JP5166702B2 - 塗装焼付け硬化性に優れた6000系アルミニウム押出材及びその製造方法 - Google Patents

塗装焼付け硬化性に優れた6000系アルミニウム押出材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム押出形材が塗装焼付けに相当する熱履歴を受けたとき、調質処理後と同じように耐力を向上することができる塗装焼付け硬化性に優れた6000系アルミニウム(Al−Mg−Si合金)押出材に関する。本発明は、自動車など車両用構造部材、例えば、サイドシル、サイドメンバ、クロスメンバ、ドアフレームなどのフレーム構造材など塗装焼付けに相当する熱履歴を受ける部材に適用することができる。
近年、地球環境保護の観点から、自動車等の構造部材においてアルミニウム合金が注目されている。しかしながら、アルミニウムはスチールに対し単位重量当りの価格が高く、重量は低減できるが部品コストが高くなる傾向にある。従って、アルミニウム合金を自動車等の構造部材に適用する場合には、素材であるアルミニウム押出材の価格を低減する必要がある。
自動車等構造部材の製造工程によっては、アルミニウム押出工程である押出成形→引張矯正→切断の後に、自動車等の構造部材によっては曲げ加工など2次加工を経て、調質処理→塗装→塗装焼付けにより製造される。これら自動車等の構造部材を製造する工程内で、アルミニウム押出材は調質処理及び塗装焼付けと2度の熱履歴を受ける。また、2次加工形状で調質処理を行なうと積載効率が悪く、製品の価格が高くなる。そこで、できるだけ調質処理を廃止するか、2次加工形状における調質処理を廃止し、塗装焼付けの熱履歴を利用してアルミニウム押出材の耐力を上昇する工程が好ましい。
また、自動車等の構造部材は、2次加工時には耐力が低く、サイドシル、サイドメンバ、クロスメンバ、ドアフレームなどのフレーム構造材などによって使用するときに適用可能な耐力を確保していることが好ましい。
また、Al−Mg−Si合金である6000系アルミニウム合金において、化学量論組成で表されるMgSi含有量と過剰Mg含有量(又は、過剰Si含有量)が合わせて0.6wt%以上であると、自然時効してしまうことで押出直後よりも耐力が上昇するとともに、室温で放置しない場合に比べて時効処理後の耐力が減少する、いわゆる「負の効果」が発生する。塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材は室温に放置しても、耐力が上昇することなく、且つ、塗装焼付けに相当する塾履歴を受けた後に効率的に性能を発揮することが好ましい。
アルミニウム合金板を適用する場合においては、塗装焼付けの熱履歴を利用する塗装焼付け硬化性を向上するために種々の方法が提案されている。これらの方法の一つとして、下記特許文献1には、合金成分を調整し、BeやBを添加する方法、下記特許文献2には、溶体化処理後の冷却速度を制御する方法が開示されている。
また、下記特許文献3には、アルミニウム押出形材を適用する場合において、押出後に引張矯正、2次加工などにより加工歪みを加えて時効促進する方法が開示されている。
さらに、下記特許文献4には、曲げ加工性に優れ、塗装焼付け硬化性を有するアルミニウム合金押出形材を得ることを目的として、質量%で、Mg:0.3〜1.3%、Si:0.2〜1.2%、Sn:0.01〜0.3%を含有し、残部はAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の鋳塊を400〜550℃で予熱して熱間押出成形を行ってから50℃/分以上の冷却速度で50℃以下の温度まで冷却し、押出成形後24時間以内に50〜140℃の範囲の温度で、合金の耐力が120N/mm以下になる範囲内で0.5〜50時間保持する安定化処理を行う方法が開示されている。
特開平6−2063号公報 特開平9−176806号公報 特開2004−204321号公報 特開2002−235158号公報
ところで、塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材は自動車等の構造部材として適用する場合、衝突時における車両保護の観点から耐力が180MP、以上であることが好ましい。
