JP5209909B2 - 熱硬化性樹脂の製造方法、熱硬化性樹脂、それを含む熱硬化性組成物、成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器 - Google Patents

熱硬化性樹脂の製造方法、熱硬化性樹脂、それを含む熱硬化性組成物、成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂、該熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器に関する。
従来から、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂は、その熱硬化性という性質に基づき、耐水性、耐薬品性、耐熱性、機械強度、信頼性等が優れているので広い産業分野で使用されている。
しかし、フェノール樹脂及びメラミン樹脂は硬化時に揮発性の副生成物を発生する、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂は難燃性が劣る、ビスマレイミド樹脂は非常に高価である等の欠点がある。
これらの欠点を解消するために、ジヒドロベンゾキサジン環が開環重合反応し、問題となるような揮発分の発生を伴わずに熱硬化するジヒドロベンゾキサジン化合物(以下、ベンゾキサジン化合物と略することもある)が研究されてきた。ベンゾキサジン化合物は、上記のような熱硬化性樹脂が有する基本的な特徴に加え、保存性に優れており、溶融時には比較的低粘度であり、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂である。このようなベンゾキサジン化合物としては、例えば、特開昭49−47378号公報に開示されている(特許文献1)。
また、近年の電子機器・部品の高密度化(小型化)、及び伝達信号の高速化に対応すべく、誘電特性の改善(低誘電率化及び低誘電体損失化)による信号伝達速度や高周波特性の向上が求められている。
このような優れた誘電特性を有する熱硬化性樹脂の原料材料として、下記式(1)や下記式(2)で表されるジヒドロベンゾキサジン化合物が知られている(非特許文献1及び特許文献2参照)。
式(1)
式(2)
かかるジヒドロベンゾキサジン化合物のベンゾキサジン環が開環重合して得られる樹脂は、熱硬化時に揮発成分の発生を伴うこともなく、また、難燃性や耐水性にも優れるものである。
しかし、上記従来のジヒドロベンゾキサジン化合物のベンゾキサジン環が開環重合して得られる樹脂は、上述の如く、熱硬化性樹脂のなかでは誘電特性に優れるものの、最近の更なる電子機器・部品の高性能化に応じて、例えば、メモリや論理プロセッサ等のICのパッケージを構成する多層基板の樹脂材料に熱硬化性樹脂を用いる場合には、更に低い誘電率及び誘電損失を有することが要求される。
また、誘電体損失は、通常、周波数と材料の誘電正接に比例する傾向にある一方で、電子機器・部品で用いられる周波数はますます高くなる傾向にあるため、誘電正接が低い材料への要求が更に高くなっている。
電気特性、耐熱性の向上や、強靭性、可とう性の付与といった要望に対して、特開2005−239827号公報では、微細加工への対応に関する技術が提案されている(特許文献3)。ただし、この技術では、フリーのOH基が存在するため、吸湿性、電気特性の面で不利である。
また、特開2003−64180号公報には、主鎖中にベンゾキサジン構造を有する耐熱性、機械特性に優れた熱硬化性樹脂が開示されている(特許文献4)。
該文献には、可とう性を付与するものとして長鎖芳香族ジアミンが開示されている。これは、架橋点となるベンゾキサジン環の間の分子量を大きくするという点から有利であると考えられる。しかしながら、スルホン基等の極性の高い基を含むものは誘電特性の面から不利となる。
また、非特許文献2及び特許文献5にも、主鎖中にベンゾキサジン構造を有する特定構造のベンゾキサジン化合物が開示されている。しかし、非特許文献2では、化合物のみ開示があり、特性評価の記載がない。また、特許文献5では、耐熱性向上や、可とう性を付与するための指針や化合物の開示がない。さらに、非特許文献3には、ベンゾキサジン化合物の硬化体の分解機構が開示されている。該文献に記載のアニリン及び単官能のクレゾールは、低温での揮発性を有する。さらにまた、特許文献6では、アミンとして、ジアミン及びモノアミンの両方が必須であるベンゾキサジン化合物の製法が開示されている。
特許文献7には、インダン骨格を有するポリヒドロキシ化合物およびその誘導体について述べられているが、本発明の熱硬化性樹脂を示唆するような記載はなく、また、耐熱性、電気特性及び脆性の点で満足いくものではなかった。
特開昭49−47378号公報 特開2002−241495号公報 特開2005−239827号公報 特開2003−64180号公報 特開2002−338648号公報 特許第3550814号公報 特開平6−172242号公報 小西化学工業株式会社ホームページ[2007年6月25日検索]、インターネット<URL:http://www.konishi-chem.co.jp/technology/oxazin.html> "Benzoxazine Monomers and Polymers: New Phenolic Resins by Ring-Opening Polumerization," J.P.Liu and H. Ishida, "The Polymeric Materials Encyclopedia," J.C.Salamone,Ed.,CRC Press,Florida(1996)pp.484-494 H.Y.Low and H.Ishida,Polymer,40,4365(1999)
そこで、本発明の目的は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、及びそれらを含む電子機器を提供することにある。
本発明者らは、インダン骨格を有するフェノール化合物を用いる、ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を製造することで、前記目的を達成し得ることの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。すなわち本発明の構成は以下の通りである。
1.a)下記一般式(I)で示される化合物、b)ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させることを特徴とするジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
一般式(I)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
2.ジアミン化合物が、芳香族ジアミン化合物である、前記1に記載の熱硬化性樹脂の製造方法。
