JP5181612B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御装置に関する。
エンジン(内燃期間)を搭載した車両において、エンジンが発生するトルク及び回転速度を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に伝達する変速機として、エンジンと駆動輪との間の変速比を自動的に最適設定する自動変速機が知られている。
車両に搭載される自動変速機としては、例えば、クラッチ及びブレーキと遊星歯車装置とを用いて変速段(ギヤ段)を設定する遊星歯車式変速機や、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。
遊星歯車式の自動変速機が搭載された車両においては、車速とアクセル開度(またはスロットル開度)に応じた最適な変速段を得るための変速線(変速段の切り替えライン)を有する変速マップがECU(Electronic Control Unit)等に記憶されており、車速及びアクセル開度に基づいて変速マップを参照して目標変速段を算出し、その目標変速段に基づいて、摩擦係合要素であるクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチなどを、所定の状態に係合または解放することによって変速段を自動的に設定している。
このような自動変速機が搭載された車両においては、運転者により操作されるシフトレバーが設けられており、そのシフトレバーを操作することにより、自動変速機のシフトポジションを、例えばP位置(パーキングレンジ)、R位置(後進走行レンジ)、N位置(ニュートラルレンジ)、D位置(前進走行レンジ)等に切り変えることができる。
さらに、自動変速機が搭載された車両において、前後車輪の速度差や駆動輪のスリップ率などによって路面の摩擦係数(以下、路面μという)を検出し、その検出した路面μが所定値以下である場合、駆動力を下げるために発進時・停止時の変速段を2速に設定するという制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、スノーモードが設定された車両では、運転者によりスノーモードスイッチが操作(ON)されたときに、発進時の変速段を1速ではなく、2速以上に設定している(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−249050号公報 特許2000−104816号公報(段落[0007]) 特許2005−76772号公報
ところで、自動変速機において、例えば、1速の係合要素にワンウェイクラッチがある場合、2速以上の変速段を形成した際に、自動変速機の出力軸(駆動輪)の逆回転が阻止(ヒルホールド)される構成のものがある。
こうした構成の自動変速機が搭載された車両において、上記したように、路面μが低い場合やスノーモードが設定されている場合、2速以上の変速段で停止した際に自動変速機が逆回転できなくなるため、車両が後退するとワンウェイクラッチに大きな負荷(車両のイナーシャ)が掛かってしまい、ワンウェイクラッチが破損するおそれがある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、車両後退方向の回転がワンウェイクラッチによって阻止可能な変速段(2速以上の変速段)を有する自動変速機において、2速以上の変速段での停止・発進性能を確保しながら、ワンウェイクラッチを保護することが可能な制御の実現を目的とする。
本発明は、車両に搭載される有段式の自動変速機であって、車両後退方向の回転が低変速段側のワンウェイクラッチによって阻止可能な特定の変速段を有する自動変速機の制御装置を前提としている。このような自動変速機の制御装置において、車両後退の可能性があるか否かを判定する車両後退判定手段と、前記車両後退判定手段にて車両後退の可能性があると判定された場合に、前記特定の変速段の形成を禁止する変速段形成制御手段とを備え前記車両後退判定手段にて車両後退の可能性があると判定された場合は、車両後退方向の回転が1速のワンウェイクラッチによって阻止可能な2速の形成を禁止して1速を形成し、前記2速の形成を禁止した後、車両後退の可能性がないと判定された場合は2速の形成を許可することを特徴としている。
本発明の具体的な構成として以下のものを挙げることができる。まず、前記車両後退判定手段は、「路面の勾配が登坂路である」の条件が成立したときに「車両後退の可能性がある」と判定する。
また、前記変速段形成制御手段は、前記2速の形成を禁止した後、「ブレーキONである」、または「路面の勾配が非登坂路である」の条件が成立したとき(車両後退の可能性がないとき)に、前記2速の形成を許可する。
本発明によれば、車両後退の可能性がある否かを判定し、車両が後退する状況にあるときには、ヒルホールドとなる2速の形成を禁止しているので、登坂路での車両停止時におけるワンウェイクラッチの破損を防止することができる。また、車両が後退する可能性がないときには2速形成を許可することで、路面μが低い状況での車両の停止・発進性能を確保することができる。
この場合、2速の形成を禁止して1速を形成している状態から、2速形成の許可により1→2変速を実施する際に、車速が0である場合には1→2変速を2速形成許可からの経過時間に基づいて制御する。具体的には、2速形成許可(1→2変速開始)からの経過時間を計測するカウンタを用い、1→2変速を実施する際の車速が0(車両停止)である場合には、前記カウンタにて計測される時間が、予め設定された判定値(具体的には、車両停止時において1→2変速に要する時間を考慮した値)に達した時点で1→2変速を終了するという制御を実行する。
