JP5214783B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、ハードディスクといった記録媒体における記憶容量の飛躍的な増大が望まれている。その要望にこたえるべく、高い記憶容量を有する磁気記録媒体の開発が進められている。
現行のハードディスクに用いられている磁気記録媒体では、磁性体微粒子の多結晶体を含む薄膜の一定の領域を1ビットとして記録している。記録媒体の記録容量を上げるためには記録密度を増加させなければならない。すなわち、1ビットあたりの記録に使用できる記録マークサイズを小さくしなければならない。しかし、単純に記録マークサイズを小さくすると、磁性体微粒子の形状に依存するノイズの影響が無視できなくなる。ノイズを低減するために磁性体微粒子の粒子サイズを小さくすると、熱揺らぎのために常温で記録を保持することができなくなる。
これらの問題を回避するため、予め記録材料を非記録材料によって分断し、単一の磁性ドットを単一の記録セルとして記録再生を行うビットパターンド媒体(BPM)をはじめとする種々のパターンド媒体が提案されている。
従来のパターンド媒体の作製方法においては、所望の磁気パターンと同等のマスターパターンを持つマスクを媒体上に作製し、そのパターンを磁気記録層へ転写した後、マスクを剥離(=リフトオフ)して表面の平坦性を保つ。マスクに設けられるリフトオフ層としては、例えばCrやMo等の金属層、レジスト等の有機物層などがある。
パターンド媒体加工プロセスにおいては、リフトオフ層は剥離以外のプロセスにとっては不要のため、できるだけ薄くすることが望ましい。しかし、リフトオフ層が薄い場合には、マスク剥離の際に剥離不良が発生しやすくなる。たとえば、パターンのない最外周、最内周領域は、剥離液の侵入箇所となる側面の露出箇所の表面積が狭いため、剥離が十分に行われない。サーボパターンに関しても同様である。マスク剥離不良が発生した場合、数10〜100nmの高さのあるマスクがそのまま突起として媒体上に残ることになり、ドライブへ搭載した際にヘッドの浮上性が悪化する。
特開2010−250872号公報 特開2011−076676号公報
実施形態の目的は、ヘッドの浮上性を悪化させることなく磁気パターンが設けられた磁気記録媒体を得ることにある。
実施形態によれば、基板、該基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体上に、リフトオフ層、第1のハードマスク、及び該第1のハードマスクとは異なる材料からなり、該リフトオフ層を溶解する剥離液と同じ剥離液に溶解可能な第2のハードマスクを形成し、
該第2のハードマスク、該第1のハードマスク、及び該リフトオフ層を各々エッチングして、面内方向に規則的に配列されたパターンを有するマスク層を形成し、
該マスク層を介して前記磁気記録層をパターニングし、記録部、及び非記録部を形成し、
前記マスク層を前記剥離液に供し、前記リフトオフ層及び第2のハードマスクを溶解せしめ、該マスク層を剥離することを含む磁気記録媒体の製造方法であって、
前記リフトオフ層と前記第2のハードマスクは、マグネシウム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、ヒ素、モリブデン、アンチモン、タングステン、レニウム、タリウム、及び鉛、その合金、及びそれらの元素を50原子%以上含む化合物からなる群から選択される磁気記録媒体の製造方法が提供される。
第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の平面図である。 記録トラック及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録した凹凸パターンの一例を表す平面図である。 記録トラック及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録した凹凸パターンの他の一例を表す平面図である。 第2の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図である。 リフトオフ材料中の所定の元素の濃度と剥離時間との関係を表すグラフ図である。 第3の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図である。
実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法では、基板、及び基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体上に面内方向に規則的に配列されたパターンを有するマスク層を形成し、マスク層を介して磁気記録層をパターニングして、磁気パターンを持つ記録部、及び非記録部を形成した後、マスク層を剥離液に供し、剥離することを含む。
マスク層は、リフトオフ層、第1のハードマスク、及び第2のハードマスクの積層を含む。第2のハードマスクは第1のハードマスクとは異なる材料からなり、かつこの材料はリフトオフ層を溶解する剥離液と同じ剥離液に溶解可能である。
実施形態においては、マスク層に剥離液を適用すると、第2のハードマスクをリフトオフ層と同時に剥離液で剥離することができる。この構成によれば、膜厚の厚いマスク層にも剥離液が侵入しやすく、剥離不良が発生しにくい。リフトオフ層に剥離液が侵入できず剥離不良が生じた場合でも、リフトオフ層に比べ高さのある第2のハードマスクは剥離されるため、剥離不良を起こした部分の突起高さはマスク層全体が残った場合と比べて十分に低くなるので、ヘッド浮上への影響が低い。このように、実施形態によれば、表面性の良好な磁気記録媒体が得られる。
