JP5202124B2 - 自動縫製システム - Google Patents
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Description
外治具(1)は、表皮セット部(6)の定位置に設置され、下表皮(5)の外周縁部(5a)を受ける下表皮位置決めガイド板(12)と、下表皮位置決めガイド板(12)上に固定され、下表皮(5)の外周縁部(5a)の外形に沿う形状に形成された下表皮位置決めガイド(13)と、下表皮位置決めガイド板(12)上で上表皮(4)の外周縁部(4a)を下表皮(5)の外周縁部(5a)に対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な上表皮押えクランプ(14)とを備える。
内治具(2)は、外治具(1)の下表皮位置決めガイド板(12)の内側に該下表皮位置決めガイド板(12)と略面一状に且つ取り出し可能に配置されて下表皮(5)を受ける下表皮受けプレート(22)と、下表皮受けプレート(22)上で上表皮(4)の外周縁部(4a)を下表皮(5)の外周縁部(5a)に対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な本クランプ機構(23)とを備える。
縫製部(9)は、上下表皮(4),(5)をセットした内治具(2)を縫製部(9)の所定位置に支持軸芯(Z)回りに水平回転可能に支持する内治具支持部(52)と、この内治具支持部(52)に対して接離移動するミシン支持台(53)と、ミシン支持台(53)に針軸(N)の軸芯回りに回動可能に支持させたミシン本体(8)とを備え、ミシン本体(8)を内治具(2)の水平回転に基づき、接離移動および針軸芯回りに回動するように制御しながら上下表皮(4),(5)の外周縁部(4a),(5a)をミシン本体(8)で縫合するように構成している。
縫製部(9)ではミシン本体(8)を内治具(2)の水平回転に基づき、接離移動および針軸芯回りに回動するように制御しながら上下表皮(4),(5)の外周縁部(4a),(5a)をミシン本体(8)で縫合することにより、上下表皮(4),(5)の曲線状の外周縁部(4a),(5a)も容易に自動縫製することができる。
量産縫製に際し、外治具(1)は共通して使用でき、内治具(2)は縫製後の上下表皮(4),(5)を保持したまま表皮セット部(6)へ戻して繰り返し使用することができる。
また、下表皮(5)の上に上表皮(4)を重ね合わす前に、中間板(16)を中間板昇降用シリンダ(17)で下降させることで下表皮(5)の外周縁部(5a)を下表皮位置決めガイド板(12)上に押え付ける状態を得ることができ、この押え付け状態下で上表皮(4)の外周縁部(4a)を上表皮押えクランプ(14)で下表皮(5)の外周縁部(5a)上に押え付けることができる。したがって、上下表皮(4),(5)の厚みや硬さ等の物性変化に左右されることなくして上下表皮(4),(5)を外周縁部(4a),(5a)どうしの位置合わせにずれのない正確な位置合わせ状態に本セットすることができるという上記作用効果を高めることができる。
図10、図12、図16、図17に示すように、外治具1は、表皮セット部6の定位置に設置されて下表皮5の外周縁部5aを受ける下表皮位置決めガイド板12と、下表皮位置決めガイド板12上に固定され、下表皮5の外周縁部5aの外形に沿う形状に形成された下表皮位置決めガイド13と、下表皮位置決めガイド板12上で上表皮4の外周縁部4aを下表皮5の外周縁部5aに対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な上表皮押えクランプ14とを備える。
下表皮位置決めガイド板12は、下表皮5の馬蹄形状等曲線状に裁断された外周縁に沿う形状の内周縁を有する形に形成されて図5、図7に示す表皮セット架台15上に固定される(図11参照)。図10、図12に示すように、下表皮位置決めガイド13は下表皮位置決めガイド板12上に下表皮5の外周縁部5aを受ける外周縁部受け面12aを形成すべく重合固定される。
