JP5165239B2 - 制御放出処方物の調製のための方法 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は制御放出組成物を作製する方法、特に生物活性因子とポリマーとを含有する有機溶液を、有機イオン含有水溶液に接触させ、エマルジョンプロセスを経て制御放出組成物を創成する方法に関する。さらに本発明は、ポリマー、有機イオンおよび生物活性因子を含有する制御放出組成物の使用法も提供する。
(発明の背景)
現在、種々の生物活性因子を含む非常に多くの制御放出処方物が市場に存在する。それらの生物活性因子としてはGnRH類似体、ヒト成長ホルモン、リスペリドン、およびソマトスタチン類似体、たとえば酢酸オクトレオチド、が挙げられる。これらの制御放出組成物は、一般的には生分解性、生体適合性のポリマーと共に調合される。そのような処方物は、医療専門家および患者にとって何回数も注射をする必要性が少なくなるため好まれる。加えて、一回の注射で長期間にわたり患者を治療していくため、患者当りの来診数が減少し、ひいては健康管理コストの低減に役立つので、健康管理機構もこのような処方物を好ましいと考えている。
あいにく、制御放出組成物については、現行の製法および処方物に多くの問題がある。多くの現行製法では、薬物負荷を高くする濃縮製品の製造が不可能であり、そのため投与時に患者にとって極めて不快である多量の筋肉内注射容量(2ml)を必要とする。加えて、多くの製法では、生物活性因子の封入に先立つ可溶化に時間がかかり、可溶化する手順が複雑である。封入のために溶解性を操作すると放出プロフィ−ルを損なう可能性が生じるほか、生物活性因子自体が分解する可能性も生じる。たとえば、水への溶解度が高い生物活性因子を使用する場合、患者への投与あるいは生理学的媒体への導入等によって水溶液と接触する時に生物活性因子が「バースト放出」してしまい、望ましくない結果が生じることが多い。生物活性因子の放出レベルのそのような急激な上昇は、患者に有害となる可能性があり、所望の処治時間の後半の方で放出させる生物活性因子がほとんど残らなくなってしまう場合がある。
溶解性の問題を解決する種々の方法が試みられてきたが、特に有効なもの又は効果的なものは現在までなかった。そのような試みの一つは、アニオン性頭部および疎水性尾部を含む界面活性剤と生物活性因子とを配合し、生物活性因子を封入する前に有機相内で可溶化させるものであった。また別の方法は、生物活性因子と有機酸とを配合して封入前に水に不溶な付加塩を生成させるものであった。不溶性付加塩を使用すると、投与時の「バースト放出」作用が低減した。しかしながらこの方法は、これらの化合物製造を高価で非効率とする追加の製造工程を必要とした。さらに生物活性因子の酢酸塩の封入を含む別の方法もあったが、それは生理学的水性緩衝液中に置くと化学修飾を受けた分解した生物活性因子がかなりの量、放出される結果となった。その生物活性因子は不都合にもアシル化を受け、このために化学分解してしまった。
薬物取り込みを高くし、投与時のバースト放出作用及び生物活性因子の分解を最小限にする製品の製造が可能である制御放出組成物を作製する方法が、ヒト用又は獣医学用の治療薬として、これらのタイプの組成物の真の利益を現実化するのにぜひとも必要である。
(発明の要旨)
本発明の目的に鑑み、本明細書に具現化され広範に記載されるように、本発明は一面において、制御放出組成物を作製する方法および使用法に関する。
一例として当該方法は、生物活性因子とポリマーを有機相中で配合する工程と、別に水相中で有機イオンを配合する工程と得られた有機相と水相を接触させて制御放出組成物を製造する工程とを含む。
ある実施形態では本発明法は、生物活性因子およびポリマーを有機相内で配合し、別に水相内で有機イオンを配合し、得られた有機相および水相でエマルジョンを形成して制御放出組成物を製造する、各段階を含む。
ある実施形態では本発明法は、ポリマーおよび生物活性因子含有の有機相を、有機イオン含有水相と接触させる段階を含む。但し、有効量の有機イオンが水相から去り、有機相に入る。
一実施形態では有機相は、塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸および炭酸プロピレンからなる群から選択される溶媒を含むが、それらに限定されない。
特定の実施形態では有機相は、さらに共溶媒を含む。共溶媒はジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、PEG200、PEG400、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールからなる群から選択され得るが、それらに限定されない。
別の実施形態ではその水相は、さらに乳化剤を含む。乳化剤はポリ(ビニルアルコール)、アルブミン、レシチン、ビタミンE−D−α−トコフェリルポリエチレングリコール(TPGS)およびポリソルベ−トから選択され得るが、それらに限定されない。特定の実施形態では乳化剤は最終濃度約0.1〜10%(w/w)の範囲で存在し得る。
ある実施形態では有機イオンの最終濃度は、約0.1〜1000mMの範囲である。
ある実施形態では制御放出組成物は、マイクロ粒子およびナノ粒子から選択され得るが、それに限定されない。特定の実施形態ではそのマイクロ粒子およびナノ粒子は、生分解性である。
別の実施形態ではポリマーは、ポリ(ラクチド)類、ポリ(グリコリド)類、ラクチド−グリコリドコポリマー類、ポリ(乳酸)類、ポリ(グリコール酸)類、乳酸/グリコール酸コポリマー類、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート類、ポリエステルアミド類、ポリ無水物類、ポリ(アミノ酸)類、ポリオルトエステル類、ポリアセチル類、ポリ(シアノアクリル酸エステル)類、ポリエ−エルエステル類、ポリジオキサノン類、ポリ(アルキレンアルキレート)類、ポリエチレングリコールとポリ(ラクチド−コ−グリコリド)とのコポリマー、生分解性ポリウレタン類、ならびにそれらの混和物およびコポリマーから選択され得るが、それらに限定されない。
別の実施形態では生物活性因子は、タンパク質類、核酸類、ペプチド類、低分子薬学的物質類、免疫原類、細胞と組織の増殖と生存を促進し得る代謝前駆体類、抗腫瘍剤類、ホルモン類、抗ヒスタミン薬類、心血管系薬剤類、抗潰瘍剤類、気管支拡張剤類(bronchodilators)、気管支拡張薬類(vasodilators)、中枢神経系薬剤類、麻薬拮抗剤類および類似薬剤からなる群から選択され得るが、それらに限定されない。
ある実施形態ではエマルジョンプロセスは、水中油型および水中油中水型からなる群から選択される。
特定の実施形態では本発明法は、既知の乳化法で実施され得る。
特定の実施形態では有機イオンは、アニオン性材料とカチオン性材料からなる群から選択される。特定の実施形態では有機イオンは、パモ酸塩、トリフルオロメチル−p−トルエン酸塩、コール酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,3−ナフタレンジカルボン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2−ナフトエ酸塩およびサリチル酸サリチルからなる群から選択される。
別の実施形態では分解はアシル化を含む。特別な例としてそのアシル化反応は、d,l−ラクチド/グリコリドコポリマーのようなポリエステルのカルボニル炭素に向けられた、生物活性因子のアミノ基の親核的攻撃を含む。仮説ではあるが潜在的親核体(たとえばアミノ基)のプロトン化を容易にすることによって、本組成物において生物活性因子の分解が阻止又は低減され、このためPLGAポリマーの主鎖かその断片とのアシル化反応に親核体があまり関与しなくなると考えられる。
別の実施形態では分解は、ポリマーの溶解を含む。過度な溶解はポリマーの分子量の急速な減失を招き、生物活性因子の早期放出を招く場合がある。
別の実施形態では有機イオンに対する生物活性因子のモル化学量論比は、約0.5〜2.0である。特別な例としてその有機イオンに対する生物活性因子の分子量論的比は、約1.0〜1.5である。
別の実施形態では本発明は、有機イオンとの複合体の形でポリマーと生物活性因子とを含む制御放出組成物を提供する。そのような複合体としては、有機イオンと生物活性因子とが近接した物理的な会合物を形成する際に形成されるものが挙げられる。
別の実施形態では生物活性因子含量は、有機イオン非存在下で本発明法で調製される組成物の生物活性因子含量と比較して増大する可能性がある。
別の実施形態では本発明は、生物活性因子を有機イオンと配合し、ポリマーを同じ有機相と配合し、有機イオンを水相と配合し、エマルジョンプロセスの使用により有機相と水相とを接触させて封入型の生物活性因子を製造する方法を含む。
本発明のさらなる効果は一部、以下の記載に示されている。その記載から明らかになる効果もあるであろうし、本発明を実施することによりわかる効果もある。本発明の効果は、添付の請求項に特に示される成分と配合により実現され達成されるであろう。全般的な上記記載と以下の詳細な記載との両方は例示であり、説明のためのものであるが、請求の範囲に記載されている本発明を限定するものではない。
(具体的な実施形態の記載)
(定義)
本発明において、以下の用語は以下に示す意味を持つものとする。
本発明において、「生分解性」という用語は、個々の治療状況で許容可能な期間内、インビボで溶けるか分解するポリマーを指す。そのような溶解産物または分解産物はより低分子の化学種を含む。分解はたとえば酵素的、化学的および/または物理的なプロセスにより生じ得る。生分解は、pHが6〜9で温度が22〜38℃のような生理学的なpHと温度下とにおいてから、一般的に5年未満、通常1年未満かかる。