以下、図面を参照し、実施形態をより詳細に説明する。
実施例1
図1(a)ないし(i)に、第1の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図を示す。
図1(a)に示すように、ガラス基板1上に厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層2を形成し、及びその上に中間層3として厚さ20nmのルテニウム(Ru)層を形成する。その後、磁気記録層4として厚さ10nmのCo80Pt20層、保護膜5として厚さ2nmのダイアモンドライクカーボン(以下、DLCという)層を積層して、磁気記録媒体10を得る。
次に、磁気記録媒体10の保護膜5上にリフトオフ層6として厚さ5nmのタングステン(W)層を形成する。続いて、リフトオフ層6上に、第1のハードマスク7として厚さ3nmのクロム(Cr)層、第2のハードマスク8として厚さ30nmのW層、及び第3のハードマスク9として厚さ5nmのCr層を順に成膜する。
その後、第3のハードマスク9上に、自己組織化材料PS−PDMS(Polystylene−Polydimethylsiloxane)をスピンコートにより積層し、自己組織化材料層14を形成する。150℃で10時間アニールし、自己組織化材料層14を相分離させると、ポリスチレン(PS)相12の海にポリジメチルシロキサン(PDMS)相13の球が配列した状態になる。
自己組織化材料層14を平面SEMで観察すると、ドットが六方最密に配列したパターンが見られる。
続いて、図1(b)に示すように、ドライエッチングにより、PDMS相13に保護されない部分のPS相12を除去し、第3のハードマスク9の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとして酸素(O)ガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
次に、図1(c)に示すように、PDMS相13をマスクとし、Crからなる第3のハードマスクにパターンを転写し、第2のハードマスク8の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCl/Oガスを使用し、チャンバー圧を0.5Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ500Wおよび50Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。
図1(d)に示すように、パターン化された第3のハードマスク9をマスクとし、Wからなる第2のハードマスク8にパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク7を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCF/Hを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび30Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図1(e)に示すように、パターン化された第2のハードマスク8をマスクとして、Crからなる第1のハードマスク7をエッチングしてパターンを転写し、凹部でリフトオフ層6の表面を露出させる。たとえばアルゴン(Ar)イオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W加速電圧400Vとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図1(f)に示すように、パターン化された第2のハードマスク8及び第1のハードマスク層7からなるマスク層11を介して、Wからなるリフトオフ層6をエッチングしてパターンを転写し、凹部でDLC保護膜5の表面を露出させる。たとえばArイオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W加速電圧400Vとし、エッチング時間を5秒として行われる。なお、図1(e)、及び図1(f)の工程は連続して行なうことができる。
図1(g)に示すように、DLC保護膜5を介して、保護膜5及び記録層4のうち非記録部15にイオン注入を行って、非記録部15内の記録層4の磁性を失活させる。たとえば、イオン注入によってPイオンを7keVの加速エネルギーにて照射し、処理時間30秒、Dose量〜1016atoms/cmにて行われる。一方、記録層4のうちマスク層11により覆われて失活されない領域が記録部4’となる。
図1(h)に示すように、残存しているマスク層11をリフトオフ層6ごと除去する。この工程は、たとえば濃度1重量%の過酸化水素水へ媒体を浸漬し、10分間保持することで行われる。このとき、過酸化水素によりリフトオフ層6のみならず第2のハードマスク8も溶解されるので、リフトオフ層6が十分に溶解されず剥離不良となった場合に、第1のハードマスク層7が残存しても、第2のハードマスク8を剥離することは可能である。
図1(i)に示すように、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜5’を形成し、潤滑剤を塗布することで、実施形態にかかる、磁気パターンが設けられた磁気記録媒体(パターンド媒体)20が得られる。
