JP5156973B1 - 異方導電性部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触安定化、高密度化および薄肉化のいずれについても高いレベルで達成し得る電気貫通部を備える異方導電性部材を提供する。
【解決手段】板状の弾性ソケットと、弾性ソケット内に個別に保持されて弾性ソケットの厚さ方向に電流を通過させる複数の電気貫通部とを備える異方導電性部材であって、電気貫通部は、電気的に接続しつつ弾性ソケットの厚さ方向に相対位置を変動可能な第一および第二の可動部材を備え、これらの可動部材に外力が付与されて近接したときにこれらの可動部材を離間させる弾性復元力が弾性ソケットに生じるように、これらの可動部材は、少なくとも近接した状態では弾性ソケットの一部を圧縮可能に配置され、これらの可動部材の相対位置の変動を可能とする摺動接触構造は、第一の可動部材が傾斜したときに第二の可動部材が備える軸体部を塑性変形させない手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ICの検査などに使用される異方導電性部材に関する。
多数の端子を備えるICを検査するときには、ICにおける隣接する端子同士での電気的接続を抑制しつつ、ICの各端子と、ICを検査するための検査装置(ICテスター)に接続された検査用基板における各端子に対応する電極とを電気的に接続するための、異方導電性部材が使用される。
その異方導電性部材は、全体形状としてはおおむね板状であり、その主面の法線方向の導電性は十分に高いため電気信号を通過させるが、主面の面内方向には絶縁されていて電気を通さないという特性を有する。この特性に基づき、異方導電性部材は、主面の法線方向に電流を通過させる部分を検査対象のICの端子に対応して多数備える構造を有する。本発明において、ICの端子に対応してこの主面の法線方向に電流を通過させる部分を電気貫通部という。
電気貫通部の具体的な構造は任意であり、異方導電性部材の双方の主面から露出するようにその部材に埋設された金属などの導電性細線を備える構造、双方の主面間に充填された一群の導電性微粒子を備える構造、両端が部分的に閉塞されつつ開口された管状体とこの管状体の内部に配置されたコイルスプリングとこのコイルスプリングに付勢されながら上記の部分的な閉塞部に係止された状態で管状体から部分的に突出する二つの接触部材とからなるプローブピンなどが例示される。
使用時における電気貫通部では、ICの端子および検査用基板と異方導電性部材における電気貫通部の主面上の端部とが、これらの間の電気的接触を安定化させるために所定の圧力で接触している。上記の電気的接触の安定化を実現する程度に接触圧力が発生するように、多くの場合において、電気貫通部には弾性復元力を利用した接触圧力発生のための構造が設けられている。
例えば、上記の導電性細線を用いる電気貫通部や一群の導電性微粒子を用いる電気貫通部は、これらの部材が弾性体内に埋設される構造を備えることによって、これらの部材とICの端子および検査用基板との接触圧力を発生させている。また、プローブピンでは、コイルスプリングが二つの接触部材を離間するように付勢することによって、これらの接触部材とICの端子および検査用基板との接触圧力を発生させている。
上記の例以外に、特許文献1には、検査対象物の接触端子に対応する位置に貫通孔が形成された非伝導性材質の弾性板と;前記貫通孔の上部側に結合され、前記弾性板によって弾支されるプランジャーヘッド部及び前記プランジャーヘッド部の下部面中心から延設されるプランジャー本体から構成されるプランジャーと;中心部に前記プランジャー本体と接触する収容部が陥没形成され、前記貫通孔の下部側に結合される接触ピンと;を含んでなることを特徴とする、半導体チップ検査用探針装置が開示されている。
特開2008−180689号公報
特許文献1に開示される半導体チップ検査用探針装置(本明細書における「異方導電性部材」に相当する。)では、プランジャーと接触ピンとからなる可動部材によって構成される電気貫通部が、非伝導性材質の弾性板(本明細書において「弾性ソケット」ともいう。)の弾性復元力を用いて弾性板の厚さ方向に可変に配置されている。
このような異方導電性部材は、弾性ソケットに設けられた貫通孔の構造が複雑で加工が難しい上、可動部材の最大外径に対して貫通孔の内径が大きく、微細化が難しいなどの問題がある。
すなわち、貫通孔を備える弾性ソケットと2つの可動部材を備え、2つの可動部材の少なくとも一方が貫通孔を貫通する構造の異方導電性部材において、半導体の高集積化、微細化が進み、検査対象であるICの端子間ピッチが狭く、端子数が多くなると、以下のような問題が発生する。
(問題1)可動部材における最も外径の細い部分が強度不足となり、異方導電性部材の使用中に折れ曲がる。
(問題2)貫通孔を貫通する可動部材が貫通孔の内径を拡張すると隣接する貫通孔との間の弾性体が圧縮され、その弾性反発力により貫通孔間の距離が広がり、ICの端子ピッチと貫通孔にズレが生じる。
(問題3)貫通孔の内径に対し、弾性ソケットを圧縮する可動部材の突出部の突出量が相対的に小さくなり、弾性ソケットを圧縮した時に可動部材が貫通孔内に埋没する。
特許文献1に開示される半導体チップ検査用探針装置(異方導電性部材)を用いて、上記の問題のうち、問題1について詳しく説明する。
図19は、特許文献1に記載された可動部材の断面を概念的に示す図である。図20は、図19の可動部材がICの端子であるはんだボールと接触している状態を示している。共に、弾性ソケットなど可動部材以外の断面は省略している。
図20に示したとおり、理想的には、ICの端子(図20でははんだボール)の先端は、IC側の可動部材の中心軸上に配置され、ICの端子とIC側の可動部材との接触に基づいて、IC側の可動部材はもう一方の可動部材方向へ押し込まれる。しかしながら、実際にはこのような接触が行われることはまれであり、通常、ICの端子の位置公差、検査装置におけるICの位置ずれ、異方性導電部材の配置ずれなどにより、ICの端子の先端はIC側の可動部材の中心に対してずれた状態(オフセット状態)で接触する。このオフセット状態での接触を図21に示す。
このようなオフセット状態で接触している場合において、図21に示す異方性導電部材のように、IC側の可動部材がもう一方の可動部材に対して傾斜できない構造であると、IC側の可動部材にはオフセット方向に横荷重が加わる。その横荷重に対して塑性変形しないだけの強度があればIC側の可動部材は折れ曲がることはないが、IC側の可動部材が細く強度が弱い場合には、IC側の可動部材が折れ曲がり、二つの可動部材は摺動不良を引き起こすことになる。
上記の問題のうち、問題2および3も、ICの端子が狭ピッチ化すると顕在化する問題であり、上記の特許文献1に開示される異方導電性部材も、ICの端子間ピッチが十分に広い時にはこれらの問題は顕在化しないが、ICの端子間ピッチが狭まると、貫通孔が拡張されることによるICの端子ピッチと貫通孔のズレが相対的に大きくなったり、ICの端子とIC側の可動部材との接触を解除しても可動部材が弾性体内部に埋没したりする問題が顕在化する。
本発明は、上記の問題を解決し、微細ピッチのICの検査が可能な異方導電性部材を提供するものである。
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
(1)絶縁体からなり弾性を有する板状の弾性ソケットと、前記弾性ソケットが有する複数の貫通孔のそれぞれに対応して設けられ、前記貫通孔を貫通する部分を有して前記弾性ソケットの厚さ方向に電流を通過させる複数の電気貫通部とを備える異方導電性部材であって、前記電気貫通部は、電気的に接続しつつ前記弾性ソケットの厚さ方向に相対位置を変動可能な第一の可動部材および第二の可動部材を備え、前記第一の可動部材は、検査対象物に付設された電極に接触するための電極接触部を前記検査対象物と対向する側の端部に備え、前記第二の可動部材は、検査装置の検査用基板に接触するための基板接触部を前記検査用基板と対向する側の端部に備え、前記電極接触部および前記基板接触部を前記弾性ソケットの厚さ方向に近接させる外力が付与されたときにこれらを離間させる向きの弾性復元力が前記弾性ソケットに生じるように、前記第一および第二の可動部材は前記弾性ソケットの一部を圧縮可能に配置され、前記電気貫通部は、前記第一の可動部材に設けられた第一の摺動面と前記第二の可動部材に設けられた第二の摺動面とが前記弾性ソケットの厚さ方向に相互に摺動する摺動接触構造を備え、当該摺動接触構造によって、前記電極接触部と前記基板接触部との距離は、これらの接触部の電気的接続を維持したまま前記弾性ソケットの厚さ方向に変動可能であり、前記第一の可動部材は、前記電極接触部から前記弾性ソケットの厚さ方向に延設され中空を有する筒体部を備え、当該筒体部の前記電極接触部側と反対側の端部は開口を有し、前記筒体部の前記開口を有する端部側の内側面の少なくとも一部が前記第一の摺動面をなし、前記筒体部の前記開口を有する側の端面が前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と接するように、前記第一の可動部材は前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面上に載置され、前記第二の可動部材は、前記基板接触部から前記弾性ソケットの厚さ方向に延設される軸体部を備え、当該軸体部の前記基板接触部側の端部と反対の端部側の外側面の少なくとも一部が前記第二の摺動面をなし、前記軸体部における前記第二の摺動面をなす外側面を有する側の端部を含む一部は前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面から突出して前記第一の可動部材の前記中空内に挿入され、前記軸体部におけるその他の部分は前記弾性ソケットの前記貫通孔内に配置され、前記第一の摺動面における前記第二の摺動面と摺動接触可能な前記弾性ソケットの厚さ方向の長さである第一の摺動面の長さと前記第二の摺動面における前記第一の摺動面と摺動接触可能な前記弾性ソケットの厚さ方向の長さである第二の摺動面の長さの何れか一方が他方より短いことにより、前記第一の可動部材は、前記軸体部を塑性変形させることなく前記弾性ソケットの厚さ方向に対して傾くことが可能とされていることを特徴とする異方導電性部材。