本発明において、「有機相」と「不連続相」という用語は互換性があり、本発明の制御放出組成物の作り出すためにエマルジョンプロセスを介して水相と接触されることになる、本発明法で作り出される、溶媒とポリマーと生物活性因子との溶液を指す。
本発明において、「分解」という用語は、その生物活性因子に対するアシル化またはポリマーに対する溶解のような望ましくない変化を指す。
本発明において、「水相」と「連続相」という用語は互換性があり、本発明の制御放出組成物の創成のために乳化工程を介して有機相と接触されることになる、本発明法で創成される、水と有機イオンとの溶液を指す。
本発明において、「配合」という用語は、二種かそれ以上の材料類を一緒にする何らかの方法を指す。そのような方法は、混合、混和、合一、混成、均質化、編入、混ざり合い、融合、連結、再編成、攪拌、合体、統合、混同、添加、一体化、およびそれらに類似することを含むが、それらに限定されない。
本発明において、範囲はここでは、「約」又は「およそ」のある特定値からおよび/または「約」又は「およそ」の別の特定値まで、というように表現され得る。そのような範囲が表現される際、別の具体的表現は、ある特定値からおよび/または別の特定値までという表現を含む。同様に値の前に「約」をつけて表す場合、値を特定することによって別の実施形態が成立することになるのは当然のことであろう。さらに各々の範囲の終点は、終点同士の関係の有無に関わらず有意な値であるのは当然のことであろう。
本発明において、「生物活性因子」という用語はインビボかインビトロのどちらかで生物活性を持つ何らかの薬剤を指し、その生物活性は個人の健康全般または一種以上の健康マーカー(即ち、症状)における観察し得る変化として、またはそこに関連する代替的な生物学的マ−カ−における変化として、あるいは生理学的に関係する分子の化学構造かコンホメ−ションにおける変化として検出され得る。
本発明において、「有機イオン」という用語はカチオン性とアニオン性の材料を指す。有機イオンはその塩か酸の形で存在し得る。例示される有機イオンは、恩波酸塩、ナフトエ酸塩、コール酸塩およびそれらに類似したものを含む。
本発明において、「制御放出組成物」という用語は、元々の生物活性因子と異なる放出プロフィ−ルを持つ何らかの調合物を指す。一般的には放出プロフィ−ルは、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも45日あるいはそれ以上の期間にわたる、生物活性因子の生理学的検出が可能な濃度推移を含む。
その上、本発明において、「ある」又は「ある種の」物という用語は、一種かそれ以上の物を指す。たとえば「あるタンパク質」又は「あるペプチド」という術語は、一種かそれ以上の当該化合物、あるいは少なくとも一種の化合物を指す。そのように「ある」又は「ある種の」、「一種かそれ以上」及び「少なくとも一種」という用語類は、ここでは互換的に用いられ得る。また「含む」、「包含する」および「有する」という術語も互換的に用いられ得る。さらに「から選択される」化合物は、2種以上の化合物の混合物(即ち、配合物)も含めたリストの化合物のうちの一種かそれ以上の化合物を指す。本発明によれば、単離されるかまたは生物学的に純粋である生物活性因子とは、その本来の環境から離された化合物のことである。普通の意味での「単離される」と「生物学的に純粋である」という用語は、その化合物の精製された程度を必ずしも反映しない。本発明の単離化合物は、その天然の供給源から得られるか、分子生物学的技法を用いて製造され得るか、あるいは化学合成によって製造され得る。
本発明のある実施形態について、以下詳細に説明する。その例は添付図面および実施例の部分で明らかにされる。
本発明の制御放出組成物調製に用いられる成分が開示される。それら及び他の材料も本明細書に開示されている、それら材料の配合物、サブセット、相互作用するもの、グル−プ等が開示されていれば、それらの化合物を個別に入れ替えたり、いくつかにまとめて入れ替えたりするなど、種々の入れ替えについてそれぞれ明瞭に開示され、本明細書では各々を具体的に熟考記歳しているものとする。たとえば、多くの生物活性因子が開示され考察され、生物活性因子を含む多くの分子に作られ得る多くの変更物が考察されるならば、具体的に示されない限り、可能であるとされる生物活性因子とその変更物の組合わせおよび入れ替えの各々を全て具体的に考慮するものである。従って、A、BとCの分子種がD、EとFの分子種と同じく開示される場合、A−Dの分子の組合わせ例が開示される場合、特にひとつひとつ列挙されていなくとも個別に入れ替えたり、まとめて入れ替えたりすることもあり、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EとC−Fの組合わせは、開示済みであるものとする。同様に、それらのサブセットまたは組合わせもすべて開示される。従って、たとえばA−E、B−FおよびC−Eからなるサブグル−プも、開示されるとみなされるであろう。この概念は、以下に限定されるものではないが、本発明の作製方法および使用法の工程など本明細書の全局面に適用される。
(生物活性因子)
本発明の一例として、生物活性因子はタンパク質、核酸、炭水化物、ペプチドと低分子薬学的物質からなる群から選択される。本発明で使用されるタンパク質は、抗体、治療用タンパク質、ヒト成長ホルモン、インスリン、オキシトシン、オクトレオチド、ゴナドトロピン−放出性ホルモン、ロイプロリド、インタ−フェロンアルファ、インタ−フェロンベータ、インタ−フェロンガンマ、インスリン、カルシトニン、インターロイキン−1、インターロイキン−2、および類似するものを含むが、それらに限定されない。本発明で使用される核酸は、DNA、RNA、化学修飾DNA、化学修飾RNA、アプタマ−、アンチセンス、RNA干渉、および低分子RNA干渉を含む。炭水化物は、ヘパリン、低分子化ヘパリン、及び類似するものを含む。ペプチドは、LHRHアゴニスト、その合成アナログ、ロイプロリド、ソマトスタチンアナログ、ホルモン、オクトレオチド、グルカゴン様ペプチド、オキシトシン、および類似するものを含む。低分子薬学的物質は、抗感染症薬、細胞毒性剤、降圧剤、抗真菌剤、抗精神病薬、糖尿病治療薬、免疫刺激剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗ウイルス剤、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、心血管系薬剤、抗凝固薬、ホルモン、抗マラリア薬、鎮痛薬、麻酔薬、ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤および制吐剤を含むが、それらに限定されない。
別の実施形態では、生物活性因子は免疫原である。そのような免疫原は肝炎、インフルエンザ、麻疹、風疹、破傷風、ポリオ、狂犬病およびそれらに類似したもの、の各免疫原から選択される得るが、それらに限定されない。
別の実施形態では生物活性因子は、細胞と組織の増殖と生存を促進することが可能か、あるいは細胞の機能を増強することが可能な物質または代謝前駆体である。そのような物質又は代謝前駆体は、ガングリオシド、神経増殖因子等の神経増殖促進性物質、並びにフィブロネクチン、ヒト成長ホルモン、コロニ−刺激因子、骨形成タンパク質、血小板由来増殖因子、インスリン由来増殖因子、トランスフォ−ミング成長因子アルファ、トランスフォ−ミング成長因子β、上皮細胞成長因子、繊維芽細胞増殖因子、インターロイキン−1、血管内皮細胞成長因子、ケラチノサイト成長因子、乾燥骨素材等のような硬組織又は軟組織の成長促進剤、から選択され得るが、それらに限定されない。
別の実施形態では、生物活性因子は抗新生物薬である。特別な例として、その抗新生物薬はメトトレキサ−ト、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、毒素にコンジュゲ−トする腫瘍特異的抗体、腫瘍壊死因子、および類似するものから選択されるが、それらに限定されない。
他の実施形態では、生物活性因子はジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン薬、パパベリン、ストレプトキナ−ゼ等の心血管系薬剤、イソプロパミド等の抗潰瘍剤、硫酸メタプロテレノ−ル、アミノピリン等の気管支拡張剤、テオフィリン、ナイアシン、ミノキシジル等の気管支拡張薬、トランキライザ−類、βーアドレナリン受容体遮断剤、ドパミン等の中枢神経系薬剤、リスペリドン等の抗精神病薬、ナルトレキソン、ナロキソン、ブプレノルフィン等の麻薬拮抗剤、およびその他のアナログから選択されるが、それらに限定されない。
ある実施形態では生物活性因子は、適用される内部の生体系において局所的あるいは全身的な、生物学的、生理学的又は治療上の効果を提供し得るものである。たとえばその薬剤は、ほかにも機能があるが、特に感染症又は炎症の抑制、細胞増殖又は組織再生の増大、腫瘍増殖の抑制と骨成長の増大の機能を果たし得る。
別の実施形態では制御放出組成物は、2種かそれ以上の生物活性因子の一定の配合物を含む場合がある。特定な実施形態では、制御放出組成物は5種かそれ以下の薬剤を含む。別の実施形態では、制御放出組成物は1種の生物活性因子を含む。
特定の実施形態では、生物活性因子は有機イオンとの複合体の形で存在する。
別の実施形態では、本発明の生物活性因子は種々の塩の形、及びポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングリコール)のような親水性ポリマーに共有結合した誘導体、を含む場合がある。
本発明は生物活性因子の薬学的相当物を含む。薬学的相当物は、その生物活性因子自体に対して同等かあるいは強いインビトロ活性を示す。特定の例として医薬相当物は、その生物活性因子と同じような化学構造を持つ場合もあるし、その生物活性因子の生物学的活性部分のみを含む場合もあるし、あるいはその生物活性因子の合成アナログである場合もある。
