JP5187052B2 - 光通信ネットワークシステム、中央局装置、端末装置、及び、同期確立・追従方法 - Google Patents

光通信ネットワークシステム、中央局装置、端末装置、及び、同期確立・追従方法 Download PDF

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Description

本発明は、光通信ネットワークシステム、中央局装置、端末装置、及び、同期確立・追従方法に関し、例えば、中央局装置と複数の端末装置との間で時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)方式を利用しているPON(Passive Optical Network)に適用し得るものである。
ブロードバンド通信の実現により、低コスト、かつ、高速、高品質な通信を提供するアクセスネットワークが出現している。特に、伝送媒体を光にすることで、安価に加入者宅でブロードバンドコンテンツが利用できる加入者系光通信システムが注目されている。これらは、コアネットワークから各加入者側までを従来の電気信号に変わる光信号を用いて配信するネットワークであり、これまでに、様々な多重方式を用いた光アクセスネットワークが提案されている。従来の光アクセスネットワークでは、動的帯域割り当て方式を採用したシステムが主流となっている。しかしながら、近年のIP統合化の流れから、IPネットワーク上で放送型コンテンツを送受信する機会も増加傾向にあり、P2Pに代表されるように、ホストが単一でサーバ、クライアントの役割を果たすアプリケーションの出現により、各ホスト間でのトラヒック量も増加傾向であるため、固定帯域割り当て方式の重要性は不変であると考えられる。また、動的帯域割り当てを採用したシステムでは、複雑なスケジューリングを常に行う必要があるため、システム構築のコストが課題となっている。
双方向光アクセスネットワークの一例として、特許文献1に記載のもの(PON)を挙げることができる。この文献に記載のネットワークは、局側装置と、複数の伝送路の中の一つの伝送路を介して局側装置と信号の送受を行う加入者側装置とを有し、加入者側装置が、現在どの伝送路を使用しているかを表す運用系情報及び予備系における故障を表す予備系状態情報を局側装置に送信する伝送路情報送信手段を備え、前記局側装置が、前記運用系情報及び予備系状態情報を受信し、伝送路の状態を監視する伝送路監視手段を備えている。特許文献1における「実施形態」で挙げられているネットワーク構成は、局側装置と複数の光加入者線終端部とをスターカプラを介して接続した構成であり、下り信号の多重方式にTDMを適用し、上りバースト信号の多重方式にTDMA(Time Division Multiple Access)を適用し、双方向伝送方式にTCM(Time Conpression Multiplexing)を適用している光バースト信号多重伝送システムであって、光伝送路を2重化した構成となっている。現在、このように、局側装置と複数の光加入者線終端部とをスターカプラを介して接続する光ネットワークは、PONと呼ばれており、特に、一芯双方向PONは、低コストでFTTH(Fiber To The Home)を実現することができるため、近年盛んに研究されている。
以下では、特許文献2、非特許文献1及び特許文献3に記載のものを説明する。
特許文献2では、双方向をTDM方式により実現したPONが提案されている。このシステムは、システムを構成するONU(Optical Network Unit)を高速化せずに、従来のPONを利用した光アクセスネットワークシステムと互換性を持たせたまま、下り信号の容量を増大させることを可能としている。
非特許文献1では、近年注目を浴びているTDM方式による光アクセスネットワークシステムとして、GE−PONを用いたシステムが述べられている。このGE−PONでは、下り信号として、OTDM(Optical Time Division Multiplexing)信号をOLT(Optical Line Terminal)から同報配信し、各ONUにおいて、専用のヘッダに基づいて自己宛の受信信号が識別される。上り光信号に対しては、空き帯域の有効利用の観点からTDMAが用いられており、ONUからの送信パケットの衝突回避のために、伝送路が規定される物理レイヤよりも上位レイヤに位置するMPCP(Multi Point Control Protocol)を用いて帯域スケジューリングが行われる。さらに、ONUからの上り信号が最大時においても収容可能なように、動的な帯域割り当て制御が行われる。この動的な帯域割り当ては、MPCPよりもされに上位レイヤに位置するDBA(Dynamic Bandwidth Allocation)アルゴリズムを利用して行なわれる。
特許文献3では、タイムスロットの同期確立が不要なWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式によるPONが提案されている。このシステムは、チャネル毎に異なる波長が割り当てられており、このため、各チャネルは、上述のTDMに基づくPONにおけるような同期の確立を必要とせず、独立に上り信号と下り信号とを同一のピットレートに設定することが可能であり、そのため、システムの構成が、TDMに基づくPONに比較して簡単になる。さらに、このWDM−PONによる光アクセスネットワークシステムは、上り用の搬送光を生成する光源をOLTに配置しているため、ONU毎に上り用の搬送光を生成する光源を配置する必要がないという利点を有する。
特開2000−49702号公報 特開平11−298430号公報 特開2004−222255号公報 「GE−PON技術,第3回DBA機能」、NTT技術ジャーナル2005年10月号、pp.67−70
しかしながら、特許文献2に記載の光アクセスネットワークシステムは、予めPONを構成する光分岐合成器(スターカプラ)から各ONUまでの正確な距離を確定させて、事前に上り信号のタイムスロットをそれぞれOLTで認識できるようにするための同期確立を行うためのパラメータ設定などが必要である。
また、非特許文献1の記載技術が動的な帯域割り当てで採用しているDBAアルゴリズムは、非常に複雑なソフトウエア制御が必要とされているものである。
さらに、特許文献3の記載技術では、ONUの数だけの光源をOLTに用意する必要があり、豊富な波長資源が必要となる。豊富な波長資源を確保するには、精密に波長制御された、複数の波長光源を用意する必要があり、実用上コストの顕在化が課題となる。
