JP5189519B2 - 脂溶性ビタミン類含有密封容器詰飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脂溶性ビタミン類を含有する密封容器詰飲料およびその製造方法ならびに密封容器に充填された飲料における脂溶性ビタミン類の安定化方法に関する。
ビタミン類は、それ自身が身体を構成している成分でもなく、また、エネルギー源でもないが、このものは、健全な活動を営むために欠くことのできない酵素作用、代謝調節作用、生理作用等と極めて重要な関係を有していることが古くから知られている。従って、これらのビタミン類を適切に摂取することは、健康を保持・増進する上で極めて重要であり、近年の健康志向の高まりも伴って、これを意図的に補うためビタミン類を含有させた各種飲食品が数多く提案されている。
ビタミン類は、ビタミンA、D、E等の脂溶性ビタミン類とビタミンB、C等の水溶性ビタミン類とに分けられるが、脂溶性ビタミン類は、プラスチックに吸着されやすいことが報告されており、そのため脂溶性ビタミン類を各種飲食品に配合し、プラスチック容器に充填して長期間保存すると、脂溶性ビタミン類が容器に吸着され、経時的に脂溶性ビタミン類の含有量の低下が生じるという問題があった。
このような脂溶性ビタミン類の容器への吸着を防止する手段としては、アクリロニトリル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体などを内側に積層したガラス容器、アルミニウム包材を用いることを特徴とする吸着防止方法(特許文献1)、脂溶性ビタミン類を含有する組成物を充填する容器において、組成物と接する部分にポリエチレンナフタレートを含むプラスチックを使用することを特徴とする吸着防止方法(特許文献2)などが報告されている。しかし、容器に特殊な加工を施すことはコストアップ要因となり好ましくない。
一方、本出願人等は、容器に手を加えないで脂溶性ビタミン類の容器への吸着を防止する手段として、ポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンを脂溶性ビタミン類を含有する容器詰飲料に添加することによる脂溶性ビタミン類の安定化方法(特許文献3)を報告している。ところが、レシチンは製品の風味に影響を与えることがあるため、その使用量は制限しなければならない場合があり、更なる改善が求められていた。
特開平1−149724号公報 特開平10−85304号公報 特開平2008−22774号公報
本発明の課題は、風味等を損なうことがなく、プラスチック製容器または内面をプラスチックコーティングした容器内面への脂溶性ビタミン類の吸着が十分に抑制された密封容器詰飲料およびその製造方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明者等が鋭意検討を行った結果、脂溶性ビタミン類を含有する飲料に、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを単独で添加し、密封容器に充填することにより、風味を損なうことなく、脂溶性ビタミン類の容器内面への吸着を容易に抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)脂溶性ビタミン類と、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを含有することを特
徴とする密封容器詰飲料、
(2)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸が、オレイン酸であ
る前記(1)記載の密封容器詰飲料、
(3)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4
以上である前記(1)または(2)に記載の密封容器詰飲料、
(4)脂溶性ビタミン類と、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを、飲料に配合しう
る任意の成分と共に混合し、得られた飲料を密封容器に充填することを特徴とする
密封容器詰飲料の製造方法、
(5)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸が、オレイン酸であ
る前記(4)に記載の密封容器詰飲料の製造方法、
(6)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4
以上である前記(4)または(5)に記載の密封容器詰飲料の製造方法、
(7)脂溶性ビタミン類を含有する飲料に、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを添加
することを特徴とする密封容器に充填された飲料における脂溶性ビタミン類の安定
化方法、
(8)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸が、オレイン酸であ
る前記(7)に記載の密封容器に充填された飲料における脂溶性ビタミン類の安定
化方法、
(9)ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4
以上である前記(7)または(8)に記載の密封容器に充填された飲料における脂
