JP5186831B2 - グラフェンを用いた電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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本発明はグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法に関するものであり、特に、グラフェンをチャネル領域として用いた高周波用電界効果型トランジスタ及びグラフェン配線を再現性良く且つ精度良く実現するための構成に特徴のあるグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法に関するものである。
近年、カーボンナノチューブを用いたトランジスタは次世代の小型、高速デバイスとして注目されており、カーボンナノチューブをチャネルに用いたトランジスタの報告例は多く見られるが(例えば、特許文献1参照)、そのほとんどがDC動作確認にとどまっており、高速動作の報告はほとんどないのが現状である。
これは、チャネルとなるカーボンナノチューブの径が数nmと非常に小さいため体積に対する表面積の割合が大きく周辺の影響を受けやすいこと、及び、チャネルとなるチューブの本数が数本程度であり、駆動できる電流が10μA程度と小さいことによる。
即ち、他のトランジスタ、例えば、MOSトランジスタなどに比べて真性容量に対する寄生容量比が非常に大きくなり、高速動作出来ないということが現状のカーボンナノチューブトランジスタが抱える大きな問題点である。
言い換えると、チャネル幅を制御できないという点が大きな問題点である。
また、通常、カーボンナノチューブチャネルは成長によって形成されるが、その際にカイラリティ制御が困難であり、半導体ナノチューブに混じって金属ナノチューブができてしまうという問題点を抱えている。
したがって、チャネル幅を制御して、半導体のみのチャネルを作成することが次世代デバイスであるカーボン系トランジスタが抱える課題となっている。
そこで、この様な問題を解消するために、カーボンナノチューブトランジスタに代わるカーボン系トランジスタとして単層グラファイトであるグラフェン(Graphene)をチャネルに用いたチャネル幅の制御が容易なグラフェントランジスタが提案されている。
例えば、SiC薄膜を加熱処理してSiを除去することにより外形寸法が80nmのグラフェン半導体を作成し、不純物ドープのSiにおける電子移動度の1,500cm2 /V・secより大きな25,000cm2 /V・secの電子移動度が得られたという報告がなされている(例えば、非特許文献1参照)。
或いは、高品質の親結晶から数原子層の厚みの単一のグラフェンシートを剥がして取り出し、このグラフェンシートから電界効果型トランジスタを作成して、室温下で10,000cm2 /V・secを超える高移動度が観測されたとの報告もなされている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2003−338621号公報 http://www.ednjapan.com/content/I_news/2006/04/19_01.html http://www.ricoh.co.jp/abs_club/Science/Science−2004−1022.html
しかし、上述のグラフェンに関する報告の場合には、グラフェンシートの作成がかなり特殊な方法であり、このようなグラフェンシートの作成方法では工業化、量産化に適さないという問題がある。
そこで、本発明者は、通常のカーボンナノチューブの成長方法により作成したグラフェンを用いてトランジスタを構成することを提案している(必要ならば、特願2007−040775参照)。
この提案においては、カーボンナノチューブの成長過程においてその先端に形成されるグラフェンを接着作用を有する絶縁体を設けた基板に絶縁体の接着作用によって転写・固定したのち、電子線リソグラフィーによってグラフェンをパターニングすることによってチャネルを形成するものである。
しかし、電子線リソグラフィーによるパターニングでは、チャネルの幅を精度良く制御することが困難であり、チャネルが金属的性質を有してトランジスタとして動作しない素子が混在するという問題がある。
即ち、グラフェンを構成する六員環のジグザク(zigzag)方向に沿った数が3の倍数の場合にはグラフェンは金属的性質を示して半導体的性質を示さないため、六員環のジグザク方向に沿った数が3n±1になるようにチャネル幅を規定する必要があるが、電子線リソグラフィーによる位置合わせ精度では、チャネル幅方向をジグザグ方向に精度良く一致させることは困難である。
