JP5156293B2 - 耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼とその製造方法に関するものである。
SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性と加工性に優れたステンレス鋼であり、厨房機器、家電製品、電子機器など幅広い分野で最も一般的に使用されている。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は、希少で高価なNiを多量に含有するため、将来にわたっての普及性と経済性には問題がある。
一方、近年、精錬技術の向上により極低炭素・窒素化が可能となり、TiやNbなどの安定化元素の添加により、耐食性と加工性を高めたフェライト系ステンレス鋼は広範囲の分野へ適用されつつある。その大きな要因は、フェライト系ステンレス鋼が多量のNiを含有するオ−ステナイト系ステンレス鋼よりも経済性に優れるためである。しかしながら、フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼と比較して加工性、特に材料の伸び、均一伸びという点で大きく劣る。
そこで、上記オーステナイト系とフェライト系の中間に位置するオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が、近年、注目されている。従来、SUS329J4Lに代表されるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、5%を超えるNiを含有し、更にNiより希少で高価なMoを数%含有するため、普及性と経済性の点で依然として問題がある。
この問題に対応するものとして、Moを選択添加元素とし、Ni量を、特許文献1には0.1%超1%未満、特許文献2には0.5%以上1.7%以下に制約するオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が開示されている。これらオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼は、低Ni化を指向するために、0.1%を超えるNを含有し、かつMn量を実質的に3.7%超としている。
特許文献3と特許文献4には、全伸びや深絞り性の向上を意図して、実質的にNi量を3%以下に制約し、オーステナイト相中のC+Nや成分バランスを調整したオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼が開示されている。また、関係するものとして、特許文献5には、実質的にN量を0.06%未満とし、フェライト相を母相として残留オーステナイト相を20%未満含む延性に優れたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特許文献6と特許文献7には、特許文献3および特許文献4と類似のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼において、耐隙間部腐食性および耐粒界腐食性の改善について開示されている。特許文献6は、Mn量を2%未満に制約し、0.5%超のNi量を添加した場合に実質的に0.3%を超えるN量を含むオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼で、海岸にほど近い屋外環境(暴露試験)で発生する隙間部の腐食を抑制している。他方、特許文献7は、Mn量を2%超4%未満として実質的にNi量が0.6%未満の場合にN量を0.15%未満としたオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼で、硫酸・硫酸銅溶液中で沸騰させた後の粒界割れを抑制している。
特許文献8には、臨界地域の大気環境下での耐候性を改善した二相ステンレス鋼が開示されている。この二相ステンレス鋼は、実質的に4%を超えるMn量、あるいは4%未満のMn量で3%を超えるNi量を含むものである。
上述したいずれの公報にも、最も一般的に使用される屋内の中性塩化物環境における耐食性について何ら示唆する記述がない。具体的には、中性塩化物環境における耐食性の指標となる孔食電位の記載などは見当たらない。言い換えると、低Ni化を指向したフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を具備し、加工性に優れた鋼の成分ならびにその製造方法については明らかにされていないのが現状である。
特開平11−071643号公報 WO/02/27056号公報 特開2006−169622号公報 特開2006−183129号公報 特開平10−219407号公報 特開2006−200035号公報 特開2006−233308号公報 特開平5−247594号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み、低Ni化を指向したフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、耐食性、特に中性塩化物環境での耐食性に優れ、かつ加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究し、その結果鋼の成分およびフェライト相とオーステナイト相の相バランスを規定し、仕上げ焼鈍条件をコントロ−ルすることにより、中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を具備し、優れた材料の伸び、特に優れた均一伸びを具備する、耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼が得られることを見出して、本発明を完成した。
