JP5161668B2 - 充填材の充填方法および栓部材 - Google Patents

充填材の充填方法および栓部材 Download PDF

Info

Publication number
JP5161668B2
JP5161668B2 JP2008164492A JP2008164492A JP5161668B2 JP 5161668 B2 JP5161668 B2 JP 5161668B2 JP 2008164492 A JP2008164492 A JP 2008164492A JP 2008164492 A JP2008164492 A JP 2008164492A JP 5161668 B2 JP5161668 B2 JP 5161668B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
filler
plug
diameter
plug member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008164492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010007247A (ja
Inventor
晋 岡本
宏一 加納
尚 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2008164492A priority Critical patent/JP5161668B2/ja
Publication of JP2010007247A publication Critical patent/JP2010007247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5161668B2 publication Critical patent/JP5161668B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴への充填材の充填方法およびこの充填方法に使用する栓部材に関する。
既設のコンクリート構造物の耐震補強方法として、後施工によりせん断補強鉄筋を施工する場合がある。このようなせん断補強鉄筋の施工は、コンクリート構造物に補強部材挿入孔の削孔を行い、この補強部材挿入孔内にせん断補強鉄筋を配設するとともに補強部材挿入孔に充填材を充填することにより行う。
このような、耐震補強方法において、補強部材挿入孔内に充填された充填材が、充填後に補強部材挿入孔の孔口から流れ出すことにより、充填材と補強部材挿入孔の孔壁との間に隙間が生じる場合がある。孔壁と充填材との間に隙間があると、この隙間が水みちとなって、構造物内に地下水等が浸透してしまうという問題点を有していた。
そのため、従来は、例えば特許文献1や特許文献2に示すように、補強部材挿入孔の孔口を押え板や蓋等により塞ぐことで、充填材のダレが生じることを防止していた。
特開2004−293294号公報(段落番号[0042]、図6) 特開2003−113673号公報(段落番号[0015]、図3)
ところが、前記従来の施工方法では、充填材の補強部材挿入孔からの流出を防止することができるものの、圧力を負荷した状態で充填材を孔内に詰め込む効果を得ることはできないため、充填材が緩んだ状態で孔内に充填される場合がある。
このように、緩んだ状態で充填材が充填されると、充填材と孔壁との間に隙間が生じるおそれがあった。
このような問題は、既設構造物のせん断補強のみならず、例えば、コアボーリングの削孔後の処理など、あらゆる既設のコンクリート構造物の削孔穴の充填において生じていた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴への充填材の充填を高品質に行うことを可能とした、充填材の充填方法および栓部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴に充填材の充填を行う工程と、前記充填材が充填された削孔穴に栓部材を押し込む工程と、を備えており、前記栓部材が、貫通孔が形成されているとともに先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の部材からなり、前記栓部材を押し込む工程において、前記充填材が前記貫通孔から流出するまで前記栓部材を押し込むことにより前記削孔穴の孔口を密閉することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴に充填材の充填を行うとともにせん断補強部材を挿入する工程と、前記充填材が充填された削孔穴に栓部材を押し込む工程と、を備える充填材の充填方法であって、前記栓部材が、貫通孔が形成されているとともに先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の部材からなり、前記栓部材を押し込む工程において、前記充填材が前記貫通孔から流出するまで前記栓部材を押し込むことにより前記せん断補強部材を抑えるとともに削孔穴の孔口を密閉することを特徴としている。
