JP5159252B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられるトナー、及び、画像形成方法に関する。
電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電荷像担持体(以下、「感光体」ともいう)上に静電潜像を形成する。次いで前記潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体にトナー像を転写した後、熱或いは圧力等により記録媒体上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。このような画像形成装置としては、複写機やプリンター等がある。
これらプリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であると同時に、更なる高速化、小型化が強く求められている。
ここで、小型化について着目すると、小型化には画像形成工程における潜像担持体、トナー担持体等の径を小さくすることが必須条件となってくる。また、トナー担持体を小径化することでトナーとトナー層厚規制部材との接触回数が増加し、均一な帯電量が得られると共に、トナー担持体のコート状態も均一となり、画質の向上が期待できる。
しかしながら、トナー担持体の曲率が大きくなることは、トナー層厚規制部材との接触面積が小さくなることを意味する。したがって、規制部材と担持体の間にあるトナーに対して圧力が集中してしまうため、トナー劣化が促進されるという弊害を生じる。特に、高温環境下の如きトナー劣化に対して厳しい環境においては、トナー担持体の傷やトナー融着に起因した現像スジが発生しやすい。また、現像領域が狭まることで、トナーの現像量は減少する傾向にある。したがって、多湿環境の如き帯電性が低下しやすい環境においては、長期に渡る使用で画像濃度が低下しやすい。
このように、小径トナー担持体を用いると、小型化の達成、及び画質が改善される一方で、画像濃度や現像スジといった問題が発生してしまう。
このような問題点に対して、トナーの表面組成を制御することで改善する試みがなされている。例えばESCAによって測定される炭素と酸素の量を調整したもの(特許文献1、2、6)やトナーの1粒子に荷重を負荷した際に圧縮される変位量と荷重の関係を特定の範囲に規定したもの(特許文献3、特許文献4)がある。また、トナーの1粒子の微小圧縮試験を行って得られる荷重−変位曲線が変曲点を有するように調整したもの(特許文献5)も開示されている。しかしながら、これらの技術は小径のトナー担持体と組み合わせた場合における画像濃度の向上、現像スジの改善には未だ改善の余地を残している。
特開2004−157423号公報 特開2007−108675号公報 特許第03003018号公報 特許第03391931号公報 特開2005−300937号公報 特開2007−108675号公報
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みなされたものであり、小径のトナー担持体を用いた場合、高温高湿環境下で画像濃度薄と現像スジが生じる。これが本発明が解決しようとする課題である。
本発明は、帯電部材に電圧を印加し像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形成工程と、トナーを担持する外径が8.0mm以上12.0mm未満のトナー担持体にトナー層厚規制部材を当接させ、前記トナー担持体上にトナー層を形成せしめ、前記像担持体と、トナー担持体とを一定の間隔を設けて配置することにより現像部を形成し、交番電界が印加されている前記現像部において、前記トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法に用いられるトナーであって、
該トナーが結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有し、
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるモード円形度が0.975以上であり、
該トナーのESCA(X線光電子分光分析)で測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、
該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下であることを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、帯電部材に電圧を印加し像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形成工程と、トナーを担持する外径が8.0mm以上12.0mm未満のトナー担持体にトナー層厚規制部材を当接させ、前記トナー担持体上にトナー層を形成せしめ、前記像担持体と、トナー担持体とを一定の間隔を設けて配置することにより現像部を形成し、交番電界が印加されている前記現像部において、前記トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法であって、
該トナーが結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有し、
該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるモード円形度が0.975以上であり、
該トナーのESCA(X線光電子分光分析)で測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、
該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下であることを特徴とする画像形成方法に関する。
小径のトナー担持体との組合せであっても高い画像濃度であり、現像スジのない鮮明な画像を提供することが出来る。
本発明のトナーは、帯電部材に電圧を印加し像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形成工程と、トナーを担持する外径が8.0mm以上12.0mm未満のトナー担持体にトナー層厚規制部材を当接させ、前記トナー担持体上にトナー層を形成せしめ、前記像担持体と、トナー担持体とを一定の間隔を設けて配置することにより現像部を形成し、交番電界が印加されている前記現像部において、前記トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法に用いられるトナーであって、該トナーが結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有し、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるモード円形度が0.975以上であり、該トナーのESCA(X線光電子分光分析)で測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下であることを特徴とするトナーである。
小径のトナー担持体を用いた場合であるが、前述の如き、現像領域が減少するためにトナーの現像量が減少し、画像濃度が低下しやすい。更に、トナー担持体の曲率が高いためにトナー規制部材の当接圧が高まり、現像スジが発生しやすい。
そこで、小径のトナー担持体を用いた場合の現像性向上と現像スジ抑制、という両面で検討を重ねた結果、
(1)トナーのモード円形度が0.975以上であり、
(2)トナーのESCAで測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、
(3)該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差を1.5μm以下に調整する
ことにより上記課題を解決出来ることを見出し、本発明に至った。
まず、(1)のトナーのモード円形度について説明する。本発明におけるモード円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA3000(シスメックス社製)で測定して得られる円形度分布の最頻値を示している。モード円形度が大きいほどトナーの帯電量分布をシャープにすることが出来、現像性を高めることが出来る。このためには、トナーのモード円形度は0.975以上であることが重要である。モード円形度が0.975未満である場合、トナーの現像性が足りず、画像濃度が低下しやすくなる。モード円形度を制御した上で円形度の標準偏差を0.040以下とするとトナーの形状は均一化し、帯電量分布は更にシャープするため、より好ましい。
次に、(2)のトナーのESCAで測定される炭素及び酸素原子のピーク面積について説明する。本発明者らの検討によると、外径12mm未満の小径のトナー担持体を用いると、前述したように現像領域が狭くなるため濃度が出にくい。この為、現像効率という観点で検討したところ、トナー表面にある程度ワックスが存在すると画像濃度を上げられることが分かった。これは、トナー表面のワックスがトナー担持体との離型性を向上させることで現像効率が向上し、高い画像濃度に繋がっていると考えられる。しかし、表面ワックス量が過剰になると、小径のトナー担持体を用いた高温環境下での長期使用の如き融着に対して厳しい状況下ではトナー担持体上へのワックスの融着による現像スジが発生してしまう。したがって、表面ワックス量には適正領域があり、トナー表面の樹脂とワックスの比率を制御することが重要である。