また、電子線リソグラフィーによるパターニング精度では、六員環のジグザク方向に沿った数が3n±1に制御すること、即ち、約0.4nmの精度で幅を制御することは困難である。
したがって、本発明は、グラフェンのチャネル幅、方向性を制御して半導体的性質を有するグラフェン或いは金属的性質を有するグラフェンを任意に形成することを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、グラフェン1を用いた電子デバイスの製造方法において、走査型プローブ顕微鏡を用いて、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバー2でグラフェン1の結晶軸方向を確認しながら、カンチレバー2をグラフェン1に押し当てた状態で走引することによって、グラフェン1の延在方向の幅及びグラフェン1の延在方向の結晶方向を同時に規定することを特徴とする。
このように、走査型プローブ顕微鏡を用い、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバー2をグラフェン1に押し当てて、所定の方向に罫書くことによって、グラフェン1の結晶軸方向及び幅を任意の方向或いは任意の幅に制御することが可能になるため、半導体的性質を有するグラフェン1或いは金属的性質を有するグラフェン1のみを任意に形成することができる。
この場合、半導体的性質を有するグラフェン1のバンドギャップは、グラフェン1の幅によって規定されるため、グラフェン1をトランジスタのチャネル3に用いた場合には、グラフェン1の幅を制御することによってバンドギャップを制御し、それによって、トランジスタの耐圧等の電気的特性を任意に制御することができる。
或いは、グラフェン1の幅を六員環のジグザク方向に沿った数が3の倍数になるように制御することによって、配線として用いることもできる。
また、グラフェン1をパターニングする際には、グラフェン1の延在方向の幅及びグラフェン1の延在方向の結晶方向を走査型プローブ顕微鏡により規定する工程を水素雰囲気で行うことが望ましく、それによって、グラフェン1のエッジ部分の活性なボンドは水素で終端されて不活性になるので、特性が安定になる。
また、この場合のグラフェン1は、カーボンナノチューブの成長過程においてその先端に形成されたグラフェン1であることが望ましく、従来の通常のカーボンナノチューブの成長方法を用いて単層のグラフェン1を安定して再現性良く形成することができる。
また、このグラフェン1を基板4に固定する場合には、グラフェン1を接着作用を有する絶縁体5を設けた基板4に絶縁体5の接着作用によって転写・固定すれば良く、極薄膜であるグラフェン1のハンドリングに細心の注意を払うことなく単層のグラフェン1を安定して再現性良く取り出すことができる。
なお、この場合の走査型プローブ顕微鏡とは、狭義の走査型プローブ顕微鏡(SPM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(MFM)、或いは、電気力顕微鏡(EFM)のいずれかを意味する。
本発明によれば、グラフェンの幅及び加工する結晶方向を任意に且つ再現性良く制御することができるので、グラフェンの電気的特性が半導体的であるか或いは電気的であるかを任意に制御することができ、それによって、次世代の小型・高速トランジスタの量産を可能にすることができる。
本発明は、TiN/Co等を触媒として用いたカーボンナノチューブの成長過程においてその先端に形成されたグラフェンを、接着作用を有する絶縁体を設けた基板に絶縁体の接着作用によって転写・固定したのち、原子間力顕微鏡(AFM)等の広義の走査型プローブ顕微鏡を用いて、そのカンチレバーでグラフェンの結晶軸方向を確認しながら、カンチレバーをグラフェンに押し当てた状態で走引することによって、グラフェンの幅を結晶軸方向を同時に規定するものである。
なお、カンチレバーで削り取られたカンチレバーの幅に相当する領域はチャネル間の分離領域となる。
ここで、図2乃至図6を参照して、本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの製造工程を説明する。
図2参照
まず、p型シリコン基板11に厚さが、例えば、100nmのSOG(スピンオングラス)膜12を塗布した状態のままの基板を用意する。
一方、表面に例えば熱酸化によりSiO2 膜22を形成したp型シリコン基板21の表面にスパッタリング法を用いて厚さが、例えば、5nmのTiN膜24及び厚さが、例えば、1nmのCo膜25を順次堆積させて触媒金属23としたのち、例えば、100Paの圧力下においてアセチレンを原料としたCVD法によって600℃の成長温度でカーボンナノチューブ26を例えば、10μmの高さに成長させる。