作製したパターンド媒体をグライドテスターに搭載し、浮上試験を行ったところ、浮上高さ10nmをクリアした。以上の結果より、実施形態にかかる製造方法により作製されたパターンド媒体の表面性が良いことが示された。
図2に、実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の平面図を示す。
図示するようにこの磁気記録媒体では、全面にほぼ等間隔のドットが配列し、それぞれが磁気的に分断されている。この媒体にはパターン化されたサーボ領域は存在せず、サーボ・トラック・ライターや磁気転写法にてサーボパターン等の磁気パターンを書き込んで使用するためものである。
図3に、記録トラック及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録したディスクリートトラック媒体(DTR)用パターンの一例を表す正面図、図4に、記録ビット、及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録したビットパターンド媒体(BPM)用パターンの一例を表す正面図を各々示す。
磁気パターンとして、例えば、図3に示すように、データ領域に設けられたトラックパターン21と、サーボ領域に設けられたプリアンブルアドレスパターン22、及びバーストパターン23を含むサーボ領域パターン24に対応するパターン、あるいは、図4に示すように、データ領域に設けられたビットパターン21’と、サーボ領域に設けられた例えばプリアンブルアドレスパターン22、及びバーストパターン23を含むサーボ領域パターン24に対応するパターン等が挙げられる。
リフトオフ層と第2のハードマスク
リフトオフ層と第2のハードマスクは、Mg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pb、それらの群からなる合金、及びその成分を50原子%以上含む化合物であることが好ましい。
それら以外の組成の割合が50原子%より多くなると、剥離液に溶解不能になる傾向がある。剥離レートとエッチングの容易性からは、リフトオフ層と第2のハードマスクはMoとWが特に好ましい。リフトオフ層と第2のハードマスクは組成が同じでも異なっていてもよい。
リフトオフ層の膜厚は、プロセスの簡便性から薄い方が好ましい。ただし、膜厚が薄すぎる場合、DLC保護膜と第1のハードマスクの間に剥離液が侵入しにくくなるため、適度な厚さが望まれる。このようなことから、リフトオフ層の膜厚は、好ましくは1nm以上10nm以下、より好ましくは2nm以上7nm以下にすることができる。
第2のハードマスクの膜厚は、磁気記録層のパターニング方法によって決定することができる。たとえばイオン注入によるパターニングを行う場合、磁気記録層の磁性を十分に失活しうる深度でイオンを注入するため、第2のハードマスクは記録部を保護するだけの十分な膜厚が望まれる。その場合、実施形態における第2のハードマスク材料のイオン注入遮蔽性は磁気記録層とほぼ同等のため、第2のハードマスクは少なくとも磁気記録層と同等の厚さが必要である。また、イオンミリングにより磁気記録層をパターニングする場合は、ミリング時に第2のハードマスクが消失しないことが望まれる。こちらの場合、第2のハードマスクの厚さはイオンミリングの耐性に依存する。磁気記録層のエッチングレートをV1、第2のハードマスクのエッチングレートをV2とした場合、少なくとも第2のハードマスク厚さT2は、磁気記録層の厚さT1から、(T2/V2)>(T1/V1)の関係であることが好ましい。たとえば、磁気記録層をCoPt、第2のハードマスクをMoとした場合を考える。そのとき、磁気記録層のエッチングレートV1=1nm/sec、第2のハードマスクMoのエッチングレートV2=1.5nmである。磁気記録層の厚さがT1=10nm、第2のハードマスクMoの厚さT2=30nmであれば、T2/V2=20、T1/V1=10で、(T2/V2)>(T1/V1)の関係を満足する。
剥離液
剥離液は上記リフトオフ層を溶解可能なものが好ましい。剥離液は、過酸化水素、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、クロム酸、フッ酸、ヨウ化水素、臭化水素、蟻酸、酢酸、及びシュウ酸、それらの混合物の溶液から選択することができる。
剥離液は例えば、過酸化水素水や蟻酸に代表される、弱酸が好ましい。また、pHの高い領域で硝酸、硫酸、リン酸なども用いることができる。好ましくは剥離液は3〜6のpH値を有する。さらにまた好ましくは、剥離液は過酸化水素水である。例えば塩酸のような酸を使用する場合には、保護膜の表面に細孔が形成される傾向があるため、保護膜厚みを増す必要が出てくる。
pH値が3未満であると、剥離のレートが早すぎるためプロセスの安定性が取れず、6を超えると、リフトオフ層の溶解が不十分となる傾向がある。
磁気記録層のパターニング後、媒体は剥離液に浸漬され、数秒〜数分の間保持される。リフトオフ層やマスクを十分に溶解させた後、媒体表面は純水によって洗浄され、後の工程に回される。
第1のハードマスク
リフトオフ層がMg、V、Mn、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbを含む場合、第1のハードマスクはAl、AlO(0<x≦3/2)、AlN(0<x≦1)、Cr、CrO(0<x≦3/2)、CrN(0<x≦1)、Ni、NiTa、Cu、Ru、及びそれらの化合物から選択されることが好ましい。
これらの材料を第2のハードマスクと組み合わせることで、エッチングのレート比を得ることができ、エッチングのストッパーとして、前の工程で発生した面内凹凸の均一化を行うことができる。