その発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 質量%にて、
C:0.001〜0.1%、
Cr:17〜25%、
Si:0.01〜1%、
Mn:0.5〜3.7%、
N:0.06%以上、0.15%未満を含有し、
下記式(1)で示される耐孔食指数(PI値)が18%超を満足し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率が15〜50%であることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
耐孔食指数(PI値)=Cr+3Mo+10N−Mn・・・・・(1)
(2)前記鋼が、さらに質量%にて、Ni:0.6〜3%、Cu:0.1〜3%の2種を含有していることを特徴とする(1)に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
(3)前記鋼が、さらに質量%にて、
Mo:1%以下、
Nb:0.5%以下、
Ti:0.5%以下、
Al:0.1%以下、
B:0.01%以下、
Ca:0.01%以下、
Mg:0.01%以下
の1種または2種以上含有していることを特徴とする(1)または(2)に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
(4)30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100が0.3V(Vv.s.AGCL)以上であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
(5)引張試験における均一伸びが30%以上であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
(6)(1)から(3)のいずれかに記載の鋼成分を有するステンレス鋼塊を熱間鍛造あるいは熱間圧延により熱延鋼材とし、熱延鋼材の焼鈍を行った後、冷間加工と焼鈍を繰り返す鋼材の製造方法において、仕上げ焼鈍を950〜1150℃に加熱・保持し、加熱温度から200℃までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とすることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
(7)(1)から(3)のいずれかに記載の鋼成分を有するステンレス鋼塊を熱間鍛造あるいは熱間圧延により熱延鋼材とし、熱延鋼材の焼鈍を行った後、冷間加工と焼鈍を繰り返す鋼材の製造方法において、仕上げ焼鈍で950〜1150℃に加熱・保持した後、600℃までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、200〜600℃の温度域にて1分以上滞留した後、滞留した温度から室温までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とすることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
(8)フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とし、かつ、30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100を0.3V(Vv.s.AGCL)以上とすることを特徴とする(6)または(7)に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
(9)フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とし、かつ、引張試験における均一伸びを30%以上とすることを特徴とする(6)から(8)のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
以下の説明では、上記(1)〜(5)の鋼に係わる発明および(6)〜(9)の製造方法に係わる発明をそれぞれ本発明という。また、(1)〜(9)の発明を合わせて、本発明ということがある。