また、上記の従来技術は、BeやBなど合金成分を調整するもの(特許文献1)は、成分管理が複雑になるし、冷却速度を制御するもの(特許文献2)は、工程が煩雑になり厚肉の押出形材に適用するには、コスト上昇につながるものであった。これらの従来技術は板厚が1mm程度のアルミニウム圧延板に関するものであるため、そのままアルミニウム押出形材に適用しても、塗装焼付け硬化性が充分に発揮されない恐れがあった。また、押出後に加工歪みを加えるもの(特許文献3)は、引張矯正の工程管理が難しく、また、加工硬化により耐力が上昇するために2次加工しづらくなる。さらに、引張矯正しない場合には2次加工する必要があり、いずれも自動車などの構造材に適用する場合によっては適用を制限してしまい、適用できない部位があった。更に、特許文献4の方法では、押出成形後24hr以内に安定化処理を行わなければならなかった。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、塗装焼付けに相当する熱履歴(150〜200℃×0.3〜0.5hr程度)で自動車等の構造部材に適用可能な耐力を確保することができる塗装焼付け硬化性に優れたアルミニウム押出形材を提供することを技術課題とする。
本発明者らは、特定組成の6000系アルミニウム合金(Al−Mg−Si合金)を押出成形後、直ちに特定温度で特定時間保持し、その後、塗装及び塗装焼付けに相当する熱履歴を受けたアルミニウム押出材、又は押出材製造工程でビレット温度と押出直後の冷却速度を特定に設定されたアルミニウム押出材が上記課題を解決するものであること見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は6000系アルミニウム押出材の発明であり、質量%で、強度確保のためにマグネシウムを0.3〜0.7%、及びシリコンを0.7%〜1.5%、伸び確保のために銅を0.35%以下、耐力確保のために鉄を0.35%以下、結晶微細化のためチタンを0.005〜0.1%含有し、さらに、押出時の組織安定のためマンガンを0.05〜0.30%、クロムを0.10%以下、及びジルコニウムを0.10%以下とし、これらマンガン、クロム、及びジルコニウムから選択される遷移元素の1種以上を合計で0.05〜0.40%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物であるアルミニウム押出形材であって、塗装焼付けに相当する熱履歴で耐力が60MPa以上上昇し、その後の耐力が180MPa以上に設定されていることを特徴とする6000系アルミニウム押出材である。本発明の6000系アルミニウム押出材は、塗装焼付けに相当する熱履歴を受けたとき、調質処理後と同じように耐力を向上することができる塗装焼付け硬化性に優れたアルミニウム押出材である。
本発明の6000系アルミニウム押出材は、以下のような手段で得られる。
(1)押出成形後直ちに90±50℃で1〜24hr保持する。
(2)押出材製造工程でビレット温度を500℃以上、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定する。
第2に、本発明は6000系アルミニウム押出材の製造方法の発明であり、質量%でマグネシウムを0.3〜0.7%、シリコンを0.7%〜1.5%、銅を0.35%以下、鉄を0.35%以下、チタンを0.005〜0.1%含有し、さらに、マンガンを0.05〜0.30%、クロムを0.10%以下、ジルコニウムを0.10%以下とし、これらマンガン、クロム、及びジルコニウムから選択される遷移元素の1種以上を合計で0.05〜0.40%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物よりなるアルミニウム合金の鋳塊を押出成形を行う。
本発明の6000系アルミニウム押出材は、以下のような手段で得られることは上述の通りである。
(1)押出成形後直ちに90±50℃で1〜24hr保持する。
(2)押出材製造工程でビレット温度を500℃以上、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定する。
本発明によれば、6000系アルミニウム押出形材について、塗装焼付けの熱履歴で十分な耐力を満足することができる塗装焼付け硬化性に優れたアルミニウム押出形材及びその製造方法を提供することができる。
図1に、従来及び本発明のアルミニウム押出形材を用いた自動車部材の製造工程をドアフレームを例にして対比・説明する。
図1(a)は、従来の分割ドアフレームの製造工程を示す。アルミニウム部材からなるビレット(BLT)は押出工程である押出成形→引張矯正→切断の後に、ストレッチベンダー曲げ等の曲げ加工の後、他のアルミニウム部材との溶接等の2次加工を経て、例えばT5(200℃×3hr)の調質処理を行う。その後、塗装工程を経て170℃×0.3hr程度の塗装焼付けにより製造される。