3.ジアミン化合物が、下記一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物である、前記1又は2に記載の熱硬化性樹脂の製造方法。
一般式(II)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。Xは直接結合か、又は下記群Aより選択される少なくとも一種である。〕
群A
4.a)下記一般式(I)で示される化合物、b)ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させる製造方法により製造することを特徴とするジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂。
一般式(I)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
5.下記一般式(III)で示される構造単位を同一分子内に2以上有する熱硬化性樹脂。
一般式(III)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
6.下記一般式(IV)で示される構造を有する熱硬化性樹脂。
一般式(IV)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、nは1から100の整数を示す。zはジアミン化合物の残基である。〕
7.下記一般式(V)で示される構造を有する熱硬化性樹脂。
一般式(V)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、mは0から4の整数、nは1から100の整数を示し、Xは直接結合か、又は群Aより選択される少なくとも一種である。〕
群A
8.前記1から3のいずれかに記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂又は前記4から7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。
9.分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物をさらに含む、前記8に記載の熱硬化性組成物。
10.前記1から3のいずれかに記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂又は前記4から7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂と、
分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物とを含む熱硬化性組成物。
11.前記1から3のいずれかに記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂、前記4から7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂、又は前記8から10のいずれかに記載の熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、もしくは硬化させずに得られる成形体。
12.前記1から3のいずれかに記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂、前記4から7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂、又は前記8から10のいずれかに記載の熱硬化性組成物より得られる硬化体。
13.前記11に記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。
14.前記11に記載の成形体、前記12に記載の硬化体、又は前記13に記載の硬化成形体を含む電子機器。
本発明によれば、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善された熱硬化性樹脂を得ることのできる製造方法と、該製造方法により得られる熱硬化性樹脂、該樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器が提供される。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
〔熱硬化性樹脂の製造方法〕
本発明に係る熱硬化性樹脂の製造方法は、a)下記一般式(I)で示される化合物、b)ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させることを特徴とする。そして、本発明の製造方法により、ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を得ることができる。得られる熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善されたものである。
一般式(I)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
a)成分の一般式(I)で示される化合物は、先の特許文献7に開示されている方法に類似の手法で合成することができる。具体的には下記一般式(VI)で示されるフェノール性OHを有する化合物と、下記一般式(VII)で示される化合物とを、酸触媒の存在下で、室温から180℃程度に加熱して反応させる。このときの反応時間は、温度等の条件にもよるが、一般的に1から50時間程度である。またこのとき、適当な有機溶媒を併用してもよい。
一般式(VI)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。〕
一般式(VII)
〔式中、Y、Yの置換位置はメタ位あるいはパラ位であり、Y、Yは下記群Bより選択されるいずれかであり、同一でも異なっていてもよい。〕
群B
一般式(I)又は(VI)で示される化合物のR1、R2の活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及びフェニル等の置換又は無置換のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。
R1、R2の有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
一般式(I)又は(VI)で示される化合物のR1、R2としては、両方がHであるか、又は一方がHであり、他方がメチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノから選択される基であることが好ましく、両方がHであるか、又は一方がHであり、他方がメチルであることがより好ましい。
