JP5204436B2 - 巻上機の運転制御装置、及び運転制御方法 - Google Patents

巻上機の運転制御装置、及び運転制御方法 Download PDF

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本発明は、巻上下用の電動機がインバータで駆動される巻上機の運転制御装置、及び運転制御方法に関するもので、特に操作部に上昇用押釦スイッチ及び下降用押釦スイッチを有し、荷の下降運転中に上昇用押釦スイッチを操作してもインバータに過電流が流れトリップすることのない巻上機の運転制御装置、及び運転制御方法に関するものである。
近年、巻上下用の電動機をインバータで駆動される電気チェーンブロックや電動ロープホイスト等の巻上機が多く使用されている。この種の巻上機は、通常上昇用押釦スイッチ及び下降用押釦スイッチを有する操作ボックスからの上昇指令及び下降指令でインバータから電動機(誘導電動機)に上昇用駆動電力及び下降用駆動電力を供給し、該電動機を上昇方向(正回転)及び下降方向(逆回転)に運転させ、更に加減速させて運転している。また、操作ボックスの上昇用押釦スイッチ及び下降用押釦スイッチは、2段押し込み構成で、1段目低速、2段目は高速と2段階速度制御となっている場合が多い。また、押釦スイッチの押し込み量により無段速で制御できるようになっているものもある。
2段階速度制御で、操作ボックスの押釦スイッチの操作により、下降運転から上昇運転に反転操作を行う場合がある。この反転操作としては下記4つの操作がある。
(1)下降低速運転中に上昇低速操作指令を出す場合
(2)下降低速運転中に上昇高速操作指令を出す場合
(3)下降高速運転中に上昇低速操作指令を出す場合
(4)下降高速運転中に上昇高速操作指令を出す場合
インバータでは予め加減速時間を設定しているため、押釦スイッチで瞬時反転操作をしても、図1に示すように、規定の加減速度で速度が変化する。
上記巻上機において、図1に示すように、下降用押釦スイッチの高速下降運転指令HD(2段目押し込み操作)による下降高速運転中に、時刻t1で低速下降運転指令LD(1段目押し込み操作)を発すると、インバータは所定減速度で低速下降運転指令LDの速度になるまでの減速を開始する。続いて時刻t2のタイミングで上昇用押釦スイッチの2段押し込みにより高速上昇運転指令HUを出すと、インバータは電動機に所定減速度で減速させる周波数の電力を供給して最低下降速度FLDにした後、時刻t3で電動機への出力周波数の周期(位相)を反転させる。このとき、反転動作の反転領域(インバータの出力周波数0Hz付近)では、電動機のトルクが減少する。そこでインバータは大きなトルクを出そうとして電流を増やすため過電流となり、インバータの容量に余裕がないと、インバータは自己保護機能によりトリップして電動機が停止してしまう。
上記のような押釦スイッチの反転操作による反転動作の反転領域(インバータの出力周波数0Hz)での過電流により、インバータがトリップするのを回避するため、インバータの容量を大きくする対策があるが、コストが高くなるという問題がある。また、容量の大きいインバータを用いることにより、寸法が大きくなり、巻上機の小型化の障害となるという問題もある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、大容量のインバータを使用することなく、且つ構成部品を増加することなく、下降運転指令が解除され下降減速運転中に上昇運転指令を発する反転操作があっても電動機の反転時にインバータから電動機に流れる過電流を抑制しインバータがトリップすることのない巻上機の運転制御装置、及び運転制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、巻上下用の電動機、該電動機に駆動電力を供給するインバータ、該インバータを制御するインバータ制御部を備え、操作部の操作指令により制御部でインバータの出力周波数を制御して電動機の上昇運転及び下降運転を行う巻上機の運転制御装置であって、インバータ制御部は、操作部からの高速下降運転指令のONにより所定の加速度で所定高速速度まで加速し、該高速下降運転指令のOFFにより所定減速度で最低下降速度まで減速し、高速上昇運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速上昇運転指令のOFFにより所定の減速度で最低上昇速度まで減速するように出力周波数を制御し、該制御した出力周波数の電力をインバータから電動機に供給する加減速手段と、高速下降運転指令の運転中該高速下降運転指令のOFFにより最低下降速度までの減速中に上昇運転指令のONがあった場合、所定減速度で所定低速まで減速させるように出力周波数を制御し、下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、所定低速まで減速した出力周波数に達した時刻から反転させる時刻までの間ブレーキを作動させ電動機に制動をかけるブレーキ作動手段とを備えたことを特徴とする。