かかる充填材の充填方法によれば、充填材が充填された削孔穴に、栓部材を押し込むことにより、削孔穴を遮蔽して充填材のダレを防止するとともに、充填材に圧力を負荷した状態で充填材を孔内に詰め込むことが可能となる。そのため、削孔穴内への充填材の充填を高品質に行うことが可能となる。
かかる充填材の充填方法によれば、削孔穴内への充填材の充填をより高品質に行うことが可能となる。
また、請求項に記載の発明は、充填材が充填された削孔穴に押し込まれる栓部材であって、先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の栓本体と、前記栓本体の先端から基端方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿入されて該貫通孔を遮蔽するグラウトストッパと、を備えることを特徴としている。
かかる栓部材によれば、充填材が充填された削孔穴に押し込まれることにより、削孔穴を遮蔽して充填材のダレを防止するとともに、充填材に圧力を負荷して孔内に押し込むことで、充填材の充填を高品質に行うことが可能となる。また、貫通孔からの不要な充填材の流出を確認することができるので、より高品質に充填材の充填を行うことが可能となる。
また、請求項に記載の発明は、充填材が充填された削孔穴に押し込まれる栓部材であって、先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の栓本体と、前記栓本体に形成されて、基端部側に開口するストッパ穴と、前記ストッパ穴に挿入されて前記栓本体の基端部側を拡径させるストッパ部材と、前記栓本体の先端から基端方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿入されて該貫通孔を遮蔽するグラウトストッパと、を備えることを特徴としている。
かかる栓部材によれば、充填材が充填された削孔穴に押し込まれることにより、削孔穴を遮蔽して充填材のダレを防止するとともに、充填材に圧力を負荷して孔内に押し込むことで、充填材の充填を高品質に行うことが可能となる。また、栓本体の基端側をストッパ部材により拡径することができるので、削孔穴にしっかりと固定することができるとともに、貫通孔からの不要な充填材の流出を確認することができるので、より高品質に充填材の充填を行うことが可能となる。
なお、前記栓部材の栓本体の周面に不陸調整材が設置されていれば、孔壁に不陸があっても、栓部材と削孔穴との密着度を高めることができる。
また、前記栓本体の先端面に突起部材が形成されていれば、削孔穴内にせん断補強部材を挿入する場合に、せん断補強部材を押さえることが可能となる。
本発明の充填材の充填方法および栓部材によれば、既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴への充填材の充填を高品質に行うことが可能となる。
本発明の補強方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
本実施形態では、図1に示すように、既設のコンクリート部材1に後施工によりせん断補強部材4を配設すること構成される補強構造Aを構築する場合において、本発明に係る充填材の充填方法および栓部材5を使用する場合について説明する。
補強構造Aは、既設のコンクリート部材1と、既設のコンクリート部材1に形成された有底の削孔穴2と、削孔穴2に充填された充填材3と、削孔穴2に挿入されたせん断補強部材4と、削孔穴2を遮蔽する栓部材5と、により構成されている。
本実施形態に係る既設のコンクリート部材1は、鉄筋コンクリートからなる壁部材であるが、既設のコンクリート部材1の構成は限定されるものではない。
削孔穴2は、既設のコンクリート部材1の表面(一面)1aから裏面(他面)1bに向かって穿孔することにより形成されており、本実施形態では、表面1aに略垂直な方向に、インパクトドリル、ロータリハンマドリルやコアドリルなどの穿孔手段により形成する。この削孔穴2は、裏面1b側に所定寸法の被りコンクリート厚さを確保して形成されている。また、削孔穴2は、せん断補強部材4の先端部に形成された先端定着部材42の直径(幅寸法)に若干の余裕を見込んだ孔径からなる一般部21と、既設コンクリート部材1の表面1a側において、せん断補強部材4の基端部(末端部)に取り付けられている基端定着部材43の直径(幅寸法)に若干の余裕を見込んだ孔径からなる拡径部22と、を備えて形成されている。なお、削孔穴2の形状寸法や、配置等は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
充填材3は、グラウトやモルタル等の材料からなり、削孔穴2に充填され、硬化することで、所定の強度を発現する。なお、充填材3として使用される材料は限定されるものではなく、例えば繊維補強コンクリート等、適宜公知の材料の中から選定して使用することが可能である。