この成長過程において、熱により溶融したCo膜25は局所的に凝集してカーボンナノチューブ26の成長核になってカーボンナノチューブ26が垂直方向に成長するとともに、このカーボンナノチューブ26の頂面にグラフェン27が形成される。
次いで、カーボンナノチューブ26を成長させたp型シリコン基板21とSOG膜12を設けたp型シリコン基板11とをグラフェン27とSOG膜12とが対向するように接触させたのち、未乾燥のSOG膜12を例えば、300℃の温度でキュアすることによって両方の基板を接着させる。
次いで、貼り合わせた基板を機械的に剥がし合うことにより最も密着の弱いカーボンナノチューブ26と触媒金属23との接合部で剥がれる。
図3参照
次いで、硫酸+過酸化水素水を用いたウェットエッチングによりカーボンナノチューブ26を選択的に除去することによって、グラフェン27の取り出しが完了となる。
図4及び図5参照
次いで、取り出したグラフェンをAFM装置を用い、AFM装置に備えつけられたカンチレバー14で傷をつけることにより原子を分離し、傷がつかなかった部分を複数のチャネルからなるチャネルアレイ28とする。
この時、グラフェン27の原子像を、AFMを用い取り出したのち、半導体的性質となるグラフェン27の結晶軸をカンチレバー14のスキャン方向に合わせる。
なお、この時、傷幅とアレイ幅を考慮した横方向のピッチ設定を行うが、ここでは、図に示すzigzag方向(即ち、六員環の対角線と垂直な方向)に対して垂直に軸を取り、六員環5個分(3n−1:n=2)、即ち、約2nm(≒0.4325nm×5)とする。
なお、長さ方向に関しては取り出したグラフェン面積にもよるが、ここでは数cm、例えば、3cmに設定する。
また、この場合の傷幅は、カンチレバー14の先端部の幅に依存するが、例えば、10nm程度となる。
この時、AFM装置内は水素雰囲気、例えば、常圧の100%水素雰囲気であり、カンチレバー14によるグラフェン27に傷をつける時に生じるエネルギーにより各チャネルのエッジ部に露出するボンドが水素原子29で終端される。
次いで、例えば、コンタクト露光装置を用いて2層レジストパターン15をリフトオフ用マスクとして形成したのち、例えば、EB蒸着法により厚さが、例えば、100nmのPd膜16、10nmのTi膜17、200nmのPt膜18を順次堆積させる。
図6参照
次いで、有機溶剤を用い2層レジストパターン15毎、必要ないPt膜18、Ti膜17、及び、Pd膜16をリフトオフすることによりソース電極19及びドレイン電極20を形成する。
この場合、中断の平面図に示すように、複数のチャネルからなるチャネルアレイ28に跨がるようにソース電極19及びドレイン電極20を形成する。
次いで、例えば、EB蒸着法により厚さが、例えば、10nmのTi膜31及び100nmのAu膜32をp型シリコン基板11の裏面全体に堆積させることによってバックゲート30とする。
最後に、出来上がり素子を必要とする回路構成に応じてダイシングにより切り出すことによって、本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの基本構成が完成する。
図7参照
図7は、グラフェンのバンドギャップのリボン幅依存性の説明図であり、グラフェンのバンドギャップはリボン幅、即ち、短辺方向の長さが大きくなると急激に小さくなる。
この傾向は、参考として示したカーボンナノチューブのバンドギャップのチューブ直径依存性と同じ傾向を示す。
したがって、グラフェンのリボン幅をAFMで制御することによって、バンドギャップの制御が可能になり、それによって、トランジスタの耐圧等を任意に制御することが可能になる。
因に、リボン幅が約2nmのグラフェンのバンドギャップは約0.6eVとなる。
このように、本発明の実施例1においては、グラフェンからなるチャネルの幅及び結晶軸方向をAFMによって規定しているので、半導体性質を有するグラフェンを再現性良く形成することができるとともに、グラフェンのバンドギャップを任意に制御することができる。
なお、カーボンナノチューブの成長過程で形成されるグラフェンは異なった結晶軸方向を有するグラフェンが集合した巨大多結晶であるが、各単結晶領域に上記の工程を適用することによって、再現性良くグラフェントランジスタを形成することができる。
次に、図8乃至図11を参照して、本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの製造工程を説明する。
図8参照