本発明によれば、低Ni化を指向し、Niより希少で高価なMoを選択添加元素としたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の成分およびフェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率が15〜50%と体積分率を規定し、仕上げ焼鈍条件をコントロールすることにより、中性塩化物環境でSUS304と同等以上である30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100が0.3V(Vv.s.AGCL)以上の耐食性を具備し、優れた材料の伸び、特に、引張試験における均一伸びが30%以上の優れた均一伸びを具備する、耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を得ることができるという顕著な効果を奏するものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、低Ni化を指向したフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性と加工性に及ぼす成分と相バランスならびに耐食性に及ぼす仕上げ焼鈍条件の影響について鋭意研究を行い、本発明を完成させた。以下にその代表的な実験結果について説明する。
表1に成分を示すフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を真空溶解して得たステンレス鋼塊を熱間圧延し、5mm厚の熱延板を製造した。熱延板焼鈍は1000℃で行い、酸洗後に冷間圧延して1mm厚の冷延板を作製した。冷延板焼鈍は1000℃で実施し、冷却は強制風冷により1000℃から200℃までの平均冷却速度を35〜40℃/秒の範囲とした。冷延焼鈍板は、オーステナイト(γ)相の体積分率測定、孔食電位の測定、JIS13B引張試験に供した。比較材として1mm厚のSUS304および極低C、N化したSUS430LXを用いた。なお、Mnを比較的多く含有する本鋼の耐孔食指数(PI値)はCr+3Mo+10N−Mn(%)により計算した。
γ相の体積分率(以下、γ相率と記載する)は、板断面においてEBSP法によりfccとbccの結晶構造を同定する相マップの測定により求めた。孔食電位は、30℃、3.5%NaCl水溶液中で#500研磨面を評価面としてVc’100(Vv.s.AGCL)を測定した。孔食電位の測定値はn3の平均値とした。JIS13B引張試験は、圧延方向から引張試片を採取し、引張速度20mm/分(JIS Z 2241で規定する引張速度の範囲)でくびれが生じるまでの均一伸びを測定した。
表1には、鋼成分に加えて、上述したγ相率、Vc’100、均一伸びの測定結果を示している。表1から明らかなように、鋼No.1は、孔食電位0.38V、均一伸び35%であり、中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を有し、極低C、N化により加工性を高めたSUS430LXと比較して均一伸びは大幅に向上している。
一方、鋼No.2〜6は、SUS430LXより十分高い均一伸びを有するものの、孔食電位はSUS430LXと同等以下でありSUS304と比較して大きく劣る。孔食電位の劣化した鋼の成分は、(i)Si量が1%超と高い(鋼No.2)、(ii)Mn量が3.8%と高い(鋼No.3)、(iii)N量が0.15%と高い(鋼No.4)、(iV)耐孔食指数(PI値)が18%未満(鋼No.5)、(V)N量が0.16%と高くかつγ相率が50%超である(鋼No.6)という特徴を持つ。
Figure 0005156293
図1は、鋼No.1において、仕上げ焼鈍の冷却速度と孔食電位の関係を示している。SUS304と同等以上の孔食電位(0.3V以上)を得るには、冷却速度を3℃/秒以上に制約する必要がある。更に、図中の黒丸で示すように500℃で1分間滞留する冷却方法を実施したものは、滞留なしに冷却速度5℃/秒で連続的に冷却した場合より高い孔食電位を有するという特徴を持つ。
前記0025項から0028項に記載した実験結果を説明するために、光学顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた詳細な組織解析を行った。
先ず、板断面を樹脂に埋め込み研磨した後、赤血塩溶液(商標名:村上試薬)でエッチングして更にシュウ酸電解エッチングを施して光学顕微鏡観察に供した。赤血塩溶液にてエッチングすると、フェライト相は灰色、オーステナイト相は白色で判別することができる。更に、シュウ酸電解エッチングすると、鋭敏化している場合には粒界腐食が確認できる。次に、同試料をSEM−EDS分析により、フェライト相とオーステナイト相における金属元素の分析を行った。最後に、同試料を抽出レプリカTEM法により析出物を同定した。
γ相の体積分率は、板断面においてEBSP法によりfccとbccの結晶構造を同定する相マップの測定方法での詳細な組織解析、及び、30℃、3.5%NaCl水溶液中で#500研磨面を評価面としてVc’100(Vv.s.AGCL)を測定する孔食電位の測定方法(なお、孔食電位の測定値はn3の平均値とした)、並びに、JIS13B引張試験により、圧延方向から引張試片を採取し、引張速度20mm/分(JIS Z 2241で規定する引張速度の範囲)でくびれが生じるまでの均一伸びを測定する方法を実施した結果、前記した表1および図1の実験結果を説明する下記の知見を得るに至った。
(a)鋼No.2、4、6のフェライト粒界ならびにフェライト・オーステナイト粒界には、鋭敏化による粒界腐食が確認された。更に、結晶粒界には、Cr窒化物の析出が観察された。従って、孔食電位の低下は、Cr窒化物の析出に伴う鋭敏化に起因すると解釈できる。すなわち、Si量(1%超)あるいはN量(0.15%以上)を高めると、結晶粒界へのCr窒化物の析出感受性が高くなり、孔食電位は耐孔食指数のPI値に相反して低くなる。