そのため、上述した種々の課題を解決できる光通信ネットワークシステム、中央局装置、端末装置、及び、同期確立・追従方法が望まれている。
第1の本発明は、中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおいて、(1)上記中央局装置は、(1−1)上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、(1−2)上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有し、(2)上記各端末装置は、(2−1)受信した信号から自装置への位相情報信号を分離する位相情報信号抽出手段と、(2−2)分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させる上り信号タイミング制御手段と、(2−3)分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させる位相情報信号返信手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明は、中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、上記中央局装置において、(1)上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、(2)上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有することを特徴とする。
第3の本発明は、中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、いずれかの上記端末装置において、(1)対向する上記中央局装置が、上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有するものであり、(2)当該端末装置が、(2−1)受信した信号から自装置への位相情報信号を分離する位相情報信号抽出手段と、(2−2)分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させる上り信号タイミング制御手段と、(2−3)分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させる位相情報信号返信手段とを有することを特徴とする。
第4の本発明は、中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、上記各端末装置からの上り光信号を同期させる同期確立・追従方法において、(1)上記中央局装置は、(1−1)上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行うと共に、(1−2)上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させ、(2)上記各端末装置は、(2−1)受信した信号から自装置への位相情報信号を分離し(2−2)分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させると共に、(2−3)分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させることを特徴とする。
本発明によれば、チャネル毎に異なる光源により上り信号の波長を割り振る必要がなく、波長資源を節約でき、また、各チャネルを独立に駆動できる上り方向のスロットの制御により、外乱の影響によりずれる可能性のあるスロット位置を、常に所望のスロット位置に保つことが可能となる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による光通信ネットワークシステム、中央局装置、端末装置、及び、同期確立・追従方法を、加入者系光通信システムに適用した一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
この実施形態の光通信ネットワークシステムは、OLTとONUの間で各上り信号のスロット間の位相整合性を恒常的に保つために、OLTとONUとの間で、位相同期ループ(PLL)を構成し、同期を確立し、その後の位相変化に追従させるようにし、双方向OTDMによるPONシステムを実現するものである。
(A−1)実施形態の構成
図2は、実施形態の光通信ネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2において、実施形態の光通信ネットワークシステム100は、交換機101及びOLT102を有する局側設備(基幹側設備;中央局)と、加入者側設備である複数(図2は4個の場合を示している)ONU104−1〜104−4と、光スプリッタ103とを有している。光通信ネットワーク面から見ると、OLT102が上位ノード、光スプリッタ103が中位ノード、ONU104−1〜104−4が下位ノードとなっている。OLT102と光スプリッタ103との間は、1本の光ファイバ105を介して接続されており、各ONU104−1〜104−4と光スプリッタ103との間もそれぞれ、1本の光ファイバ106−1〜106−4を介して接続されている。各光ファイバ105、106−1〜106−4はそれぞれ、1本で上り方向(下位ノードから上位ノードへの方向)の信号(以下、適宜、上り信号と呼ぶ)及び下り方向(上位ノードから下位ノードへの方向)の信号(以下、適宜、下り信号と呼ぶ)を伝送するものでする。
ここで、交換機101は、図示しない装置などから与えられたONU104−1〜104−4を有する加入者装置への下り信号を、TDM信号のスロットに挿入してOLT102に与えたり、OLT102から与えられた上り信号を宛先に応じて交換処理したりするものである。
図1は、この実施形態のOLT102の内部構成を示すブロック図である。図1において、OLT102は、3個の第1のCW光源201、203、205、2個の第1の変調部202、204、サーキュレータ206、クロック抽出器207、位相比較部208、バンドパスフィルタ209、O/E変換器210、合波器211及び分岐器212を有する。第1のCW光源201、203、205、2個の第1の変調部202、204、クロック抽出器207、位相比較部208及び合波器211は送信系の構成要素であり、バンドパスフィルタ209及びO/E変換器210は受信系の構成要素であり、サーキュレータ206は送信系と受信系とを切り分ける構成要素である。なお、分岐器212は受信系の情報を送信系に反映させるために設けられている。