特定の実施形態では、生物活性因子は少なくとも1個の正又は負の荷電、あるいは正と負の両方の荷電を示し得る。
特定の実施形態では、生物活性因子は水溶性である。
別の特定の実施形態において生物活性因子は、所望により共溶媒を含む有機溶媒中で可溶化される。その生物活性因子は水中、有機溶媒中、又はその両方の中で可溶性であり得る。
当業者であれば、特別な場合に使用される生物活性因子の実際量が、使用される特定化合物、調合される特定組成物、適用方式、及び治療される特定原位置と患者によって変わることがわかるであろう。所定のホスト薬の投与量は通常の検討法、たとえば対象の化合物と既知の生物活性因子との活性の相違を比較する通例の比較法、を用いて決定され得る。その方法はたとえば適当な一般的な薬理学的プロトコ−ルよって行われる。薬学的化合物の投与量を決定する技術に精通する医師および薬剤師は、推奨されている標準的な方法により問題なく投与量を決定するであろう。
(有機イオン)
本発明で用いられる有機イオンは、アニオン性とカチオン性の材料を含む。アニオン性材料は以下の有機酸とその塩を含むが、それらに限定されない。パモ酸、ドデシル硫酸、コール酸、トリフルオロメチル−p−トルエン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸及びサリチルサリチル酸。さらに硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、およびホスホン酸塩の各有機型も有機イオンに適する。アニオン性材料の塩の形は、ナトリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等を含む。
カチオン性分子はアンモニウム基、グアニジニウム基または置換アンモニウム基を持つものを含むが、それらに限定されない。有機アニオン性剤は、アンモニウム基かグアニジニウム基のような正の荷電を持つか導入することが可能な1個かそれ以上の官能基を持つ生物活性因子と共に用いられる。有機カチオン性剤は、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基又はホスホン酸基のような負の荷電を持つか導入することが可能な1個かそれ以上の官能基を持つ生物活性因子と共に用いられ得る。
本発明で用いられる有機イオン剤は、封入効率と薬物取り込み率を上げるのに求められる程度で、水相中および有機相中に溶解し得る。特定の実施形態では、増大した被包化効率と薬物装填率は、生物活性因子の分解低減化によって達成される。特別な例として、水相中の有機イオン剤の濃度域は約0.5〜100mMである。別の例として、有機イオンの濃度域は5〜40mMである。
(生分解性マイクロ粒子)
ある実施形態では、本制御放出組成物はマイクロ粒子である。
ある実施形態では生物活性因子は、マイクロ粒子型の生分解性ポリマーと会合している。特別な例として、マイクロ粒子は1.0mm未満、通例1.0mm〜200.0μm、の直径を持つ。マイクロ粒子はマイクロスフェアとマイクロカプセルの両方を含み、ほぼ球形か他の外形を持ち得る。マイクロスフェアは通例、組成物内でほぼ均質であり、マイクロカプセルは周囲の外殻から区別された組成物核を含む。本開示の目的のため、マイクロスフェア、マイクロ粒子およびマイクロカプセルの三用語は、互換的に用いられる。
ある実施形態では、マイクロ粒子は多種の生分解性ポリマーで製造され得る。適する生体適合性、生分解性ポリマーは、たとえばポリ(ラクチド)類、ポリ(グリコリド)類、ラクチド/グリコリドコポリマー類、ポリ(乳酸)類、ポリ(グリコール酸)類、乳酸/グリコール酸コポリマー類、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート類、ポリエステルアミド類、ポリ無水物類、ポリ(アミノ酸)類、ポリオルトエステル類、ポリアセチル類、ポリシアノアクリレート類、ポリエーテルエステル類、ポリ(ジオキサノン)類、ポリ(アルキレンアルキレート)類、ポリエチレングリコールとポリ(ラクチド)とのコポリマー、ポリエチレングリコールとポリ(ラクチド−コ−グリコリド)とのコポリマー、生分解性ポリウレタン類、ならびにそれらの混和物およびコポリマーを含む。
特定の実施形態では、マイクロ粒子はポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)で作られる。PLGAは生理学的pHに暴露され加水分解されると、分解して乳酸とグリコール酸とを形成する。尚、それら分解物は細胞における代謝の正常な副産物である。PLGAポリマーの崩壊速度は、ポリマーの分子量、ポリマー鎖内のラクチドのグリコリドに対する比、及びモノマ−サブユニットの立体規則性に依存して変わるであろう。ポリマーの結晶性を妨げるL型/D型立体異性体混合物は、ポリマーの崩壊速度を上げるであろう。さらにマイクロスフェアは、2種かそれ以上の、分子量やモノマ−比が異なる生分解性ポリマー混和物を含んでもよい。
他の代替実施形態では、PLGAに結合した親水性ポリマーを含む生分解性ポリマー誘導体は、マイクロスフェアを形成するのに用いられ得る。特別な例として、その親水性ポリマーはポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、およびポリ(エチレングリコール)とポリ(プロピレングリコール)とのコポリマーからなる群から選択されるが、それらに限定されない。
(生分解性ナノ粒子)
ある実施形態では、本制御放出組成物はナノ粒子である。
ある実施形態では、生物活性因子は親水性ポリマーとの結合の有無に関わらず、生物活性因子の制御放出のための生分解性サブミクロン粒子と会合している。ナノ粒子の直径域は、20.0nm〜約2.0μm、通例100.0nm〜1.0μmである。
ナノ粒子は、高速混合または高速均質化を用いてポリマー/生物活性因子エマルジョンのサイズを2.0μm未満、通例1.0μm未満に低下させる以外はマイクロ粒子と同一手法で作り出され得る。ナノ粒子の代替作製方法は技術的に既知であり、本発明に用いられ得る。
(制御放出組成物の製造)
一実施形態では、一種かそれ以上の溶媒、一種の生物活性因子および一種のポリマーを含む有機相は、一種の有機イオンを含む水相と接触される。特別な例として、有機相はさらに共溶媒を含む。別の特定の実施形態では、水相はさらに乳化剤を含む。別の特定の実施形態では、有機イオンは有機酸の塩である。
別の実施形態では、有機相は水相と接触してエマルジョンを形成する。尚、そのエマルジョンは水相内に分散した有機相の液滴を含む。溶媒は実質上、エマルジョン液滴から除かれて硬化マイクロ粒子を形成する。特別な例として、溶媒は蒸発されて除去される。別の特定の実施形態では、溶媒は抽出液中に抽出されて除去される。たとえば抽出液は水であり得る。さらに別の特定の実施形態では、溶媒はろ過によって除去される。硬化したマイクロ粒子は、その際に水相から回収され、乾燥され得る。
さらに別の実施形態ではエマルジョンは、有機相と水相を攪拌して製造される。別の実施形態では、エマルジョンは混合器を使用して製造される。特定の実施形態では、その混合器はスタテックミキサ−である。ある実施形態では、エマルジョンは乱流式ミキサ−を用いて製造される。別の実施形態ではエマルジョンは乱流式ミキサ−を用いずに製造される。
エマルジョンプロセスは、成分の沸点と凝固点との間のいずれかの温度で実施され得る。ある実施形態では、その温度は約0℃〜約100℃の範囲であり、通例5℃〜75℃である。特定の実施形態ではエマルジョンプロセスは約15℃〜約60℃で実施される。
本発明の有機相には以下の溶媒を含ませると良い。溶媒としては塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸、炭酸プロピレン、および生分解性ポリマーを溶解するその他の溶媒が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、有機相の溶媒は酢酸エチルおよび塩化メチレンからなる群から選択され得る。
特定の実施形態では、水相は水と乳化剤を含む場合がある。
ある実施形態では、共溶媒を有機相に添加することもできる。それらは、有機相での生物活性因子の溶解性を上げるのに任意に使用される。特定の実施形態では、それらはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリジノン、PEG200、PEG400、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールから選択されるが、それらに限定されない。別の特定に実施形態では、共溶媒は、有機相の溶媒の0〜90%(w/w)を占めることもできる。別の特定の実施形態では、共溶媒は有機相の溶媒の0〜50%(w/w)を占める。生物活性因子は最初に適切な量の共溶媒中に溶解され、その後に、任意に生分解性ポリマーを予め溶かしておいた有機相の溶媒に加えられるようにすればよく、このようにして有機相の全成分の溶液が形成される。当業者であれば、生物活性因子と生分解性ポリマーの希望の溶液を達成するようにその容量と添加順を調整することができる。ある実施形態では、生物活性因子は有機相中に1〜20%(w/w)の濃度で存在するであろう。特定の実施形態では、生分解性ポリマーは有機相中に2〜40%(w/w)の濃度で存在するであろう。別の特別な例として、生分解性ポリマーは有機相中に5〜20%(w/w)の濃度で存在するであろう。
有機イオンは水相中に溶解している。ある実施形態では、それらは約0.1mM〜約1000mMの間の濃度で溶解している。特定の実施形態では、それらは1〜100mMの濃度で溶解している。その濃度は特別な有機イオン剤と生物活性因子の各々に対して調整され、希望の薬物取り込み率と封入効率を達成し得る。
