JP2009009651A - ディスクリートトラック媒体の製造方法およびディスクリートトラック媒体 - Google Patents

ディスクリートトラック媒体の製造方法およびディスクリートトラック媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】表面の平坦性が良好で磁気特性の劣化がないディスクリートトラック媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に凸状の磁性パターンを形成し、前記磁性パターン間の凹部を充填するように非磁性体を成膜し、前記非磁性体をエッチバックする操作を、前記基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させて2回以上繰り返すことを含むディスクリートトラック媒体の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ディスクリートトラック媒体の製造方法、およびこの方法によって製造されたディスクリートトラック媒体に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果による書きにじみの低減は重要な技術課題である。
このような問題に対して、記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型パターンド媒体(DTR媒体)が提案されている。DTR媒体では、記録時に隣接トラックの情報を消去するサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報を読み出すサイドリード現象などを低減できるため、トラック密度を高めることができる。したがって、DTR媒体は高記録密度を提供しうる磁気記録媒体として期待されている。
DTR媒体を浮上ヘッドで記録再生するためには、DTR媒体の表面を平坦にすることが好ましい。すなわち、隣接するトラック間を完全に分離するためには、たとえば厚さ約4nmの保護層と厚さ約20nmの磁気記録層とを除去し、約24nmの深さの凹部を形成して磁性パターンを形成する。一方、浮上ヘッドの設計浮上量は10nm程度であるため、深い凹部が残っているとヘッドの浮上が不安定になる。このため、磁性パターン間の凹部を非磁性体で充填し、媒体表面を平坦にしてヘッドの浮上安定性を確保することが行われている。
従来、磁性パターン間の凹部を非磁性体で充填して平坦な表面を有するDTR媒体を得るには、以下のような方法が提案されている。たとえば、2段階のバイアススパッタにより、磁性パターン間の凹部を非磁性体で充填して表面の平坦なDTR媒体を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、バイアススパッタ法によりDTR媒体の凹部を非磁性体で埋め込む方法に用いると、基板バイアスに伴う温度上昇で磁気記録層が劣化して変質することがわかった。
温度上昇に対して、基板を強制冷却しながらバイアススパッタを行うことで回避できるが、強制冷却するためには基板の裏面を冷却機構に密着させる必要がある。この場合、基板の裏面が傷つくことになり、バイアススパッタ法では原理的に両面加工が不可能であることがわかった。両面加工ができなければ、DTR媒体の記録容量は半減することになる。
特許第3686067号
そこで、両面加工が可能な成膜方法を採用し、かつDTR媒体の表面を平坦化するために、磁性パターン間の凹部および磁性パターン上に非磁性体を成膜し、非磁性体をエッチバックする操作を繰り返すことが考えられる。しかし、非磁性体の成膜およびエッチバックを繰り返すと、非磁性体の膜厚にむらが生じ、良好な再生ができなくなる場合もあることがわかってきた。このような非磁性体の膜厚むらは、製造装置に依存して発生の仕方が変化するので、製造装置を個別に調整する方法では根本的に解決することはできない。
本発明の目的は、表面の平坦性が良好で磁気特性の劣化がないディスクリートトラック媒体の製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態に係るディスクリートトラック媒体の製造方法は、基板上に凸状の磁性パターンを形成し、前記磁性パターン間の凹部を充填するように非磁性体を成膜し、前記非磁性体をエッチバックする操作を、前記基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させて2回以上繰り返すことを含む。
本発明の他の実施形態に係るディスクリートトラック媒体は、基板上に、凸状の磁性パターンと磁性パターン間の凹部を充填する非磁性体とを有し、前記基板の周縁部に前記非磁性体の成膜時における基板の保持部の跡であるフィンガーが6個所以上形成されている。
