとし、また、ここではモータ17の内部インピーダンスを無視する。
この前提において、ICRリレー27が接点側の場合、バッテリ15内部での電圧降下は6V(=1000A×6mΩ)となり、モニタ電圧Vmは6.3V(=12.3V−6V)にまで低下する。また、ICRリレー27が抵抗側の場合には、モータ17への通電経路に抵抗体27dの抵抗値(=6mΩ)が追加されて、モータ電流が1000Aの半分の500Aになり、バッテリ15内部での電圧降下は3V(=500A×6mΩ)となるため、モニタ電圧の最小ピーク値は9.3V(=12.3V−3V)となる。
このため、図4において、実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値が6.3Vになっているのに対し、一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値は9.3Vになっている。そして、この電圧差によって、ICRリレー27が抵抗側なのか接点側なのかを判別することができる。
そこで、本実施形態では、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動してモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmが、所定の判定値よりも低くなれば、ICRリレー27に接点側のままになった固着異常(以下、接点側固着異常という)が生じていると判定するようにしている。
また、ICRリレー27を接点側となるように駆動してモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmが、所定の判定値よりも低くならなければ、ICRリレー27に抵抗側のままになった固着異常(以下、抵抗側固着異常という)が生じていると判定するようにしている。
尚、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図4の例では9.3V)をVp1とし、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図4の例では6.3V)をVp2とすると、上記何れの場合の判定値も、Vp1とVp2との間の値に設定しておけば良い。
また、図4とは別の駆動例として、図5における一点鎖線で示す波形は、ピニオンギヤ21を前述の初期位置にし、且つ、ICRリレー27を抵抗側にしたままで、モータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの波形であり、図5における実線で示す波形は、ピニオンギヤ21を初期位置にし、且つ、ICRリレー27を接点側にしたままで、モータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの波形である。
その図5から分かるように、スタータ13にエンジンをクランキングさせずに、モータ17への通電だけを行った場合(つまり、モータ17を空回りさせた場合)には、モータ17の回転負荷が小さくなる分、モータ電流が小さくなるため、モータ通電時のモニタ電圧Vmは、図4の場合よりも若干大きくなる。具体的な数値で比較すると、図5の例では、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17を空回りさせた場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値が9.5Vになっており、ICRリレー27を接点側にしてモータ17を空回りさせた場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値が6.5Vになっている。そして、その9.5V及び6.5Vという値は、前述した図4の9.3V及び6.3Vよりも僅かながら大きい。
以上のことを踏まえて、次に、マイコン41が行う診断処理の具体的な内容について、図6,図7のフローチャートを用い説明する。
まず、図6は、始動時診断処理を表すフローチャートであり、この始動時診断処理は、前述したエンジン始動時であって、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベルになったときに開始される。
そして、マイコン41が始動時診断処理を開始すると、まずS110にて、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動し(コイル27aに通電し)、次のS120にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS130にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。
すると、モータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れ、エンジンのクランキングが開始される。尚、フローチャートでは、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にすることを「ピニオン:オン」と記載しており、電磁スイッチ19をオン状態にすること(本第1実施形態では、モータ17への通電を開始することでもある)を「モータ:オン」と記載している。
次に、S140にて、モニタ電圧VmのA/D変換を所定の短い間隔で複数回行って、該モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が接点側固着異常判定用の判定値VthcPよりも低いか否かを判定する。
そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcPよりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcPよりも低くならなければ)、S150にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの抵抗側になっている)と判断し、S180に進む。
尚、S140で用いる判定値VthcPは、図4に示すように、前述した9.3V(=Vp1)と6.3V(=Vp2)との間の電圧であって、例えば7.5Vに設定されている。また、S140では、モータ17への通電開始時から、バッテリ電圧VBが最小になると予想される時間が経過した時に、モニタ電圧VmのA/D変換を1回行い、そのA/D変換値をモニタ電圧Vmの最小ピーク値として扱うようにしても良い。
また、上記S140にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcPよりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcPよりも低くなった場合)には、S160に移行して、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定し、接点側固着異常の発生を示すエラーフラグFPERRを1にする。そして、続くS170にて、接点側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、S180に進む。尚、S170での報知処理としては、例えば、警告灯(インジケータ)を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。
S180では、エンジン始動用の通常始動制御処理を行う。
その通常始動制御処理とは、前述したエンジン始動時のスタータ制御内容を、上記S110〜S130の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS180では、まず、S130でモータ17への通電を開始してから前述の所定時間tが経過したか否かを判定し、所定時間tが経過したら、トランジスタ51をオンしたままで、トランジスタ53をオフしてICRリレー27を接点側に切り替える。そして、エンジンが完爆状態になったか否かを判定して、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。
