JP5191192B2 - 分子接着剤、架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法 - Google Patents

分子接着剤、架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムとの接着性に優れる架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法に関する。さらに、本発明は、前記架橋反応性固体表面を有する固体材料とゴムから得られる固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法に関する。
従来から、架橋ゴム、樹脂、繊維、金属及びセラミックス等の固体材料とゴムからなるゴム複合材料に関する要求が多数あったが、固体材料とゴムの異種材料間の接着方法には多くの問題点があった。
従来の接着方法としては、例えば、樹脂などの固体表面を脱脂処理、ブラスト処理等の前処理を施して、プライマーや接着剤を塗布した後、未架橋ゴムを接触させて加熱圧着する方法が知られている。しかし、このような方法は非常に複雑な工程を経るため、均一製品を製造することが困難であった。さらに、架橋ゴム、樹脂、繊維、金属及びセラミックス等の固体表面とゴム材料の種類等によって適切な接着剤を選択する必要があり、接着の技術を一層複雑なものにしていた。
加えて、接着剤を使用する方法においては、接着剤を使用するための施設、設備や、空気中に拡散した接着剤成分の濃度を軽減できる設備等も必要であり、環境面、設備面での課題も多いものである。
また、接着剤の代わりに、シランカップリング剤をゴムに添加して、ゴムと異種材料を接着する方法も知られているが、ゴムと異種材料の弾性率が異なる場合には両者の中間的な弾性率を持つ厚い界面層が必要であった。しかしながら、接着剤を使用しないでゴムと異種材料の中間的弾性率を得ることは原理的に困難であり、接着剤無しでこのような異種界面の接着を行うことは実質的には不可能であった。
このような樹脂とゴムのような、ゴムと異種材料の接着方法として、アルコキシシラン含有トリアジンチオール金属塩なる分子接着剤を用いた方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1及び2には、分子接着剤のアルコキシシリル基と、OH基含有固体表面とを反応させることにより、固体表面に架橋反応性を付与することができ、その結果、該表面とゴム材料とを接着できることが記載されている。しかし、これらの特許文献に記載されているアルコキシシリル基含有トリアジンチオール類化合物を利用した接着方法では、硫黄架橋系ゴム配合の未架橋ゴムと金属、樹脂等との架橋接着においては充分な接着強度が得られないものであった。
特開2006−213677号公報 特開2007−119752号公報
本発明は、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムとの接着性に優れる架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムと固体材料の接着強度が高い固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法を提供することを目的とする。
前記問題点に対して、本発明者らは種々検討を重ねた結果、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムとの接着性に優れる架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法を見出すことができた。また、該架橋反応性固体表面を有する固体材料とゴム架橋配合物を接触及び加熱圧着することにより、接着強度の高い固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
項1.一般式(1):
[X(YO)3-aSiRZ (1)
(式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
である。aは0、1又は2、bは1又は2である。)
で表される化合物からなる架橋反応性を示すことを特徴とする分子接着剤。
項2.項1記載の分子接着剤及び一般式(2):
Figure 0005191192
(式中、R2は−OR3(R3は炭素数1〜4のアルキル基)、−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、又R4、R5が結合していてもよく、それぞれ、H、炭素数1〜4のアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−を含んでいてもよい)又は−SM1(M1はアルカリ金属又はHである)であり、M2、M3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHである。)
で表されるトリアジン化合物を含む分子接着剤組成物。
項3.一般式(3):
Figure 0005191192
(式中、Xは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
である。aは0、1又は2、bは1又は2である。)
で表される架橋反応性基を有することを特徴とする架橋反応性固体表面。
項4.一般式(4):
Figure 0005191192
(式中、Xは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。R2は−OR3(R3は炭素数1〜4のアルキル基)、−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、又R4、R5が結合していてもよく、それぞれ、H、炭素数1〜4のアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−を含んでいてもよい)又は−SM1(M1はアルカリ金属又はHである)であり、M3は、アルカリ金属又はHであり、Qは、−S−、−SS−、−SSS−、−SSSS−、−CH(OH)CH−)
で表される架橋反応性基を有することを特徴とする架橋反応性固体表面。
項5.固体表面が、金属、セラミックス又は高分子の固体表面である項3又は4記載の架橋反応性固体表面。
項6.一般式(1):
[Xa(YO)3-aSiRZ (1)
(式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
である。aは0、1又は2、bは1又は2である。)
で表される架橋反応性を示すことを特徴とする分子接着剤を含む溶液と、表面にOH基を有する固体表面とを接触させる工程、分子接着剤と含む溶液と接触した固体表面を加熱する工程を含む項3又は4記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
項7.分子接着剤を含む溶液に、さらに、一般式(2):
Figure 0005191192