本発明によれば、非磁性体の成膜およびエッチバックを2回以上繰り返す間に、基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させる操作を加えることにより、非磁性体の膜厚むらを低減でき、表面の平坦性が良好で磁気特性の劣化がないディスクリートトラック媒体を製造できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るDTR媒体の周方向に沿う平面図を示す。図1に示すように、DTR媒体1の周方向に沿って、サーボ領域2と、データ領域3が交互に形成されている。サーボ領域2には、プリアンブル部21、アドレス部22、バースト部23が含まれる。データ領域3にはディスクリートトラック31が含まれる。
図2(a)〜(e)および図3(f)〜(k)を参照して本発明の実施形態に係るDTR媒体の製造方法を示す。ここでは、図示を簡略化するため、基板の片面で加工する場合を示す。
ガラス基板51上に、厚さ120nmのCoZrNbからなる軟磁性下地層(図示せず)、厚さ20nmのRuからなる配向制御用の下地層(図示せず)、厚さ20nmのCoCrPt−SiO2からなる磁気記録層52、厚さ4nmのカーボン(DLC)からなる保護層53を順次成膜する。ここでは、簡略化のために、軟磁性下地層および配向制御層は図示していない。保護層53上に、レジスト54として厚さ100nmのスピンオングラス(SOG)をスピンコートする。このレジスト54に対向するようにスタンパ61を配置する。このスタンパ61には図1に示した磁性パターンと逆転した凹凸を有するパターンが形成されている(図2a)。
スタンパ61を用いてインプリントを行い、スタンパ61の凹部に対応してレジスト54の凸部54aを形成する(図2b)。
ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置でエッチングを行い、パターン化されたレジスト54の凹部の底に残っているレジスト残渣を除去する。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてCF4を用い、チャンバー圧を2mTorr、コイルのRFパワーとプラテンのRFパワーをそれぞれ100W、エッチング時間を30秒とする(図2c)。
残ったレジストパターン(SOG)を耐エッチングマスクとして、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンでイオンミリングを行い、厚さ4nmの保護層53および厚さ20nmの強磁性層52をエッチングする(図2d)。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてArを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を500V、エッチング時間を3分とする。
その後、RIE装置でレジストパターン(SOG)を剥離する(図2e)。このときの条件は、たとえば、プロセスガスとしてCF4ガスを用い、チャンバー圧を100mTorr、パワーを100Wとする。
次に、DCスパッタリングにより、磁性パターン間の凹部を充填し、磁性パターン上に積層されるように、Ruからなる非磁性体55を成膜する(図3f)。このときの条件は、Ruターゲットを用い、DCスパッタ法により、Ar流量100sccm、チャンバー圧力0.5Pa、スパッタ時間10秒で、厚さ50nmのRuを成膜する。非磁性体55の膜厚は30〜100nmが好適である。非磁性体の膜厚が凹部の深さよりも小さいと、次のエッチバックにおいて磁気記録層にダメージを与えるおそれがあるので好ましくない。この段階では、図3fに示すように、表面は平坦にならず、凹部の深さは約20nmになる。ただし、パターン幅は狭くなる。
この工程で、非磁性体55としてRuを用いたのは、DCスパッタレートが早く、ダストが発生しにくいためである。なお、非磁性体55としてSiOC、SiO2、SiC、SiNなどのSi系非磁性体を用いてもよい。
次いで、非磁性体55をエッチバックする(図3g)。このときの条件は、ECRイオンガンを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を500Vに設定し、Arイオンを30秒間照射する。この条件は、非磁性体55であるRuを20nmエッチングする条件である。この結果、表面の凹部の深さが10nmまで小さくなった。この工程を経ることで、媒体の表面粗さが減少し、凹部の深さが半減する。この工程は非磁性体の表面を改質するのが目的であるため、ECRイオンガンの条件(プロセス時間)はそれほど重要なパラメータにはならない。イオン照射時間を長くするほど、表面粗さの低減効果と、凹部深さの減少効果は増すが、非磁性体55の成膜工程(図3f)で非磁性体を厚く成膜する必要がある。
なお、成膜工程(図3f)で非磁性体55としてSiOC、SiO2、SiC、SiNなどのSi系非磁性体を用いた場合はArとフッ素系ガスたとえばCF4との混合ガスを用いてエッチバックすることができる。この場合、Ar単独を用いてエッチバックした場合と比べると、表面粗さの低減効果は劣るが、凹部深さの減少効果は大きくなる。