(2)前記第一の摺動面の長さよりも前記第二の摺動面の長さの方が短い、上記(1)に記載の異方導電性部材。
(3)前記第二の可動部材の前記軸体部は他の部分よりも直径が大きい太径部を有し、当該太径部の外側面が前記第二の摺動面をなす、上記(2)に記載の異方導電性部材。
(4)前記太径部は、前記軸体部における前記筒体部内に挿入された側の端部を含むように設けられている、上記(3)に記載の異方導電性部材。
(5)前記太径部の直径は前記弾性ソケットの前記貫通孔の内径より大きく、前記貫通孔は前記太径部との接触により変形可能とされ、前記太径部は、前記貫通孔の当該変形により前記貫通孔を貫通して前記筒体部内に挿入された、上記(3)に記載の異方導電性部材。
(6)前記軸体部は金属細線を備え、前記太径部は、当該金属細線の一部およびその一部の外側面上に形成されためっき層からなる、上記(4)に記載の異方導電性部材。
(7)前記軸体部における前記太径部とその他の部分との段差部が前記弾性ソケットの前記貫通孔の開口の縁部に係止されることにより、前記第二の可動部材は前記貫通孔から前記基板接触部側に脱離することが防止されている、上記(5)または(6)に記載の異方導電性部材。
(8)前記第二の摺動面の長さよりも前記第一の摺動面の長さの方が短い、上記(1)に記載の異方導電性部材。
(9)前記第一の可動部材の前記筒体部の中空は、他の部分よりも内径が小さい縮径部を有し、当該縮径部の内側面が前記第一の摺動面をなす、上記(8)に記載の異方導電性部材。
(10)前記縮径部は、前記筒体部の前記開口を有する側の端部を含むように設けられている、上記(9)に記載の異方導電性部材。
(11)前記軸体部は金属細線を備える、上記(8)から(10)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(12)前記基板接触部は前記金属細線の一部および前記金属細線とは別体の部材からなり、当該金属細線とは別体の部材は前記金属細線の一部に固定された、上記(11)に記載の異方導電性部材。
(13)前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面には、前記貫通孔の開口を含むように座繰り部が設けられ、当該座繰り部内に前記第一の可動部材の前記弾性ソケット側の端部が載置される、上記(1)から(12)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(14)前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分は、その外径が前記貫通孔の内径を超える部分を有さない、上記(1)から(13)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(15)前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分は、その外径が他の部分よりも大きい部分を前記基板接触部側の端部の近位に有する、上記(14)に記載の異方導電性部材。
(16)前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分の少なくとも一部は、その外径が前記貫通孔の内径以上であって、前記貫通孔内に圧入されたものである、上記(1)から(13)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(17)前記基板接触部の前記軸体部側の端面の少なくとも一部が前記弾性ソケットの前記基板接触部側の主面に接するように、前記基板接触部は、前記弾性ソケットの前記基板接触部側の主面の面内方向に突出する部分を有する、上記(1)から(16)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(18)前記弾性ソケットにおける前記電極接触部側の主面にその一方の主面が対向するように設けられた、剛性材料からなる電極側板状部材を前記異方導電性部材はさらに備え、当該電極側板状部材は前記電極接触部に対応した配置で貫通孔を有し、前記電極接触部が前記電極側板状部材における前記弾性ソケットに対向する側と反対の主面から突出するように、前記第一の可動部材は前記電極側板状部材の貫通孔に貫装される、上記(1)から(17)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(19)前記電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と前記電極側板状部材との間にその外側面の一部から突出する係止突出部を有し、前記弾性ソケットの厚さ方向を法線とし当該係止突出部を含む面における前記第一の可動部材の断面形状の外接円の直径は、前記電極側板状部材の貫通孔の前記弾性ソケット側端部における開口径よりも大きい、上記(18)に記載の異方導電性部材。
(20)前記電極側板状部材の前記弾性ソケット側の主面には、前記貫通孔の開口を含むように座繰り部が設けられ、当該電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と当該座繰り部の前記貫通孔側の端面との間にその外側面の一部から突出する係止突出部を有し、前記弾性ソケットの厚さ方向を法線とし当該係止突出部を含む面における前記第一の可動部材の断面形状の外接円の直径は、前記電極側板状部材の貫通孔の前記座繰り部側端部における開口径よりも大きく、前記座繰り部の内径よりも小さい、上記(18)に記載の異方導電性部材。
(21)前記電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記電極接触部と前記筒体部との接続部分に段差部を有し、当該段差部が前記係止突出部をなす、上記(19)または(20)に記載の異方導電性部材。
(22)前記電極接触部が前記検査対象物に付設された電極と接触する前の状態において、前記電極側板状部材の貫通孔の前記弾性ソケットに対向する側の周縁部が前記係止突出部を前記弾性ソケットの厚さ方向中心側に押し込むことにより、前記電極接触部および前記基板接触部にはこの押し込みに対する弾性復元力が前記弾性ソケットから付与されている、上記(19)から(21)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(23)前記電極接触部および前記基板接触部を前記弾性ソケットの厚さ方向に近接させる外力が前記電極接触部に付与されたときに、前記電極接触部および前記基板接触部の双方が前記弾性ソケットの厚さ方向の前記弾性ソケット中心向きに変動するように、前記弾性ソケットは、前記検査用基板に対して、前記弾性ソケットの厚さ方向に変動可能に取り付けられるものである、上記(17)から(22)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(24)前記第一の可動部材の前記縮径部は、前記筒体部の内側面から前記筒体部の中心軸側に突出した一つ以上の突起部からなり、当該突起部の突出先端部分の面が前記第一の摺動面を構成している、上記(9)または(10)に記載の異方導電性部材。
本発明によれば、一方の可動部材の摺動面の長さと他方の可動部材の摺動面の長さとが異なるため、短い方の摺動面を有する可動部材は、長い方の摺動面を有する可動部材に対して、傾いた状態で摺動することが可能である。したがって、第一の可動部材の電極接触部がICの電極に対してオフセット状態で接触しても、第一の可動部材と第二の可動部材とは摺動可能である。よって、本発明により、微細ピッチのICの検査が可能な異方導電性部材が提供される。