(式中、R2は−OR3(R3は炭素数1〜4のアルキル基)、−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、又R4、R5が結合していてもよく、H、炭素数1〜4のアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−を含んでいてもよい)又は−SM1(M1はアルカリ金属又はHである)であり、M2、M3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHである。)
で表されるトリアジン化合物を含む項6記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
項8.一般式(5):
(YO)3-aSiRZ’ (5)
(式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。Z’は、−Cl、−Brである。aは0、1又は2である。)
で表されるシランカップリング剤を含む溶液と、表面にOH基を有する固体表面を接触させて、シランカップリング剤を含む溶液と接触した固体表面を加熱して得られた反応性固体表面に、
一般式(6):
4 Z (6)
(式中、M4はH、Li、Na、K又はCsであり、Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
である。pは1又は2である。)
で表される硫黄化合物を含む溶液を接触させる工程を含む項3又は4記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
項9.得られた架橋反応性固体表面と、
一般式(2):
Figure 0005191192
(式中、R2は−OR3(R3は炭素数1〜4のアルキル基)、−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、又R4、R5が結合していてもよく、H、炭素数1〜4のアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−を含んでいてもよい)又は−SM1(M1はアルカリ金属又はHである)であり、M2、M3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHである。)
で表されるトリアジン化合物を含む溶液とを接触させる工程、トリアジン化合物を含む溶液と接触した固体表面を加熱する工程を含む項6又は8記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
項10.固体表面が、金属、セラミックス又は高分子の固体表面である項6〜9のいずれかに記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
項11.項3又は4記載の架橋反応性固体表面を有する固体材料の架橋反応性固体表面とゴム架橋配合物を接触及び加熱圧着する工程を含む固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法。
項12.ゴム架橋配合物が、ゴム材料、充填剤、架橋剤、架橋促進剤及び金属活性剤を含む配合物である項11記載の固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法。
以下に本発明について詳細に説明をする。
1.分子接着剤
本発明は、一般式(1):
[X(YO)3-aSiRZ (1)
(式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
である。aは0、1又は2、bは1又は2である。)
で表される化合物からなる架橋反応性を示すことを特徴とする分子接着剤に関する。
ここで、分子接着剤とは、OH基を有する固体材料の表面と化学結合可能な基(アルコキシシリル基)及びゴム分子鎖と架橋反応が可能な基(架橋反応性基)の両方を含むものであり、該分子接着剤を前記固体材料の表面に化学的に結合させることで、固体材料の表面に架橋反応性を付与できるものである。
一般式(1)のX、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、特に限定はされるものではないが、例えば、Xとしては、CH3−、C25−、n−C37−、i−C37−、CH2=CHCH2−、n−C49−、t−C49−を挙げることができ、これらの中でもCH3−が好ましい。
Yとしては、CH3−、C25−、n−C37−、i−C37−、n−C49−、i−C49−、t−C49−を挙げることができるが、これらの中でもCH3−、C25−が好ましい。
は、フェニレン基、−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−、−C64−を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキレン基である。具体的には、−CH2−、−CH2(CH2n-2CH2−(nは2〜18の整数)、−C64−、−CH264−、−CH264CH2−、−CH2CH2SCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2NHCH2CH2−、−CH2CH2CH2NHCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH22NCH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2NHCOOCH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2NHCONHCH2CH2CH2−等を挙げることができるが、これらの中でも−CH2(CH2n-2CH2−が好ましく、−CH2CH2CH2−がより好ましい。
Zは、−SH、−SCSN(CH32、−SSCSN(CH32、−SCSN(C252、−SCSN(C492、−SCSN(C8172、−SS−、−SSS−、−SSSS−、
Figure 0005191192
であるが、これらの中でもゴムとの架橋性の点から、−SH、−SS−、−SSS−、−SSSS−が好ましい。
aは0、1又は2であるが、固体表面との反応性の点から、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
一般式(1)で示される本発明の分子接着剤の中でも、一般式(1)中、XがCH3−であり、YがCH3−、C25−であり、R1が−CH2CH2CH2−、Zが−SH、−SS−、−SSS−、−SSSS−、aが0又は1であることが好ましい。
一般式(1)で示される本発明の分子接着剤の具体例としては、例えば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
上記分子接着剤は、一般式(1)の化合物を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)で示される本発明の分子接着剤は、X(YO)3-aSi−で示されるアルコキシシリル基により固体表面のOH基と化学結合することができ、−Zで示される架橋性反応基によりゴムと架橋反応することができ、その結果、固体表面とゴムとの異種材料間での接着を可能にするものである。
2.分子接着剤組成物
固体表面とゴムの接着にあたり、前記分子接着剤と、一般式(2):
