JP5157301B2 - 単層および2層カーボンナノチューブ混合組成物 - Google Patents

単層および2層カーボンナノチューブ混合組成物 Download PDF

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本発明は、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物に関する。さらに詳しくは、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物およびその分散液、それを塗布した高導電性で、透過性に優れた透明導電性フィルム、または単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を用いたフィールドエミッション材料に関する。
カーボンナノチューブが最初に広く報告されたのは1991年である(非特許文献1)。カーボンナノチューブは実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ(SWNT)、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ(DWNT)、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブ(MWNT)という。カーボンナノチューブは、自体が優れた真性の導電性を有し、導電性材料として使用されている。
カーボンナノチューブの製造方法として、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法などが知られている。なかでも、グラファイト層に欠陥の少ない高品質なカーボンナノチューブを安価に製造する方法として、触媒化学気相成長法が知られている。触媒化学気相成長法では触媒を担体に担持して行う方法が知られている。
単層カーボンナノチューブと2層カーボンナノチューブの混合組成物は公知である。例えば特許文献1にはパルスアーク放電を行い、単層カーボンナノチューブと2層カーボンナノチューブの混合組成物を得ている。この時の生成物の直径を波長633nmで測定したラマン分光分析のRBM(ラジアルブリージングモード)にて測定している。ここでは150cm−1、165cm−1で表されるピークが単層カーボンナノチューブの直径を、136cm−1で表されるピークが2層カーボンナノチューブの内径を、214cm−1で表されるピークが2層カーボンナノチューブの外径を表していると記載されている。これは生成した単層カーボンナノチューブと2層カーボンナノチューブの混合組成物を400℃で焼成することで単層カーボンナノチューブが消失することを根拠としている。特許文献1はさらに2層カーボンナノチューブの直径のばらつきがないことを特徴として記載している。
しかしながらこれら単層カーボンナノチューブと2層カーボンナノチューブの混合組成物は直径の分布が狭いことから逆に分散化が非常に困難であり、種々の用途への展開が限られているのが現状であった。特にすぐれた光透過率と表面抵抗を有するカーボンナノチューブを用いた透明導電性フィルム、成型品、膜等への用途については困難であった。
特開2004−168647号公報 "ニューサイエンティスト(New Scientist)", 1996年7月6日, p.28-31, 「ナノチューブによって(Through the Nanotube)」, Philip Ball
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物であり、この混合組成物を用いた分散性が良好で、すぐれた光透過率と表面抵抗を有するカーボンナノチューブを用いた透明導電性フィルム、成型品、膜等およびフィールドエミッション材料を得ることを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の直径および比較的広い直径分布を有する単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を見出し、さらにこの混合組成物を用いることで分散性の良好なカーボンナノチューブ分散液が得られることを見出し、このカーボンナノチューブ分散液を用いることで、非常に簡便に高導電性で透過性にすぐれた透明導電性フィルムが得られること、および電子放出特性の良好なエミッション材料を見出し、本発明に到ったものである。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
<1>以下の特徴を有する単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
(1)透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、50本以上が単層カーボンナノチューブおよび2層カーボンナノチューブであること
(2)波長532nmのラマン分光分析で140±10cm−1、160±10cm−1、180±10cm−1、210±10cm−1、270±10cm−1、320±10cm−1にピークが観測されること
(3)波長633nmのラマン分光分析で190±10cm−1、220±10cm−1にピークが観測されること
<2>粉末X線回折分析を行った時に24°±2°に2θピークが存在し、そのピークの半値幅が5.5°から6.5°であることを特徴とする<1>記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
<3>焼成処理することにより以下に定義されるラマン分光分析でのピークが消失することを特徴とする<1>または<2>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
(1)波長532nmのラマン分光分析で210±10cm−1のピーク
(2)波長633nmのラマン分光分析で190±10cm−1のピーク
<4><1>から<3>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
<5>界面活性剤、導電性高分子から選択される一種以上を含有することを特徴とする<4>記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
<6>カーボンナノチューブの濃度が0.01重量%から20重量%であることを特徴とする<1>から<5>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
<7><1>から<6>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液を基材に塗布することにより導電層を形成してなる導電性フィルム。
<8>以下の特徴を有する<7>記載の導電性フィルム。
(1)表面抵抗が10Ω/sq.未満
(2)550nmの波長の光透過率が以下の条件を満たす
導電性フィルムの透過率/透明基材の光透過率>0.85
<9>マグネシアに金属を担持した粉末状の触媒を、縦型流動床型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内に炭素含有化合物を鉛直方向に流通させ、該炭素含有化合物と前記触媒を500〜1200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造することを特徴とする<1>から<8>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の製造方法。
<10><1>から<3>のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を用いたフィールドエミッション材料。
本発明によれば、分散性の良好なカーボンナノチューブの混合組成物、分散液およびこれを塗布することを特徴とする高導電性で透過性にすぐれた透明導電性フィルムおよび電子放出特性の優れたエミッション材料となる単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物が得られる。
本発明は以下の特徴を有する以下の特徴を有する単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物である。
(1)透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、50本以上が単層カーボンナノチューブおよび2層カーボンナノチューブであること
(2)波長532nmのラマン分光分析で140±10cm−1、160±10cm−1、180±10cm−1、210±10cm−1、270±10cm−1、320±10cm−1にピークが観測されること
(3)波長633nmのラマン分光分析で190±10cm−1、220±10cm−1にピークが観測されること。
カーボンナノチューブはグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブというが、本発明のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物である。また単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を用いた分散液、透明導電性フィルムおよびフィールドエミッション材料を含むものである。通常カーボンナノチューブの層数が少ない方が導電性、光透過率に優れており、それを用いてフィルム状物を形成する場合に効率的に導電ネットワークを形成できる利点がある。また同様にカーボンナノチューブの層数が少ない方が電子放出特性に優れており、エミッション材料とした場合に低電圧で電子放出が可能となる。