このような構成を採用すれば、自動変速機の油圧指示値を新たに追加設定する等の複雑な処理を行うことなく、車両停止時における1→2変速制御(2速禁止→許可時の制御)を簡単な構成で実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の制御装置を含む車両のパワートレーンについて図1及び図2を参照して説明する。
この例の車両のパワートレーンは、エンジン1と、自動変速機2と、エンジンECU3と、ECT_ECU(Electronic Controlled automatic Transmission_ECU)5とから構成されており、そのECT_ECU5により実行されるプログラムによって自動変速機2の制御装置が実現されている。
次に、エンジン1、自動変速機2、エンジンECU3、ECT_ECU5の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、外部から吸入する空気と、インジェクタ(燃料噴射弁)11から噴射される燃料とを適宜の比率で混合した混合気を燃焼させることにより、回転動力を発生するものである。このインジェクタ11は、エンジンECU3により制御される。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト8は、トルクコンバータ20の入力軸に接続される。クランクシャフト8の回転数(エンジン回転数)は、エンジン回転数センサ91によって検出される。
エンジン1に吸入される空気量は、電子制御式のスロットルバルブ12により調整される。スロットルバルブ12は、運転者のアクセルペダル操作とは独立してスロットル開度を電子的に制御することが可能であり、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ96によって検出される。
スロットルバルブ12のスロットル開度はエンジンECU3によって駆動制御される。具体的には、エンジン回転数センサ91によって検出されるエンジン回転数、運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)等のエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ12のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ96を用いてスロットルバルブ12の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するように、スロットルバルブ12のスロットルモータ13をフィードバック制御している。
−自動変速機−
自動変速機2は、トルクコンバータ20、変速機構部30、油圧制御回路40、オイルポンプ60などを備えている。この例の自動変速機2では、前進8段、後進1段の変速が可能になっている。
トルクコンバータ20はエンジン1のクランクシャフト8に回転連結される。トルクコンバータ20は、図2に示すように、ポンプインペラ21、タービンランナ22、ステータ23、ワンウェイクラッチ24、ステータシャフト25、及び、ロックアップクラッチ26などによって構成されている。
ワンウェイクラッチ24は、ステータ23を自動変速機2のケース2aに一方向の回転のみ許容して支承するものである。ステータシャフト25は、ワンウェイクラッチ24のインナレースを自動変速機2のケース2aに固定するものである。ロックアップクラッチ26は、トルクコンバータ20のポンプインペラ21とタービンランナ22とを直結可能とするものであり、必要に応じて、ポンプインペラ21とタービンランナ22とを直結する係合状態と、ポンプインペラ21とタービンランナ22とを切り離す解放状態と、係合状態と解放状態との中間の半係合状態とに切り替えられる。
変速機構部30は、トルクコンバータ20から入力軸9に入力される回転動力を変速して出力軸10に出力するものであって、図2及び図3に示すように、フロントプラネタリ31、リアプラネタリ32、中間ドラム33、第1クラッチ(入力クラッチ)C1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1などを備えている。
フロントプラネタリ31は、ダブルピニオンタイプの歯車式遊星機構であって、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、複数個のインナーピニオンギヤP1と、複数個のアウターピニオンギヤP2と、第1キャリアCA1とを備えている。
第1サンギヤS1は、自動変速機2のケース2aに固定されて回転不可能とされ、第1リングギヤR1は、中間ドラム33に第3クラッチC3を介して一体回転可能な状態または相対回転可能な状態に支持されており、第1リングギヤR1の内径側に第1サンギヤS1が同心状に挿入されている。
複数個のインナーピニオンギヤP1及び複数個のアウターピニオンギヤP2は、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1との対向環状空間の円周複数箇所に介装されており、複数個のインナーピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合い、また、複数個のアウターピニオンギヤP2はインナーピニオンギヤP1及び第1リングギヤR1に噛み合っている。