また、図13〜図17に示すように、下表皮位置決めガイド板12の上側には、下表皮位置決めガイド13の外周縁に略沿う形状の内周縁を有する中間板16が複数の中間板昇降用シリンダ17で上下動可能に下表皮位置決めガイド板12と平行に対向配備される。中間板16の内周縁寄りの上方に、下表皮5の外周に沿って分割された複数の上表皮押えクランプ14が中間板16の内周縁に沿って並列状に装備される。各上表皮押えクランプ14は中間板16に一体的に取り付けられた上表皮押えクランプ用シリンダ18でクランプガイド部材19の案内下で上下動可能に中間板16に装備される。中間板16の内周縁に沿って上表皮4の外周縁部4aを受ける上表皮受部16aと、上表皮4の外周縁部4aの外端を受け止める上表皮位置決めガイド20が上表皮押えクランプ14の下方に対向するように設けられる。
図18〜図25に示すように、内治具2は、当初、外治具1の下表皮位置決めガイド板12の内側に該下表皮位置決めガイド板12と略面一状に且つ取り出し可能に配置されて下表皮5を受ける下表皮受けプレート22と、下表皮受けプレート22上で上表皮4の外周縁部4aを下表皮5の外周縁部5aに対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な本クランプ機構23とを備える。
図24に示すように、下表皮受けプレート22は、下表皮5の馬蹄形状等曲線状に裁断された外周縁に沿う形状の外周縁を有する形に形成され、中央部に下部センター孔24を設けている。
本クランプ機構23は、下表皮受けプレート22の上面に伏臥する姿勢(図23参照)と、下表皮受けプレート22の上面から起立する姿勢(図19参照)とに亘って軸25回りに起伏回動自在に下表皮受けプレート22に取り付けられた枠状の押え部材26と、押え部材26を伏臥姿勢に保持するロック状態とアンロック状態に切換え可能なトグルクランプ等よりなるクランプ27とを備える。押え部材26は押え枠26aに押え板ばね26bを付けている。押え部材26には上部センター孔28、および上部センター孔28の周辺位置に配される複数個の搬送用孔29を有する上部センター板30が架設されている。
次いで、図17(a)に示すように、オペレータにより下表皮5が内治具2の下表皮受けプレート22に載せられるとともに、下表皮5の外周縁部5aがこの外端を下表皮位置決めガイド13に当接させるように下表皮位置決めガイド板12の外周縁部受け面12a上に載置される。そして、下表皮5の外周縁部5aはバキュームチャンバ49および外周縁部受け面12aに列設した吸気孔32からの吸気作用により外周縁部受け面12a上に吸着保持される。次いで、図17(b)に示すように中間板16が中間板昇降用シリンダ17で下降して下表皮5の外周縁部5aを押さえ付ける。
その際、上表皮4のセットずれ防止をより確実に実現できるように、図16に示すように、一つの上表皮押えクランプ14は隣り合う数個のセンサー21がオンしてはじめて作用して上表皮4の外周縁部4aを押える方式(隣り合う数個のセンサー21によるセンサー検出量(長さ)を、一つの上表皮押えクランプ14による押し付け長さよりも大きくしている)方式を採用する。すなわち、各上表皮押えクランプ14により上表皮4の外周縁部4aを周方向に部分的に押える長さ(量)Lよりも隣り合う数個のセンサー21による検出領域Kを大きくする。
このセット後、各上表皮押えクランプ14が上表皮押えクランプ用シリンダ18で原位置に押し上げられ、また中間板16が中間板昇降用シリンダ17で原位置に押し上げられてそれぞれによる上表皮押え作用を解除する。次いで、図6に示すように、内治具2が内治具昇降用シリンダ33で押し上げられることにより外治具1から上方へ取り出される。この取り出された内治具2はオペレータにより後述する搬入ライン10の中継部34にローラーコンベヤ35上を滑らせて移送される。
内治具2に縫製対象となる外周縁部4a,5aを外部に露出させた状態でセットされた上下表皮4,5(以下、単に「表皮セット内治具2A」という)は、搬入ライン10によって縫製部9の所定位置、すなわち内治具2の下部センター孔24を受ける内治具センター受具36が設置されて内治具2を該内治具センター受具36回りに水平回転可能に支持する位置にまで自動的に搬入される。搬入ライン10は、図1、図2に示すように、表皮セット部6からオペレータによって前方へ移送される表皮セット内治具2Aを受け継ぐ中継部34と、中継部34からの表皮セット内治具2Aを一時的に待機させる表皮セット内治具待機部37と、表皮セット内治具2Aを表皮セット内治具待機部37から縫製部9の内治具センター受具36にまで搬入させる表皮セット内治具搬入駆動部38とを備える。