次に、本実施形態においては、基板51を面内で1回転未満の角度だけ回転させる(図3h)。その後、非磁性体の成膜(図3f)および非磁性体のエッチバック(図3g)を繰り返す。たとえば基板51を120度回転させる場合、3f、3g、3hの操作を2回繰り返す。後に3iおよび3jの操作を行うので、基板の回転角度が120度の場合の非磁性体の成膜およびエッチバックの繰り返し回数は合計で3回である。このように、非磁性体の成膜およびエッチバックを、基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させて2回以上繰り返すことにより、基板表面での非磁性体の膜厚を均一にすることができる。
基板の回転角度と、3f、3g、3hの操作の繰り返し回数との関係は、90度で3回、60度で5回、45度で7回、30度で11回、15度で23回である。180度では1回でよい。このように、基板の回転角度は1回あたり15〜180度に設定することが好ましい。基板回転角度を15度より小さくすると、図3f、3gおよび3hの工程の繰り返しで1時間以上かかるため、スループットの観点から現実的ではない。
この基板回転工程では、基板を冷却してもよい。図3fおよび3gの工程を行うと、基板に熱が蓄積するので、基板回転工程で基板を冷却することが好ましい。基板回転チャンバー内を高真空状態(1.0×10-4Pa以下)に保持した状態で基板を回転しただけでは、輻射による冷却効果しか期待することができないため、冷却に必要な時間が非常に長くかかる。このため、スループットの低下につながる。そこで、基板回転チャンバーにArまたはN2を導入し、チャンバー圧を0.3〜10Paにすることにより、輻射による冷却効果に加えて、ガス分子を介しての熱伝導による冷却効果も期待できる。例えば、基板回転チャンバーにArを100sccm導入し、チャンバー圧を7Paに調整して30秒間基板を保持することで十分な冷却効果が得られる。基板回転チャンバーに冷却ブロックを設置して冷却効率を向上させてもよい。冷却ブロックは熱容量の大きな材質で形成され、表面積を大きくするために表面の凹凸を有し、内部に冷媒を循環できるものが好ましい。
なお、基板回転チャンバーに導入するガスについては、H2は安全上問題があり、Heは高価なため、量産性を考慮すると好ましくない。
次に、DCスパッタリングにより、再びRuからなる非磁性体55を成膜する(図3i)。このときの条件は、DCスパッタ法により、チャンバー圧力0.52Pa、スパッタ時間70秒で、厚さ50nmのRuを成膜する。
次いで、非磁性体55をエッチバックする(図3j)。このときの条件は、ECRイオンガンを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を700Vに設定する。エッチバックを約3分間行い、Q−MASS(四重極式質量分析計)により強磁性層のCoが検出された時点をエッチバックの終点とする。本実施形態の製造方法では、図3gのエッチバックにおいて非磁性体55がどの程度エッチングされるか正確に判らないので、エッチバック時間に基づく制御は困難である。これに対して、Q−MASS、または他のエッチング終点検出器たとえばSIMS(二次イオン質量分析器)によって終点検出を行えば、高精細なエッチバックが可能になる。
最後に、CVD(化学気相堆積法)によりカーボン(C)を堆積して保護層57を形成する(図3k)。さらに、保護層57上に潤滑剤を塗布してDTR媒体を得る。
次いで、本実施形態の製造方法による両面加工法を製造装置とともに説明する。
まず、両面スピンコーターを用いて、1.8インチ径HDD用ガラス基板両面にレジストを塗布する。この場合、基板の内径をチャックし、回転させる。回転数は6000rpmまで任意に変更できる。例えば、500rpmの低速回転中に、レジストディスペンサーノズルを基板内径にレジストが当たる位置まで動かし、レジストを噴射する。レジストを噴射したままディスク外周方向へレジストディスペンサーノズルを動かし、レジスト噴射を止める。その後、回転数を6000rpmまで上げ、レジストを振り切って乾燥を行う。上記のようにレジストにSOG(Spin−on−glass)を用い、膜厚が100nmになるように調整する。
次に、レジストが塗布された基板を前後から挟み込むように2枚のスタンパを両面に密着させ、1.8インチ径の全面に均一な加重がかかるように専用設計されている専用金型を用いて30tプレス機でインプリントを行う。
その後、図4に示したような、キヤノンアネルバ製C3010スパッタ成膜装置を改造したDTR媒体製造装置で両面加工を行う。図4は本実施形態に用いる製造装置を上方から見た上面図である。この製造装置は、ロード/アンロード(L/UL)チャンバー100、ICP(誘導結合プラズマ)エッチングチャンバー101、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンチャンバー102、ICPエッチングチャンバー103、スパッタリングチャンバー104、ECRイオンガンチャンバー105、基板回転チャンバー106、スパッタリングチャンバー107、ECRイオンガンチャンバー108、保護層形成チャンバー109を有する。通常の状態では、すべてのチャンバーは高真空(1.0×10-4Pa以下)に保たれる。