一般にカーボンナノチューブの品質、直径は、ラマン分光分析法により評価が可能である。ラマン分光分析法で使用するレーザー波長は種々あるが、ここでは532nmおよび633nmを利用する。ラマンスペクトルにおいて1590cm-1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm-1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いカーボンナノチューブほど、グラファイト化度が高く、高品質である。またラマンスペクトルの150〜350cm−1はRBM(ラジアルブリージングモード)と呼ばれ、この領域に観測されるピークはカーボンナノチューブの直径と次のような相関があり、カーボンナノチューブの直径を見積もることが可能である。カーボンナノチューブの直径をd(nm)、ラマンシフトをυ(cm−1)とすると、d=248/υが成り立つ。これから勘案すると波長532nmのラマン分光分析で140cm−1、160cm−1、180cm−1、210cm−1、270cm−1、320cm−1にピークが観測されることは、つまり1.77nm、1.55nm、1.38nm、1.18nm、0.92nm、0.78nmの直径を有するカーボンナノチューブの存在を示している。同様に波長633nmのラマン分光分析で190cm−1、220cm−1にピークが観測されることは、つまり1.31nm、1.13nmの直径を有するカーボンナノチューブの存在を示している。ここで1.31nm、1.18nmは単層カーボンナノチューブの直径を表していると推定される。これは本発明で規定される単層カーボンナノチューブと2層カーボンナノチューブ混合組成物を焼成処理した時に1.31nm、1.18nmを示すラマンピークが消失することから推定が可能である。通常単層カーボンナノチューブは2層カーボンナノチューブと比較すると焼成処理を行った時に優先的に焼成除去され、結果として2層カーボンナノチューブが残存するからである。そして、一般に2層カーボンナノチューブのグラファイトの層間距離は、0.34nm程度であり、2層カーボンナノチューブの内層と外層の直径差はおよそ0.68nmであると推定されることから、上記残存したピークを有するカーボンナノチューブは、1.77nm、1.55nm、1.38nmという外径を有する2層カーボンナノチューブであって、その内側の層の径(すなわち内径)がそれぞれ1.13nm、0.92nm、0.78nmであると推定される。
また測定条件によってラマン分光分析の波数は変動することがあるため、ここで規定する波数は波数±10cm−1で規定するものとする。またこのことにより算出されるカーボンナノチューブの直径も若干変化する。
ラマン分光分析にてこのような直径を有する単層カーボンナノチューブ、2層カーボン
ナノチューブ混合組成物はこれまでに知られていなかった。
また、本発明の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物は、上記のとおり単層、2層を含むものであるが、その他の層数のカーボンナノチューブも含み得る。その他の層数のカーボンナノチューブとしては、比較的層数の少ないカーボンナノチューブであることが好ましい。特に単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物について粉末X線回折分析を行った時に24°±2°に2θピークが存在し、そのピークの半値幅が5.5°から6.5°であるものが好ましい。すなわち、カーボンナノチューブ混合組成物の層構成を下記方法で粉末X線回折分析(XRD)することにより解析することができる。すなわち、カーボンナノチューブ混合組成物を所定のサンプルホルダーに表面が平らになるように詰め、XRD測定装置にセットし、1.5°から80°までX線源の照射角度を変化させ測定する。X線源としては例えばCuKα線が用いられる。ステップ幅は0.010°、計測時間は1.0秒である。その時にピークが現れる2θを読みとることでカーボンナノチューブ組成物の評価が可能である。グラファイトでは通常2θが26°付近にピークが検出され、これが層間回折によるピークであることが知られている。多層カーボンナノチューブもグラファイト構造を有するため、この付近にグラファイト層間回折によるピークが検出される。ただしカーボンナノチューブはグラファイトが円筒構造であるために、その値はグラファイトとは異なってくる。その値2θが24°±2°の位置にピークが出現することで単層ではなく、多層構造を有している組成物を含んでいることが判断できる。この位置に出現するピークは多層構造の層間回折によるピークであるため、カーボンナノチューブの層数を判断することが可能となる。単層カーボンナノチューブは層数が1枚しかないので、単層カーボンナノチューブのみでは24°±2°の位置にピークが出現しない。しかしながら、単層カーボンナノチューブであっても、100%単層カーボンナノチューブということはなく、多層カーボンナノチューブ等が混入している場合は、2θが24°±2°の位置にピークが出現する場合がある。
本発明のカーボンナノチューブ集合体は2θが24°±2°の位置にピークが出現する程度に多層カーボンナノチューブを含むものである。またXRD測定にて検出される24°±2°のピークの半値幅からも層構成を解析することができる。すなわち、このピークの半値幅が小さいほどカーボンナノチューブの層数が多いと考えられる。逆にこのピークの半値幅が大きいほど、カーボンナノチューブの層数が少ないと考えられる。本発明においては単層、2層以外に含まれる多層カーボンナノチューブも層数が少ない方が好ましい。具体的には2θが24°±2°の位置にピークが存在すると共にそのピークの半値幅が5.5°から6.5°と比較的大きいことが好ましい。つまり、層数の多い多層カーボンナノチューブをほとんど含んでおらず、全体的にカーボンナノチューブの層数が少ない、特に2層を多く含んでいる組成物であることを示唆している。
透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、50本以上が単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブであることとは、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブである視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて層数を評価し、50本以上が単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブであることを言う。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、カーボンナノチューブ1本とは視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
100本中50本以上が単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブである場合、その組成物中の主生成物が単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブであるといって構わない。
以上の様な単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物は分散性が良好であることがわかった。
分散性が良好である理由は、一つには単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブの混合組成物であるためであると推定される。単層カーボンナノチューブのみ、もしくは2層カーボンナノチューブのみではカーボンナノチューブ間に働く相互作用が強固になり、強固にバンドルを形成、保持するものと推定される。これと比較して本発明は単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物であるため、バンドル形成、保持能が比較的弱いと推定される。さらに分散性が良好である理由の一つに直径分布にある程度の幅があるためであると考えられる。直径が均一にそろえば、上述でも述べたが、カーボンナノチューブ間に働く相互作用も強くなり、強固にバンドルを形成、保持するものと推定される。これに対し、本発明ではラマン分光分析で示すように、ある程度の直径分布を有するために、バンドルを形成、保持する相互作用が比較的弱いことが推定される。そのためにバンドルが解れやすく、分散性が良好であると考えられる。
上記カーボンナノチューブは分散媒に分散させて分散液とするが、この分散液には界面活性剤、各種高分子材料等の添加剤を含有させることができる。
上記界面活性剤やある種の高分子材料は、カーボンナノチューブの分散能や分散安定化能等を向上させるのに役立つ。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤のものと非イオン性界面活性剤のものに分けられるが、本発明ではいずれの界面活性剤を用いることも可能である。イオン性界面活性剤としては、例えば以下のような界面活性剤があげられる。かかる界面活性剤は単独でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
イオン性界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤にわけられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などがあげられる。両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤がある。陰イオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤であり、中でも、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、芳香環を含むもの、すなわち芳香族系イオン性界面活性剤が好ましく、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族系イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば以下のような界面活性剤をあげられる。かかる界面活性剤は単独でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリプロピレングリコールなどのエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルジブチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキルクミルフェニルエーテル等の芳香族系非イオン性界面活性剤があげられる。中でも、分散能、分散安定能、高濃度化に優れることから、芳香族系非イオン性界面活性剤が好ましく、中でもポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
