JP5147455B2 - 麺類用小麦粉および麺類用小麦粉組成物、麺類用小麦粉の製造方法 - Google Patents

麺類用小麦粉および麺類用小麦粉組成物、麺類用小麦粉の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子の形状に特徴を有する小麦粉である。原料として小麦を用い、衝撃式粉砕と分級からなる連続工程により該小麦粉を製造する方法、ならびに、該小麦粉を配合した小麦粉組成物に関する。本発明の粒子の形状に特徴を有する小麦粉、ならびに、該小麦粉を配合した小麦粉組成物は、麺の食感が良好で且つ嗜好性に優れる製麺に好適な小麦粉ならびに小麦粉組成物である。
従来の一般的な小麦粉は、ロール式粉砕と篩分けを多段階で組み合わせた工程の中で、胚乳と外皮部とを分離し、製造されている。原料となる小麦は、ロール挽砕の初期段階で、小麦粒(原麦)を開披して胚乳を粗い粒子の状態で取り出し、外皮と胚乳に分離するための段階、ついで粗い粒子の胚乳を細かく粉砕し、上がり粉と呼ばれる細かい粒子を得るための段階に大別され、さらにこれらの工程が多段階に細分化され、構成されている。そして細分化された各段階から得られた上がり粉を灰分量やたん白量および二次加工性などの性質を勘案してグルーピングを行うことで小麦粉製品となる(特許文献1)。
小麦粉は、ロールによる粉砕と篩による篩分けの繰り返しにより、ふすまを含む再粉砕画分と上がり粉とに分離して行われるところ、特許文献1は、画分小麦粉が再粉砕画分のうち粒度100〜210ミクロン、好ましくは100〜190ミクロンの粒度範囲のものに調整し、その灰分は0.4〜3.0%であることが必要であり、この灰分が0.4%未満では、栄養価、風味の点で不充分であり、一方3.0%を超えると小麦粉がくすんだ色調となり、かつふすまの青臭さが生じ好ましくないとして、100〜210ミクロンの粒度を有し、かつ灰分0.4〜3.0%である小麦粉を20〜40重量%含有することを特徴とする小麦粉を提案している。
小麦粉は平均粒径が150ミクロンより小さい粒径にまで粉砕すると風味が失われ、一方平均粒径が230ミクロンを超えると二次加工性が低下するので、好ましくなく、また灰分は、0.8〜1.2%であることが必要であり、この灰分が0.8%未満では、栄養価、風味がなくなり、一方1.2%を超えるとふすまの青臭さが生じると共に小麦粉がくすんだ色調となり、かつこの小麦粉を用いて得られる小麦粉組成物の二次加工適性も低下するので好ましくないとして、特許文献2は、平均粒径150〜230ミクロンおよび灰分0.8〜1.2%を有する、風味に優れた小麦粉、またはその小麦粉を5〜40重量%含有する小麦粉組成物を提案している。
特開2004−147549号公報 特開2005−168451号公報
上記のような製造工程を経て、上記の多段階の粉砕工程により、澱粉粒や澱粉粒同士がタンパク質を介して結合した状態の複合粒子(以下、便宜的に「複合粒子」という。)などに細分化し、それらをグルーピングしたものが一般的な小麦粉であるが、複数段階の粉砕においてロールによる剪断力の影響を受け、様々な粒子形状の粒子が生じる。特に複合粒子の形状にばらつきが見られ、従来の上がり粉のグルーピングでは、加工時の作業性や品質に課題があった。特に麺類の製造においては、複合粒子の形状のばらつきから製麺時に水和のばらつきを引き起こし、均一なグルテンの形成が難しいことから、良好な食感や嗜好性に優れることを特徴づける麺類を得ることが難しかった。それゆえ、従来技術では、水和を一定に近づけ、グルテンの形成をより均一にすることでもたらされる良好な食感で、且つ嗜好性に優れる麺類を得るためには、複合粒子の除去や上がり粉のグルーピングに制限が必要となるため、歩留の低下などを伴う。
従って、本発明では、従来のロール式粉砕と篩分けの繰り返しによる多段階の製粉技術で得られる一般的な小麦粉とは異なる、粒子形状が略球状で均一な複合粒子を得ることで上記課題を解決し、麺類の製造においては、食感が良好で、且つ嗜好性に優れる麺類を提供することにある。