クロック抽出器207は、対向する各ONU104−1〜104−4への送信データが各ONU104−1〜104−4によって定まっているスロットに挿入されている下り方向のTDM信号(時分割信号)から、クロック(以下、ベースバンドクロック若しくは基準クロックと呼ぶ)を抽出し、第2の変調部204及び位相比較部208に与えるものである。
第2のCW光源203は、対向する各ONU104−1〜104−4において、下り信号を分離する際に必要となる光クロックパルスを生成するための波長λ1のCW光(連続光)を形成し、後述する図3に示す内部構成を有する第2の変調部204に与えるものである。第2の変調部204は、クロック抽出器207で抽出されたベースバンドクロックを変調信号として、第2のCW光源203から出力されたCW光を変調し、短パルス列を生成するものである。
第1のCW光源201は、下り信号用搬送波となる、波長λ0のCW光を形成し、後述する図5に示す内部構成を有する第1の変調部202に与えるものである。第1の変調部202は、下り方向のTDM信号を変調信号として、第1のCW光源201から出力されたCW光を変調し、OTDM信号を得るものである。また、第1の変調部202は、各ONU104−1〜104−4から受信した各々の上り信号のタイミング制御に関する信号S208−1〜208−4を波長λ0のCW光(搬送波)に対して重畳するものである。
第3のCW光源205は、各ONU104−1〜104−4において上り信号を重畳するための搬送波となる波長λ2のCW光(連続光)を形成するものである。
合波器211は、第2の変調部204からの波長λ1の出力光、第1の変調部202からの波長λ0の出力光、第3のCW光源205からの波長λ2の出力光を合波するものである。サーキュレータ205は、合波器211からの合波信号を、光スプリッタ103と接続されている光ファイバ105へ送出するものである。また、サーキュレータ205は、光ファイバ105からの入射光(上り信号)を分岐器212に与えるものである。分岐器212は、サーキュレータ205からの光信号を2分岐し、後述する図4に示す内部構成を有する位相比較部208及びバンドパスフィルタ209に与えるものである。
位相比較部208は、上り信号に基づいて各ONU104−1〜104−4から受信した位相情報を得、この位相情報と、各ONU104−1〜104−4に共通な基準クロック内における各スロットの位相差を検出して、第1の変調部202へ出力するものである。
バンドパスフィルタ209は、分岐器212からの光信号から上り信号の成分のみを抽出するものであり、O/E変換器210は、抽出された上り信号(光信号)を電気信号に変換して、上位側、すなわち、交換機101へ送出するものである。
図3は、第2の変調部204の内部構成を示すブロック図である。図3において、第2の変調部204は、遅延器301及び短パルス生成器302を有する。遅延器301は、クロック抽出器207からのベースバンドクロックS207−1を遅延させて、下りOTDM信号のあるスロットに同期させるためのものである。短パルス生成器302は、同期化されたクロックに基づいて、第2のCW光源203から出力されたCW光を変調し、短パルス列を生成するものである。
図4は、位相比較部208の内部構成を示すブロック図である。図4において、符号末尾の「−1」はOTDM信号における第1スロット(ここでは第1チャネル用とする)に関係する要素であることを表しており、同様に、「−2」、「−3」、「−4」はそれぞれOTDM信号における第2、第3、第4スロット(ここでは第2、第3、第4チャネル用とする)に関係する要素であることを表している。
図4において、位相比較部208は、遅延器401−2〜401−4、波長分波器402、O/E変換器403−1〜403−4、分周器404−1〜404−4、位相比較器405−1〜405−4、ローパスフィルタ406−1〜406−4、VCO(電圧制御型発振器)407−1〜407−4及び周波数逓倍器408−1〜408−4を有する。各チャネル用の構成は、下り信号で指示された、ONUにおける上り信号の送信タイミングでの送信をも考慮すると、位相同期ループ(PLL)の動作を実現するための構成となっている。
遅延器401−2〜401−4はそれぞれ、下りOTDM信号から抽出されたベースバンドクロックに対して、当該遅延器によって定まっている所定時間だけ遅延させるものである。例えば、遅延器401−2は、1/4ビット期間(例えば、各チャネルに割り当てられたタイムスロットの最小単位(期間)を、ここでは1/4ビット期間とする)だけ遅延させ、遅延器401−3は、2/4ビット期間だけ遅延させ、遅延器401−4は、3/4ビット期間だけ遅延させる。このようなベースバンドクロックの遅延により、上り信号における各チャネルのスロットが受信されるべきタイミングに合わせ込むようにしている。なお、上り信号における第1チャネルのスロットが受信されるべきタイミングは、ベースバンドクロックに合っているので、第1チャネル用の遅延器は設けられていない。
波長分波器402は、各ONU104−1〜104−4からの、所望の位相情報が重畳された上り信号のスペクトル成分を抽出し、各ONU104−1〜104−4に対応した成分毎に分離するものである。O/E変換器403−1〜403−4はそれぞれ、波長分波器402から出力された、対応するONU104−1〜104−4からの光信号(対応するONU104−1〜104−4からの位相情報が重畳された信号)を電気信号に変換し、対応する分周器404−1〜404−4に与えるものである。分周器404−1〜404−4はそれぞれ、自己に割り当てられている分周比に従って、対応するO/E変換器403−1〜403−4からの信号を分周し、対応する位相比較器405−1〜405−4に与えるものである。分周器404−1〜404−4はそれぞれ、後述する周波数逓倍器408−1〜408−4と対応している。例えば、分周器404−1の分周比が1/N1であれば、周波数逓倍器408−1の逓倍数はN1である。
なお、図4では、ベースバンドクロックの経路に遅延器を介在させて、位相比較器405−1〜405−4で比較される2つの信号のタイミングを合わせるものを示したが、ベースバンドクロックの経路ではなく、上り信号の成分の経路に遅延器を介在させて、位相比較器405−1〜405−4で比較される2つの信号のタイミングを合わせるようにしても良い。