Figure 0005191192
で表されるトリアジン化合物を含む分子接着剤組成物として使用することが、固体表面とゴムとの接着強度の点から好ましい。
一般式(2)中のR2は−OR3、−NR45又は−SM1である。
3は、炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的には、前述の一般式(1)のYで挙げたものと同様のものを挙げることができる。
また、R4、R5は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、又R4、R5が結合していてもよく、それぞれ、H、炭素数1〜4のアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、又はフェニレン基等を挙げることができる。また、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−を含んでいてもよい。炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基としては、前述の一般式(1)のXで挙げたものと同様のものを挙げることができる。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−を挙げることができる。
4、R5が結合している場合の−NR45の具体例としては、
Figure 0005191192
等を挙げることができる。
1〜M3は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHであり、アルカリ金属としては、Li、Na、K、Csなどを挙げることができる。
一般式(2)で示されるトリアジン化合物の具体例としては、例えば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,3,5−トリアジン−2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオール、1,3,5−トリアジン−2−ジアリルアミノ−4,6−ジチチオールなどを挙げることができる。
一般式(1)で示される分子接着剤と一般式(2)で示されるトリアジン化合物の配合割合は、分子接着剤:トリアジン化合物=1:10〜10:1(モル比)であることが好ましく、1:5〜5:1(モル比)であることがより好ましい。配合割合が前記範囲にあることで、固体表面とゴムとの接着において、より高い接着強度を発現できるため、好ましい。
3.架橋反応性固体表面
本発明の架橋反応性固体表面としては、
一般式(2):
−O−[X(−O)2-aSiRZ (2)
で表れる架橋反応性基を有する固体表面、又は、
一般式(4):
Figure 0005191192
で表される架橋反応性基を有する固体表面である。
一般式(2)中のX、Y、R、Z、a、bは、前述したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(4)中のX、R、R2、M3は、前述したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(4)中のQは、−S−、−SS−、−SSS−、−SSSS−、−CH(OH)CH−である。
固体表面としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属、セラミックス及び高分子等の固体表面を挙げることができる。
金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、Mg、Ti、Be、Ca、Li、Al、Mn、Zn、Cr、Ga、Fe、Cd、In、Ta、Co、Ni、Sn、Sb、Bi、Pb、Cu、Ag、Pt、Pd、Au及びこれらの二元、三元及び多元合金を挙げることができる。合金としては、Mg合金、Al合金、Fe−Cr−Ni合金、Ni合金、Co合金、Cu−Zn合金、Cu−Sn合金、Cu−Ni合金、Ag合金などを挙げることができる。これらの表面に酸化皮膜が生成していることが本発明で用いることができる金属の条件である。
これらの中でも、アルミニウム、ステンレスが好ましい。
セラミックスとは特に限定されるものではないが、例えば、Mg、Ti、Be、Ca、Li、Al、Mn、Zn、Cr、Ga、Fe、Cd、In、Ta、Co、Ni、Sn、Sb、Bi、Pb、Cu、Ag、Si等の金属材料、及びこれらの二元、三元及び多元合金の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物の焼結体を挙げることができる。
高分子としては、特に限定されないが、例えば、セルロース及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、二酢酸セルロース、表面ケン化酢酸ビニル樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、i−ポリプロピレン、石油樹脂、ポリスチレン、s−スチレン、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、ABS樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ポリシアノアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・プロピレン共重合体、1,4−トランスポリブタジエン、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂、レゾルシン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グリプタル樹脂、変性グリプタル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル樹脂、アリルエステル樹脂、ポリカーボネート、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ケイ素樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリジメチルフェニレンオキサイド、ポリキシレン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PPI、カプトン)、液晶樹脂、ケブラー繊維、炭素繊維とこれら複数材料のブレンド物などポリテトラフロロエチレン以外の高分子材料、天然ゴム、1,4−シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリクロロプレン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム、水素添加アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ターポリマー、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、アルキル化クロルスルフォン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、塩素化アクリルゴム、臭素化アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンとその共重合ゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のゴム材料の架橋物等を挙げることができる。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