せん断補強部材4は、せん断補強鉄筋41と、せん断補強鉄筋41の先端部及び基端部に設けられている当該せん断補強鉄筋41より断面形状が大きい先端定着部材42及び基端定着部材43と、から構成されている。なお、本実施形態では、せん断補強部材4として、軸部にせん断補強鉄筋41を使用する場合について説明するが、せん断補強部材4を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、軸部として各種鋼棒、ネジ鉄筋、異形鉄筋、PC鋼線等、適宜公知の材料を使用することが可能である。
せん断補強部材4は、裏面1b側に先端定着部材42が位置するように、削孔穴2に挿入される。せん断補強部材4を削孔穴2に挿入すると、基端定着部材43が拡幅部22に配置される。
本実施形態では、せん断補強部材4が削孔穴2に挿入された状態で、先端定着部材42および基端定着部材43のそれぞれが既設のコンクリート部材1の鉄筋と同等のコンクリート被り厚さが確保されている。
本実施形態では、先端定着部材42および基端定着部材43として、鋼製プレートをせん断補強鉄筋41の先端に固定するものとするが、先端定着部材42および基端定着部材43の構成は限定されるものではない。また、先端定着部材42および基端定着部材43の形状は限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、小判型、正方形、矩形、その他の多角形等、適宜設定することが可能である。先端定着部材42および基端定着部材43を構成する材料およびせん断補強鉄筋41への固定方法は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
ここで、両端部の先端定着部材42と基端定着部材43の組み合わせは、補強を行う既設のコンクリート部材1の配筋状態、コンクリート強度、壁厚などの要因にあわせて自由に選択することができる。
栓部材5は、ゴム製の部材であって、図1および図2に示すように、先端部の直径が削孔穴2の拡径部22の内径よりも小さく、基端部の直径が拡径部22の内径よりも大きく形成された円錐台状の栓本体51と、栓本体51に形成されて、基端部側に開口するストッパ穴52と、ストッパ穴52に挿入されて栓本体51の基端部側を拡径させるストッパ部材53と、栓本体51の先端から基端方向に貫通する貫通孔54と、貫通孔54に挿入されて貫通孔54を遮蔽するグラウトストッパ55と、を備えて構成されている。
また、栓本体51の先端面には、図3(a)に示すように、せん断補強部材4を押さえるための突起部材56が形成されている。さらに、栓本体51の周面に不陸調整材(図示省略)が設置されていてもよい。
ストッパ部材53は、先端側(既設のコンクリート部材1の裏面1b側)の直径がストッパ穴52の内径よりも小さく、基端側の直径がストッパ穴52の内径よりも大きく形成された円錐台状に形成されている。ストッパ部材53をストッパ穴52に押し込むことにより、栓本体51の基端側が拡径し、栓部材5の削孔穴2への固定度が増す。
なお、ストッパ部材53を構成する材料は、例えば木材やプラスチック等の樹脂材により構成するなど、適宜公知の材料から選定して構成すればよい。
図2および図3に示すように、栓本体51(貫通孔54)の先端部の上部は斜めにカットされている。この栓部材5を削孔穴2に挿入すると、栓本体51に形成された斜めの面により充填材3に上向きの圧力が付与されるため、削孔穴2の上部にも充填材3が十分に充填される。
グラウトストッパ55は、先端側(既設のコンクリート部材1の裏面1b側)の直径が貫通孔54の内径よりも小さく、基端側の直径が貫通孔54の内径よりも大きくまたは同形状に形成された円錐台状に形成されている。グラウトストッパ55を貫通孔54に挿入することにより、貫通孔54が遮蔽される。
なお、グラウトストッパ55を構成する材料は、例えば木材やプラスチック等の樹脂材により構成するなど、適宜公知の材料から選定して構成すればよい。
補強構造Aは、既設のコンクリート部材1に削孔穴2を穿孔する穿孔工程と、既設のコンクリート構造物1に形成された有底の削孔穴2に充填材3の充填を行うとともにせん断補強部材4を挿入する充填工程と、充填材3が充填された削孔穴2に栓部材5を押し込む押込工程と、充填材2を養生する養生工程と、を備える施工方法により構築する。
(1)穿孔工程
穿孔工程は、図4(a)に示すように、既設のコンクリート部材1の表面(一面側)1aから裏面(他面側)1bに向けて、せん断補強部材4を設置するための削孔穴2を形成する工程である。
削孔穴2の穿孔は、まず、既設のコンクリート部材1の表面(一面)1aから裏面(他面)1bに向かって、せん断補強部材4の先端部に形成された先端定着部材42の直径(幅寸法)に若干の余裕を見込んだ孔径からなる一般部21の穿孔を行う。一般部21の穿孔は、既設のコンクリート部材1の表面1aに略垂直な方向に、穿孔手段を介して裏面1b側に所定のコンクリート被りが確保できる深さまで行う。
次に、穿孔手段を用いて削孔穴2の基端側(表面1a側)の削孔径の拡幅を行い、拡幅部22を形成する。
そして、削孔穴2の拡幅部22の穿孔が完了したら、削孔穴2に穿孔のために生じたコンクリート粉を除去する。
(2)充填工程
充填工程は、図4(b)に示すように、穿孔工程において形成された削孔穴2に、充填材3の充填およびせん断補強部材4の挿入を行う工程である。