エマルジョンを安定化させるために、一種又はそれ以上の乳化剤を水相中に添加すると良い。乳化剤はポリ(ビニルアルコール)、アルブミン、レシチン、ビタミンE−TPGSおよびポリソルベ−トからなる群から選択され得るが、それらに限定されない。乳化剤は水相中濃度として0〜10%(w/w)で存在する。特別な例として、それらは0.5〜5%(w/w)の濃度で存在する。
本発明の有機アニオンは、以下の有機酸とそれらの塩を含むが、それらに限定されない。パモ酸、ドデシル硫酸、コール酸、トリフルオロメチル−p−トルエン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸とサリチルサリチル酸、あるいは硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩およびホスホン酸塩の有機誘導体。
(薬学的処方物)
静脈内注射又は筋肉内注射のような非経口投与のために処方された配合物のほかに、本発明の他の代替投与法も使用でき、皮内投与、肺内投与、口腔内投与、経皮投与および経粘膜投与が含まれるが、それらに限定されない。経粘膜投与には眼内投与、経膣投与、直腸内投与と経鼻投与が含まれ得るが、それらに限定されない。そのような全ての投与方法は、当該技術分野において公知である。
別の実施形態では、本発明の制御放出組成物は、点鼻液、噴霧剤、エアゾル剤又は吸入剤のように経鼻投与され得る。鼻用溶液は通常、液滴か噴霧状態で鼻管腔に投与されるように設計された水溶液である。点鼻液は、鼻汁と多くの点で同様になるように調製される。このため、その水性鼻用溶液は通常、等張であり、pHを5.5〜6.5に維持するように僅かに緩衝化されている。
点眼薬で使用されるものと同様な抗微生物保存剤、および適切な薬物安定化剤は、必要ならばどの処方物にも含ませることができる。保存剤とその他の添加剤は、抗菌剤、酸化防止剤、キレ−ト剤、不活性ガスおよびそれらと類似したものからなる群から選択され得るが、それらに限定されない。種々の市販点鼻薬が公知であり、それらはたとえば抗生物質と抗ヒスタミン薬とを含み、喘息の予防に用いられる。
別の実施形態では、本発明の制御放出組成物は局所に適用される。そのような制御放出組成物としては、ロ−ション剤、軟膏剤、クリ−ム剤、ゲル剤、ドロップ剤、坐剤、噴霧剤、液剤および粉剤が含まれるが、それらに限定されない。一般的な薬学的担体、水性、粉体性又は油性の基材、濃化剤、およびそれらに類似したものを必要としてもよいし、あったほうが好ましいとすることもできる。
(賦形剤、担体及び希釈剤)
本発明の制御放出組成物は、生物系または生物学的実体が許容可能な任意の賦形剤の中で調合され得る。そのような添加物の例としては、水、食塩水、リンゲル液、デキストロ−ス溶液、ハンクス液、およびその他の水性の生理学的に平衡塩類溶液が挙げられる。不揮発性油、ポリエチレングリコールのような非水性媒体、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルも使用され得る。ほかの有用な処方物は、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、ソルビト−ルまたはデキストランのような増粘剤含有の懸濁剤を含む。
賦形剤は、等張性と化学的安定性を高める物質のような添加物も微量含み得る。緩衝剤の例としては、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液およびトリス緩衝液が挙げられ、保存剤の例としてはチメロサ−ル、クレゾ−ル類、ホルマリンおよびベンジルアルコールが挙げられる。
本発明の制御放出組成物のための薬学的担体は、当業者に公知のものである。最もよく用いられるものは、滅菌水、生理食塩水、および生理学的pHに緩衝化された溶液のような溶液を含む、ヒト投与用の標準的な担体であろう。
本発明の制御放出組成物は、治療を要するヒト又は動物における注射用の水溶液又はその他の希釈剤中に懸濁され得る。水性希釈溶液は、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、スクロ−ス、マンニト−ル、デキストロ−ス、トレハロ−ス,およびその他の生体適合性増粘剤から選択される増粘物質をさらに含み得る。粘度は2センチポア(cP)と100cPの間、好ましくは4と40cPの間の値に合わせるとよい。
特定の実施形態では界面活性剤が、制御放出組成物の懸濁性を上げるために、希釈剤中に含まれ得る。界面活性剤はポリソルベ−トと他の生体適合性界面活性剤から選択され得るが、それらに限定されない。界面活性剤は0〜5%(w/w)、好ましくは0.1〜1%(w/w)の濃度で使用される。
以下の実施例は、本発明の特別な具体化を明示するために含まれる。当業者であれば、以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施の際にうまく機能するように、本発明者によって発見された技術を説明するものであり、実施のための特定の態様を構成するものとして示されていることがわかるであろう。一方、当業者は本開示に鑑み、開示される特定実施形態中で多くの変更をすることができ、変更しても本発明の精神および範囲から逸脱することがなく、類似または同一の結果を得ることができるということを当然認識するであろう。
(実施例1:過去に用いられた方法によって、共溶媒を用いラクチド/グリコリドコポリマー(PLGA)マイクロ粒子中に封入された酢酸オクトレオチドを調製する従来の調製)
酢酸オクトレオチドのマイクロ粒子処方物が、有機相中の異なる共溶媒の効果を調べるために調製された。水中油型エマルジョン/溶媒抽出法を用いて調製された処方物A−Fを、表1にまとめておく。PLGAポリマー(ラクチド/グリコリド比50:50、MW24000、180mg)が酢酸エチル(EtOAc、900μl)中に溶解され、そのポリマー溶液に、予め共溶媒(表1)中に溶解した酢酸オクトレオチド(20mg)が加えられた。得られた均質な有機相は1%ポリ(ビニルアルコール)(PVA)含有水相(2ml)に加えられ、その混合物は15〜30秒ボルテックスにて攪拌された。そのエマルジョンは溶媒抽出用溶液(10mMリン酸ナトリウム、pH8.0、150ml)中に注がれ、1時間攪拌され、EtOAcが抽出された。粒子はろ過によって単離され、水洗後、一晩風乾された。その処方物の特性は、粒子サイズ、走査電子顕微鏡検査(SEM)、形態、オクトレオチドの核への取り込み率及びインビトロ放出プロフィ−ルによって解析された。
処方物Dは、PCT出願番号PCT/US04/11485で開示されたように乳化装置を用い、酢酸オクトレオチド(20mg)、MeOH(100μl)、PLGAポリマー(ラクチド/グリコリド比50:50、MW24000、180mg)とEtOAc(1.9ml)からなる均質な有機相(2ml)を、1%PVA含有水相(4ml)と配合して再現された。そのエマルジョンは次に溶媒抽出用溶液に加えられ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。この工程により処方物D2が製造された(表1)。
調査された共溶媒は、粒子サイズおよび核への取り込み率に対してわずかながら影響を及ぼした。粒子サイズは、より高粘性のポリエチレングリコール(PEG)共溶媒を用いるとさらに大きくなった。これに対して核への取り込み率は、メタノ−ル(MeOH)及びPEGの共溶媒(処方物A−C)で低下した。最高の核への取り込み率は、pH8で緩衝化された乳化段階を伴うMeOH共溶媒(処方物D2)、並びにジメチルスルホキシド(DMSO)共溶媒(処方物F)で得られた。
インビトロ放出速度は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS、pH7.2、37℃)中、又は100mM酢酸ナトリウム(NaOAc、pH4.0、37℃)中のいずれかで計測された。一例が表2に示される(処方物D2)。PEG共溶媒系は初期の急激ペプチド放出で最高のバ−スト放出率(8〜10%)を示したが、一方残りの処方物は2〜3%の範囲のバースト放出であった。全ての処方物は少なくとも6週間ペプチドを放出したが、非プロトン性極性溶媒を用いて調製された処方物(処方物E−F)では相対放出速度が減少し、その結果、他の処方物と比較してペプチドの全放出が低い結果となった。
遊離ペプチドとしての酢酸オクトレオチドは、放出媒体(PBS、pH7.2、37℃)中で温置49日後に高圧液体クロマトグラフィ−(HPLC)で計測した結果、95%が元のままであった。これに対して、酢酸オクトレオチドPLGAマイクロ粒子処方物を放出媒体(PBS、pH7.2、37℃、表2)中で温置70日後に計測した結果、55%が修飾化ペプチド種であった。HPLC分析は、その新たなペプチド実体物が元の酢酸オクトレオチドよりも疎水的であることを示した。HPLC/MS分析をすると、PLGAポリマーによる元のペプチドのアシル化に一致した質量が示された。観察された質量は、ランダムなアシル化、たとえばペプチドに1個か2個のグリコール酸モノマ−か乳酸モノマ−が何らかの組合わせでプラスしたアシル化に一致した。アシル化産物は、オクトレオチド中の親核性部分によるPLGAの断片又はポリマー主鎖に対する攻撃で生じている可能性がある。より低いpHでは、おそらくオクトレオチド内のその親核性部分が、プロトン化されてその親核性が減少し、その結果としてアシル化産物量が減少するであろう。100mM酢酸ナトリウム緩衝液(NaOAc、pH4.0)中で温置した酢酸オクトレオチドPLGAマイクロ粒子でのアシル化副産物の形成は、49日で1.25%に減少し、これはPBS緩衝液での結果(55%)と比較して著しく減少した。
(表1.PLGAマイクロ粒子中の酢酸オクトレオチドの封入)
Figure 0005165239
(表2.処方物D2とAGのインビトロ放出。NaOAc緩衝液は、100mM NaOAc(pH4.0)、0.02%ツイ−ン20と0.05%NaNを含む。PBSは、0.02%ツイ−ン20と0.05%NaNとを含むリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.2)である。試料は37℃の振とう(150Hz)水浴中で温置された。ペプチドとアシル化ペプチドの放出値は、放出した累積%として記載される。)