固体材料の形状としては特に限定されるものではないが、例えば、粒子、フイルム、板、長方形、正方形、多角形、各種製品形状、布、筒、空中糸、ホース、網、球、楕円球などの形状を挙げることができる。
4.架橋反応性固体表面の製造方法
前記架橋反応性固体表面の製造方法としては、特に限定されるものではないが、下記のような方法を挙げることができる。
第1の製造方法としては、
一般式(1):
[Xa(YO)3-aSiRZ (1)
(式中、X、Yは、R、Z、a、bは、前記同様である。)
で表される架橋反応性を示すことを特徴とする分子接着剤を含む溶液と、OH基含有固体表面とを接触させ、加熱する工程を含む製造方法を挙げることができる。
固体表面としては、前述と同様のものを挙げることができる。
一般式(1)で示される分子接着剤と固体表面を化学反応させるためには、固体表面に−OH基を有する必要がある。−OH基が表面にない固体材料を用いる場合は、前処理により−OH基を導入しておく必要があり、−OH基を有する固体であっても、一般式(1)で示される分子接着剤との反応性を向上させるために前処理を行ってもよい。
前処理方法としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、UV照射処理等を挙げることができる。
これらの処理方法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、コロナ放電処理であれば、「コロナ処理」、日本接着学会誌、Vol.36,No.3,126(2000)に記載された方法、大気圧プラズマ処理であれば、「プラズマ処理」、日本接着学会誌、Vol.41,No.1,4(2005)に記載された方法を好適に用いることができる。これらの処理によって固体表面に、多くの−OH基、−COOH基、−C=O基等が生成するか、又は表面に現れる(L.J.Gerenser:J.Adhesion Sci. Technol.7,1019(1997)参照)。
一般に固体表面は大気中の汚れ成分を吸収して汚染しているが、上記のような前処理を行うことによって、清掃と同時に−OH基を表面に発生させることも可能である。
コロナ放電処理は、コロナ表面改質装置(例えば、信光電気計測(株)製のコロナマスター)を用いて、電源:AC100V、出力電圧:0〜20kV、発振周波数:0〜40kHzで0.1〜60秒、温度0〜60℃の条件で行うことができる。
大気圧プラズマ処理は大気圧プラズマ発生装置(例えば、松下電工(株)製のAiplasuma)を用いて、プラズマ処理速度10〜100mm/s、電源:200又は220V AC(30A)、圧縮エア:0.5MPa(1NL/min)、10kHz/300W〜5GHz、電力:100W〜400W、照射時間:0.1〜60秒の条件で行うことができる。
UV照射は、UV−LED照射装置(例えば、(株)オムロン製のUV−LED照射装置ZUV−C30H)を用いて、波長:200〜400nm、電源:100V AC、光源ピーク照度:400〜3000mW/cm2、照射時間:1〜60秒の条件で行うことができる。
一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液の濃度としては、特に限定されるものではなく適宜選択することができるが、例えば、0.01〜100ミリモル/Lが好ましく、0.1〜10ミリモル/Lであることがより好ましい。濃度を前記範囲内にすることで、接着強度が高くなるため好ましい。
また、溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、塩化メチレンなどのハロゲン化物、ブタン、ヘキサンなどのオレフィン類、テトラヒドロフラン、ブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族類、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドンなどのアミド類、水など、又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
また、一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液に、さらに、一般式(2):
Figure 0005191192
(式中、R2、M2、M3は前記同様。)
で表されるトリアジン化合物を含むことが、本発明の架橋反応性固体表面とゴムとの接着において、より高い接着強度を発現できるため好ましい。
トリアジン化合物の配合割合としては、前記分子接着剤組成物での配合割合と同様の割合が好ましい。
一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液と、OH基含有固体表面との接触方法としては特に限定されるものはなく、公知の方法を用いることができる。接触方法としては、例えば、浸漬、塗布、噴霧等を挙げることができるが、均一に前記溶液と接触することができる点から、浸漬による方法が好ましい。
浸漬処理条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、0〜100℃の溶液の温度で、1秒〜60分間の浸漬することが好ましい。浸漬条件は溶液の温度、時間及び濃度によって支配されるので、一義的に決められないが、一定濃度では、温度が低い場合は時間が長く、また温度が高い場合は時間が短くなる傾向がある。
また、加熱条件としては、40〜250℃で1秒〜600分間行うことが好ましく、50〜200℃で1〜60分間がより好ましく、さらには1〜30分間が好ましい。加熱条件がこの範囲にあることで、生産性が高く経済的にも好ましい。
加熱方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、例えば、オーブン、ドライヤー、高周波加熱等を用いる方法を挙げることができる。
なお、分子接着剤を含む溶液とOH基含有固体表面の反応が不充分な場合には、上記の接触と加熱を1〜10回程度繰り返すこともできる。すなわち、1回の接触及び加熱時間を短縮し、反応回数を増やす方が有効である場合もある。
また、前述の溶剤を用いて、固体表面の洗浄を行ってもよく、洗浄方法としては公知の方法により行うことができる。洗浄を行うことで、固体表面上の未反応の分子接着剤等を除去できるため好ましい。
次に、前記架橋反応性固体表面の第2の製造方法としては、
一般式(5):
(YO)3-aSiRZ’ (5)
(式中、X、Y、R、aは前記同様であり、Z’は、−Cl、−Brである。)
で表されるシランカップリング剤を含む溶液と、OH基含有固体表面を接触させて、加熱して得られた反応性固体表面に、
一般式(6):
4 Z (6)
(式中、M4はH、Li、Na、K又はCsであり、Zは前記同様である。pは1又は2である。)