界面活性剤以外にも各種高分子材料もカーボンナノチューブの他に添加ができる剤として用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(Na−CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アミロース、シクロアミロース、キトサン等の糖類ポリマー等がある。またポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーおよびそれらの誘導体も使用できる。なかでも、導電性ポリマーおよびそれらの誘導体を使用することによりカーボンナノチューブの導電特性を効率的に発揮することができ好ましい。
カーボンナノチューブの分散媒は特に限定されない。水系溶媒でも良いし非水系溶媒でも良い。非水系溶媒としては、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素含有炭化水素類(メチレンクロリド、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等)、エーテルアルコール(エトキシエタノール、メトキシエトキシエタノール等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、ケトン類(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、フェノール等)、低級カルボン酸(酢酸等)、アミン類(トリエチルアミン、トリメタノールアミン等)、窒素含有極性溶媒(N、N−ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、N−メチルピロリドン等)、硫黄化合物類(ジメチルスルホキシド等)などを用いることができる。
これらのなかでも分散媒としては、水、アルコール、トルエン、アセトン、エーテルおよびそれらを組み合わせた溶媒を含有する分散媒であることが好ましい。水系溶媒が必要である場合、および後述するようにバインダーを用いる場合であって、そのバインダーが無機ポリマー系バインダーの場合には、水、アルコール類、アミン類などの極性溶媒が使用される。また、後述するようにバインダーとして常温で液状のものを用いる場合には、それを分散媒として用いることもできる。
上記分散液における各成分の配合割合は、以下のとおりである。
すなわち、カーボンナノチューブを含有する分散液は、液中、カーボンナノチューブを0.01重量%以上含有していることが好ましく、0.1重量%以上含有していることがより好ましい。上限としては、通常20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下の濃度で含有していることである。
界面活性剤およびその他の添加剤の少なくとも1種の含有量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜50重量%、より好ましくは、0.2〜30重量%である。上記添加剤の少なくとも1種とカーボンナノチューブの混合比は(添加剤/カーボンナノチューブ)としては、特に限定はないが、重量比で好ましくは0.1〜20、より好ましくは0.3〜10である。本発明の液は、カーボンナノチューブ、界面活性剤等の添加剤、分散媒以外の物質が含まれていてもかまわない。
また本発明のカーボンナノチューブを含む分散液は、所望のカーボンナノチューブ含量よりも高濃度の分散液を作製し、溶媒で薄めて所望の濃度として使用することも可能である。溶媒としてはいかなる溶媒であってもよいが、使用目的に応じて選択される。導電性がさほど必要で無い用途は、カーボンナノチューブ濃度を薄めて使うこともあるし、最初から薄い状態で作成しても良い。
本発明の分散液やそれにバインダーなどを添加した液は、透明基材だけでなく、あらゆる被塗布部材、例えば着色基材および繊維に塗布を施すための透明被覆液としても使える。その際の被塗布部材、例えば、クリーンルームなどの床材や壁材にコーティングすれば帯電防止床壁材として使用できるし、繊維に塗布すれば帯電防止衣服やマット、カーテンなどとして使用できる。
本発明で用いる分散液の製造方法には特に制限はない。
例えば上記カーボンナノチューブと添加剤、溶媒を塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合し、分散液を製造することができる。
本発明において、上記液は、塗布前に遠心分離、フィルター濾過によってサイズ分画することが好ましい。例えば、分散液を遠心分離することによって、未分散のカーボンナノチューブや、過剰量の添加剤、カーボンナノチューブ合成時に混入する可能性のある金属触媒などは沈殿するので、遠心上清を回収すれば液中に分散しているカーボンナノチューブを液の形で採取することができる。未分散のカーボンナノチューブおよび、不純物などは沈殿物として除去することができ、それによって、カーボンナノチューブの再凝集を防止でき、分散液の安定性を向上することができる。さらに、強力な遠心力においては、カーボンナノチューブの太さや長さによって分離することができ、フィルムの光透過率を向上させることができる。
遠心分離する際の遠心力は、100G以上の遠心力であればよく、好ましくは、1000G以上、より好ましくは10,000G以上である。上限としては特に制限はないが、汎用超遠心機の性能より200,000G以下であることが好ましい。
また、フィルター濾過に用いるフィルターは、0.05μmから0.2μmの間で適宜選択することができる。それにより、未分散のカーボンナノチューブや、カーボンナノチューブ合成時に混入する可能性のある不純物等のうち比較的サイズの大きいものを除去することができる。
このようにサイズ分画する場合においては、この分画される量を見越して、サイズ分画後の組成が上記範囲となるように調製する。サイズ分画前の配合割合の決定は、遠心分離後の沈殿物やフィルター上に残った分画物を乾燥させた後、400℃で1時間焼成した後秤量し、濃度を算出する方法により行われる。このようなサイズ分画の結果、カーボンナノチューブの長さや、層数、その他性状等バンドル構造の有無などでカーボンナノチューブを分離することができる。
本発明で用いるカーボンナノチューブは例えば以下のように製造される。
マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内に炭素含有化合物を鉛直方向に流通させ、該炭素含有化合物と前記触媒を500〜1200℃で接触させる。
本発明においては、鉄を担持する担体はマグネシアが好ましい。触媒である鉄を、担体であるマグネシアに担持させることにより、鉄の粒径をコントロールしやすく、また高密度で鉄が存在しても高温下でシンタリングが起こりにくい。そのため、高品質なカーボンチューブを効率よく多量に合成することができる。さらに、マグネシアは酸性水溶液に溶けるので、酸性水溶液で処理するだけでマグネシアおよび鉄の両者を取り除くこともできるため、精製工程を簡便化することができる。
マグネシアは、市販品を使用しても良いし、合成したものを使用しても良い。マグネシアの好ましい製法としては、金属マグネシウムを空気中で加熱する、水酸化マグネシウムを850℃以上に加熱する、炭酸水酸化マグネシウム3MgCO・Mg(OH)・3HOを950℃以上に加熱する等の方法がある。
マグネシアの中でも軽質マグネシアが好ましい。軽質マグネシアとはかさ密度が小さいマグネシアであり、具体的には0.20g/mL以下であることが好ましく、0.05〜0.16g/mLであることが触媒の流動性の点から好ましい。かさ密度とは単位かさ体積あたりの粉体質量のことである。以下にかさ密度の測定方法を示す。粉体のかさ密度は、測定時の温度、湿度に影響されることがある。ここで言うかさ密度は、温度20±10℃、湿度60±10%で測定したときの値である。50mLメスシリンダーを測定容器として用い、メスシリンダーの底を軽く叩きながら、予め定めた容積を占めるように粉末を加える。かさ密度の測定に際しては10mL以上の粉末を加えることが好ましい。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返した後、目視にて粉末が占める容積値の変化率が±0.2mL以内であることを確認し、詰める操作を終了する。もし容積値に目視にて±0.2mL以上の変化があれば、メスシリンダーの底を軽く叩きながら粉末を追加し、再度メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返し、目視にて粉末が占める容積値に±0.2mL以上の変化がないことを確認して操作を終了する。上記の方法で詰めた一定量の粉末の重量を求めることを3回繰り返し、その平均重量を粉末が占める容積で割った値(=重量(g)/体積(mL))を粉末のかさ密度とする。測定に供するマグネシアは、20g±5gとする。
触媒に担持する鉄は、0価の状態とは限らない。反応中は0価の金属状態になっていると推定できるが、広く鉄を含む化合物または鉄種でよい。例えば、ギ酸鉄、酢酸鉄、トリフルオロ酢酸鉄、クエン酸アンモニウム鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、ハロゲン化物鉄などの有機塩または無機塩、エチレンジアミン4酢酸錯体やアセチルアセトナート錯体のような錯塩などが用いられる。また鉄は微粒子であることが好ましい。微粒子の粒径は0.5〜10nmであることが好ましい。鉄が微粒子であると外径の細いカーボンナノチューブが生成しやすい。