位相比較器405−1〜405−4はそれぞれ、対応するO/E変換器403−1〜403−4からの位相情報が重畳された信号と、対応する遅延器401−2〜401−4(但し、第1チャネルについてはクロック抽出器207が該当する)からのベースバンドクロックが該当する基準信号との位相比較を行い、位相差を表す信号を対応するローパスフィルタ406−1〜406−4に出力するものである。位相比較器405−1〜405−4として、例えば、アナログ乗算器(ミキサ)を適用でき、正弦波ベースで位相差を表す信号が出力される。ローパスフィルタ406−1〜406−4はそれぞれ、ループフィルタとして設けられているものであり、対応する位相比較器405−1〜405−4からの位相差を表す信号から、高域成分を除去して直流的な成分を取り出し、制御電圧として対応するVCO407−1〜407−4に与える。VCO407−1〜407−4はそれぞれ、設定された帯域内で、対応するローパスフィルタ406−1〜406−4からの制御電圧に応じた周波数を有する発振信号を出力する。周波数逓倍器408−1〜408−4はそれぞれ、対応するVCO407−1〜407−4からの発振信号の周波数は所定倍して、後述する対応する増幅器505−1〜505−4に与える。各周波数逓倍器408−1〜408−4における逓倍数は、後述するようにそれぞれ異なっている。
以上のような、2つの信号の位相を比較し、位相差に応じて、発振信号の周波数を制御するという動作は、いわゆる位相同期ループ(PLL)の動作と同様である。
図5は、第1の変調部202の内部構成を示すブロック図である。図5において、符号末尾の「−1」、「−2」、「−3」、「−4」はそれぞれ、OTDM信号における第1、第2、第3、第4スロットに関係する要素であることを表している。
図5において、第1の変調部202は、分岐用光カプラ501、下り信号用変調器502、合成用光カプラ503、バンドパスフィルタ504−1〜504−4、増幅器505−1〜505−4、及び、位相変調器506−1〜506−4を有する。
光カプラ501は、下り用搬送波光源である第1のCW光源201からの波長λ0のCW光(下り用搬送波)を、ONU数+1(1は下り信号用)に分岐し(すなわち、5分岐し)、下り信号用変調器502、及び、位相変調器506−1〜506−4に与えるものである。
変調器502には、変調信号として下り方向へのTDM信号が与えられており、変調器502は、光カプラ501からの下り用搬送波をTDM信号に応じて変調し、変調後の光信号(OTDM信号)を合成用光カプラ503に与える。変調器502によるTDM信号に応じた変調の方式は任意であるが、例えば、強度変調を適用することができる。
増幅器505−1〜505−4はそれぞれ、位相比較部208内の対応する周波数逓倍器408−1〜408−4(図4参照)からの出力信号(位相情報)を増幅して、対応する位相変調器506−1〜506−4に変調信号として与えるものである。位相変調器506−1〜506−4はそれぞれ、光カプラ501からの下り用搬送波を、対応する増幅器505−1〜505−4からの出力信号(位相情報)に応じて位相変調し、位相変調後の光信号を、対応するバンドパスフィルタ504−1〜504−4に与えるものである。バンドパスフィルタ504−1〜504−4はそれぞれ、後述するような他チャネルとは異なる通過帯域に選定されているものであり、対応する位相変調器506−1〜506−4からの位相変調後の光信号の帯域を制限して合成用光カプラ503に与える。
合成用光カプラ503は、変調器502からの下り信号(OTDM信号)と、バンドパスフィルタ504−1〜504−4からの位相情報を反映させた光信号とを合波して出力するものである。
図6は、あるONU104−i(iは1〜4)の内部構成を示すブロック図であり、他のONUも同様な構成を有している。すなわち、図6は、第iチャネル(第iスロット)が割り当てられているONU104−iの内部構成を示している。
図6において、ONU104−iは、サーキュレータ801、波長分波器802、O/E変換器803、信号分離部804、O/E変換器805、遅延器806、O/E変換器807、分周器808、短パルス生成器809、増幅器810、変調器811、タイミング制御手段812、分岐器813及び合波器814を有する。
サーキュレータ801は、光スプリッタ103と接続されている光ファイバ106−iからの信号を波長分波器802に与えると共に、合波器814からの信号を光ファイバ106−iに送出するものである。
波長分波器802は、波長が異なる4種類の成分を分波するものである。波長分波器802は、波長λ0に係る下り方向のOTDM信号をO/E変換器803に与える。波長分波器802は、波長λ1に係る光クロックパルスをO/E変換器805に与える。波長分波器802は、波長λ2に係る上り信号用搬送波をパルス生成器809に与える。波長分波器802は、OLT102の第1の変調部202内の当該ONU104−iに係る第iチャネル用のバンドパスフィルタ504−iの通過帯域に応じた波長成分を有する位相情報に係る信号については分岐器813に与える。
O/E変換器805は、到来した光クロックパルスを電気信号に変換するものであり、遅延器806は、1/4ビット期間の(i−1)倍の期間だけ、電気信号に変換されたクロックを遅延させて信号分離部804に与えるものである。当該ONU104−iが、第1チャネルに係るものであれば、遅延器806を省略することができる。O/E変換器803は、到来した下り方向のOTDM信号を電気信号に変換して信号分離部804に与えるものであり、信号分離部804は、遅延器806からのクロックに基づいて、下り方向のTDM信号から、当該ONU104−iに係る第iチャネルの信号を取り出して出力するものである。
分岐器813は、波長分波器402から与えられた位相情報に係る信号を2分岐し、一方をO/E変換器807に与え、他方を合波器814に与えるものである。サーキュレータ801及び波長分波器802を順次介して分岐器813に与えられ、その後、分岐器813から合波器814に与えられ、さらに、サーキュレータ801を介してOLT102に向かう経路により、上述した位相同期ループが形成されたものとなる。