溶性ビタミン類の安定化方法、
からなる。
本発明の密封容器詰飲料は、保存安定性に優れ、例えば、37℃で1ヶ月保存した後においても、風味等を損なうことなく、飲料中の脂溶性ビタミン類の約50%以上が残存している。
また、本発明の密封容器詰飲料の製造方法によれば、保存による経時的な脂溶性ビタミン類の減少が抑制された風味良好な脂溶性ビタミン類を含有する密封容器詰飲料を得ることができる。
更に、本発明の密封容器に充填された飲料における脂溶性ビタミン類の安定化方法によれば、保存による経時的な脂溶性ビタミン類の減少を抑制することができる。
本発明の密封容器詰飲料(以下、「本発明飲料」という)は、脂溶性ビタミン類と、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを含有するものである。本発明飲料の形態としては特に制限はなく、炭酸飲料、果汁または果実入り飲料、野菜ジュース、ニアウォーター、スポーツ飲料等の清涼飲料水、発酵乳、乳酸菌飲料、乳性飲料、その他、生乳や発酵乳等の酸乳を乳成分として含有する飲料、飲用時に希釈する濃縮タイプの飲料等を例示することができる。
本発明飲料に用いられる脂溶性ビタミン類としては、通常飲食品に配合することが認められているビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ユビキノン等やこれらの誘導体を例示することができる。脂溶性ビタミン類の具体例としては、レチノール、3−デヒドロレチノール、レチナール、3−デヒドロレチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノイン酸およびこれらの酢酸エステルまたはパルミチン酸エステル等の誘導体等のビタミンA類、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェノールおよびこれらの硫酸エステル等の誘導体等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、σ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、σ−トコトリエノールおよびこれらの酢酸エステルまたはニコチン酸エステルもしくはリン酸エステル等の誘導体等のビタミンE類、フィロキノン、メナキノン、メナジオン等のビタミンK類、ユビキノンの有するイソプレン残基数が1〜12のユビキノン等をそれぞれ挙げることができる。これら脂溶性ビタミン類は、市販のものでも、天然物より公知の方法で抽出精製して得たものであっても、また、公知の方法で化学合成して得たものであっても、さらには、微生物等を用いる発酵法によって得たものであっても何れであってもよい。なお、上記脂溶性ビタミン類は水に不溶であるため、脂溶性ビタミン類に、水、グリセロール、プロピレングリコール、乳化剤(アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等)等を添加して、例えば高速攪拌乳化機、超音波ホモゲナイザー、高圧ホモゲナイザー、超高圧ホモゲナイザー等を用いて常法によって乳化した乳化液の形態またはその乾燥物の形態等とした製剤を利用しても良い。
本発明飲料に用いられる脂溶性ビタミン類を選択するにあたっては、当該飲料の商品コンセプト等を考慮して適宜選択すればよく、特に制限されない。例えば、カルシウムや同成分を豊富に含む乳成分を配合したカルシウム強化を目的とする飲料においては、生体内におけるカルシウムの代謝に深く関与していることが知られている脂溶性ビタミンであるビタミンD類を配合すればよい。本発明飲料に含有させる脂溶性ビタミン類は、単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明飲料中に添加される脂溶性ビタミン類の量は、特に限定されず、脂溶性ビタミン類の種類によって適宜選択して設定すればよい。例えば、脂溶性ビタミン類としてビタミンD類を配合する場合であれば、製品100gあたり上記ビタミンD成分として約0.02μg〜10.0μg、好ましくは、約0.4μg〜5.0μgとすればよい。また、ビタミンA類を配合する場合であれば、製品100gあたり上記ビタミンA成分として約2μg〜1200μg、好ましくは約38μg〜600μgとすればよい。
本発明飲料に用いられるポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステルである。具体的に、前記ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、平均重合度が4以上、特に平均重合度が5のペンタグリセリンが好ましい。ここで平均重合度とは、次式1から算出される値である。
[式1]
水酸基価=56110(n+2)/(74n+18) n:平均重合度
なお、水酸基価とは、試料1gを完全にアセチル化するのに要する酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいい、社団法人日本油化学会編纂「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。