Figure 0005165239
Figure 0005165239
Figure 0005165239
(実施例2:過去に用いられた方法によるオクトレオチドの水不溶性有機酸塩(複合体)の製造及びPLGAマイクロ粒子内への封入)
有機イオンを酢酸オクトレオチドとまず複合化して水に不溶な塩を形成してから、PLGAマイクロ粒子への封入したときの、有機イオン剤を調べた。
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)。オクトレオチド−SDS複合体は、以下のように調製された。水(500μl)中に酢酸オクトレオチド(100mg)を溶解して調製し、水(500μl)中に溶解したSDS(1.5当量、43.2mg)が、室温でボルテックスにて攪拌しながら酢酸オクトレオチド溶液に滴加された。直ちに沈殿物が形成された。試料は10000rpmで1分、遠心分離され、ピペットで上清が除去された。沈殿物は冷水で洗浄され、凍結乾燥されてオクトレオチド−SDS複合体(95.3mg)が得られた。RP−HPLC分析すると、オクトレオチド−SDS複合体が形成されていることがわかった。オクトレオチドのピ−クに著しい広がりが見られた。処方物G−Iは、水中油型エマルジョン/溶媒抽出技法を用いて調製された。PLGAポリマー(MW24000、180mg)がEtOAc(900μl)に溶解された。オクトレオチド/SDS複合体はMeOH(100μl)中に溶解され、ポリマー溶液に加えられた。これにより不均質な有機相が生じた。処方物I(表3)の場合、追加の少量のMeOH(100μl)が、均質な有機相を生成するために加えられた。生じた有機相は、1%PVA含有の水相(2ml)に加えられ、その混合物は15〜30秒、ボルテックスにて攪拌された。そのエマルジョンは、溶媒抽出用溶液(10mMリン酸ナトリウム、pH8.0、150ml)中に注がれ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。粒子はろ過によって単離され、水洗後、一晩風乾された。処方物の特性は粒子サイズ、SEM形態、オクトレオチドの核への取り込み率とインビトロ溶出プロフィ−ルによって解析された。
オクトレオチド−SDS複合体から調製された処方物G−Iに関して計測された核への取り込み率は、0.6〜2.6%と比較的低かった(表3)。また粒子サイズの中央値も、酢酸オクトレオチドを用いて調製された処方物(A−F)と比較して約40%低下した。
PBS中の処方物G−Iのインビトロ溶出プロフィ−ルは、全く同様であった。各処方物は、バースト放出率が約20%であり、その後3週間は一週あたり1.5%の放出率であった。3週間後、放出率は一週あたり約7.0%に増大し、9週時に総ペプチド累積放出率約80%でピ−クに達した。
これらの処方物を用いてインビトロPBS溶出アッセイをすると、アシル化ペプチド放出率(40〜55%)と総ペプチド放出率が酢酸オクトレオチド(処方物A−F)と同様の結果となった。
(表3.有機相中のオクトレオチド−SDS複合体)
Figure 0005165239
安息香酸。処方物(J−M)は、PLGAと共に有機相中に溶解した1〜10当量の安息香酸を用いて調製された。PLGAポリマー(MW24000、180mg)と安息香酸(2.4〜24mg)は、EtOAc(900μl)に溶解された。酢酸オクトレオチドはMeOH(100μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は1%PVA含有水相(2ml)に加えられ、その混合物は15〜30秒、ボルテックスにて攪拌された。そのエマルジョンは溶媒抽出用溶液(10mMリン酸ナトリウム、pH8.0、150ml)中に注がれ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。粒子はろ過によって単離され、水洗後、一晩風乾された。酢酸オクトレオチド1当量あたり1〜10当量の範囲で安息香酸が添加されたが、その範囲内で計測された核への取り込み率は0.88〜1.67%であった(表4)。
パモ酸。オクトレオチド−パモ酸複合体は以下のように調製された。0.2NのNaOH(500μl)にパモ酸(19.4mg、0.05mmol)を溶解し、パモ酸ナトリウム塩を準備した。酢酸オクトレオチド(100mg、0.10mmol)は脱イオン水(100μl)に溶解され、パモ酸ナトリウム塩溶液に緩やかにボルテックスにて攪拌しながら滴加された。これにより蛍光黄色の沈殿が生成した。沈殿は遠心分離によってペレット化され、上清はピペットで除かれた。そのペレットは水(1.0ml)で洗浄され、水中に再懸濁後、凍結乾燥されて明黄色粉末(113mg)が得られた。この処方物のオクトレオチド/恩波酸比は、RP−HPLCで計測した結果、1.71であった。
第二のオクトレオチド−パモ酸複合体は、以下のように調製された。0.4NのNaOH(250μl)とジオキサン(250μl)にパモ酸(19.4mg、0.05mmol)を溶解し、ジオキサン/水(1:1)のパモ酸ナトリウム溶液を準備した。酢酸オクトレオチド(50mg、0.05mmol)は、ジオキサン/水(1:1、200μl)に溶解された。その酢酸オクトレオチド溶液は、パモ酸ナトリウム溶液に混合しながら滴加され、明黄色の均質な溶液が得られた。この素材は凍結乾燥され、明黄色粉末(65mg)が得られた。この処方物のオクトレオチド/パモ酸比は、RP−HPLCで計測した結果、1.02であった。これら2種の処方物は、新規PLGAマイクロ粒子処方物の調製に用いられた。
(表4.有機相中の安息香酸と酢酸オクトレオチド)
Figure 0005165239
マイクロ粒子処方物(表5、Q−W)は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法により調製された。PLGAポリマー(MW24000、180mg)は、EtOAc(1000μl)に溶解された。パモ酸オクトレオチド(20又は40mg)は、ベンジルアルコール(BnOH、1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、1%PVA水相と1:2の比率で配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。
処方物特性(表5)をみると、オクトレオチド/パモ酸の初期比が1.7の場合、オクトレオチド/パモ酸比1.02で調製された処方物と比較して、封入効率と核への取り込み率に対する影響が僅かであることがわかった。これに対して共溶媒をベンジルアルコールに変えると、封入効率がメタノ−ルの場合と比較して約60%上昇した(即ち、処方物Tと比較した時の処方物S)。
PBS中におけるこれら処方物のインビトロ放出プロフィ−ルからは、全ペプチド放出率(79〜92%、表5のQ−T)が、通常法で作られたPLGA酢酸オクトレオチドマイクロ粒子(表1の処方物DとF)に匹敵することが示され、一方、アシル化ペプチドの放出量(28〜40%、表5のQ−T)は、従来処方物のそれ(44〜55%、表1のA−D)と比較して僅かに低下することが示された。
オクトレオチド/パモ酸比1:1を採用して調製された処方物は、共溶媒種に対する封入効率と核への取り込み率の依存性の強さが、同比1.7の上記処方物ほどではないことが示された。この観察に対する説明として、異なるオクトレオチド/パモ酸比を持つ複合体の共溶媒中での溶解度の差を示すと、オクトレオチド/パモ酸比がより高い素材は、メタノ−ルと比較してベンジルアルコールでの溶解度が上昇し、その結果、より高い封入効率となった。これに対して、オクトレオチド/パモ酸比1:1の複合体に関してメタノ−ルとベンジルアルコール中における溶解度に有意差がないことが見出された。このことは、共溶媒に依存しない同様な封入効率と核への取り込み率の結果をもたらした。
これら1:1の処方物(U−W)のインビトロ放出プロフィ−ルは、上記で論じたのと同様の傾向を明らかにする。即ち、全放出ペプチドの百分率(85〜110%、表5のU−W)も、従来処方物(実施例1)のそれ(約85%、表2)に匹敵することがわかり、一方、アシル化産物の放出量(35〜44%、表5のU−W)は、従来処方物のそれ(44〜55%、表1のA−D2)と比較していくぶんか減少することがわかる。
オクトレオチド/パモ酸の最終比の分析は、試験した処方物(表5)の中で2.1:1(処方物W)から200:1(処方物R)超の範囲の広い変動を示した。全てのケ−スでその比は、出発時のペプチド−塩複合体のオクトレオチド/パモ酸比の2倍超である。従って、予備形成されたオクトレオチドペプチド恩波酸塩の使用が、最終の持続放出処方物におけるオクトレオチド/パモ酸のモル比の変動を高めた。
(表5.予備形成された複合体を用いて調製されたオクトレオチド−パモ酸マイクロ粒子)
Figure 0005165239
(実施例3:本発明による水性エマルジョン相中の有機酸塩を用いるPLGAマイクロスフェア内への酢酸オクトレオチドの封入)
エマルジョンプロセスの水相で有機酸塩を使用すると、意外なことに、水溶性ペプチドの使用が可能になり、処方物調製前の独立工程における複合化分子種調製の必要性がなくなることがわかった。本発明は、薬物の核への取り込み率の増大、一貫したオクトレオチド/有機イオン比、及びインビトロ放出中のペプチド分解の低下、のようなさらなる効果をもたらした。