本発明者らは、小麦に新たな品質的価値を付与するためには、小麦粉の粒子形状に着目し、特に複合粒子の形状を略球状にすることが重要であることを見出した。そして、多段階によるロール式粉砕を用いるのではなく、衝撃式粉砕と分級からなる連続工程を用いることにより、複合粒子の形状が球状に近くなることを見出した。これを特徴とすることにより、本発明の小麦粉を麺類に使用する場合には、製麺状態の良化や、得られた麺類の食感や嗜好性の良化を見出した。
すなわち、本発明は以下の(1)記載の麺類用小麦粉を要旨とする。
(1)原料として小麦を用い、ハンマーミルによる衝撃式粉砕と分級からなる連続工程から得られる、20μm以上の粒子径の範囲で、粒子形状がフラクタル次元(D)としてD≦1.064の範囲にあり、粒子形状が略球状である麺類用小麦粉。
また、本発明は以下の()記載の麺類を要旨とする。
)上記(1)記載の麺類用小麦粉を含有する原料を用いることを特徴とする麺類。
また、本発明は以下の(3)記載の麺類用小麦粉組成物を要旨とする。
)上記(1)記載の麺類用小麦粉を5重量%以上配合させてなる麺類用小麦粉組成物。
さらにまた、本発明は以下の(4)および(5)記載の麺類用小麦粉の製造方法を要旨とする。
(4)原料として小麦を用い、ハンマーミルによる衝撃式粉砕と分級からなる連続工程により20μm以上の粒子径の範囲で、粒子形状がフラクタル次元(D)としてD≦1.064の範囲にあり、粒子形状が略球状である麺類用小麦粉にすることを特徴とする麺類用小麦粉の製造方法。
(5)粒子形状が略球状である小麦粉にした後、それを5重量%以上配合させ麺類用小麦粉組成物にすることを特徴とする請求項4記載の麺類用小麦粉の製造方法。
本発明により、複合粒子の粒子形状が略球状で均一である小麦粉を提供することができる。従来技術の多段階によるロール式粉砕を用いるのではなく、衝撃式粉砕と分級からなる連続工程を用いることにより、球状に近い複合粒子からなる小麦粉を得ることができ、麺の食感が良好で且つ嗜好性に優れる製麺に好適な小麦粉を提供することができる。また、本発明により、複合粒子の粒子形状が均一となるため食感が良好で且つ嗜好性に優れる麺類を提供することができる。
本発明の小麦粉は、20μm以上の粒子径の範囲で、粒子形状がフラクタル次元(D)としてD<1.075の範囲にあり、粒子形状が略球状である小麦粉である。従来技術で得られる一般的な小麦粉は、複合粒子の粒子形状にばらつきが見られ、粒子表面は歪みが大きく、20μm以上の粒子径の範囲で、略球状の小麦粉は見出されていなかった。
複合粒子が略球状となる小麦粉を得る好適な方法として、原料を小麦として、衝撃式粉砕機を用いて粉砕し、またこれに分級を組み合わせることで、当該特徴を得ることが可能となる。衝撃式粉砕から分級の工程は連続した工程とすることが望ましい。衝撃式粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、ピンミルなどが、分級工程としては篩や空気分級などが挙げられる。衝撃式粉砕機と分級の連続した工程では、小麦を粉砕するのみならず複合粒子の形状を略球状とするものである。
また本発明で原料となる小麦は、小麦原麦をそのまま用いることもできるが、加水して用いたり(調質)、粉砕機の負荷を軽減するために、予め小麦粉の外皮部を除去した小麦粒(精麦粒)を用いてもかまわない。本発明では、従来の製粉工程で実施している初期段階で粗く粉砕する工程(セモリナ製造工程)を経なくても、略球状の複合粒子からなる小麦粉を得ることができる。原料となる小麦の種類も特に限定されず、薄力小麦、普通小麦、準強力小麦、強力小麦、デュラム小麦のいずれでもよい。
ここで、複合粒子の粒子形状が一般のロール式粉砕で得られた小麦粉と異なり、より球状に近いことを表す手段として、電子顕微鏡画像の二値化による投影画像として、面積−周囲長によるフラクタル次元を用いることができる〔粉体工学会誌 Vol.34,No.1,page4−9(1997)参照〕。
本発明の面積−周囲長によるフラクタル次元の測定方法は下記のとおり示される。小麦粉試料について走査型電子顕微鏡(日立製S−3000N)を用いて80倍で撮影し、得られた画像データを画像解析ソフトウェア(旭化成IP−1000PC)を用いて二値化して粒子の周囲長および面積を求めた。ここで、粒子径の範囲が20μm以上の粒子を複合粒子として抽出し解析する。20μm以上の粒子径の範囲とは、電子顕微鏡撮影画像の画像解析から求めた粒子一粒あたりの平均的な粒子径が20μm以上であることを示し、そのような粒子の面積値は約314cm以上となる。これより細かい粒子(澱粉粒に該当する)は、解析データから除外する。このようにして得られた複合粒子の面積を横軸、周囲長を縦軸に其々対数プロットして得られる、近似直線の傾きの2倍を指標とする。