リフトオフ層がFe、Co、Niを含む場合、第1のハードマスクは、C、SiO、CrO(0<x≦3/2)、及びAlO(0<x≦3/2)から選択されることが好ましい。
これらの材料を第2のハードマスクと組み合わせることで、エッチングのレート比を得ることができ、エッチングのストッパーとして、前の工程で発生した面内凹凸の均一化を行うことができる。
第1のハードマスクの膜厚は薄いほうが好ましく、1nm以上10nm以下が好適である。
第1のハードマスクの膜厚は1nm未満であると、ハードマスクがエッチングされ、リフトオフ層までエッチングが進行してしまう。そのような場合にはストッパーとしての機能を十分にはたし難い傾向がある。10nmを超えると、厚すぎるために後続のプロセスでマスク形状劣化の原因となる傾向がある。
第3のハードマスク
第3のハードマスクには、第1のハードマスクと同様、リフトオフ層がMg、V、Mn、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbを含む場合、Al、AlO(0<x≦3/2)、AlN(0<x≦1)、Cr、CrO(0<x≦3/2)、CrN(0<x≦1)、Ni、NiTa、Cu、Ru、およびそれらの混合物、化合物を用いるのが好適である。リフトオフ層がFe、Co、Niを含む場合、第3のハードマスクは、C、SiO、CrO(0<x≦3/2)、AlO(0<x≦3/2)が好適である。これらの材料を第2のハードマスクと組み合わせることで、薄い第3のハードマスクから厚い第2のハードマスクを加工することができ、アスペクトを稼ぐことができる。
第3のハードマスクの膜厚は薄い方が好ましいが、薄すぎると第2のハードマスクをエッチングするのに十分な耐性が取れない。第3のハードマスクの膜厚は1nm以上10nm以下が好適である。1nm以下だと表面ラフネスにより膜として成り立たず、第2のハードマスクのエッチング中に細かい孔が開いてしまう傾向がある。10nmを超えると、微細な形状を持つマスターパターンからのパターン転写が困難になる傾向がある。
マスタリング
パターンド媒体の元となるマスターパターンは、電子線(EB)描画装置や自己組織化材料などを用いる。EB描画によれば、狙った位置へ微細なパターンを描画することができる。また、電子線だけでなく、ヘリウムイオンビームや分子線なども用いることができる。自己組織化材料を用いる方法によれば、微粒子や有機材料による自己配列性を持つパターンを大面積に短時間で作製することができる。EBや自己組織化材料を使って作製したパターンをマスターとして、ナノインプリント方式やステッパー方式にて複製することも可能である。その場合、同一のパターンを高速度で形成可能である。
自己組織化材料
ビットパターン作製には、PS−PDMS(Polystylene−Polydimethylsiloxane)、PS−PEO(Polystylene−Polyethylene oxide)、PS−PMMA(Polystylene−Polymethylmethacrylate)をはじめとする自己組織化材料や、Feなどの金属微粒子、SiOビーズなどの無機微粒子、Alナノホールなどが使用される。微粒子を用いる場合、周囲を有機物によって修飾し、単層で配列しやすくさせる。
実施形態では、主にPS−PDMSに代表されるジブロックコポリマーという有機材料を用いる。基板上に塗布し、ガラス転移点以上の温度でアニールすることで、PS中にPDMSの球が自己組織的に配列する。
自己組織化材料の加工
自己組織化材料の加工とは、PS中のPDMSドットをPSから分離させ、マスクとすることである。PS除去にはOガスを用いたRIE(反応性イオンエッチング)を用いる。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。PS除去は下の第3のハードマスクが露出した段階で終了とする。また、マスターパターンとなる材料と、第3のハードマスク材料の組み合わせによっては選択比が稼げないため、間に第4のハードマスクを挟んでもよい。
第3のハードマスク加工
第3のハードマスク加工には、PS除去と同じく、ICP−RIEを用いるのが好適である。第3のハードマスクがAl、AlO(0<x≦3/2)、AlN(0<x≦1)、Cr、CrO(0<x≦3/2)、CrN(0<x≦1)などの場合、Clを主としたエッチングガスを用いるのが良い。たとえば、ClにBCl、Ar、N、HBrなどを混合しても良い。Ni、NiTa、Cu、Ruの場合には、Arをはじめとする希ガスを用いたイオンミリングが良い。Arの代わりにNe、Kr、Xeなどの希ガスを使うこともできる。第3のハードマスクがCの場合、エッチングにはO、N、Hなどのガスを用いたRIEが好ましい。第3のハードマスクがSiOの場合、CFをはじめとするフッ素系ガスを用いたRIEが好ましい。これらのガスをエッチングに用いることで、第3のハードマスクを速いエッチングレートで加工可能である。第3のハードマスクのパターニングは第2のハードマスクの表面が露出した段階で終了とする。
第2のハードマスク加工
第2のハードマスク加工には、ICP−RIEを用いるのが好適である。例えば、CF4、CF/O、CHF、SF、Clなどのガスを用いるのが良い。高テーパー加工を行うため、HやNのガスを混合させるのも効果的である。第2のハードマスクのパターニングは第1のハードマスクの表面が露出した段階で終了とする。
第1のハードマスクの加工
第1のハードマスクの加工には、第3のハードマスク加工と同等の方法を用いることが好ましい。リフトオフ層と同時に除去する場合には、イオンミリングを使ってもよい。第1のハードマスクのパターニングはリフトオフ層の表面が露出した段階で終了とする。