本実施形態では、削孔穴2に充填材3を充填した後、せん断補強部材4をこの削孔穴2に挿入するものとするが、この順序は限定されるものではなく、せん断補強部材4を削孔穴2に挿入してから充填材3を充填してもよい。また、このとき、せん断補強部材4の基端定着部材43を、拡幅部22に係止させてもよい。
(3)押込工程
押込工程は、図4(c)に示すように、充填材3およびせん断補強部材4により内部が充填された削孔穴2に栓部材5を押し込む工程である。
栓部材5を押し込むことにより、充填材3を削孔穴2内に所定の圧力を付与した状態で押し込むとともに、栓部材5の先端に形成された突起部材56によりせん断補強部材4を押さえる。
栓部材5を押し込むことにより、貫通孔54を通じて、充填材3が排出される。なお、栓部材5は、貫通孔54が上方に位置するように削孔穴2内に押し込むとよい。このようにすると、貫通孔54から充填材3が排出されることを確認することで、削孔穴2の上部まで充填材3が充填されたことを確認できる。
栓部材5を所定の深さまで押し込んだら、図4(d)に示すように、貫通孔54にグラウトストッパ55を挿入し、貫通孔54を遮蔽する。
また、ストッパ穴52に、ストッパ部材53を押し込むことで、栓部材5の基端側を拡径させて、削孔穴2の孔口に栓部材5を固定する。
栓部材5は、ストッパ部材53により、削孔穴2の孔口に強固に固定されているため、充填材2として、膨張性を有する材料を使用した場合であっても、削孔穴2から抜け出すことが防止される。また、栓部材5により、削孔穴2から充填材3が流出することが防止されるとともに、充填材3に圧力が付与されるため充填材3が削孔穴2内に密実に充填される。
また、栓部材5の周面には、図示しない不陸調整材が設置されているため、削孔穴2の孔口の周面(孔壁)や、既設のコンクリート部材1の表面1aなどに、不陸があったとしても、不陸調整材により、密着度を高めることが可能となる。
なお、不陸調整材として、透水性を有した材料を使用すれば、不陸調整材が目詰まりするまでは、不要な充填材3が不陸調整材を通して排出されることが可能となる。
(4)養生工程
養生工程は、削孔穴2に栓部材5が挿入された状態で、削孔穴2内の充填材3が所望の強度を発現するまで養生する工程である。
充填材3が硬化した後、栓部材5を残置することが困難な施工条件の場合には、ストッパ部材53を引き抜き、栓部材5を削孔穴2から取り外す。
以上、本実施形態に係る充填材の充填方法および栓部材によれば、補強構造Aの構築時に、充填材3の充填を高品質に行うことが可能となり、より優れた性能からなる補強構造Aを構築することができる。
また、栓部材5が貫通孔54を備えていることにより、充填材3の充填をより高品質に行うことができる。また、充填材3の充填が高品質に行われることで、漏水の発生を未然に防ぐことが可能となる。
また、充填材3は、栓部材5を押し込むことにより圧力が負荷されるため、削孔穴2内に密実に充填される。
また、ストッパ部材53により、栓部材5の固定をより確実に行うことができるため、充填材3として膨張性を有したものを使用する場合でも、栓部材5の移動・脱落を防ぐことができる。栓部材5を移動不能とした状態で充填材3が体積膨張すれば、削孔穴4内の充填性をより高品質に行うことができる。
また、栓部材5の外周面に、不陸調整材が設置されていることで、既設のコンクリート部材1に不陸があったとしても、所望の密着度を確保することができる。
既設のコンクリート部材1は、補強構造Aにより、コンクリート厚さを増加させることなく、直接的にせん断補強部材4を埋設することにより、せん断耐力と靱性性能の増大を効率的に実現できる。加えて、主鉄筋を増加させることがないことから、曲げ耐力を増加させることなく、面外せん断耐力を向上させることができるので、せん断先行破壊型の可能性がある鉄筋コンクリート構造物を曲げ先行破壊型に移行することができる。
また、既設のコンクリート部材1は、補強構造Aにより、面外のせん断力が作用した時に発生する斜めひび割れに対して、直接的にせん断補強部材4を介してせん断耐力が向上されている。つまり、面外のせん断力が作用すると斜めひび割れが発生しようとするが、せん断補強部材4に引張力が働くために、両端部の先端定着部材42や基端定着部材43に引き抜き力が作用する。このために、先端定着部材42及び基端定着部材43の内側にあるコンクリート(以下「内部コンクリート」という)には、その反力として内部コンクリートに支圧力が作用して、圧縮応力の場が形成される。つまり、内部コンクリートは横拘束を受けて、斜め引張に対して、抵抗力を増大する結果となる。このために、端部にそれぞれ先端定着部材42と基端定着部材43の付いたせん断補強部材4により既設のコンクリート部材1の面外せん断耐力が増大するとともに、内部コンクリートに圧縮応力が発生する(圧縮応力場が形成される)ことによる靱性性能の増大も図られることになる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言うまでもない。
特に、本発明の対象となるコンクリート構造物(コンクリート部材1)は限定されるものではなく、あらゆるコンクリート構造物に適用可能である。