上記のようにインバータ制御部のブレーキ作動手段で、高速下降運転指令の運転中該高速下降運転指令のOFFにより最低下降速度までの減速中に上昇運転指令のONがあった場合、所定減速度で所定低速まで減速させ下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、所定低速まで減速した時刻から反転時刻までの間ブレーキを作動させ電動機に制動をかけることにより、電動機のトルク不足をブレーキが補うことになり、インバータから電動機に流れる過電流が抑制され、インバータのトリップを防止できるから、インバータの容量を大きくせずに済む。
また、本発明は、上記巻上機の運転制御装置において、所定低速は最低下降速度であり、インバータ制御部は最低下降速度に減速した出力周波数に達した時刻から所定時間経過した時刻に反転を行い、ブレーキ作動手段は該所定時間ブレーキを作動させることを特徴とする。
また、本発明は、上記巻上機の運転制御装置において、所定低速は最低下降速度に達する前の所定速度であり、インバータ制御部は最低下降速度に出力周波数が達した時刻に反転を行い、ブレーキ作動手段は所定低速に出力周波数が達した時刻から反転する時刻までの間ブレーキを作動させることを特徴とする。
また、本発明は、上記巻上機の運転制御装置において、操作部は高速上昇運転指令と低速上昇運転指令を発する上昇用押釦スイッチと高速下降運転指令と低速下降運転指令を発する下降用押釦スイッチを備えたことを特徴とする。
上記のように操作部に上昇用押釦スイッチと下降用押釦スイッチを備えている場合、高速下降運転中に高速下降指令のOFFにより所定減速度で減速中に、上昇用押釦スイッチの操作により上昇運転指令をONとする場合がある。この場合インバータから所定の減速度の周波数の電力を電動機に供給し、最低下降速度になってから上昇運転に反転するので、この低速領域で電動機のトルクが減少する。インバータは低トルクを補うため電動機に大きな電流を流そうとし、過電流となるが、ここではブレーキ作動手段がブレーキを作動させることにより、この電動機のトルクの不足分をブレーキが補うことになり、インバータから電動機に流れる過電流を抑制できる。
また、本発明は、巻上下用の電動機、該電動機に駆動電力を供給するインバータ、該インバータを制御するインバータ制御部を備え、操作部の操作指令により制御部でインバータの出力周波数を制御して電動機の上昇運転及び下降運転を行う巻上機の運転制御方法であって、操作部からの高速下降運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速下降運転指令のOFFにより所定減速度で最低下降速度まで減速し、高速上昇運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速上昇運転指令のOFFにより所定減速度で所定の最低上昇速度まで減速するように出力周波数を制御し、該制御した出力周波数の電力をインバータから電動機に供給し、高速下降運転指令の運転中に該高速下降運転指令のOFFにより減速度で最低下降速度に減速中に上昇運転指令のONがあった場合、所定減速度で所定低速度まで減速させるように出力周波数を制御し、下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、所定低速まで出力周波数が減少した時刻から反転させる時刻までの間ブレーキを作動させ電動機に制動をかけることを特徴とする。
上記のように高速下降運転指令の運転中に該高速下降運転指令のOFFにより減速度で最低下降速度に減速中に上昇運転指令のONがあった場合、所定減速度で所定低速度まで減速させ下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、所定低速まで減速した時刻から反転時刻までの間ブレーキを作動させ電動機に制動をかけることにより、電動機のトルク不足をブレーキが補うことになり、インバータから電動機に供給される過電流が抑制され、インバータのトリップを防止できる。