リフトオフ層の加工
リフトオフ層の加工には、Ar等の希ガスのイオンミリングを使うことが好ましい。その理由は、磁気記録層に反応性ガスのダメージを与えないようにするためである。イオン注入法の場合には、リフトオフ層の表面が露出していれば、必ずしもリフトオフ層を全て除去する必要はない。リフトオフ層のパターニングは下の磁気記録層、または磁気記録層保護膜の表面が露出した段階で終了とする。
磁気記録層のパターニング
磁気記録層のパターニングは、イオン注入あるいはイオンミリングによって、記録に使用しない部分の磁性を失わせることで行われる。
図1に示すように、イオン注入により、マスクで保護された以外の部分の磁性を失活させることができる。ここで言う磁性の失活とは、記録領域に対する非記録領域中の失活元素の濃度を高め、その結果飽和磁化Msを減少させることである。磁性失活に好適な材料はH、He、B、C、N、F、Ne、Si、P、S、Ar、Cr、Mn、及びAs等である。これらの材料を用いることで磁化を効率よく減少させることができる。失活元素の組成比は、多ければ多いほど失活効果は高いが、多すぎると媒体の堆積増加が生じる。磁性元素に対して1原子%以上90原子%以下であることが望ましく、5原子%以上50原子%以下であることがさらに望ましい。
非記録部をイオンミリング等の方法によって完全に除去することで、パターニングを行うこともできる。イオンミリングにはNe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスや、N等の不活性ガスを用いることができる。イオンミリング法では媒体上に凹凸が生じるため、非磁性材料によって埋め込みを行ってもかまわない。
保護膜形成および後処理
カーボン保護膜は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVD法で成膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法により成膜してもよい。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。膜厚は2nm以下だとカバレッジが悪くなる傾向があり、10nm以上だと、記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下する傾向がある。保護膜上に潤滑剤を塗布することができる。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
磁気記録層
磁気記録層としては、合金系の場合、CoまたはFe、Niを主成分とし、かつPtあるいはPdを含むことが好ましい。磁気記録層は、必要に応じて、Crや酸化物を含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。さらに、酸化物の他に、Ru、Mn、B、Ta、Cu、Pdから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、FePt系合金、CoCrPt系合金、FePtCr系合金、CoPtO、FePtO、CoPtCrO、FePtCrO、CoPtSi、FePtSi、ならびにPt、Pd、Ag、Cuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金と、Co、Fe、Niとの多層構造などを使用することもできる。また、Kuの高いMnAl合金、SmCo合金、FeNbB合金、CrPt合金などを使用することもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは3ないし30nm、より好ましくは5ないし15nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。
配向制御中間層
軟磁性裏打ち層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けることができる。
中間層は、軟磁性裏打ち層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、Ni、Mg、あるいは、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
軟磁性裏打ち層
軟磁性裏打ち層(SUL)は、垂直磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性裏打ち層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により成膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性裏打ち層の下に、軟磁性裏打ち層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性裏打ち層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
比較例1
第2のハードマスクとして、W層を形成する代わりに過酸化水素に溶解しないSi層を形成したこと以外は、実施例1と同等の方法で、パターンド媒体を作製した。