まず、p型シリコン基板11に厚さが、例えば、100nmのSOG膜12を塗布した状態のままの基板を用意する。
一方、表面に例えば熱酸化によりSiO2 膜22を形成したp型シリコン基板21の表面にスパッタリング法を用いて厚さが、例えば、5nmのTiN膜24及び厚さが、例えば、1nmのCo膜25を順次堆積させて触媒金属23としたのち、例えば、100Paの圧力下においてアセチレンを原料としたCVD法によって600℃の成長温度でカーボンナノチューブ26を例えば、10μmの高さに成長させる。
この成長過程において、熱により溶融したCo膜25は局所的に凝集してカーボンナノチューブ26の成長核になってカーボンナノチューブ26が垂直方向に成長するとともに、このカーボンナノチューブ26の頂面にグラフェン27が形成される。
次いで、カーボンナノチューブ26を成長させたp型シリコン基板21とSOG膜12を設けたp型シリコン基板11とをグラフェン27とSOG膜12とが対向するように接触させたのち、未乾燥のSOG膜12を例えば、300℃の温度でキュアすることによって両方の基板を接着させる。
次いで、貼り合わせた基板を機械的に剥がし合うことにより最も密着の弱いカーボンナノチューブ26と触媒金属23との接合部で剥がれる。
図9参照
次いで、硫酸+過酸化水素水を用いたウェットエッチングによりカーボンナノチューブ26を選択的に除去することによって、グラフェン27の取り出しが完了となる。
図10及び図11参照
次いで、実施例1と同様に、取り出したグラフェン27をAFM装置を用い、例えば、常圧の100%水素雰囲気において、AFM装置に備え付けられたカンチレバー14を押しつけることにより原子を分離し、傷がつかなかった部分を複数のチャネルからなるチャネルアレイ28とする。
この場合もzigzag方向(即ち、六員環の対角線と垂直な方向)に対して垂直に軸を取り、六員環5個分(3n−1:n=2)、即ち、約2nm(≒0.4325nm×5)とする。
また、この場合の傷幅は、カンチレバー14の先端部の幅に依存するが、例えば、10nm程度となる。
図11参照
次いで、例えば、コンタクト露光装置を用いて2層レジストパターン15をリフトオフ用マスクとして形成したのち、例えば、EB蒸着法により厚さが、例えば、100nmのPd膜16、10nmのTi膜17、200nmのPt膜18を順次堆積させる。
次いで、有機溶剤を用い2層レジストパターン15ごと必要ないPt膜18、Ti膜17、及び、Pd膜16をリフトオフすることによりソース電極19及びドレイン電極20を形成する。
ここまでは、上記の実施例1と全く同様である。
次いで、ゲート酸化膜として用いるSOG膜33を例えば、100nmの厚さに塗布したのち、300℃でキュアする。
図12参照
次いで、レジストを塗布したのちソース電極19及びドレイン電極20上の窓開けパターンをコンタクト露光装置にて露光し、現像することによって、レジストパターン34を形成し、次いで、フッ酸を用いたウェットエッチングによりSOG膜33の露出部を除去してコンタクト用窓部35を形成する。
次いで、レジストパターン34を有機剥離したのち、例えば、コンタクト露光装置を用いて2層レジストパターン36をリフトオフ用マスクとして形成したのち、例えば、EB蒸着法により厚さが、例えば、10nmのTi膜37及び100nmのAu膜38を順次堆積させる。
次いで、有機溶剤を用いて2層レジストパターン36毎必要ないAu膜38及びTi膜37をリフトオフしてゲート電極39とする。
最後に、出来上がり素子を必要とする回路構成に応じてダイシングにより切り出すことによって、本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの基本構成が完成する。
このように、本発明の実施例2においても、グラフェンからなるチャネルの幅及び結晶軸方向をAFMによって規定しているので、半導体性質を有するグラフェンを再現性良く形成することができるとともに、グラフェンのバンドギャップを任意に制御することができる。
次に、図13を参照して、AFMによりグラフェンの幅の結晶軸方向が制御された回路要素を説明するが、基本的なパターニング工程は上記の実施例1と全く同様であるので、最終的な回路要素の構成のみを説明する。
図13参照
図13は、本発明の実施例3のグラフェンを用いた回路要素の概念的平面図であり、まず、上段図は、pn接合グラフェンダイオードであり、グラフェンの一方の表面にSiO2 を形成してp型グラフェン41とし、他方の表面にHfO2 形成してn型グラフェン42としてpn接合を形成するとともに、p型グラフェン41の端部にPdからなるp側電極43を設ける、n型グラフェン42の端部にTiからなるn型電極44を設けたものである。