で表される硫黄化合物を含む溶液を接触させる工程を含む方法である。
一般式(5)中のZ’としては、−Cl、−Brである。
一般式(5)で表されるシランカップリング剤を含む溶液に、OH基含有固体表面を接触させることで、一般式(7):
−O−X(−O)2-aSiRZ’ (7)
で表される基を有する反応性固体表面が得られる。このような反応性固体表面は、そのままでも含ハロゲンゴムとの接着には有効であるが、さらに、一般式(6)で示される硫黄化合物を含む溶液に浸漬して反応することで、一般式(6)で示される硫黄化合物による求核置換反応により、一般式(2)で表される架橋反応性基を有する架橋反応性固体表面を得ることができる。
一般式(5)で表されるシランカップリング剤を含む溶液の濃度としては、特に限定されるものではなく適宜選択することができるが、例えば、0.0001〜1モル/Lが好ましく、0.001〜0.1モル/Lであることがより好ましい。濃度が前記範囲内にあることで、反応性、保存安定性が良好であるため好ましい。
溶液の溶剤、接触方法については、一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液で挙げた溶剤及び接触方法を挙げることができる。
また、加熱条件としては、0〜70℃で1〜60分間行うことが好ましく、20〜60℃で1〜60分間がより好ましい。加熱条件が前記範囲内にあることで、短時間で反応が終了するため好ましい。
一般式(6)中のM4は、H、Li、Na、K又はCsであり、これらの中でも、Nae、Kが好ましい。
一般式(6)で示される硫黄化合物としては、NaSH、Nax(Xは1〜4の数)を挙げることができる。
一般式(6)で示される硫黄化合物を含む溶液の濃度としては、特に限定されるものではないが、0.1〜1000ミリモル/Lであることが好ましく、0.5〜100ミリモル/Lであることがより好ましい。濃度範囲が前記範囲内にあることで、反応性、生産性が点から好ましいものである。また、濃度が高過ぎると架橋反応性基に対する一般式(6)で示される硫黄化合物の求核置換反応による副反応が起こりやすくなる傾向があり、好ましくない。
溶液の溶剤、接触方法については、一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液で挙げた溶剤及び接触方法を挙げることができる。
反応性固体表面と一般式(6)で示される硫黄化合物を含む溶液への浸漬は、溶液温度が0〜100℃で1〜600分間加熱して行うことが好ましい。0℃未満では反応が起こらない場合があり、100℃を超えると架橋反応性基が求核置換反応をおこして分解する傾向がある。
また、前記第1製造方法又は第2の製造方法で得られた架橋反応性固体表面を、一般式(2)で表されるトリアジン化合物を含む溶液と接触させ、加熱することが、本発明の架橋反応性固体表面とゴムとの接着において、より高い接着強度を発現できるため好ましい。
一般式(2)で表されるトリアジン化合物を含む溶液の濃度としては、特に限定されるものではなく適宜選択することができるが、例えば、0.0001〜1モル/Lが好ましく、0.001〜0.1モル/Lがより好ましい。
溶液の溶剤、接触方法、加熱条件については、一般式(1)で示される分子接着剤を含む溶液で挙げた溶剤及び接触方法、加熱条件を挙げることができる。
5.固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法
このようにして得られた本発明の架橋反応性固体表面は、ゴム架橋配合物と接触及び加熱圧着することにより固体材料−ゴム架橋接着物を形成することができる。
本発明で用いるゴム架橋配合物は、ゴム材料、充填剤、架橋剤、架橋促進剤、金属活性剤を含むものであり、任意で安定剤、老化防止剤、紫外線防止剤、軟化剤、着色剤、リターダーなどを配合することができる。
ゴム材料としては、特に限定されるものではないが、軟質ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、クロルスルフォン化ポリエチレン、アルキル化クロルスルフォン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、塩素化アクリルゴム、臭素化アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンとその共重合ゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、ウレタンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加イソプレンゴム、水素添加クロロプレンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴムなどに架橋配合剤添加後加熱して得た三次元架橋ゴム又はスチレン−ブタジエンゴム系、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系の熱可塑性ゴムなどとこれらの混合物ゴムを挙げることができる。これらの中でも、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。
充填剤は、ゴムの強度を高めたり、増量の目的で添加するものである。充填剤としては、HAF、FEFなどの各種グレードのカーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、ガラス、湿式及び乾式シリカなどの充填剤や、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、スチール、ケブラー繊維(デュポン社の登録商標)、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維や布などを挙げることができ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもカーボンブラックやシリカが好ましい。
充填剤の配合量としては、ゴム材料100重量部に対して、0〜200重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。充填剤量が多いほど剛性は得られるが、200重量部を超えて添加すると加工性が著しく低下する傾向がある。また、充填剤量が少なすぎると期待した剛性が得られない傾向がある。
架橋剤としては、例えば、硫黄、パーオキサイド、トリアジンチオール類、テトラメチルテュウラムテトラスルフィド、ジチオモルホリン等を挙げることができる。より具体的には、トリアジントリチオール、2-ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、エチレンチオウレア、ビスフェノールA、硫黄、コロイド硫黄、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの過酸化物、ベンゾキノンジオキシム、ザリゲン、ジメチロール・フェノール等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の配合量としては、ゴム材料100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。架橋剤の配合量が前記範囲内にあることで充分な弾性体となり、気密性やシール性の特性が発揮されるため好ましい。