表面ワックス量は、ESCAによるトナー最表面の測定によって知ることが出来る。ESCAは、トナーの最表面での元素量を定量することができ、そこで測定された元素量からトナー最表面における各材料の存在状態を特定することができる。本発明において、ESCAで測定される炭素原子は、トナー表面に存在するワックス及び結着樹脂に由来する。しかし、ワックスは炭素を主元素とする材料であるため、トナー表面の炭素のピークが強い場合、表面にワックスが多く存在すると言える。一方、酸素原子のピークもワックス及び結着樹脂に由来するが、ワックス中の酸素原子は樹脂に対して比率が小さい。したがって、酸素原子のピークは主に樹脂に起因するものと言える。これらのことから、トナー表面の炭素原子、酸素原子のピーク面積は、トナー表面のワックス存在量に相関していると考えられる。
本発明者らの検討によると、ESCAで測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積は88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積は5.0%以上12.0%以下であることが重要である。この範囲であると、トナー表面において結着樹脂とワックスがそれぞれ適正な比率で存在していることになり、小径トナー担持体を用いても優れた現像性を有するトナーとすることができる。炭素原子のピーク面積が88.0%未満であるとトナーの離型性が足りず、現像効率が不足するため、高温環境下での長期使用時に濃度が低下しやすい。また、95.0%を上回るとトナー表面ワックス量が過剰になり、トナー担持体への融着が発生することで現像スジが悪化する。また、酸素原子のピーク面積が5.0%未満であると、トナー表面のワックス量が過剰であるため、トナー担持体への融着が発生することで、現像スジが悪化する。酸素原子のピーク面積が12.0%を上回ると、トナー表面のワックス量が不足するため、トナーとの離型性が足りず、画像濃度が低下する傾向がある。炭素原子のピーク面積は89.0%以上94.0%以下であると、効果が顕著であり、更に好ましい。
また、(1)によってトナーの帯電性能が均一化すると、小径のトナー担持体上におけるトナーの摩擦帯電量は均一になり、バイアス追従性が飛躍的に高まる。更に、(2)によりトナーとトナー担持体との離型性を高めることとの相乗効果により、現像効率も大きく向上させることが出来る。したがって、現像領域が狭い場合でも選択現像にならず、耐久後半にも高い画像濃度を得ることが出来る。
次に、(3)の微小圧縮試験における最大変位量の最大値と最小値の差について説明する。現像スジはトナー担持体上のトナーが過剰な負荷を受け、脆いトナーが割れて融着したり、逆に硬すぎるトナーがトナー担持体を傷付けることで発生する、と考えられる。そこで、本発明者らはトナーの硬さに着目し、適正化することで現像スジを改善できないかと考えた。本発明者らの検討結果によると、現像工程でトナーが受ける負荷以上の力をトナーに対して加えた場合に、トナーの変形度合いが一定になるよう制御することが重要であった。具体的には、微小圧縮試験において負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下に調整することである。9.8×10-4Nという力は、トナー担持体上のトナーがトナー規制部材から受ける力の数十倍程度に相当する。このような過剰な負荷が掛かった際のトナーの変形を制御することによって、トナー規制部材の当接圧が極度に高まる箇所や状況でも、現像スジの発生を防止することが出来る。
最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μmを上回ると、トナーの硬さが不均一になるため、割れたトナーの融着やトナー担持体の削れによる現像スジが発生しやすくなる。よって、最大変位量の最大値と最小値の差は、1.5μm以下であることが重要であり、1.3μm以下であると更に好ましい。
また、(1)のように球形に近い形状に制御すると凹凸が減少するため、凸部にシェアが集中することを防止できる。更に、(3)のように硬さを均一化すると、個々のトナー間で強度差がないため、脆いトナーのみ潰れることが無くなる。したがって、トナーに対して大きなシェアが掛かる状況でも、トナー担持体への傷や融着が飛躍的に発生し難くなる。
本発明には、以上のような(1)のモード円形度制御によるトナーの帯電分布シャープ化、(2)のトナー表面組成制御によるトナー担持体との離型性向上、(3)のトナーの硬さの均一化が重要であり、(1)、(2)、(3)の相乗効果によって、本発明の目的の達成に至った。
本発明のトナーは、結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有するものである。以下に、本発明のトナーに特に好適に用いることの出来る材料について説明する。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで言う「ハイブリッド樹脂」とは、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットが化学的に結合した樹脂を指す。ハイブリッド樹脂成分は、ワックスの表面存在状態とトナーの硬さを制御しやすく、上述のような適正範囲にコントロールすることが出来る。したがって、ハイブリッド樹脂を用いることによって、トナー担持体との離型性向上による現像効率向上、及び硬さの均一化によるトナー担持体への傷や融着を防ぐ効果が得られる。したがって、耐久現像性をより向上させると共に、現像スジを抑制することが出来る。
更に、該ポリエステルユニットが少なくとも脂肪酸スズ塩を触媒として縮合されたポリエステルユニットを主成分とすることが好ましい。脂肪酸スズ塩を触媒として用いると、樹脂組成が均一になりやすく、トナー化した後の硬さも均一になる傾向がある。そのため、現像スジ抑制に対して大きな効果が見られる。なお、ここで言う「主成分」とは、トナー中の結着樹脂総量に対して70質量%以上を占める成分を指す。
また、本発明のトナーでは、用いるワックスの選択も重要である。該ワックスは、融点が80℃以上150℃以下の脂肪族炭化水素系ワックスを主成分とすることが好ましい。ワックスとして上述のようなものを選択すると、トナー表面のワックス量を制御しやすく、且つ表面に存在した際の離型効果に優れる。また、ワックスの存在状態が均一になりやすく、それに伴ってトナー表面の硬さも均一化しやすい。そのため、現像スジや耐久現像性を向上させることが出来る。融点が80℃未満であると、トナー表面のワックスがトナー担持体に融着することで摩擦帯電を阻害するため、現像スジの悪化や画像濃度の低下傾向がある。また、融点が150℃を上回ると、トナー担持体との離型性が小さく、現像効率が低下するため、画像濃度が低下する傾向が見られる。なお、ここでの「主成分」は、トナー中のワックス総量に対して70質量%以上を占める成分を指す。
以下に、本発明で用いることの出来る材料及び製法例を示す。
本発明のトナーには任意の結着樹脂を用いることが出来るが、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂を主成分とすると、前述したように現像スジを抑制し、耐久現像性の観点から好ましい。
ハイブリッド樹脂の製造方法では、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物、離型剤等を混合し、まず、50℃以上、180℃以下でラジカル重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加重合系樹脂成分を得る。次いで、反応温度を190℃から270℃まで上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系樹脂成分を形成させることが好ましい。
更に、縮重合反応は触媒の存在下で行われると得られる樹脂の均一性などの観点から好ましい。特に、脂肪酸スズ塩を用いると前述したように樹脂の硬さの均一性が高く、現像スジ良化の効果が得られるため、好ましい。脂肪酸スズ塩としては、炭素数2以上28以下のカルボン酸スズ(II)やジアルコキシスズ(II)が挙げられる。それらの例を以下に示す。
炭素数2以上28以下のカルボン酸スズ(II)として、シュウ酸スズ(II)、酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、ラウリル酸スズ(II)、ステアリン酸スズ(II)、オレイン酸スズ(II)等が挙げられる。
また、炭素数2以上28以下のジアルコキシスズ(II)として、ジオクチロキシスズ(II)、ジラウロキシスズ(II)、ジステアロキシスズ(II)、ジオレイロキシスズ(II)等が挙げられる。
炭素数6以上20以下の脂肪酸スズ(II)がより好ましく、炭素数8以上18以下の飽和脂肪酸スズ(II)が特に好ましい。
ハイブリッド樹脂成分を主成分とする結着樹脂は、ポリエステル樹脂のモノマー、ビニル系樹脂のモノマー、及びそのいずれとも反応し得る化合物等を用いて製造される。ポリエステル樹脂のモノマーとしては、2価又は3価以上のアルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の2価又は3価以上のカルボン酸成分が用いられる。