本発明の第一の実施形態に係る異方導電性部材の弾性ソケットの厚さ方向の断面の一部を概念的に示す図である。 図1に係る異方導電性部材の電極接触部に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部とはんだボールとが理想的な接触をしている場合を概念的に示す断面図である。 図1に係る異方導電性部材の電極接触部に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部とはんだボールとがオフセット状態で接触をしている場合を概念的に示す断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の弾性ソケットの厚さ方向の断面の一部を概念的に示す図である。 図4に係る異方導電性部材の電極接触部に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部とはんだボールとが理想的な接触をしている場合を概念的に示す断面図である。 図5に係る異方導電性部材の電極接触部に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部とはんだボールとがオフセット状態で接触をしている場合を概念的に示す断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造の具体例の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造の具体例の別の一つについて、(a)使用前の状態および(b)使用状態の断面の一部を概念的に示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造の具体例のまた別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造の具体例のさらなる別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造の具体例の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例の別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のまた別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらに別の一つについて、(a)使用前の状態および(b)使用中の状態の断面の一部を概念的に示す図である。 図15に示される異方導電性部材の好ましい一例の断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらに別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらにまた別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。 特許文献1に記載された可動部材の断面を概念的に示す図である。 図19の可動部材がICの端子であるはんだボールと理想的な状態で接触している状態を示す図である。 図19の可動部材がICの端子であるはんだボールとオフセット状態で接触している状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る異方導電性部材を説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る異方導電性部材の弾性ソケットの厚さ方向の断面の一部を概念的に示す図である。
本実施形態に係る異方導電性部材100は、絶縁体からなり弾性を有する板状の弾性ソケット101を備える。弾性ソケットの材質は特に限定されない。その材質を例示すれば、シリコーンゴムやフッ素ゴム、あるいはアクリル系エラストマーなど弾性を有する絶縁材料が挙げられる。
弾性ソケット101は、複数の貫通孔102を備える。その貫通孔の形成方法は特に限定されない。弾性ソケットの形成段階(例えば成形加工)において同時形成されてもよいし、板状の弾性部材にマイクロドリルなどを用いて貫通孔を形成してもよい。
弾性ソケット101が備える複数の貫通孔102のそれぞれに対応して設けられ、貫通孔102を貫通する部分を有して弾性ソケット101の厚さ方向に電流を通過させる複数の電気貫通部103を、本実施形態に係る異方導電性部材100は備える。
電気貫通部103は、互いに電気的に接続しつつ弾性ソケット101の厚さ方向に相対位置を変動可能な第一の可動部材104および第二の可動部材105を備える。これらの可動部材のうち、第一の可動部材104は、検査対象物(具体的にはICが例示される)に付設された電極(具体的にははんだボールや金属バンプが例示される)に接触するための電極接触部106を検査対象物と対向する側(図1では上側)の端部に備える。一方、第二の可動部材105は、検査装置の検査用基板に接触するための基板接触部107を検査用基板と対向する側(図1では下側)の端部に備える。
第一の可動部材104、第二の可動部材105および弾性ソケット101は次の関係を満たすように配置される。すなわち、電極接触部106および基板接触部107を弾性ソケット101の厚さ方向に近接させる外力が付与されたとき(具体的には、使用状態において、検査用基板上に載置された異方導電性部材100の電極接触部106に対して、はんだボールなどのICの電極が、検査用基板に対して近接するような力を付与されながら接触する場合が例示される。)に、電極接触部106および基板接触部107を離間させる向きの弾性復元力が弾性ソケット101に生じるように、第一の可動部材104および第二の可動部材105は弾性ソケット101の一部を圧縮可能に配置される。
具体的には、図1では、第一の可動部材104の電極接触部106と反対側の端面104aが、弾性ソケット101の検査対象物に対向する側の主面101aと接している。また、第二の可動部材105の外径が最も大きな部分(以下、「鍔部分」ともいう。)108が、弾性ソケット101の検査用基板に対向する側の主面101bと接している。したがって、第一の可動部材104の端面104aと第二の可動部材105の鍔部分108とは、その間の弾性ソケット101を圧縮することによって、電極接触部106および基板接触部107を離間させる向きの弾性復元力を弾性ソケット101に生じさせることができる。
電気貫通部103は、第一の可動部材104に設けられた第一の摺動面109と第二の可動部材105に設けられた第二の摺動面110とが弾性ソケット101の厚さ方向に相互に摺動する摺動接触構造を備える。この摺動接触構造によって、電極接触部106と基板接触部107との距離は、これらの接触部106、107の電気的接続を維持したまま弾性ソケット101の厚さ方向に変動可能である。
第一の可動部材104は、電極接触部106から弾性ソケット101の厚さ方向弾性ソケット101の中心側に延設され中空111aを有する筒体部111を備える。この筒体部111の電極接触部106側と反対側の端部は開口111bを有し、筒体部の開口111bを有する端部側の内側面の少なくとも一部が第一の摺動面109をなしている。本実施形態では、筒体部111の中空111aの内側面は特段の段差を有さず、内側面の径(中空111aの内径)は一定とされて、その内側面全面(電極接触部106に至るまで)が第一の摺動面109をなしている。
また、第一の可動部材104は、筒体部の開口111bを有する側の端面104aが弾性ソケット101の電極接触部106側の主面101aと接するように、弾性ソケット101の電極接触部106側の主面101a上に載置される。
第二の可動部材105は、基板接触部107から弾性ソケット101の厚さ方向弾性ソケット101の中心側に延設される軸体部112を備える。この軸体部112の基板接触部107側の端部と反対の端部(すなわち、電極接触部106に近位な端部)側の外側面の少なくとも一部が第二の摺動面110をなしている。また、軸体部112における第二の摺動面110をなす外側面を有する側の端部を含む一部は、弾性ソケット101の電極接触部106側の主面101aから突出して、第一の可動部材104の中空111a内に挿入される。また、軸体部112におけるその他の部分(すなわち、基板接触部107に近位な端部を含む部分)は、弾性ソケット101の貫通孔102内に配置される。
本実施形態に係る異方導電性部材100は、第一の摺動面109における第二の摺動面110と摺動接触可能な弾性ソケット101の厚さ方向の長さである第一の摺動面109の長さd1と第二の摺動面110における第一の摺動面109と摺動接触可能な弾性ソケット101の厚さ方向の長さである第二の摺動面110の長さd2の何れか一方は、他方より短い。第一の摺動面109の長さd1と第二の摺動面110の長さd2とがかかる関係を有することにより、第一の可動部材104は、軸体部112を塑性変形させることなく弾性ソケット101の厚さ方向に対して傾くことが可能とされている。
図1に示される本発明の第一の実施形態に係る異方導電性部材では、第一の摺動面109の長さd1よりも第二の摺動面110の長さd2の方が短い。具体的には、第二の可動部材105の軸体部112は、基板接触部107に対して遠位な端部112aを含むように、他の部分よりも直径が大きい太径部113を有する。そして、この太径部113の外側面が第二の摺動面110をなしている。太径部113は、図1に示されるように基板接触部107から遠位な端部112aを含んでいてもよいが、これに限定されない。基板接触部107に対して遠位な端部112aに近位に設けられていればよい。
なお、その外側面が第二の摺動面110をなす太径部113が基板接触部107に対して遠位な端部112aから過度に遠位に設けられると、端部112aと電極接触部106との隙間が狭まり、第一の可動部材104の可動範囲が狭くなるので、太径部113は、軸体部112における筒体部111内に挿入された側の端部(すなわち基板接触部107に対して遠位な端部)112aを含むように設けられていることが好ましい。
また、太径部113の直径は弾性ソケット101の貫通孔102の内径より大きく、かつ、貫通孔102は太径部113との接触により変形可能とされていることが好ましい。この場合には、太径部113は、貫通孔102の太径部113との接触に基づく変形により貫通孔102を貫通して、筒体部111内に挿入されていることが好ましい。このとき、軸体部112における太径部113とその他の部分との段差部112bが弾性ソケット101の貫通孔102の開口の縁部に係止されれば、第二の可動部材105は、特に負荷をかけない状態では、弾性ソケット101の検査用基板に対向する側(基板接触部107が突出する側)の主面101b側から脱落しないようにすることができる。それゆえ、後述する基板側板状部材207に相当する板状部材を検査用基板側に配置する必要がなく、異方性導電部材全体を薄くすることができる。なお、上記の段差部112bには、加工上の制約から、図1に示したようなテーパー部を設けてもよい。このテーパー部はその全体が貫通孔から突出していてもよいし、少なくともテーパー部の一部は貫通孔内に配置されていてもよい。