また更に、この通常始動制御処理では、後述する通電時間制限フラグがオンされている(1である)か否かを判定し、そのフラグがオンされていれば、モータ17への通電時間を所定の制限時間に制限する。つまり、通電時間制限フラグがオンされていれば、エンジンが完爆状態になったと判定しなくても、モータ17への通電を開始してから制限時間が経過した時点で、トランジスタ51,52をオフすることにより、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21を初期位置に戻す。
そして、このような通常始動制御処理が終了したら、当該始動時診断処理も終了する。
尚、通電時間制限フラグは、後述する図7の処理によって、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判断されるとオンされる。また、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じている場合に、長い時間モータ17に通電すると、抵抗体27dが焼損する可能性があり、もし抵抗体27dが切れてしまうと、それ以後は、モータ17への通電によるエンジンの始動ができなくなる。このため、上記S180の通常始動制御処理では、通電時間制限フラグがオンされている場合に、モータ17への通電時間を制限時間以内に制限することで、抵抗体27aが焼損してしまうのを防止している。よって、上記制限時間は、抵抗体27aが焼損してしまう通電時間よりも短い時間に設定されている。
次に、図7は、エンジン運転中診断処理を表すフローチャートであり、このエンジン運転中診断処理は、前述したエンジンの運転中において例えば一定時間毎に実行される。
そして、マイコン41がエンジン運転中診断処理を開始すると、まずS310にて、トランジスタ53をオフしたままにすることで、ICRリレー27を接点側となるように駆動し(コイル27aに通電しないようにし)、次のS320にて、トランジスタ52をオフしたままにすることで、ピニオンギヤ21を初期位置に維持し、続くS330にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介さずに電流が流れて、モータ17は回転するが、ピニオンギヤ21が初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、ICRリレー27を接点側に駆動してモータ17を空回りさせている。尚、フローチャートでは、ピニオンギヤ21を初期位置にすることを「ピニオン:オフ」と記載している。
次に、S340にて、図6のS140と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が抵抗側固着異常判定用の判定値VthiRよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiRよりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiRよりも低くなったならば)、S350にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの接点側になっている)と判断し、S370に進む。尚、判定値VthiRは、前述した図5に示す9.5Vと6.5Vとの間の電圧であって、例えば7.7Vに設定されている。
一方、上記S340にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiRよりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiRよりも低くならなかった場合)には、S360に移行して、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定し、その抵抗側固着異常の発生を示すエラーフラグFRERRを1にした後、S370に進む。
S370では、トランジスタ51をオフして、モータ17への通電を一旦停止する。尚、フローチャートでは、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフ状態にすること(本第1実施形態では、モータ17への通電を停止することでもある)を「モータ:オフ」と記載している。
そして、次のS380にて、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動し(コイル27aに通電し)、更に続くS390にて、トランジスタ51をオンして、モータ17への通電を開始する。すると、今度はモータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れて、モータ17は回転するが、やはりピニオンギヤ21は初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17を空回りさせている。
次に、S400にて、図6のS140と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が接点側固着異常判定用の判定値VthiPよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiPよりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiPよりも低くならなければ)、S410にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの抵抗側になっている)と判断し、S430に進む。
尚、本実施形態において、S400で用いる判定値VthiPは、S340で用いる判定値VthiRと同じ値(=7.7V)に設定されている(図5参照)。
また、S400で用いる判定値VthiPは、図6のS140で用いる判定値VthcP(=7.5V)よりも大きい値に設定されている。つまり、前述したように、モータ17を空回りさせた場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値は、クランキングを実施した場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値よりも大きくなるため、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiPは、クランキング実施時の判定値VthcPより少し大きい値に設定している。逆に言えば、クランキング実施時の判定値VthcPは、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiPよりも小さい値に設定している。但し、モータ17を空回りさせる場合の判定値と、クランキング実施時の判定値とを、同じ値に設定することも勿論可能である。
一方、上記S400にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiPよりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiPよりも低くなった場合)には、S420に移行して、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定し、その接点側固着異常の発生を示すエラーフラグFPERRを1にした後、S430に進む。
S430では、トランジスタ51をオフして、モータ17への通電を停止する。
そして、次のS440にて、ICRリレー27についての異常判別を行う。
具体的には、エラーフラグFRERRとエラーフラグFPERRとを参照し、それらの両方が0であれば、そのまま当該エンジン運転中診断処理を終了するが、エラーフラグFRERRが1であれば、S460に移行して、抵抗側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、続くS470にて、前述の通電時間制限フラグをオンした後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。