第1キャリアCA1は、両ピニオンギヤP1,P2を回転可能に支持するもので、この第1キャリアCA1の中心軸部が入力軸9に一体的に連結され、この第1キャリアCA1において両ピニオンギヤP1,P2を支持する各支持軸部が、第4クラッチC4を介して中間ドラム33に一体回転可能な状態または相対回転可能な状態に支持されている。中間ドラム33は、第1リングギヤR1の外径側に回転可能に配置されており、第1ブレーキB1を介して自動変速機2のケース2aに回転不可能な状態または相対回転可能な状態に支持されている。
リアプラネタリ32は、ラビニオタイプの歯車式遊星機構であって、大径の第2サンギヤS2と、小径の第3サンギヤS3と、第2リングギヤR2と、複数個のショートピニオンギヤP3と、複数個のロングピニオンギヤP4と、第2キャリアCA2とを含む構成となっている。第2サンギヤS2は、中間ドラム33に連結され、第3サンギヤS3は、第1クラッチC1を介してフロントプラネタリ31の第1リングギヤR1に一体回転可能または相対回転可能に連結され、第2リングギヤR2は、出力軸10に一体に連結されている。
複数個のショートピニオンギヤP3は、第3サンギヤS3に噛み合い、また、複数個のロングピニオンギヤP4は、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に噛み合っているとともに、ショートピニオンギヤP3を介して第3サンギヤS3に噛み合っている。第2キャリアCA2は、両ピニオンギヤP3,P4を回転可能に支持するもので、この第2キャリアCA2の中心軸部が第2クラッチC2を介して入力軸9に連結され、この第2キャリアCA2において両ピニオンギヤP3,P4を支持する各支持軸部が、第2ブレーキB2及びワンウェイクラッチF1を介して自動変速機2のケース2aに支持されている。
なお、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、及び、第2ブレーキB2は、オイルの粘性を利用した湿式多板摩擦係合装置とされている。
第1クラッチC1は、リアプラネタリ32の第3サンギヤS3をフロントプラネタリ31の第1リングギヤR1に対して一体回転可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。第2クラッチC2は、リアプラネタリ32の第2キャリアCA2を入力軸9に対して、一体回転可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。
第3クラッチC3は、フロントプラネタリ31の第1リングギヤR1を中間ドラム33に対して一体回転可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。第4クラッチC4は、フロントプラネタリ31の第1キャリアCA1を中間ドラム33に対して一体回転可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。
第1ブレーキB1は、中間ドラム33を自動変速機2のケース2aに対して一体化して回転不可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。第2ブレーキB2は、リアプラネタリ32の第2キャリアCA2を自動変速機2のケース2aに対して一体化して回転不可能な係合状態または相対回転可能な解放状態とするものである。
また、ワンウェイクラッチF1は、リアプラネタリ32の第2キャリアCA2の一方向のみの回転を許容するものである。
ここで、自動変速機2における各変速段(第1速段〜第8速段、後進段)を成立させる条件について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1の係合状態または解放状態と各変速段との関係を示す係合表(作動表)である。この図4において、○印は「係合状態」、×印は「解放状態」、◎印は「エンジンブレーキ時に係合状態」、△印は「駆動時のみ係合状態」を示す。
図5は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1の係合により成立される変速段(第1速段〜第8速段、後進段)と、そのときの前後2つのプラネタリ31,32における各構成要素の回転数比との関係を示す速度線図である。
この図5において、各縦軸方向は、2つのプラネタリ31,32における各構成要素の速度比であり、各縦軸の間隔は各要素のギヤ比に応じて設定される。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1が係合される点に、それぞれ、C1、C2、C3、C4、B1、B2、F1を記入している。さらに、図5に記載している入力1〜入力4とは、入力軸9からの回転動力の入力位置を示し、また、図5に記載している出力とは、出力軸10に出力させる回転動力の出力位置を示している。
そして、図4及び図5に示すように、この例の自動変速機2において、第1クラッチC1を係合させると前進段の1速(1st)が成立し、この1速ではワンウェイクラッチF1が係合する。第1クラッチC1及び第1ブレーキB1を係合させると前進段の2速(2nd)が成立する。第1クラッチC1及び第3クラッチC3を係合させると前進段の3速(3rd)が成立する。第1クラッチC1及び第4クラッチC4を係合させると前進段の4速(4th)が成立する。
また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を係合させると前進段の5速(5th)が成立する。第2クラッチC2及び第4クラッチC4を係合させると前進段の6速(6th)が成立する。第2クラッチC2及び第3クラッチC3を係合させると前進段の7速(7th)が成立する。第2クラッチC2及び第1ブレーキB1を係合すると前進段の8速(8th)が成立する。一方、第4クラッチC4及び第2ブレーキB2を係合させると後進段(R)が成立する。