本発明の面積−周囲長によるフラクタル次元の測定方法は下記のとおり示される。小麦粉試料について走査型電子顕微鏡(日立製S−3000N)を用いて80倍で撮影し、得られた画像データを画像解析ソフトウェア(旭化成IP−1000PC)を用いて二値化して粒子の周囲長および面積を求める。複合粒子として、粒子径が20μm以上の粒子を抽出して解析する。粒子径が20μmよりも細かい粒子はほとんどが澱粉粒に該当し、本発明の複合粒子にはあたらないため、粒子形状の解析からは除外する。尚、粒子径は、電子顕微鏡撮影画像の画像解析から求めた粒子一粒あたりの平均的な粒子径を示すものであり、粒子径が20μm以上の範囲とは、具体的には粒子一粒あたりの面積が314μm以上の粒子の範囲となる。
P∝AD/2
P:周囲長
A:面積
D:フラクタル次元
本発明で略球状とは、球状に近い、もしくは球状の形状でフラクタル次元Dの値として1.075未満となる形状を示す。真球状の場合、フラクタル次元は1.0となるため、この値に近いほど、粒子の表面は滑らかで歪みが少なく、球形に近い均一な形状で好適な小麦粉となる。
本発明で得られる複合粒子の形状が略球状である小麦粉は、従来のロール粉砕等で得られる一般的な小麦粉に配合することによっても、優れた品質的価値を付与することができる。この場合、本願の小麦粉を、品質的価値を付与する添加剤として一般的な小麦粉に配合し、小麦粉組成物とする。その配合量は、本発明の小麦粉を一般的な小麦粉に対して5重量以上とすることが望ましい。また、その配合量の上限は、本願の小麦粉のみでも使用可能であることから規定されるものではなく、一般的小麦粉の性質によっても異なるが、小麦粉組成物とする場合には50%程度の配合量で品質的価値の付与効果を充分に引き上げることができる。
本発明の小麦粉、または本発明の小麦粉を含有する小麦粉組成物は、麺類の製造に用いることができる。本発明の小麦粉を麺類に配合すると、製麺性が良く(水和が早く均一なそぼろ状態となる)、食感、嗜好性に優れた麺類が得られる。これら麺類の種類は特に限定されず、うどんなどの日本麺、中華麺、即席麺などが例示される。
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例2および実施例6は参考例である。
北海道産軟質小麦を用いて、ハンマーミルで粉砕し、連続した工程の篩機(目開き約0.2mm)で篩分け(篩下を回収する−以下の実施例、比較例でも同様)を行い、対原料で78%の歩留の小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、以下の配合および工程により、製麺試験を実施、15名の専門パネラーによって、「製麺時のミキシング状態」「茹で麺の食感」(即席麺の評価では、「湯戻し麺の食感」)「嗜好性」「総合評価」を評価基準に従い、評価した。評価基準は、下記の通り。また評価結果を表1に示す。
《評価基準》
「製麺時のミキシング状態」(水和の速さ(水が馴染む速さ)とそぼろ状態の均一さを観察)
++ :非常に良い
+ :良い
± :普通
− :あまり良くない
―― :良くない
「茹で麺の食感」(うどん/中華麺における適度な粘りと弾力の評価)
++ :非常に良い
+ :良い
± :普通
− :あまり良くない
―― :良くない
「湯戻し麺の食感」(即席麺における適度な粘りと弾力の評価)
++ :非常に良い
+ :良い
± :普通
− :あまり良くない
―― :良くない
「嗜好性」
++ :非常に良い
+ :良い
± :普通
− :あまり良くない
―― :良くない
「総合評価」
++ :非常に良い
+ :良い
± :普通
− :あまり良くない
―― :良くない
<配合>
小麦粉 100重量部(以下、配合の数値の単位は同じ)
食塩 3
水 36
<工程>
上記材料を竪型ミキサーに投入し、低速で0.5分・中速9.5分のミキシングを行い、ミキシング状態やそぼろの状態を観察した。この混捏生地を製麺ロールにて、複合・圧延を行い、最終麺帯厚2.2mmで、切刃角No.10で切り出し、生うどんを製造した。茹で時間は12.5分とした。