(b)PI値に関係するCr量やMn量は、フェライト相とオーステナイト相において分配が異なる。例えば、鋼No.1、2、4、6の場合、Cr量はフェライト相で22〜23%、オーステナイト相で18〜19%、一方、Mn量はフェライト相で約3%、オーステナイト相で約4%であった。鋼No.4と6は、同程度のN量にもかかわらず、No.6の孔食電位は低位である。これら孔食電位の低下は、前記(a)で述べた鋭敏化に加えて、Cr量が低く、Mn量の高いγ相率が50%超と多いことも関与していると推察する。すなわち、Cr量が低く、Mn量の高いオーステナイト相を多く生成させると、耐食性に劣る可能性が示唆される。
(c)鋼No.3には、他の鋼と比較して長辺5μmを超える大きいMn系硫化物が散在した。これより、孔食電位の低下は、Mn量が高い(3.8%)ことで生成した比較的大きいMn系硫化物が孔食の起点として作用したと考えられる。
(d)鋼No.1と5は、前記した鋭敏化や比較的大きいMn系硫化物のいずれも確認されなかった。従って、鋼No.5の孔食電位の低下は、PI値の低い(<18%)ことに起因するところが大きいものと考えられる。
(e)鋼No.1の孔食電位は、図1で示したように冷却速度の低下により小さくなる。冷却速度5℃/秒以下の場合、シュウ酸電解エッチングで明瞭な粒界腐食を確認するには至らないまでも、TEM観察において結晶粒界に僅かなCr窒化物の存在が見出された。これより、孔食電位の低下にはCr窒化物の析出が関与していると考えられる。
(f)鋼No.1の孔食電位は、図1の黒丸で示したように連続的に冷却するよりも500℃で一旦滞留した方が向上している。500℃で滞留させた場合、前記(e)で述べたCr窒化物の存在が見られなかった。このことは、フェライト・オーステナイト粒界近傍において過飽和に存在するNが、500℃の滞留時に固溶限の大きいオーステナイト粒へ拡散することによりCr窒化物の析出を抑制したものと推察する。
(g)加工性の指標となる材料の均一伸びは、表1から明らかなようにγ相率の増加とともに上昇する傾向にある。但し、50%を超えるγ相率の場合、SUS304に匹敵する高い均一伸びが得られるものの、(b)項で述べたように耐食性の低下が著しい。20〜35%のγ相率の場合、金属組織は、フェライト相を母相として楕円から円形のオーステナイト相が満遍なく分散する形態となる。このようにオーステナイト相が分散した金属組織は、通常SUS329J4Lなどの二相ステンレス鋼で見られるフェライト/オ−ステナイト相の層状組織と比較して高い均一伸びが得られる。
前記(1)〜(7)の本発明は、上記(a)〜(g)の知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)成分の限定理由を以下に説明する。
Cは、オーステナイト相の体積分率を高めると共に、オーステナイト相中に濃化して、オーステナイト相の安定度を高める元素である。上記効果を得るためには、0.001%以上含有させる。しかし、0.1%を超えると、Cを固溶させるための熱処理温度が著しく高くなるとともに、炭化物の粒界析出による鋭敏化を生じやすくなる。そのため、0.1%以下とする。好ましくは0.05%以下である。
Crは、耐食性を確保する必須元素であり、本発明の目的とする耐食性を発現させるために下限は17%とする。しかし、25%を超えると、靭性の低下、伸びの低下が生じるとともに、鋼中にオーステナイト相を生成させることが困難になる。そのため、25%以下とする。耐食性と加工性ならびに製造性の点から、好ましくは、19〜23%である。より好ましくは、20〜22%である。
Siは、脱酸元素として添加される場合がある。上記効果を得るためには、0.01%以上含有させる。しかし、1%を超えると、本発明の目的とする耐食性を確保することが困難になる。そのため、1%以下とする。過度の添加は精錬コストの増加にも繋がる。耐食性と製造性の点から、好ましくは、0.02〜0.6%である。より好ましくは、0.05〜0.2%である。
Mnは、オーステナイト相の体積分率を高めると共に、オーステナイト相中に濃化して、オーステナイト相の安定度を高める元素である。また、脱酸剤としても有効な元素である。上記効果を得るためには、0.5%以上含有させる。しかし、3.7%を超えると、本発明の目的とする耐食性を確保することが困難になる。そのため、3.7%以下とする。耐食性や加工性ならびに製造性の点から、好ましくは、2〜3.5%である。より好ましくは、2.5〜3.3%である。
Nは、Cと同様に、オーステナイト相の体積分率を高めると共に、オーステナイト相中に濃化して、オーステナイト相を安定化する元素である。また、オーステナイト相に固溶して耐孔食性を高める元素である。上記効果を得るために下限は0.06%とする。しかし、0.15%以上添加すると、鋼材に含まれるクロム窒化物が、0.1質量%を超え、そのクロム窒化物のほとんどが結晶粒界に析出して、クロム欠乏層を形成する要因となるため、本発明の目的とする耐食性を確保することが困難になる。
そのため、0.15%未満とする。また、Nの添加は溶解時のブローフォール発生や熱間加工性を低下させる。耐食性や加工性ならびに製造性の点から、好ましくは、0.07〜0.14%である。より好ましくは、0.08〜0.12%である。
中性塩化物環境における耐孔食指数(PI値)は、下記式(1)により計算する。
耐孔食指数(PI値)=Cr+3Mo+10N−Mn(%)・・・・・(1)