図4の製造装置のL/ULチャンバー100に基板をセットし、キャリア70を用いて基板をまずICPエッチングチャンバー101へ搬送し、図2cに示すように、レジストの凹部の底に残っているレジスト残渣を除去する。ICPエッチングチャンバー101では、チャンバー内にO2、CF4などのガスを導入し、コイルによって誘導結合プラズマ(ICP)を発生させ、基板を載置した陰極(プラテン)によりプラズマ中のイオンやラジカルを引き寄せることによって反応性イオンエッチング(RIE)を行う。
基板をECRイオンガンチャンバー102へ搬送し、図2dに示すように、レジストパターンを耐エッチングマスクとして保護層および強磁性層をエッチングして磁性パターンを形成する。ECRイオンガンチャンバー102では、ECR(電子サイクロトロン共鳴)により発生させたプラズマ中でAr、O2、CF4などのガスをイオン化し、グリッドで加速して基板表面に原子を衝突させてエッチングする。
基板をICPエッチングチャンバー103へ搬送し、図2eに示すように、レジスト(SOG)を剥離する。このICPエッチングチャンバー103はICPエッチングチャンバー101と同様の機能を有する。
基板をスパッタリングチャンバー104へ搬送し、図3fに示すように、非磁性体を成膜する。基板をECRイオンガンチャンバー105へ搬送し、図3gに示すように、非磁性体をエッチバックする。
基板を基板回転チャンバー106へ搬送し、図3hを参照して説明したように、基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させる。基板回転チャンバー106に冷却用のガスを導入して基板を冷却することもできる。また、基板回転チャンバー106の内部に冷却ブロックを配置してもよい。
非磁性体の成膜およびエッチバックを複数回繰り返すには、基板をスパッタリングチャンバー104へ戻して非磁性体の成膜を行い、ECRイオンガンチャンバー105でエッチバックを行い、基板回転チャンバー106で基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させる。
基板をスパッタリングチャンバー107へ搬送し、図3iに示すように、非磁性体を成膜する。基板をECRイオンガンチャンバー108へ搬送し、図3jに示すように、非磁性体をエッチバックする。
基板を保護層形成チャンバー109へ搬送し、図3jに示すように、カーボン保護膜を成膜する。保護層形成チャンバー109では、原料ガスとしてC24などを用い、CVD(化学気相堆積法)でカーボン保護膜を形成するのが好適である。ただし、簡便なDCスパッタ法でカーボン保護膜をスパッタ成膜してもよい。
図5(a)〜(d)および図6を参照して、基板回転チャンバー106において基板を回転させる方法を説明する。図5(a)〜(d)は基板回転チャンバー106におけるキャリアの状態を示す平面図である。図6は基板回転チャンバー106において基板を回転させる方法を説明する断面図である。
図5(a)に示すように、基板51はキャリア70中央の孔に配置され、板ばね付き押さえ爪71および2つの固定の押さえ爪72、72によってその周縁部が保持されて搬送される。図6に示すように、基板回転チャンバー106には前後駆動および回転駆動が可能な基板チャック120が設けられ、3本の爪121で基板51の外周を保持できるようになっている。また、基板回転チャンバー106には冷却ブロック130が設けられている。冷却ブロック130は表面の凹凸を有し、内部に冷媒を循環できるようになっている。
まず、図5(b)に示すように、基板チャック120の3本の爪121で基板51の外周を保持し、キャリア70の板ばね付き押さえ爪71をリリースする。図5(c)に示すように、基板51を保持した基板チャック120を所定の角度(たとえば90度)だけ回転させる。図5(d)に示すように、再び板ばね付き押さえ爪71および2つの固定の押さえ爪72、72によって基板51をキャリア70によって保持し、基板チャック120を後退させる。こうして、基板51を面内で1回転未満の角度だけ回転させた後に、キャリア70をスパッタリングチャンバー104へ戻す。
次に、本発明の実施形態において用いられる好適な材料について説明する。
<基板>
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが用いられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
<軟磁性下地層>
軟磁性下地層(SUL)は、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性下地層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性下地層の下に、軟磁性下地層の結晶性の向上または基板との密着性の向上のために、さらに下地層を設けてもよい。こうした下地層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。軟磁性下地層と記録層との間に、非磁性体からなる中間層を設けてもよい。中間層は、軟磁性下地層と記録層との交換結合相互作用を遮断し、記録層の結晶性を制御する、という2つの作用を有する。中間層の材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、これらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させてもよい。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、Ru層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