架橋促進剤としては、スルフェンアミド類、メルカプトベンゾチアゾール類、テュウラム類、グアナミン類及び多官能性モノマー類等を挙げることでき、より具体的には、ジベンゾチアゾイルジスルフィド、4−モルホリノジチオベンゾチアゾ−ルなどのチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド、N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド、N-ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系及びテトラメチルチューラムジスルフィド、テトラエチルチューラムジスルフィド、テトラブチルチューラムジスルフィド、テトラオクチルチューラムジスルフィド、ジペンタメチレンチュラムテトラスルフィドなどのチュラム系の架橋促進剤、トリアリルイソシアナート、トリアリルオキシトリアジン、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエチスリトールテトラメタクリレートのような多官能性モノマー等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の配合量は、ゴム材料100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。架橋促進剤の配合量が前記範囲内にあることで充分な弾性体となり、気密性やシール性の特性が発揮されるため好ましい。
金属活性剤は、架橋速度を調節したり、受酸の目的で添加される。金属活性剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化鈴、酸化鉄、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、脂肪酸ナトリウム、オクチル酸カルシウム、イソオクチル酸カリウム、カリウムブトキサイド、オクチル酸セシウム、イソステアリン酸カリウム等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、ゴム材料100重量部に対して、0〜20重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。金属活性剤をまったく使用しない場合もあるが、一般には1重量部以上で目的が達成され、20部を超えて添加するとゴムの性質が変化する場合があるため、好ましくない。
上記のようにして得られたゴム配合物は、本発明の架橋反応性固体表面と接触させて、1〜30気圧下で、80〜200℃で1〜60分間加熱して接着物を得ることが好ましい。
1気圧未満であるとゴムに気泡が混入するため、接着強度が減少する傾向があり、30気圧を超えてもコストがかかるだけで、優れた効果が得られるものでもない。
80℃未満では接着物を得るのに時間がかかりすぎる傾向があり、200℃を超えると架橋の進行が早すぎて、金型の中でゴムが充分に流動しないため接着物が得られなくなる傾向がある。
1分間未満では充分な接着強度が得られない傾向があり、60分間を超えるても、コストがかかりそれ以上の効果が得られるものではない。
本発明で得られた接着物は従来の製品より高い強度を有するため、ホース、O−リング、パッキン、オイルシール、金属との接着物、ダイヤフラム、ガスケット、大型ゴムロール、複写機用ゴムロール、コンベアベルト、補強ベルト、医療用ゴム製品、電気・電子部品用ゴム製品、建築用ゴム製品、コンピューター製品、自動車製品、バス・トラック製品、飛行機製品など多くの分野に使用することができる。
本発明は、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムとの接着性に優れる架橋反応性固体表面及び該架橋反応性固体表面の製造方法を提供することができる。さらに、本発明は、ゴム、特に硫黄架橋系ゴムと固体材料の接着強度が高い固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例等により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(OH基含有エポキシ樹脂基板の製造)
コロナマスターPS−1M(信光電気計装(株)製、電圧;0〜14kV、周波数;15kHz)を用いて、エポキシ樹脂基板(1.0×30×60mm、(株)大昌電子製)を室温で30秒間表面処理した。固体表面の濡れ性が向上しており、表面にOH基が存在していることが確認できた。
(ゴム架橋配合物の製造)
天然ゴム(NR) 100重量部に対して、SRFブラック(旭#50、旭カーボン(株)製)、ステアリン酸 1重量部添加してバンバリーミキサーで80℃、20分間混合し、その後ロールで10分間ブレンドして、マスターバッチとした。次に、硫黄 1重量部、CBS(架橋促進剤、大内新興化学工業(株)製) 1重量部、酸化亜鉛(ZnO) 5重量部をロール上でブレンドして、ゴム架橋配合物(1)とした。
(架橋反応性固体表面の製造)
表1に示された分子接着剤の2mMエタノール溶液(25℃)に、前記表面処理後のエポキシ樹脂基板を10分間浸漬後、160℃、10分間、送風乾燥機により加熱乾燥した。この固体表面をメタノールで洗浄し、未反応の分子接着剤を除去して、架橋反応性固体表面を得た。
この固体表面をXPSにより分析したところ、S4由来の硫黄に基づくS2pピーク、S4に由来の珪素に基づくSi2pピークがサーベイスペクトルで確認された。また比較のために、未処理のOH基含有エポキシ樹脂基板についてもXPSにより分析したところ、硫黄、珪素に基づく各ピークは確認されなかった。
(架橋反応性固体表面とゴム架橋配合物(1)の接着)
前記架反応性固体表面に前記ゴム架橋配合物(1)からなるシート(30×60×1mm)をのせて、400kgf/cm2の圧力で160℃、30分間熱プレス架橋を行い、エポキシ樹脂基板/NR接着物を得た。得られたエポキシ樹脂基板/NR接着物の90°剥離試験を下記方法により行った。その結果を表1に示す。
<90°剥離試験方法>
得られたエポキシ樹脂基板/NR接着物を24時間放置後、接着物のNR架橋ゴム部分にカッターで幅1cmの切れ目を入れて、剥離強度を20℃、50±5mm/minの速度で引張試験(JIS K−6854(1977))((株)島津製作所製、島津オートグラフAGS−1kND)により測定した。
実施例2〜3、比較例1、2
表1に示す分子接着剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂基板/NR接着物を得、架橋反応性固体表面を得た。この固体表面をXPSにより分析したところ、S4、SH由来の硫黄に基づくS2pピーク、S4、SH、エポキシに由来の珪素に基づくSi2pピークがサーベイスペクトルで確認された。
得られたエポキシ樹脂基板/NR接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例4〜6