2価アルコールを以下に例示する。例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレン付加物、ビスフェノールAのエチレン付加物、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。これらのアルコールのうち、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。これらの2価のアルコール単量体及び3価以上の多価アルコール単量体から単独であるいは複数の単量体を併用して用いることができる。
また、酸成分としては、カルボン酸成分で2価の単量体として、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの2価のカルボン酸成分のうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステルが好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸単量体及び3価以上の多価カルボン酸単量体から単独であるいは複数の単量体を併用して用いることができる。
一方、ビニル系樹脂の単量体としては以下に例示するものを用いることが出来る。
・スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチレン誘導体。
・エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類。
・塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類。
・アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル。
・アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン酸置換体。
・マレイン酸ジメチル等のエチレン性ジカルボン酸及びその置換体。
・ビニルメチルケトン等のビニルケトン類。
・ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類。
・ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物。
これらのうち、ワックスの分散性が良いことから、スチレンとアクリル酸又はそのエステル等の組み合わせ、及び、スチレンとメタクリル酸又はそのエステル等の組み合わせが好適に用いられる。
また、必要に応じて架橋剤を使用することもでき、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2種以上組み合わせて)用いることができる。好ましくは、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレートが用いられる。
ビニル系樹脂のモノマーの重合に使用される重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤又はベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は一種類又は複数種混合して使用することもできる。
ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分を得るためには、両樹脂のモノマーのいずれとも反応しうる化合物(以下「両反応性化合物」という)を用いて重合を行う。このような両反応性化合物としては、前記のポリエステル樹脂のモノマー及びビニル系樹脂のモノマー中の、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及びフマル酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これらのうち、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく用いられる。
次に、本発明のトナーはワックスを含有するものである。本発明のトナーでは、任意のワックスを使用出来るが、現像スジや耐久現像性の観点から、融点が80℃以上150℃以下である脂肪族炭化水素系ワックスが主成分であることが好ましい。以下に、用いることの出来るワックスを例示する。
・低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス。
・酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物。
・カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。
・脱酸カルナバワックス等の、脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
・パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類。
・ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類、ソルビトール等の多価アルコール類。
・リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類。
・メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類。
・エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類。
・m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類。
・ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)。
・脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類。
・ベヘニン酸モノグリセリド等の、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
・炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸。
本発明のトナーは、磁性体を含有するものである。本発明のトナーに用いる磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2乃至30m2/gが好ましい。また、磁性体の磁化の強さは、磁場79.6kA/mにおいて30乃至120Am2/kgであることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に維持し、水溶液を70℃以上に加温しつつ、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5乃至10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性体を常法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
本発明では、磁性体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、上記した公知の染料及び顔料の他、磁性又は非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、又はこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。
本発明のトナーには、帯電特性向上のために必要に応じて荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。荷電制御剤のうち、ネガ系荷電制御剤として具体的な化合物として、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、スルフォン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
これらの荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり一義的に限定されるものではない。しかし、トナー粒子に内部添加する場合、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下用いられる。また、トナー粒子に外部添加する場合、トナー100質量部に対し好ましくは0.005質量部以上1.000質量部以下用いられる。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上70℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が40℃未満では保存安定性が低下すると共に、長期使用においてトナー劣化しやすく、70℃よりも高いと定着性が悪化する。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。このような流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフウルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末,湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粉末,酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物,チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物,炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等が挙げられる。