一般式(VI)で示される化合物の具体例としては、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、m−メトキシフェノール、m−エトキシフェノール、m−ジメチルアミノフェノール、m−ジエチルアミノフェノール等が挙げられる。経済性、操作性の点からは、フェノール又はm−クレゾールが好ましい。
一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン(メタジオールの商品名で住友化学、三井化学で販売)、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1−イソプロペニル−3−α−ヒドロキシイソプロピルベンゼン、1−イソプロペニル−4−α−ヒドロキシイソプロピルベンゼン等が挙げられる。経済性・反応性の観点からは、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。
一般式(VI)で示される化合物及び一般式(VII)で示される化合物の混合割合としては、nを好ましい重合度に調整するには、混合割合のモル比が(VI)/(VII)=0.1〜5.0が好ましく、さらには0.2〜3.0が好ましい。
合成時の酸触媒としては、従来公知のものが使用可能であり、具体的には、塩酸、硫酸等の無機酸や、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸、活性白土、酸性白土、ホワイトカーボン、ゼオライト、シリカアルミナ等の固体酸、酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。経済性や操作性の点からは固体酸が好ましい。
触媒の添加量は、一般式(VI)で示される化合物及び一般式(VII)で示される化合物の合計重量の0.1〜40重量%程度が一般的であるが、反応速度や経済性の点からは、0.5〜20重量%程度が好ましい。
一般式(VII)で示される化合物として、OH基を有する化合物を使用した場合、反応の進行に伴い水が生成するが、これを除去しながら反応を進めてもよい。水を除去するためは、共沸溶媒としてトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を好適に使用することができる。
反応終了後、触媒および使用した溶媒を除去することにより、目的の一般式(I)で示される化合物を得ることができる。
b)成分のジアミン化合物は、アミノ基を2つ有する化合物であれば、特に限定はされないが、ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン化合物及び脂肪族ジアミン化合物等が挙げられる。好ましくは、芳香族ジアミン化合物及び脂環式ジアミン化合物が挙げられる。
芳香族ジアミン化合物としては、アミノ基を2つ有する芳香族化合物であれば、特に限定はされない。
芳香族化合物としては、分子内に置換基を有する又は無置換のベンゼン環、ナフタレン環等のアリール構造を有する化合物、置換基を有する又は無置換の1から3つの窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を有する5員環若しくは6員環のヘテロアリール構造を有する化合物が挙げられ、2つ以上のアリール環又はヘテロアリール環が直接結合、エーテル結合又は脂肪族構造を介して結合している化合物であってもよい。
分子内に置換基を有する又は無置換のベンゼン環、ナフタレン環等のアリール構造を有する化合物の具体例としては、o−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、p−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン等が挙げられる。
2つ以上のアリール環又はヘテロアリール環が直接結合、エーテル結合又は脂肪族構造を介して結合している化合物としては、電気特性、耐熱性、反応性の点から、下記一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物であることが好ましい。
一般式(II)
〔式中、Rは活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。Xは直接結合か、又は下記群Aより選択される少なくとも一種である。〕
群A
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物のRの活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及び並びにフェニル等の置換又は無置換のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。

の有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物において、Rとしては、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノから選択される基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。メチル基であることがさらに好ましい。
また、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物において、mが0である場合も好ましい。mが0であるとは、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物において、RがHに該当する無置換のベンゼン環であることを意味する。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物において、mが0〜2であることが好ましい。mが1である場合には、入手の容易さの観点からは、Rがベンゼン環のアミノ基に対してオルト位で置換していることが好ましく、反応性の観点からは、Rがベンゼン環のアミノ基に対してメタ位で置換していることが好ましい。mが2である場合に、入手の容易さの観点からは、Rがベンゼン環のアミノ基に対して2つのオルト位で置換していることが好ましく、反応性の観点からは、Rがベンゼン環のアミノ基に対して2つのメタ位で置換していることが好ましい。mが0であることがより好ましい。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物において、Xは、ベンゼン環のアミノ基に対してオルト位、メタ位又はパラ位で結合し得るが、メタ位又はパラ位で結合していることが好ましく、パラ位で結合していることがより好ましい。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物は、「最新ポリイミド 〜基礎と応用〜」(日本ポリイミド研究会編、2002年1月28日、株式会社エヌ・ティー・エス発行)p516〜p524等を参考に、公知の方法により製造することができる。