以上のように、この例の自動変速機2では、摩擦係合要素である第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1,第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1などが、所定の状態に係合または解放されることによって変速段(ギヤ段)が設定される。第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、及び、第2ブレーキB2の係合・解放は油圧制御回路40及びECT_ECU5によって制御される。
油圧制御回路40は、変速機構部30の変速動作を制御するものであって、リニアソレノイドバルブ、ON−OFFソレノイドバルブ、アキュームレータなどによって構成されており、それらリニアソレノイドバルブ及びON−OFFソレノイドバルブの励磁・非励磁を制御して油圧回路を切り替えることによって、変速機構部30の第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、及び、第2ブレーキB2の係合・解放を制御するようにしている。油圧制御回路40のリニアソレノイドバルブ及びON−OFFソレノイドバルブの励磁・非励磁は、ECT_ECU5からのソレノイド制御信号(指示油圧信号)によって制御される。
一方、車両の運転席の近傍には、図6に示すようなシフト装置7が配置されている。このシフト装置7にはシフトレバー71が変位可能に設けられている。また、シフト装置7には、R位置(リバースレンジ)、N位置(ニュートラルレンジ)、D位置(ドライブレンジ)、及び、S位置(シーケンシャルレンジ)が設定されており、運転者が所望の変速位置へシフトレバー71を変位させることが可能になっている。これらR位置、N位置、D位置、S位置(下記の「+」位置及び「−」位置も含む)の各変速位置(レンジ)は、シフトポジションセンサ94によって検出される。
そして、シフトレバー71の変速位置が選択される状況と、そのときの自動変速機2の動作状況について、各変速位置(「N位置」、「R位置」、「D位置」、「S位置」)ごとに説明する。
「N位置」は、自動変速機2の入力軸9と出力軸10との連結を切断する際に選択される位置であり、シフトレバー71がこの「N位置」に操作されると、自動変速機2の第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2の全てが解放される(図4参照)。
「R位置」は、車両を後退させる際に選択される位置であり、シフトレバー71がこのR位置に操作されると、自動変速機2は後進段に切り替えられる。
「D位置」は、車両を前進させる際に選択される位置であり、シフトレバー71がこのD位置に操作されると、車両の運転状態などに応じて、自動変速機2の複数の前進変速段(前進8速)が自動的に変速制御される。
「S位置」は、シーケンシャルモード(マニュアルモード)での走行の際、つまり、複数の前進変速段(前進8速)の変速動作を運転者が手動によって行う際に選択される位置であって、このS位置の前後に「−」位置及び「+」位置が設けられている。「+」位置は、シーケンシャルモードのアップシフトのときにシフトレバー71が操作される位置であり、「−」位置は、シーケンシャルモードのダウンシフトのときにシフトレバー71が操作される位置である。
そして、シフトレバー71がS位置にあるときに、シフトレバー71がS位置を中立位置として「+」位置または「−」位置に操作されると、自動変速機2の前進変速段がアップまたはダウンされる。具体的には、「+」位置への1回操作ごとに変速段が1段ずつアップ(例えば1st→2nd→・・・→8th)される。一方、「−」位置への1回操作ごとに変速段が1段ずつダウン(例えば8th→7th→・・・→1st)される。
−エンジンECU・ECT_ECU−
エンジンECU3及びECT_ECU5は、マイクロコンピュータを主体に構成された電子制御ユニットであって、ともにほぼ同様のハードウエア構成になっている。ここではECT_ECU5の具体構成を図7に示している。
ECT_ECU5は、油圧制御回路40を制御することにより変速機構部30における適宜の変速段つまり動力伝達経路を成立させるものである。すなわち、ECT_ECU5は、図7に示すように、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、バックアップRAM54と、入力インターフェース55と、出力インターフェース56とが、双方向性バス57によって相互に接続された構成になっている。
CPU51は、ROM52に記憶された各種制御プログラムや制御マップに基づいて演算処理を実行する。ROM52には、変速機構部30の変速動作を制御するための各種制御プログラムが記憶されている。RAM53は、CPU51での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM54は、各種の保存すべきデータを記憶する不揮発性のメモリである。
入力インターフェース55には、エンジン回転数センサ91、タービン回転数センサ92、出力軸回転数センサ93、シフトポジションセンサ94、アクセル開度センサ95、スロットル開度センサ96、車速センサ97、Gセンサ(振り子式)98、ブレーキペダルセンサ99、及び、ブレーキ圧センサ101などが接続されており、これらの各センサからの信号がECT_ECU5に入力される。また、出力インターフェース56には、自動変速機2を制御する油圧制御回路40などが接続されている。