尚、S460での報知処理としては、例えば、警告灯を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。また特に、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じた場合、モータ17への通電によって、万一、抵抗体27dが焼損してしまうと、エンジンの始動ができなくなることから、S460での報知処理としては、運転者に対して、エンジンを停止させずにカーディーラ等へ行くことを促すメッセージ(表示や音声など)を与えることが好ましい。
また、エラーフラグFPERRが1であれば、S480に移行して、接点側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。尚、S480での報知処理としては、例えば、警告灯を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。
以上のようなECU11によれば、エンジンの運転中に行われる図7のS310〜S370の処理(非始動時第1状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の抵抗側固着異常を、エンジンの始動前に検出することができ、同様に、エンジンの運転中に行われる図7のS320,S380〜S430の処理(非始動時第2状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の接点側固着異常を、エンジンの始動前に検出することができる。
また、エンジンの始動時に行われる図6のS140〜S160の処理(始動時第2状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の接点側固着異常を、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
そして、ICRリレー27の接点側と抵抗側との何れかの固着異常を検出した場合には、異常の発生を運転者に報知するようになっている(S170,S460,S480)。このため、運転者に対して早期の修理を促すことができる。
また、エンジンの運転中に行われる図7のS340及びS360により、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定した場合には、通電時間制限フラグをオンして(S470)、次回のエンジン始動時におけるモータ17への通電時間を所定の制限時間以内に制限している(S180)。このため、抵抗体27dの焼損を防止することができる。
また、クランキングを実施する場合の判定値VthcPと、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiPとを、異なる値に設定しており、前者の場合の判定値を後者の場合の判定値よりも小さい値に設定している。このため、各場合における固着異常の判定精度を上げることができる。
また、車両における他の制御でもモニタすることが必要になるバッテリ電圧VBに基づいて、ICRリレー27の固着異常を検出するようになっているため、その固着異常検出のためだけに信号をモニタする回路を新たに追加する必要がない。
ところで、エンジン運転中診断処理は、車速が0よりも大きい場合に行うようにすることが好ましい。なぜなら、モータ17に本来通電しなくても良い状況において通電するため、モータ17の作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車速が0でなければ、車両の走行音によってモータ17の作動音が聞こえ難くなると考えられるからである。このため、例えば、車両の加速時、減速時、高速走行時など、音が目立ちにくい状況で実行することが望ましい。
また、エンジン運転中診断処理は、デフォッガ、ブロワ、ヘッドライト等の、通電電流が大きい機器が作動している場合には、モータ17を回すことによる更なる電気負荷を増加させることとなるため、実行しないように構成しても良い。
尚、本実施形態では、電磁スイッチ19がスイッチ手段に相当し、ICRリレー27が突入電流抑制用手段に相当している。また、図6におけるS110,S130,S180の処理が、始動時通電処理に相当している。
そして、図6におけるS140〜S160の処理と、図7におけるS310〜S440の処理とが、異常検出手段としての処理に相当している。
また既に述べたが、その異常検出手段としての処理のうち、図7におけるS320,S380〜S430の処理が、非始動時第2状態固着異常検出処理に相当し、図6におけるS140〜S160の処理が、始動時第2状態固着異常検出処理に相当し、図7におけるS310〜S370の処理が、非始動時第1状態固着異常検出処理に相当している。
そして、S400の判定値VthiPと、S140の判定値VthcPが、第2状態固着判定値に相当し、それらのうち、S400の判定値VthiPが、第1の第2状態固着判定値に相当し、S140の判定値VthcPが、第2の第2状態固着判定値に相当している。また、S340の判定値VthiRが、第1状態固着判定値に相当している。
また、図6におけるS170の処理と、図7におけるS480の処理とが、第1の報知手段に相当し、図7におけるS460の処理が、第2の報知手段に相当している。
[第2実施形態]
図8に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と比較すると、ECU11の外部にICRリレー27が設けられておらず、そのICRリレー27と同じ役割を果たす突入電流抑制用回路28が、ECU11の中に設けられている。
その突入電流抑制用回路28は、電磁スイッチ19の接点19bに接続されるECU11の出力端子とECU11の内部におけるバッテリ電圧VBのラインとの間に、直列に設けられたトランジスタ群28aと、トランジスタ群28aをオンするための昇圧回路28bと、トランジスタ群28aに対して並列に設けられた抵抗体28cとを、備えている。
トランジスタ群28aは、互いに並列な複数のトランジスタからなり、その各トランジスタは、本実施形態では、例えばIGBTである。
そして、昇圧回路28bは、バッテリ電圧VBから該バッテリ電圧VBよりも高い高電圧を生成し、その高電圧を、マイコン41からの指令に従ってトランジスタ群28aのゲートに供給することにより、該トランジスタ群28aをオンさせる。
よって、突入電流抑制用回路28は、トランジスタ群28aがオンされなければ(オフされれば)、モータ17への通電経路に抵抗体28cを直列に挿入する第1状態となり、トランジスタ群28aがオンされれば、モータ17への通電経路に抵抗体28cを挿入することなく該通電経路を接続する第2状態となる。
このため、本第2実施形態において、ECU11には、ICRリレー27を駆動するためのトランジスタ53が無い。
そして、ECU11のマイコン41は、図6,図7の各処理に代えて、その各処理のS110,S310,S380を下記のように変形した処理を行う。
即ち、図6のS110と、図7のS380との各々では、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動することに代えて、トランジスタ群28aをオフさせ、図7のS310では、ICRリレー27を接点側となるように駆動することに代えて、トランジスタ群28aをオンさせる。
そして、このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同じ効果が得られる。
尚、トランジスタ群28aを成す各トランジスタは、IGBT以外のスイッチング素子でも良く、例えば、FETやバイポーラトランジスタでも良い。また、モータ17への大電流を流すことが可能であれば、トランジスタ群28aの代わりに、1つのトランジスタ(スイッチング素子)を用いても良い。
[第3実施形態]
図9に示すように、第3実施形態では、第1実施形態と比較すると、スタータ13に代わるスタータ14が採用されており、そのスタータ14は、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせる動作と、モータ17への通電とが、連動して行われるタイプのものである。