また、補強対象である既設のコンクリート部材1は、コンクリート造であればよく、鉄筋コンクリート部材や無筋コンクリート部材、現場打ち鉄筋コンクリート構造体やプレキャストコンクリート構造体等その種類は問わないとともに、補強を行う部位についても限定されず、例えば、天井スラブや底版等にも適用可能である。
前記実施形態では、栓部材5として、栓本体51にストッパ穴52と貫通孔54が形成されていて、ストッパ穴52および貫通孔54にそれぞれストッパ部材53およびグラウトストッパ55が挿入されたものを使用する場合について説明したが、栓部材5の構成は前記のものに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
例えば、図5(a)に示すように、ストッパ穴52が省略され、栓本体51に貫通孔54のみが形成されており、貫通孔54にグラウトストッパ55が挿入された栓部材5aを使用してもよい。栓部材5aによれば、貫通孔54により充填材3の充填を確認することが可能であるとともに、グラウトストッパ55を貫通孔54に挿入することで、栓本体51の基端部の拡径を行い、ストッパ部材と同様の機能を期待することができる。
また、前記実施形態では、栓部材5の先端に突起部材56を形成し、突起部材56によりせん断補強部材4を押さえるものとしたが、図5(d)に示すように、栓部材5の先端面で直接せん断補強部材4を押さえる構成としてもよい。
せん断補強部材4の先端定着部材42および基端定着部材43は必要に応じて形成されていればよく、省略してもよい。
また、せん断補強部材4は必要に応じて配置すればよく、省略してもよい(図6参照)。
また、削孔穴2の拡幅部22も必要に応じて形成すればよく、省略することが可能である(図6参照)。
また、栓部材5は、既設のコンクリート部材1から突出することなく、削孔穴2内に挿入されていてもよい(図6参照)。
また、せん断補強部材4の挿入間隔・挿入数は、前記実施形態に限られず、適宜に定めることができる。
また、前記実施形態では、鉄筋コンクリート構造物のせん断補強方法について説明したが、例えば、コアボーリング等の削孔穴が形成されたコンクリート構造物の復旧作業において、本願発明の充填材の充填方法を採用してもよい。これにより、削孔穴と充填材との接合面が水みちとなることがなく、止水性の優れたコンクリート構造物が提供される。
また、前記実施形態では、有底の削孔穴に対して充填材を充填する場合について説明したが、貫通孔に対して、本発明にかかる充填材の充填方法および栓部材を採用してもよい。この場合には、貫通孔の両側に栓部材を配置すればよい。
本発明の好適な実施の形態に係る補強構造を示す断面図である。 本発明の好適な実施の形態に係る栓部材を示す斜視図である。 図2に示す栓部材を示す図であって、(a)は栓部材の先端から臨む正面図、(b)は栓部材の基端から臨む背面図である。 (a)〜(d)は本発明の好適な実施の形態にかかる充填材の充填方法の各作業手順を示す断面図である。 (a)〜(d)は図2に示す栓部材の変形例を示す断面図である。 図1に示す補強構造の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 既設のコンクリート部材
2 削孔穴
3 充填材
4 せん断補強部材
5 栓部材
51 栓本体
52 ストッパ穴
53 ストッパ部材
54 貫通孔
55 グラウトストッパ
56 突起部材
A 補強構造

Claims (6)

  1. 既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴に充填材の充填を行う工程と、
    前記充填材が充填された削孔穴に栓部材を押し込む工程と、を備える充填材の充填方法であって、
    前記栓部材が、貫通孔が形成されているとともに先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の部材からなり
    前記栓部材を押し込む工程において、前記充填材が前記貫通孔から流出するまで前記栓部材を押し込むことにより前記削孔穴の孔口を密閉することを特徴とする、充填材の充填方法。
  2. 既設のコンクリート構造物に形成された削孔穴に充填材の充填を行うとともにせん断補強部材を挿入する工程と、
    前記充填材が充填された削孔穴に栓部材を押し込む工程と、を備える充填材の充填方法であって、
    前記栓部材が、貫通孔が形成されているとともに先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の部材からなり
    前記栓部材を押し込む工程において、前記充填材が前記貫通孔から流出するまで前記栓部材を押し込むことにより前記せん断補強部材を抑えるとともに削孔穴の孔口を密閉することを特徴とする、充填材の充填方法。
  3. 充填材が充填された削孔穴に押し込まれる栓部材であって、
    先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の栓本体と、