タービン回転数センサ92は、トルクコンバータ20のタービン回転数Nt(入力軸9の回転数)を検出するものである。出力軸回転数センサ93は、出力軸10の回転数(出力軸回転数Nout)を検出するものである。
シフトポジションセンサ94は、上記したようにシフトレバー71の操作位置(ニュートラルレンジ、走行レンジ等)を検知するものである。アクセル開度センサ95は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するものである。
車速センサ97は、車両の走行速度を検出するものである。Gセンサ98は、車両の前後左右の加速度を検出するものである。また、この例では、振り子式のGセンサ98を用いているので、車両が走行する路面の勾配を検出することができる。ブレーキペダルセンサ99は、運転者によってブレーキペダルがON操作(制動操作)された際にブレーキON信号を出力するものである。ブレーキ圧センサ101は、ブレーキマスタシリンダの油圧を検出するものである。
なお、ECT_ECU5は、エンジンECU3との間でデータ通信可能な状態で接続されており、必要に応じてエンジンECU3からエンジン制御に関する種々の情報を取得するようになっている。
そして、ECT_ECU5は、自動変速機2の変速段を設定するソレノイド制御信号(油圧指令信号)を油圧制御回路40に出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、油圧制御回路40のリニアソレノイドバルブやON−OFFソレノイドバルブの励磁・非励磁などが制御され、所定の変速変速段(1速〜8速)を構成するように、自動変速機2の第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、ワンウェイクラッチF1などが、所定の状態に係合または解放される。
また、ECT_ECU5は、油圧制御回路40にロックアップクラッチ制御信号(油圧指令信号)を出力する。このロックアップクラッチ制御信号に基づいて、油圧制御回路40のロックアップソレノイドバルブの励磁・非励磁などが制御されてトルクコンバータ20のロックアップクラッチ26が係合または解放される。
次に、ECT_ECU5が実行する「変速制御」、及び、「2速形成の禁止・許可制御」について説明する。
−変速制御−
まず、自動変速機2の変速制御に用いる変速マップについて図8を参照して説明する。
図8に示す変速マップは、車速及びアクセル開度をパラメータとし、それら車速及びアクセル開度に応じて、適正な変速段(最適な燃費となる変速段)を求めるための複数の領域が設定されたマップである。変速マップは、ECT_ECU5のROM52に記憶されている。変速マップの各領域は、複数の変速線(変速段の切り替えライン)によって区画されている。なお、図8において、シフトアップ線(変速線)を実線で示し、シフトダウン線(変速線)を破線で示している。また、シフトアップ及びシフトダウンの各切り替え方向を図中に数字と矢印とを用いて示している。
次に、変速制御の基本動作について説明する。
ECT_ECU5は、車速センサ97の出力信号(または出力軸回転数センサ93の出力信号)から車速を算出するとともに、アクセル開度センサ95の出力信号からアクセル開度を算出し、それら車速及びアクセル開度に基づいて、図8の変速マップを参照して目標変速段を算出し、その目標変速段と現状変速段とを比較して変速動作が必要であるか否かを判定する。その判定結果により、変速動作が必要ない場合には(目標変速段と現状変速段とが同じで、変速段が適切に設定されている場合には)、現状変速段を維持するソレノイド制御信号(指示油圧信号)を自動変速機2の油圧制御回路40に出力する。
一方、目標変速段と現状変速段とが異なる場合には変速動作を行う。例えば、自動変速機2の変速段が「5速」の状態で走行している状況から、車両の走行状態が変化して、例えば図8の点PAから点PBに変化した場合、シフトダウン変速線[5→4]を跨ぐ変化となるので、変速マップから算出される目標変速段が「4速」となり、その4速の変速段を設定するソレノイド制御信号(指示油圧信号)を自動変速機2の油圧制御回路40に出力して、5速の変速段から4速の変速段への変速(5→4ダウンシフト)を行う。
−2速形成の禁止・許可制御−
まず、自動変速機が搭載された車両においては、上述したように、前後車輪の速度差や駆動輪のスリップ率などによって路面μを検出し、その検出した路面μが所定の判定値よりも低い場合、駆動力を下げるために発進時・停止時の変速段を2速に設定するという制御が行われている。また、スノーモードが設定された車両では、運転者によりスノーモードスイッチが操作(ON)されたときに、発進時の変速段を1速ではなく2速以上に設定している。しかし、このような制御(2速形成モード)により常時2速で停止すると、自動変速機が逆回転できなくなるため、ワンウェイクラッチが破損するおそれがある。
この点について具体的に説明する。図4及び図5に示すように、この例の自動変速機2において2速を形成した場合、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が係合する。この2速形成状態から車両が後退(出力軸10が逆回転)すると、1速で係合するワンウェイクラッチF1によって自動変速機2の逆回転が阻止(ヒルホールド)されるため、ワンウェイクラッチF1に大きな負荷(車両のイナーシャ)が掛かってしまい、ワンウェイクラッチF1が破損するおそれがある。