具体的に説明すると、スタータ14では、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aに通電されると、ピニオンギヤ21が突出してリングギヤ25に噛み合うだけでなく、そのコイル23aへの通電による電磁力により、電磁スイッチ19の接点19b,19cが短絡して、モータ17への通電経路が連通する。
このため、スタータ14の電磁スイッチ19には、第1実施形態であったコイル19aが無く、ECU11には、電磁スイッチ19だけを駆動するためのトランジスタ51が無い。つまり、スタータ14では、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aが、電磁スイッチ19をオンさせるためのコイルとしても機能する。
そして、ECU11のマイコン41は、図6の処理に代えて、その図6からS130を削除した処理を行う。ピニオンギヤ21を作動させるトランジスタ52のオン/オフにより、電磁スイッチ19もオン/オフされるからである。
また、本第3実施形態では、上記のスタータ14を採用していることから、マイコン41は、エンジンの運転中に図7のような診断処理は行わない。
そして、以上のような第3実施形態のECU11によれば、ICRリレー27の異常をエンジンの運転中に検出できないこと以外は、第1実施形態と同じ効果が得られる。
[第4実施形態]
図10に示すように、第4実施形態では、第1実施形態と比較すると、スタータ13に代わるスタータ16が採用されており、そのスタータ16は、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に常時噛み合っているタイプのものである。
このため、スタータ16には、ピニオン作動用ソレノイド23がなく、また、ECU11には、そのピニオン作動用ソレノイド23を駆動するためのトランジスタ52が無い。
尚、スタータ16において、ピニオンギヤ21とモータ17の回転軸との間には、周知のワンウェイクラッチが設けられており、ピニオンギヤ21がモータ17ではなくリングギヤ25によって回転させられる場合(つまり、モータ17の非通電時)において、リングギヤ25からの回転力でモータ17を回転させてしまうことは、そのワンウェイクラッチにより防止される。
そして、ECU11のマイコン41は、図6の処理に代えて、その図6からS120を削除した処理を行う。スタータ16のピニオンギヤ21を制御する処理は不要なためである。
また、本第4実施形態では、上記のスタータ16を採用していることから、マイコン41は、エンジンの運転中に図7のような診断処理は行わない。
そして、以上のような第4実施形態のECU11によっても、第3実施形態と同様に、ICRリレー27の異常をエンジンの運転中に検出できないこと以外は、第1実施形態と同じ効果が得られる。
[第5実施形態]
図11に示すように、第5実施形態では、第1実施形態と比較すると、ECU11の外部にICRリレー27が設けられておらず、そのICRリレー27と同じ役割を果たすトランジスタ群28aが、ECU11の中に設けられている。
そして、そのトランジスタ群28aは、互いに並列な複数のトランジスタ(本実施形態では、例えばIGBT)からなると共に、電磁スイッチ19の接点19bに接続されるECU11の出力端子と、ECU11の内部におけるバッテリ電圧VBのラインとの間に、直列に設けられている。
更に、ECU11には、トランジスタ群28aをオンするための昇圧回路28bが設けられており、その昇圧回路28bは、バッテリ電圧VBから該バッテリ電圧VBよりも高い高電圧を生成し、その高電圧を、マイコン41からの指令に従ってトランジスタ群28aのゲートに供給することにより、該トランジスタ群28aをオンさせる。尚、このため、ECU11には、ICRリレー27を駆動するためのトランジスタ53が無い。
つまり、トランジスタ群28aと昇圧回路28bは、前述した図8のトランジスタ群28a及び昇圧回路28bと同じである。但し、本第5実施形態では、図8にあった抵抗体28cは設けられていない。
そして、本第5実施形態において、トランジスタ群28aは、マイコン41により、オンとオフとに交互に切り替えるスイッチング制御の駆動が行われることで、モータ17への通電電流を抑制する第1状態となり、また、オン状態を継続する(オンのままにする)駆動が行われることで、モータ17への通電電流を抑制しない第2状態となる。
つまり、本第5実施形態では、第1実施形態と比較すると、トランジスタ群28aをスイッチング制御することが、ICRリレー27を抵抗側にすることに相当し、トランジスタ群28aをオンのままにすることが、ICRリレー27を接点側にすることに相当している。
よって、マイコン41は、エンジン始動時においては、図12の下段に示すように、モータ17への通電開始時(換言すれば、電磁スイッチ19をオンさせる時)から所定時間tが経過するまでは、トランジスタ群28aをスイッチング制御することで、モータ17への突入電流を抑制し、その所定時間tが経過してからモータ17への通電終了時までの間は、トランジスタ群28aをオンのままにすることにより、モータ17への通電電流制限を解除する。尚、図12及び以下の説明において「全オン制御」とは、トランジスタ群28aをオンのままにすることを意味している。
ここで、図12の上段において、実線で示す波形は、エンジン始動時におけるモニタ電圧Vm(=バッテリ電圧VB)の波形であり、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせた状態で、電磁スイッチ19をオンし且つトランジスタ群28aを図12の下段に示すように制御した場合のモニタ電圧Vmの波形である。また、図12の上段において、一点鎖線で示す波形は、トランジスタ群28aをオンのままにしてクランキングした場合のモニタ電圧Vmの波形であって、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせた状態で、電磁スイッチ19をオンし且つトランジスタ群28aをモータ17への通電開始時から全オン制御した場合のモニタ電圧Vmの波形である。
そして、その図12から分かるように、本第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、モータ17への電流を制限する実線の場合よりも、電流を制限しない一点鎖線の場合の方が、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が低くなることが分かる。
例えば、図12の例では、実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値が9.3Vであるのに対して、一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値は6.3Vになっている。そして、この電圧差によって、トランジスタ群28aがスイッチング制御されているのか、継続してオン状態なのかを判別することができる。
また、電磁スイッチ19をオンし、且つ、トランジスタ群28aをスイッチング制御又は全オン制御しているのに、モニタ電圧Vmが所定の判定値(例えば、図12におけるVth4=11V)よりも低くならなければ、モータ17に電流が流れておらず、トランジスタ群28aにオフ状態のままの固着異常(オンできない異常)が生じている、と判定することができる。
一方、図13の上段における実線の波形は、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にして、電磁スイッチ19及びトランジスタ群28aを図12の上段における実線の場合と同様に制御した場合の、モニタ電圧Vmを示している。また、図13の上段における一点鎖線の波形も、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にして、電磁スイッチ19及びトランジスタ群28aを図12の上段における一点鎖線の場合と同様に制御した場合の、モニタ電圧Vmを示している。