O/E変換器807は、位相情報に係る信号を電気信号に変換するものであり、分周器808は、電気信号に変換された位相情報に係る信号を、当該ONU104−iに係る分周比で分周して、当該ONU104−iの割り当てスロットを規定するクロックを再生するものである。分周器808の分周比は、OLT102内の位相比較部208における同一の第iチャネルに係る分周器404−iと同じであり、第iチャネルに係る周波数逓倍器408−iの逓倍数の逆数になっている。分周器808の出力信号は、短パルス生成器809及びタイミング制御手段812に与えられる。
短パルス生成器809は、波長分波器802からの上り信号用搬送波に対し、分周器808のクロックが有効な期間だけパルス形状(マスクパルス)となるように処理するものである。言い換えると、当該ONU104−iに係る第iチャネルの割り当て期間(パルス期間)だけ、上り信号用搬送波が生じるように処理するものであり、増幅器810は短パルスを増幅して変調器811に与えるものである。タイミング制御手段812は、当該ONU104−iからの上り信号(電気信号)を、分周器808からのクロックに同期させて変調器811に変調信号として与えるものである。変調器811は、増幅器810からの短パルス期間の上り信号用搬送波を、タイミング制御手段812からの上り信号(電気信号)に変調するものである。これにより、上りOTDM信号における、当該ONU104−iからのスロットの光信号が形成されたことになり、合波器814及びサーキュレータ801を介してOLT102に向けて送出される。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する実施形態の光通信ネットワークシステムの動作を説明する。
以下では、(a)下り方向への信号の伝送、(b)上り方向への信号の伝送、(c)上りOTDM信号の各スロットのタイミング制御(同期)、の順で動作を説明する。
(A−2−a)下り方向への信号の伝送
まず、OLT102からONU104−1〜104−4への信号の伝送動作について説明する。なお、この伝送動作は、既存システムの伝送動作とほぼ同様である。
ONU104−1〜104−4宛への信号が各スロットに順に挿入されているTDM信号(電気信号)が交換機101からOLT102内の第1の変調部202及びクロック抽出器207に与えられる。
第1のCW光源201が形成した波長λ0のCW光は、第1の変調部202に与えられる。第1の変調部202において、この波長λ0のCW光は、光カプラ501を介して変調器502に与えられ、また、TDM信号(電気信号)も変調器502に与えられる。これにより、変調器502からは、波長λ0のCW光がTDM信号に応じて変調された下りOTDM信号が出力され、光カプラ501を介して、第1の変調部202の外部に出力される。
クロック抽出器207によって、TDM信号からベースバンドクロックが抽出されて第2の変調部204に与えられる。第2の変調部204には、第2のCW光源203からの波長λ1のCW光も与えられている。これにより、第2の変調部204からは、波長λ1のCW光がベースバンドクロックに応じて変調された光クロックパルスが出力される。
第1の変調部202から出力されたOTDM信号、及び、第2の変調部204から出力された光クロックパルスは、合波器211及びサーキュレータ206を介して光ファイバ105に送出され、光スプリッタ103を介して、光ファイバ106−1〜106−4に分岐され、ONU104−1〜104−4に与えられる。
ONU104−i内において、OTDM信号及び光クロックパルスは、サーキュレータ801を介して波長分波器802に与えられて分波される。分波された光クロックパルスは、O/E変換器805によって電気信号に変換された後、遅延器806によって、1/4ビット期間の(i−1)倍の期間だけ遅延されて信号分離部804に与えられる。分波されたOTDM信号は、O/E変換器803によって電気信号に変換されて信号分離部804に与えられる。信号分離部804によって、遅延器806からのクロックに基づいて、下り方向のTDM信号から、当該ONU104−iに係る第iチャネルの信号が取り出されて出力される。
(A−2−b)上り方向への信号の伝送
次に、ONU104−iからOLT102への信号の伝送動作について説明する。なお、この伝送動作は、既存システムの伝送動作とほぼ同様である。以下の上り方向への信号伝送の説明では、位相制御に関する部分の説明は省略している。
OLT102内の第3のCW光源205から、波長λ2の上り信号用搬送波となるCW光が出力され、この上り信号用搬送波が、合波器211及びサーキュレータ206を介して光ファイバ105に送出され、光スプリッタ103を介して、光ファイバ106−1〜106−4に分岐され、ONU104−1〜104−4に与えられる。
ONU104−i内において、上り信号用搬送波は、サーキュレータ801を介して波長分波器802に与えられて分波されて短パルス生成器809に与えられる。
上り信号用搬送波は、短パルス生成器809において、位相制御された所定期間だけパルス形状(マスクパルス)となるように処理された後、増幅器810によって増幅されて変調器811に与えられる。当該ONU104−iからの上り信号(電気信号)は、タイミング制御手段812によって位相制御された後、変調器811に変調信号として与えられる。これにより、変調器811からは、増幅器810からの短パルス期間の上り信号用搬送波を、タイミング制御手段812からの上り信号(電気信号)に応じて変調した上り光信号(上りOTDM信号における、当該ONU104−iからのスロットの光信号)が出力される。
この上り光信号は、合波器814及びサーキュレータ801を介して光ファイバ106−iに送出され、光スプリッタ103に到達する。光スプリッタ103において、各ONU104−1〜104−4からのスロットが異なる上り光信号が多重され、上りOTDM信号が形成される。上りOTDM信号は、光ファイバ105を介して、OLT102に与えられる。
OLT102において、上りOTDM信号は、サーキュレータ206及び分岐器212を介してバンドパスフィルタ209に与えられ、上り信号用搬送波に係る波長λ2を中心とした成分だけに濾波されて不要成分が除去された後、O/E変換器803に与えられ、電気信号に変換され、電気信号に変換された上り方向のTDM信号が交換機101に与えられる。
(A−2−c)上りOTDM信号の各スロットのタイミング制御
次に、各ONU104−1〜104−4からの上り光信号(スロット)の位相整合性を確立し、保持する動作を説明する。