本発明のトナーは、必要に応じてさらに他の外添剤(例えば荷電制御剤等)と混合して一成分現像剤として用いることができ、またキャリアと併用して二成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものがすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物等の、平均粒径20μm以上300μm以下の粒子が好ましくは使用される。
本発明に係るトナーの製造方法について以下に詳述する。
本発明に係るトナーを作製するには、以下の製造方法を用いることが好ましい。まず、任意のトナー構成材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロール,ニーダー,エクストルーダーの如き熱混練機を用いてよく混練し、冷却固化後粗粉砕を行った後に微粉砕、分級を行うことでトナー粒子を得る。更に、得られたトナー粒子に対して表面改質装置を用いて表面改質を施す。必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、トナーを得る。
好ましいトナー粒子の表面改質方法としては、トナー粒子に気層中にて熱を付与する方法である。例えば瞬間的にトナー粒子表面に高温の熱風を吹き付け、直後に瞬間的に冷風によってトナー粒子を冷却する方法が挙げられる。このような手法によってトナー粒子の表面を改質することは、トナー粒子に過度の熱を加えることがない。よって、原材料成分の変質を防ぎつつトナー粒子の表面改質を行うことができる。高温の熱風を吹き付けるとトナー粒子の表面近傍は瞬間的に溶融状態になり、トナー粒子中のワックスは容易に表面に染み出すことが出来る。さらにその状態で瞬間的に冷却されるため、表面に存在するワックス量及び存在状態を制御したトナー粒子を得ることができる。このような装置としては、例えばメテオレインボー(日本ニューマチック工業社製)が挙げられる。
本発明のトナーは、公知の製造装置を用いて製造することができ、例えば、状況に応じて以下の製造装置を用いることができる
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製),スーパーミキサー(カワタ社製),リボコーン(大川原製作所社製),ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製),スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製),レーディゲミキサー(マツボー社製)等が挙げられる。
混練機としては、例えばKRCニーダー(栗本鉄工所社製),ブス・コ・ニーダー(Buss社製),TEM型押し出し機(東芝機械社製),TEX二軸混練機(日本製鋼所社製),PCM混練機(池貝鉄工所社製),三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製),ニーデックス(三井鉱山社製),MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製),バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)等が挙げられる。
粉砕機としては、例えばカウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製),IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製),クロスジェットミル(栗本鉄工所社製),ウルマックス(日曹エンジニアリング社製),SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製),クリプトロン(川崎重工業社製),ターボミル(ターボ工業社製),スーパーローター(日清エンジニアリング社製)等が挙げられる。
分級機としては、例えばクラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製),ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製),ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製),エルボジェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製),YMマイクロカット(安川商事社製)等が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えばウルトラソニック(晃栄産業社製),レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社),バイブラソニックシステム(ダルトン社製),ソニクリーン(新東工業社製),ターボスクリーナー(ターボ工業社製),ミクロシフター(槙野産業社製),円形振動篩い等が挙げられる。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図1に沿って具体的に説明する。図1において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ)であり、その周囲に帯電ローラー117、トナー担持体102を有する現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116、レジスタローラー124等が設けられている。静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって例えば−600Vに帯電される(印加電圧は例えば交流電圧1.85kVpp、直流電圧−620Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残されたトナーはクリーナー116によりクリーニングされる。
本発明の画像形成方法における帯電工程は、被帯電体であり像担持体でもある静電潜像担持体とローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、ブレード型(帯電ブレード)等の導電性の帯電部材とを当接部を形成して接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して静電潜像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いる。また、このように接触帯電を行う事で、安定した均一な帯電を行う事が出来、さらに、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
しかし、一般に、固定タイプの帯電部材を用いた場合、帯電部材と回転する像担持体の接触を均一に保持が難しく、帯電ムラが生じ易くなってしまう。このため、像担持体との接触を均一に保ち、均一な帯電を行う為に、像担持体と同方向に回転する帯電部材(帯電ローラー)を用いる事がより好ましい。
帯電ローラーを用いたときの好ましいプロセス条件として、ローラーの当接圧が4.9乃至490.0N/m(5.0乃至500.0g/cm)で、直流電圧もしくは、直流電圧に交流電圧を重畳したものが用いられる。交流電圧を重畳する場合、交流電圧は0.5乃至5.0kVpp、交流周波数は50乃至5kHz、直流電圧としては電圧の絶対値が200乃至1500Vである事が好ましい。なお、電圧の極性は用いる画像形成方法による。
帯電工程において用いられる交流電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。このように交流電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
ローラー部材の材質としては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、導電性粒子を分散せずに、或いは導電性粒子と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
また、ローラー部材に用いられる芯金としては、アルミニウム、SUS等が挙げられる。ローラー部材は、像担持体としての被帯電体に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、ローラー部材と像担持体の当接部である帯電当接部を形成させる。
次に、本発明の画像形成方法において好ましく適用される接触転写工程について具体的に説明する。