そして、その図13から分かるように、スタータ13にエンジンをクランキングさせずに、モータ17への通電だけを行った場合(モータ17を空回りさせた場合)には、モータ17の回転負荷が小さくなる分、モータ電流が小さくなるため、モータ通電時のモニタ電圧Vmは、クランキングを行う図12の場合よりも若干大きくなる。
以上のことから、本第5実施形態では、トランジスタ群28aの異常を、第1実施形態とほぼ同様の処理によって検出している。
そこで次に、マイコン41が行う診断処理の具体的な内容について、図14,図15のフローチャートを用い説明する。
まず、図14は、図6に代わる始動時診断処理を表すフローチャートであり、この始動時診断処理も、エンジンの始動時であって、スタータ信号がアクティブレベルになったときに開始される。
図14に示すように、マイコン41が始動時診断処理を開始すると、まずS115にて、トランジスタ群28aをスイッチング制御し、次のS125にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS135にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオンすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17への突入電流が制限されつつ、エンジンのクランキングが開始される。
次に、S145にて、モニタ電圧VmのA/D変換を所定の短い間隔で複数回行って、該モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値がオン状態固着異常判定用の判定値Vth3よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth3よりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth3よりも低くならなければ)、S147に進む。
尚、S145では、モータ17への通電開始時から、バッテリ電圧VBが最小になると予想される時間が経過した時に、モニタ電圧VmのA/D変換を1回行い、そのA/D変換値をモニタ電圧Vmの最小ピーク値として扱うようにしても良い。
また、判定値Vth3は、以下に述べる値に設定されている。
即ち、モータ17への通電開始時にトランジスタ群28aをスイッチング制御してエンジンをクランキングした場合の、モニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図12の例では9.3V)をVq1とし、モータ17への通電開始時にトランジスタ群28aを全オン制御してエンジンをクランキングした場合の、モニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図12の例では6.3V)をVq2とすると、判定値Vth3は、Vq1とVq2との間であって、図12に示すように例えば7.5Vに設定されている。
そして、上記S145から進んだS147では、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が、上記判定値Vth3より高い値に設定されたオフ状態固着異常判定用の判定値Vth4よりも低いか否かを判定し、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4よりも低ければ(即ち、モニタ電圧Vmの最小ピーク値がVth3からVth4までの間であれば)、S155にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S185に進む。
尚、判定値Vth4は、図12に示すように、バッテリ電圧VBよりも若干低い値であって、例えば11Vに設定されている。
一方、上記S145にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth3よりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth3よりも低くなった場合)には、S165に移行して、トランジスタ群28aにオン状態固着異常(オン状態のままの固着異常)が生じていると判定し、そのオン状態固着異常の発生を示すエラーフラグFONERRを1にする。そして、続くS175にて、トランジスタ群28aのオン状態固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、S185に進む。尚、S175での報知処理としては、例えば、警告灯を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。
S185では、エンジン始動用の通常始動制御処理を行う。
その通常始動制御処理とは、エンジン始動時のスタータ制御内容を、上記S115〜S135の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS185では、まず、S135でモータ17への通電を開始してから前述の所定時間tが経過したか否かを判定し、所定時間tが経過したら、トランジスタ51をオンしたままで、トランジスタ群28aを全オン制御に切り替える。そして、エンジンが完爆状態になったか否かを判定して、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ群28a及びトランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。そして、このような通常始動制御が終了したら、当該始動時診断処理も終了する。
また、上記S147にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4よりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth4よりも低くならなかった場合)には、トランジスタ群28aがオンしていないと考えられることから、S181に移行して、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常(オフ状態のままの固着異常)が生じていると判定し、エラーフラグFOFFERRを1にする。
そして、続くS183にて、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、S184に進む。尚、S183での報知処理としては、例えば、警告灯を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、エンジンの始動ができないことや、修理が必要なことなどを、運転者に知らせる。
このような報知処理を行った後のS184では、念のためにトランジスタ群28aをオフする処理を行い、更に、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフ状態にすると共に、トランジスタ52をオフしてピニオンギヤ21を初期位置に戻す。そして、その後、当該始動時診断処理を終了する。
次に、図15は、図7に代わるエンジン運転中診断処理を表すフローチャートであり、このエンジン運転中診断処理も、エンジンの運転中において例えば一定時間毎に実行される。
図15に示すように、マイコン41がエンジン運転中診断処理を開始すると、まずS315にて、トランジスタ群28aを全オン制御し、次のS325にて、トランジスタ52をオフしたままにすることで、ピニオンギヤ21を初期位置に維持し、続くS335にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17は回転するが、ピニオンギヤ21が初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、トランジスタ群28aをオン状態にしてモータ17を空回りさせている。