また、前記ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸としては、直鎖状または分岐状のいずれであってもよく、炭素数12〜18の不飽和脂肪酸が挙げられ、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が例示される。これらの中でも特にオレイン酸が好ましい。更に、本発明のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルはポリグリセリンと不飽和脂肪酸のモノエステルであることが好ましい。なお、不飽和脂肪酸として、種々の不飽和脂肪酸の混合物も使用することもでき、その場合には、少なくともオレイン酸を含有するものであれば特に限定されないが、好ましくはオレイン酸が不飽和脂肪酸全体に対して70質量%(以下、単に「%」という)以上、さらに90%以上のものが好ましい。
上記ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、エステル化反応等公知の方法に従い製造することができるが、例えば、サンソフトA−171E(ペンタグリセリンモノオレイン酸エステル:太陽化学社製)、サンソフトQ−17S(デカグリセリンモノオレイン酸エステル:太陽化学社製)、サンソフトQ−17F(ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル:太陽化学社製)等の市販の製品を利用することもできる。
本発明飲料中に添加されるポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの量は、特に限定されないが、通常約0.001%〜1.0%、好ましくは約0.01%〜0.10%である。
さらに、本発明飲料には、脂溶性ビタミン類の劣化を抑制する目的で、各種既存の抗酸化作用を有する物質を配合することができる。この抗酸化作用を有する物質としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられ、特にアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどが好ましい。本発明飲料中に添加される抗酸化作用を有する物質の量は、特に限定されないが、通常約0.01%〜0.07%程度、好ましくは約0.01%〜0.05%程度とすればよい。
本発明飲料を製造するための配合順序や配合方法には特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。すなわち、本発明飲料は脂溶性ビタミン類と、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを飲料の製造に必要な任意成分と適宜混合し、殺菌し、密封容器に充填することにより製造することができる。
本発明飲料に添加される不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、通常、食品用乳化剤として利用されることが一般的であり、脂溶性ビタミン類の水への溶解性を良くするために行う乳化処理用の原料として使用することも可能である。従って、これを本発明飲料に配合するにあたり、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルの全部またはその一部を事前に脂溶性ビタミン類と混合して乳化処理をしておいてもよい。
なお、本発明飲料の脂溶性ビタミン類の容器内面への吸着を阻害する効果は、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを配合するだけでも得られる。そのため本発明飲料は、作業性の煩雑さがない等の点から脂溶性ビタミン類と、不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを任意成分と共に混合して製造することが好ましい。
本発明飲料に配合しうる任意成分としては、各種食品素材、例えば、糖質、糖アルコール、高甘味度甘味料、増粘(安定)剤、乳化剤、乳製品、酸味料、果汁、水溶性ビタミン、ミネラル分、フレーバー類等を挙げることができる。食品素材について、より具体的には、ショ糖、グルコース、フルクトース、異性化糖、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、麦芽糖等の糖質;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール;スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料;寒天、ゼラチン、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類、アルギン酸プロピレングリコール等の各種増粘(安定)剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤;脱脂粉乳、全粉乳、発酵乳、牛乳、クリーム、バター、サワークリームなどの乳製品;クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の酸味料;ざくろ果汁、梅果汁、あんず(アプリコット)果汁、オレンジ果汁、りんご果汁、ベリー系果汁等の果汁;ビタミンB類、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸等の各種水溶性ビタミン類;カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン等のミネラル分;ヨーグルト系、ベリー系、オレンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系、アップル系、ミント系、グレープ系、アプリコット系、ペア、カスタードクリーム、ピーチ、メロン、バナナ、トロピカル、ハーブ系、紅茶、コーヒー系等のフレーバー類を挙げることができる。