ここで、図1に加えて、図2および3を用いて、本実施形態に係る異方導電性部材100の基本的な動作について詳しく説明する。
図2は、図1に係る異方導電性部材100の電極接触部106に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材100に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部106とはんだボールとが理想的な接触をしている場合を概念的に示す断面図である。ここで、理想的とは、第一の可動部材104の可動方向の中心軸の延長線上にはんだボールの先端が位置し、はんだボールから第一の可動部材104に対して加えられる外力が、弾性ソケット101の厚さ方向と平行である場合を意味する。このとき、第一の可動部材104の可動方向と第二の可動部105の可動方向とはほぼ平行であって、第一の摺動面109と第二の摺動面110もほぼ平行に対向しながら摺動接触している。しかしながら、現実にはこのような理想状態で第一の摺動面109と第二の摺動面110とが接触することはまれであって、通常、次に図3を用いて示すようなオフセット状態で接触している。
図3は、図1に係る異方導電性部材100の電極接触部106に対して、検査対象に付設された電極であるはんだボールが接触し、さらに検査対象と検査用基板とが近接するように、異方性導電部材100に対して外力が付与された状態の一例であって、電極接触部106とはんだボールとがオフセット状態で接触をしている場合を概念的に示す断面図である。本実施形態に係る異方導電性部材100は、前述のように、端部112aを含むように太径部113を有する第二の可動部材105の軸体部112が、第一の可動部材104の一方の端部に設けられた開口111bから、筒体部111の中空111a内に挿入されている。したがって、開口111bの口径は、第一の摺動面109の内径に等しく、太径部113の外側面からなる第二の摺動面110と電気的接触を維持しながら摺動可能とすることから、太径部113の外径よりも10μm程度大きい。一方、軸体部112における太径部113以外の部分の外径は太径部113の外径よりも細いため、図2に示されるような理想的な状態で接触している場合には、第一の可動部材104の開口111bにおける内側面と第二の可動部材105の軸体部112とは、十分なクリアランスを有している。それゆえ、図3に示されるようなオフセット状態で接触している場合も、この第一の可動部材104の開口111bにおける内側面と第二の可動部材105の軸体部112とのクリアランスの範囲内であれば、第二の可動部材105に対して第一の可動部材104は傾いた状態を維持することができる。なお、このようなクリアランスがない場合、すなわち、第一の摺動面109と第二の摺動面110とがほぼ等しい長さを有する場合、換言すれば、第一の可動部材104内部に挿入された第二の可動部材105の軸体部112の外側面がほぼすべて第二の摺動面110をなす場合には、第二の可動部材105に対して第一の可動部材104が傾くと、第一の可動部材104の開口111bにおける内側面と第二の可動部材105の軸体部112との接触点を支点として、その支点より第一の可動部材104内にある第二の可動部材105の軸体部112は塑性変形して折れ曲がり、その電気貫通部103は使用不能となってしまう。
第一の可動部材104および第二の可動部材105の材質は、これらが電気貫通部103を構成することができる限り、任意である。通常は、電極接触部106における電極に接触する面、第一の摺動面109、第二の摺動面110および基板接触部107における基板に接触する面を含め、そのほとんどが導電性を有する金属系の材料から構成されていることが好ましい。加工のしやすさの観点から、図1に示されるように、電極接触部106と筒体部111とは別部材で構成され、カシメ、溶接などの手段を用いて、電気的に接続された状態で固定されることが好ましい。第二の可動部材105は図1に示されるように一体物であってもよいし、後述する図7に示される第二の可動部材301のように基板接触部303と軸体部302とが別体であり、電気的に接続された状態で固定されていてもよい。電極接触部106を形成するために使用される材料について例示すれば、導電性と加工性がよく硬度も高いベリリウム銅の他、硬度が銅系金属より高く加工性のよい鉄鋼材であるSK材、はんだボールからのはんだ転写が少ないパラジウム合金などが挙げられる。筒体部104を形成するために使用される材料について例示すれば、ベリリウム銅の他、同じような特性を備えるリン青銅などが挙げられる。第二の可動部材105が図1に示されるように一体物である場合、第二の可動部材105を形成するために使用される材料について例示すれば、同じくベリリウム銅やリン青銅などが挙げられる。図7に示されるように基板接触部と軸体部が別体の場合に、それらに使用される材料については後述する。
続いて、図1を用いて、電極側板状部材114および係止突出部116について説明する。
異方導電性部材100は、弾性ソケット101における電極接触部106が設けられている側の主面101aにその一方の主面114aが対向するように設けられた、剛性材料からなる電極側板状部材114を有する。なお、本明細書において「剛性材料」とは、弾性を有する弾性ソケットに比べて剛性を有する、つまり外力が付与されても変形しにくい材料であることを意味する。この電極側板状部材114は、第一の可動部材104の電極接触部106に対応した配置で貫通孔115を有する。第一の可動部材104の電極接触部106が、電極側板状部材114における弾性ソケット101に対向する側と反対の主面114bから突出するように、第一の可動部材104は電極側板状部材114の貫通孔115に貫装される。
ここで電極側板状部材114の貫通孔115は、一般的にはマイクロドリルにより形成され、その内側面の面粗さはやや粗く摺動性はあまりよくないので、貫装された第一の可動部材104の外側面と電極側板状部材114の貫通孔115の内側面との間には適度なクリアランスが必要である。他方、クリアランスが大きいと係止突出部116の外径より貫通孔115の内径が大きくなってしまうので、クリアランスとしては10〜30μm程度が好ましい。
電極側板状部材114はある程度の剛性を有していれば、その材質は特に限定されない。第一の可動部材104が電極側板状部材114の貫通孔115の内側面に接する可能性があることから、通常は絶縁性の材料で形成される。そのような材料の具体例としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂またはポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂系材料、ガラスやセラミックスを主成分とする無機系材料、上記の樹脂系材料内にガラスフィラーやセラミックス粒子など無機成分が分散した複合材料が挙げられる。
電極側板状部材114と弾性ソケット101との相対位置の関係は任意である。例えば、図1に示されるように、電極側板状部材114と弾性ソケット101とは弾性ソケット101の厚さ方向の相対位置が変動可能とされていてもよい。この場合には、電極側板状部材114は検査用基板に対して相対位置を固定しておいてもよい。その固定の方法は任意である。ここで電極側板状部材114が検査用基板に対して相対位置を固定されている場合には、検査対象に付設された電極により第一の可動部材104が検査用基板方向に押し込まれた使用状態において、電極が電極側板状部材114に接触することを避けるため、第一の可動部材104は、電極接触部106が電極と接触する前の無負荷の状態においては、電極側板状部材114の検査対象側の主面114bからその可動長さ以上に突出していることが好ましい。また、電極側板状部材114は検査用基板とは弾性ソケット101の厚さ方向の相対位置が変動可能とされ、第一の可動部材104と弾性ソケット101の厚さ方向に連動可能としてもよい。かかる構成の場合には、第一の可動部材104が電極側板状部材114の検査対象側の主面114bから若干突出していればよく、電極接触部106が電極と接触する前の無負荷の状態において第一の可動部材104が傾斜することが抑制され、電極接触部106と検査対象に付設された電極との位置精度を向上させることができる。
本実施形態に係る異方導電性部材100において、電極側板状部材114の貫通孔115に貫装された第一の可動部材104は、弾性ソケット101における電極接触部106が設けられている側の主面101aと電極側板状部材114との間に、その外側面の一部から突出する係止突出部116を有する。そして、弾性ソケット101の厚さ方向を法線としこの係止突出部116を含む面における第一の可動部材104の断面形状の外接円の直径(図1に示される係止突出部116では、その外径に等しい。)は、電極側板状部材114の貫通孔115の弾性ソケット101側端部における開口径よりも大きい。
かかる構成を備えることによって、第一の可動部材104が弾性ソケット101から離間して、第一の可動部材104が第二の可動部材105から脱離し、第一の可動部材104と第二の可動部材105とによる電気貫通部の構成を維持できなくなる可能性が低減される。また、図1に示される係止突出部116は鍔状に突出して第一の可動部材104の端面104aの面積を大きくし、第二の可動部材105の基板側接触部107と協働して、弾性ソケット101内に大きな弾性復元力を発生させることにも寄与している。さらに、電極接触部106を備える第一の可動部材104が弾性ソケットから着脱可能のため容易に交換ができる。