表1に示す分子接着剤とトリアジン化合物を、モル比で1:1(分子接着剤:トリアジン化合物)の割合で、2mMエタノール溶液とした以外は、実施例1と同様にして架橋反応性固体表面を得、さらに、該架橋反応性固体表面を用いて、エポキシ樹脂基板/NR接着物を得た。得られたエポキシ樹脂基板/NR接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表1に示す。
この固体表面をXPSにより分析したところ、S4、DA由来の硫黄に基づくS2pピーク、DA、F、DB由来の窒素に基づくN1sピークがサーベイスペクトルから確認された。また比較のために、未処理のOH基含有基板についてもXPSにより分析したところ、サーベイスペクトルのS2pピーク、N1sピークは確認されなかった。
Figure 0005191192
S4:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(ジ、トリスルフィドの混合物)(信越化学工業(株)製、KBE−846)
SH:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−803)
エポキシ:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)
F:1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(三協化成(株)製、ZISNET−F)
DB:1,3,5−トリアジン−2−ジブチルアミノ−4,6−ジチオール(三協化成(株)製、ZISNET−DB)
DA:1,3,5−トリアジン−2−ジアリルアミノ−4,6−ジチチオール
TESN:1,3,5−トリアジン−2−トリエトキシシリルプロピルアミノ−4,6−ジチオールモノナトリウム塩
比較例1では固体表面が架橋反応性になっていないため、架橋接着を行っても接着物は剥離強度を全く示さなかった。また、比較例2では、従来用いられていたTESNで処理をしているが、あまり顕著な効果は得られなかった。しかしながら、実施例1〜3は、比較例2の約3倍、トリアジン化合物を併用した実施例4〜6では更にその1.2〜2.0倍の接着力を示すことがわかった。これにより、固体表面とゴムとが強力に接着していることが分かる。
実施例7〜12、比較例3〜8
(OH基含有基板の製造)
コロナマスターPS−1M(信光電気計装(株)製、電圧;0〜14kV、周波数;15kHz)を用いて、対象基板(エポキシ樹脂基板:1.0×30×60mm、(株)大昌電子製、アルミ基板:1.0×30×60mm、ニラコ製、SUS304:0.1×30×60mm、ニラコ製)を室温で30秒間表面処理した。いずれの固体表面の濡れ性が向上しており、表面にOH基が存在していることが確認できた。
(架橋反応性固体表面の製造)
表2に示された分子接着剤の2mM(mol/L)エタノール溶液、またはトリアジン化合物を含む場合(実施例8、10、12)は、モル比で1:1(分子接着剤:トリアジン化合物)の割合で添加し、2mMエタノール溶液とし、かつ、表2に示す基板にした以外は、実施例1と同様にして架橋反応性固体表面を得た。
実施例7の架橋反応性固体表面をXPSにより分析したところ、S4由来の硫黄に基づくS2pピーク、S4由来の珪素に基づくSi2pピークがサーベイスペクトルで確認された。また、実施例8の架橋反応性固体表面をXPSにより分析したところ、実施例7のピークに加えて、DA由来の窒素に基づくN1sピークがサーベイスペクトルで確認された。また、比較のために、コロナ放電処理をしていないアルミ基板(分子接着剤による処理も無し)の表面をXPSにより分析したところ、N1sピーク、S2pピーク、Si2pピークが確認されなかった(図1参照)。その他の実施例についても実施例7、8と同様のピークが観測された。
(架橋反応性固体表面とゴム組成物の接着)
前記架反応性固体表面に実施例1と同様のゴム架橋配合物(1)からなるシート(30×60×1mm)をのせて、400kgf/cm2の圧力で160℃、30分間熱プレス架橋を行い、各種基板/NR接着物を得た。得られた各種基板/NR接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005191192
表2に示すように、比較例3、5、7では固体表面が架橋反応性になっていないため、架橋接着を行っても接着物は剥離強度を全く示さなかった。また、比較例4、6、8では、従来用いられているTESNで処理をしているが、あまり顕著な効果は得られなかった。しかしながら、実施例7、9、11はTESNの2倍以上、トリアジン化合物を併用した実施例8、10、12では更にその1.1〜4.4倍の接着力を示すことがわかった。これにより、固体表面とゴムとが強力に接着していることがわかる。
実施例13〜20、比較例9〜16
基板として、アルミ基板(1×30×60mm、ニラコ製)を用い、表3に示された分子接着剤の2mMエタノール溶液、またはトリアジン化合を含む場合(実施例14、16、18、20)は、モル比で1:1分子接着剤:トリアジン化合物)の割合で添加し、2mMエタノール溶液とし、かつ、表3に示すゴム架橋配合物(1)〜(4)(表5参照)を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルミ基板/各種ゴム接着物を得た。得られたアルミ基板/各種ゴム接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0005191192
比較例9、11、13、15では固体表面が架橋反応性になっていないため、架橋接着を行っても接着物はほぼはく離強度を示さなかった。また、比較例10、12、14、16では、従来用いられているTESNで処理をしているが、あまり顕著な効果は得られなかった。しかしながら、実施例13、15、17、19はTESNの2倍以上、トリアジン化合物を併用した実施例14、16、18、20では更にその1.1〜1.6倍の接着力を示すことがわかった。これにより、固体表面とゴムが強力に接着していることが分かる。
実施例21〜28、比較例17〜24
表4に示された分子接着剤の2mMエタノール溶液、またはトリアジン化合を含む場合(実施例14、16、18、20)は、モル比で1:1(分子接着剤:トリアジン化合物)の割合で添加し、2mMエタノール溶液とし、かつ、表5に示す各種ゴムコンパウンド(1)、(3)〜(5)(表5参照)を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂基板/各種ゴム接着物を得た。得られたエポキシ樹脂基板/各種ゴム接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0005191192
Figure 0005191192
CBS:(大内新興化学工業(株)製、CZ)
MBTS:(大内新興化学工業(株)製、DM)
TMTD:(大内新興化学工業(株)製、TT)
比較例17、19、21、23では固体表面が架橋反応性になっていないため、架橋接着を行っても接着物はほぼ剥離強度を示さなかった。また、比較例18、20、22、24では、従来用いられているTESNで処理をしているが、あまり顕著な効果は得られなかった。しかしながら、実施例21、23、25、27はTESNの2倍以上、トリアジン化合物を併用した実施例22、24、26、28では更にその1.3〜1.9倍以上の接着力を示すことがわかった。これにより、固体表面とゴムが強力に接着していることが分かる。