マイクロ粒子処方物は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法によって調製された。PLGAポリマー(MW24000、140〜180mg)は、EtOAc(1000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(20〜60mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10〜50mMのパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが提供された。そのエマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌してEtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。その結果、RP−HPLCにより計測されたマイクロ粒子処方物中オクトレオチド/パモ酸の最終比は、およそ1〜1.5となった(表6)。
核への取り込み率に対する種々の実験パラメ−タ−の影響は、水相に対する有機相の比、共溶媒の種類、及び共溶媒の容量を含めて調べられた。BnOHはMeOHよりも適した共溶媒であることが見出された。MeOHは有機相中でポリマーの沈殿を誘発するため、MeOHよりもBnOHの方が大容量で使用することができた。BnOHはまたMeOHと比較して核への取り込み率を少ないながらも増大させた(表6の処方物Y、AB)。しかしながら、相中での有機イオン無しでのBnOHの使用は、高い核への取り込み率又は高い封入効率をもたらさなかった(表6のAI)。BnOHが共溶媒として用いられた時、有機相に対する水相の比を上げると封入効率が僅かに上昇することも見出された(表6の処方物AE、AF)。全てのケ−スでパモ酸に対するオクトレオチドのモル比は、1.0〜1.5の間に収斂したが、これに対して予備形成されたオクトレオチド/パモ酸複合体が用いられた実施例2の処方物(表5)では、最終のオクトレオチド/パモ酸比が2.1〜200超と大きく変動した。
意義深くは、予想通り5〜17.5%の範囲の薬物の高い核への取り込み率を持つ製品(表6の処方物AD、AG、AH)が、本発明法を用いて形成され得たことであり、これに対して実施例1と2の従来技術の方法では、達成された薬物の最高の核への取り込み率は約8%(表5のS)であり、平均値は2〜6%の範囲であった(表1〜5)。さらに本発明の組成物は、有機イオンに対する生物活性因子のモル比に関する一貫した化学量論性を有している(表6)。このことは、既存法を用いて作られた組成物(表5)と対照的である。その上、アシル化ペプチドの相対的生成量は、予備形成化オクトレオチド−パモ酸(表5)、あるいは酢酸オクトレオチド(表2)を用いて作られたマイクロ粒子よりも、水相中の有機イオン(表2、表6)を用いて作られたマイクロ粒子の方が低い。
(表6.インサイチュ−作製方法によるオクトレオチド−パモ酸複合体マイクロ粒子)
Figure 0005165239
水相中の有機酸濃度の影響が、最適製造パラメ−タ−を決定するために検討された。PLGAポリマー(MW24000、160mg)はEtOAc(1000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(40mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、20又は50mMパモ酸ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが提供された。そのエマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって集められ、水洗後、風乾され、4℃で保管された。処方物AJ−ALは、20又は50mMパモ酸二ナトリウムが10mMパモ酸二ナトリウムと比較して核への取り込み率に影響しなかったことを示す(表7)。しかしながら、水相中のパモ酸二ナトリウム濃度は、PBS中でのインビトロ放出「第1日目」で計測可能な影響を示した。50mMパモ酸二ナトリウムを用いて調製された処方物(表7の処方物AL)は、15%のバースト放出率を生じたが、それと比較して20mM有機イオンを用いて調製された処方物(表7のAJ、AK)では4%未満のバースト放出率であった。このことは、水相中の過剰な有機イオンが処方物のインビトロ放出挙動を損なうことを示唆する。
(表7.オクトレオチド−パモ酸マイクロ粒子調合物に対する有機イオン濃度の影響)
Figure 0005165239
パモ酸に加えて、代替有機イオンは、本発明の一般的な有用性を検討するために調べられた。マイクロ粒子調合物は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法によって調製された。PLGAポリマー(MW24000、160mg)はEtOAc(1000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(40mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、ナトリウム塩としての有機酸を10〜20mM含有する1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって集められ、水洗後、風乾され、4℃で保管された。この結果、RP−HPLCでの計測で6.8〜15.3%のオクトレオチドの核への取り込み率を有するマイクロ粒子処方物が生じた(表8)。試験された有機イオンの核への取り込み率に対する効果について示すと、処方物AM−APは、パモ酸ナトリウム含有の対照処方物(表8の処方物AT、AU、AY)と比較して計測された核への取り込み率に上昇は見られない。これに対して処方物AQ−AS、AV−AXとAZ−BBは、コール酸から二環性芳香族有機酸まで至る有機酸を用い、パモ酸を用いた処方物(表8)に匹敵するペプチド核への取り込み率を提供した。これらの結果は、適切な物理化学的特性を有する有機酸が、パモ酸に匹敵する処方物を製造するのに、パモ酸に置換わり得ることを意味する。
(表8.オクトレオチド−複合体マイクロ粒子処方物に対する、水相中の種々の有機酸(ナトリウム塩)の影響)
Figure 0005165239
(実施例4:本発明による、水性エマルジョン相中の有機酸塩を用いる、別のペプチドのPLGAマイクロ粒子内への封入)
酢酸オキシトシンと酢酸ロイプロリドは、以下の例に述べられるように、本発明によるPLGAマイクロ粒子中に調合された。それらの研究結果からは、従来法(表9)と比較して核への取り込み率と封入効率(処方物BI対BJ−BK、及びBL対BM)が上がっており、この点で本発明が有用性であることがわかった。
(処方物BI(ロイプロリド)−従来封入法)
PLGAポリマー(MW24000、160mg)はCHCl(1000μl)に溶解された。酢酸ロイプロリド(40mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が50.1μmの処方物BI(140mg、収率70.0%)が得られた。その核への取り込み率(1.99%)、封入効率(9.95%)およびインビトロバースト放出率(1.63%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BJ(ロイプロリド)−有機イオン支援型封入法)
PLGAポリマー(MW24000、160mg)はCHCl(1000μl)に溶解された。酢酸ロイプロリド(40mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(100ml)中に直接集められ、10分攪拌された。2%イソプロパノ−ル(200ml)からなる二次抽出用溶液が加えられ、さらに4時間攪拌された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が54.0μmの処方物BJ(157mg、収率78.5%)が得られた。その核への取り込み率(9.4%)、封入効率(47.0%)及びインビトロバースト放出率(5.31%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BK(ロイプロリド)−有機イオン支援型法)
マイクロ粒子調合物は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法により調製された。PLGAポリマー(MW24000、160mg)はCHCl(1000μl)に溶解された。酢酸ロイプロリド(40mg)はBnOH(1000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、50mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(100ml)中に直接集められ、10分攪拌された。2%イソプロパノ−ル(200ml)からなる二次抽出用溶液が加えられ、さらに4時間攪拌された。硬化したマイクロ粒子は、ろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が43.1μmの処方物BK(120mg、収率60.0%)が得られた。その核への取り込み率(10.6%)、封入効率(53.0%)およびインビトロバースト放出率(21.1%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BL(オキシトシン)−従来封入法)
PLGAポリマー(MW13000、180mg)はEtOAc(900μl)に溶解された。酢酸オキシトシン(20mg)はMeOH(100μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、乳濁懸濁状態の有機相が生じた。その生じた有機相は、5%EtOAc含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、10mMリン酸ナトリウム(pH8.0、150ml)溶媒抽出用溶液中に直接集められ、室温に加温しながら4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が44.0μmの処方物BL(143mg、収率71.5%)が得られた。その核装填率(1.67%)、封入効率(16.7%)及びインビトロバースト放出率(46.3%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BM(オキシトシン)−有機イオン支援−封入法)