本発明によれば、高速下降運転指令の運転中に高速下降運転指令のOFFにより所定減速度で減速中に高速又は低速上昇運転指令のONがあった場合、所定減速度で減速させ所定低速になった後に、上昇運転に切り替える際、所定時間ブレーキを作動させ電動機に制動をかけることにより、過電流が抑制されインバータのトリップを防止できるから、インバータの容量を大きくせずに済み、信頼性が高く且つ安価な巻上機を提供できる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係る巻上機の運転制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、ここでは巻上機として電気チェーンブロックを例に説明するが、巻上機は電気チェーンブロックに限定されるものではなく、例えば電動ロープホイストでもよい。運転制御装置1は、操作ボックス2、制御装置3、インバータ4を備えている。インバータ4には3相(R相、S相、T相)交流電力(例えば、50Hz又は60Hzの200V商用電力)が電力供給線5を介して入力され、制御装置3からの上昇(低速、高速)指令、下降(低速、高速)指令により、インバータ4が備えるインバータ制御部(図示せず)の制御を介してインバータ4から3相(U相、V相、W相)交流駆動電力が巻上下用の電動機6に供給されるようになっている。これにより電動機6は可変速で正回転(上昇方向)及び逆回転(下降方向)するようになっている。7は電動機6を制動する電磁ブレーキ、8は電源用の変圧器であり、1次側は電力供給線5のR相とT相間に接続され、2次側から制御装置3等に低電圧(例えば24V)の電力を供給する。
操作ボックス2は非常用押釦スイッチ21、上昇用押釦スイッチ(上昇低・高速2段押釦スイッチ)22、下降用押釦スイッチ(下降低・高速2段押釦スイッチ)23を備えており、その出力信号は制御装置3のインターフェース(IF)回路31に入力されるようになっている。非常用押釦スイッチ21は常時閉じており、電源を投入すると変圧器8の2次側出力が非常用押釦スイッチ21を通ってリレー34に印加され、付勢によりその接点34aが閉じ、インバータ4の端子HI、HCが短絡される。電動機暴走等の異常が発生した場合、非常用押釦スイッチ21を押すとリレー34の付勢は解除され、その接点は開き、インバータ4の端子HI、HCは開放される。
図3は上記運転制御装置1の操作ボックス2からの上昇下降指令による電動機6の運転パターンを示す図である。インバータ4のインバータ制御部は、低速上昇運転指令LU、高速上昇運転指令HU、低速下降運転指令LD、高速下降運転指令HDにより、下記の低速上昇運転、高速上昇運転、低速下降運転、高速下降運転のパターンで電動機6を運転する。
〔低速上昇運転〕
時刻taで上昇用押釦スイッチ22を1段目まで押し込むと、インターフェース回路31はそれを認識し、インバータ4に低速上昇運転指令LUを出力する。該低速上昇運転指令LUを受けインバータ4のインバータ制御部(図示せず)は、図3のAに示すように最低上昇速度FLUから低速上昇運転指令LUの速度になるまで、所定の加速度となる周波数の電力をインバータ4から電動機6に供給する。これにより電動機6は所定の加速度で加速され、低速上昇運転指令LUの速度になる。低速上昇運転指令LUの速度になった後はこの速度で上昇方向に回転し、時刻tdで上昇用押釦スイッチ22を開放するとインターフェース回路31はそれを認識しインバータ4に出力中の低速上昇運転指令LUを停止する。この低速上昇運転指令LUの停止を受け、インバータ4のインバータ制御部は、電動機6に所定の減速度で減速する周波数の電力を供給して減速させ、最低上昇速度FLUまで減速した時刻teでインバータ4から電動機6への電力供給を停止して電動機6を停止する。
〔高速上昇運転〕
時刻taで上昇用押釦スイッチ22を2段目まで押し込むと、インターフェース回路31はそれを認識し、インバータ4に高速上昇運転指令HUを出力する。該高速上昇運転指令HUを受けてインバータ4のインバータ制御部は、図3のBに示すように最低上昇速度FLUから高速上昇運転指令HUの速度になるまで、所定の加速度となる周波数の電力をインバータ4から電動機6に供給する。これにより電動機6は所定の加速度で加速され、高速上昇運転指令HUの速度になる。高速上昇運転指令HUの速度になった後はこの速度で上昇方向に回転し、時刻tcで上昇用押釦スイッチ22を開放するとインターフェース回路31はそれを認識しインバータ4に出力中の高速上昇運転指令HUを停止する。この高速上昇運転指令HUの停止を受け、インバータ4のインバータ制御部は、電動機6に所定の減速度で減速する周波数の電力を供給して減速させ、最低上昇速度FLUまで減速した時刻teでインバータ4から電動機6への電力供給を停止して電動機6を停止する。
〔低速下降運転〕