次に、図4から6を用いて、本発明の第二の実施形態に係る異方性導電部材について説明する。本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の説明では、その異方導電性部材を構成する要素の説明にあたり、第一の実施形態に係る異方導電性部材を構成する要素と構造上の特徴が共通する場合には、第一の実施形態に係る異方導電性部材を構成する要素の説明の際に用いた符号をそのまま付することとする。
図4は、本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材の弾性ソケットの厚さ方向の断面の一部を概念的に示す図である。
第二の実施形態に係る異方性導電部材200は、第一の実施形態に係る異方性導電部材100と、第一の摺動面の長さd1と第二の摺動面の長さd2との関係が相違する。すなわち、異方性導電部材100では第一の摺動面109の長さd1よりも第二の摺動面110の長さd2の方が短いが、異方性導電部材200では第二の摺動面の長さd2よりも第一の摺動面の長さd1の方が短い。
具体的には、異方性導電部材200における第一の可動部材201および第二の可動部材202の構造が、対応する異方性導電部材100における第一の可動部材104および第二の可動部材105の構造と相違する。第一の可動部材201の筒体部203の中空204は、他の部分よりも内径が小さい縮径部205を有し、この縮径部205の内側面205aが第一の摺動面をなす。本実施形態では、縮径部205は、筒体部203の開口を有する側の端部を含むように設けられている。縮径部205は筒体部203の弾性ソケットの厚さ方向のいずれの領域に設けられていてもよいが、過度に電極接触部の近位に設けられると、第二の可動部材202の軸体部206における筒体部203内に挿入された側の端部(すなわち基板接触部209に対して遠位な端部)と電極接触部との隙間が狭まり、第一の可動部材201の可動範囲が狭くなるので、縮径部205は、筒体部203の開口を有する側の端部を含むように設けられていることが好ましい。
一方、第二の可動部材202における軸体部206は、その外側面206a全体が第二の摺動面をなしている。本実施形態に係る異方導電性部材201の使用時には、図5に示されるように、第一の可動部材201の縮径部205の内側面205aからなる第一の摺動面は、第二の可動部材202の軸体部206の外側面206aからなる第二の摺動面の一部の面に対向しながら摺動する。このとき、第一の可動部材201の中空204内において、中空204内に挿入された第二の可動部材202の軸体部206の先端では、中空204の縮径部205以外の部分の内側面と軸体部206の外側面とのクリアランスは十分に大きくなっている。
このため、検査対象に付設された電極(例えばはんだボール)と電極接触部106とが図6に示されるようなオフセット状態で接触した場合であっても、軸体部206と縮径部205とのクリアランスに基づく範囲で、軸体部206の先端が中空204の縮径部205以外の部分の内側面に接することなく、第一の可動部材201は第二の可動部材202に対して傾くことができる。
なお、第二の実施形態に係る異方導電性部材200は、第二の可動部材202が備える軸体部206が弾性ソケット101の貫通孔102の内径より細く、第一の実施形態に係る異方導電性部材100における太径部113のような脱離止めは特に設けられていない。そこで、弾性ソケット101から検査用基板側へ自重により脱落することを防ぐため、弾性ソケット101の検査用基板側の主面にその一方の主面が対向するように設けられた、剛性材料からなる基板側板状部材207を追加し、基板側板状部材207に設けた貫通孔208に第二の可動部材202の基板接触部209の一部が挿入されるようにしてもよい。図4に示される具体例では、基板側板状部材207は検査用基板210上に載置され、第二の可動部材202の基板接触部209はその端部を含む一部が基板側板状部材207に設けた貫通孔208と検査用基板210とによって形成される凹部内に配置されている。
本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材200は、以上説明したような構造を有することにより、太径部113がなくても異方導電性部材200の使用中に第二の可動部材202が折れ曲がることが防がれているうえに、電極接触部106を備える第一の可動部材201が弾性ソケットから着脱可能のため容易に交換ができる。
本発明の第二の実施形態に係る異方導電性部材200の第二の可動部材202の製造方法は特に限定されない。第一の実施形態に係る異方導電性部材100の第二の可動部材105と同様に、旋盤により一体加工してもよい。旋盤加工によって第二の可動部材202を製造する場合には、第二の可動部材202を構成する材料として、ベリリウム銅やリン青銅などが例示されるのは前述のとおりである。しかしながら、第二の可動部材202を旋盤により加工する場合、軸体部206の直径が細くなると加工時に軸体部が曲がるなどの不良が発生する危険性が高くなる。そのような場合には、軸体部に金属細線を利用すればよい。
図7から11は、それぞれ、第二の実施形態に係る異方導電性部材の第二の可動部材の構造のいくつかの具体例の断面の一部を概念的に示す図である。これらの例に係る第二の可動部材は、軸体部が金属細線により構成されるという点で共通する。
図7に示される例の異方導電性部材300では、異方導電性部材300が備える第二の可動部材301は、金属細線302と、この金属細線302の一方の端部を含む一部を受容可能な孔が設けられた筒状の部材303とから構成されている。この筒状の部材303および金属細線302における筒状の部材303内に挿入された部分が基板接触部209をなし、金属細線302における筒状の部材303に挿入されていない部分が第二の可動部材301の軸体部をなしている。
ここで、第二の可動部材301の軸体部を金属細線302にて構成することの利点について説明する。前述の旋盤加工によって軸体部を加工できる軸径の下限はおおむね80μmである。軸体部の直径が80μm(0.08mm)以下になってくると、加工時、あるいは加工後のめっき工程において軸体部206が折れ曲がる危険性が高くなる。旋盤加工は金属棒を回転させながら外周を切削するため、被加工部材の曲げ弾性率が低い場合には、加工中に被加工部材と加工刃物とが接触した際に、被加工部材が刃物から逃げるように曲がってしまい、切削加工を行うことができなくなってしまう。このため、旋盤加工に用いられる被加工部材は曲げ弾性率が高いものが使用される。ところが、曲げ弾性率が高い被加工部材は、弾性変形する歪範囲が狭いため、その軸径が細くなると、加工時や加工後のめっき工程において軸体部が塑性変形する(折れ曲がる)危険性が高くなる。
これに対し、第二の可動部材301の軸体部を金属細線302から構成する場合には、あらかじめその軸径に加工された金属線材を切断することなどによって軸体部206を得ることができる。したがって、この場合には、直径が80μm以下であっても軸体部206を容易に得ることが可能である。
ここで、金属細線302を構成する材料(金属線材)は特に限定されないが、金属線材は多くの場合、コイルスプリングの素材など弾性変形する歪範囲が広い(弾性が大きい)材料が用いられている。その理由は次のとおりである。一般的に金属線材は原材料を伸延しながら徐々に細くし、最終的に所定の直径の金属線材に加工する。このような加工プロセスが行われるため、当然ながら、製造工程において、金属線材はリールやボビンなどに巻取られる。このため、金属線材は少なくともリールやボビンに巻取られても塑性変形しない程度の弾性を備える材料から構成される。
金属線材の中でもばね材や超弾性ワイヤーなどは特に弾性が大きく、ある程度湾曲しても塑性変形することはない。具体的には、コイルスプリング用の線材としてはピアノ線、ステンレス線、リン青銅線、銅合金線などが例示され、超弾性ワイヤーとしてはNiTiを主成分とした形状記憶合金の金属線材が例示される。超弾性ワイヤーは主に釣り糸として利用されている。その他、タングステンやモリブデンの金属線材なども弾性を備え、ばねとして利用されている。
このように金属線材には弾性があるため、かなり細い径まで製造が可能であり、ばね材や超弾性ワイヤーなどは、直径30μm程度の細さを有するものまでは市場にて容易に入手可能である。本例に係る第二の可動部材301の軸体部は、このような金属線材を切断して得られる金属細線302を第二の可動部材301に利用することにより、その直径が少なくとも30μmまで細い軸体部を有する異方導電性部材300が提供される。
ここでばね材や超弾性ワイヤーなど弾性の大きい金属細線の材質は、一般的に硬度が高い。特に超弾性ワイヤーはNiTiを主成分とするため硬度がかなり高い。このように硬度が高い金属線材を切断すると、切断面にバリが発生することが多い。また、切断面のエッジもかなり鋭いシャープエッジになる。このような線材を用いる場合であっても、本例に係る第二の可動部材301の軸体部は、筒体部203に挿入された側の端部が第一の摺動面205aに接することを避けているので、切断面のバリやシャープエッジによって第一の摺動面205aが傷つく可能性も低減されている。
本例に係る異方導電性部材300の第二の可動部材301において、筒状の部材303と金属細線302とを固定する方法は、これらの電気的接触を維持し、使用時に容易に外れない方法であれば、特に限定されない。図7に示される例では、筒状の部材303と金属細線302とは筒状の部材303の外側面の一部をかしめることによって固定されている。他の例としては、筒状の部材303と金属細線302とを、はんだ付けにより固定する方法や導電性接着剤により固定する方法が挙げられる。