図1(b)は、従来の一体ドアフレームの製造工程を示す。アルミニウム部材からなるビレット(BLT)は押出工程である押出成形→引張矯正→切断の後に、ストレッチベンダー曲げ等の曲げ加工等の2次加工を経て、例えばT5(200℃×3hr)の調質処理を行う。その後、塗装工程を経て170℃×0.3hr程度の塗装焼付けにより製造される。
これら従来のドアフレームの製造工程内では、アルミニウム押出材は調質処理及び塗装焼付けと2度の熱履歴を受けることになる。また、2次加工形状で調質処理を行なうと積載効率が悪く、製品の価格が高くなる。
これに対して、図1(c)は、本発明の一体ドアフレームの製造工程を示す。アルミニウム部材からなるビレット(BLT)は押出工程である押出成形→引張矯正→切断の後に、ストレッチベンダー曲げ等の曲げ加工等の2次加工を行う。その後、調質処理なしに、塗装工程を経て170℃×0.3hr程度の塗装焼付けにより製造される。このように、本発明では、調質処理を廃止し、塗装焼付けの1回のみの熱履歴を利用してアルミニウム押出材の耐力を上昇する。
調質処理に対して塗装焼付けの熱履歴は170℃×0.3hr程度であり、通常の調質処理(200℃×3hr程度)に対して時効温度が低く、且つ、保持時間が短い。構造部材として適用可能な耐力を確保するため、塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材は時効温度が低く、且つ、保持時間が短い場合においても、時効処理で析出するMgSi析出物の密度は調質処理と同程度であることが好ましい。このMgSi析出物は6000系アルミニウム合金において耐力を向上させることができる。そのため本発明ではマグネシウム、シリコンを含有しているが、マグネシウム、シリコンは多く含有すると押出成形性を大きく阻害するので上限を設けている。また、銅は耐力及び伸びを向上させるが、多く含有すると押出成形性を阻害し、耐食性を阻害する。さらに、鉄は鋳造時に晶出物、高温加熱時に粗大な析出物を析出し、時効処理において析出するMgSi析出物の密度を減少させるため、時効処理における耐力上昇を阻害する。
本発明は、6000系アルミニウム合金の押出成形性を阻害せずに塗装焼付け硬化性を効率的に発揮できる合金成分範囲及び、塗装焼付けに相当する熱履歴を受けた後に、耐力が60MPa以上上昇し、衝突時における車両保護の観点から耐力を180MPa以上に確保できる塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材及びその製造方法を定めたものである。
以下に本発明に係る塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材の各合金成分及び製造方法について説明する。
[マグネシウム、シリコン]
マグネシウムとシリコンは押出後冷却することによりアルミニウムの過飽和固溶体を形成し、その後の時効処理においてMgSi析出物を形成し、合金強度を向上する。マグネシウムは塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材として必要な耐力を確保するため、マグネシウムは0.3%以上含有することが好ましい。しかしながら、マグネシウムは多く含有すると押出成形時の変形抵抗が大きく増大するため、マグネシウムは0.7%以下であることが好ましい。従って、マグネシウムは0.3〜0.7%とする。より望ましくは0.4%〜0.6%とする。
シリコンはマグネシウムに対して多く含有しても押出生産性を阻害しにくい。また、シリコンは塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材として必要な耐力を確保するため、シリコンは0.7%以上含有することが好ましい。しかしながら、シリコンは1.5%を超えると、押出後冷却することによりアルミニウムに固溶しにくくなり、且つ、これ以上多く含有してもマグネシウムと同様に押出生産性を阻害する傾向にあることを考慮し、シリコンは1.5%以下であることが好ましい。従って、シリコンは0.7〜1.5%とする。より望ましくは、0.8%〜1.3%とする。
[銅]
銅は強度及び伸びを確保のためには含有されていることが好ましいが、過剰であると耐食性が低下する。また、押出時における変形抵抗が増加し、生産性を阻害する傾向がある。これを考慮し、銅は0.35%以下とする。