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の具体例としては、ベンジジン、o−トリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(日本化薬製「カヤボンドC−100」)、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン(日本化薬製「カヤハードA−A」)、4、4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン(日本化薬製「カヤボンドC−200S」)、4、4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン(日本化薬製「カヤボンドC−300S」)、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ネオペンタン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン(三井化学製「ビスアニリンM」)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン(三井化学製「ビスアニリンP」)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製「BAPP」)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。
一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物としては、上記の中でも、得られる熱硬化性樹脂の特性及び斯かるジアミン化合物の入手の容易さから、好ましい化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
より好ましい化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
脂肪族ジアミン化合物としては、飽和又は不飽和であってもよく、直鎖又は分岐していてもよいアルカンジアミン化合物、アルケンジアミン化合物、アルキンジアミン化合物等の脂肪族ジアミン化合物等、飽和又は不飽和であってもよい、シクロアルカンジアミン化合物、ビス(アミノアルキル)シクロアルカン化合物及び飽和橋かけ環式ジアミン化合物等の脂環式ジアミン化合物等が挙げられる。脂肪族ジアミン化合物としては、好ましくは、脂環式ジアミン化合物等が挙げられ、より好ましくは、飽和橋かけ環式ジアミン化合物等が挙げられる。
脂肪族ジアミン化合物の脂肪族部分は、酸素原子、窒素原子等の炭素原子以外の原子が1つ以上挿入されていてもよく、また、脂肪族部分がエステル結合、エーテル結合、アミド結合、カルボネート結合、カルバメート結合等の炭素原子と酸素原子又は窒素原子等の炭素原子以外の原子とで形成される種々の結合を1つ以上有していてもよい。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、アミノ基を2つ有するビシクロ環、トリシクロ環構造を有する化合物等の縮環構造を有する脂環式ジアミン化合物であれば、特に限定はされない。
ビシクロ環、トリシクロ環構造としては、ノルボルネン骨格(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)、ジシクロペンタジエン骨格(トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン)、アダマンタン骨格(トリシクロ「3,3,1,13,7]デカン)等の縮環構造の脂環式炭化水素構造が挙げられる。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、ビシクロ環、トリシクロ環部分にアミノ基が直接結合していてもよく、また、メチレン、エチレン等のアルキレン等の脂肪族部分を介して結合していてもよい。さらに、これら縮環構造の脂環族炭化水素基の水素原子が、アルキル基等で置換されていてもよい。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、下記群Cより選択される脂環式ジアミン化合物であることが好ましい。
群C
飽和橋かけ環式ジアミン化合物の具体例としては、3(4),8(9),−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン(セラニーズ製「TCDジアミン」)、2,5(6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン(三井化学製「NBDA」)等が挙げられる。
上記ジアミン化合物は、使用に際して一種又は二種以上で用いられる。また、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、これらの中に副生成物としてトリアミン以上のポリアミン化合物が含まれていても、実用上問題はない。
c)成分のアルデヒド化合物としては、特に限定されるものではないが、具体例として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒド等が挙げられ、ホルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することができ、反応の進行が穏やかであることから、パラホルムアルデヒドを使用することが好ましい。
本発明の製造方法においては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、前述したa)〜c)成分とともに、d)成分として、単官能フェノール化合物や二官能フェノール化合物等の他のフェノール化合物をさらに使用することができる。
このようなd)成分のフェノール化合物の具体例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−α−クミルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル等の単官能フェノール化合物や、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールP」、東京化成では「α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン」の化合物名で販売)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールM」)、等の二官能フェノール化合物が挙げられる。これら単官能フェノール化合物及び二官能フェノール化合物は、使用に際して一種又は二種以上で用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、原料の溶解性が良好なものの方がジヒドロベンゾキサジン環の形成反応が進行しやすい。このような溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