図7に示される例の異方導電性部材300では、筒状の部材303における孔の開口が設けられた側と反対側の端部が検査用基板に接触する部分をなし、図4に例示された異方導電性部材200と同様に、剛性材料からなる基板側板状部材が設けられ、この基板側板状部材が第二の可動部材301の位置決めを容易にしている。また、筒状の部材303における金属細線302が挿入された側の端部には金属細線302の中心軸に対して直角な方向(弾性ソケットの主面に平行な方向)に突出する鍔部分304が設けられ、使用時に、弾性ソケットに弾性復元力が生じやすくなっている。
図8に示される例の異方導電性部材400では、第二の可動部材401は金属細線402から構成され、金属細線402は弾性ソケットの貫通孔に圧入されている。使用前の状態では、図8(a)に示されるように、金属細線402における弾性ソケットの検査用基板側主面から突出する部分402aが基板接触部107をなし、金属細線402におけるその部分402a以外の部分が軸体部206をなしている。使用状態では、図8(b)に示されるように、弾性ソケットの検査用基板側の主面が検査用基板に接触するように変形し、この変形によって、弾性ソケットに弾性復元力が発生する。このとき、金属細線402は弾性ソケットの貫通孔に圧入されているため、金属細線402における弾性ソケットの貫通孔に圧入されている部分の外側面とそれに対向する貫通孔の内側面との摩擦力により、金属細線402は弾性ソケットに保持され、基板接触部が貫通孔に埋没する可能性が低減されている。
前述のとおり、第二の可動部材に金属細線を利用すれば、直径が30μm程度までの細さを有する軸体部を得ることができる。このような細い第二の可動部材を貫通させる弾性ソケットの貫通孔の直径は、例えば35μm程度にすればよいが、そのような細い貫通孔を弾性ソケットに加工することは容易ではない。そこで、弾性ソケットに細い径の貫通孔を加工することが容易でない場合には、例えば細い針で弾性ソケットに下孔を形成し、その下孔内に金属細線402を圧入することにより、弾性ソケットに第二の可動部材401を貫装させた異方性導電部材400を得ることができる。なお、図8に示される例の異方導電性部材400では、第二の可動部材401は弾性ソケットに圧入されているので、弾性ソケットに対して可動ではないが、第一の可動部材に対しては相対位置が変動可能であるため、この場合も、第二の可動部材401と称する。
また、このように軸体部を金属細線により構成し、金属細線を弾性ソケットの貫通孔に圧入する構造においても、基板接触部を図7に示される例の異方導電性部材300が備える筒状の部材303と鍔部分304から構成し、基板接触部が貫通孔に埋没する可能性をさらに低減してもよい。
図9に示される例の異方導電性部材500では、第二の可動部材501は、金属細線502と、この金属細線502における弾性ソケットの検査用基板側の主面から突出した部分にめっきを施し、突出部分を覆うように形成されためっき層503とから構成される。すなわち、本例においては、基板接触部はこの突出部と突出部上に形成されためっき層503とからなる。また、めっき層503を厚くすることにより、めっき層503が弾性ソケットの検査用基板側の主面と接する面積を増やすことができる。この面積が増加することによって、使用時に、弾性ソケット内に生じる弾性復元力を増やすことができる。
図10に示される例の異方導電性部材600では、第二の可動部材601は金属細線602から構成される。本例では、金属細線602の検査用基板側の端部は、検査用基板に設けられたスルーホール603内に挿入され、検査用基板のスルーホール603に対してはんだ付けによって固定されている。すなわち、本例では検査用基板と基板接触部とが一体化している。
また、図1に示した第一の実施形態に係る異方導電性部材100においても、軸体部を金属細線により構成し、太径部113をめっき層により構成してもよい。図11に示される例の異方導電性部材700では、第二の可動部材701は、金属細線702と、この金属細線702における弾性ソケットの検査対象側の主面より突出した部分にめっきを施し、この突出部分を覆うように形成された検査対象側めっき層703と、さらに金属細線702における弾性ソケットの検査用基板側の主面より突出した部分にめっきを施し、この突出部分を覆うように形成された基板側めっき層704から構成される。すなわち、本例においては、太径部113は金属細線702における弾性ソケットの検査対象側の主面より突出した部分とその突出部上に形成された検査対象側めっき層703とからなり、基板接触部は金属細線702における検査用基板側の主面より突出した部分とその突出部上に形成された基板側めっき層704とからなる。なお、本例以外にも、太径部113を検査対象側めっき層703から構成し、基板接触部は図7に示した筒状の部材303を備える構成であってもよい。
続いて、前述の第一の実施形態に係る異方導電性部材および第二実施形態に係る異方導電性部材の双方について適用可能な構造上の変形例について、第一の実施形態に係る異方導電性部材を具体例として説明する。
図12は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例の一つの断面の一部を概念的に示す図である。
図12に示される異方導電性部材800では、弾性ソケット801の電極接触部側の主面801aには、弾性ソケット801の貫通孔802の開口を含むように座繰り部803が設けられ、この座繰り部803内に第一の可動部材の弾性ソケット側の端部が載置される。図12では具体的な一例として、第一の可動部材の弾性ソケット側の端部に設けられた係止突出部804が座繰り部803内に収納されている。この座繰り部803の内径は第一の可動部材の弾性ソケット側の端部(具体的には係止突出部804)の外径より若干大きいか、ほぼ等しくし、第一の可動部材が載置されたことによって座繰り部803は実質的に拡張されないことが望ましい。座繰り部803を備えることにより、使用状態において、特にオフセット状態で接触した際に、第一の可動部材が傾斜して隣接する第一の可動部材と接触する可能性を低減させることができる。
本発明に係る異方導電性部材は、第一の実施形態に係る異方導電性部材100、第二の実施形態に係る異方導電性部材200、図7に示される異方導電性部材300および図12に示される異方導電性部材800のいずれについても、第二の可動部材の軸体部における弾性ソケット101,801の貫通孔102,802内に配置された部分は、その外径が貫通孔102,802の内径を超える部分を有さない。第二の可動部材がこのような構造を有することにより、軸体部における弾性ソケット内に配置された部分が貫通孔の内側面を押し広げることに起因して弾性ソケット101,801の貫通孔102,802の位置ずれが生じる可能性が低減されている。図9に示される異方導電性部材500の軸体部502、図10に示される異方導電性部材600の軸体部602、および図11に示される異方導電性部材700の軸体部702についても、軸体部502,602、702の外径と弾性ソケットの貫通孔の内径との関係は異方導電性部材100などと同様であってもよい。
図13は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例の別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。
本例に係る異方導電性部材900は、前述の異方導電性部材100などと同様に、第二の可動部材901の軸体部902における弾性ソケットの貫通孔内に配置された部分は、その外径が弾性ソケットの貫通孔の内径を超える部分を有さないが、第二の可動部材901の軸体部902における弾性ソケットの貫通孔内に貫装された部分は、その外径が他の部分よりも大きい部分903を基板接触部側の端部の近位に有する。このような外径が大きい部分903を有することにより、第二の可動部材901の軸体部902を弾性ソケットの貫通孔内に貫通させたときに、この外径が大きい部分903が弾性ソケットの貫通孔に嵌合され、第二の可動部材901の軸体部902が弾性ソケットの貫通孔内で位置ずれを生じる可能性が低減される。この目的を満たす観点から、上記の外径が大きい部分903の外径は弾性ソケットの貫通孔の内径とほぼ等しいことが好ましい。
なお、本発明に係る異方導電性部材は、図8に示される異方導電性部材400と同様に、軸体部における弾性ソケットの貫通孔内に配置された部分の少なくとも一部は、その外径が弾性ソケットの貫通孔の内径以上であって、弾性ソケットの貫通孔内に圧入されたものであってもよい。ただし、この場合には、弾性ソケットの貫通孔の内側面を軸体部が押し広げたことに基づいて生じる弾性ソケットの貫通孔の位置ずれが許容の範囲内になるように留意すべきである。
図14は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のまた別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。
本例に係る異方導電性部材1000では、第一の実施形態に係る異方導電性部材100と、使用前の状態、すなわち、電極接触部が検査対象に付設された電極(例えばはんだボール)と接触する前の状態における弾性ソケットと電極側板状部材との弾性ソケットの厚さ方向の関係が相違する。