[鉄]
鉄は鋳造時に金属間化合物を多く晶出し、合金強度が低下する。この金属間化合物は粗大であり、その後の時効処理で耐力を向上させるMgSi析出物を構成しているシリコンを取りこむために析出物の密度は小さくなる。また、過剰であると耐食性が低下する。これを考慮し、鉄は0.35%以下とする。
[マンガン、クロム、ジルコニウム]
マンガン、クロム、ジルコニウムは押出時の再結晶を抑制し、繊維状組織を安定化する効果がある。しかしながら、クロム、ジルコニウムは焼入れ感受性を大きく阻害し、自動車等の構造材を形成するアルミニウム押出形材によっては押出後のファン空冷で過飽和固溶体を形成しづらくなり、その後の時効処理で耐力を向上させるMgSi析出物の密度が小さくなる。また、ジルコニウムは鋳造時にチタンと金属間化合物を形成し、チタンの結晶微細化する効果を減少させるとともに、鋳造時に割れが発生する原因となる。
マンガンは比較的焼入れ感受性を阻害しにくく、再結晶を抑制しやすい。再結晶を抑制する効果を得るためには0.05%以上含有する必要がある。しかしながら、0.30%以上添加すると、クロム、ジルコニウムと同様に焼入れ感受性を阻害し、自動車等の構造材を形成するアルミニウム押出形材によっては、押出後のファン空冷で過飽和固溶体を形成しづらくなり、その後の時効処理で耐力を向上させるMgSi析出物の密度が小さくなる。
これを考慮し、マンガンを0.05〜0.30%、クロムを0.10%以下、ジルコニウムを0.10%以下で含有し、これらマンガン、クロム、及びジルコニウムから選択される遷移元素の1種以上を合計で0.05〜0.40%とする。
[チタン]
チタンは鋳造時に結晶を微細化させるが、過剰に添加しても添加効果が飽和する。これを考慮し、チタンは0.005〜0.10%とすることができる。より望ましくは0.005〜0.05%とすることができ、さらに望ましくは0.005〜0.03%とする。
[不可避不純物]
不可避不純物はアルミニウム合金を鋳造する際の地金、添加元素の中間合金など様々な経路で混入する。混入する元素は様々であるが、単体で0.05%以下、総量で0.15%以下であれば合金特性にほとんど影響を及ぼさない。これを考慮し、不可避不純物は単体で0.05%以下、総量で0.15%以下とする。
[製造方法:(1)押出成形後直ちに90±50℃で1〜24hr保持する]
塗装焼付け硬化性アルミニウム押出材は、製造工程において押出成形→90±50℃×1〜24hr保持後に塗装及び塗装焼付けに相当した熱履歴を受けたアルミニウム押出形材である。押出成形後の90±50℃×1〜24hr保持により、その後の塗装焼付けに相当する熱履歴で形成するMgSi析出物の核(いわゆるGPzone)を生成する。このGPzoneは低温に保持することでより多く生成することができるが、50℃より低い温度で保持すると、生成するのに24hr以上の保持時間が必要であり、生産効率が悪くなるため、塗装焼付け硬化性アルミニウム押出材として50℃以上に保持することが望ましい。また、120℃より高い温度で保持すると、MgSi析出物が成長してしまい、耐力が上昇するために、その後2次加工する場合には、加工性を阻害する傾向にあり、120℃以下に保持することが望ましい。これを考慮し、押出成形後に90±50℃×1〜24hrとし、さらに望ましくは70±10℃×1〜12hrとすることができる。この90±50℃×1〜24hr保持工程は、押出成形後に空冷し、雰囲気炉内にて保持しても良いし、ウォータバスやオイルバスで保持しても良い、また、押出成形後の放冷を制御し、断熱して保持しても良い。
さらに、90±50℃×1〜24hr保持工程は、通常しない場合において押出成形後に室温に放置することで徐々にGPzoneが生成するために強度が上昇してしまう自然時効が生じるが、90±50℃×1〜24hr保持していることにより、すでにGPzoneが生成しているため、その後の自然時効抑制にも効果がある。
[製造方法:(2)押出材製造工程でビレット温度を500℃以上、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定する]