クロック抽出器207で抽出されたベースバンドクロックは、位相比較部208に与えられる。位相比較部208において、ベースバンドクロックは、第1チャネル用の基準クロックとして位相比較器405−1に与えられると共に、遅延器401−2〜401−4を介して所定期間だけ遅延されて、第2〜第4チャネル用の基準クロックとして位相比較器405−2〜405−4にそれぞれ与えられる。また、各位相比較器405−1〜405−4にはそれぞれ、対応するONU104−1〜104−4側からフィードバックされた位相情報が後述するように対応する分周器404−1〜404−4から与えられる。
位相比較器405−iにおいては、入力された第iチャネル用の基準クロックと、第iチャネルに係るONU104−i側からフィードバックされた位相情報との位相比較が実行され、これらの位相差を表す信号がループフィルタとしてのローパスフィルタ406−iに与えられ、ローパスフィルタ406−iによって制御電圧に変換され、この制御電圧に応じた周波数を有する、ループ処理により位相差を少なくするように機能する発振信号をVCO407−iが出力する。発振信号は、定常状態では位相差0に応じた周波数を有するものであり、ONU104−iに対する上り方向の位相の情報となっている。
このような発振信号の周波数は、周波数逓倍器408−iによって、第iチャネルに固有な逓倍数で逓倍された後、第1の変調部202内の増幅器505−iで増幅されて位相変調器506−iに与えられる。位相変調器506−iには、第1のCW光源201が形成した波長λ0のCW光が、光カプラ501を介して与えられる。かくして、波長λ0のCW光が、位相変調器506−iにおいて、周波数が逓倍された、位相の情報を含んでいる発振信号によって位相変調される。
図7は、位相変調後の信号のスペクトルを示すスペクトラム図である。位相変調により、周波数軸上においては、中心周波数f0(波長λ0に対応する)に対して、側波帯(サイドバンド)が形成され、その部分に位相情報が重畳されている。詳しく言えば、位相変調器506−iから出力光は、図7に示すように、中心周波数f0を中心に両側に無限の側波帯を持つ。
一般に、側波帯は、時間領域では(1)式で表される。(1)式において、Jnは第一種n次ベッセル関数、f0は搬送波の中心周波数、fvはVCO407−iの位相差0での発振周波数(自走周波数)、KvはVCO407−iのゲイン、φはOLT104−iで受信されるべきスロット位置と実際のスロット位置との位相差(すなわち位相同期ループでの位相誤差)である。
Figure 0005187052
ここで、中心周波数f0から最も近い第1側波帯(すなわちn=1若しくはn=−1の側波帯)に注目すると、第1側波帯は、中心周波数f0から、(VCO407−iの発振周波数fv)×(周波数逓倍器408−iの逓倍数)分だけずれた部分にスペクトル中心を持つことになる。また、第1側波帯は、その自由度(NKvφ)が、ONU104−iからの送信された位相情報と、OLT102における第iスロットにおけるタイミングとの位相差φに対応している。なお、(1)式のパラメータの表記は、第1〜第4スロットを区別するサフィックスを付与していないが、第1〜第4スロットに関し、各パラメータには第1〜第4スロットで定まる異なる値が適用される。
また、光通信ネットワークシステムのベースバンド伝送速度b(bit/sec)に対して、VCO407−iの発振周波数が伝送速度b(Hz)を含むものを選択するものとする。
上述した4個の周波数逓倍器408−1〜408−4の逓倍数を、位相変調器506−1〜506−4による位相変調後のスペクトルの第1側波帯の共通部分が実質的に無視できるように(共通部分が存在しないように)を選択する。
バンドパスフィルタ504−iでは、ONU104−iに対する位相情報が存在する帯域のみを切り出すものとする。バンドパスフィルタ504−iは、例えば、上述した高低の第1側波帯(n=−1、n=1)のみをそれぞれ通過させる。光カプラ505では、例えば偏波保持型として、バンドパスフィルタ504−1〜504−4からの出力光の偏波面を一致させた後、切り出されたスペクトル成分を合波する。各バンドパスフィルタ504−1〜504−4からは2つの信号(高低の第1側波帯)が出力されるので、8つの信号が合波されることになる。この合波された光信号は、ピート信号を有するものとなる。いずれかのONUへ向けたピート信号の周波数は、切り出された二つのスペクトル成分の中心周波数の差分となり、さらに位相情報を持つ。例えば、ONU104−iへ向けたビート信号の周波数は、2NiX2πfvとなり、位相部分は2NiKvφとなる。
図8は、位相変調器506−1〜506−4の出力信号と、光カプラ505の出力信号のスペクトルを示す説明図である。
位相変調器506−1からは、中心周波数f0から、f1=(VCO407−1の発振周波数fv1)×(周波数逓倍器408−1の逓倍数N1)分だけずれた部分にスペクトル中心を持つ第1側波帯を含む信号が出力され、バンドパスフィルタ504−1によって高低の第1側波帯のみが抽出され、光カプラ503の出力に盛り込まれる。位相変調器506−2〜506−4からの出力信号に対しても同様に処理され、その出力信号における高低の第1側波帯のみが、光カプラ503の出力に盛り込まれる。光カプラ503には、上述したように、下りOTDM信号も入力されて合波されるので、光カプラ503の出力には、下りOTDM信号も盛り込まれる。以下では、光カプラ503からの出力信号のうち、下りOTDM信号を除いた部分を合成位相情報信号と呼ぶことにする。
光カプラ501からの合成位相情報信号は、合波器211及びサーキュレータ206を介して光ファイバ105に送出され、光スプリッタ103を介して、光ファイバ106−1〜106−4に分岐され、ONU104−1〜104−4に与えられる。
ONU104−i内において、合成位相情報信号は、サーキュレータ801を介して波長分波器802に与えられ、第iスロットに係る位相情報信号が分波される。例えば、ONU104−1の波長分波器802は、図8(E)において、「ONU104−1」と記載された位相情報信号を分波する。
分波された位相情報信号は、分岐器813で分波され、合波器814及びO/E変換器807に与えられる。
O/E変換器807に与えられた位相情報信号は、電気信号に変換された後、分周器808で、当該ONU104−iに対応するOLT102内の周波数逓倍器408−iの逓倍数分の1だけ分周され、上り方向の位相を指示する位相制御信号となって、短パルス生成器809及びタイミング制御手段812に与えられて、上り信号のスロット位相を規定する。上り信号の伝送動作は、上述したのでその説明は省略する。