本例に係る異方導電性部材1000では、第一の実施形態に係る異方導電性部材100に比べて、弾性ソケット1001と電極側板状部材1002とが近接している。このため、電極側板状部材1002の貫通孔の弾性ソケット1001に対向する側の周縁部が、第一の可動部材の係止突出部を弾性ソケットの厚さ方向中心側に押し込んでいる。この電極側板状部材1002による係止突出部の押し込みによって弾性ソケット1001はその厚さ方向に圧縮され、電極接触部および基板接触部にはこの押し込みに対する弾性復元力が弾性ソケット1001から付与されている。このように使用前の状態において電極接触部および基板接触部に弾性復元力を付与することをプリロードと呼ぶ。
かかるプリロード構成を備えることにより、本例に係る異方導電性部材1000では、基板接触部が検査用基板に対して常に一定以上の圧力で接触しているため、基板接触部と検査用基板との隙間に異物が入り込むことが防がれ、基板接触部と検査用基板との接触不良の発生が抑制される。
図15は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらに別の一つについて、(a)使用前の状態および(b)使用中の状態の断面の一部を概念的に示す図である。
図15に示される例に係る異方導電性部材1100は、弾性ソケットの検査用基板に対する位置の固定方法に特徴を有する。すなわち、図15(b)に示されるように、電極接触部および基板接触部1101が弾性ソケットの厚さ方向に近接するように電極接触部に外力が付与されたとき、具体的には、検査対象に付設された電極(例えばはんだボール)が電極接触部を弾性ソケットの厚さ方向中心側に押し込んだときに、電極接触部および基板接触部1101の双方が弾性ソケットの厚さ方向の弾性ソケット中心向きに変動するように、弾性ソケットは、検査用基板に対して、弾性ソケットの厚さ方向に変動可能に取り付けられている。かかる構成の場合には、弾性ソケットの電極接触部側の主面と基板接触部1101側の主面とが同程度に圧縮されうる。このため、異方導電性部材1100が備える基板接触部1101は、前述の異方導電性部材における基板接触部などに比べて、弾性ソケットの基板接触部1101側の主面から弾性ソケットの厚さ方向に長く突出している。
弾性ソケットを構成する材料であるゴムやエラストマーなどのラバーは、おおよそ弾性体の硬度に逆比例して、圧縮量と弾性とが比例して変化する圧縮量の範囲(以下、「線形領域」ともいう。)が決まっており、線形領域を超えて圧縮すると圧縮量と弾性は非線形に変化し、この非線形領域では圧縮量に対して弾性が急激に増加する。そのため、弾性ソケットを非線形領域で使用すると、電極接触部1101とこれに接触する検査対象に付設された電極(例えばはんだボール)との間に加わる荷重が急激に増加し、最悪の場合には電極の損傷などの問題が発生する。
本発明に係る異方導電性部材においては、図15に示される異方導電性部材1100のように弾性ソケットが両方の主面側から圧縮可能である場合には、一方の主面側からのみ圧縮可能な構成の場合に比べて、線形領域となる可動範囲を最大2倍に拡張することが実現される。
なお、図15に示される例に係る異方導電性部材1100は基板接触部1101側の主面においても弾性ソケットは相当量圧縮されることから、基板接触部1101の検査用基板に対する相対位置が不安定になることが懸念される場合もある。そこで、図16に示されるように、弾性ソケットと検査用基板1104との間に剛性材料からなる基板側板状部材1102を設けてもよい。この基板側板状部材1102は基板接触部1101に対応した配置で貫通孔1103を有し、基板接触部1101は、少なくともその一部が、基板側板状部材1102の貫通孔1103内に配置される。このため、基板接触部1101の検査用基板1104に対する位置ずれや傾きが生じにくくなる。なお、図16では基板側板状部材1102は検査用基板1104上に載置され、貫通孔1103内には基板接触部1101の端部が位置しているが、これは一例であって、基板側板状部材1102は弾性ソケットと検査用基板1104との間の任意の位置に設けられてもよい。
図17は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらに別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。図17に示される例に係る異方導電性部材1200は、第一の可動部材1201および電極側板状部材1202に特徴がある。
本発明に係る異方導電性部材は、第一の可動部材を構成する電極接触部をその他の部分(筒体部など)とは別体として形成し、これらをカシメなどの方法により固定してもよいし、第一の可動部材を一体に加工してもよい。また、図1に示される例のように、第一の可動部材の係止突出部を筒体部の外側面の一部から突出するように形成することが容易でない場合には、図17に示される異方導電性部材1200のように、第一の可動部材1201は筒体部の外側面の一部から突出するような係止突出部を有さない構造であってもよい。その場合には、電極接触部1203とその他の部分(図17では筒体部1204)との接続部分に段差部1205を設け、その段差部1205が係止突出部として機能するようにしてもよい。この場合において、図17に示される異方導電性部材1200では、一具体例として、第一の可動部材1201が長いため、電極側板状部材1202には、その貫通孔1206における弾性ソケット側の開口を含むように座繰り部1207が設けられている。そして、この座繰り部1207の底部1208に対して係止突出部をなす第一の可動部材1201の段差部1205が接することで、第一の可動部材1201は係止されている。このような構成の場合には、弾性ソケットの厚さ方向を法線としこの係止突出部を含む面における第一の可動部材の断面形状の外接円の直径(図17に示される第一の可動部材では、段差部1207が係止突出部をなすため、この直径は筒体部の外径に等しい。)は、電極側板状部材1202の貫通孔1206の座繰り部側端部の開口径よりも大きく、座繰り部1207の内径よりも小さい。
図18は、本発明に係る異方導電性部材に適用可能な構造上の変形例のさらにまた別の一つの断面の一部を概念的に示す図である。図18に示される例に係る異方導電性部材1300は、第一の可動部材1301の第一の摺動面1302に特徴がある。本例に係る異方導電性部材1300の第一の可動部材1301には、弾性ソケット側の端部近傍に、その中空1303の内側面から筒体部1305の中心軸側に突出する突起部1304が一つ以上(図18に示される例では2つ)設けられ、この突起部1304が縮径部を構成し、突起部1304の突出先端部分の面が第一の摺動面1302を構成している。図18に示される例では、突起部1304が弾性ソケットの厚さ方向に複数形成されているため、第一の可動部材1301の第一の摺動面1302は、弾性ソケットの厚さ方向に不連続な複数の面から構成されている。なお、このような場合における第一の摺動面の長さとは、第一の摺動面1302を構成する複数の面のうち、弾性ソケットに最も近位な面の弾性ソケット側端部と、弾性ソケットから最も遠位な面の弾性ソケット側と反対側の端部との間の、弾性ソケットの厚さ方向の長さを意味するものとする。
図18に示される例では、突起部1304は筒体部1305の外側面をかしめることによって形成されている。このようにカシメによって突起部1304を形成する場合には、第一の可動部材1301が縮径部を備えることが容易に実現される。
突起部1304の具体的な形状は任意である。突起部1304は、第一の可動部材1301の中空1303の内側面の一部をリング状に(一周全体を)変形させることによって形成されていてもよいし、第一の可動部材1301の中空1303の内側面の一部をバンプ状あるいは円弧状に突出させることによって形成されていてもよい。ここで円弧状とは、突起部1304の形状がバンプ状よりも緩やかな円弧状であることを意味する。図18に示される例のように、カシメによって突起部1304が形成される場合には、リング状にかしめてもよいし、複数の点(例えば、3点、4点など)でかしめてもよい。第一の可動部材1301の中空1303の内側面の一部をバンプ状あるいは円弧状に変形させることにより突起部1304を形成する場合には、弾性ソケットの厚さ方向を法線とし突起部1304を含む面における縮径部の断面形状は特に限定されないが、いずれの突起部1304を含む面についても、その面での断面形状の内接円の中心と筒体部1305の中心とがほぼ一致するように形成されることが、第一の可動部材1300の中心軸と第一の可動部材1300の可動方向とのずれが少なくなるため、好ましい。
図18では、第一の可動部材1301の筒体部1305をかしめることによって縮径部1304を構成しているが、第一の可動部材1301の中空1303の内側面に、例えば部分めっきなどの手法によりその内側面から突出する部材を付設し、その部材によって縮径部1304を構成してもよい。
100 異方導電性部材
101 弾性ソケット
102 弾性ソケットの貫通孔
103 電気貫通部
104 第一の可動部材
105 第二の可動部材
106 電極接触部
107 基板接触部
108 第二の可動部材の鍔部分
109 第一の摺動面
110 第二の摺動面

Claims (24)

  1. 絶縁体からなり弾性を有する板状の弾性ソケットと、前記弾性ソケットが有する複数の貫通孔のそれぞれに対応して設けられ、前記貫通孔を貫通する部分を有して前記弾性ソケットの厚さ方向に電流を通過させる複数の電気貫通部とを備える異方導電性部材であって、
    前記電気貫通部は、電気的に接続しつつ前記弾性ソケットの厚さ方向に相対位置を変動可能な第一の可動部材および第二の可動部材を備え、