塗装焼付け硬化性アルミニウム押出材は、製造工程においてビレット温度を500℃以上に設定し、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定する。更に、押出成形後直ちに90±50℃×1〜24hr保持後に塗装及び塗装焼付けに相当した熱履歴を受けたアルミニウム押出形材である。通常の押出工程においては、ビレット温度が600℃以上に保持されることは考えられないため、上限は規定しない。ビレット加熱温度を500℃以上に設定し、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定することによリ、その後の90±50℃×1〜24hr保持で生成されるMg−Si析出物の核(いわゆるGPzone)を生成するために必要な過飽和固溶体を得ることができる。ビレット温度が500℃未満であると、GPzone生成に必要な空孔をアルミニウム内に取り込めず、また、冷却速度が70℃/min未満であると、冷却途中に空孔が放出されたり、固溶した溶質原子が析出物となって析出してしまい、その後の90±50℃×1〜24hrでGPzoneが生成できなくなる。そのため、ビレット加熱温度を500℃以上にし、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定することで、90±50℃×1〜24hr保持で生成するMgSi析出物の核(いわゆるGPzone)を生成することができる。さらに、このGPzoneは、低温に保持することでより多く生成することができるが、50℃より低い温度で保持すると、生成するのに24hr以上の保持時間が必要であり、生産効率が悪<なるため、塗装焼付け硬化性アルミニウム押出材として50℃以上に保持することが望ましい。また、120℃より高い温度で保持すると、MgSi析出物が成長してしまい、耐力が上昇するために、その後2次加工する場合には、加工性を阻害する傾向にあリ、120℃以下に保持することが望ましい。これを考慮し、押出成形後に90±50℃×1〜24hrとし、さらに、望ましくは70±10℃×1〜12hrとすることができる。この90±50℃×1〜24hr保持工程は、押出成形後に空冷し、雰囲気炉内にて保持しても良いし、ウォータバスやオイルバスで保持しても良い。また、押出成形後の放冷を制御し、断熱して保持しても良い。
本発明に係る塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材は、中実又は中空部をもつ形材として好適であり、角筒形状でも良く、円筒形状、異形形状でも良い。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
[製造方法:(1)押出成形後直ちに90±50℃で1〜24hr保持する]
まず、表1の試験例No.1、2に示す6000系のアルミニウム合金の組成になるように成分調整した原料を溶解し、押出サイズに適した円筒状の鋳塊(直径204mm×長さ700mm)を溶製した。尚、表1に示す合金成分は分析値で「0.00%」は有効数字を考慮している。その後、鋳塊を560℃×4hrで均質化処理を行った。
次に均質化処理した鋳塊(ビレット)を押出成形型にて、表2に示す所定の押出温度(ビレット加熱温度)、冷却条件にて押出成形し、図2に示すフレーム構造材の横断面に相当するアルミニウム押出形材を形成した。
Figure 0005166702
Figure 0005166702
これらの塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材について、引張試験により耐力、強度、破断伸びを調べて評価した。引張特性は、平板状試験片を塗装焼付け硬化性押出形材から採取し、JIS規格に準拠した引張試験機でJIS−Z2241に基づいて求めた。判定基準は耐力が衝突時における車両保護の観点から180MPa以上を「○」とし、180〜150MPaは断面設計によっては適用可能なため「△」とし、150MPa未満を「×」とした。さらに、2次加工する場合を考慮して、塗装焼付けに相当する熱履歴の前後における耐力の差が60MPa以上を「○」とし、60MPa未満を「×」として、総合判定を行なった。表3に評価結果を示す。
Figure 0005166702
[評価]
試験例No.1は、Siを1.10%、Cuを0.20%、Mgを0.59%、Mnを0.08%含有するアルミニウム押出形材である。実施例に相当する試験例No.1−1〜試験例No.1−3と、比較例に相当する試験例No1−4は押出成形後12〜168hr室温で放置した後、70℃×12hr保持し、B.H.処理前後の耐力について比較した。また、実施例に相当する試験例No.1−5〜No.1−8は、押出成形後12hr放置した後に70℃×12hr処理し、12〜168hr室温で放置し、B.H.処理前後の耐力について比較した。