接触転写工程とは、静電潜像担持体が記録媒体を介して転写部材と当接しながらトナー像を記録媒体に静電転写するものであるが、転写部材の当接圧力としては線圧2.9N/m(3.0g/cm)以上であることが好ましく、より好ましくは19.6N/m(20.0g/cm)以上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3.0g/cm)未満であると、記録媒体の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
また、接触転写方法を適用した本発明の画像形成方法は、直径が50mm以下の小径の静電潜像担持体を有する画像形成装置に対し特に有効に用いられる。即ち、小径の静電潜像担持体の場合には、同一の線圧に対する曲率が大きく、当接部における圧力の集中が起こりやすいためである。ベルト状の静電潜像担持体でも同一の現象があると考えられるが、本発明は、転写部での曲率半径が25mm以下の画像形成装置に対しても有効である。
また本発明の画像形成方法においては、高画質の画像を得るためにトナー担持体上にトナー担持体−静電潜像担持体の最近接距離(S−D間)よりも薄い層厚でトナーを塗布し、現像工程で現像されることが好ましい。一般に、トナー担持体上のトナーを規制するトナー層厚規制部材(磁気カット、規制ブレード等)によってトナー担持体上のトナー層厚を規制するが、本発明ではトナー層厚規制部材がトナーを介してトナー担持体に当接する事によって規制することが好ましい。トナー担持体に当接する層圧規制部材としては、規制ブレードが一般的であり、本発明においても好適に使用できる。
規制ブレードを像担持体に当接させトナー層厚を規制することにより、転写効率の向上及び、カブリの低減に効果がある。これは、規制ブレードの材質をトナーの帯電性に合せて設計出来る上、規制ブレードがトナー担持体と特定な当接圧を有し接していることにより、十分な摩擦帯電が行われ、トナーの帯電量が高くなると共に、均一な帯電性が得られる為であると考えている。また、このようにカブリを押さえ、転写効率を上げる事で良好なクリーナーレス性が維持され、帯電不良等の画像欠陥が生じず、長期使用においても高精細な画像が維持出来る。
規制ブレードとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体が使用できさらに、それらの複合体であっても使用できる。好ましくは、ゴム弾性体が良い。
規制ブレードの材質は、トナー担持体上のトナーの帯電に大きく関与する。そのため、規制ブレードとして弾性体を用いた場合、弾性体中に有機物又は無機物の物質を添加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。添加する物質としては、例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤があげられる。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体の如き弾性支持体に、トナーの帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸化物、金属の如き帯電コントロール物質をトナー担持体当接部分に当たるようにつけたものを用いても良い。また、金属弾性体に樹脂、ゴムをトナー担持体当接部に当たるように貼り合わせるものが好ましい。
トナーが負帯電性である場合には、規制ブレードに使用する材質としては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂の如き正極性に帯電しやすいものが好ましい。トナーが正帯電性である場合には、規制ブレードに使用する材質としては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂の如き負極性に帯電しやすいものが好ましい。
トナー担持体当接部分が樹脂又はゴムの成型体の場合はトナーの帯電性を調整するためにその中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化亜鉛の如き金属酸化物、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤を含有させることも好ましい。
また、規制ブレード表面の十点平均粗さRzを制御することも重要である。規制ブレード表面のRzは、2.5μm以上10.5μm以下であることが好ましい。2.5μm未満になると、トナー担持体上のトナーが引っ掛かり難くなることで摩擦帯電量が不足するため、画像濃度が低下する傾向が見られる。一方、Rzが10.5μmを上回ると、トナーが規制ブレードに過剰に引っ掛かかってしまい、トナー担持体と規制ブレードの間に滞留するトナーが増えることで現像スジが出やすくなる。規制ブレードのRzとしては、より好ましくは3.5μm以上9.5μm以下である。
規制ブレード上辺部側である基部はトナー容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性力に抗してトナー担持体の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてトナー担持体表面に適度の弾性押圧力をもって当接させる。
ブレードとトナー担持体との当接圧力は、トナー担持体母線方向の線圧として、4.9N/m(5.0g/cm)以上118.0N/m(120g/cm)以下が好ましい。当接圧力が4.9N/m(5.0g/cm)より小さい場合、トナーに付与される帯電量が不足がちになり、濃度が薄くなりやすい。当接圧力が118.0N/m(120.0g/cm)を超えると、トナーに大きな圧力が掛かるため、現像スジが悪化しやすくなる。
本発明に使用されるトナー担持体の外径は8.0mm以上12.0mm未満であることが重要である。トナー担持体の外径が12.0mm以上では現像領域が広くなるために画像濃度が得られやすくなるものの、十分なコンパクト化が図れず、プロセスユニットの小型化が達成できない。またトナー担持体の外径が8.0mm未満では、内包するマグネットローラーの磁力が充分に得られず、カブリが大きく悪化する。また、トナー担持体上のトナーコートが不安定になると共に、現像領域が狭すぎるために画像濃度が著しく低下する。また、曲率が更に高まるため、現像スジも悪化やすい。
本発明に使用されるトナー担持体は、アルミニウム、ステンレススチール等の金属又は合金で形成された導電性円筒(現像ローラー)が好ましく使用される。充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムローラーを用いても良い。また、上記のような円筒状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
本発明に使用されるトナー担持体の表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.80μm以上1.10μm以下の範囲にあることが好ましい。Raが0.80μm以上1.10μm以下であると、トナーの搬送量が充分に得られる上、トナー担持体上のトナー量を規制し易くなる。Raが1.10μmを上回ると、トナーの搬送量が過剰となることでカブリが悪化する傾向がある。Raが0.80μmを下回るとトナーの搬送量が不足するため、画像濃度が低下しやすい。更に、トナー1粒子に対する負荷が高まるため、現像スジのレベルも悪化しやすい。このため、Raは0.80μm以上1.10μm以下が好ましく、トナー担持体のRaとしては、より好ましくは0.85μm以上1.05μm以下である。
本発明におけるトナー担持体の表面粗度(Ra)を上記範囲にするには、例えば、トナー担持体の表層の研磨状態を変える、あるいは球状炭素粒子、カーボン微粒子、グラファイト、樹脂微粒子等を添加することにより可能となる。
本発明におけるトナー担持体の表面は導電性微粒子及び/又は滑剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好ましい。
トナー担持体の被覆層に含まれる導電性微粒子は、11.7Mpa(120kg/cm2)で加圧した後の抵抗値が0.5Ωcm以下であるものが好ましい。導電性微粒子としては、カーボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、または結晶性グラファイトが好ましい。導電性微粒子は、粒径0.005μm以上10.000μm以下であるものが好ましい。
樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用することができる。
中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。導電性微粒子は樹脂成分10質量部当り、3質量部以上20質量部以下使用するのが好ましい。
カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み合わせて使用する場合は、グラファイト10質量部当り、カーボン微粒子1質量部以上50質量部以下使用するのが好ましい。
導電性微粒子が分散されているトナー担持体の樹脂層の体積抵抗率は10-6Ωcm以上106Ωcm以下が好ましい。