また、上記溶媒にアルコールを添加して熱硬化性樹脂を製造することにより、各成分の上記溶媒への溶解性を調整することもできる。添加するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。
熱硬化性樹脂を製造する際の反応温度、反応時間について、特に限定はされないが、通常、室温から160℃程度の温度で数十分から数時間反応させればよい。本発明においては、特に30〜140℃で、20分〜9時間反応させれば、本発明に係る熱硬化性樹脂としての機能を発現し得る重合体へと反応は進行するため好ましい。
また、反応時に生成する水を系外に取り除くのも反応を進行させる有効な手法である。反応終了後に、反応溶液を乾燥することにより重合体を得ることができるが、反応溶液を濃縮することにより、重合体を析出させることもできる。また、反応後の溶液に、例えば多量のメタノール等の貧溶媒を加えることで重合体を析出させることができ、これを分離、乾燥することにより目的の重合体を得ることもできる。本発明では、原料・溶媒にハロゲン含有化合物を使用せず、また、副生成物は水のみであるため、反応終了後、重合体を得る際に洗浄工程、特に脱ハロゲンに関する洗浄工程を要しなくてもよく、精製工程が容易であるという利点も有する。
なお、本発明の熱硬化性樹脂の特性を損なわない範囲で、単官能アミン化合物や三官能以上の多官能アミン化合物、また他のジアミン化合物を使用することもできる。単官能アミン化合物を使用すると重合度を調節することができ、三官能以上の多官能アミン化合物を使用すると、分岐のある重合体が得られることになる。また他のジアミン化合物の併用により、物性を調整することができる。これらは本発明に必須のジアミン化合物と同時に使用することも可能であるが、反応の順序を考慮して後で反応系に添加して反応させることもできる。
〔熱硬化性樹脂〕
本発明の熱硬化性樹脂は、前述した熱硬化性樹脂の製造方法により得られるものである。
本発明の熱硬化性樹脂は、a)下記一般式(I)で示される化合物、b)ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法により得られる熱硬化性樹脂である。
一般式(I)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
本発明の熱硬化性樹脂は、b)ジアミン化合物が、芳香族ジアミン化合物である製造方法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂は、c)アルデヒド化合物が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド又はブチルアルデヒドである製造方法により得られるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂は、一般式(I)で示される化合物が、一般式(VIII)で示される化合物である前記ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法により得られる熱硬化性樹脂であることが好ましい。
一般式(VIII)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(III)で示される構造単位を同一分子内に2以上有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
一般式(III)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(IV)で示される構造を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
一般式(IV)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、nは1から100の整数を示す。zはジアミン化合物の残基である。〕
一般式(IV)のジアミン化合物の残基とは、ジアミン化合物の2つのアミノ基以外の部分構造で示される基を意味する。一般式(IV)のジアミン化合物の残基は、芳香族ジアミン化合物の残基又は脂肪族ジアミン化合物の残基であることが好ましく、脂肪族ジアミン化合物の残基としては、脂環式ジアミン化合物の残基であることが好ましい。また、芳香族ジアミン化合物の残基としては、前記一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の残基であることがより好ましい。脂環式ジアミン化合物の残基としては、飽和橋かけ脂環式ジアミン化合物の残基であることがより好ましく、さらには、前記群Cより選択される脂環式ジアミン化合物の残基であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(V)で示される構造を有する熱硬化性樹脂であることがより好ましい。
一般式(V)
〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、mは0から4の整数、nは1から100の整数を示し、Xは直接結合か、又は前記群Aより選択される少なくとも一種である。〕
一般式(I)及び(VIII)で示される化合物並びに一般式(III)〜(V)で示される構造中のnは1から100の整数であれば特に限定はされないが、反応性、溶解性、得られる熱硬化性樹脂の電気特性の点で、1から50の整数であることが好ましく、1から30の整数であることがより好ましい。
また、一般式(IV)及び(V)で示される構造中のlは2から50の整数であれば特に限定はされないが、成形体への加工時の操作性、得られる硬化体の強度、耐熱性の点で、2から40の整数であることが好ましく、2から30の整数であることがより好ましい。
一般式(I)及び(VIII)で示される化合物並びに一般式(III)〜(V)で示される構造において、R1、R2の活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及び並びに炭素数6のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。
一般式(I)及び(VIII)で示される化合物並びに一般式(III)〜(V)で示される構造において、R1、R2の有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキルオキシアルキル、及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
一般式(I)及び(VIII)で示される化合物並びに一般式(III)〜(V)で示される構造において、R1、R2としては、両方がHであるか、又は一方がHであり、他方がメチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノから選択される基であることが好ましく、両方がHであるか、又は一方がHであり、他方がメチルであることがより好ましい。