    前記栓本体の先端から基端方向に貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入されて該貫通孔を遮蔽するグラウトストッパと、を備えることを特徴とする、栓部材。
  4. 充填材が充填された削孔穴に押し込まれる栓部材であって、
    先端部の直径が前記削孔穴の内径よりも小さく、基端部の直径が前記削孔穴の内径よりも大きく形成された円錐台状の栓本体と、
    前記栓本体に形成されて、基端部側に開口するストッパ穴と、
    前記ストッパ穴に挿入されて前記栓本体の基端部側を拡径させるストッパ部材と、
    前記栓本体の先端から基端方向に貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入されて該貫通孔を遮蔽するグラウトストッパと、を備えることを特徴とする、栓部材。
  5. 前記栓本体の周面に不陸調整材が設置されていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の栓部材。
  6. 前記栓本体の先端面に突起部材が形成されていることを特徴とする、請求項3乃至請求項のいずれか1項に記載の栓部材。
JP2008164492A 2008-06-24 2008-06-24 充填材の充填方法および栓部材 Active JP5161668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164492A JP5161668B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 充填材の充填方法および栓部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164492A JP5161668B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 充填材の充填方法および栓部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010007247A JP2010007247A (ja) 2010-01-14
JP5161668B2 true JP5161668B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=41588045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008164492A Active JP5161668B2 (ja) 2008-06-24 2008-06-24 充填材の充填方法および栓部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5161668B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8657886B2 (en) 2004-02-12 2014-02-25 össur hf Systems and methods for actuating a prosthetic ankle
US8702811B2 (en) 2005-09-01 2014-04-22 össur hf System and method for determining terrain transitions
US8801802B2 (en) 2005-02-16 2014-08-12 össur hf System and method for data communication with a mechatronic device
US8814949B2 (en) 2005-04-19 2014-08-26 össur hf Combined active and passive leg prosthesis system and a method for performing a movement with such a system

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5610829B2 (ja) * 2010-04-23 2014-10-22 大成建設株式会社 充填材ストッパー
JP6050968B2 (ja) * 2012-06-22 2016-12-21 矢作建設工業株式会社 鉄骨鉄筋コンクリート造建物へのアンカー設置工法
JP6576026B2 (ja) * 2014-10-01 2019-09-18 株式会社フジタ コンクリート壁の補強工法
JP6893962B2 (ja) * 2014-10-01 2021-06-23 株式会社フジタ コンクリート壁の補強構造
JP7134057B2 (ja) * 2018-10-11 2022-09-09 株式会社フジタ コンクリート壁の補強用の補強部材
JP7208840B2 (ja) * 2019-03-22 2023-01-19 鹿島建設株式会社 鉄筋コンクリート壁のせん断補強方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6023561A (ja) * 1983-07-15 1985-02-06 真砂産業株式会社 コンクリ−トひび割れ部などの補修用接着剤の注入方法並びに注入用ジヨイント体