マグネシアに鉄を担持させる方法は、特に限定されない。例えば、担持したい鉄の塩を溶解させた非水溶液(例えばエタノール溶液)中または水溶液中に、マグネシアを含浸し、攪拌や超音波照射などにより充分に分散混合した後、乾燥させる(含浸法)。さらに空気、酸素、窒素、水素、不活性ガスおよびそれらの混合ガスから選ばれたガス中または真空中で高温(300〜1000℃)で加熱することにより、マグネシアに鉄を担持させてもよい。
鉄担持量は、多いほどカーボンナノチューブの収量が上がるが、多すぎると鉄の粒子径が大きくなり、生成するカーボンナノチューブが太くなる。鉄担持量が少ないと、担持される鉄の粒子径が小さくなり、外径の細いカーボンナノチューブが得られるが、収率が低くなる傾向がある。最適な鉄担持量は、マグネシアの細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、マグネシアに対して0.1〜20重量%の鉄を担持することが好ましい。
本発明において、縦型反応器とは、鉛直方向(以下「縦方向」称する場合もある)に設置された反応器を有し、該反応器の一方の端部から他方の端部に向けた方向に炭素含有化合物が流通し、該炭素含有化合物が、カーボンナノチューブ製造用触媒で形成される触媒層を通過する態様で流通し得る機構を備えたものである。反応器は、例えば管形状を有する反応器を好ましく用いることができる。なお、上記において、鉛直方向とは、鉛直方向に対して若干傾斜角度を有する方向をも含む(例えば水平面に対し90°±15°、好ましくは90°±10°)。なお、好ましいのは鉛直方向である。なお、炭素含有化合物の供給部および排出部は、必ずしも反応器の端部である必要はなく、炭素含有化合物が前記方向に流通し、その流通過程で触媒層を通過すればよい。
本発明においては、触媒は、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させた状態にある。このようにすることにより、金属をマグネシアに担持した触媒と炭素含有化合物を有効に接触させることができる。横型反応器の場合、このような状態にするには、重力がかかる関係上、触媒を左右から挟み込む必要がある。しかし、カーボンナノチューブの生成反応の場合、反応するに従って触媒上にカーボンナノチューブが生成して、触媒の体積が増加するので、左右から触媒を挟みこむ方法は好ましくない。本発明では反応器を縦型にし、反応器内にガスが透過できる台を設置して、その上に触媒を置くことによって、触媒を両側から挟みこむことなく、反応器の断面方向に均一に触媒を存在させることができる。本発明において、触媒を縦型反応器の水平断面方向全面に存在させた状態とは、水平断面方向に全体に触媒が広がっていて触媒底部の台が見えない状態を言う。このような状態の好ましい実施態様としては、例えば、次のような態様がある。
A.反応器内にガスが透過できる触媒を置く台(セラミックスフィルターなど)を置き、そこに所定の厚みで触媒を充填する。この触媒層の上下が多少凸凹してもかまわない(図1(a))。図1(a)は、反応器1の中に触媒を置く台2が設置され、その上に触媒3が反応器の水平断面方向全体に存在している状態を示す概念図である。
B.Aと同様の触媒を置く台上に、触媒以外の物体(充填材)と触媒を混ぜて充填する。この触媒層は均一であることが好ましいが、上下が多少凸凹してもかまわない(図1(b))。図1(b)は反応器1の中に触媒を置く台2が設置され、その上に触媒以外の物体と触媒の混合物4が反応器の断面方向全体に存在している状態を示す概念図である。
C.反応器上部から触媒を噴霧などで落とし、触媒粉末がガスを介して反応器水平断面方向に均一に存在している状態(図1(c))。図1(c)は反応器1上部から噴霧した触媒5が反応器水平断面方向全体に広がった触媒状態を示す概念図である。
縦型反応器は図1(a)〜(c)に示すような流動床型反応器を用いる。流動床型は、固定床型と比較すると触媒を連続的に供給し、反応後の触媒とカーボンナノチューブを含む組成物を連続的に取り出すことにより、連続的な合成が可能であり、カーボンナノチューブを効率よく得ることができ好ましい。また本発明では触媒の担体としてマグネシアを用いるが、マグネシアはその粒子特性(比重、かさ密度、表面電荷等)から、非常に流動性が良く、特に流動床型反応器でカーボンナノチューブを合成することに適している。マグネシア担体を触媒とした場合、流動床型でカーボンナノチューブを合成すると、流動化状態が良好なことから長いカーボンナノチューブが生成しやすい。ここで定義する長いカーボンナノチューブとは平均の長さが1μm以上のカーボンナノチューブのことである。流動床型反応において流動性が良好なことから原料の炭素含有化合物と触媒が均一に効率よく接触するためにカーボンナノチューブ合成反応が均一に行われ、アモルファスカーボンなどの不純物による触媒被覆が抑制され、触媒活性が長く続くために、このような単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物、および長いカーボンナノチューブが得られると考えられる。
縦型反応器とは対照的に、横型反応器は横方向(水平方向)に設置された反応器内に、石英板上に置かれた触媒が設置され、該触媒上を炭素含有化合物が通過して接触、反応する態様の反応装置を指す。この場合、触媒表面ではカーボンナノチューブが生成するが、触媒内部には炭素含有化合物が到達しないためにほとんど反応しない。これに対して、縦型反応器では触媒全体に原料の炭素含有化合物が接触することが可能となるため、効率的に、多量のカーボンナノチューブを合成することが可能である。
このようにして得られた、鉄を担持したマグネシアを縦型反応器に充填する。
反応器は耐熱性であることが好ましく、石英製、アルミナ製等の耐熱材質からなることが好ましい。
反応器内に設置された触媒層の下部、もしくは上部から炭素含有化合物を通過させて、触媒と接触させ、反応させることによりカーボンナノチューブを生成する。
触媒と炭素含有化合物とを接触させる温度は、500〜1200℃である。温度は、600〜950℃がより好ましく、さらに好ましくは700℃〜900℃の範囲である。温度が600℃よりも低いと、カーボンナノチューブの収率が悪くなる。また温度が950℃よりも高いと、使用する反応器の材質に制約があると共に、カーボンナノチューブ同士の接合が始まり、カーボンナノチューブの形状のコントロールが困難になる。炭素含有化合物を接触させながら反応器を反応温度にしてもよいし、熱による前処理終了後、反応器を反応温度にしてから、炭素含有化合物の供給を開始しても良い。
カーボンナノチューブを生成させる反応の前に、触媒に熱による前処理を行ってもよい。熱による前処理の時間は、特に限定しないが、長すぎるとマグネシア上で金属の凝集が起こり、それに伴い外径の太いカーボンナノチューブが生成することがあるので、120分以内が好ましい。前処理の温度は、触媒活性が発揮されれば反応温度以下でも構わないし、反応温度と同じでも、反応温度以上でも構わない。熱による前処理を行うことにより、触媒をより活性な状態にすることもある。
熱による前処理、およびカーボンナノチューブを生成させる反応は、減圧もしくは大気圧で行うことが好ましい。
触媒と炭素含有化合物の接触を減圧で行う場合は、真空ポンプなどで反応系を減圧にすることができる。また大気圧で前処理や反応を行う場合は、炭素含有化合物と希釈ガスを混合した、混合ガスとして触媒と接触させてもよい。
希釈ガスとしては、特に限定されないが、酸素ガス以外のものが好ましく使用される。酸素は爆発の可能性があるので通常使用しないが、爆発範囲外であれば使用しても構わない。希釈ガスとしては、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム等が好ましく使用される。これらのガスは、炭素含有化合物の線速や濃度のコントロールおよびキャリヤガスとして効果がある。水素は、触媒金属の活性化に効果があるので好ましい。アルゴンの如き分子量が大きいガスはアニーリング効果が大きく、アニーリングを目的とする場合には好ましい。特に窒素およびアルゴンが好ましい。
本発明において、使用する炭素含有化合物は、特に限定されないが、好ましくは炭化水素または酸素含有炭素化合物を使うとよい。炭化水素は芳香族であっても、非芳香族であってもよい。芳香族の炭化水素では、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンまたはこれらの混合物などを使用することができる。また、非芳香族の炭化水素では、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレンもしくはアセチレン、またはこれらの混合物等を使用することができる。酸素含有炭素化合物としては、例えばメタノール若しくはエタノール、プロパノール、ブタノールのごときアルコール類、アセトンのごときケトン類、およびホルムアルデヒドもしくはアセトアルデヒドのごときアルデヒド類、トリオキサン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルのごときエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、一酸化炭素またはこれらの混合物であってもよい。これらの中でも、特にメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパンおよびプロピレンが最も好ましい炭素含有化合物である。これらは常温、常圧中で気体であるため、ガスとして供給量を規定して反応に供しやすい。他の炭素含有化合物は常圧で反応を行う場合、気化などの工程を追加する必要がある。
以上のように生成した単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の単層カーボンナノチューブを測定する尺度として、焼成処理が挙げられる。
単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を焼成処理すると優先的に単層カーボンナノチューブが焼成され、除去される。