その結果、試験例No.1−1〜No.1−4は、押出成形後の室温放置時間が長くなるにつれてB.H.処理後の耐力が減少し、それぞれ211MPa、204MPa、206MPa、204MPaであり判定は○であった。しかしながら、B.H.による耐力上昇はそれぞれ92MPa,66MPa、61MPa、57MPaであり、室温放置時間が長くなるにつれて減少し、168hr室温に放置した比較例に相当する試験例No1−4は判定×であった。その他のものについてはB.H.による耐力上昇が60MPa以上あり、判定は○であった。従って、実施例に相当する試験例No.1−1〜試験例No.1−4の総合判定は、押出成形後の室温放置時間が168hr未満のもの(試験例No.1−1、1−2,1−3)はO、169hr以上のもの(試験例No.1−4)は×とした。
さらに、実施例に相当する試験例No.1−5〜1−8は、押出成形後12hr放置した後に70℃×12hr保持し、12〜168hr室温で放置し、B.H.処理したものであるが、B.H.処理後の耐力は、214MPa、210MPa、209MPa、212MPaで70℃×12hr保持後の室温放置による影響がなく、いずれも○である。また、B.H.による耐力上昇は、94MPa、92MPa、88MPa、93MPaで70℃×12hr保持後の室温放置による影響がなく、いずれも○であった。従って実施例に相当する試験例No.1−5〜1−8は、総合判定をいずれも○とした。
試験例No.2は、Siを0.90%、Cuを0.20%、Mgを0.40%、Mnを0.08%含有するアルミニウム押出形材である。実施例に相当する試験例No.2−1〜試験例No.2−3と、比較例に相当する試験例No.2−4は押出成形後12〜168hr室温で放置した後、70℃×12hr保持し、B.H.処理前後の耐力について比較した。また、実施例に相当する試験例No.2−5〜No.2−8は、押出成形後12hr放置した後に70℃×12hr処理し、12〜168hr室温で放置し、B.H.処理前後の耐力について比較した。
その結果、試験例No.2−1からNo.2−4は、押出成形後の室温放置時間が長くなるにつれてB.H.処理後の耐力が減少し、それぞれ182MPa、176MPa、176MPa、170MPaであり、試験例No.2−1は○、試験例No.2−2〜2−4判定は△であった。さらに、B.H.による耐力上昇はそれぞれ92MPa、66MPa、60MPa、35MPaであり、室温放置時間が長くなるにつれて減少し、168hr以上室温放置した比較例に相当する試験例No.2−4の判定は×であった。その他のもの(試験例No.2−1〜No.2−3)についてはB.H.による耐力上昇が60MPa以上あり判定は○であった。
従って、実施例に相当する試験例No.2−1の押出成形後の室温放置時間が12hrのもの総合判定は○、試験例No.2−2と2−3の押出成形後の室温放置時間が24〜72hrのものはB.H.処理後の耐力が小さいものの断面設計によっては適用可能なため結合判定を△、押出成形後の室温放置時間が168hr以上のもの(試験例No.2−4)は×とした。
さらに、実施例に相当する試験例No.2−5〜2−8は、押出成形後12hr放置した後に70℃×12hr保持し、12〜168hr室温で放置した後、B.H.処理したものであるが、B.H.処理後の耐力は、184MPa、183MPa、181MPa、185MPaで70℃×12hr保持後の室温放置による影響がなく、いずれも○であった。また、B.H.による耐力上昇は、89MPa、87MPa、87MPa、92MPaで、70℃×12hr保持後の室温放置による影響がなく、いずれも○であった。従って、実施例に相当する試験例No.2−5〜2−8は総合判定をいずれも○とした。
[製造方法:(2)押出材製造工程でビレット温度を500℃以上、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定する]
まず、表4(試験例No.1〜4)に示す6000系のアルミニウム合金の組成になるように成分調整した原料を溶解し、押出サイズに適した円筒状の鋳塊(直径204mm×長さ700mm)を溶製した。尚、表4に示す合金成分は分析値で『0.00%』は有効数字を考慮している。その後、鋳塊を560℃×4hrで均質化処理を行った。
Figure 0005166702
次に、均質化処理した鋳塊(ビレット)を押出成形型にて、表5に示す所定のビレット温度、冷却条件にて押出温押出成形し、図2に示すフレーム構造材の横断面に相当するアルミ=ウム押出形材を形成した。尚、表5に示す冷却ファン設定の通常とは45cmファンを1680r.p.m.で回転させた時の条件とする。