時刻taで下降用押釦スイッチ23を1段目まで押し込むと、インターフェース回路31はそれを認識し、インバータ4に低速下降運転指令LDを出力する。該低速下降運転指令LDを受けインバータ4のインバータ制御部(図示せず)は、図3のCに示すように最低下降速度FLDから低速下降運転指令LDの速度になるまで、所定の加速度となる周波数の電力をインバータ4から電動機6に供給する。これにより電動機6は所定の加速度で加速され、低速下降運転指令LDの速度になる。低速上昇運転指令LUの速度になった後はこの速度で下降方向に回転し、時刻tdで下降用押釦スイッチ23を開放するとインターフェース回路31はそれを認識しインバータ4に出力中の低速下降運転指令LDを停止する。この低速下降運転指令LDの停止を受け、インバータ4のインバータ制御部は、電動機6に所定の減速度で減速する周波数の電力を供給して減速させ、最低下降速度FLDまで減速した時刻teでインバータ4から電動機6への電力供給を停止して電動機6を停止する。
〔高速下降運転〕
時刻taで下降用押釦スイッチ23を2段目まで押し込むと、インターフェース回路31はそれを認識し、インバータ4に高速下降運転指令HDを出力する。該高速下降運転指令HDを受けてインバータ4のインバータ制御部は、図3のDに示すように最低下降速度FLDから高速下降運転指令HDの速度になるまで、所定の加速度となる周波数の電力をインバータ4から電動機6に供給する。これにより電動機6は所定の加速度で加速され、高速下降運転指令HDの速度になる。高速下降運転指令HDの速度になった後はこの速度で下降方向に回転し、時刻tcで下降用押釦スイッチ23を開放するとインターフェース回路31はそれを認識しインバータ4に出力中の高速下降運転指令HDを停止する。この高速下降運転指令HDの停止を受け、インバータ4のインバータ制御部は、電動機6に所定の減速度で減速する周波数の電力を供給して減速させ、最低下降速度FLDまで減速した時刻teでインバータ4から電動機6への電力供給を停止して電動機6を停止する。
また、図2において、51は上限リミットスイッチ、52は下限リミットスイッチである。上限リミットスイッチ51と下限リミットスイッチ52は常時閉じており、図示しない電気チェーンブロックのロードチェーンの一端に取り付けたフックが上昇し続け、上限リミットスイッチ51のレバーを押すとその接点が開放する。また反対に、フックが下降をし続けると、ロードチェーンの他端に取り付けた端末ストッパーが上昇をし続け、下限リミットスイッチ52のレバーを押すとその接点が開放する。インバータ4はそれを認識し、電動機6の正回転(上昇方向)又は逆回転(下降方向)をそれぞれ停止する(電動機6への駆動電力の供給を停止する)。
上記のようにリレー34は電源が投入されると付勢され、その接点34aが閉じるようになっている。インバータ4のV相にダイオードスタック71が直列に挿入されており、V相に流れる電流を整流した直流が電磁ブレーキ7に流れそのブレーキを開放する。電磁ブレーキ7のブレーキ力を作動させるときは、インバータ4がその端子MA、MCを短絡するとリレー36に変圧器8の2次側出力が印加され付勢され、その接点36aが閉じるとダイオードスタック71から電磁ブレーキ7に供給されていた直流電流が絶たれブレーキ力が作動する。なお、図2において、41は巻上機の荷下降時、電動機6で発電される電力を通電させて熱消費させる抵抗器である。
上記運転制御装置1において、図1に示すように、下降用押釦スイッチの高速下降運転指令HD(2段目押し込み操作)による高速下降運転中に時刻t1で低速下降運転速指令LD(1段目押し込み操作)を発すると、インバータ4は規定減速度で減速する周波数の電力を電動機に供給し減速を開始する。そして時刻t2のタイミングで上昇用押釦スイッチの2段押し込みで高速上昇運転指令HUを出すと、インバータ4は電動機6を低速まで減速させた後、時刻t3で電動機へ出力周波数の周期(位相)を反転させる。このとき、反転動作の反転領域(インバータ4の出力周波数0Hz付近)では、電動機のトルクが減少する。そこでインバータ4は電動機6に大きなトルクを出させようとして電流を増やすため過電流となり、インバータ4の容量に余裕がないと、インバータ4は自己保護機能によりトリップして電動機6が停止してしまう。
そこでここでは、インバータ4に大容量のものを用いることなく、上記過電流を抑制することで、インバータの自己保護トリップを回避する。そのために、電動機6が減速され最低下降速度FLDになった後に、上昇運転に切り替える際、所定時間電磁ブレーキ7を作動させ電動機6に制動をかけることにより、下降運転から上昇運転の反転時の電動機6のトルク不足分をブレーキの制動力で補うのである。これによりインバータ4が電動機6の極低速回転時の小トルクを大きくしようとして過電流を流すのを抑制できる。よって、インバータ4の容量を大きくしなくても、トリップを防止することができる。即ち、インバータ4のインバータ制御部は、電動機6の下降速度が所定低速速度に達したら端子MA、MCを短絡し、リレー36に変圧器8の2次側出力が印加して付勢する。これによりリレー36の接点36aが閉じ、ダイオードスタック71から電磁ブレーキ7に供給されていた直流電流が絶たれブレーキ力が作動する。