合波器814に与えられた位相情報信号は、サーキュレータ801を介して光ファイバ106−iに送出され、光スプリッタ103に到達する。光スプリッタ103において、各ONU104−1〜104−4からの位相情報信号が合成(多重)されるが、各ONU104−1〜104−4からの位相情報信号の帯域が異なる。合成された位相情報信号(合成位相情報信号)は、伝送方向は異なるが、図8(E)に示したものと同様のスペクトラムを有する。合成位相情報信号は、光ファイバ105を介して、OLT102に与えられる。
OLT102において、合成位相情報信号は、サーキュレータ206及び分岐器212を介して、位相比較部208内の波長分波器402に与えられ、各ONU104−1〜104−4から返送された位相情報信号が分離される。分離された各位相情報信号は、対応するO/E変換器403−1〜403−4で電気信号に変換された後、分周器404−1〜404−4で、周波数逓倍器408−1〜408−4の逓倍数分の1だけ分周されて位相比較器405−1〜405−4に入力される。
以上のようにして、OLT102とONU104−iとの間で位相同期ループが形成され、位相差がほぼ0となるように常に追従制御が行われ、それぞれのONU104−iからの上り信号が常に正しいタイミング(スロットの位置ずれなしに)でOLT102に到達するように制御される。
上述した上りOTDM信号の各スロットのタイミングを制御する動作を整理して述べると、以下のステップS1〜S4でなる。
(S1)OLT102において、ONU104−iから返信された位相情報信号と、OLT102で抽出した下り信号のクロックとの位相を比較し、位相制御を行う。
(S2)位相差を反映した位相情報信号を生成し、下りOTDM信号と同時に各ONU104−iへ送信する。
(S3)各ONU104−iでは、受信した信号から下りOTDM信号及び位相情報信号を分離する。
(S4)各ONU104−iでは、分離した位相情報信号のタイミングに従って上り信号を生成し、さらに、分離した位相情報信号を上り信号と同時にOLT102側へフィードバックする。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、特許文献2の記載技術のように、予めPONを構成する光分岐合成器(スターカプラ)から各ONUまでの正確な距離を確定させることを必要としない。
また、上記実施形態によれば、非特許文献1の記載技術のように、各ONUから送信される上り信号の衝突防止のための制御及び帯域利用率の公平性を保つための動的な帯域割制御等の上位レイヤによる複雑なパケット処理による同期確立を必要としない。すなわち、上記実施形態によれば、上位レイヤに無依存な制御法を用いることにより、同期確立を行うことを可能ならしめるチャネルスロットの制御方法を提供できる。さらに、常時制御を行う必要がないため、低電力消費となる。
加えて、特許文献3に開示されるWDM−PONのように、各ONU数に比例した光源をOLTに配置する必要がないため、より低コストで、WDM−PONと同一の効果、すなわち、独立に上り信号と下り信号とを同一のピットレートに設定可能にすることができる。
上記実施形態のシステムは、TDM−PONによる双方向光通信システムであるため、チャネル毎に局側に配備した異なる光源により波長を割り振る必要がなく、上り光信号用の波長と、下り光信号用の波長、及びクロックパルス用の波長、3種類の光源を用意すれば足り、波長資源の節約を図ることが可能である。
また、上記実施形態によれば、各チャネルを独立に駆動できるチャネルスロットの制御方法であるので、上り光信号と下り光信号のビットレートを等しく設定できる。これにより、上り光信号のビットレートを実効的に高めることが可能となる。さらに、外乱の影響によりずれる可能性のあるスロット位置を追従制御することにより、常に所望のスロット位置に保つことが可能となる。
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
上記実施形態では、位相比較器405−1〜405−4への2つの信号の周波数を揃えるために、位相情報信号を分周する分周器404−1〜404−4を設けたものを示したが、分周器404−1〜404−4に代え、基準クロックの周波数を逓倍する周波数逓倍器を設けて位相比較器405−1〜405−4への2つの信号の周波数を揃えるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、位相変調器506−1〜506−4へのCW光が、下り方向の搬送波と同一波長のものを示したが、位相変調器506−1〜506−4へのCW光として、上述した3つの波長λ0〜λ2とは異なる波長のものを適用するようにしても良い。このようにしても光源としては4つの光源に抑えることができる。
さらに、上記実施形態においては、位相変調器506−1〜506−4の出力のうち、高低の第1側波帯(n=−1、n=1)を位相情報の伝送に利用するものを示したが、第2側波帯以上の側波帯を位相情報の伝送に利用するようにしても良く、また、高低の側波帯のうちの一方を位相情報の伝送に利用するようにしても良い。
さらにまた、上記実施形態においては、周波数逓倍器408−1〜408−4の逓倍数を代えることにより、利用する側波帯のスペクトルの位置を異なるようにしたものを示したが、周波数逓倍器408−1〜408−4に代え、分周比が異なる分周器を適用して、利用する側波帯のスペクトルの位置を異なるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、OTDM信号の多重数が4のものを示したが、多重数がこれに限定されないことは勿論である。
さらに、上記実施形態においては、上り方向及び下り方向共に、OTDM信号を伝送するものを示したが、本発明は、少なくとも上り方向にOTDM信号を伝送するシステムに対して適用することができる。
実施形態におけるOLTの内部構成を示すブロック図である。 実施形態の光通信ネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。 実施形態におけるOLT内の第2の変調部(204)の内部構成を示すブロック図である。 実施形態におけるOLT内の位相比較部の内部構成を示すブロック図である。 実施形態におけるOLT内の第1の変調部(202)の内部構成を示すブロック図である。 実施形態におけるONUの内部構成を示すブロック図である。 実施形態におけるOLT内の位相変調器の出力のスペクトルを示す説明図である。 実施形態におけるOLT内の4つの位相変調器の出力信号と、光カプラの出力信号のスペクトルを示す説明図である。