<磁気記録層>
垂直磁気記録層としては、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、さらに酸化物を含む材料を用いることが好ましい。垂直磁気記録層は、必要に応じて、Crを含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)を得ることができる。このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。
垂直磁気記録層の酸化物含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好ましく、5mol%以上10mol%以下であることがより好ましい。垂直磁気記録層の酸化物含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁気記録層を形成した際、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子を分離させ、微細化させることができるためである。酸化物の含有量が上記範囲を超えた場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)が得られなくなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のCr含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ましく、10at%以上14at%以下であることがより好ましい。Cr含有量として上記範囲が好ましいのは、磁性粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるためである。Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のPt含有量は、10at%以上25at%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、垂直磁性層に必要なKuが得られ、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。Pt含有量が上記範囲未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進し、または結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層としては、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi、ならびにPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することもできる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは5ないし60nm、より好ましくは10ないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
<保護層>
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護層の材料としては、たとえばC、SiO2、ZrO2を含むものが挙げられる。保護層の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護層として利用されている。CVD(chemical vapor deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
次に、本発明の実施形態における各工程の好適な製造条件について説明する。
<インプリント>
基板の表面にレジストをスピンコート法で塗布し、スタンパを押し付けることにより、レジストにスタンパのパターンを転写する。レジストとしては、たとえば一般的なノボラック系のフォトレジストや、スピンオングラス(SOG)を用いることができる。サーボ情報と記録トラックに対応する凹凸パターンが形成されたスタンパの凹凸面を、基板のレジストに対向させる。このとき、ダイセットの下板にスタンパ、基板、バッファ層を積層し、ダイセットの上板で挟み、たとえば2000barで60秒間プレスする。インプリントによってレジストに形成されるパターンの凹凸高さはたとえば60〜70nmである。この状態で約60秒間保持することにより、排除すべきレジストを移動させる。また、スタンパにフッ素系の剥離材を塗布することで、スタンパをレジストから良好に剥離することができる。