図4は上記電磁ブレーキ7を作動させるタイミングを示す図である。下降用押釦スイッチ23の2段目押し込み操作による高速下降運転速指令HDのONによる高速下降運転中に、時刻t1で該2段目押し込みを開放し高速下降指令HDをOFFにする。これによりインバータ制御部は規定減速度で回転速度を減速させる周波数の電力をインバータ4から電動機6に供給し、下降回転速度の減速を開始する。そして時刻t2で下降用押釦スイッチ23の1段目押し込みも開放し、低速下降運転指令LDをOFFにする。電動機6の下降回転速度の減速中の時刻t3で上昇用押釦スイッチ22を2段目まで押し込む操作があると、上昇高速・上昇低速指令HU,LUが共にONとなる。この状態で電動機6の下降回転速度の減速が続き所定の最低下降速度FLDになった時刻t4でインバータ4のインバータ制御部は、端子MA、MCを短絡し、リレー36を付勢する。これにより接点36aを時間T(例えば80msec〜200msec)だけ閉じ、ダイオードスタック71から電磁ブレーキ7に供給されていた直流電流を絶ちブレーキ力を作動させる。
時間T経過後の時刻t5でインバータ制御部は高速上昇運転指令HUに切り替え、回転速度を所定加速度で加速させる周波数の電力を電動機6に供給し、電動機6の回転速度を高速上昇運転指令HUの回転速度に運転する。これにより巻上機に通常備えられている電磁ブレーキ7を利用して、電動機6の極低速回転時のトルクが小さい時に、ブレーキ力を作用させ、電動機6のトルク不足を補うので、既存の巻上機に何ら構成部品を加えることなく、高速下降運転指令HDをOFF時の減速中に高速上昇運転指令HUがONの反転操作指令があっても、下降運転から上昇運転の反転時のインバータ4から電動機6に供給される過電流を抑制できる。これはインバータ制御部に組み込まれているコンピュータのソフトウエアを変えるのみで可能であるから、ハードウエアである電子部品の追加も必要でなく、安価なコストで達成することが可能となる。
なお、上記実施形態例では、図1に示すように、下降用押釦スイッチ23の高速下降運転指令HDによる高速下降運転中に時刻t1で高速下降運転指令HDを解除し、規定減速度で減速中の時刻t2に上昇用押釦スイッチ22による高速上昇運転指令HUが発せられた場合の最低下降速度FLDに達した時刻t3での電動機を反転させたことによる過電流によるインバータのトリップを例に説明したが、高速下降運転指令HDが解除され減速中に上昇運転指令(HU,LU)が発生され、低速に達した時刻で電動機6を反転運転させることにより、インバータ4がトリップするような過電流が流れるのであれば、電動機6の反転運転が高速上昇運転指令HUでなくも、本発明は適用できる。即ち、高速下降運転指令HDが解除され減速中に上昇運転指令があり、低速反転時にトルクを大きくしようとして、インバータから供給される過電流を抑制するために本発明を利用できる。例えば、上昇用押釦スイッチ及び下降用押釦スイッチが押込み量により無段階で速度大きさを指定できる場合にも適用できる。
また、図4の実施例では、最低下降速度FLD到達時刻t4をブレーキ指令の開始時刻とし、反転運転時刻t5をブレーキ指令の停止時刻としているが、インバータ4からの出力周波数を図1に示す場合と同じとし、ブレーキの作動指令を図5に示すように、最低下降速度FLDの到達時刻(最低上昇速度FLUの出力開始時刻)から所定時間T前にONとしてもよい。
また、図6に示すように、インバータ4の出力周波数が最低下降速度FLDに到達時刻t1から時刻t2まで最低下降速度FLDの周波数の電力所を定時間継続してインバータ4から電動機6に供給した後、時刻t2で周波数0Hzとなり時刻t3まで継続し、該時刻t3で反転運転を行うようになっている場合、最低下降速度FLDになった時刻t1にブレーキの作動指令を発し、時刻t1から最低上昇速度FLUの出力開始時刻t3までの所定時間Tブレーキが作動するようにしてもよい。
また、図7に示すように、インバータ4の出力周波数が最低下降速度FLDに到達し時刻t2から最低上昇速度FLUの出力開始時刻(反転時刻)t3まで最低下降速度FLDの周波数の電力をインバータ4が電動機6に供給するようになっている場合、時刻t2より前の時刻t1ブレーキの作動指令を発し、時刻t1から時刻t3の間の所定時間ブレーキが作動するようにしてもよい。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