そこで、この例では、車両後退の可能性があるか否かを判定し、車両が後退する状況となる場合にはヒルホールドとなる2速形成を禁止し、車両後退の可能性がないときに2速形成を許可する点に特徴がある。
その具体的な制御の例を図9のフローチャートを参照して説明する。図9の制御ルーチンはECT_ECU5において実行される。
ステップST1では、現在制御が2速形成モードであるか否か判定する。ステップST1の判定結果が肯定判定である場合はステップST2に進む。ステップST1の判定結果が否定判定である場合には、2速形成モードとなるまで(肯定判定が得られるまで)、ステップST1の判定処理を繰り返して行う。
なお、この例では、例えば、前後車輪の速度差や駆動輪のスリップ率などに基づいて算出される路面μが所定の判定値よりも低い場合に「2速形成モードである」と判定する。また、スノーモードスイッチ(図示せず)を備えている場合、そのスノーモードスイッチがONに操作されているときに「2速形成モードである」と判定する。
ステップST2では、車両後退の可能性があるか否かを判定する。具体的には下記の条件J11またはJ12の条件が成立したときに「車両後退の可能性がある」と判定する。
J11:路面の勾配が登坂路であるとき(Gセンサ98の出力信号、または、ナビゲーション装置からのナビ情報に基づいて判定)
J12:路面の勾配(Gセンサ98の出力信号、または、ナビゲーション装置からのナビ情報に基づいて判定)と、駆動力(エンジン1の発生トルク・2速のギヤ比で定まる力)とを比較して登坂性能が足りないと判定したとき
そして、ステップST2の判定結果が肯定判定である場合はステップST3に進む。ステップST2の判定結果が否定判定である場合には、このステップST2の判定処理を繰り返して行う。
ステップST3では自動変速機2の2速形成を禁止し、図4及び図5に示すように第1クラッチC1を係合することにより1速を形成する。なお、1速では、ワンウェイクラッチF1によって自動変速機2の逆回転が阻止される。
次に、ステップST4において車両の後退がないか否かを判定する。具体的には下記の条件J21〜J23のいずれか1つの条件が成立したときに「車両後退なし」と判定する。
J21:ブレーキONであるとき(ブレーキペダルセンサ99の出力信号、または、ブレーキ圧センサ101の出力信号にて判定)
J22:路面の勾配が非登坂路であるとき(Gセンサ98の出力信号、または、ナビゲーション装置からのナビ情報に基づいて判定)
J23:路面の勾配(Gセンサ98の出力信号、または、ナビゲーション装置からのナビ情報に基づいて判定)と、駆動力(エンジン1の発生トルク・2速のギヤ比で定まる力)とを比較して登坂性能が足りると判定したとき
そして、ステップST4の判定結果が肯定判定である場合はステップST5に進む。ステップST4の判定結果が否定判定である場合には、このステップST4の判定処理を繰り返して行う。
ステップST5では2速形成を許可して1→2変速を開始する。続いてステップST6において車速=0(ブレーキON)であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定である場合(車両が走行中である場合)は、走行中の車両の車速つまり出力軸回転数(出力軸回転数センサ93にて検出される出力軸回転数Nout)に基づいて、通常の1→2変速制御を実行する(ステップST7)。
具体的には、1→2変速を開始すると、自動変速機2の第1クラッチC1は係合状態に保持したままで、ブレーキB1に付与する作動油圧を所定のパターンで増加させる。そのブレーキB1の増圧過程において、タービン回転数センサ92にて検出されるタービン回転数Ntが、仮想タービン回転数(出力軸回転数Nout×1速のギヤ比)よりも低くなった時点でイナーシャ相が開始される。そして、タービン回転数Ntが、出力軸回転数Nout(車速)と変速後の2速のギヤ比とに基づく同期回転速度に達した時点(ブレーキB1が完全係合した時点)で1→2速の変速を終了するという制御を実行する。
一方、車速=0(車両停止)である場合(ステップST6が肯定判定)、出力軸回転数Noutを検出できないので、ステップST7のような変速制御は実施できない。
そこで、この例では、タイマによる計測時間に基づいて1→2変速制御を実行する(ステップST8)。具体的には、ステップST5の2速形成を許可(1→2変速を開始)した時点からの経過時間をタイマにて計測し、その計測時間が予め設定した判定値に達した時点で1→2速の変速制御を終了する。このような変速制御において計測時間に対して設定する判定値は、例えば、車速=0(出力軸回転数Nout=0)のときに、正常な1→2変速に要する時間(ブレーキB1の係合開始から完全係合までの時間)を予め実験・計算等により求めておき、その結果に基づいて経験的に求めた値を判定値とする。
ただし、ステップST8の1→2変速制御に用いる判定値(正常時の判定値)は、出力軸回転数センサ93の異常時などのフェール時において設定されるフェール時変速時間(ブレーキB1の係合開始から完全係合までの時間)よりも短い値とし、車両停止時における1→2変速を上記フェール時よりも早いタイミングで完了できるようにする。
以上の制御によれば、車両が後退する状況にあるときには、ヒルホールドとなる2速の形成を禁止しているので、登坂路での車両停止時におけるワンウェイクラッチF1の破損を防止することができる。さらに、車両が後退する可能性がないときには、2速形成を許可しているので、路面μが低い状況での車両の停止・発進性能を確保することができる。