カーボンナノチューブの焼成処理とは、大気下でカーボンナノチューブ組成物を、その燃焼ピーク温度±20℃で焼成処理をすることである。
カーボンナノチューブ組成物の燃焼ピーク温度は熱分析することで測定が可能である。大気下、熱分析するとは、約10mgの試料を示差熱分析装置(例えば島津製作所製 TGA-60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温する。その時、試料の燃焼時の発熱ピークを求めることが可能である。求めた燃焼ピーク温度±20℃で焼成処理することにより、製造したカーボンナノチューブ組成物中の単層カーボンナノチューブを優先的に焼成、除去することが可能である。このとき燃焼ピークよりあまりにも低い温度で焼成処理を行っても、単層カーボンナノチューブは焼成されない。また燃焼ピーク温度よりあまりにも高い温度で焼成処理を行うと、今度は生成カーボンナノチューブ全てが焼成されて消失してしまう。よってカーボンナノチューブ組成物の燃焼ピーク温度付近で焼成するのが好ましい。焼成装置の大きさにより処理量は変わってくるが、通常10gで行う。それに満たない少量の場合は、可能な量で行う。焼成処理時間は特に限定されない。通常は約1時間で行う。
この焼成処理による確認はカーボンナノチューブ合成直後に行っても良いし、別の精製処理後に行っても良い。例えば触媒として鉄/マグネシアを用いる場合、焼成処理後、塩酸等の酸により、さらに触媒除去のための精製処理を行っても良いし、先に塩酸等の酸により触媒除去のための精製処理を行った後に焼成処理してもよい。
このような単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物分散液を調製後、基材上に塗布することで導電性フィルムを形成する。
カーボンナノチューブの分散液を塗布する方法は特に限定されない。公知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、またはロールコーティングなどが利用できる。また塗布は、何回行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせても良い。最も好ましい塗布方法は、ロールコーティングである。
このようにしてカーボンナノチューブの分散液を塗布した導電性フィルムは、液を基材に塗布した後、風乾、加熱、減圧などの方法により不要な分散媒を除去することができる。それによりカーボンナノチューブは、3次元編目構造を形成し基材に固定化される。その後、液中の成分である分散剤を適当な溶媒を用いて除去する。この操作により、電荷の分散が容易になり透明導電性フィルムの導電性が向上する。
上記分散剤を除去するための溶媒としては分散剤を溶解するものであれば特に制限はなく、水性溶媒でも非水性溶媒でもよい。具体的には水性溶媒であれば、水やアルコール類が挙げられ、非水性溶媒であれば、クロロホルム、アセトニトリルなどがあげられる。
本発明においては上記のように液を塗布してカーボンナノチューブを含む透明導電性フィルムを形成後、このフィルムを有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料でオーバーコーティングすることも好ましい。オーバーコーティングすることにより、さらなる電荷の分散や、移動に効果的である。
また、本発明の透明導電性フィルムは、液中に有機または無機透明被膜を形成しうるバインダー材料を含有させ、適当な基材に塗布後、必要により加熱して塗膜の乾燥ないし焼付(硬化)を行っても得ることができる。その際の加熱条件は、バインダー種に応じて適当に設定する。バインダーが光または放射線硬化性の場合には、加熱硬化ではなく、塗布後直ちに塗膜に光または放射線を照射することにより塗膜を硬化させる。放射線としては電子線、紫外線、X線、ガンマー線等のイオン化性放射線が使用でき、照射線量はバインダー種に応じて決定する。
上記バインダー材料としては、導電性塗料に使用されるものであれば特に制限はなく、各種の有機および無機バインダー、すなわち透明な有機ポリマーまたはその前駆体(以下「有機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)または無機ポリマーまたはその前駆体(以下「無機ポリマー系バインダー」と称する場合もある)が使用できる。有機ポリマー系バインダーは熱可塑性、熱硬化性、あるいは紫外線、電子線などの放射線硬化性のいずれであってもよい。適当な有機バインダーの例としては、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン6、10等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、シリコン系ポリマー、ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、ポリケトン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリマー、蛋白質類(ゼラチン、カゼイン等)、キチン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチドなど有機ポリマー、ならびこれらのポリマーの前駆体(モノマー、オリゴマー)がある。これらは単に溶剤の蒸発により、あるいは熱硬化または光もしくは放射線照射による硬化により有機ポリマー系透明被膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。
有機ポリマー系バインダーとして好ましいのは、放射線もしくは光によりラジカル重合硬化可能な不飽和結合を有する化合物であり、これはビニル基ないしビニリデン基を有するモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーである。この種のモノマーとしてはスチレン誘導体(スチレン、メチルスチレン等)、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体(アルキルアクリートもしくはメタクリレート、アリルアクリレートもしくはメタクリレート等)、酢酸ビニル、アクリロニトリル、イタコン酸等がある。オリゴマーあるいはポリマーは、主鎖に二重結合を有する化合物または直鎖の両末端にアクリロイルもしくはメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。この種のラジカル重合硬化性バインダーは、高硬度で耐擦過性に優れ、透明度の高い導電フィルム膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。
無機ポリマー系バインダーの例としては、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物のゾル、あるいは無機ポリマーの前駆体となる加水分解または熱分解性の有機リン化合物および有機ボロン化合物、ならびに有機シラン化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機鉛化合物、有機アルカリ土類金属化合物などの有機金属化合物がある。加水分解性または熱分解性の有機金属化合物の具体的例は、アルコキシドまたはその部分加水分解物、酢酸塩などの低級カルボン酸塩、アセチルアセトンなどの金属錯体である。
これらの1種もしくは2種以上の無機ポリマー系バインダーを焼成すると、酸化物または複合酸化物からなるガラス質の無機ポリマー系透明被膜(もしくはマトリックス(液中に配合する場合))を形成することができる。無機ポリマー系マトリックスは、一般にガラス質であり、高硬度で耐擦過性に優れ、透明性も高い。
バインダーの使用量は、オーバーコートをするのに十分な量、液中に配合する場合には塗布に適した粘性を得るのに十分な量であればよい。少なすぎると塗布がうまくいかず、多すぎても導電性を阻害し良くない。
本発明で用いる液に用いる分散媒としては、一般に前述したような溶媒を使用するが、光または放射線硬化性の有機ポリマー系バインダーの場合には、常温で液状のバインダーを選択することにより、溶剤を存在させずに100%反応系のバインダー、あるいはこれを非反応性液状樹脂成分で希釈した無溶剤の組成物とすることができる。それにより、被膜の硬化乾燥時に溶媒の蒸発が起こらず、硬化時間が大幅に短縮され、かつ溶媒回収操作が不要となる。
本発明の透明導電性フィルム形成用液は上記のカーボンナノチューブと界面活性剤等の分散剤、溶媒、バインダーの他にカップリング剤、架橋剤、安定化剤、沈降防止剤、着色剤、電荷調製剤、滑剤等の添加剤を配合することができ、それらの種類、量について特に制限はない。
また、本発明の透明導電性フィルム形成用液には、別の導電性材料、無機材料、あるいはこれらの材料の組合せをさらに含むことができる。導電性有機材料としては、バッキーボール、カーボンブラック、フラーレン、多種カーボンナノチューブ、ならびにそれらを含む粒子を好ましく挙げることができる。
無機材料としては、アルミニウム、アンチモン、ベリリウム、カドミウム、クロム、コバルト、銅、ドープ金属酸化物、鉄、金、鉛、マンガン、マグネシウム、水銀、金属酸化物、ニッケル、白金、銀、鋼、チタン、亜鉛、ならびにそれらを含む粒子があげられる。好ましくは、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、およびそれらの混合物があげられる。これらの導電性材料を含有させて得たフィルム、あるいはオーバーコーティングして得たフィルムは電荷の分散、または移動に非常に有利である。また、これらカーボンナノチューブ以外の導電性材料を含む層とカーボンナノチューブを含む層を積層させてもよい。
本発明の透明導電性フィルムは、基材と接着させたまま使用することもできるし、基材から剥離させ自立フィルムとして用いることもできる。自立フィルムを作製するには、透明導電性フィルム上にさらに有機ポリマー系バインダーを塗布した後、基材を剥離すればよい。また、作製時の基材を熱分解により焼失あるいは溶融させ、別の基材に透明導電性フィルムを転写して用いることもできる。その際は、作製時の基材の熱分解温度<転写基材の熱分解温度であることが好ましい。