縫製部9は、上記のように上下表皮4,5をセットした表皮セット内治具2Aを縫製部9の所定位置に内治具センター受具36を中心にして水平回転可能に支持させ、表皮セット内治具2Aの支持位置に対して本縫いミシン等のミシン本体8を直線的に接離移動させるとともに、ミシン本体8の針軸Nの軸芯を中心にミシン本体8を水平回動可能に支持させ、ミシン本体8を表皮セット内治具2Aの水平回転に基づき、接離移動および針軸芯回りに回動するように制御しながら上下表皮4,5の外周縁部4a,5aをミシン本体8で縫合するように構成している(前出の特開2007−97791号公報参照)。
図27に示すように、まず、CAD等で描かれた任意の縫製形状曲線Sの図形に対して、内治具支持部52の支持軸芯Zの位置を原点位置として決定し、その縫製形状曲線Sの図形に対して任意点AのX−Y座標を求める。そして、原点位置での表皮セット内治具2Aの回転角度をR、原点位置から図形上の任意点Aまでの長さをH、針軸Nの軸芯回りの回動角度をθとして求めたX−Y座標を機械の座標系であるR−H−θ座標系に変換する(図27参照)。この作業を連続的に行い、縫製形状のすべての座標を求める。ここで、ミシン本体8の回動角度θは任意点Aでの縫製形状曲線Sに対する法線方向がミシン本体8の中心軸Mと直交する角度である。
連続送り方式の場合には、前記固定ピッチ分割式で得た座標を使用する。そして、任意に設定した速度で表皮セット内治具2Aを内治具支持部52の支持軸芯Z回りに回転させる。実際には、固定ピッチ分割式で得た座標テーブルのインデックスを固定周期で増加させることで縫製ピッチが安定することになる。ミシン本体8の接離移動および針軸N回りの回動は、現在の表皮セット内治具2Aの回転位置に対応する座標(H,θ)をテーブルから求め、その位置に向かって動作させる。この場合の各軸の動作は連続的なものとなるから、この連続送り方式の場合には、ミシンの特性上、ミシン本体8側に送り機構が必要となる。
そして、この間歇送り方式では、現在の位置座標(R,H,θ)と縫製ピッチPから次の針落ち位置(目標位置)となる回転角度R´を次式のようにして求める(図29参照)。
図31〜図38に示すように、縫製部9の近傍において、ミシン本体8の回転釜60内に装着されたボビンケース(図示せず)内のボビン(図示せず)の下糸が無くなると、そのボビンケースを新しい交換用ボビンケース61と自動的に交換するためのボビンケースチェンジ装置62を設置する。
そこで、本実施例のボビンケースチェンジ装置62では、図1、図31に示すように、ボビンチェンジャー63をミシン本体8とは別体に分離して配備し、ボビンチェンジャー63は、常態時(待機時)はミシン本体8の直線的な移動や水平回動動作に支障の無い位置に待機させ(図31参照)、ボビンケース交換時にのみ図34に示すようにミシン本体8の上部ミシンベッド(釜土台)64に接近移動させてボビンチェンジャー63とミシン本体8とを結合することでボビンケース交換を可能にし、交換後はボビンチェンジャー63を原位置に戻して待機させるようにする。
縫製後、表皮セット内治具2Aは縫製された表皮を備えた状態のまま搬出ライン11によって縫製部9から表皮セット部6の近接位置である内治具戻し部80へ自動的に搬出される。
図1、図2、図8に示すように、搬出ライン11は、搬入ライン10の搬入コンベヤ44の延長線上に配備される第1搬出コンベヤ81と、第1搬出コンベヤ81の上方で前記レール45の延長部45aに沿って走行可能でかつピン昇降用シリンダ82で昇降可能な内治具搬出用ピン83と、第1搬出コンベヤ81の延長線上の箇所で昇降動可能な第1搬出リフト84と、第1搬出リフト84の下降終端位置から搬入ライン10の下方箇所に亘って配備された第2搬出ベルトコンベヤ85と、第2搬出ベルトコンベヤ85と直交して前記表皮セット内治具待機部37の下方位置と表皮セット部6の左側方に設置した内治具戻し部80の下方位置との間で台車駆動機構87により走行駆動するように配備された搬出台車86と、内治具戻し部80の下方位置で搬出台車86を昇降させる第2搬出リフト88(図8参照)とを備える。
2 内治具
2A 表皮セット内治具
3 表皮セット治具
4 上表皮
4a 上表皮の外周縁部
5 下表皮
5a 下表皮の外周縁部
6 表皮セット部
6A 第1表皮セット部
6B 第2表皮セット部
7 縫い針
8 ミシン本体
9 縫製部
10 搬入ライン
11 搬出ライン
12 下表皮位置決めガイド板
13 下表皮位置決めガイド
14 上表皮押えクランプ
16 中間板
16a 上表受部
17 中間板昇降用シリンダ