本発明においては、トナーを担持するトナー担持体表面は、像担持体表面の移動方向と同方向に移動する事が好ましい。また、トナー担持体の移動速度は、像担持体の移動速度に対して、比で1.00倍以上1.30倍以下であることが好ましい。移動速度比が1.00倍以下であると充分な画像濃度が得られにくく、画像品質も悪くなりやすく好ましくない。一方、トナー担持体の移動速度が1.30倍よりも早いとトナー劣化が生じ易く、長期使用により画質の低下が生じてしまう。
本発明の像担持体は内部に多極を有する固定されたマグネットを有していることが好ましく、磁極は3極以上10極以下有することが好ましい。
本発明において、現像工程はトナー担持体に対して交番電界を現像バイアスとして印加して、静電潜像担持体上の静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成する工程であることが好ましく、印加現像バイアスは直流電圧に交番電界を重畳した電圧でもよい。
交番電界の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。このように交番電界の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
本発明においては、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程が、像露光手段により行われることが好ましい。静電潜像形成のための画像露光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
<トナーの重量平均粒径(D4)>
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーのモード円形度>
トナーのモード円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナーのモード円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製の「5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度頻度分布円形度分布において、もっとも頻度が高い円形度の値をモード円形度とした。
<ESCA(X線光電子分光分析)によるトナー表面の炭素原子及び酸素原子量の測定>
トナー表面の元素濃度の測定には、アルバック−ファイ社製Quantum 2000を用い、以下の条件で測定を行う。
サンプル測定範囲 :Φ100μm
光電子取り込み角度 :45°
X線 :50μ12.5W15kV
PassEnergy :46.95eV
Step Size :0.200eV
No of Sweeps :1〜20
設定測定時間 :30min
本発明においてESCAの測定は、例えばQuantum2000(アルバック・ファイ)が用いられる。測定原理としては、X線源を利用して光電子を発生させ、物質の固有の科学的な結合に基づくエネルギーを計測する。X線としては単色化されたAl−Kαを使用し、ビーム径50μm、Pass Energy46.95eVの条件で測定を行う。そこで得られた全ピーク面積に対する炭素原子及び酸素原子のピーク面積の割合を計算する。
<微小圧縮試験方法>
本発明における微小圧縮試験は、(株)エリオニクス社製 超微小硬度計ENT1100を用いた。本装置は、圧子を試料へ押し込んだときの、圧子への負荷荷重と押し込み深さを負荷時、除荷時にわたり連続的に測定することにより、負荷荷重−押し込み深さ曲線を得、この曲線から微小圧縮硬度・弾性率等のデータを得るものである。該装置を用いた測定方法は、(株)エリオニクス発行のENT1100操作マニュアルに記載されているが、具体的には以下の通りである。
使用圧子は20μm×20μm四方の平圧子を用い、測定環境は温度27℃、湿度60%RHで測定する。最大荷重を9.8×10-4Nに設定し、9.8×10-5N/secのスピードで荷重を掛ける。最大荷重(9.8×10-4N)に到達後、0.1secの間、その荷重で放置する。該最大荷重到達後0.1sec経過時に変位している量を最大変位量(μm)とする。引き続き、上記最大荷重から9.8×10-5N/secのスピードで除荷し、荷重が0になったところで測定を終了する。
実際の測定はセラミックセル上にトナーを塗布し、トナーがセル上に分散するようにエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定する。
測定は、装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)にトナーが1粒子で存在しているもの選択する。変位量の誤差を極力無くすため、トナー粒径が重量平均径D4±0.20μmのものを選択して測定する。なお、測定用画面から任意のトナーを選択するが、粒子径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いてトナーの長径と短径を測定し、それらから求められるアスペクト比[(長径+短径)/2]を粒子径とした。
測定に際しては、粒子径が上記条件を満たす任意のトナー120個を選んで最大変位量を測定する。測定誤差や振れを除くために、以下のようにしてデータを選択する。得られた最大変位量の値のうち、大きいもの及び小さいものから順番にそれぞれ10個ずつデータを除く。そして、残った100個のデータのうち最大値と最小値を用いて、本発明の最大値と最小値の差を求める。
<ワックスの融点及び結着樹脂のガラス転移点測定>
ワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−99に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用いる。
具体的には、ワックス約5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30℃以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークの温度を本発明のワックスの融点とする。
また、結着樹脂のガラス転移点もワックス融点と同様の測定装置を用いて測定する。
具体的には、結着樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移点とする。
<トナー層厚規制部材表面の十点平均粗さRzの測定方法>
トナー層厚規制部材(以下、規制ブレード)のRzは以下のように測定する。
1)試料の準備
規制ブレードを約1cm四方の大きさにカットする。ただしレーザー顕微鏡での観察においてレーザーを当てるのに十分な面積があれば、特にカットする大きさは限定されない。
2)測定条件
測定時の各パラメーター等は以下のように設定する。
対物レンズ倍率:20倍
光学ズーム倍率:1倍
デジタルズーム倍率:1倍
RUN MODE:カラー超深度
LASER(ゲイン):594
LASER(オフセット):−1328
カメラ設定(シャッタ):158
カメラ設定(ホワイトバランス):3200k
カメラ設定(ゲイン):0
3)試料のセット
レーザー顕微鏡のステージに、カットした規制ブレードを、トナー担持体に当接する部位が観察面となるようにセットする。
4)測定
測定PITCHを0.1μmとして規制ブレード表面を測定する。
5)画像処理
測定で得られた画像の全体的な歪みや傾きを補正するため、以下の処理を行った。
[1.傾き補正]
補正方法:面補正(自動)
処理対象:高さ
測定で得られた画像中の細かいノイズ成分を除去するため、以下の処理を行った。
[2.フィルタ処理]
処理対象 :平滑化(高さデータ)
サイズ :7×7
実行回数 :1
ファイルタイプ:メディアン
[3.フィルタ処理]
処理対象 :平滑化(高さデータ)
サイズ :3×3
実行回数 :1
ファイルタイプ:単純平均
6)解析
解析には高さデータを用いる。得られた高さデータ画像にスケールを引き、200μm×260μmの範囲を選び、この範囲での十点平均粗さRzを測定結果とする。
<トナー担持体表面の算術平均粗さRaの測定>
トナー担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用いて行う。測定条件としてはカットオフ0.8mm、評価長さ4mm、送り速度0.5mm/sにて、9点(軸方向に等間隔に取った3点の各点について周方向に3点)について測定し、その平均値をとった。
<結着樹脂の軟化点の測定>
結着樹脂の軟化点はフローテスターCFT−500D型(島津製作所製)にて測定を行った。60メッシュ(目開き250μm)パスのトナーを試料として約1.0g秤量し、これを成形器を使用し、100kg/cm2(9800kPa)の加重で1分間加圧する。このサンプルに10kgf(98N)の荷重をかけ、昇温温度4.0℃/min、ダイ直径1.0mm、ダイ長さ1.0mmとして昇温法にてフローテスターのプランジャー降下量を測定し、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
<磁性体の飽和磁化及び残留磁化の測定>
本発明において磁性体の飽和磁化及び残留磁化の強さは、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部を示す。