本発明の透明導電性フィルムの厚さは、中程度の厚さから非常に薄い厚さまで種々の範囲をとることができる。例えば、本発明のフィルムは約0.5nm〜約1000μmの間の厚さとしうる。好ましい実施形態ではフィルムの厚さは約0.005〜約1000μmとなりうる。別の好ましい実施形態ではフィルムの厚さは約0.05〜約500μmである。また、別の好ましい実施形態ではフィルムの厚さは約1.0〜約200μmである。さらに別の好ましい実施形態ではフィルムの厚さは約1.0〜約50μmである。
本発明の導電性フィルムは、優れた透明性を示す。導電性フィルムは基材も含め光透過率を測定するため、以下の指標を光透過率として使用する。例えば、本発明のフィルムは、550nmの光源を用いて測定したときに、透明導電性フィルムの光透過率/透明基材の光透過率が少なくとも約0.6である。好ましい実施形態では、約0.8以上である。別の好ましい実施形態では、0.85以上である。
導電性フィルムの導電性はフィルムの表面抵抗値を測定して評価する。表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用い、例えばロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)にて測定することが可能である。高抵抗測定の際は、ハイレスターUP MCP-HT450(ダイアインスツルメンツ製、10V、10秒)を用いて測定することが可能である。本発明の透明導電性フィルムの表面抵抗値は10Ω/sq.未満である。EMI/RFI(電磁干渉)シールド、低視認性、ポリマーエレクトロニクス(例えば、OLEDディスプレイの透明導電層、ELランプ、プラスチックチップ)など透明導電性コーティングの種々の用途に有用である。導電性を必要とする種々の用途を達成するために、本発明のフィルムの表面抵抗は導電層の膜厚を制御することにより、容易に調整可能である。例えば膜厚を厚くすることにより表面抵抗は低くなり、膜厚を薄くすることにより高くなる傾向にある。例えば、EMI/RFIシールドの導電性コーティングの抵抗は10Ω/sq.未満であれば一般に許容される。さらに、透明性の低視認性コーティングは通常10Ω/sq.未満、好ましくは10Ω/sq.未満であれば一般に許容される。ポリマーエレクトロニクスおよび元々導電性を持つポリマー(ICP)の場合、抵抗値は通常10Ω/sq.未満である。したがって、好ましい実施形態では、フィルムの表面抵抗は約10Ω/sq.未満の範囲内である。EMI/RFIシールドの導電性コーティングの抵抗は好ましくは約10〜10Ω/sq.範囲内である。さらに、透明性の低視認性コーティングは10Ω/sq.未満の範囲内であり、好ましくは10Ω/sq.未満の範囲内である。ポリマーエレクトロニクスおよび元々導電性を持つポリマー(ICP)の場合、好ましく抵抗値は10−2〜10Ω/□の範囲内である。
またこのような単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物はフィールドエミッション材料として有用である。例えば、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物をフィールドエミッションの電子源に用いた場合、直径が細く、電荷の集中が起こりやすいので、印加電圧を低く抑えることができる。単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブの混合組成物は複合バンドルを形成していると推定されるが、エミッションは直径が細い単層カーボンナノチューブから起こると考えられる。またそのバンドルを耐久性の高い2層カーボンナノチューブが支えるために耐久性も良好であると推定できる。このような混合組成物であるため、良好なエミッション材料となると考えられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
実施例中、各種物性評価は以下の方法で行った。
[熱分析]
約10mgの試料を示差熱分析装置(島津製作所製 TGA-60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温した。そのときの燃焼ピーク温度を読みとった。
[ラマン分光分析]
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF-300)に粉末試料を設置し、532nmもしくは633nmのレーザー波長を用いて測定を行った。
[粉末X線回折分析]
粉末X線回折装置(理学電機株式会社製 RINT2100)に粉末試料を設置し、1.5°から80°まで操作し、分析を行った。X線源はCuKα線である。ステップ幅は0.010°、計測時間は1.0秒である。(計2.2時間)
[高分解能透過型電子顕微鏡写真]
エタノール中に分散した試料をグリッド上に滴下し、乾燥した。このように試料の塗布されたグリッドを透過型電子顕微鏡(日立製作所製 H-9000UHR III)に設置し、測定を行った。
[光透過率測定]
光透過率はカーボンナノチューブ塗布フィルムを分光光度計(日立製作所U-2001)に装填し、波長550nmでの光透過率を測定した。
[表面抵抗測定]
表面抵抗値はJISK7149準処の4端子4探針法を用い、ロレスタEP MCP−T360((株)ダイアインスツルメンツ社製)を用いて行った。高抵抗測定の際は、ハイレスターUP MCP-HT450(ダイアインスツルメンツ製、10V、10秒)を用いて測定した。
<実施例1>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製)5gをメタノール(関東化学社製)250mLに溶解した。この溶液に、軽質マグネシア(和光純薬工業社製、かさ密度は0.16g/mLであった。前記方法で測定した。)を50g加え、超音波洗浄機で60分間処理し、40℃から60℃で攪拌しながら乾燥してメタノールを除去し、軽質マグネシア粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
(カーボンナノチューブの合成)
図2に示した縦型反応器でカーボンナノチューブを合成した。
反応器100は内径32mm、長さは120mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板101を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガスの供給ライン104、上部には排ガスライン105および、触媒投入ライン103を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器106を具備する。加熱器106には装置内の流動状態が確認できるよう点検口107が設けられている。
触媒12gを密閉型触媒供給機102から触媒投入ライン103を通して、石英焼結板101上に触媒をセットした。次いで、ガス供給ライン104からアルゴンガスを1000mL/分で供給開始した。反応器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、温度を850℃に加熱した(昇温時間30分)。
850℃に到達した後、温度を保持し、ガス供給ライン104のアルゴン流量を2000mL/分に上げ、石英焼結板上の固体触媒の流動化を開始させた。加熱炉点検口107から流動化を確認した後、さらにメタンを95mL/分(メタン濃度4.5vol%で反応器に供給開始した。該混合ガスを30分供給した後、アルゴンガスのみの流通に切り替え、合成を終了させた。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒とカーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
(カーボンナノチューブ含有組成物の焼成、精製処理)
カーボンナノチューブ組成物を400℃で1時間空気下焼成をした後、6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で2時間攪拌した。濾過して得られた回収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で1時間攪拌した。これを濾過し、数回水洗した後、濾過物を120℃のオーブンで一晩乾燥することでマグネシアおよび金属を除去でき、カーボンナノチューブを精製することができた。
(カーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブ含有組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3に示すように、カーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が単層および2層のカーボンナノチューブがカーボンナノチューブ総本数の70%を占めていた。
(カーボンナノチューブ含有組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、ラマン分光測定した。その結果、図4に示すように波長532nmのラマン分光分析で147cm−1、170cm−1、181cm−1、217cm−1、271cm−1、312cm−1にピークが観測され、さらに波長633nmのラマン分光分析で186cm−1、210cm−1にピークが観測された。また、そのG/D比は40(532nm)、40(633nm)と、グラファイト化度の高い、高品質単層および2層カーボンナノチューブであること
がわかった。