    前記第一の可動部材は、検査対象物に付設された電極に接触するための電極接触部を前記検査対象物と対向する側の端部に備え、
    前記第二の可動部材は、検査装置の検査用基板に接触するための基板接触部を前記検査用基板と対向する側の端部に備え、
    前記電極接触部および前記基板接触部を前記弾性ソケットの厚さ方向に近接させる外力が付与されたときにこれらを離間させる向きの弾性復元力が前記弾性ソケットに生じるように、前記第一および第二の可動部材は前記弾性ソケットの一部を圧縮可能に配置され、
    前記電気貫通部は、前記第一の可動部材に設けられた第一の摺動面と前記第二の可動部材に設けられた第二の摺動面とが前記弾性ソケットの厚さ方向に相互に摺動する摺動接触構造を備え、当該摺動接触構造によって、前記電極接触部と前記基板接触部との距離は、これらの接触部の電気的接続を維持したまま前記弾性ソケットの厚さ方向に変動可能であり、
    前記第一の可動部材は、前記電極接触部から前記弾性ソケットの厚さ方向に延設され中空を有する筒体部を備え、当該筒体部の前記電極接触部側と反対側の端部は開口を有し、前記筒体部の前記開口を有する端部側の内側面の少なくとも一部が前記第一の摺動面をなし、前記筒体部の前記開口を有する側の端面が前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と接するように、前記第一の可動部材は前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面上に載置され、
    前記第二の可動部材は、前記基板接触部から前記弾性ソケットの厚さ方向に延設される軸体部を備え、当該軸体部の前記基板接触部側の端部と反対の端部側の外側面の少なくとも一部が前記第二の摺動面をなし、前記軸体部における前記第二の摺動面をなす外側面を有する側の端部を含む一部は前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面から突出して前記第一の可動部材の前記中空内に挿入され、前記軸体部におけるその他の部分は前記弾性ソケットの前記貫通孔内に配置され、
    前記第一の摺動面における前記第二の摺動面と摺動接触可能な前記弾性ソケットの厚さ方向の長さである第一の摺動面の長さと前記第二の摺動面における前記第一の摺動面と摺動接触可能な前記弾性ソケットの厚さ方向の長さである第二の摺動面の長さの何れか一方が他方より短いことにより、前記第一の可動部材は、前記軸体部を塑性変形させることなく前記弾性ソケットの厚さ方向に対して傾くことが可能とされていることを特徴とする異方導電性部材。
  2. 前記第一の摺動面の長さよりも前記第二の摺動面の長さの方が短い、請求項1に記載の異方導電性部材。
  3. 前記第二の可動部材の前記軸体部は他の部分よりも直径が大きい太径部を有し、当該太径部の外側面が前記第二の摺動面をなす、請求項2に記載の異方導電性部材。
  4. 前記太径部は、前記軸体部における前記筒体部内に挿入された側の端部を含むように設けられている、請求項3に記載の異方導電性部材。
  5. 前記太径部の直径は前記弾性ソケットの前記貫通孔の内径より大きく、前記貫通孔は前記太径部との接触により変形可能とされ、前記太径部は、前記貫通孔の当該変形により前記貫通孔を貫通して前記筒体部内に挿入された、請求項3に記載の異方導電性部材。
  6. 前記軸体部は金属細線を備え、前記太径部は、当該金属細線の一部およびその一部の外側面上に形成されためっき層からなる、請求項4に記載の異方導電性部材。
  7. 前記軸体部における前記太径部とその他の部分との段差部が前記弾性ソケットの前記貫通孔の開口の縁部に係止されることにより、前記第二の可動部材は前記貫通孔から前記基板接触部側に脱離することが防止されている、請求項5または6に記載の異方導電性部材。
  8. 前記第二の摺動面の長さよりも前記第一の摺動面の長さの方が短い、請求項1に記載の異方導電性部材。
  9. 前記第一の可動部材の前記筒体部の中空は、他の部分よりも内径が小さい縮径部を有し、当該縮径部の内側面が前記第一の摺動面をなす、請求項8に記載の異方導電性部材。
  10. 前記縮径部は、前記筒体部の前記開口を有する側の端部を含むように設けられている、請求項9に記載の異方導電性部材。
  11. 前記軸体部は金属細線を備える、請求項8から10のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  12. 前記基板接触部は前記金属細線の一部および前記金属細線とは別体の部材からなり、当該金属細線とは別体の部材は前記金属細線の一部に固定された、請求項11に記載の異方導電性部材。
  13. 前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面には、前記貫通孔の開口を含むように座繰り部が設けられ、当該座繰り部内に前記第一の可動部材の前記弾性ソケット側の端部が載置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  14. 前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分は、その外径が前記貫通孔の内径を超える部分を有さない、請求項1から13のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  15. 前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分は、その外径が他の部分よりも大きい部分を前記基板接触部側の端部の近位に有する、請求項14に記載の異方導電性部材。
  16. 前記軸体部における前記貫通孔内に配置された部分の少なくとも一部は、その外径が前記貫通孔の内径以上であって、前記貫通孔内に圧入されたものである、請求項1から13のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  17. 前記基板接触部の前記軸体部側の端面の少なくとも一部が前記弾性ソケットの前記基板接触部側の主面に接するように、前記基板接触部は、前記弾性ソケットの前記基板接触部側の主面の面内方向に突出する部分を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  18. 前記弾性ソケットにおける前記電極接触部側の主面にその一方の主面が対向するように設けられた、剛性材料からなる電極側板状部材を前記異方導電性部材はさらに備え、当該電極側板状部材は前記電極接触部に対応した配置で貫通孔を有し、前記電極接触部が前記電極側板状部材における前記弾性ソケットに対向する側と反対の主面から突出するように、前記第一の可動部材は前記電極側板状部材の貫通孔に貫装される、請求項1から17のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  19. 前記電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と前記電極側板状部材との間にその外側面の一部から突出する係止突出部を有し、前記弾性ソケットの厚さ方向を法線とし当該係止突出部を含む面における前記第一の可動部材の断面形状の外接円の直径は、前記電極側板状部材の貫通孔の前記弾性ソケット側端部における開口径よりも大きい、請求項18に記載の異方導電性部材。
  20. 前記電極側板状部材の前記弾性ソケット側の主面には、前記貫通孔の開口を含むように座繰り部が設けられ、当該電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記弾性ソケットの前記電極接触部側の主面と当該座繰り部の前記貫通孔側の端面との間にその外側面の一部から突出する係止突出部を有し、前記弾性ソケットの厚さ方向を法線とし当該係止突出部を含む面における前記第一の可動部材の断面形状の外接円の直径は、前記電極側板状部材の貫通孔の前記座繰り部側端部における開口径よりも大きく、前記座繰り部の内径よりも小さい、請求項18に記載の異方導電性部材。
  21. 前記電極側板状部材の貫通孔に貫装された前記第一の可動部材は、前記電極接触部と前記筒体部との接続部分に段差部を有し、当該段差部が前記係止突出部をなす、請求項19または20に記載の異方導電性部材。
  22. 前記電極接触部が前記検査対象物に付設された電極と接触する前の状態において、前記電極側板状部材の貫通孔の前記弾性ソケットに対向する側の周縁部が前記係止突出部を前記弾性ソケットの厚さ方向中心側に押し込むことにより、前記電極接触部および前記基板接触部にはこの押し込みに対する弾性復元力が前記弾性ソケットから付与されている、請求項19から21のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  23. 前記電極接触部および前記基板接触部を前記弾性ソケットの厚さ方向に近接させる外力が前記電極接触部に付与されたときに、前記電極接触部および前記基板接触部の双方が前記弾性ソケットの厚さ方向の前記弾性ソケット中心向きに変動するように、前記弾性ソケットは、前記検査用基板に対して、前記弾性ソケットの厚さ方向に変動可能に取り付けられるものである、請求項17から21のいずれか一項に記載の異方導電性部材。
  24. 前記第一の可動部材の前記縮径部は、前記筒体部の内側面から前記筒体部の中心軸側に突出した一つ以上の突起部からなり、当該突起部の突出先端部分の面が前記第一の摺動面を構成している、請求項9または10に記載の異方導電性部材。
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