次に、S345にて、図14のS145と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値がオフ状態固着異常判定用の判定値Vth6よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth6よりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth6よりも低くなったならば)、S355にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S375に進む。
尚、判定値Vth6は、図13に示すように、バッテリ電圧VBよりも若干低い値であり、例えば、前述の判定値Vth4と同じ11Vに設定されている。また、図13の上段における実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値(図13の例では9.5V)をVr1とし、図13の上段における一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値(図13の例では6.5V)をVr2とすると、S345では、判定値Vth6の代わりに、例えば、Vr1とVr2との間に設定された判定値Vth5(前述のVth3よりも若干大きく、図13の例では7.7V)を用いても良い。
一方、上記S345にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth6(またはVth5)よりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値よりも低くならなかった場合)には、トランジスタ群28aがオンしていないと考えられることから、S365に移行して、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じていると判定し、そのオフ状態固着異常の発生を示すエラーフラグFOFFERRを1にした後、S375に進む。
S375では、トランジスタ51をオフすることにより、電磁スイッチ19を一旦オフする。つまり、モータ17への通電を一旦停止する。
次に、S385にて、トランジスタ群28aをスイッチング制御し、続くS395にて、トランジスタ51をオンして、モータ17への通電を開始する。つまり、ここでは、トランジスタ群28aをスイッチング制御してモータ17を空回りさせている。
次に、S405にて、図14のS145と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が前述の判定値Vth5よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth5よりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth5よりも低くならなければ)、S415にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S435に進む。
また、上記S405にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth5よりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth5よりも低くなった場合)には、S425に移行して、トランジスタ群28aにオン状態固着異常が生じていると判定し、そのオン状態固着異常の発生を示すエラーフラグFONERRを1にした後、S435に進む。
尚、上記S385では、トランジスタ群28aを、スイッチング制御するのではなく、オフさせるようにしても、S405の判定により、トランジスタ群28aのオン状態固着異常を検出することができる。
S435では、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフすると共に、トランジスタ群28aをオフさせる処理を行う。
そして、次のS445にて、トランジスタ群28aについての異常判別を行う。具体的には、エラーフラグFOFFERRとエラーフラグFONERRとを参照し、それらの両方が0であれば、そのまま当該エンジン運転中診断処理を終了するが、エラーフラグFOFFERRが1であれば、S465に移行して、図14のS183と同様の報知処理を行った後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。
尚、このエンジン運転中診断処理におけるS465では、運転者に対して、エンジンを停止させずにカーディーラ等へ行くことを促すメッセージ(表示や音声など)を与えることが好ましい。トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じている場合、スタータ13によるエンジンの始動ができないからである。
また、エラーフラグFONERRが1であれば、S485に移行して、図14のS175と同様の報知処理を行った後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。
以上のような第5実施形態のECU11によれば、エンジンの運転中に行われる図15の処理により、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常とオン状態固着異常とを、エンジンの始動前に区別して検出することができる。
また、エンジンの始動時に行われる図14の処理により、トランジスタ群28aのオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
そして、トランジスタ群28aの何れかの固着異常を検出した場合には、異常の発生を運転者に報知するようになっている(S175,S183,S465,S485)。このため、運転者に対して早期の修理を促すことができる。
また、オン状態固着異常を検出するための判定値Vth3,Vth5としては、クランキングを実施する場合の判定値Vth3と、モータ17を空回りさせる場合の判定値Vth5とを、異なる値に設定しており、前者の場合の判定値Vth3を後者の場合の判定値Vth5よりも小さい値に設定している。このため、各場合におけるオン状態固着異常の判定精度を上げることができる。
また、車両における他の制御でもモニタすることが必要になるバッテリ電圧VBに基づいて、トランジスタ群28aの固着異常を検出するようになっているため、その異常検出のためだけに信号をモニタする回路を新たに追加する必要がない。
ところで、図15の処理も、図7の処理と同様に、車速が0より大きい場合に行うようにすることが好ましい。
尚、本第5実施形態では、トランジスタ群28aが、突入電流抑制用手段としてのスイッチング素子に相当している。また、図14におけるS115,S135,S185の処理が、始動時通電処理に相当している。
そして、図14におけるS145〜S165,S181の処理と、図15におけるS315〜S445の処理とが、異常検出手段としての処理に相当している。
また、その異常検出手段としての処理のうち、図15におけるS325,S385〜S435の処理が、非始動時オン状態固着異常検出処理に相当し、図14におけるS145,S165の処理が、始動時オン状態固着異常検出処理に相当し、図15におけるS315〜S375の処理が、非始動時オフ状態固着異常検出処理に相当している。
そして、S405の判定値Vth5と、S145の判定値Vth3が、オン状態固着判定値に相当し、それらのうち、S405の判定値Vth5が、第1のオン状態固着判定値に相当し、S145の判定値Vth3が、第2のオン状態固着判定値に相当している。また、S345の判定値Vth6(又はVth5)と、S147の判定値Vth4が、オフ状態固着判定値に相当している。
また、図14におけるS175の処理と、図15におけるS485の処理とが、第1の報知手段に相当し、図15におけるS465の処理が、第2の報知手段に相当している。
一方、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常を検出するための判定値Vth4,Vth6は、スタータモータ17以外の電気負荷が動作した場合に落ち込む電圧レベルよりも低い電圧で、且つ、オン状態固着異常を検出するための判定値Vth3,Vth5よりも高い電圧に設定しておけば良い。このように設定すれば、バッテリ電圧VBがスタータモータ17以外の電気負荷の作動によって低下したとしても、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常を正しく判定することができる。