一般式(V)で示される構造のRの活性水素を有さない炭素数1から6の有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキル、アルケニル及びアルキニル、炭素数3から6のシクロアルキル及び並びにフェニル等の置換又は無置換のアリール等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシル等から選択される基が挙げられる。
の有機基が、酸素原子又は窒素原子を含んでもよい有機基としては、炭素数1から6の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のアルキルオキシ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、ジアルキニルアミノ、アルキルオキシアルキル、及びジアルキルアミノアルキル等から選択される基が挙げられ、具体例として、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等から選択される基が挙げられる。
一般式(V)で示される構造のRとしては、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノから選択される基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。メチル基であることがさらに好ましい。
また、一般式(V)で示される構造において、mが0である場合も好ましい。mが0であるとは、一般式(V)で示される構造において、RがHに該当する無置換のベンゼン環であることを意味する。
一般式(V)で示される構造において、mが0〜2であることが好ましい。mが1である場合には、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の入手の容易さの観点からは、Rがベンゼン環のジヒドロベンゾキサジン環とのN結合に対していずれかのオルト位で置換していることが好ましく、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の反応性の観点からは、Rがベンゼン環のジヒドロベンゾキサジン環とのN結合に対していずれかのメタ位で置換していることが好ましい。mが2である場合に、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の入手の容易さの観点からは、Rがベンゼン環のジヒドロベンゾキサジン環とのN結合に対して2つのオルト位で置換していることが好ましく、一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物の反応性の観点からは、Rがベンゼン環のジヒドロベンゾキサジン環とのN結合に対して2つのメタ位で置換していることが好ましい。一般式(V)で示される構造において、mが0であることがより好ましい。
一般式(V)で示される構造において、Xは、ベンゼン環のジヒドロベンゾキサジン環とのN結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位で結合し得るが、メタ位又はパラ位で結合していることが好ましく、パラ位で結合していることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂は、特に耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善された特性を有するが、その他、耐水性、耐薬品性、機械強度、信頼性、等に優れ、硬化時における揮発性副生成物やコストの面でも問題がなく、また保存性に優れており、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂であり、フィルムやシート等にも容易に加工することができる。
〔熱硬化性組成物〕
本発明の熱硬化性組成物は、前述した熱硬化性樹脂を少なくとも含むものである。本発明に係る熱硬化性組成物は、好ましくは、前記熱硬化性樹脂を主成分として含むものである。また、熱硬化性組成物は、他の熱硬化性樹脂を含むものであってもよく、例えば、主成分として前記熱硬化性樹脂を含み、且つ、副成分として、他の熱硬化性樹脂を含むものが挙げられる。
副成分としての他の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、この組成物から形成される成形体の耐熱性をより向上させ得る観点から、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂がより好ましい。これらの他の熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明に係る熱硬化性組成物には、分子内に少なくとも1つ、好ましくは分子内に2つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物を副成分として用いてもよい。このような化合物は、分子内にフェノール性水酸基を有し、かつそのオルト位の一つがHであるような化合物と、分子内に1級アミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応により得ることができる。このとき、フェノール性水酸基を分子内に複数有する化合物を用いる場合には、1級アミノ基を分子内に一つのみ有する化合物を使用し、1級アミノ基を分子内に複数有する化合物を使用する場合には、フェノール性水酸基を分子内に一つのみ有する化合物を使用する。この分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物の具体例としては、限定されるものではないが、下記式(2)又は式(3)のような化合物が挙げられる。
式(2)
式(3)
また、本発明に係る熱硬化性組成物は、必要に応じて、難燃剤、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を含有していてもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用して用いられても構わない。また本発明に係る熱硬化性組成物を調製する際に、反応性あるいは非反応性の溶剤を使用することもできる。
〔成形体〕
本発明に係る成形体は、前述した熱硬化性樹脂、又はそれを含む熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、もしくは硬化させずに得られるものである。本発明の成形体としては、前述した熱硬化性樹脂が硬化前にも成形性を有しているため、いったん硬化前に成形した後に熱をかけて硬化させたもの(硬化成形体)でも、成形と同時に硬化させたもの(硬化体)でもよい。また、その寸法や形状は特に制限されず、例えば、シート状(板状)、ブロック状等が挙げられ、さらに他の部位(例えば粘着層)を備えていてもよい。