北海道産軟質小麦を用いて、ピンミルで粉砕し、連続した工程の篩機(目開き約0.2mm)で篩い分けを行い、対原料で76%の歩留の小麦粉を得た。図1に得られた複合粒子の形状を走査型電子顕微鏡写真で示す。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
北海道産軟質小麦を用いて、ハンマーミルで粉砕し、連続した工程の空気分級機で分級を行い、対原料で70%の歩留の小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
北海道産軟質小麦に16%の水分となるように、原料に加水を行い、24時間室温で寝かして調質された原料を用い、実施例1と同条件で粉砕・分級の工程を経て、対原料で76%の歩留まりの小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
北海道産軟質小麦を精麦機に通し、対原料で5重量%に相当する精麦処理を施した後、実施例1と同条件で粉砕・分級の工程を経て、対原料で81%の歩留の小麦粉を得た。図1に得られた複合粒子の形状を走査型電子顕微鏡写真で示す。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
北海道産軟質小麦を用いて、常法のロール式粉砕による多段階の製粉工程(ビューラー製テストミル使用)で、対原料で60%の歩留となる様調整して、小麦粉を得た。図1に得られた複合粒子の形状を走査型電子顕微鏡写真で示す。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1で得られた小麦粉用い、空気分級機で分級し、対原料で54%の歩留の小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
北海道産軟質小麦を用いて、石臼で粉砕し、次に篩機(目開き約0.2mm)に通して篩分けを行い、対原料で65%の歩留の小麦粉を得た。図1に得られた複合粒子の形状を走査型電子顕微鏡写真で示す。
この小麦粉を用いて、実施例1と同様に生うどんを製造し、評価を行った。結果を表1に示す。
上記の通り、20μm以上の範囲の粒子径で、粒子形状がフラクタル次元D<1.075で表される小麦粉は、一般的な小麦粉と比べて、良好な食感且つ嗜好性に優れるうどんが得られる。また、本発明では、均一な形状の小麦粉が得られることと、従来の製粉方法のような多段階の粉砕と異なる(本発明では粒子の細分化とグルーピングの繰り返しを必要としない)ことから、製造工程中での歩留りも向上することが示唆された。
北米産硬質小麦を用いて、ハンマーミルで粉砕し、連続した工程の篩機(目開き約0.2mm)で篩い分けを行い、対原料で69%の歩留の小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、以下の配合および工程により、製麺試験を実施した。評価結果について、表2に示す。
<配合>
小麦粉 100重量部
食塩 1
かんすい 1
水 34
<工程>
上記材料を竪型ミキサーに投入し、低速で0.5分・中速9.5分のミキシングを行い、ミキシング状態やそぼろの状態を観察した。この混捏生地を製麺ロールにて、複合・圧延を行い、最終麺帯厚1.4mmで、切刃角No.20で切り出し、生中華麺を製造した。茹で時間は3分とした。
[比較例4]
北米産硬質小麦を用いて、常法のロール式粉砕による製粉工程(ビューラー製テストミル使用)で、対原料で60%の歩留となる様調整して、小麦粉を得た。
この小麦粉を用いて、実施例6と同様に中華麺を製造し、評価を行った。結果を表2に示す。
上記の通り、20μm以上の範囲の粒子径で、粒子形状がフラクタル次元D<1.075で表される小麦粉は、一般的な小麦粉と比べて、良好な食感且つ嗜好性に優れる中華麺が得られる。
通常の市販の中力粉「北海道」(昭和産業株式会社製)に対し、実施例1で得られた小麦粉を5重量%となるように配合して小麦粉組成物とし、実施例1と同様にうどんを製造し、評価を行った。結果は表3に示す。