この方法で作製したパターンド媒体をグライドテスターに搭載し、浮上試験を行ったところ、媒体の最外周付近でヘッドがクラッシュし、グライド試験は不合格であった。AFMにて媒体の表面を観察したところ、高さ100nm前後の突起が多数見られ、パターンド媒体の表面性が良くなかった。突起の組成を分析するとSiが主成分であったことから、ハードマスクの剥離に失敗していることが明らかになった。原因は、媒体面内エッチングレート分布の発生により広範囲でリフトオフ層断面が露出していない領域があったため、剥離液の浸潤が十分でなかったためだと考えられる。
実施例2
図5(a)ないし(i)に、第2の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図を示す。
図5(a)に示すように、ガラス基板1、軟磁性層2、中間層3、磁気記録層4、及び保護層5を備えた磁気記録媒体10上に、リフトオフ層をMo、第3のハードマスクをNiとする以外は実施例1と同様にして、リフトオフ層6、第1のハードマスク7、第2のハードマスク8、第3のハードマスク9、及び自己組織化材料層14を形成する。
図5(b)に示すように、ドライエッチングにより、PDMSに保護されない部分のPSを除去し、第3のハードマスクの表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
図5(c)に示すように、PDMSをマスクとし、Niからなる第3のハードマスクにパターンを転写し、第2のハードマスクの表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてArガスを使用し、チャンバー圧を0.05Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび100Wとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図5(d)、(e)では実施例1と同等にして、パターン化された第3のハードマスク9をマスクとし、Wからなる第2のハードマスク8にパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク7を露出させた後、パターン化された第2のハードマスク8をマスクとして、Crからなる第1のハードマスク7をエッチングしてパターンを転写し、凹部でリフトオフ層6の表面を露出させる。
図5(f)に示すように、パターン化された第2のハードマスク8と第1のハードマスク7をマスクとして、Moからなるリフトオフ層6をエッチングしてパターンを転写し、凹部でDLC保護膜5の表面を露出させる。たとえばArイオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W加速電圧400Vとし、エッチング時間を5秒として行われる。
図5(g)に示すように、Arイオンミリングにより、凹部の記録層4を保護膜5ごと全てエッチングした。この工程は、例えば、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W加速電圧400Vとし、エッチング時間を30秒として行われる。記録層4のうちマスク層11により覆われてエッチングされない領域が記録部4’となる。
図5(e)〜(g)の一連の工程は、連続して行われてもかまわない。
図5(h)に示すように、残存している第2のハードマスク(W)を、リフトオフ層(Mo)と同時に除去した。この工程は、たとえば濃度1重量%の過酸化水素水へ媒体を浸漬し、10分間保持することで行われる。このとき、過酸化水素によりリフトオフ層6のみならず第2のハードマスク8も溶解されるので、リフトオフ層6が十分に溶解されず剥離不良となった場合に、第1のハードマスク層7が残存しても、第2のハードマスク8を剥離することは可能である。
図5(i)に示すように、CVD(化学気相堆積)により第2の保護膜を形成し、潤滑剤を塗布することで実施形態にかかるによるパターンド媒体30が得られる。
作製したパターンド媒体をグライドテスターに搭載し、浮上試験を行ったところ、浮上高さ10nmをクリアした。本特許の製造方法により作製されたパターンド媒体の表面性が良いことが示された。
実施例3
実施例1と同様の方法でパターンド媒体を作製した。
ただし、第2のマスク材料は、各々、Mg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbに変更し、それぞれ30nm厚とした。リフトオフ層は5nm厚のWに固定した。
作製したパターンド媒体をグライドテスターに搭載し、浮上高さを10nmないし15nmに変化させて浮上試験を行ったところ、下記表1に示すような結果になった。
なお、表中、OKはグライド合格、△は僅かにHitがあったものである。この結果より、実施形態にかかる構成においては、浮上性のよい媒体を作製可能であることが示された。
Figure 0005214783
また、第2のマスク材料をMoに固定し、リフトオフ層材料を、各々Mg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbに変更したところ、グライド試験結果が浮上高さ10nmで△となるものが多少見られたものの、ほぼOKとなり、上記表1と同様の結果が得られた。
実施例4
リフトオフ層の材料について、リフトオフ層中の含有量と剥離に必要な時間の関係を調査した。
実施例1と同様の方法でパターンド媒体を作製し、リフトオフ層をMg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbとし、厚さを5nmとした。第2のマスク層はMoで30nm厚で固定した。
各リフトオフ層について、全体の95%以上の面積で剥離が行われるまでの時間を調査した。結果は下記表2のようになった。
Figure 0005214783