図13の中段図は、SB(ショットキーバリア)グラフェンダイオードであり、ノン・ドープのグラフェン51の一方の端部に、Pd/Ti/Ptからなるオーミック電極52を設けるとともに、他方の端部にショットキー電極53を設けたものである。
図13の下段図は、グラフェン配線であり、ノン・ドープのグラフェン61のzigzag方向の幅を、六員環3n個分、例えば、6個(n=2)、即ち、約2.5nm(≒0.4325nm×6)としたもので、各グラフェン61はPd/Ti/Ptからなるオーミック電極62で接続する。
以上、本発明の各実施例を説明したが、本発明は実施例に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能であり、例えば、上記の実施例1及び実施例2においてはグラフェンの幅を六員環5個分、即ち、3n−1個分(n=2)としているが、nの値は任意であり、nが大きくなるほどグラフェンのバンドギャップが小さくなる。
また、半導体的性質を示すグラフェンの幅は六員環3n−1個分に限られるものではなく、六員環3n+1個分、例えば、7個(n=2)としても良いものである。
また、上記の各実施例においては、AFMによる走引を常圧の100%水素雰囲気中で行っているが、必ずしも100%水素雰囲気中である必要はなく、水素を希ガスの混合雰囲気中で行っても良いものである。
また、上記の実施例1及び実施例2においては、絶縁ゲート型トランジスタとして説明しているが、実施例2に示したトップゲート型トランジスタの場合には、グラフェンチャネル部に絶縁膜を介することなくグラフェンに対してショットキーバリアを形成する金属材料をゲート電極として直接設けることによって、ショットキーバリアゲート型トランジスタとしても良いものである。
また、上記の実施例3においては、各回路要素を単独で示しているが、上記のグラフェントランジスタを含めて、必要とする回路構成に応じたグラフェン配線を含めた各回路要素を同一基板上に形成したのち、各回路要素をオーミック電極で接続することによって、グラフェン集積回路装置を構成することができる。
また、上記の各実施例においては、グラフェンの幅及び結晶方向の規定をAFMで行っているが、AFMに限られるものではなく、AFMが属する広義の走査型プローブ顕微鏡であれば良く、例えば、狭義の走査型プローブ顕微鏡(SPM)、磁気力顕微鏡(MFM)、或いは、電気力顕微鏡(EFM)等を用いても良いものである。
ここで、再び図1を参照して、改めて、本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1)走査型プローブ顕微鏡を用いて、前記走査型プローブ顕微鏡のカンチレバー2でグラフェン1の結晶軸方向を確認しながら、前記カンチレバー2を前記グラフェン1に押し当てた状態で走引することによって、前記グラフェン1の延在方向の幅と前記グラフェン1の延在方向の結晶方向を同時に規定することを特徴とするグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記2) 上記グラフェン1をトランジスタのチャネル3とし、前記グラフェン1のチャネル3の延在方向に垂直な方向の幅により任意にバンドギャップを制御することを特徴とする付記1記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記3) 上記グラフェン1を配線として用いたことを特徴とする付記1記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記4) 上記グラフェン1の延在方向の幅及びグラフェン1の延在方向の結晶方向を走査型プローブ顕微鏡により規定する工程を水素雰囲気で行い、前記グラフェン1のエッジ部分を水素終端させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記5) 上記グラフェン1が、カーボンナノチューブの成長過程においてその先端に形成されたグラフェン1であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記6) 上記グラフェン1を接着作用を有する絶縁体5を設けた基板4に前記絶縁体5の接着作用によって転写・固定したのち、上記走査型プローブ顕微鏡により前記グラフェン1の延在方向の幅及びグラフェン1の延在方向の結晶方向を規定することを特徴とする付記5記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