PLGAポリマー(MW24000、180mg)はEtOAc(1800μl)に溶解された。酢酸オキシトシン(40mg)はMeOH(200μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、乳濁懸濁状態の有機相が生じた。その生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(150ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が144μmの処方物BM(158mg、収率79.0%)が得られた。その核への取り込み率(8.9%)、封入効率(44.5%)及びインビトロバースト放出率(21.1%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。表9は、二種の異なるペプチドの核への取り込み率と封入効率が有機イオンの存在によって増大したことを示す。
(表9.インサイチュ−作製方法によるペプチド−パモ酸複合体マイクロ粒子)
Figure 0005165239
(実施例5:水性エマルジョン相中の有機酸塩を用いる、PLGAマイクロ粒子内へのインスリン封入)
ドデシル硫酸ナトリウム。マイクロ粒子処方物は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法を用いて調製された。有機相は、CHCl(2ml)に溶解されたPLGAポリマー(MW11800、150mg)とPEG化インスリン(50mg)から構成されるものとした。水相は、1%PVAと14mMSDSから構成されるものとした。均質な有機相と水相は1:5の比で配合され、水中有機相型エマルジョンが生成された。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(100ml)中に直接集められ、10分攪拌され、2%IPA100mlが加えられた。その溶媒抽出用溶液はその後さらに3時間攪拌され、CHClが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、−20℃で保管された。生じたマイクロ粒子は核への取り込み率が21%(封入効率84%)であった。これらのマイクロ粒子は、37℃、PBS中、24時間時点のインビトロバースト放出率が50%と大きいことが特徴であった。
パモ酸二ナトリウム。マイクロ粒子処方物は、水中油型エマルジョン/溶媒抽出法を用いて調製された。有機相は、CHCl(1ml)に溶解したPLGAポリマー(MW11800、75mg)とPEG化インスリン(25mg)から構成されるものとした。水相は、1%PVAと10mMパモ酸二ナトリウムから構成されるものとした。均質な有機相と水相は1:5の比で配合され、水中有機相型エマルジョンが生成された。そのエマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(50ml)中に直接集められ、10分攪拌され、水(100ml)が加えられた。その溶媒抽出用溶液は、その後さらに3時間攪拌され、CHClが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、−20℃で保管された。生じたマイクロ粒子は、核への取り込み率が18%(被包化効率78%)であり、PEG化インスリン/パモ酸の最終比が1:2であった。これらのマイクロ粒子は、SDSを用いて作られたマイクロ粒子と対照的に、37℃、PBS中でのインビトロバースト放出率が低かった。
(実施例6:スプレ−グ・ドーリー・ラットに投与後の、PLGAマイクロ粒子内オクトレオチドの薬物速度論評価)
ラットに皮下注射されたPLGAマイクロ粒子処方物から放出されたオクトレオチドに関して、血清中レベルが計測された。動物(一群当たり、n=6)は、6種の異なるオクトレオチドPLGAマイクロ粒子処方物のうち、単回投与量(約8〜10mg/kg)で皮下注射により1回処置された。1、6時間、及び1、4、7、11、14、20、28、42及び54日後に、各動物から血清試料が得られ、オクトレオチド薬物速度が評価された。血清中濃度は、市販の無抽出型ラジオイムノアッセイキット(#S−2211)(Peninsula Labs製)により計測された。そのアッセイの定量限界(LOQ)は、0.1ng/mlであった。各時点でのオクトレオチドの平均血清中濃度は、表10に報告される。試験されたオクトレオチドPLGA調合物の処方物は、以下に述べられる。
(表10. ラットにおける単回皮下処置後の平均オクトレオチド血清中レベル(ng/ml))
Figure 0005165239
(動物試験で用いられたオクトレオチド調合物の調製および特性解析)
(処方物BC)
PLGAポリマー(MW24000、720mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(80mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が55.0μmの処方物BC(754mg、収率94%)が得られた。その核への取り込み率(8.5%)、封入効率(85.0%)およびインビトロバースト放出率(7.4%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BD)
PLGAポリマー(MW24000、680mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(120mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは、0.3%PVA溶媒抽出用溶液(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が58.7μmの処方物BD(694mg、収率94%)が得られた。その核への取り込み率(11.8%)、封入効率(78.7%)およびインビトロバースト放出率(4.1%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BE)
PLGAポリマー(MW24000、680mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(120mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶液(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が52.2μmの処方物BE(727mg、収率91%)が得られた。その核への取り込み率(11.6%)、封入効率(77.3%)およびインビトロバースト放出率(2.75%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BF)
PLGAポリマー(MW24000、640mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(160mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶液(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が47.7μmの処方物BF(766mg、収率95.8%)が得られた。その核への取り込み率(14.7%)、封入効率(73.5%)およびインビトロバースト放出率(5.5%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BG)
PLGAポリマー(MW28000、640mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(160mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶液(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が48.7μmの処方物BG(715mg、収率89.3%)が得られた。その核への取り込み率(11.9%)、封入効率(59.5%)およびインビトロバースト放出率(2.3%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
(処方物BH)
PLGAポリマー(MW14000、560mg)はEtOAc(4000μl)に溶解された。酢酸オクトレオチド(240mg)はBnOH(4000μl)に溶解され、ポリマー溶液に加えられ、均質な有機相が生じた。生じた有機相は、10mMパモ酸二ナトリウム含有1%PVA水相と配合され、エマルジョンが得られた。エマルジョンは0.3%PVA溶媒抽出用溶媒(600ml)中に直接集められ、4時間攪拌され、EtOAcが抽出された。硬化したマイクロ粒子はろ過によって収集され、水洗後、風乾され、4℃で保管された。これにより粒子サイズ中央値が40.6μmの処方物BH(680mg、収率85.0%)が得られた。その核への取り込み率(17.4%)、封入効率(58.0%)およびインビトロバースト放出率(6.8%)は、RP−HPLCアッセイにより測定された。
いずれもインビボでの生物活性因子の放出は少なくとも42日間起こり、54日間放出されることもあった。