また、車両後退の可能性がないときに2速形成を許可して1→2変速を実施する際に、車両停止(車速=0)である場合には、2速形成許可から一定時間(判定値)が経過した時点で1→2変速を終了するという制御を行っているので、自動変速機2の油圧指示値を新たに追加設定する等の複雑な処理を行うことなく、車両停止時における1→2変速制御(2速禁止→許可時の制御)を簡単な構成で実現することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、2速を形成したときにヒルホールドとなる構成の自動変速機の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、3速(もしくは3速以上)を形成したときヒルホールドとなる構成の自動変速機の制御にも適用可能である。
以上の例では、前進8段変速の自動変速機の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば前進6段などの他の任意の変速段の自動変速機の制御にも適用可能である。
以上の例では、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両に搭載される自動変速機の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載される自動変速機の制御や、4輪駆動車に搭載される自動変速機の制御にも適用できる。
FF型車両に搭載される自動変速機の一例を図10に示す。また、その自動変速機の係合表を図11に示す。
図10に示す自動変速機500は、トルクコンバータ600と変速機構部700とを備えている。
トルクコンバータ600は、図2に示したのものと同様に、ポンプインペラ21、タービンランナ22、ステータ23、ワンウェイクラッチ24、及び、ロックアップクラッチ26などを備えている。
変速機構部700は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置711を主体として構成される第1変速部701と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置712及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置713を主体として構成される第2変速部702とを同軸線上に有し、入力軸703の回転を変速して出力軸704に伝達し、出力歯車705から出力する遊星歯車式多段変速機である。出力歯車705は、車両に搭載される差動歯車装置に直接的にもしくはカウンタ軸を介して連結される。
第1変速部701を構成している第1遊星歯車装置711は、サンギヤS11、キャリアCA11、及び、リングギヤR11の3つの回転要素を備えており、サンギヤS11が入力軸703に連結される。さらに、サンギヤS11は、リングギヤR11が第3ブレーキB3を介してハウジング706に固定されることにより、キャリヤCA11を中間出力部材として入力軸703に対して減速回転される。
第2変速部702を構成している第2遊星歯車装置712及び第3遊星歯車装置713においては、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM11〜RM14が構成されている。
具体的には、第3遊星歯車装置713のサンギヤS13によって第1回転要素RM11が構成されており、第2遊星歯車装置712のリングギヤR12及び第3遊星歯車装置713のリングギヤR13が互いに連結されて第2回転要素RM12が構成されている。さらに、第2遊星歯車装置712のキャリアCA12及び第3遊星歯車装置713のキャリアCA13が互いに連結されて第3回転要素RM13が構成されている。また、第2遊星歯車装置712のサンギヤS12によって第4回転要素RM14が構成されている。
第2遊星歯車装置712及び第3遊星歯車装置713は、キャリアCA12及びCA13が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR12及びR13が共通の部材にて構成されている。さらに、第2遊星歯車装置712のピニオンギヤが第3遊星歯車装置713の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
第1回転要素RM11(サンギヤS13)は、中間出力部材である第1遊星歯車装置711のキャリアCA11に一体的に連結されており、第1ブレーキB1によってハウジング706に選択的に連結されて回転停止される。第2回転要素RM12(リングギヤR12及びR13)は、第2クラッチC2を介して入力軸703に選択的に連結される一方、ワンウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2を介してハウジング706に選択的に連結されて回転停止される。
第3回転要素RM13(キャリアCA12及びCA13)は出力軸704に一体的に連結されている。第4回転要素RM14(サンギヤS12)は、第1クラッチC1を介して入力軸703に選択的に連結される。
なお。第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3は、いずれも油圧シリンダによって摩擦係合する多板式の油圧式摩擦係合装置である。
以上の自動変速機2では、摩擦係合要素である第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、及び、ワンウエイクラッチF1などが、所定の状態に係合または解放されることによって変速段が設定される。