その硬化方法としては、従来公知の任意の硬化方法を用いることができ、一般には120〜260℃程度で数時間加熱すればよいが、加熱温度がより低かったり、加熱時間が不足したりすると、場合によっては、硬化が不十分となって機械的強度が不足することがある。また、加熱温度がより高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、場合によっては、分解等の副反応が生じて機械的強度が不都合に低下することがある。よって、用いる熱硬化性化合物の特性に応じた適正な条件を選択することが好ましい。
また、硬化を行う際に、適宜の硬化促進剤を添加してもよい。この硬化促進剤としては、ジヒドロベンゾキサジン化合物を開環重合する際に一般的に使用されている任意の硬化促進剤を使用でき、例えば、カテコール、ビスフェノールA等の多官能フェノール類、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等のスルホン酸類、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、アジピン酸等のカルボン酸類、コバルト(II)アセチルアセトネート、アルミニウム(III) アセチルアセトネート、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネート等の金属錯体、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化鉄等の金属酸化物、水酸化カルシウム、イミダゾール及びその誘導体、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等の第三級アミン及びこれらの塩、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン・ベンゾキノン誘導体、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のリン系化合物及びその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化促進剤の添加量は特に限定されないが、添加量が過多となると、成形体の誘電率や誘電正接が上昇して誘電特性が悪化したり、機械的物性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、一般に、前記熱硬化性樹脂100重量部に対し硬化促進剤を20重量部以下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下の割合で用いる。
前述の如く、こうして得られる、前記熱硬化性樹脂または前記熱硬化性組成物よりなる本発明の成形体は、重合体構造中にベンゾキサジン構造を有するので、優れた誘電特性を実現することができる。
また、本発明の成形体は、前記熱硬化性樹脂または前記熱硬化性組成物の有する熱硬化性という性質に基づいて信頼性、難燃性、成形性、美観性等に優れており、しかもガラス転移温度(Tg)が高いので、応力がかかる部位や可動部にも適用することが可能であり、且つ、重合時に揮発性の副生成物を発生しないので、そのような揮発性の副生成物が成形体中に残存せず衛生管理上も好ましい。
本発明の成形体は、電子部品・電子機器及びその材料、特に優れた誘電特性が要求される多層基板、積層板、封止剤、接着剤等の用途に好適に用いることができる。
本発明の電子機器は、前記成形体、前記硬化体及び前記硬化成形体の何れかを含む。
ここで、電子機器としては、具体的には、携帯電話、表示機器、車載機器、コンピュータ、通信機器等が挙げられる。
その他、航空機部材、自動車部材、建築部材等の用途にも使用することができる。また、導電材料、特に金属フィラーの耐熱性結着剤として利用して、直流又は交流の電流を流すことができる回路を形成する用途に用いてもよい。
以下に本発明における代表的な実施例を示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
〔合成例1〕
インダン骨格を含むフェノール化合物の合成
ガラス容器中で、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン(メタジオール、住友化学製)15.00g(0.077mol)、フェノール(和光純薬製)7.27g(0.077mol)、活性白土(和光純薬製)1.11g、キシレン15mlを混合し、190℃のホットスターラ上で5時間加熱撹拌した。反応中発生する水をキシレンと共に少しずつ除去した。得られた粘調な黄濁液をメンブレンフィルターでろ過し、淡黄色透明液を得た。この溶液を減圧下で濃縮後、さらに真空オーブン中、180℃で乾燥させることにより、残存フェノール、低沸分および溶媒を除去し、淡黄色ガラス状樹脂を13.55g得た。得られた樹脂をCDCl中でH−NMR測定を行うことにより、トリメチルインダン骨格を有するフェノール化合物であることを確認した。また、GPC測定を行い、分子量を評価したところ、数平均分子量Mn=1,050、重量平均分子量Mw=1,420であった。Mnより算出した一般式(I)で示される化合物におけるnは、平均値として4.5となった。
H−NMR測定〕
JEOL製NMR測定装置「ECX−400」により、H−NMRを測定した。
〔GPC測定〕
島津製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、THFを展開媒として、カラム温度
40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「RID−10A」を用い、
カラムはShodex製「KF−804L」(排除限界分子量400,000)を2本直
列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー製「TSKスタンダードポリス
チレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900
、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、5
00のものを使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