実施例7で用いた市販の中力粉「北海道」に対し、実施例1で得られた小麦粉を50重量%となるように配合して小麦粉組成物とし、実施例1と同様にうどんを製造し、評価を行った。結果は表3に示す。
[比較例5]
実施例7で用いた市販の中力粉「北海道」に対し、実施例1で得られた小麦粉を3重量%となるように配合し、実施例1と同様にうどんを製造し、評価を行った。結果は表3に示す。
上記の通り、20μm以上の範囲の粒子径で、粒子形状がフラクタル次元D<1.075で表される小麦粉を、一般的な小麦粉に対し、5重量%以上となるように配合して使用することで、良好な食感且つ嗜好性に優れるうどんが得られる。
中華麺用粉「金蘭」(昭和産業株式会社製)に対し、実施例1で得られた小麦粉を5重量%となるように配合し、実施例6と同様に中華麺を製造し、評価を行った。結果は表4に示す。
[比較例6]
実施例9で用いた中華麺用粉「金蘭」を用い、実施例6と同様に中華麺を製造し、評価を行った。結果は表4に示す。
[比較例7]
実施例9で用いた中華麺用粉「金蘭」に対し、実施例7で用いた市販の中力粉「北海道」を5重量%となるよう配合し、実施例6と同様に中華麺を製造し、評価を行った。結果は表4に示す。
上記の通り、20μm以上の範囲の粒子径で、粒子形状がフラクタル次元D<1.075で表される小麦粉を、一般的な小麦粉に対し、5重量%以上となるように配合して使用することで、良好な食感且つ嗜好性に優れる中華麺が得られる。
日本麺用粉「特初穂」(昭和産業株式会社製)に対し、実施例1で得られた小麦粉を5重量%となるように配合して小麦粉組成物とし、以下の通り、即席麺を製造した。結果は表5に示す。
<配合>
小麦粉 80
澱粉 20
増粘多糖類 0.3
=以上粉配合=
醤油 0.5
食塩 0.5
かんすい 0.3
水 36
<工程>
上記材料を竪型ミキサーに投入し、低速で0.5分・中速4.5分・低速15分のミキシングを行い、ミキシング状態やそぼろの状態を観察した。この混捏生地を製麺ロールにて、複合・圧延を行い、最終麺帯厚1.25mmで切刃丸No.18で切り出し、生中華麺を製造した。この麺を蒸し器にて3分間蒸し、型に入れ140℃で2分30秒油揚げした。湯戻し時間は3分とした。
[比較例8]
実施例10で用いたに日本麺用粉「特初穂」を用い、実施例10と同様に即席麺を製造し、評価を行った。結果は表5に示す。
[比較例9]
実施例10で用いた日本麺用粉「特初穂」に対し、実施例7で用いた市販の中力粉「北海道」を5重量%となるよう配合し、実施例10と同様に即席麺を製造し、評価を行った。結果は表5に示す。
上記の通り、20μm以上の範囲の粒子径で、粒子形状がフラクタル次元D<1.075で表される小麦粉を、一般的な小麦粉に対し、5重量%以上となるように配合して使用することで、良好な食感且つ嗜好性に優れる即席麺が得られる。
従来にない粒子形状の品質に優れた小麦粉を提供することができる。食感が良好で且つ嗜好性に優れる麺類を提供できるという小麦に新たな品質的価値を付与することができる。
複合粒子の形状を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡写真である。(80倍で撮影、画像解析により粒径20μm以上の範囲で抽出された粒子の形状)

Claims (5)

  1. 原料として小麦を用い、ハンマーミルによる衝撃式粉砕と分級からなる連続工程から得られる、20μm以上の粒子径の範囲で、粒子形状がフラクタル次元(D)としてD≦1.064の範囲にあり、粒子形状が略球状である麺類用小麦粉。
  2. 請求項1記載の麺類用小麦粉を含有する原料を用いることを特徴とする麺類。
  3. 請求項1記載の麺類用小麦粉を5重量%以上配合させてなる麺類用小麦粉組成物。
  4. 原料として小麦を用い、ハンマーミルによる衝撃式粉砕と分級からなる連続工程により20μm以上の粒子径の範囲で、粒子形状がフラクタル次元(D)としてD≦1.064の範囲にあり、粒子形状が略球状である麺類用小麦粉にすることを特徴とする麺類用小麦粉の製造方法。
  5. 粒子形状が略球状である小麦粉にした後、それを5重量%以上配合させ麺類用小麦粉組成物にすることを特徴とする請求項4記載の麺類用小麦粉の製造方法。
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