(カーボンナノチューブ組成物の粉末X線回折分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、粉末X線回折分析した。その結果、2θ=23.6°にピークが検出された。このピークの半値幅は6.27°であった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ10mg、PEDOT/PSS(スタルク社製)30mgを量りとり、蒸留水10mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ組成物液を調製した。調製した液には凝集体は目視では確認できず、カーボンナノチューブはよく分散していた。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心し、上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。底にたまったカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカーボンナノチューブ量は液全体に含有されるカーボンナノチューブの12重量%であった。
(カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルム)
上記で得たカーボンナノチューブ分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36)、光透過率90.7%)上にバーコーター(No.8)を用いて塗布し、風乾した後、蒸留水にてリンスし、60℃乾燥機内で乾燥させカーボンナノチューブを固定化した。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は1.8×10Ω/sq.、光透過率は88%(透明導電性フィルム88%/PETフィルム91.5%=0.96)であり、高い導電性および、透明性を示した。
<実施例2>
(分散剤の合成)
2−アミノアニソール−4−スルホン酸(2.0g)の蒸留水(20mL)の懸濁液にトリエチルアミン(1.39mL)を加え、溶液とした。その後、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(2.3g)の蒸留水(5mL)を先の溶液に約10分間かけて滴下した。一晩、室温にて攪拌を続けた後、アセトン(200mL)を加え沈殿を生成した。沈殿をフィルターでろ過し、アセトン(300mL)で洗浄した後、120℃のオーブンで一晩乾燥した結果、ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)を2.1g得た。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に実施例1で得られた触媒を除去したカーボンナノチューブ10mg、ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)30mgを量りとり、蒸留水10mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ組成物液を調製した。調製した液には凝集体は目視では確認できず、カーボンナノチューブはよく分散していた。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心し、上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。底にたまったカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカーボンナノチューブ量は液全体に含有されるカーボンナノチューブの22重量%であった。
(カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルム)
上記で得たカーボンナノチューブ分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36)、光透過率90.7%)上にバーコーター(No.8)を用いて塗布し、風乾した後、蒸留水にてリンスし、60℃乾燥機内で乾燥させカーボンナノチューブを固定化した。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は1.0×10Ω/sq.、光透過率は86%(透明導電性フィルム86%/PETフィルム91.5%=0.94)であり、高い導電性および、透明性を示した。さらにこのフィルムに上記カーボンナノチューブ分散液を再度塗布、風乾、リンス、乾燥工程を行った。その結果、得られた塗布フィルムの表面抵抗値は3.7×10Ω/sq.、光透過率は81%(透明導電性フィルム81%/PETフィルム90.7%=0.89)であり、高い導電性および、透明性を示した。
<実施例3>
カーボンナノチューブの焼成
(カーボンナノチューブ含有組成物の熱分析)
実施例1で得られた触媒付きの約10mgのカーボンナノチューブ組成物を示差熱分析装置(島津製作所製 TGA-60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速度にて室温から900℃まで昇温した。そのときの燃焼ピーク温度は510℃であった。
(カーボンナノチューブ含有組成物の焼成、精製処理)
実施例1で得られた触媒付きカーボンナノチューブ組成物を磁性皿(150φ)に取り、マッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)にて大気下、500℃まで1時間で昇温し、60分保持した後、自然放冷した。さらに、上記のカーボンナノチューブから触媒を除去するため、次のように精製処理を行った。カーボンナノチューブ含有組成物を6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で2時間攪拌した。濾過して得られた回収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で1時間攪拌した。これを濾過し、数回水洗した後、濾過物を120℃のオーブンで一晩乾燥することでマグネシアおよび金属を除去でき、カーボンナノチューブを精製することができた。
(カーボンナノチューブ含有組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブ含有組成物のラマン分光分析を行った。その結果、図5に示すように波長532nmのラマン分光分析で147cm−1、170cm−1、181cm−1、271cm−1、312cm−1にピークが観測され、さらに波長633nmのラマン分光分析で211cm−1にピークが観測された。実施例1で得られたカーボンナノチューブと比較すると217cm−1、186cm−1のピークが消失していることがわかった。これら消失したピークは単層カーボンナノチューブ由来のピークであると推定できる。
<実施例4>
(電界電子放出源の作成)
100mlビーカーに実施例1で得られた触媒を除去したカーボンナノチューブを50mgおよびアセトン100mlを入れ、超音波を30分間照射した。本分散液を、これとは別に銅板を入れたビーカーに入れ、静置してアセトンを自然蒸発させることにより、表面にカーボンナノチューブを堆積させた銅板を得た。
(電界電子放出能の評価)
得られた銅板をカソードにしアノード電極と対向させ、この2極管構造物を評価用チャンバーに導入し、電界電子放出能を評価した。その結果、本実施例で得られたカーボンナノチューブは良好な電界電子放出能を示した。
<比較例1>
(単層カーボンナノチューブのラマン分光分析)
単層カーボンナノチューブ(ナノテクポート製、純度50〜80%)をラマン分光測定した。その結果、波長532nmのラマン分光分析で172cm−1、199cm−1、207cm−1、268cm−1、284cm−1にピークが観測され、さらに波長633nmのラマン分光分析で159cm−1、177cm−1、202cm−1、227cm−1にピークが観測された。また、そのG/D比は15(532nm)、6(633nm)と、グラファイト化度の低い単層カーボンナノチューブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ組成物の粉末X線回折分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、粉末X線回折分析した。その結果、2θ=24.9°にピークが検出された。このピークの半値幅は3.78°であった。
(単層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に単層カーボンナノチューブ(ナノテクポート製、純度50〜80%、)、60mg、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)60mgを量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力240W、30分間で処理した。調製した液は底部に凝集体が確認でき分散性が悪かった。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心し、上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。底にたまったカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカーボンナノチューブ量は液全体に含有されるカーボンナノチューブの10重量%であった。
(カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルム)
上記液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36)、光透過率91.3%)上にバーコーター(No.8)を用いて塗布し、80℃乾燥機内で乾燥させカーボンナノチューブを固定化した。得られた塗布フィルムをアセトニトリル溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥させることでさらに界面活性剤を除去した。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は1.3×10Ω/sq.、光透過率74%(透明導電性フィルム74%/PETフィルム91.3%=0.81)であった。
<比較例2>