18 上表皮押えクランプ用シリンダ
20 上表皮位置決めガイド
22 下表皮受けプレート
23 本クランプ機構
34 中継部
37 表皮セット内治具待機部
52 内治具支持部
53 ミシン支持台
90 ラベル
Claims (4)
- 外治具(1)と内治具(2)からなる表皮セット治具(3)に、所定形状に裁断された少なくとも2枚の上下表皮(4),(5)を重ね合わせて該上下表皮(4),(5)の外周縁部(4a),(5a)が内治具(2)の外周から外方へ露出するようにセットする表皮セット部(6)と、
内治具(2)にセットされた上下表皮(4),(5)の露出した外周縁部(4a),(5a)を、縫い針(7)を備えたミシン本体(8)で縫合する縫製部(9)と、
上下表皮(4),(5)のセットされた内治具(2)を外治具(1)から取り出して縫製部(9)へ自動搬入する搬入ライン(10)、およびミシン本体(8)で縫合された縫製表皮を保持する内治具(2)を縫製部(9)から表皮セット部(6)へ自動搬出する搬出ライン(11)と、を備えており、
外治具(1)は、表皮セット部(6)の定位置に設置され、下表皮(5)の外周縁部(5a)を受ける下表皮位置決めガイド板(12)と、下表皮位置決めガイド板(12)上に固定され、下表皮(5)の外周縁部(5a)の外形に沿う形状に形成された下表皮位置決めガイド(13)と、下表皮位置決めガイド板(12)上で上表皮(4)の外周縁部(4a)を下表皮(5)の外周縁部(5a)に対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な上表皮押えクランプ(14)とを備え、内治具(2)は、外治具(1)の下表皮位置決めガイド板(12)の内側に該下表皮位置決めガイド板(12)と略面一状に且つ取り出し可能に配置されて下表皮(5)を受ける下表皮受けプレート(22)と、下表皮受けプレート(22)上で上表皮(4)の外周縁部(4a)を下表皮(5)の外周縁部(5a)に対し押さえ付ける姿勢と、押さえ付けを解除する姿勢とに切換え可能な本クランプ機構(23)とを備えており、
縫製部(9)は、上下表皮(4),(5)をセットした内治具(2)を縫製部(9)の所定位置に支持軸芯(Z)回りに水平回転可能に支持する内治具支持部(52)と、この内治具支持部(52)に対して接離移動するミシン支持台(53)と、ミシン支持台(53)に針軸(N)の軸芯回りに回動可能に支持させたミシン本体(8)とを備え、ミシン本体(8)を内治具(2)の水平回転に基づき、接離移動および針軸芯回りに回動するように制御しながら上下表皮(4),(5)の外周縁部(4a),(5a)をミシン本体(8)で縫合するように構成していることを特徴とする、自動縫製システム。 - 外治具(1)は、下表皮位置決めガイド板(12)の上側に、下表皮位置決めガイド(13)の外周縁に略沿う形状の内周縁を有する中間板(16)が複数の中間板昇降用シリンダ(17)で上下動可能に下表皮位置決めガイド板(12)と平行に対向配備され、中間板(16)の内周縁寄りの上方に、下表皮(5)の外周に沿って分割された複数の上表皮押えクランプ(14)が中間板(16)の内周縁に沿って並列状に装備され、各上表皮押えクランプ(14)は中間板(16)に一体的に取り付けられた上表皮押えクランプ用シリンダ(18)で上下動可能に中間板(16)に装備され、中間板(16)の内周縁に沿って上表皮(4)の外周縁部(4a)を受ける上表皮受部(16a)と、上表皮(4)の外周縁部(4a)の外端を受け止める上表皮位置決めガイド(20)が上表皮押えクランプ(14)の下方に対向するように設けられている、請求項1記載の自動縫製システム。
- 内治具(2)に付けたラベル(90)に印刷された縫製品を特定する縫製形状等の情報からなるバーコードを、搬入ライン(10)に設置したバーコードリーダで読み取って内治具(2)の形状に応じた縫製形状に縫製するようにしてある、請求項1又は2記載の自動縫製システム。
- 表皮セット部(6)は第1表皮セット部(6A)と第2表皮セット部(6B)の2つを並列配置し、搬出ライン(11)は搬出途中部位から第1表皮セット部(6A)への帰路と第2表皮セット部(6B)への帰路とに分岐して構成している、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動縫製システム。
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