従来の巻上機のインバータトリップを説明するためのタイミングチャートを示す図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の上昇下降操作指令による電動機の運転状態を示す図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の電磁ブレーキを作動させるタイミングを示す図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の電磁ブレーキを作動させるタイミングを示す図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の電磁ブレーキを作動させるタイミングを示す図である。 本発明に係る巻上機の運転制御装置の電磁ブレーキを作動させるタイミングを示す図である。
符号の説明
1 運転制御装置
2 操作ボックス
3 制御装置
4 インバータ
5 電力供給線
6 電動機
7 電磁ブレーキ
8 変圧器
21 非常用押釦スイッチ
22 上昇用押釦スイッチ
23 下降用押釦スイッチ
31 インターフェース回路
34 リレー
36 リレー
41 抵抗器
51 上限リミットスイッチ
52 下限リミットスイッチ
71 ダイオードスタック

Claims (5)

  1. 巻上下用の電動機、該電動機に駆動電力を供給するインバータ、該インバータを制御するインバータ制御部を備え、操作部の操作指令により前記制御部で前記インバータの出力周波数を制御して前記電動機の上昇運転及び下降運転を行う巻上機の運転制御装置であって、
    前記インバータ制御部は、前記操作部からの高速下降運転指令のONにより所定の加速度で所定高速速度まで加速し、該高速下降運転指令のOFFにより所定減速度で最低下降速度まで減速し、高速上昇運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速上昇運転指令のOFFにより所定の減速度で最低上昇速度まで減速するように出力周波数を制御し、該制御した出力周波数の電力を前記インバータから前記電動機に供給する加減速手段と、
    前記高速下降運転指令の運転中該高速下降運転指令のOFFにより前記最低下降速度までの減速中に上昇運転指令のONがあった場合、前記所定減速度で所定低速まで減速させるように出力周波数を制御し、下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、前記所定低速まで減速した出力周波数に達した時刻から前記反転させる時刻までの間ブレーキを作動させ前記電動機に制動をかけるブレーキ作動手段と、を備えたことを特徴とする巻上機の運転制御装置。
  2. 請求項1に記載の巻上機の運転制御装置において、
    前記所定低速は前記最低下降速度であり、前記インバータ制御部は前記最低下降速度に減速した出力周波数に達した時刻から所定時間経過した時刻に前記反転を行い、前記ブレーキ作動手段は前記所定時間ブレーキを作動させることを特徴とする巻上機の運転制御装置。
  3. 請求項1に記載の巻上機の運転制御装置において、
    前記所定低速は前記最低下降速度に達する前の所定速度であり、前記インバータ制御部は前記最低下降速度に出力周波数が達した時刻に前記反転を行い、前記ブレーキ作動手段は前記所定低速に出力周波数が達した時刻から前記反転する時刻までの間ブレーキを作動させることを特徴とする巻上機の運転制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の巻上機の運転制御装置において、
    前記操作部は高速上昇運転指令と低速上昇運転指令を発する上昇用押釦スイッチと高速下降運転指令と低速下降運転指令を発する下降用押釦スイッチを備えたことを特徴とする巻上機の運転制御装置。
  5. 巻上下用の電動機、該電動機に駆動電力を供給するインバータ、該インバータを制御するインバータ制御部を備え、操作部の操作指令により前記制御部で前記インバータの出力周波数を制御して前記電動機の上昇運転及び下降運転を行う巻上機の運転制御方法であって、
    前記操作部からの高速下降運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速下降運転指令のOFFにより所定減速度で最低下降速度まで減速し、高速上昇運転指令のONにより所定加速度で所定高速速度まで加速し、該高速上昇運転指令のOFFにより所定減速度で所定の最低上昇速度まで減速するように出力周波数を制御し、該制御した出力周波数の電力をインバータから前記電動機に供給し、
    前記高速下降運転指令の運転中に該高速下降運転指令のOFFにより前記減速度で前記最低下降速度に減速中に上昇運転指令のONがあった場合、前記所定減速度で所定低速度まで減速させるように出力周波数を制御し、下降運転から上昇運転に切り替え反転させる際、前記所定低速まで出力周波数が減少した時刻から前記反転させる時刻までの間ブレーキを作動させ前記電動機に制動をかけることを特徴とする巻上機の運転制御方法。
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