<残渣除去>
RIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残差を除去する。このとき、レジストの材料に応じて適切なプロセスガスを用いる。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な並行平板型RIE装置を用いてもよい。
<磁気記録層エッチング>
残渣を除去した後、レジストパターンをエッチングマスクとして用い、磁気記録層を加工する。磁気記録層の加工には、Arイオンビームを用いたエッチング(Arイオンミリング)が好適であるが、Clガス、またはCOとNH3の混合ガスを用いたRIEでもよい。COとNH3の混合ガスを用いたRIEの場合、エッチングマスクにはTi、Ta、Wなどのハードマスクを用いる。RIEを用いた場合、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。いかなる材料でもエッチング可能なArイオンミリングで磁気記録層を加工する場合、たとえば加速電圧を400Vとし、イオン入射角度を30°から70°まで変化させてエッチングを行うと、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。ECRイオンガンを用いたミリングにおいては、静止対向型(イオン入射角90°)でエッチングすると、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付きにくい。
<レジスト剥離>
磁気記録層をエッチングした後、レジストを剥離する。レジストとして一般的なフォトレジストを用いた場合、酸素プラズマ処理を行うことによって容易に剥離することができる。具体的には、酸素アッシング装置を用い、たとえばチャンバー圧を1Torr、パワーを400Wとし、処理時間を5分としてフォトレジストを剥離する。レジストとしてSOGを用いた場合、フッ素系ガスを用いたRIEでSOGを剥離する。フッ素系ガスとしてはCF4やSF6が好適である。なお、フッ素系ガスが大気中の水と反応してHF、H2SO4などの酸が生じることがあるため、水洗を行うことが好ましい。
<非磁性体エッチバック>
磁気記録層(またはその上のカーボン保護膜)が露出するまでエッチバックを行う。このエッチバックプロセスは、ArイオンミリングまたはECRイオンガンを用いたエッチングが好ましい。
<保護層形成および後処理>
エッチバック後、カーボン保護層を形成する。カーボン保護層は、CVD法、スパッタ法、または真空蒸着法により成膜することができる。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。カーボン保護層の膜厚が2nm未満だとカバレッジが悪くなり、10nmを超えると記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。保護層上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
実施例1
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト)と記録トラックの凹凸パターンで形成されたスタンパを用いて、図2および図3に示した方法でDTR媒体を作製した。図3fの工程で、DCスパッタ法により、Ar流量100sccm、チャンバー圧力0.52PaでRuを50nm成膜した。図3gの工程で、ECRイオンガンを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を500Vに設定し、Arイオンを60秒間照射してエッチバックを行った。図3hの工程で、基板回転チャンバーにおいて基板を120度回転させた。再び図3f、図3g、図3hの工程を行った。続けて、図3iの工程で、DCスパッタ法により、Ar流量100sccm、チャンバー圧力0.52PaでRuを50nm成膜した。図3jの工程で、ECRイオンガンを用い、マイクロ波パワーを800W、加速電圧を500Vに設定し、磁気記録層のCoが検出されるまでRuのエッチバックを行った。その後、厚さ4nmのカーボン保護層をスパッタ法で成膜し、DTR媒体を得た。
光学表面検査機(OSA)で面内膜厚分布を調べたところ、非磁性体の膜厚むらは見られなかった。断面TEM(透過型電子顕微鏡)を観測したところ、媒体表面には約4nmの微小な凹部が残っていた。スピンスタンドで再生信号を確認したところ、信号強度のむらは見られなかった。
比較例1
基板回転工程を行わなかった以外は実施例1と同様にしてDTR媒体を作製した。
OSAで面内膜厚分布を調べたところ、非磁性体の膜厚むらが見られた。スピンスタンドで再生信号を確認したところ、OSAで膜厚の厚い非磁性体が観測された部分の信号強度は、膜厚の薄い非磁性体が観測された部分の信号強度の約1/2であった。再生信号強度はヘッドとDTR媒体の記録層との距離(磁気スペーシング)に比例するため、一部で信号強度が弱いのは、余分な非磁性体が残っているのが原因だと考えられる。このように再生信号強度にむらがあると、HDDとして使用することはできない。