(なお、上記式中のCr、Mo、N、Mnは夫々の元素の質量%を意味し、含有されていない元素は0とする。)
例えば、「ステンレス鋼便覧第3版」、p.622、ステンレス協会編 に記述されているように、Crに対するMoの係数は3倍、Crに対するNの係数は10倍を採用した。MnのCrに対する係数は、例えば、材料とプロセス、vol.18(2005)、607 に記述されている−1を用いた。本発明の目的とする中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を具備するためには、Cr+3Mo+10N−Mn>18(%)とする。好ましくは、19%以上とする。
Niは、オーステナイト生成元素であり、本発明の目的とする耐食性や加工性の確保に有効な元素である。添加する場合は、上記効果を得るために0.6%以上とする。3%を超えると、原料コストの上昇を招く他、コストに見当たった効果を得ることが困難である。そのため、添加する場合は3%以下とする。耐食性や加工性ならびに経済性の点から、好ましくは、0.7〜2.8%である。より好ましくは、0.9〜2.0%である。
Cuは、Mn、Niと同様にオーステナイト生成元素であり、本発明の目的とする耐食性や加工性の確保に有効な元素である。特に、Niと複合添加して耐食性を向上させるのに有効な元素である。添加する場合は、Niと複合添加として、上記効果を得るために0.1%以上とする。3%を超えると、原料コストの上昇を招く他、コストに見当たった効果を得ることが困難である。そのため、添加する場合は3%以下とする。耐食性や加工性ならびに経済性の点から、好ましくは、0.3〜1%である。より好ましくは、0.4〜0.6%である。
Moは、耐食性を向上させるために適宜添加することができる。上記効果を得るためには、0.2%以上添加することが好ましい。しかし、1%を超えると、経済性を損なう場合がある。そのため、添加する場合は1%以下とする。耐食性と経済性の点から、好ましくは、0.2〜0.8%である。
TiとNbは、CやNによる鋭敏化を抑制して耐食性を向上させるために適宜添加することができる。上記効果を得るためには、夫々0.01%以上添加することが好ましい。しかし、0.5%を超えると、経済性を損なう他、オーステナイト相率の低下とフェライト相の硬質化により加工性を損なう場合がある。そのため、添加する場合は夫々0.5%以下とする。耐食性と加工性の点から、より好ましくは、夫々0.03〜0.3%である。さらに好ましくは、夫々0.05〜0.1%である。
Alは、強力な脱酸剤であり、適宜添加することができる。上記効果を得るためには、0.001%以上添加することが好ましい。しかし、0.2%を超えると、窒化物を形成して表面疵や耐食性低下の要因となる場合がある。そのため、添加する場合は0.2%以下とする。製造性や耐食性の点から、より好ましくは0.005〜0.1%である。
B、Ca、Mgは、熱間加工性を向上させるために適時添加することができる。上記効果を得るためには、夫々0.0002%以上添加することが好ましい。しかし、夫々0.01%を超えると、耐食性が著しく低下する場合がある。そのため、添加する場合は夫々0.01%以下とする。熱間加工性と耐食性の点から、より好ましくは夫々0.0005〜0.005%である。
さらに、本発明のステンレス鋼は、上記の成分以外に、不可避的不純物の一部としてP、Sを下記の範囲で含有してもよい。P、Sは、熱間加工性や耐食性に有害な元素である。Pは、0.1%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.05%以下である。過度の低下は、精錬や原材料コストの増加を招くため下限は0.005%が好ましい。Sは、0.01%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.005%以下である。過度の低下は、精錬や原材料コストの増加を招くため下限は0.0005%が好ましい。
(B)金属組織に関する限定理由を以下に説明する。
本発明のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、(A)項で述べた成分を有し、耐食性と加工性を向上させるために、オーステナイト相の体積分率(以下、γ相率)を規定したものである。
γ相率は、前記で述べたように、EBSP法により求めることができる。EBSP法は、例えば、顕微鏡;鈴木清一、Vol.39、No.2、121〜124に記載されているように、オーステナイト相(fcc)とフェライト相(bcc)の結晶系データを指定し、相毎に色づけした相分布マップを表示する。これにより、オーステナイト相の分散状態を把握し、γ相率を求めることが出来る。試料は板断面、測定は倍率500、ステップ間隔は10μmとした。
γ相率の上限は、前記したように本発明の目的とする耐食性を確保するために、50%以下とする。γ相率の下限は、材料の均一伸びを向上させるために、15%以上とする。好ましくは20%以上である。耐食性と伸びの点から、より好ましくは30〜40%の範囲である。
オーステナイト相の分散状態は、特に規定するものではないが、材料の均一伸びを向上させる点から、フェライト/オーステナイト相の層状組織ではなく、フェライト相を母相として100μm未満の楕円から円形のオーステナイト相が分散している形態が好ましい。より好ましくは、50μm未満のオーステナイト相が分散しているものとする。