図11は、以上の自動変速機500の各変速段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表であり、「○」は係合を、「×」は解放をそれぞれ表している。
この図11に示すように、この例の自動変速機500において、クラッチC1を係合させると前進段の1速(1st)が成立し、この1速ではワンウェイクラッチF1が係合する。第1クラッチC1及びブレーキB1を係合させると前進段の2速(2nd)が成立する。第1クラッチC1及び第3ブレーキB3を係合させると前進段の3速(3rd)が成立する。
また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を係合させると前進段の4速(4th)が成立する。第2クラッチC2及び第3ブレーキB3を係合させると前進段の5速(5th)が成立する。第2クラッチC2及び第1ブレーキB1を係合させると前進段の6速(6th)が成立する。一方、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を係合させると後進段(R)が成立する。
以上の図10に示す自動変速機500においても、2速を形成した場合、1速で係合するワンウェイクラッチF1によって自動変速機の逆回転が阻止(ヒルホールド)される構成の変速機であり、そのヒルホールド時にワンウェイクラッチF1に大きな負荷(車両のイナーシャ)かかり、ワンウェイクラッチF1が破損するおそれがあるが、このような構成の自動変速機500においても、図9に示す2速形成の禁止・許可制御を実行することにより、路面μが低い状況での停止・発進性能を確保しながら、登坂路での停止時におけるワンウェイクラッチF1の破損を防止することができる。
以上の例では、ガソリンエンジンを搭載した車両の制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両の制御にも適用可能である。
本発明を適用する自動変速機が搭載された車両の概略構成図である。 自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 自動変速機の変速機構部を模式的に示す斜視図である。 図3の自動変速機の変速機構部における各クラッチ及び各ブレーキの変速段ごとの係合状態を示す図である。 自動変速機の変速機構部の両プラネタリにおける各構成要素の回転数比を変速段ごとに示す速度線図である。 シフト装置のシフトレバー部分の構成を示す斜視図である。 ECT_ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 自動変速機の変速制御に用いる変速マップの一例を示す図である。 自動変速機の2速形成の禁止・許可制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 自動変速機の他の例を示すスケルトン図である。 図10の自動変速機の変速機構部における各クラッチ及び各ブレーキの変速段ごとの係合状態を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 エンジンECU
5 ECT_ECU
30 変速機構部
C1〜C4 クラッチ
B1,B2 ブレーキ
F1 ワンウェイクラッチ
40 油圧制御回路
94 シフトポジションセンサ
98 Gセンサ
99 ブレーキペダルセンサ

Claims (5)

  1. 車両に搭載される有段式の自動変速機であって、車両後退方向の回転が低変速段側のワンウェイクラッチによって阻止可能な特定の変速段を有する自動変速機の制御装置において、
    車両後退の可能性があるか否かを判定する車両後退判定手段と、前記車両後退判定手段にて車両後退の可能性があると判定された場合に、前記特定の変速段の形成を禁止する変速段形成制御手段とを備え
    前記車両後退判定手段にて「車両後退の可能性がある」と判定された場合は、前記車両後退方向の回転が1速のワンウェイクラッチによって阻止可能な2速の形成を禁止して1速を形成し、前記2速の形成を禁止した後、「車両後退の可能性がない」と判定された場合は2速の形成を許可することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記2速の形成を禁止して1速を形成している状態から、2速形成の許可により1→2変速を実施する際に、車速が0である場合には、前記1→2変速を前記2速形成許可からの経過時間に基づいて制御することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項記載の自動変速機の制御装置において、
    前記2速形成許可からの経過時間を計測するカウンタを有し、前記1→2変速を実施する際の車速が0である場合には、前記カウンタにて計測される時間が予め設定された判定値に達した時点で前記1→2変速を終了することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記車両後退判定手段は、「路面の勾配が登坂路である」の条件が成立したときに、「車両後退の可能性がある」と判定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記変速段形成制御手段は、前記2速の形成を禁止した後、「ブレーキONである」、または「路面の勾配が非登坂路である」の条件が成立したときに、前記2速の形成を許可することを特徴とする自動変速機の制御装置。
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