JPS63156361U (ja) * 1987-04-02 1988-10-13
JP3038250U (ja) * 1996-11-29 1997-06-10 有限会社吉野精機 壁面補修部材
JP2002121900A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Nippon Grease Nipple Kk 打込プラグ
JP2002206312A (ja) * 2000-11-07 2002-07-26 Ohbayashi Corp コンクリート充填鋼管の孔部封鎖構造
JP3778801B2 (ja) * 2001-02-27 2006-05-24 三洋電機株式会社 冷媒圧縮機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8657886B2 (en) 2004-02-12 2014-02-25 össur hf Systems and methods for actuating a prosthetic ankle
US8801802B2 (en) 2005-02-16 2014-08-12 össur hf System and method for data communication with a mechatronic device
US8814949B2 (en) 2005-04-19 2014-08-26 össur hf Combined active and passive leg prosthesis system and a method for performing a movement with such a system
US8702811B2 (en) 2005-09-01 2014-04-22 össur hf System and method for determining terrain transitions

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010007247A (ja) 2010-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5161668B2 (ja) 充填材の充填方法および栓部材
KR100917044B1 (ko) 앵커 일체형 이중 벽체 콘크리트 옹벽 시공방법
KR101605028B1 (ko) 개선된 구조의 영구앵커 공법용 선단정착앵커
JP2010037864A (ja) 場所打ち杭およびその構築方法
JP2016216975A (ja) アースアンカーの打設方法
JP5610829B2 (ja) 充填材ストッパー
JP5113376B2 (ja) 躯体の補強構造
KR101674656B1 (ko) 강관을 이용한 cip 흙막이 벽체
KR100691890B1 (ko) 엄지말뚝 매립형 말뚝 유닛의 시공방법 및 이를 이용한주열식 흙막이 벽체의 시공방법
KR100534603B1 (ko) 영구앙카 옹벽장치 및 그 시공방법
JP3700980B1 (ja) せん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材
JP5611148B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造物のせん断補強方法および補助装置
JP5594889B2 (ja) コンクリート躯体の耐震補強構造及び耐震補強工法
KR100991248B1 (ko) 팩을 이용한 마이크로 파일 기초공법 및 이에 사용되는파일 조립체
KR20110103793A (ko) 다수 개의 수직보강재를 갖는 강관말뚝 머리 보강구조 및 그를 이용한 강관말뚝 머리 보강방법
JP3173063U (ja) 流動性固化材注入用杭
KR20190137432A (ko) Phc 파일을 이용한 흙막이 벽체
JP5192724B2 (ja) せん断補強方法および充填材の充填方法
JP6353775B2 (ja) 地中連続壁の先行エレメントの施工方法と地中連続壁の施工方法、および地中連続壁の先行エレメントの施工装置
JP4104453B2 (ja) 矩形断面地中構造物の補強構造および補強方法
KR101517884B1 (ko) 반원형 시트파일를 이용한 벽체 구조물의 시공방법
JP4623577B2 (ja) 場所打ち杭の構築方法
JP2018009388A (ja) 先行エレメントの端部構造および地中連続壁の施工方法
JP6820770B2 (ja) コンクリート部材補強方法
JP5463043B2 (ja) コンクリート構造物の補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5161668

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20181221

Year of fee payment: 6