本発明の成分と前記した金属組織を有するフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性の指標である孔食電位が0.3V以上、加工性の指標となる均一伸びが30%以上となり、上限は50%とすることが可能で、SUS304と同等以上の中性塩化物環境の耐食性と、SUS430LXより大幅に高いSUS304に近い加工性を得ることができる。孔食電位と均一伸びの測定条件は、段落0027に記載したものとする。
(c)製造方法に関する限定理由を以下に説明する。
(A)項の成分と(B)項で述べた金属組織を有するフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、本発明の目的とする耐食性と加工性を発現するためには、以下の製造条件が好ましい。
本製造に供する熱延鋼材は、前記(A)の成分を有していれば、特に限定するものではない。冷間加工後の仕上げ焼鈍は、950〜1150℃に加熱・保持することが好ましい。950℃未満の場合、加工組織の再結晶が不十分となる場合がある。1150℃超の場合、結晶粒径が大きくなり、フェライト/オーステナイト相の層状組織ではなく、フェライト相を母相として100μm未満の楕円から円形のオーステナイト相が分散している好ましい組織形態から大きく逸脱する場合がある。また、γ相率が減少して良好な伸びが得られなくなる場合がある。耐食性や加工性の発現に好ましい組織形態とするために、より好ましくは980〜1100℃の範囲とする。さらに好ましくは980〜1050℃とする。
仕上げ焼鈍後の冷却は、加熱温度から200℃までの平均冷却速度を3℃/秒以上とすることが好ましい。3℃/秒未満の場合、Cr窒化物の粒界析出に基づく鋭敏化により耐食性が低下する。冷却速度の上限は、特に規定するものではないが、ガス冷却の場合50℃/秒くらいである。水冷の場合は300〜500℃/秒である。工業的な連続焼鈍設備を使用する場合、好ましくは10〜40℃/秒とする。より好ましくは25〜35℃/秒とする。
前記仕上げ焼鈍の冷却過程において、200〜600℃の温度域にて1分以上滞留させることが好ましい。この温度域での滞留時に結晶粒界近傍に過飽和に存在するNが固溶限の大きいオーステナイト相へ拡散して固溶することにより、孔食電位の低下を招くCr窒化物の粒界析出を抑制する。すなわち、鋭敏化による耐食性の低下を抑制することができる。
滞留温度は高いほどNの拡散に有効であるが、600℃を超えると、Cr炭窒化物の粒界析出を促進させる。そのため、上限は600℃とする。200℃未満になると、Nの拡散に長時間を要し、前記効果を得るのが困難となる。従って、下限は200℃とする。より好ましくは、300〜550℃の範囲とする。さらに好ましくは400〜550℃とする。
滞留時間は、前記効果を得るために1分以上とすることが好ましい。上限は特に規定するものではないが、工業的な連続焼鈍設備を使用する場合は、滞留時間が長時間となると生産性の低下を招くので、5分以下が好ましい。より好ましくは3分以下とする。
本発明の製造方法によれば、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率が15〜50%で、かつ、30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100が0.3V(Vv.s.AGCL)以上で、引張試験における均一伸びが30%以上である耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を製造することができる。
以下に、本発明が鋼板の場合の実施例について述べる。
表2に成分を示すフェライト・オーステナイト系ステンレス250mm厚鋳片を溶製し、熱間圧延を行い板厚5.0mmの熱延鋼板とした。鋼No.1〜鋼No.20は、本発明で規定する成分を有するものである。鋼No.21〜26は、本発明の規定から外れる成分である。これら熱延鋼板を焼鈍・酸洗した後、1mm厚に冷間圧延し、仕上げ焼鈍を実施した。仕上げ焼鈍は、比較のために本発明の規定から外れる条件でも実施した。
得られた冷延焼鈍板から、各種試験片を採取して、γ相の体積率(γ相率)、孔食電位、均一伸びを評価した。γ相率は、0046項に記載するEBSP法により求めた。孔食電位は、30℃、3.5%NaCl水溶液中で#500研磨面のV’c100(Vv.s.AGCL)を測定した。孔食電位の測定値はn3の平均値とした。均一伸びは、圧延方向からJIS13B試験片を採取し、引張速度20mm/分(JIS Z 2241で規定する引張速度の範囲)で測定した値とした。
Figure 0005156293
製造条件と仕上げ焼鈍板のγ相率ならびに特性の関係を表3に示す。
No.1〜11および15〜35は、本発明の成分を有し、本発明で規定する仕上げ焼鈍を実施したものである。これら本発明例は、本発明で規定するγ相率15〜50%を満たし、0.3V以上の孔食電位と30%以上の均一伸びを有するものである。これより、本発明で規定する成分を有するフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を本発明で規定する仕上げ焼鈍を行うことにより、中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を具備し、延性はSUS430LXと比べて十分高くSUS304に匹敵するものまで得られる。特に、No.9〜11は、仕上げ焼鈍条件として、仕上げ焼鈍で200〜600℃の温度域の所定の温度にて約2分滞留した後、滞留した温度から室温まで冷却を行なった例であり、この例では孔食電位Vc’100が良好な値を示していた。