符号の説明
100…光通信ネットワークシステム、102…OLT、103…光スプリッタ、104−1〜104−4…ONU、105、106−1〜106−4…光ファイバ、201…CW光源、202…第1の変調部、207…クロック抽出器、208…位相比較部、802…波長分波器、813…分岐器、814…合波器。

Claims (7)

  1. 中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおいて、
    上記中央局装置は、
    上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、
    上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有し、
    上記各端末装置は、
    受信した信号から自装置への位相情報信号を分離する位相情報信号抽出手段と、
    分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させる上り信号タイミング制御手段と、
    分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させる位相情報信号返信手段とを有する
    ことを特徴とする光通信ネットワークシステム。
  2. 上記位相制御手段は、
    上記各端末装置から返信され、電気信号に変換された位相情報信号の位相と、基準クロックの位相とを比較する、それぞれが上記各端末装置に対応した複数の位相比較器と、
    上記各位相比較器の出力を濾波する複数のローパスフィルタと、
    上記各ローパスフィルタの出力に応じて発振周波数を変化させる複数の電圧制御型発振器とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光通信ネットワークシステム。
  3. 上記位相制御手段からの上記各端末装置に関する出力信号が周波数が制御されたものであり、
    上記位相情報信号生成手段は、
    上記位相制御手段から出力された上記各端末装置に関する出力信号の周波数を、上記各端末装置によって定まっている異なる逓倍数又は分周比で逓倍又は分周する複数の周波数変更部と、
    所定波長の連続光を発生する連続光光源と、
    上記連続光光源から連続光を、上記各周波数変更部からの出力信号に応じて位相変調する複数の位相変調器と、
    対応する上記位相変調器の出力信号から所定の側波帯成分を分離し、位相制御信号を得る複数のバンドパスフィルタと、
    上記各バンドパスフィルタからの位相制御信号を合波する合波部とを有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光通信ネットワークシステム。
  4. 上記中央局装置が、
    下り方向への信号から上記基準クロックを抽出するクロック抽出器と、
    下り方向へのOTDM信号と、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号とを合波して送出させる下り信号合成手段とをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光通信ネットワークシステム。
  5. 中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、上記中央局装置において、
    上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、
    上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有する
    ことを特徴とする中央局装置。
  6. 中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、いずれかの上記端末装置において、
    対向する上記中央局装置が、上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行う位相制御手段と、上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させる位相情報信号生成手段とを有するものであり、
    当該端末装置が、
    受信した信号から自装置への位相情報信号を分離する位相情報信号抽出手段と、
    分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させる上り信号タイミング制御手段と、
    分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させる位相情報信号返信手段とを有する
    ことを特徴とする端末装置。
  7. 中央局装置、光合分岐器及び複数の端末装置を備え、上記中央局装置及び上記光合分岐器が1本の光ファイバで接続され、上記各端末装置と上記光合分岐器との間がそれぞれ、光ファイバで接続され、上記各端末装置からの上り光信号を上記光合分岐器が合成させ、時間軸上で整列された上りOTDM信号を形成させて上記中央局装置へ送出する光通信ネットワークシステムにおける、上記各端末装置からの上り光信号を同期させる同期確立・追従方法において、
    上記中央局装置は、
    上記各端末装置から返信された位相情報信号と、基準クロックとの位相を比較し、位相差に応じた位相制御を行うと共に、
    上記位相差を反映した、上記各端末装置用の光信号でなる位相情報信号を生成し、上記各端末装置へ向けて送出させ、
    上記各端末装置は、
    受信した信号から自装置への位相情報信号を分離し、
    分離抽出された位相情報信号が指示するタイミングに従って上り信号を生成させると共に、
    分離抽出された位相情報信号を上記中央局装置へ向けて返信させる
    ことを特徴とする同期確立・追従方法。
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