<磁性体の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.0乃至1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対し、鉄元素に対して珪素元素換算で1.20質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9乃至1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8.5に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し解砕処理して体積平均粒径が0.22μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強さが66.1Am2/kg、残留磁化が6.0Am2/kgの磁性体を得た。
<結着樹脂1乃至4の製造>
表1に示す、トリメリット酸以外の縮重合系樹脂のモノマー、両反応性化合物及びエステル化触媒を窒素雰囲気下、230℃で6時間縮重合させた後、160℃まで冷却した。反応容器に、トリメリット酸175gを添加した後、表1に示す付加重合系樹脂のモノマー及び重合開始剤の混合物を、160℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。さらに1時間同温度を保持して付加重合反応を行った後、200℃に昇温し、縮重合反応を行った。軟化点が所望の温度に達するまで反応させて、樹脂1乃至4を得た。
<結着樹脂5の製造>
表1に示す、トリメリット酸以外のモノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、反応温度を180℃に下げ、アジピン酸を添加した。10℃/hの割合で210℃まで温度を上げ、反応率が90%に達するまで反応させた後、無水トリメリット酸を添加し、210℃で1時間常圧で反応させた後、所望の軟化点に達するまで反応させて、結着樹脂5を得た。
Figure 0005159252
<トナー1の製造>
結着樹脂1 100部
磁性体 95部
ポリエチレンワックス(融点115℃) 5部
モノアゾ染料の鉄錯体(T−77保土ヶ谷化学社製) 2部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製)を用いて機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.3μmであった。
得られたトナー粒子を、熱風を吹き付けることによりトナー粒子の表面改質を行う装置であるメテオレインボーMR−3型(日本ニューマチック工業社製)で表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度2kg/hr、熱風流量700L/min、吐出熱風温度300℃で行い、得られた表面改質済トナー粒子の重量平均粒径(D4)は6.8μmであった。
表面改質済トナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.35部とを、ヘンシェルミキサーで混合してトナー1を調製した。トナー1の物性と処方を表2に示す。
<トナー2の製造>
トナー1の製造において、ポリエチレンワックスを融点78℃のパラフィンワックスに変えたこと以外はトナー1の製造と同様にし、トナー2を得た。トナー2の物性と処方を表2に示す。
<トナー3の製造>
トナー1の製造において、ポリエチレンワックスを融点152℃のポリプロピレンワックスに変えたこと以外はトナー1の製造と同様にし、トナー3を得た。トナー3の物性と処方を表2に示す。
<トナー4の製造>
トナー1の製造において、ポリエチレンワックスを融点72℃のベヘン酸ベヘニルに変えたこと以外はトナー1の製造と同様にし、トナー4を得た。トナー4の物性を表2に示す。
<トナー5の製造>
トナー4の製造において、結着樹脂1を結着樹脂2に変え、表面改質時の条件を原料供給速度3.0kg/hr、熱風流量900L/min、吐出熱風温度200℃に変えたこと以外はトナー4の製造と同様にし、トナー5を得た。トナー5の物性と処方を表2に示す。
<トナー6の製造>
トナー4の製造において、結着樹脂1を結着樹脂3に変え、表面改質時の条件を原料供給速度1.2kg/hr、熱風流量500L/min、吐出熱風温度400℃に変えたこと以外はトナー4の製造と同様にし、トナー6を得た。トナー6の物性と処方を表2に示す。
<トナー7の製造>
トナー5の製造において、ベヘン酸ベヘニルを融点152℃のポリプロピレンワックスに変えたこと以外はトナー5の製造と同様にし、トナー7を得た。トナー7の物性と処方を表2に示す。
<比較用トナー1の製造>
結着樹脂5 100部
磁性体 95部
ベヘン酸ベヘニル(融点72℃) 10部
モノアゾ染料の鉄錯体(T−77保土ヶ谷化学社製) 2部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製、回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング)を用いて、機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.3μmであった。
得られたトナー粒子を、その原料トナー粒子を、熱風を吹き付けることによりトナー粒子の表面改質を行う装置であるメテオレインボーMR−3型(日本ニューマチック工業社製)で表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度0.2kg/hr、熱風流量400L/min、吐出熱風温度450℃で行い、得られた表面改質済トナー粒子の重量平均粒径(D4)は7.0μmであった。
この表面改質済トナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.35部とを、ヘンシェルミキサーで混合して比較用トナー1を調製した。比較用トナー1の物性と処方を表2に示す。
<比較用トナー2の製造>
比較用トナー1の製造例において、ベヘン酸ベヘニルを融点152℃のポリプロピレンワックスに変え、表面改質時の条件を原料供給速度4.0kg/hr、熱風流量1000L/min、吐出熱風温度195℃に変えた事以外は比較用トナー1の製造と同様にし、比較用トナー2を得た。比較用トナー2の物性と処方を表2に示す。
Figure 0005159252
<トナー担持体1の製造>
基体表面に樹脂被覆層を有するトナー担持体を以下のようにして作製した。
レゾール型フェノール樹脂(J325:大日本インキ化学工業社製) 250部
導電性カーボンブラック 10部
(コロンビアカーボン社製、商品名:Conductex975)
黒鉛粒子(粒径:2.0μm) 90部
化合物1 30部
導電性球状粒子(ニカビーズ ICB0520日本カーボン社製) 30部
エタノール 200部
なお、化合物1は下記の構造式で表されるものである。
Figure 0005159252
上記材料に直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として加え、サンドミルにて2時間分散し、篩を用いてビーズを分離し、エタノールで固形分を38%に調整し塗工液を得た。この塗工液を用い、外径10mmφ、中心線平均粗さRa=0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管上を垂直に立て、一定速度で回転させるとともに、上下端部にマスキングを施し、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗工することによって樹脂被覆層を形成させた。なお、塗工は23℃/50%RHの環境下にて実施した。続いて熱風乾燥炉により150℃で30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させ、トナー担持体1を作製した。トナー担持体1の物性を表3に示す。
<トナー担持体2の製造>
トナー担持体1の製造において、導電性球状粒子30部を20部に変えたこと以外はトナー担持体1の製造と同様にし、トナー担持体2を得た。トナー担持体2の物性を表3に示す。
<トナー担持体3の製造>
トナー担持体1の製造において、導電性球状粒子30部を40部に変えたこと以外はトナー担持体1の製造と同様にし、トナー担持体3を得た。トナー担持体3の物性を表3に示す。
<トナー担持体4の製造>
トナー担持体1の製造において、導電性球状粒子30部を15部に変えたこと以外はトナー担持体1の製造と同様にし、トナー担持体4を得た。トナー担持体4の物性を表3に示す。
<トナー担持体5の製造>
トナー担持体1の製造において、導電性球状粒子30部を45部に変えたこと以外はトナー担持体1の製造と同様にし、トナー担持体5を得た。トナー担持体5の物性を表3に示す。
<トナー担持体6の製造>
トナー担持体1の製造において、外径10mmφのアルミニウム製円筒を外径7.5mmφのアルミニウム製円筒に変えたこと以外はトナー担持体1の製造と同様にし、トナー担持体6を得た。トナー担持体6の物性を表3に示す。
Figure 0005159252
<トナー層厚規制部材1の製造>