(2層カーボンナノチューブのラマン分光分析)
2層カーボンナノチューブ(ナノシル社製)をラマン分光測定した。その結果、波長532nmのラマン分光分析で133cm−1、152cm−1、172cm−1、184cm−1、199cm−1、239cm−1、303cm−1にピークが観測され、さらに波長633nmのラマン分光分析で200cm−1、334cm−1にピークが観測された。また、そのG/D比は5(532nm)、11(633nm)と、グラファイト化度の低い2層カーボンナノチューブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ組成物の粉末X線回折分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、粉末X線回折分析した。その結果、2θ=24.3°にピークが検出された。このピークの半値幅は4.96°であった。
(2層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に2層カーボンナノチューブ(ナノシル社製)、60mg、ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)120mgを量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力240W、30分間で処理した。調製した液は底部に凝集体が確認でき分散性が悪かった。得た液を高速遠心機を使用し10000G、15分遠心し、上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。底にたまったカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカーボンナノチューブ量は液全体に含有されるカーボンナノチューブの50重量%であった。
(カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルム)
上記液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36)、光透過率92.5%)上にバーコーター(No.8)を用いて塗布し、80℃乾燥機内で乾燥させカーボンナノチューブを固定化した。得られた塗布フィルムをアセトニトリル溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥させることでさらに界面活性剤を除去した。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は1.4×10Ω/sq.、光透過率92%(透明導電性フィルム92%/PETフィルム92.5%=0.99)であった。
<比較例3>
(多層カーボンナノチューブのラマン分光分析)
多層カーボンナノチューブ(カーボンナノチューブコーポレート社製)をラマン分光測定した。その結果、波長532nm、波長633nmのいずれにもRBM領域にピークは観測されなかった。また、そのG/D比は1(532nm)、0.7(633nm)と、グラファイト化度の低い多層カーボンナノチューブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ組成物の粉末X線回折分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、粉末X線回折分析した。その結果、2θ=25.5°にピークが検出された。このピークの半値幅は2.10°であった。
(多層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に多層カーボンナノチューブ(カーボンナノチューブコーポレート社製)60mg、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)60mgを量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力240W、30分間で処理した。得られた液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠心した。得られた上清を50mlのサンプル管に入れ保管した。そのうち、5mlをサンプリングし秤量した後、液を乾燥させ、400℃で1時間焼成させた。焼成後の重さを量った後、焼成前の重さで除し算出した液のカーボンナノチューブ濃度は、0.15重量%であった。また、液を一日室温で放置し、デカンテーションで上澄みを除き、底にたまったカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカーボンナノチューブ量は液全体に含有されるカーボンナノチューブの3重量%であった。
(多層カーボンナノチューブを含む透明導電性フィルム)
上記液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社製(ルミラー U36)、光透過率91.3%)上にバーコーター(No.8)を用いて塗布し、80℃乾燥機内で乾燥させカーボンナノチューブを固定化した。得られた塗布フィルムをアセトニトリル溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥させることでさらに界面活性剤を除去した。得られた塗布フィルムの表面抵抗値は2×10Ω/sq.、光透過率77%(透明導電性フィルム77%/PETフィルム91.3%=0.84)であった。
本発明によれば、ESD保護、EMI/RFIシールド、低視認性、ポリマーエレクトロニクス(例えば、OLEDディスプレイの透明導電層、ELランプ、プラスチックチップなど)およびエミッション材料などの用途に使用できる。
図1は反応管断面に均一に触媒が存在している状態を示す。 図2は実施例1で使用した流動床装置の概略図である。 図3は実施例1で得られた単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真である。 図4は実施例1で得られた単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物のラマン分光分析チャートである。 図5は実施例3で焼成処理後の2層カーボンナノチューブのラマン分光分析チャートである。 図6は比較例1で使用した単層カーボンナノチューブのラマン分光分析チャートである。 図7は比較例2で使用した2層カーボンナノチューブのラマン分光分析チャートである。 図8は比較例3で使用した多層カーボンナノチューブのラマン分光分析チャートである。
符号の説明
1:反応器
2:台
3:触媒
4:触媒以外の物体と触媒の混合物
5:噴霧された触媒
100 反応器
101 石英焼結板
102 密閉型触媒供給機
103 触媒投入ライン
104 原料ガス供給ライン
105 廃ガスライン
106 加熱器
107 点検口
108 触媒層

Claims (10)

  1. 以下の特徴を有する単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
    (1)透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、50本以上が単層カーボンナノチューブおよび2層カーボンナノチューブであること
    (2)波長532nmのラマン分光分析で140±10cm−1、160±10cm−1、180±10cm−1、210±10cm−1、270±10cm−1、320±10cm−1にピークが観測されること
    (3)波長633nmのラマン分光分析で190±10cm−1、220±10cm−1にピークが観測されること
  2. 粉末X線回折分析を行った時に24°±2°に2θピークが存在し、そのピークの半値幅が5.5°から6.5°であることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
  3. 焼成処理することにより以下に定義されるラマン分光分析でのピークが消失することを特徴とする請求項1または2記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物。
    (1)波長532nmのラマン分光分析で210±10cm−1のピーク
    (2)波長633nmのラマン分光分析で190±10cm−1のピーク
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
  5. 界面活性剤、導電性高分子から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項4記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
  6. カーボンナノチューブの濃度が0.01重量%から20重量%であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の分散液を基材に塗布することにより導電層を形成してなる導電性フィルム。
  8. 以下の特徴を有する請求項6記載の導電性フィルム。
    (1)表面抵抗が10Ω/sq.未満
    (2)550nmの波長の光透過率が以下の条件を満たす
    導電性フィルムの透過率/透明基材の光透過率>0.85
  9. マグネシアに金属を担持した粉末状の触媒を、縦型流動床型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内に炭素含有化合物を鉛直方向に流通させ、該炭素含有化合物と前記触媒を500〜1200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物の製造方法。
  10. 請求項1から3のいずれか1項記載の単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ混合組成物を用いたフィールドエミッション材料。
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