また、判定値Vth4,Vth6は、バッテリ15や電気負荷の状態等に応じて可変設定することができる。同様に、判定値Vth3,Vth5も、バッテリ15の状態、モータ17への突入電流の抑制量、エンジンやスタータ13(モータ17)の温度、エンジンオイルの粘性や温度、エンジン負荷等に応じて、可変設定することができる。また、Vth3とVth5は同じ値であってもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態では、第5実施形態と比較すると、ECU11のマイコン41が、図15の処理(エンジン運転中診断処理)に代えて、図16の処理を実行する点が異なっている。
そして、図16の処理は、図14の始動時診断処理と下記の点で異なるものである。
まず、S125に代わるS127では、トランジスタ52をオフして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にする。エンジンをクランキングさせないためである。
そして、S155,S175,S183の各々から、S190に進むようになっており、そのS190では、この時点で診断が終了しているため、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフすると共に、トランジスタ群28aもオフさせる。
また、図16の処理では、モータ17を空回りさせるため、S145の判定では、クランキングを実施した時用の判定値Vth3(図12参照)に代えて、モータ17を空回りさせた時用の判定値Vth5(図13参照)を用い、S147の判定では、クランキングを実施した時用の判定値Vth4(図12参照)に代えて、モータ17を空回りさせた時用の判定値Vth6(図13参照)を用いる。但し、図12,図13の例では、「Vth4=Vth6」であるため、S147は、図14と図16とで実質的に同じである。
そして、このような図16の処理を、エンジン運転中診断処理として実行しても、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常とオン状態固着異常とを、エンジンの始動前に区別して検出することができる。
また、この図16の処理も、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うようにすれば、モータ17の作動音を目立たなくすることができるため好ましい。
[他の実施形態:その1]
上記各実施形態では、ICRリレー27又はトランジスタ群28aの異常を、それよりも上流側の通電経路の電圧であるバッテリ電圧VBに基づいて検出したが、例えば、ICRリレー27又はトランジスタ群28aと、電磁スイッチ19との間の通電経路の電圧(以下、Vxと記す)に基づいて、ICRリレー27又はトランジスタ群28aの異常を検出するように構成することもできる。
第1実施形態を例に挙げて説明すると、ICRリレー27が抵抗側の場合と接点側の場合とでは、モータ17に流れる電流が違うことから、電圧Vxにも差が生じる。
このため、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合の電圧Vxの範囲をH1とし、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合の電圧Vxの範囲をH2とすると、図7のS340では、電圧Vxをモニタして、その電圧Vxが範囲H2に入っていないと判定するか、あるいは、範囲H1に入っていると判定したなら、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判断することができる。また、図7のS400と図6のS140においても、電圧Vxをモニタして、その電圧Vxが範囲H1に入っていないと判定するか、あるいは、範囲H2に入っていると判定したなら、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判断することができる。そして、このような変形は、トランジスタ群28aの異常検出についても同様に適用できる。
[他の実施形態:その2]
上記各実施形態では、電圧の値によって異常を検出したが、電圧の変化速度を用いて異常を検出しても良い。
第1実施形態の変形例として具体的に説明する。
まず、図4のように、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合のバッテリ電圧(一点鎖線)の変化速度(この場合、降下速度)は、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合のバッテリ電圧(実線)の変化速度よりも小さい。
このため、ICRリレー27の異常検出用の閾値(電圧の変化速度)を、ICRリレー27が抵抗側である場合に想定される変化速度よりも大きく、且つ、ICRリレー27が接点側である場合に想定される変化速度よりも小さい値、つまり、抵抗側の場合の変化速度と接点側の場合の電圧速度との間に設定する。
そして、エンジン始動時の診断処理である図6のS140では、モータ17への通電を開始してからモニタ電圧Vmが下限ピークに至るまでの、該モニタ電圧Vmの変化速度(降下速度)を検出し、その変化速度と上記閾値とを比較して、モニタ電圧Vmの変化速度が閾値以上であれば、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定する。
[その他]
第5実施形態のようにトランジスタ群28aのスイッチング制御によって、クランキング時のモータ17への電流を制限する場合、図17に示すように、スイッチング制御のデューティ比(オン時間とオフ時間との合計である1周期時間に対するオン時間の割合)を変えることで、モータ17への電流を抑制する度合い(電流抑制量)を変えることができる。
尚、図17(A)は、トランジスタ群28aのスイッチング制御を行う突入電流抑制期間において、デューティ比を小さくすることにより、モータ17への突入電流の抑制量を大きくして、バッテリ電圧の低下をより抑えるようにした例である。また、図17(B)は、突入電流抑制期間において、デューティ比を大きくすることにより、モータ17への突入電流の抑制量を少なくした例である。また、図17における一点鎖線の波形は、図12における一点鎖線と同様に、トランジスタ群28aをモータ17への通電開始時から全オン制御した場合の電圧波形である。
そして、例えばバッテリ15の充電状態(充電量の大きさ)に応じて、充電量が小さければ、突入電流の抑制量を大きくして(デューティ比を小さくして)、バッテリ電圧の降下を一層防ぎ、充電量が大きければ、突入電流の抑制量を小さくしてエンジンの始動性を向上させる、といった調節を行うことも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、電磁スイッチ19を、リレー31を介さずに直接駆動するように構成しても良く、同様に、ピニオン作動用ソレノイド23を、リレー33を介さずに直接駆動するように構成しても良い。
また、ICRリレー27は、コイル27aへの通電によって接点側になる(接点27b,27cが短絡する)タイプのものでも良い。
また、ICRリレー27が電磁スイッチ19とモータ17との間の通電経路に配置される構成でも良い。
また、第1実施形態において、図7のS340で用いる判定値VthiRと、図7のS400で用いる判定値VthiPとを、異なる値に設定しても良い。
図7、図15、図16のエンジン運転中診断処理は、車両の周辺環境(例えば住宅街か否か、騒音レベルが高いか否か)、時刻(夜間か否か)に基づいて、実施しないようにしても良い。