ここで開示され請求された全ての組成物及び方法は、不相応な実験を除いては、本開示に鑑み作られ実行され得る。本発明の組成物および方法は特別な実施例によって記述されてきたが、この技術の熟練者にとって、本発明の概念、精神とおよび範囲から逸脱しない限り、ここで述べられた組成物および方法、並びに方法の工程あるいは工程順に変更が適用され得ることが明らかになるであろう。さらに具体的に言えば、当然のことながら、化学上かつ生理学上類似した薬剤が、ここで記述された薬剤の代わりになる場合があり、同一又は同様の結果が達成されるであろう。この技術の熟練者にとって明らかなような同様の置換え及び改変は、添付の請求項により規定されるような本発明の精神、範囲および概念の中に入るものとする。

Claims (35)

  1. 制御放出組成物を作製する方法であって、該方法は、酢酸ロイプロリド、酢酸オクトレオチド、および酢酸オキシトシンからなる群より選択される生物活性因子とポリ(ラクチド−コ−グリコリド)とを含む有機相を、有機イオンを含む水相と配合する工程、および該組成物を回収する工程を包含し、該有機イオンは、該生物活性因子の分解を低減するために、水相中に存在し、該有機イオンが、トリフルオロメチル−p−トルエン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,3−ナフタレンジカルボン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2−ナフトエ酸塩およびサリチルサリチル酸塩からなる群から選択される、方法。
  2. 前記有機相中に媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記媒が、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリジノン、PEG200、PEG400、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記水相中に乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記乳化剤がポリ(ビニルアルコール)、アルブミン、レシチン、ビタミンE−TPGS及びポリソルベ−トからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記乳化剤が.1〜10%(w/w)の範囲の最終濃度で存在する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記有機相が塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸および炭酸プロピレンからなる群から選択される溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記有機イオンが.1〜1000mMの範囲の最終濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記制御放出組成物がマイクロ粒子およびナノ粒子からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記マイクロ粒子およびナノ粒子が生分解性である、請求項9に記載の方法。
  11. エマルジョンプロセスを用いて前記有機相と前記水相とが配合される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記エマルジョンプロセスが水中油型および水中油中水型からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)中に、酢酸ロイプロリド、酢酸オクトレオチド、および酢酸オキシトシンからなる群より選択される生物活性因子を含むマイクロ粒子生成するための方法であって、
    a)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)と有機相とを配合する工程と、
    b)生物活性因子と該有機相とを配合する工程と、
    c)トリフルオロメチル−p−トルエン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,3−ナフタレンジカルボン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2−ナフトエ酸塩およびサリチルサリチル酸塩からなる群から選択される有機イオンと水相とを配合する工程と、
    d)該有機相と水相とを、エマルジョンプロセスを用いて配合する工程と、
    e)該マイクロ粒子を回収する工程
    とを包含する、方法
  14. 前記有機相中に媒をさらに含む、請求項13に記載の方法
  15. 前記媒が、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリジノン、PEG200、PEG400、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールからなる群から選択される、請求項14に記載の方法
  16. 前記水相中に乳化剤をさらに含む、請求項13に記載の方法
  17. 前記乳化剤が、ポリ(ビニルアルコール)、アルブミン、レシチン、ビタミンE−TPGSおよびポリソルベ−トからなる群から選択される、請求項16に記載の方法
  18. 前記乳化剤が.1〜10%(w/w)の範囲の最終濃度で存在する、請求項16に記載の方法
  19. 前記有機相が、塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸および炭酸プロピレンからなる群から選択される溶媒を含む、請求項13に記載の方法
  20. 前記有機イオンが.1〜1000mMの範囲の最終濃度で存在する、請求項13に記載の方法
  21. 前記制御放出組成物がマイクロ粒子およびナノ粒子からなる群から選択される、請求項13に記載の方法
  22. 前記マイクロ粒子およびナノ粒子が生分解性である、請求項21に記載の方法
  23. 前記エマルジョンプロセスが、水中油型および水中油中水型からなる群から選択される、請求項13に記載の方法
  24. エマルジョンプロセスを介し、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)に酢酸ロイプロリド、酢酸オクトレオチド、および酢酸オキシトシンからなる群より選択される生物活性因子を含むマイクロ粒子生成するための改善された方法であって、該改善方法は、水相中にトリフルオロメチル−p−トルエン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,3−ナフタレンジカルボン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2−ナフトエ酸塩およびサリチルサリチル酸塩からなる群から選択される有機イオンを提供して、該生物活性因子の分解を低減させる工程からなる、方法
  25. a)酢酸ロイプロリド、酢酸オクトレオチド、および酢酸オキシトシンからなる群より選択される生物活性因子と有機相とを配合する工程と、
    b)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)と該有機相とを配合する工程と、
    c)トリフルオロメチル−p−トルエン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,3−ナフタレンジカルボン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2−ナフトエ酸塩およびサリチルサリチル酸塩からなる群から選択される有機イオンを水相と配合する工程と、
    d)得られた有機相と水相とを、エマルジョンプロセスを用いて、接触させ、有機イオン−生物活性因子複合体を含む制御放出組成物を生成する工程
    を包含する、方法。
  26. 前記有機相中に媒をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記媒が、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリジノン、PEG200、PEG400、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記水相中に乳化剤をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  29. 前記乳化剤が、ポリ(ビニルアルコール)、アルブミン、レシチン、ビタミンE−TPGSおよびポリソルベ−トからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記乳化剤が.1〜10%(w/w)の範囲の最終濃度で存在する、請求項28に記載の方法。
  31. 前記有機相が、塩化メチレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、アセトン、酢酸および炭酸プロピレンからなる群から選択される溶媒を含む、請求項25に記載の方法。
  32. 前記有機イオンが.1〜1000mMの範囲の最終濃度で存在する、請求項25に記載の方法。
  33. 前記制御放出組成物がマイクロ粒子およびナノ粒子からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  34. 前記マイクロ粒子およびナノ粒子が生分解性である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記エマルジョンプロセスが、水中油型および水中油中水型からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
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