実施例2
基板回転角度を45度に設定し、図3f、3gおよび3hの工程を7回繰り返した以外は実施例1と同様にしてDTR媒体を作製した。
断面TEMを観測したところ、媒体表面が非常に平坦になっていることがわかった。OSAで面内膜厚分布を調べたところ、非磁性体の膜厚むらは見られなかった。スピンスタンドで再生信号を確認したところ、信号強度のむらは見られなかった。このように、基板回転角度を小さくして、非磁性体の成膜およびエッチバックの繰り返し回数を多くすると、表面の平坦性が向上する。
ただし、信号強度の絶対値が実施例1で作製したDTR媒体の0.8倍に低下していた。これは、非磁性体の成膜およびエッチバックの繰り返し回数を多くしたことにより、基板に熱が蓄積し、DTR媒体の磁気特性が劣化したことによると思われる。
Kerr測定装置でDTR媒体の磁気特性を評価したところ、保磁力(Hc)5.2kOe、逆磁区核形成磁界(Hn)1.8kOe、飽和磁界(Hs)10.0kOeが得られた。このDTR媒体は、本来の磁気記録層の磁気特性と比較すると、HcとHsが若干大きくなっている。Hsが10kOeと大きいので、現行の記録ヘッドでは飽和記録ができない可能性がある。
実施例3
基板回転角度を15度にし、基板回転中にチャンバーにArガスを100sccm導入して、チャンバー圧を7Paに設定し、図3f、3gおよび3fの工程を23回繰り返した以外は実施例1と同じ工程でDTR媒体を作製した。
断面TEMを観測したところ、媒体表面が非常に平坦になっていることがわかった。OSAで面内膜厚分布を調べたところ、非磁性体の膜厚むらは見られなかった。スピンスタンドで再生信号を確認したところ、信号強度のむらはなく、信号強度の低下もなかった。
Kerr測定装置でDTR媒体の磁気特性を評価したところ、保磁力(Hc)4.8kOe、逆磁区核形成磁界(Hn)2.0kOe、飽和磁界(Hs)8.0kOeが得られた。このDTR媒体は、本来の磁気記録層の磁気特性とあまり変化がないことがわかった。基板回転中にガスを流入することによって基板を効果的に冷却でき、DTR媒体の磁気特性の劣化を抑制することができた。
Arの代わりにN2を用いて同様の実験を行ったが、磁気特性の変化はあまりなかった。したがって、基板回転中にガスを流入し、基板冷却を同時に行うことが有効であることがわかった。
実施例4
基板回転角度を90度に設定し、図3f、3gおよび3hの工程を3回繰り返した以外は実施例1と同様にしてDTR媒体を作製した。
OSAで面内膜厚分布を調べたところ、図7に示したように、基板の周縁部に、「フィンガー」と呼ばれる非磁性体の成膜時に生じるキャリアの押さえ爪の跡が12個所見られた。
このように、キャリアの押さえ爪が3個である場合に基板回転工程を行うと、フィンガーが6個所以上形成される。
また、キャリアの押さえ爪が4個である場合に基板回転工程を行うと、フィンガーが8個所以上形成される。
実施形態に係るDTR媒体の周方向に沿う平面図。 実施形態に係るDTR媒体の製造方法を示す断面図。 実施形態に係るDTR媒体の製造方法を示す断面図。 実施形態に係るDTR媒体製造装置の上面図。 基板回転チャンバーにおけるキャリアの状態を示す平面図。 基板回転チャンバーにおいて基板を回転させる方法を説明する断面図。 実施例4のDTR媒体で生じたフィンガーを示す図。
符号の説明
1…DTR媒体、2…サーボ領域、21…プリアンブル部、22…アドレス部、23…バースト部、3…データ領域、31…ディスクリートトラック、51…ガラス基板、52…磁気記録層、53…保護層、54…レジスト、55…非磁性体、57…保護層、61…スタンパ、70…キャリア、71…板ばね付き押さえ爪、72…押さえ爪、100…ロード/アンロード(L/UL)チャンバー、101…ICPエッチングチャンバー、102…ECRイオンガンチャンバー、103…ICPエッチングチャンバー、104…スパッタリングチャンバー、105…ECRイオンガンチャンバー、106…基板回転チャンバー、107…スパッタリングチャンバー、108…ECRイオンガンチャンバー、109…保護層形成チャンバー、120…基板チャック、121…爪、130…冷却ブロック、150…フィンガー。

Claims (3)

  1. 基板上に凸状の磁性パターンを形成し、
    前記磁性パターン間の凹部を充填するように非磁性体を成膜し、前記非磁性体をエッチバックする操作を、前記基板を面内で1回転未満の角度だけ回転させて2回以上繰り返す
    ことを含むディスクリートトラック媒体の製造方法。
  2. 前記基板を面内で1回あたり15〜180度の角度だけ回転させることを特徴とする請求項1に記載のディスクリートトラック媒体の製造方法。
  3. 前記基板を面内で回転させる際に、チャンバー内にArまたはN2を導入し、チャンバー圧を0.3〜10Paにすることを特徴とする請求項1に記載のディスクリートトラック媒体の製造方法。
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