Figure 0005166702
その後、アルミ=ウム押出材を70℃×12hr保持し、1週間室温に放置して図2に示す塗装焼付に相当する熱履歴(B.H.処理)を加えた。通常の調質処理に相当する熱処理は実施していない。
これらの塗装焼付け硬化性アルミニウム押出形材について、引張試験により耐力、強度、破断伸びを調べて評価した。引張特性は、平板状試験片を塗装焼付け硬化性押出形材から採取し、JIS規格に準拠した引張試験機でJIS−Z2241に基づいて求めた。判定基準は耐力が衝突時における車両保護の観点から180MPa以上を「○」とし、180〜150MPaは断面設計によっては適用可能なため「△」とし、150MPa未満を「×」とした。さらに、2次加工する場合を考慮して、塗装焼付けに相当する熱履歴の前後における耐力の差が60MPa以上を「○」とし、60MPa未満を「×」として、総合判定を行なった。表6に評価結果を示す。
Figure 0005166702
試験例No.1は、Siを1.10%、Cuを0.20%、Mgを0.59%、Mnを0.08%含有するアルミニウム押出形材である。試験例No.1−1〜1−4は押出時のビレット温度が460、480,500、520℃に変化させたものについて、B.H.処理前後の耐力を比較した。さらに、それらと押出時のビレット温度が500℃で、押出直後より4minの冷却速度が70℃/min未満のもの(試験例No.1−5)について比較した。その結果、B.H.処理後の耐力は、それぞれ152MPa、171MPa、213MPa、209MPa、177MPaであり、ビレット温度が500℃未満のもの(試験例No.1−1、1−2)と押出直後より4minの冷却速度が70℃/min未満のもの(試験例No.1−5)はB.H.処理後の耐力が小さく、判定は△であった。その他のものについてはB.H.処理後の耐力が180MPa以上であり判定は○である。また、B.H.による耐力上昇はそれぞれ43MPa、57MPa、92MPa、87MPa、50MPaであり、ビレット温度が500℃未満のmoの(試験例No.1−1、1−2)と、押出直後より4minの冷却速度が70℃/min未満のもの(試験例No.1−5)はB.H.による耐力上昇が小さく、判定は×であった。その他のものについては、B.H.による耐力上昇は60MPa以上であり、判定を○とした。従って、実施例に相当する試験例No.1の総合判定は,ビレット温度が500℃以上に加熱されたもの(No.1−3、1−4)は○、その他のものについては総合判定を×とした。
試験例No.2は、Siを0.90%、Cuを0.20%、Mgを0.40%、Mnを0.09%含有するアルミニウム押出形材である。試験例No.2−1〜2−4は押出時のビレット温度が460、480、500,520℃に変化させたものについて、B.H.処理前後の耐力を比較した。さらに、それらと押出時のビレット温度が500℃で、押出直後より4minの冷却速度が70℃/min未満のもの(試験例No.2−5)について比較した。その結果、B.H.処理後の耐力は、133MPa、147MPa、178MPa、184MPa、155MPaであり、ビレット温度が500℃未満のもの(試験例No.2−1、No.2−2)はB.H.処理後の耐力が小さく、判定は×であった。ビレット温度が500℃のもの(試験例No.2−3)は、B.H.処理後の耐力が小さいものの150MPa以上あり。判定は△であった。ビレット温度が520℃のもの(試験例No.2−4)はB.H.処理後の耐力は充分に大きく判定は○であった。又,B.H.による耐力上昇はそれぞれ52MPa、63MPa、85MPa、94MPa、60MPaであり、ビレット温度が460MPa以下のもの(試験例No.2−1)は、B.H.処理後の耐力上昇が60MPa未満であり判定は×であった。その他のもの(試験例No.2−2、2−3、2−4、2−5)についてはB.H.処理後の耐力上昇が60MPa以上であり判定は○であった。従って、実施例No.2の総合判定は、ビレット温度が480℃以下のもの(試験例No.2−1、2−2)は×、ビレット温度が500℃のもの(試験例No.2−3、2−5)はB.H.処理後の耐力が小さいものの断面設計によっては適用可能なため総合判定を△とした。ビレット温度が520℃のもの(試験例No.2−4)は○とした。