No.12〜14は、本発明で規定する成分を有するものの、本発明で規定する仕上げ焼鈍条件から外れるものであり、本発明の目標とする孔食電位や均一伸びが得られなかったものである。
No.36〜41は、本発明の規定から外れる成分であり、本発明で規定する仕上げ焼鈍を実施しても、本発明の目標とする孔食電位や均一伸びが得られなかったものである。
Figure 0005156293
本発明によれば、鋼の成分およびγ相率を規定し、仕上げ焼鈍条件をコントロールすることにより、中性塩化物環境でSUS304と同等以上の耐食性を具備する、耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を製造することが出来、このフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は中性塩化物環境で使用する厨房機器、家電製品、電子機器など幅広い分野に適用することが出来る。
鋼No.1の仕上げ焼鈍の冷却速度と孔食電位の関係を示す図である。

Claims (9)

  1. 質量%にて、
    C:0.001〜0.1%、
    Cr:17〜25%、
    Si:0.01〜1%、
    Mn:0.5〜3.7%、
    N:0.06%以上、0.15%未満を含有し、
    下記式(1)で示される耐孔食指数(PI値)が18%超を満足し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率が15〜50%であることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
    耐孔食指数(PI値)=Cr+3Mo+10N−Mn・・・・・(1)
  2. 前記鋼が、さらに質量%にて、
    Ni:0.6〜3%、
    Cu:0.1〜3%
    の2種を含有していることを特徴とする請求項1に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 前記鋼が、さらに質量%にて、
    Mo:1%以下、
    Nb:0.5%以下、
    Ti:0.5%以下、
    Al:0.1%以下、
    B:0.01%以下、
    Ca:0.01%以下、
    Mg:0.01%以下
    の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100が0.3V(Vv.s.AGCL)以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
  5. 引張試験における均一伸びが30%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の鋼成分を有するステンレス鋼塊を熱間鍛造あるいは熱間圧延により熱延鋼材とし、熱延鋼材の焼鈍を行った後、冷間加工と焼鈍を繰り返す鋼材の製造方法において、仕上げ焼鈍を950〜1150℃に加熱・保持し、加熱温度から200℃までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とすることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の鋼成分を有するステンレス鋼塊を熱間鍛造あるいは熱間圧延により熱延鋼材とし、熱延鋼材の焼鈍を行った後、冷間加工と焼鈍を繰り返す鋼材の製造方法において、仕上げ焼鈍で950〜1150℃に加熱・保持した後、600℃までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、200〜600℃の温度域にて1分以上滞留した後、滞留した温度から室温までの平均冷却速度を3℃/秒以上とし、フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とすることを特徴とする耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
  8. フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とし、かつ、30℃、3.5%NaCl水溶液中の孔食電位Vc’100を0.3V(Vv.s.AGCL)以上とすることを特徴とする請求項6または7に記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
  9. フェライト相を母相としてオーステナイト相の体積分率を15〜50%とし、かつ、引張試験における均一伸びを30%以上とすることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の耐食性と加工性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
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