140℃に加熱された遠心成型金型を、800rpmの回転速度で回転させたまま、熱硬化性樹脂の液剤(エポキシ樹脂 耐熱温度150℃)を遠心成型金型内に流し込み、充分に加熱硬化させることで0.5mmの厚みの保持層(偏心補償層)を設けた。次に、その保持層の内周面にシリコーンゴムの離型層を1.0mmの厚みになるように形成する過程で、離型層が完全に硬化する前に、その内周面にトルエン中に分散した粗面化処理剤(フッ化黒鉛 重量平均粒径8.0μm、標準偏差1.53)を散布した。そのようにして形成された離型層内部にウレタン形成液を流し込み、トナー層厚規制部材1を得た。トナー層厚規制部材1のRzを表4に示す。
<トナー層厚規制部材2乃至5の製造>
トナー層厚規制部材製造方法において、離型層に含まれる粗面化処理剤の粒径を変える、もしくは量を変える等を行い、トナー層厚規制部材2乃至5を作製した。トナー層厚規制部材2乃至5のRzを表4に示す。
Figure 0005159252
<実施例1>
画像形成装置としてLBP3000(キヤノン製)を用い、上記トナー担持体1及びトナー層厚規制部材1が入るようにカートリッジを改造した。
トナー1、トナー担持体1及びトナー層厚規制部材1を使用し、トナー規制ブレードの自由長を0.7mm、トナー担持体との当接圧力を20Nに調整した。このように改造したカートリッジを用いて、常温常湿環境下(23℃/60%RH、表中「N/N」と表示)及び高温高湿環境下(32.5℃/80%RH、表中「H/H」と表示)にて、7秒間欠モードで印字率2%の横線を5000枚出力した。なお、記録媒体としてはレターサイズの75g/m2の紙を使用した。その結果、耐久試験後に現像スジはなく、高濃度の画像を得ることができた。評価結果を表5に示す。
本発明の実施例及び比較例で行った各評価の評価方法とその判断基準について以下に述べる。
(画像濃度)
画像濃度は5000枚の画出し前後でベタ画像部を出力し、このベタ画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
(カブリ)
5000枚の画出し後に白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターはグリーンフィルターを使用し、下記式にてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリは得られたカブリ値の最大値を用いて以下の判断基準に従って評価した。
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好(1.0%以上2.0%未満)
C:実用可能なレベル(2.0%以上3.0%未満)
D:実用上好ましくないレベル(3.0%以上)
(現像スジ)
耐久後に600dpiの解像度で2ドット3スペースのライン画像を10枚出力し、現像スジの状況を目視で確認した。なお、画像の中で最悪の現像スジ品をそのサンプルの結果として、下記の基準で評価した。
A:スジなし
B:軽微なスジが有るが、実用上全く問題ない。
C:強いスジが1本有るが、実用可能なレベル。
D:強いスジが2本又は3本有るが、実用可能なレベル。
E:強いスジが3本以上有り、実用上好ましくないレベル。
<実施例2乃至5>
トナー担持体2、3、4、5を用いたこと以外は実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、いずれのトナーも耐久試験前後で実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表5に示す。
<実施例6乃至9>
トナー層厚規制部材2、3、4、5を用いたこと以外は実施例5と同様に画出し試験を行った。その結果、いずれのトナーも耐久試験前後で実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表5に示す。
<比較例1>
トナー担持体6を用いたこと以外は、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、画像濃度、現像スジ共に実用上好ましくないレベルであった。評価結果を表5に示す。
Figure 0005159252
<実施例10乃至15>
トナー2から7を使用し、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、いずれのトナーも耐久試験前後で実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表6に示す。なお、表6には比較のため実施例1の結果も記載した。
<比較例2、3>
比較用トナー1、2を使用し、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、画像濃度が低く、現像スジレベルも悪かった。評価結果を表6に示す。
Figure 0005159252
本発明のトナーを好適に用いることができる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。
符号の説明
100 静電潜像担持体(感光体)
102 トナー担持体
114 転写部材(転写ローラー)
116 クリーナー
117 接触帯電部材(帯電ローラー)
121 レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)
123 レーザー
124 レジスタローラー
125 搬送ベルト
126 定着器
140 現像器
141 撹拌部材

Claims (7)

  1. 帯電部材に電圧を印加し像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形成工程と、トナーを担持する外径が8.0mm以上12.0mm未満のトナー担持体にトナー層厚規制部材を当接させ、前記トナー担持体上にトナー層を形成せしめ、前記像担持体と、トナー担持体とを一定の間隔を設けて配置することにより現像部を形成し、交番電界が印加されている前記現像部において、前記トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法に用いられるトナーであって、
    該トナーが結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有し、
    該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるモード円形度が0.975以上であり、
    該トナーのESCA(X線光電子分光分析)で測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、
    該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下であることを特徴とするトナー。
  2. 該結着樹脂が、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該ワックスの融点が80℃以上150℃以下であり、脂肪族炭化水素系ワックスが主成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該ポリエステルユニットが少なくとも脂肪酸スズ塩を触媒として縮合されたポリエステルユニットであることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
  5. 帯電部材に電圧を印加し像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込む静電潜像形成工程と、トナーを担持する外径が8.0mm以上12.0mm未満のトナー担持体にトナー層厚規制部材を当接させ、前記トナー担持体上にトナー層を形成せしめ、前記像担持体と、トナー担持体とを一定の間隔を設けて配置することにより現像部を形成し、交番電界が印加されている前記現像部において、前記トナーを前記静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法であって、
    該トナーが結着樹脂及び磁性体及びワックスを少なくとも含有し、
    該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるモード円形度が0.975以上であり、
    該トナーのESCA(X線光電子分光分析)で測定される全ピーク面積に対して、炭素原子のピーク面積が88.0%以上95.0%以下であり、酸素原子のピーク面積が5.0%以上12.0%以下であり、
    該トナーに対する微小圧縮試験において、トナーを100粒子選択し、負荷速度9.8×10-5N/secで荷重9.8×10-4Nを負荷した時に得られる最大変位量の最大値と最小値の差が1.5μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 該層厚規制部材が規制ブレードであって、該規制ブレードが該トナー担持体に当接する部位の表面のレーザー顕微鏡で測定される十点平均粗さRzが2.5μm以上10.5μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 該トナー担持体の表面粗さRaが0.80μm以上1.10μm以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
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