(付記7) 上記走査型プローブ顕微鏡が、狭義の走査型プローブ顕微鏡、原子間力顕微鏡、磁気力顕微鏡、或いは、電気力顕微鏡のいずれかであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
本発明の活用例としては、高周波用の電界効果型トランジスタが典型的なものであるが、かならずしも、高周波用に限定されるものではなく、低周波用トランジスタや、グラフェントランジスタを並列接続することによって、電力用トランジスタとして用いても良いものであり、さらには、トランジスタを含まないダイオードアレイ等を構成しても良いものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの図2以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの図3以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの図4以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1のバックゲート型グラフェントランジスタの図5以降の製造工程の説明図である。 グラフェンのバンドギャップのリボン幅依存性の説明図である。 本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの図8以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの図9以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの図10以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例2のトップゲート型グラフェントランジスタの図11以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例3のグラフェンを用いた回路要素の概念的平面図である。
符号の説明
1 グラフェン
2 カンチレバー
3 チャネル
4 基板
5 絶縁体
11 p型シリコン基板
12 SOG膜
14 カンチレバー
15 2層レジストパターン
16 Pd膜
17 Ti膜
18 Pt膜
19 ソース電極
20 ドレイン電極
21 p型シリコン基板
22 SiO2
23 触媒金属
24 TiN膜
25 Co膜
26 カーボンナノチューブ
27 グラフェン
28 チャネルアレイ 29 水素原子
30 バックゲート
31 Ti膜
32 Au膜
33 SOG膜
34 レジストパターン
35 コンタクト用窓部
36 2層レジストパターン
37 Ti膜
38 Au膜
39 ゲート電極
41 p型グラフェン
42 n型グラフェン
43 p側電極
44 n型電極
51 グラフェン
52 オーミック電極
53 ショットキー電極
61 グラフェン
62 オーミック電極

Claims (5)

  1. 走査型プローブ顕微鏡を用いて、前記走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーでグラフェンの結晶軸方向を確認しながら、前記カンチレバーを前記グラフェンに押し当てた状態で走引することによって、前記グラフェンの延在方向の幅と前記グラフェンの延在方向の結晶方向を同時に規定することを特徴とするグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
  2. 上記グラフェンをトランジスタのチャネルとし、前記グラフェンのチャネルの延在方向に垂直な方向の幅により任意にバンドギャップを制御することを特徴とする請求項1記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
  3. 上記グラフェンを配線として用いたことを特徴とする請求項1記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
  4. 上記グラフェンの延在方向の幅及びグラフェンの延在方向の結晶方向を走査型プローブ顕微鏡により規定する工程を水素雰囲気で行い、前記グラフェンのエッジ部分を水素終端させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
  5. 上記走査型プローブ顕微鏡が、狭義の走査型プローブ顕微鏡、原子間力顕微鏡、磁気力顕微鏡、或いは、電気力顕微鏡のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のグラフェンを用いた電子デバイスの製造方法。
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