本発明飲料が充填される密封容器としては、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの形態が挙げられる。特に、本発明飲料は、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器に充填した場合に、脂溶性ビタミン類の容器内面への吸着を抑制する顕著な効果を得ることができる。
具体的に、密封容器として金属缶を用いる場合の製造方法としては、脂溶性ビタミン類と不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを必要に応じた任意成分に混合溶解して飲料を調製した後、容器に充填し、食品衛生法に定められた殺菌条件で殺菌を行う方法が挙げられる。また、密封容器としてPETボトルや紙容器を用いる場合の製造方法としては、脂溶性ビタミン類と不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを必要に応じた任意成分に混合溶解して飲料を調製した後、HTST(High Temperature Short Time)殺菌機などを用いて加熱殺菌し、容器に充填して密封する方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等になんら制約されるものではない。
実 施 例 1
密封容器詰飲料の調製:
果糖ぶどう糖液糖(H−100;日本食品化工社製)120g、発酵乳(ヤクルト本社製)17g、脱脂粉乳(よつ葉乳業社製)6g、無水クエン酸(純正化学社製)1.5g、大豆多糖類(SM−1200;三栄源エフ・エフ・アイ社製)1.5g、香料(ヤクルトマテリアル社製)1.5gおよびビタミンD製剤(ドライD−S50T;理研ビタミン社製)0.016gに、表1に示す乳化剤を混合し、さらに、精製水を加え全量を1000gとした。次いで、均質化機(H20型;三和機械社製)により15MPaの条件で均質化を行った後、HTST殺菌機(モデル25HV;Micro Thermics社製)により90℃で10秒間殺菌処理を行い、直ちに冷却して飲料を得た。
上記で得られた飲料を内面がポリエチレンでコーティングされた紙容器(日本紙パック社製)に空気が入らないように無菌的に充填した後、ヒートシールし、密封容器詰飲料(実施品1、2および比較品1、2)を得た。これらの密封容器詰飲料について、製造直後と37℃で1ヶ月間保存後の飲料中のビタミンD含量の測定を行った。その結果も表1に示した。なお、ビタミンD含量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(LC−10Aシリーズ;島津製作所社製)を用いて常法により行った。
Figure 0005189519
表1に示したとおり、脂溶性ビタミンであるビタミンDと、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとを含有させた密封容器詰飲料(実施品1および2)は、37℃で1ヶ月保存によるビタミンDの含有量の低下が抑制された。一方で、脂溶性ビタミンであるビタミンDと、飽和脂肪酸であるステアリン酸を構成脂肪酸とするポリグリセリン飽和脂肪酸エステルを含有させた密封容器詰飲料(比較品1)には、ビタミンDの含有量の低下を抑制する効果は認められなかった。また、実施品1および2について、37℃で1ヶ月保存後に風味評価を行ったところ、何れも良好な風味を有していた。
本発明によれば、脂溶性ビタミン類を含有する密封容器詰飲料の保存による経時的な脂溶性ビタミン類の減少を抑制することができる。
従って、本発明は健康を保持・増進する上で極めて重要な脂溶性ビタミン類を補うための飲料に利用することができる。

以 上

Claims (3)

  1. ビタミンDと、ペンタグリセリンモノオレイン酸エステルとを含有し、レシチンを含有せず、内面がポリエチレンでコーティングされた紙容器に充填されていることを特徴とする密封容器詰飲料。
  2. ビタミンDと、ペンタグリセリンモノオレイン酸エステルとを、飲料に配合しうる任意の成分と共に混合し、レシチンを含有せず、得られた飲料を内面がポリエチレンでコーティングされた紙容器に充填することを特徴とする密封容器詰飲料の製造方法。
  3. ビタミンDを含有し、レシチンを含有しない飲料に、ペンタグリセリンモノオレイン酸エステルを添加することを特徴とする、内面がポリエチレンでコーティングされた紙容器に充填された飲料におけるビタミンD容器内面への吸着抑制方法。

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