ガラス容器中で、合成例1のフェノール化合物4.20g(Mn基準で換算して0.004mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製「BAPP」)1.64g(0.004mol)、パラホルムアルデヒド(三菱ガス化学製、91.6%)0.52g、トルエン11.4ml、イソブタノール0.6mlを混合し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、淡橙色の樹脂粉末5.35gを得た。得られた樹脂をCDCl中でH−NMR測定を行うことにより、目的の熱硬化性樹脂であることを確認した。また、GPC測定を行い、分子量を評価したところ、数平均分子量Mn=3,130、重量平均分子量Mw=10,100であった。Mwより算出した一般式(V)で示される構造におけるlは、平均値として6.6となった。
実施例1で得られた重合体をトルエンに溶解させた溶液を調整し、アプリケータを用いてPETフィルム上にキャストし、100℃で30分間乾燥させた。これを180℃で3時間、240℃で30分間熱処理して硬化させることにより、70μmtのシート状の硬化成形体を得た。このシートは屈曲性を有していた。得られた硬化体は褐色透明で均一なものであった。
得られた成形体について、誘電率測定装置(AGILENT社製、商品名「RFインピーダンス/マテリアル アナライザ E4991A」)を用いて容量法により、23℃、100MHz及び1GHzにおける誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。
実施例2の硬化成形体は、誘電率が3.0以下であり、誘電正接も0.01以下と良好な誘電特性を示した。これは、メモリや論理プロセッサ等のICのパッケージを構成する多層基板の樹脂材料の100MHz及び1GHzにおける特性として要求される誘電特性を示したことを意味する。
得られたシートについて、島津製作所製、商品名「DTG−60」を用いてTGA法により、10℃/minの昇温速度でアルゴン雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価した。実施例2の硬化成形体はTd5が406℃と良好な値を示した。
本発明は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が改善された熱硬化性樹脂の製造方法とそれにより得られる熱硬化性樹脂、該熱硬化性樹脂を含む組成物、その成形体、硬化体、硬化成形体、並びにそれらを含む電子機器として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (13)

  1. a)下記一般式(I)で示される化合物、b)芳香族ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させることを特徴とするジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
    一般式(I)
    〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
  2. 芳香族ジアミン化合物が、下記一般式(II)で示される芳香族ジアミン化合物である、請求項に記載の熱硬化性樹脂の製造方法。
    一般式(II)
    〔式中、R3は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。mは0から4の整数を示す。Xは直接結合か、又は下記群Aより選択される少なくとも一種である。〕
    群A
  3. a)下記一般式(I)で示される化合物、b)芳香族ジアミン化合物、及びc)アルデヒド化合物、を加熱して反応させる製造方法により製造することを特徴とするジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂。
    一般式(I)
    〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
  4. 下記一般式(III)で示される構造単位を同一分子内に2以上有する熱硬化性樹脂。
    一般式(III)
    〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。nは1から100の整数を示す。〕
  5. 下記一般式(IV)で示される構造を有する熱硬化性樹脂。
    一般式(IV)
    〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、nは1から100の整数を示す。zはジアミン化合物の残基である。〕
  6. 下記一般式(V)で示される構造を有する熱硬化性樹脂。
    一般式(V)
    〔式中、R1及びR2の一方はHであり、他方はHであるか又は活性水素を有さない炭素数1から6の有機基であり、前記有機基は、酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。lは2から50の整数、mは0から4の整数、nは1から100の整数を示し、Xは直接結合か、又は群Aより選択される少なくとも一種である。〕
    群A
  7. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂又は請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。
  8. 分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物をさらに含む、請求項に記載の熱硬化性組成物。
  9. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂又は請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂と、
    分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物とを含む熱硬化性組成物。
  10. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂、請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂、又は請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を、必要により部分硬化させて、もしくは硬化させずに得られる成形体。
  11. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる熱硬化性樹脂、請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂、又は請求項からのいずれか1項に記載の熱硬化性組成物より得られる硬化体。
  12. 請求項10に記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。
  13. 請求項10に記載の成形体、請求項11に記載の硬化体、又は請求項12に記載の硬化成形体を含む電子機器。
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