一方、ECU11が搭載される車両が、エンジンの自動停止と自動再始動とを実施する所謂アイドルストップ(アイドリングストップ)制御手段を備えた車両であれば、ECU11(詳しくは、ECU11のマイコン41)は、前述した始動時診断処理(図6や図14)と同じ処理を、エンジンの自動再始動時にも行い、また、前述したエンジン運転中診断処理(図7や図15又は図16)と同じ処理を、アイドルストップ中(エンジンの自動停止中)にも行うように構成することができる。尚、上記アイドルストップ制御手段は、所定の自動停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを自動的に再始動させる制御を行う手段である。
また、上記アイドルストップ制御手段を備えた車両の場合、例えば第1実施形態のECU11ならば、ICRリレー27の接点側と抵抗側との何れかの固着異常を検出した場合に、アイドルストップの実施(エンジンを自動的に停止すること)を禁止するように構成することができる。そして、このように構成すれば、ICRリレー27の接点側固着異常が生じた場合に、エンジンの自動再始動時においてモータ17への突入電流を抑制できずバッテリ電圧VBが低下してしまう、という不具合を未然に回避することができ、また、ICRリレー27の抵抗側固着異常が生じた場合に、エンジンの自動再始動時においてICRリレー27の抵抗体27dを焼損させてしまう、という不具合を未然に回避することができる。
同様に、例えば第5実施形態のECU11ならば、トランジスタ群28aの何れかの固着異常を検出した場合に、アイドルストップの実施を禁止するように構成することができる。そして、このように構成すれば、トランジスタ群28aのオン状態固着異常が生じた場合に、エンジンの自動再始動時においてモータ17への突入電流を抑制できずバッテリ電圧VBが低下してしまう、という不具合を未然に回避することができ、また、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常が生じた場合に、アイドルストップされてエンジンが再始動できなくなってしまうことを、未然に回避することができる。
11…ECU(電子制御装置)、13,14,16…スタータ、15…バッテリ、17…モータ、19…電磁スイッチ、21…ピニオンギヤ、23…ピニオン作動用ソレノイド、25…リングギヤ、27…ICRリレー、27a…コイル、27b,27c…接点、27d,28c…抵抗体(電流抑制抵抗)、28…電流抑制用回路、28a…トランジスタ群、28b…昇圧回路、31,33…リレー、41…マイコン、43…入力回路、45,45…抵抗、49…コンデンサ、51〜53…トランジスタ、Tm…電圧モニタ端子

Claims (10)

  1. 車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、
    電源から前記スタータのモータへの通電経路に設けられ、該通電経路を連通するオン状態と、該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるスイッチ手段と、
    前記通電経路において前記スイッチ手段に対し直列に設けられ、前記スイッチ手段がオン状態に駆動される場合に、前記モータに流す電流を抑制する状態である第1状態と、前記モータに流す電流を抑制しない状態である第2状態とに駆動される突入電流抑制用手段であって、前記第1状態として、前記通電経路に抵抗体を直列に挿入する状態となり、前記第2状態として、前記通電経路に前記抵抗体を挿入しない状態となるものであると共に、前記第1状態と前記第2状態とに択一的に駆動される突入電流抑制用手段と、
    を備えた車両に用いられ、
    前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、所定時間後に前記突入電流抑制用手段を前記第1状態から前記第2状態となるように駆動する始動時通電処理を行うスタータ制御装置であって、
    前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合の前記電源の出力電圧に基づいて、前記突入電流抑制用手段に状態切り替え不能な固着異常が生じていることを検出する異常検出手段を備え
    前記異常検出手段は、前記突入電流抑制用手段が前記第1状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定するようになっており、
    更に、前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記エンジンの運転中において、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記第1の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時第2状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  2. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する始動時第2状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第1の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  4. 請求項ないし請求項の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    前記突入電流抑制用手段が前記第2状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  5. 請求項に記載のスタータ制御装置において
    記異常検出手段は、
    前記エンジンの運転中において、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が前記第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時第1状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  6. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合には、前記始動時通電処理による前記モータへの通電時間を所定の制限時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  7. 請求項ないし請求項の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第2の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  8. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記始動時通電処理により前記モータに通電する際には、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合う状態にし、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する始動時第2状態固着異常検出処理を行い、
    更に、前記第2の第2状態固着判定値は、前記第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定されていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  9. 請求項又は請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時第2状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  10. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時第1状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
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