比較例1に相当する試験例No.3は、Siを0.59%、Cuを0.20%、Mnを0.20%、Mgを0.60%、Crを0.02%、含有するアルミニウム押出形材である。Siの含有量は本発明の範囲を外れている。この材料をビレット温度が500℃で、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定して押出し、70℃×2hの処理を行なわずB.H.処理すると耐力は105MPa、B.H.による耐力上昇は10MPaでともに評価は×であった。この材料は通常の調質処理を施すと耐力は197MPaであり、自動車等の構造部材によっては適用可能であるが、塗装焼付け硬化性に乏しく、コストが高くなる恐れがある。
比較例に相当する試験例No.4は、Siを0.44%、Mgを0.49%含有するアルミニウム押出形材である。Siの含有量は本発明の範囲を外れている。この材料をビレット温度が500℃で、押出直後より4minの冷却速度を70℃/min以上に設定して押出し、70℃×2hr処理を行なわずにB.H.処理すると耐力は85MPa,B.H.による耐力上昇は14MPaでともに評価は×であった。この材料は通常の調質処理を施すと耐力は233MPaであり、自動車等の構造部材niよっては適用可能であるが、塗装焼付け硬化性に乏しく、コストが高くなる恐れがある。
本発明によれば、塗装焼付けに相当する熱履歴で自動車等の構造部材に適用可能な耐力を確保することができる塗装焼付け硬化性に優れた6000系アルミニウム押出形材を提供することが出来る。本発明のアルミニウム押出形材は、自動車など車両用構造部材、例えば、サイドシル、サイドメンバ、クロスメンバ、ドアフレームなどのフレーム構造材など塗装焼付けに相当する熱履歴を受ける部材に適用することができる。
従来及び本発明のアルミニウム押出形材を用いた自動車部材の製造工程をドアフレームを例にして対比・説明する。図1(a)は、従来の分割ドアフレームの製造工程を示す。図1(b)は、従来の一体ドアフレームの製造工程を示す。図1(c)は、本発明の一体ドアフレームの製造工程を示す。 試験片の横断面を示す図である。 塗装焼付けに相当する熱履歴を示す図である。

Claims (2)

  1. 塗装焼付けに相当する熱履歴で耐力が60MPa以上上昇し、その後の耐力が180MPa以上に設定されていることを特徴とする6000系アルミニウム押出材であって、
    質量%でマグネシウムを0.3〜0.7%、シリコンを0.7%〜1.5%、銅を0.35%以下、鉄を0.35%以下、チタンを0.005〜0.1%含有し、さらに、マンガンを0.05〜0.30%、クロムを0.10%以下、ジルコニウムを0.10%以下とし、これらマンガン、クロム、及びジルコニウムから選択される遷移元素の1種以上を合計で0.05〜0.40%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物であるアルミニウム合金の鋳塊を500℃以上のビレット温度で押出成形し、押出直後より押出形材を70℃/min以上の冷却速度で少なくとも4min冷却して、前記押出成形後から計測して72hr以内の期間、室温に放置し、その後90±50℃で1〜24hr保持することによって得られる前記押出材。
  2. 塗装焼付けに相当する熱履歴で耐力が60MPa以上上昇し、その後の耐力が180MPa以上に設定されている6000系アルミニウム押出材の製造方法であって、
    質量%でマグネシウムが0.3〜0.7%、シリコンが0.7%〜1.5%、銅が0.35%以下、鉄が0.35%以下、チタンが0.005〜0.1%含有し、さらに、マンガンを0.05〜0.30%、クロムを0.10%以下、ジルコニウムを0.10%以下とし、これらマンガン、クロム、及びジルコニウムから選択される遷移元素の1種以上を合計で0.05〜0.40%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物よりなるアルミニウム合金の鋳塊を500℃以上のビレット温度で押出成形を行う押出工程、
    前記押出工程直後に押出形材を70℃/min以上の冷却速度で少なくとも4min冷却する冷却工程、
    前記冷却工程後の押出形材を、前記押出工程後から計測して72hr以内の期間、室温に放置する室温放置工程、及び
    前記室温放置工程後に押出形材を90±50℃で1〜24hr保持する低温保持工程
    を含むことを特徴とする前記6000系アルミニウム押出材の製造方法。
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