以上のように、MoとWで特に良い剥離性が見られた。材料としての溶解性だけでなく、上下の層との反応や加工プロセスとの適合性が良いためであると考えられる。
実施例5
リフトオフ層の材料について、リフトオフ層中の含有量と剥離に必要な時間の関係を調査した。具体的には、基板上にCとリフトオフ層材料の混合物を10nm積層し、1重量%の過酸化水素水に溶解させ剥離に要する時間を調べた。結果を図6にまとめる。
図6は、リフトオフ材料中の所定の元素の濃度と剥離時間との関係を表すグラフ図を示す。
図示するように、材料濃度が50原子%を下回ったあたりで剥離に要する時間が急増するのがわかる。この傾向は他のリフトオフ材料や剥離液でも同様だった。以上のように、リフトオフ材料の濃度は50原子%以上であることが好ましいことがわかる。
実施例6
リフトオフ層について、厚みと剥離性の関係を調査した。具体的には、実施例1と同様の方法でパターンド媒体を作製し、Wからなるリフトオフ層の厚みを0.5nm、1nm、2nm、3nm、5nm、7nm、10nm、15nmとし、記録層の加工後に実施例1と同様の方法で、過酸化水素水に浸漬して剥離を行った。
光学顕微鏡による検査にて剥離不良が全く見られないものを○、剥離不良箇所が1〜10箇所以内であるものを△、剥離不良が11箇所以上あるものをNGと評価した。
結果を表にまとめると下記表3のようになった。
Figure 0005214783
リフトオフ層が0.5nmでは剥離が△となり、グライド特性は△となった。リフトオフ層が薄すぎたために剥離液が層の間に入らなかったものと考えられる。1〜3nmでは一部剥離NGとなったが、わずかなHitで納まったので評価は△となった。マスクが同時に剥離できた効果が現れたと考えられる。5nm以上では剥離性は良くなったが、7nm以上でグライド特性が悪化し、15nmでは△となった。グライド特性が△となった媒体の断面TEMを測定してみると、媒体の凹凸のばらつきが大きいことが判った。リフトオフ層が厚くなったためプロセスのストッパーがない状態でのエッチング時間が増え、加工ばらつきが生じたことが原因と考えられる。
以上のように、リフトオフ層は剥離可能な膜厚内で、できるだけ薄くすることが望ましいことが判った。
この傾向は、他のリフトオフ材料においても同様だった。
実施例7
実施例1と同様の方法でパターンド媒体を作製した。ただし、第1のハードマスク(ストッパー)材料とマスク材料の組み合わせを下記表4のように変更した。
Figure 0005214783
以上のように、第1のハードマスク材料を変えても、グライド特性の良好な媒体を作製できることが示された。この傾向は第2のハードマスク材料をMg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、As、Mo、Sb、W、Re、Tl、Pbへと変えても同様だった。
実施例8,比較例2
第2のハードマスクとリフトオフ層の剥離性について、剥離液を変更して剥離性を調査した。実施例1と同様の方法で媒体を作製し、過酸化水素の他に、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、クロム酸、フッ酸、ヨウ化水素、臭化水素、蟻酸、酢酸、シュウ酸の1重量%水溶液を用いて剥離を行った。また、酸による記録層の劣化の度合いを調べるため、媒体には軟磁性層を積層していない。
比較例2として、塩酸の1重量%水溶液で剥離を行ったものを用意した。
それぞれ媒体を加工し、ドライブへ搭載しグライド特性を評価した。また、VSMにより飽和磁化量Msを測定し、パターン化前の値と比較した。パターニング後のドット領域堆積はパターニング前の23%であるので、Msが23%より下回っている分はダメージと見積もることができる。Ms測定の結果を下記表5にまとめた。
Figure 0005214783
以上の結果より、比較例2の塩酸を除いては、グライド特性も飽和磁化量もほぼ同等の値であることがわかった。これらの酸に関しては、剥離層として使用可能であることが示された。塩酸を使用したものの断面TEMを測定すると、媒体に細い孔が生じていることがわかった。保護膜が塩酸で侵食されたためと予想できる。
実施例9
図7(a)ないし(f)に、第3の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を模式的に表す断面図を示す
図7(a)に示すように、ガラス基板1上に、厚さ40nmのCoZrNb軟磁性層2、厚さ20nmのRu中間層3および厚さ10nmのCo80Pt20磁気記録層4を含む磁気記録媒体10’を作成した。
磁気記録層4上に、リフトオフ層6として厚さ5nmのMo層、第1のハードマスク7として厚さ3nmのCr層、第2のハードマスク8として厚さ30nmのW層を成膜する。第2のハードマスク8上に、表面をカルボキシル基やアミノ基、カルボニル基などの有機鎖で修飾されたNi微粒子17をスピンコートにより単層で配置する。