実施例29
(架橋反応性固体表面の製造)
実施例1と同様にして得た架橋反応性固体表面をトリアジン化合物(DA)の2mMエタノール溶液に前記表面処理後のエポキシ樹脂基板を40℃で10分間浸漬後、160℃、10分間、送風乾燥機により加熱乾燥した。この固体表面をメタノールで洗浄し、未反応の分子接着剤を除去して、架橋反応性固体表面を得た。
この固体表面をXPSにより分析したところ、DA由来のN1sピークがサーベイスペクトルから確認され、S4とDAの混合溶液で処理した分析値と同様の結果が得られた。
(架橋反応性固体表面とゴム組成物の接着)
前記架反応性固体表面に実施例1と同様のゴム架橋配合物(1)からなるシート(30×60×1mm)をのせて、400kgf/cm2の圧力で160℃、30分間熱プレス架橋を行い、エポキシ基板/NR接着物を得た。得られたエポキシ基板/NR接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0005191192
分子接着剤とトリアジンを利用した接着の方法において、予め混合した溶液を用いる手法と、分子接着剤により反応性固体表面を生成した後、2段階目の反応としてトリアジン処理を行う手法では、表6に示したように接着力に顕著な差異はなく、いずれも良好な結果となった。
実施例30
(架橋反応性固体表面の製造)
(EtO)3SiC36Cl(以下、TESCと言うこともある)の2mMエタノール溶液(25℃)に、前記表面処理後のエポキシ基板を10分間浸漬後、160℃、10分間、送風乾燥機により加熱乾燥した。この固体表面をメタノールで洗浄し、未反応の分子接着剤を除去して、架橋反応性固体表面を得た。この固体表面をXPSにより分析したところ、TESC由来のSi2Pピークがサーベイスペクトルで確認された。続いて、この反応性固体表面をNaSHの20mMエタノール溶液に60℃、3時間浸漬後、水、メタノールで洗浄し、生成した塩化ナトリウム、未反応NaSHを除去して、架橋反応性固体表面を得た。
この固体表面をXPSにより分析したところ、SH由来の硫黄に基づくS2pピークがサーベイスペクトルで確認された。この結果より、実施例2に記載の分子接着剤と同様の架橋反応性固体表面が得られたことがわかる。
(架橋反応性固体表面とゴム組成物の接着)
確認のため、前記架反応性固体表面に実施例2と同様のゴム架橋配合物(1)からなるシート(30×60×1mm)をのせて、400kgf/cm2の圧力で160℃、30分間熱プレス架橋を行い、エポキシ基板/NR接着物を得た。得られたエポキシ基板/NR接着物の90°剥離試験を行った。その結果を表7に示す。
Figure 0005191192
反応性固体表面の製造方法として、末端ハロゲン含有化合物を利用し、2段階の工程を経る方法の検討を行った。結果として、分子接着剤を利用した場合と同様の反応性固体表面が得られることがわかった。
これらの検討結果からわかるように、未処理、あるいは、TESN処理では、充分な接着効果が得られないが、表面を活性化させた後、本発明の分子接着剤で処理することにより顕著に接着力を向上させることができる。また、DA等のトリアジンチオール類化合物を併用することで、ゴム破断をもたらすほどの強い接着力を得ることがわかった。
本発明は、ホース、O−リング、パッキン、オイルシール、金属との接着物、ダイヤフラム、ガスケット、大型ゴムロール、複写機用ゴムロール、コンベアベルト、補強ベルト、医療用ゴム製品、電気・電子部品用ゴム製品、建築用ゴム製品、コンピューター製品、自動車製品、バス・トラック製品、飛行機製品など多くの分野において有用である。
固体表面のXPS測定のチャートを示す。

Claims (8)

  1. 一般式(1):
    [X(YO)3-aSiRZ (1)
    (式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−又は−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SS−、−SSS−又は−SSSS−である。aは0、1又は2、bはである。)
    で表される化合物からなる架橋反応性を示す分子接着剤及び
    一般式(2):
    Figure 0005191192
    (式中、R2 は−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基である。)、M2、M3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHである。)
    で表されるトリアジン化合物を含む分子接着剤組成物。
  2. 一般式(2)で表されるトリアジン化合物のR 2 が−N(C 又は−N(CH CH=CH である、請求項1に記載の分子接着剤組成物。
  3. 一般式(1):
    [X(YO)3-aSiRZ (1)
    (式中、X、Yは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基であって、アルキレン基には−NH−、−CO−、−O−、−S−、−COO−又は−C64−を含んでいてもよい。Zは、−SS−、−SSS−又は−SSSS−である。aは0、1又は2、bはである。)
    で表される化合物からなる架橋反応性を示す分子接着剤及び
    一般式(2):
    Figure 0005191192
    (式中、R2 は−NR45(R4、R5はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基である。)、M2、M3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、アルカリ金属又はHである。)
    で表されるトリアジン化合物を含む分子接着剤組成物を含む溶液と、表面にOH基を有する固体表面とを接触させる工程、分子接着剤を含む溶液と接触した固体表面を加熱する工程を含む架橋反応性固体表面の製造方法。
  4. 固体表面をコロナ放電処理することによって、前記OH基を有する固体表面を得る工程を含む、請求項3記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
  5. 固体表面が、金属、セラミックス又は高分子の固体表面である請求項3又は4に記載の架橋反応性固体表面の製造方法。
  6. 請求項3又は4に記載の架橋反応性固体表面の製造方法によって得られる架橋反応性固体表面。
  7. 請求項3又は4に記載の架橋反応性固体表面の製造方法によって得られる架橋反応性固体表面を有する固体材料の架橋反応性固体表面とゴム架橋配合物を接触及び加熱圧着する工程を含む固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法。
  8. ゴム架橋配合物が、ゴム材料、充填剤、架橋剤、架橋促進剤及び金属活性剤を含む配合物である請求項記載の固体材料−ゴム架橋接着物の製造方法。
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