図7(b)に示すように、Ni微粒子17をマスクとし、Wからなる第2のハードマスク8にパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク7を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCF/Hを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび30Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図7(c)に示すように、パターン化された第2のハードマスク8をマスクとして、Crからなる第1のハードマスク7をエッチングしてパターンを転写し、凹部でリフトオフ層6の表面を露出させる。この工程は、たとえばArイオンミリング装置により、プロセスガスとしてArを使用し、チャンバー圧を0.04Paとし、プラズマパワー400W加速電圧400Vとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図7(d)に示すように、Moからなるリフトオフ層6ごしに、非記録部の磁性を失活させる。たとえば、イオン注入によってPイオンを7keVの加速エネルギーにて照射し、処理時間30秒、Dose量〜1016atoms/cmにて行われる。
図7(e)に示すように、残存している第2のハードマスク(W)8を、リフトオフ層6(Mo)ごと除去する。この工程は、たとえば濃度1重量%の過酸化水素水へ媒体を浸漬し、10分間保持することで行われる。
図7(f)に示すように、CVD(化学気相堆積)により保護膜5’を形成し、潤滑剤を塗布することで第3の実施形態にかかるパターンド媒体40が得られる。
作製したパターンド媒体をグライドテスターに搭載し、浮上試験を行ったところ、浮上高さ10nmをクリアした。第3の実施形態にかかるパターンド媒体の表面性が良いことが示された。
実施例10
実施例1と同様の方法で、パターンド媒体を作製した。ただし、マスターとなるパターンはEBにより描画した図3や図4のようなパターンで、図3の媒体の記録層には厚さ12nmのCoPtを、図4の媒体の記録層には厚さ20nmのCoCrPt−SiOを用いた。イオン注入のエネルギーは、媒体記録層の厚みに合わせ、10keVと15keVとした。マスターパターンの複製はナノインプリント法により行い、透明な樹脂からなるスタンパを用いて、UV硬化樹脂へパターンを転写した。残りの加工方法は実施例1と同等である。
作製された媒体をグライドテスターに搭載し、浮上試験を行ったところ、どちらも浮上高さ10nmをクリアした。実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法により作製されたパターンド媒体の表面性が良いことが示された。
1…基板、4…磁気記録層、4’…記録部、5,5’…保護層、6…リフトオフ層、7…第1のハードマスク、8…第2のハードマスク、10,20,30,40…磁気記録媒体、11…マスク層、15…非記録部

Claims (8)

  1. 基板、該基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体上に、リフトオフ層、第1のハードマスク、及び該第1のハードマスクとは異なる材料からなり、該リフトオフ層を溶解する剥離液と同じ剥離液に溶解可能な第2のハードマスクを形成し、
    該第2のハードマスク、該第1のハードマスク、及び該リフトオフ層を各々エッチングして、面内方向に規則的に配列されたパターンを有するマスク層を形成し、
    該マスク層を介して前記磁気記録層をパターニングし、記録部、及び非記録部を形成し、
    前記マスク層を前記剥離液に供し、前記リフトオフ層及び第2のハードマスクを溶解せしめ、該マスク層を剥離することを含む磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記リフトオフ層と前記第2のハードマスクは、マグネシウム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、ヒ素、モリブデン、アンチモン、タングステン、レニウム、タリウム、及び鉛、その合金、及びそれらの元素を50原子%以上含む化合物からなる群から選択される磁気記録媒体の製造方法
  2. 前記リフトオフ層と前記第2のハードマスクは、モリブデン、タングステン、その合金、モリブデンあるいはタングステンを50原子%以上含む化合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のハードマスクは、前記リフトオフ層の厚さより大きい厚さを有する請求項に記載の方法。
  4. 前記リフトオフ層がマグネシウム、バナジウム、マンガン、亜鉛、ゲルマニウム、ヒ素、モリブデン、アンチモン、タングステン、レニウム、タリウム、及び鉛からなる群から選択される少なくとも1種を含む場合、第1のハードマスクはアルミニウム、AlO (0<x≦3/2)、AlN (0<x≦1)、クロム、CrO (0<x≦3/2)、CrN (0<x≦1)、ニッケル、ニッケルタンタル、銅、ルテニウム、及びそれらの化合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  5. 前記リフトオフ層が鉄、コバルト、及びニッケルからなる群から選択される少なくとも1種を含む場合、第1のハードマスクは、炭素、SiO、CrO(0<x≦3/2)、及びAlO(0<x≦3/2)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  6. 剥離液は、過酸化水素、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、クロム酸、フッ酸、ヨウ化水素、臭化水素、蟻酸、酢酸、シュウ酸、及びその混合物溶液からなる群から選択される請求項1に記載の方法
  7. 前記剥離液は3〜6のpH値を有する請求項1に記載の方法。
  8. 前記剥離液は過酸化水素水である請求項に記載の方法。
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